【実施例】
【0121】
実施例1
本発明の化合物の例を、次のように製造することができる。
【化7】
5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン。o-ジクロロベンゼン10mlに1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(2ml, 15.9mmol)を加えたものに、シリンジでクロロカルボニルスルフェニルクロリド(1.3ml, 15.9mol)をゆっくり加えた。発熱反応を、油浴によって70℃〜80℃で4時間続けた。この時点で、混合物を室温に冷却し、溶媒を除去した。次いで、30%酢酸エチルのヘプタン溶液で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。白色固体2.48g(収率81.5%)が単離された。
1H NMR (d
6-DMSO) δ 7.43 (d, 1H, Ar), 7.09 (dd, H, Ar), 7.08 (d, H, Ar), 3.83 (m, 2H, C
H2-N), 2.81 (t, 2H, C
H2-Ar), 1.98 (m, 2H, -C
H2-)。マススペクトル(m/e): C
10H
10NOS
+としての計算値 192.1、実測値192.1。
【0122】
【化8】
5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-チオン。上記化合物(2g, 10.4mmol)および五硫化リン(1.16g, 2.6mmol)をキシレン20ml中で2時間還流した。反応混合物からキシレンを除去した後、5%メタノールを含むジクロロメタンに生成物を抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、次いで水で洗浄した。次いで、有機分画を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターにかけた。定量的収率の白色生成物が単離された。マススペクトル(m/e):C
10H
10NS
2+としての計算値208、実測値208。
【0123】
【化9】
1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムp-トルエンスルホナート。上記チオン(2.16g, 10.4mmol)およびメチルp-トルエンスルホナート(3ml, 19.8mmol)をキシレン20ml中で2時間還流した。反応混合物からキシレンを留去した後、生成物をエーテルで3回粉末化した。減圧下で十分に乾燥した後、定量的収率のオレンジ色生成物が単離された。
1H NMR (d
6-DMSO) δ 8.15 (d, 2H, Tos), 7.73 (d, 2H, Tos), 7.56 (dd, 1H, Ar), 7.45 (d, H, Ar), 7.08 (d, H, Ar), 4.32 (m, 2H, C
H2-N), 3.09 (s, 3H, C
H3-Tos), 3.01 (t, 2H, C
H2-Ar), 2.26 (s, 3H, C
H3-S), 2.22(m, 2H, -C
H2-)。マススペクトル(m/e): C
11H
12NS
2+としての計算値222.0、実測値222.1。
【0124】
【化10】
1-((1-メチルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3632)。1,4-ジメチルキノリニウムヨージド(403mg, 1.4mmol)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムp-トルエンスルホナート(555mg, 1.4mmol)を、窒素雰囲気下で無水ジクロロメタン10mlに溶解した。この攪拌混合物に、シリンジでトリエチルアミン(590μL,4.2mmol)を加えた。この塩基を添加すると同時に反応物の色はオレンジ色から深紅色に変化した。室温で4時間攪拌した後、混合物を5%メタノールおよび5%酢酸のジクロロメタン溶液で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。470mg(〜73%)の赤色固体が単離された。
1H NMR (d
6-DMSO) δ 8.76 (d, 1H, Ar), 8.54 (d, 1H, Ar), 7.99 (m, 2H, Ar), 7.84 (d, 1H, Ar), 7.73 (t, 1H, Ar), 7.30 (m, 3H, Ar), 6.88 (s, 1H, C
H=), 4.48 (t, 2H, C
H2-N), 4.12 (s, 3H, C
H3-), 2.97 (t, 2H, C
H2-Ar), 2.22(m, 2H, -C
H2-)。マススペクトル(m/e): C
21H
19N
2S
+ としての計算値331.1、実測値 331.2。 Ex λ = 504 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
【0125】
【化11】
1-ベンジル-4-メチルキノリン-2(1H)-オン。2-ヒドロキシ-4-メチル-キノリン(4.32g, 27.1mmol)、炭酸カリウム(5.63g, 40.7mmol)およびDMF(50mL)を、250mLフラスコ中、室温、窒素雰囲気下で攪拌した。シリンジでベンジルブロミド(6.96g, 40.7mmol)を加え、反応物を110℃で3時間加熱した。反応物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、留去して黄色固体を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2,1:1 EtOAc:ヘプタン)で精製して、2.95g(62%)の白色固体を得た。
1H-NMR (CD
2Cl
2) δ 2.55 (s, 3H), 5.55 (s, 2H), 6.63 (s, 1H), 7.23 (m, 7H), 7.42 (t, 1H, J = 6 Hz), 7.78 (d, 1H, J = 9 Hz);分析値:C
17H
16NO (M + H)としての計算値250.12、実測値250.1(M + H, ESI+)。
【0126】
【化12】
4-メチル-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-2(1H)-オン。2-ヒドロキシ-4-メチルキノリン(1.0g, 6.28mmol)およびK
2CO
3(1.302g, 9.42mmol)の混合物を乾燥DMF10mLに加えたものに1-ブロモ-3-フェニルプロパン(1.43mL, 9.42mmol)を加え、混合物を60℃で終夜加熱した。揮発物を減圧下で除去し、黄色固体を得、これをEtOAcに懸濁し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルで精製して白色固体で生成物を得た。
1NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 7.71 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.24 (m, 7H), 6.65 (s, 1H), 4.32 (t, 2H), 2.28 (t, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.06 (m, 2H) ppm; マススペクトル(m/e): C
19H
19NO としての計算値278.15、実測値278.2。
【0127】
【化13】
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1-フェニル-4-メチル-2-キノロン(0.4g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.54g)から表題化合物(0.27g)を合成した。マススペクトル(m/e):C
26H
20ClN
2S
+としての計算値427、実測値 427。
【0128】
【化14】
