特許第5746223号(P5746223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746223
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】レオロジー改良剤ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20150618BHJP
   C08F 220/28 20060101ALI20150618BHJP
   C08L 55/00 20060101ALI20150618BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20150618BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20150618BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20150618BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20150618BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   C08F290/06
   C08F220/28
   C08L55/00
   C11D3/37
   C11D3/395
   C11D3/48
   C11D3/386
   A61K8/81
   A61Q19/10
【請求項の数】20
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2012-552878(P2012-552878)
(86)(22)【出願日】2011年2月14日
(65)【公表番号】特表2013-519752(P2013-519752A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2011000269
(87)【国際公開番号】WO2011100071
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2014年2月4日
(31)【優先権主張番号】61/337,927
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508076598
【氏名又は名称】ロディア オペレーションズ
【氏名又は名称原語表記】RHODIA OPERATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス ハウ
(72)【発明者】
【氏名】ボイチェフ ブズドゥチャ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル エルベ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール エノー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】モニク アダミー
(72)【発明者】
【氏名】イニゴ ゴンザレス
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0270563(US,A1)
【文献】 特開昭55−108411(JP,A)
【文献】 特開2001−081148(JP,A)
【文献】 特表2005−515278(JP,A)
【文献】 特表2010−522260(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02176794(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 283/01
C08F 290/00 − 290/14
C08F 299/00 − 299/08
C08F 6/00 − 245/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下式(XII)
【化11】
(上式中、R11はビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、このビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルは、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよく、
19はH又は(C1-C4)アルキルであり、
bは1〜6の整数であり、
g及びhは独立に2〜5の整数であり、
各iは独立に1〜約80の整数であり、
各jは独立に0〜約80の整数であり、
kは1〜約50の整数であり、ただし、整数kとi+jの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれる1種以上の第一のモノマー、及び
(b)下式(XX)
【化12】
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアラルキルであり、
25はメチルもしくはエチルでありであり、
p及びqは独立に2〜5の整数であり、
各rは独立に1〜約80の整数であり、
各sは独立に0〜約80の整数であり、
tは1〜約50の整数であり、ただしtとr+sの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれる1種以上の第二のモノマー
を含むポリマー。
【請求項2】
1種以上の第三のモノマーユニットをさらに含み、この第三のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXI)
−R32−R31 (XXI)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
1種以上の第四のモノマーユニットをさらに含み、この第四のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXIII)
−R42−R41 (XXIII)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、請求項1記載のポリマー。
【請求項4】
非架橋ポリマーであるか又は架橋したポリマーである、請求項1記載のポリマー。
【請求項5】
前記1種以上の第一のモノマーが下式(XIII)
【化13】
(上式中、R19はH又はメチルであり、
iは1〜40の整数であり、そして
jは1〜20の整数である)
で表されるモノマーより選ばれる、請求項記載のポリマー。
【請求項6】
(a)前記1種以上の第一のモノマーが下式(XIII)
【化14】
(上式中、R19はH又はメチルであり、
iは1〜40の整数であり、そして
jは1〜20の整数である)
で表されるモノマーより選ばれ、
(b)前記1種以上の第二のモノマーが下式(XX)
【化15】
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアラルキルであり、
25はメチルもしくはエチルでありであり、
p及びqは独立に2〜5の整数であり、
各rは独立に1〜約80の整数であり、
各sは独立に0〜約80の整数であり、
tは1〜約50の整数であり、ただしtとr+sの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれ、
前記モノマーの混合物が
(c)下式(XXII)
34−R32−R31 (XXII)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないか又は二価連結基であり、そして
34はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表されるモノカルボン酸モノマーより選ばれる1種以上の第三のモノマー、及び
(d)下式(XXIV)
43−R42−R41 (XXIV)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないか又は二価連結基であり、そして
43はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表される化合物より選ばれる1種以上の第四のモノマー
をさらに含む、請求項1記載のポリマー。
【請求項7】
モノマーの混合物を重合することを含むポリマーの製造方法であって、前記混合物が
(a)請求項1に記載の1種以上の第一のモノマー、及び
(b)請求項1に記載の1種以上の第二のモノマー
を含む方法。
【請求項8】
請求項1記載の1種以上のポリマー及び液体媒体を含む組成物。
【請求項9】
1種以上の界面活性剤をさらに含む、請求項記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーラテックスをさらに含む水性ラテックスコーティング組成物である、請求項記載の組成物。
【請求項11】
パーソナルケア組成物である、請求項記載の組成物。
【請求項12】
1種以上の界面活性剤をさらに含む、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
スルフェート界面活性剤化合物を含まないもしくは実質的に含まない、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
1種以上のパーソナルケア有益剤をさらに含む、請求項11記載の組成物。
【請求項15】
0Paより高い降伏強さを組成物に与えるに有用な量のポリマーを含む、請求項11記載の組成物。
【請求項16】
透明な外観を示す、請求項11記載の組成物。
【請求項17】
1Paより高い降伏強さを組成物に与えるに有用な量のポリマーを含み、パーソナルケア組成物に不溶であるもしくは一部のみ可溶である1種以上の固体、液体もしくは気体の懸濁された粒子をさらに含む、請求項11記載の組成物。
【請求項18】
ホームケア組成物又は産業用もしくは研究用ケア組成物である、請求項記載の組成物。
【請求項19】
1種以上の界面活性剤、及び所望により、ビルダー、漂白剤、酸、塩基、研磨剤、抗菌剤、殺菌剤、酵素、及び不透明化剤より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
請求項記載の1種以上のポリマー及び液体媒体を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年2月12日出願の米国仮出願番号61/337,927号の利益を享受する。
【0002】
本発明は、液体媒体、詳細には水性媒体において用いるためのレオロジー改良剤ポリマーに関する。
【背景技術】
【0003】
液体合成レオロジー改良剤ポリマーは通常3つのカテゴリー、すなわちアルカリ可溶性もしくはアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマー、疎水性改質アルカリ可溶性もしくはアルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)ポリマー、及び疎水性改質エトキシル化ウレタン(HEUR)ポリマー、のうち1つに属する。
【0004】
HASE及びASEポリマーは一般に知られており、例えば米国特許第3,035,004号、5,292,843号、6,897,253号、7,288,616号、7,378,479号、及び米国特許出願公開第2006/0270563号に記載されており、水系におけるレオロジー改良剤として広く用いられてきた。しかしながら、ある種のHASEポリマーは、比較的小さなpH変化、電解質濃度、及び用いるポリマーの量に対して望ましくないほど感度が高いというような、増粘効率に関して欠点を有している。水性媒体におけるそのようなポリマーの増粘効率は、低ポリマー濃度、例えば約1wt%未満で、特に低pH,例えば約6未満のpHにおいて低い傾向にあるが、高いポリマー濃度及び/又は高いpHにおいて著しく増加する傾向にある。この感度は、pHもしくはポリマー濃度の比較的小さな変化に対して著しく大きな粘度増加を引き起こすような、流動特性の望ましくない大きな変化を引き起こす。この不釣合いに大きな特性の変化は、予想される使用条件における望ましい特性を維持する組成物を設計することの困難さ及びそのような組成物の製造及び取り扱いの困難さを引き起こす。架橋したASEポリマーも増粘効率についての困難性を示し、特に低pHにおいて、望ましいレベルの増粘作用を与えるために望ましくないほど多量のポリマーを必要とし、また望ましい流動性を与えるに充分な量で用いた場合、曇った、半透明のもしくは不透明の外観を水性組成物に与える。曇った、半透明のもしくは不透明の外観は、シャンプーやボディーウォッシュのようなパーソナルケア組成物におけるような、美的基準が重要である最終用途において望ましくない。さらに、ある種のHASE及びASEポリマー、例えばある種の架橋したアルカリ膨潤性アクリレートコポリマーは、低い増粘効率を示し、及び/又は塩及び界面活性剤の存在下において、曇った、半透明もしくは不透明の外観を与え、パーソナルケア組成物のようなある系においてそのようなポリマーの有用性を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体媒体、特に水性媒体において流動性、審美性、及び/又は適用特性を向上させる、この媒体の流動性の改質に用いるためのポリマーに対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明は、
(a)1種以上の第一のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている第一のモノマーユニット、
(b)1種以上の第二のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含む第二のモノマーユニット
を含み、ただし第一のモノマーユニット及び第二のモノマーユニットの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、ポリマーに関する。このポリマーは通常、約30,000g/モル以上の重量平均分子量を有する。
【0007】
一態様において、このポリマーは
(a)1種以上の第一のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されているモノマーより選ばれる1種以上の第一のモノマー、及び
(b)1種以上の第二のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含み、第一のモノマーと共重合可能である第二のモノマー
を含み、ただし第一のモノマー及び第二のモノマーの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、モノマーの混合物の共重合の生成物である。
【0008】
第2の態様において、本発明は、モノマーの混合物を重合することを含む、レオロジー改良剤ポリマーの製造方法であって、前記混合物が
(a)1種以上の第一のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されているモノマーより選ばれる1種以上の第一のモノマー、
(b)1種以上の第二のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含み、第一のモノマーと共重合可能である第二のモノマー
を含み、ただし第一のモノマー及び第二のモノマーの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、方法に関する。
【0009】
第3の態様において、本発明は、液体媒体、詳細には水、と1種以上の本発明のポリマーを含む組成物に関する。一態様において、この組成物は1種以上の界面活性剤をさらに含む。
【0010】
一態様において、この組成物は、水、本発明のポリマー、及びラテックスポリマーを含む水性ラテックスコーティング組成物である。
【0011】
一態様において、この組成物は、水、本発明のポリマー、及び1種以上の界面活性剤を含むパーソナルケア組成物である。
【0012】
一態様において、この組成物は、水および本発明のポリマーを含み、さらに1種以上の界面活性剤、及び所望によりビルダー、漂白剤、酸、塩基、もしくは研磨剤、抗菌剤、殺菌剤、酵素及び不透明化剤より選ばれる1種以上の添加剤を含