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-メチルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1,4-ジメチル-2-キノロン(0.20g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.36g)から表題化合物(53mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
21H
18ClN
2S
+ としての計算値365、実測値365。
【0129】
【化15】
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-ベンジルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1-ベンジル-4-メチル-2-キノロン(0.25g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.32g)から表題化合物(0.13g)を合成した。マススペクトル(m/e):C
27H
22ClN
2S
+としての計算値441、実測値 441。
【0130】
【化16】
1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムクロリド。US5658751の手順に従って、4-メチル-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-2(1H)-オン(0.37g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.49g)から表題化合物(79mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
29H
26ClN
2Sとしての計算値 469.15、実測値 469.3。
【0131】
【化17】
アミノキノリニウムジヒドロチオゾロ-キノリニウムシアニンの製造のための一般法。適切な1-((2-クロロ-1-(R”)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムをジクロロメタンに溶解した。この攪拌溶液に過剰のアミンを加えた。2〜18時間後、溶媒を除去し、溶出溶媒として0.1%TFA水溶液およびアセトニトリルを用いる分取HPLCによって粗生成物を精製した。
【0132】
【化18】
1-((2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3568)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(21mg)および過剰のN,N,N-トリメチルエタン-1,2-ジアミンから出発して、合計で8.1mg(収率〜33%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C
31H
33N
4S
+ としての計算値493.2、実測値 493.3。 Ex λ = 466 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
【0133】
【化19】
1-((2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3654)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(30mg)および過剰のN,N-ジメチル-N-プロピルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で4mg(収率〜11%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C
34H
39N
4S
+ としての計算値535.3、実測値 535.3。 Ex λ = 498 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
【0134】
【化20】
1-((2-(ビス(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(PBI 3646)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(430mg)および過剰のN-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で36.5mg(収率〜6%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C
36H
44N
5S
+としての計算値578.3、実測値 578.3。 Ex λ = 504 nm; Em λ (ds DNA) = 531 nm。
【0135】
【化21】
1-((2-(ビス(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(PBI 3675)。1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(70mg)および過剰のN-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で67mg(収率〜66%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C
39H
50N
5S
+ としての計算値620.4、実測値 620.5。 Ex λ = 503 nm; Em λ (ds DNA) = 535 nm。
【0136】
【化22】
2-(ベンジル(2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3666)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムクロリド(64mg)から表題化合物(1.5mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
37H
37N
4S
+としての計算値569、実測値569。
【0137】
【化23】
2-(ブチル(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3667)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルノリニウムクロリド(58mg)から表題化合物(3mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
35H
41N
4S
+としての計算値549、実測値549。
【0138】
【化24】
2-(ジエチルアミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3676)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1フェニルキノリニウムクロリド(22mg)から表題化合物(8mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
30H
30N
3S
+としての計算値464、実測値464。
【0139】
【化25】
1-ベンジル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)キノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3677)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-ベンジルキノリニウムクロリド(130mg)から表題化合物(8mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
35H
41N
4S
+としての計算値549、実測値549。
【0140】
【化26】
1-メチル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)キノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3678)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-メチルキノリニウムクロリド(53mg)から表題化合物(7mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C
29H
37N
4S
+としての計算値473、実測値473。
【0141】
【化27】
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)-1-(3-フェニルプロピル)キノリニウム(PBI 3679)。1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(40mg)および過剰のN,N-ジメチル-N-プロピルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で2mg(収率〜11%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C
37H
45N
4S
+としての計算値577.84、実測値577.3。 Abs. λ
max = 499 nm; Em λ
max =533 nm; Φ = 0.34。
【0142】
表1.選択化合物の量子収率(Φ)、吸光度(λ
Ex)および発光(λ
maxEm)データの概要
【0143】
実施例2
本発明の化合物の例は、以下のように合成できる。
【化28】
N-(3-メトキシフェニル)-3-オキソブタンアミド。蒸留装置を備えた500mL丸底フラスコに、エチルアセトアセタート(190mL, 1.5モル)を移した。油浴で150〜160℃に温度を上げた後、このフラスコに20〜30分かけてm-アニシジン(33.6mL, 0.3モル)を滴下した。添加後、エタノールが留去されなくなるまで反応を続けた。次いで、温度をおよそ90℃まで下げ、過剰のエチルアセトアセタートを高真空下で除去した。残渣をイソプロパノールで再結晶して、36gの白色固体を得た。MS
+ 208.1;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 7.28-7.18 (m, 2H), 7.08-7.00 (d, 1H), 6.70-6.62 (d, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 2.30 (s, 3H)。
【0144】
【化29】
7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン。250mLフラスコ中で、N-(3-メトキシフェニル)-3-オキソブタンアミド(1g, 4.8mmol)をポリリン酸(30g)と混合した。混合物を、100℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、200mLの水中に注ぎ、炭酸カリウム溶液を用いてpHを7に調節した。環化した化合物を酢酸エチルで抽出した。カラム(ヘプタン/THF)で精製後、690mgの白色固体を得た。MS
+ 190.0;
1HNMR (CD
3OD) δ ppm 7.74-7.64 (d, 1H), 6.95-6.80 (m, 2H), 6.32 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.42 (s, 3H)。
【0145】
【化30】
7-メトキシ-1,4-ジメチルキノリン-2-オン。DMF5mLにKOH(670mg, 12mmol)を移し、この懸濁液を室温で1時間攪拌した。この溶液に7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)を移し、混合物を55℃で終夜攪拌した。反応の終了時点で、溶液に水50mLを注ぎ、メチル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体120mgを得た。MS
+ 204.1;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 7.64-7.60 (d, 1H), 6.86-6.82 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 2.40 (s, 3H)。
【0146】
【化31】
N-ベンジル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン。7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)、ベンジルブロミド(250mg, 1.5mmol)および炭酸セシウム(500mg, 1.5mmol)をDMF5mLに混合し、この懸濁液を120℃、窒素雰囲気下で2.5時間攪拌した。反応終了時に、この溶液を水50mLに注ぎ、ベンジル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体125mgを得た。MS
+ 280.2;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 7.65 (d, 1H), 7.36-7.20 (m, 5H), 6.85-6.75 (dd, 1H), 6.70 (d, 1H), 6.49 (s, 1H), 5.49 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 2.47 (s, 3H)。
【0147】
【化32】
N-フェニル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン。7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)、ヨードベンゼン(200μL, 1.8mmol)、銅粉(300mg, 4.7mmol)および炭酸カリウム(138mg, 1mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド5mLと混合し、この懸濁液を170℃、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。反応終了時に、この溶液を水50mLに注ぎ、ベンジル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層Na
2SO
4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体120mgを得た。MS
+ 266.1;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 7.70-7.50 (m, 4H), 7.30-7.24 (m, 2H), 6.84-6.78 (dd, 1H), 6.44 (s, 1H), 6.10-6.08 (s, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.50 (s, 3H)。
【0148】
【化33】
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、7-メトキシ-1,4-ジメチルキノリン-2-オン(101mg, 0.5mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(480mg, 2.5mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。この溶液にオキシ塩化リン(415μL, 4.5mmol)を注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、反応フラスコに7分間かけてトリエチルアミン(3.9mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HCl35mL加えて反応をクエンチした。減圧下でアセトニトリルを大部分除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製し、オレンジ色の固体120mgを得た。MS
+ 395.2
【0149】
【化34】
1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、N-ベンジル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン(100mg, 0.36mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(344mg, 1.8mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。オキシ塩化リン(300μL, 3.2mmol)をこの溶液に注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、反応フラスコに7分間かけてトリエチルアミン(2.8mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HCl25mLを加えて反応をクエンチした。減圧下で大部分のアセトニトリルを除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製して、オレンジ色の固体44mgを得た。MS
+ 471.3
【0150】
【化35】
1-フェニル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、N-フェニル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン(110mg, 0.41mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(400mg, 2mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。この溶液にオキシ塩化リン(340μL, 3.7mmol)を注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、トリエチルアミン(3.2mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を7分間かけて反応フラスコに滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HClを28mL加えて反応をクエンチした。大部分のアセトニトリルを減圧下で除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製して、オレンジ色の固体73mgを得た。MS
+ 457.3
【0151】
Boc-3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)。ジ-t-ブチルジカーボネート(2.4g,11mmol)をジクロロメタン35mLに溶解し、氷/水浴中でこの溶液を攪拌し、次いで3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)(2.2mL, 10mmol)およびトリエチルアミン(6.3mL, 50mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。添加後、溶液を室温で3時間攪拌した。次いで、溶液を水で2回洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、無色オイル1.6gを得た。MS
+ 288.2;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 3.24-3.14 (t, 4H), 2.24-2.16 (t, 4H), 2.16 (s, 12H), 1.71-1.59 (m, 4H), 1.44 (s, 9H)
【0152】
Boc-3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)。Boc-3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)(1.6g, 5.6mmol)をDMF10mLに溶解し、次いでヨードメタン(1.7mL, 28mmol)を加えた。この溶液を室温、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。遠心管に移した後、この溶液にエーテルを混合した。遠心分離後、エーテルをデカンテーションし、底部のオイルを新鮮なエーテルで2回洗浄し、すべてのエーテルを除去した後、黄色がかった固体3.2gを得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.29-3.15 (m, 8H), 3.12 (s, 18H), 1.95-1.82 (m, 4H), 1.41 (s, 9H)
【0153】
3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)。Boc-3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(2.7g)を、50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液20mLに溶解し、次いでトリイソプロピルシラン500μLを加えた。この溶液を室温で1.5時間攪拌した。次いで、減圧下溶媒を除去し、残渣をエーテルで2回洗浄し、乾燥して黄色がかった化合物3.1gを得た。MS
2+ 108.6;
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.45-3.35 (m, 4H), 3.15-2.95 (m, 22H), 2.12-1.99 (m, 4H)
【0154】
N-Boc-プロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン。ジ-t-ブチルジカーボネート(2.4g, 11mmol)をジクロロメタン35mLに溶解し、この溶液を氷/水浴中で攪拌し、次いでプロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン(1.44g, 10mmol)およびトリエチルアミン(6.3mL,50mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液を滴下した。添加後、この溶液を室温で終夜攪拌した。次いで、この溶液を水で2回洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、無色オイル1.7gを得た。MS
+ 245.1;
1HNMR (CD
2Cl
2) δ ppm 3.22-3.08 (m, 4H), 2.25-2.15 (m, 8H), 1.71-1.59 (m, 2H), 1.59-1.45 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 0.90-0.82 (t, 3H)。
【0155】
3-(N-Boc-プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド。N-Boc-プロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン(1.7g, 〜7mmol)をDMF5mLに溶解し、次いでヨードメタン(3mL, 48mmol)を加えた。この溶液を、室温、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。遠心管に移した後、この溶液をエーテルと混合した。遠心分離後、エーテルをデカンテーションし、底部のオイルを新鮮なエーテルで2回洗浄し、すべてのエーテルを除去した後、オイル様化合物2.9gを得た。MS
+ 259.2;
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.28-3.07 (m, 6H), 3.05 (s, 9H), 1.92-1.80 (m, 2H), 1.52-1.40 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 0.84-0.76 (t, 3H)。
【0156】
3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド。3-(N-Boc-プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(2.9g, 〜7mmol)を50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液20mLに溶解し、次いでトリイソプロピルシラン500μLを加えた。この溶液を室温で1時間攪拌した。次いで、減圧下溶媒を除去し、残渣をエーテルで2回洗浄し、乾燥し、黄色がかった化合物3.1gを得た。MS
+ 159.1;
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.42-3.34 (m, 2H), 3.06 (s, 9H), 3.00-2.82 (m, 4H), 2.11-1.97 (m, 2H), 1.66-1.52 (m, 2H), 0.93-0.87 (t, 3H)
【0157】
【化36】
2-(ビス(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(PBI 4052)。3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(530mg, 〜0.6mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(60mg, 0.14mmol)およびトリエチルアミン(400μL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で3日間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製し、所望産物約18mgを得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.61-8.56 (d, 1H), 7.77-7.73 (d, 1H), 7.35-7.21 (m, 4H), 6.80 (s, 1H), 6.70 (1H), 4.35-4.27 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.53-3.43 (t, 4H), 3.41-3.27 (m, 4H), 3.04 (s, 18H), 3.00-2.90 (t, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 4H)。
【0158】
【化37】
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチル-2-(プロピル(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)キノリニウム。3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(500mg, 〜1mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(60mg, 0.14mmol)およびトリエチルアミン(1mL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で24時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して所望産物約20mgを得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.58-8.52 (d, 1H), 7.76-7.70 (d, 1H), 7.35-7.15 (m, 4H), 6.81-6.77 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 4.35-4.25 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.54-3.45 (t, 2H), 3.45-3.31 (m, 4H), 3.05 (s, 9H), 3.00-2.90 (t, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 2H), 1.73-1.58 (m, 2H), 1.18-1.12 (t, 3H)。
【0159】
【化38】
1-ベンジル-2-(ビス(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウム(PBI 4050)。3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(410mg, 〜0.8mmol)、1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド(44mg, 0.08mmol)およびトリエチルアミン(300μL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で24時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して、所望産物約4mgを得た。
1HNMR (d4-MeOD) δ ppm 8.46-8.42 (d, 1H), 7.78-7.74 (d, 1H), 7.42-7.26 (m, 6H), 7.21-7.03 (m, 5H), 5.88 (s, 2H), 4.42-4.36 (t, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.59-3.51 (t, 4H), 3.33-3.25 (m, 4H), 3.18-3.14 (m, 2H), 3.07 (s, 18H), 2.40-2.30 (m, 2H), 2.30-2.12 (m, 4H)。
【0160】
【化39】
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニル-2-(プロピル(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)キノリニウム(PBI 4054)。3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(400mg, 〜0.8mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウムクロリド(37mg, 0.07mmol)およびトリエチルアミン(1mL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で72時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して、所望産物約11mgを得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.65-8.59 (d, 1H), 7.90-7.64 (m, 6H), 7.36-7.20 (m, 3H), 6.93-6.91 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.42-4.34 (t, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.25-3.05 (m, 6H), 3.05-2.90 (s, 9H), 2.28-2.16 (m, 2H), 1.74-1.68 (m, 2H), 1.36-1.20 (m, 2H), 0.80-0.72 (t, 3H)
【0161】
【化40】
1-ベンジル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-(ジメチルアミノ)-7-メトキシキノリニウム(PBI 4051)。同様な方法を用いて、ジメチルアミンと1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリドとを反応させ、所望の化合物を得た。MS
2+: 480.
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.46-8.40 (d, 1H), 7.82-7.76 (d, 1H), 7.35-7.12 (m, 7H), 7.06-6.98 (m, 3H), 6.66 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 4.35-4.25 (t, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.18 (s, 6H), 3.00-2.84 (t, 2H), 2.25-2.11 (m, 2H)
【0162】
【化41】
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-(ジメチルアミノ)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウム(PBI 4055)。同様な方法を用いて、ジメチルアミンと2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウムクロリドとを反応させ、所望の化合物を得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.58-8.54 (d, 1H), 7.80-7.62 (m, 6H), 7.34-7.13 (m, 3H), 6.67-6.64 (m, 2H), 6.53-6.49 (d, 1H), 4.36-4.28 (t, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.26-2.16 (m, 2H)
特定の化合物の相対明るさ(表2)は、Nygren, J., Svanvik, N., Kubista, M. (1998) Biopolymers, Vol. 46, 39-51 (参照により本願に組み込まれる)に記載のプロトコルに基づいて決定した。
【0163】
表2
【0164】
実施例3
種々の色素での増幅反応の全蛍光の分析
増幅反応における第1サイクルは、それがその反応におけるバックグラウンド(無鋳型対照;NTC)、検出感度および種々のqPCR条件下での二本鎖DNAの結合能力(サイクル1におけるNTCに対して100ngのgDNAを含む反応物において観察される)を明らかにするので情報量が多い。色素の品質を表すために、スペクトルデータサイクル45:1間の数学的関係を用いた。
【0165】
B
ds(FM:Fi)(明るさ因子)は、サイクル1におけるNTCの初期蛍光に対する、45サイクルにおける最大蛍光データの比である。F
B(明るさの逆数)は、全二本鎖蛍光の%で表される"バックグラウンド蛍光"を表す。S(相対感度)(限界をなすカットオフ値が同定されている場合、およそ+/-である)は、バックグラウンド蛍光に対してこれらのqPCR条件下での低レベルのDNA濃度の検出の数表示である。S=[Fi
2μg/ml-Fi
NTC]/1e4/。
【0166】
材料および方法
反応物は、NTC反応物および10pg、1ngまたは100ngのヒトgDNA(鋳型DNA)を有する反応物を含む。増幅反応は、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド18に特異的なプライマーを含んだ。プライマー配列は、5’-3’配向で次のとおりであった。順方向:CACACTGATTGATCCATGCATT(配列番号1)。逆方向:CCACCTCTTCTAAGAGTCCCAT(配列番号2)。データはリファレンス色素(ROX)で正規化した。
【0167】
結果
PBI 3654(SG対照を用いて)に関しては、傾きは3.32であり、y切片は28.34でありR
2は0.998であった。F
B=3.6%であり;F
i=3.8e4であり;F
M(100ng)=1.05e6であり;B
ds=F
M:F
i=27.7であった。
PBI 3677(SG対照を用いて)に関しては、傾きは-3.35であり、y切片は26.89でありR
2は0.998であった。F
i SG NTC=7.8e4であり;F
M SG(100ng)=9.9e5であり;B
ds=F
M:F
i=12.7であり、F
B SG=7.9%であった。
図2は、種々の色素のデータを示す。ほとんどの場合、2μg/mLまで、検出可能な(<NTC)レベルの二本鎖結合は観察されなかった。
図3は、45サイクルにおける、ROX正規化なしの、ベースラインより上の蛍光の変化(ΔRmax)を示す。
図4は、種々の色素のΔRmax、Ct、傾き、y切片、S、B
dsおよびF
Bデータを示す。
【0168】
実施例4
方法
各運転に関して一連の特定の色素を含むようにqPCR反応物(1x qPCR反応混合物;50μL)を組み立てた(各運転における対照セットとして0.4μM SGを含む
)。反応プレートにおける試験色素の範囲は、これまでの結果に基づいて変えた。色素の有無による反応混合物の容量は、最終色素濃度に応じて合わせ、全ウェルを通してROX濃度が均一に分布するように保った。
【0169】
各50μLのqPCRのために、反応ウェル中で、10μLの段階希釈したゲノムDNA標的または水(NTC)を、種々の[色素]の反応混合物40μLと合わせた。標的の添加により、10,000倍の大量範囲を示した。ヒトケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド18の増幅用のプライマーを用いた。
【0170】
45サイクルを通して、10分間のホットスタートなしで、AB 7500デフォルトサイクリングパラメータを用いた。全体に、デフォルトのSDS分析設定を用いた。
【0171】
qPCR反応混合物は以下を含む:
色素プラスDMSO(一定の3%[DMSO]に)
M500の1ポリメラーゼユニット/50μl rxn(表5LU/μl標識単位=8PU/μl)
20mMトリスHCl(pH8.0)
50mM KCl
2mM MgCl
2
1.6mg/ml BSA
10%ショ糖
0.2mM各dNTP
0.2μM各プライマー
1.5μl/ml ROX(0.075μl/rxn)。
【0172】
結果
定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)は、増幅反応中の各サイクルにおける生成物の蓄積を定量する蛍光検出を用いる。qPCRに有用な蛍光色素の特性は、一本鎖DNAの存在下での低いバックグラウンド蛍光、二本鎖DNAと関連する場合の蛍光の増強、二本鎖DNAの量と蛍光強度との間の線形関係およびPCRの最小阻止である。qPCRにおける有用性に関して化合物を試験し、各化合物を用いて検量線を作成した。qPCRにおいて種々の化合物を評価するために用いた検量線の特性は、検量線の傾き(反応の効率の尺度である)、相関係数(R
2)(データの直線性を示す)およびy切片(感度の尺度である)であった。増幅反応が100%の場合、曲線の傾きは-3.3であり、R
2値が1.0は、データの完全な直線性を表し、より高いy切片は、より低い検出限界を示す。データを
図5に示す。
【0173】
実施例5
10x TE(トリス、EDTA)緩衝液をヌクレアーゼフリー水で希釈して、1x TE緩衝液希釈標準溶液を作成した。PBI 3646を、1x TE緩衝液希釈標準溶液に1:1000で希釈した。ラムダDNAを1x TE緩衝液希釈標準溶液で希釈して2000ng/mLの希釈標準溶液を作成した。1x TE緩衝液希釈標準溶液でラムダDNAの1:10倍希釈を行い、検量線を作成した。100μLの段階希釈したラムダDNAを黒色の96ウェルマイクロリットルプレートに移行させた。各ウェルにPBI 3646希釈標準溶液100μLを加えた。溶液を穏やかに混合した。プレートを光から保護し、5分間インキュベートした。blue optical kit(Ex. 490nm、Em. 515-570nm)を用い、GloMax Multi+で蛍光を測定した。データ分析のために、すべての試料値から、ラムダDNA溶液のバックグラウンド値を差し引いた。結果を
図7に示す。
【0174】
すべての公報、特許および特許出願は、参照により本願に組み込まれる。前述の明細書において、その特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明し、多くの詳細を例示のために示してきたが、本発明はさらなる実施形態が可能であり、その詳細のあるものは、本発明の基本原理から逸脱することなく、少なからず改変できることは、当業者には明らかであろう。
本発明の一態様として、例えば以下のものがある。
〔1〕式I:
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF2またはNR4であり;
R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって、5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
;
(式中、Yは-CR13=CR14-であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R13およびR14の1つはHであり、もう一方はNR15R16であり;
R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]
で表される化合物またはその塩。
〔2〕R1、R2およびR3がそれぞれHであり;YがSであり;nが0である、前記〔1〕記載の化合物。
〔3〕R1およびR2が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し、あるいはR2およびR3が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し;YがSであり;nが0である、前記〔1〕記載の化合物。
〔4〕Wが、それが結合する原子と一緒になって6員複素環である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔5〕QがQ1であり;mが1であり;R6がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R7およびR8が共にHであり;R13がHであり;R14がNR15R16であり、ここでR15がメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔6〕QがQ2であり;mが1であり;R6がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R9、R10、R11およびR12がそれぞれHであり;R13がHであり;R14がNR15R16であり、ここでR15がメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔7〕R16が(C1〜C3)アルキル-N(Me)2である、前記〔5〕または〔6〕に記載の化合物。
〔8〕化合物が式II:
(式中、R6がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R14が
である)
で表される、前記〔1〕記載の化合物。
〔9〕in vitroまたはin vivo環境のいずれかにおいて、核酸を含まない同じ環境におけるその発光と比較して、核酸の存在下で、化合物が増強された発光を示す、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔10〕核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、
a)前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物と試料とを接触させ;
b)増幅反応における蛍光を検出し;
c)増幅反応における蛍光量とその反応における核酸量とを関連付けること
を含む前記方法。
〔11〕増幅前に存在する鋳型核酸の量を測定することをさらに含む、前記〔10〕記載の方法。
〔12〕化合物が増幅反応を実質的に阻害しない、前記〔10〕または〔11〕に記載の方法。
〔13〕増幅反応が、核酸濃度範囲にわたって実質的に蛍光を変化させない色素をさらに含む、前記〔10〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、
a)標的核酸分子、増幅される核酸の標的配列に特異的な1種以上の核酸プライマー、ポリメラーゼおよび、前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の化合物を含む試料中の核酸を増幅して、増幅された核酸を含む混合物を得;
b)前記混合物における蛍光を検出し;
c)前記混合物における蛍光量と前記混合物における核酸量を関連付けること
を含む前記方法。
〔15〕核酸増幅反応のリアルタイムモニタリング方法であって、
a)標的核酸分子、標的の配列に特異的な1種以上の核酸プライマーおよび、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物を有する試料を含む反応混合物中の、標的核酸分子の標的核酸配列を増幅し;
b)前記化合物に吸収される選択された波長の光で前記反応混合物を照射し;
c)前記反応混合物における蛍光発光を検出すること
を含む前記方法。
〔16〕ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて標的核酸配列が増幅される、前記〔14〕または〔15〕に記載の方法。
〔17〕蛍光量が、増幅前の標的核酸の量に関連づけられる、前記〔14〕または〔16〕に記載の方法。
〔18〕反応混合物が、核酸レベルを正規化するための対照色素を含む、前記〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の方法。
〔19〕反応混合物が、既知量の内部対照核酸およびそれに特異的なプライマーをさらに含む、前記〔14〕〜〔18〕のいずれか1項に記載の方法。
〔20〕標的核酸および対照核酸の増幅産物の比を測定することをさらに含む、前記〔19〕記載の方法。
〔21〕増幅が、初期の所定温度および時間パラメータを用いて試料を熱サイクルにかけることを含む、前記〔14〕〜〔20〕のいずれか1項に記載の方法。
〔22〕反応混合物が、少なくとも変性温度と伸長反応温度との間で熱サイクルにかけられる、前記〔21〕記載の方法。
〔23〕核酸が二本鎖DNAである、前記〔10〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の方法。
〔24〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物および任意に1種以上の酵素または使用説明書を含むキット。
〔25〕耐熱性ポリメラーゼをさらに含む、前記〔24〕記載のキット。
〔26〕二本鎖DNAに結合しない色素をさらに含む、前記〔24〕または〔25〕に記載のキット。
〔27〕式I
[式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF2またはNR4であり;
R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
;
(式中、Yは-CR13=CR14-であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R13およびR14の1つはHであり、もう一方はNR15R16であり;
R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]
で表される化合物の製造方法であって、アセトニトリルおよびオキシ塩化リンの存在下で、
を
O=Q
と反応させることを含む前記製造方法。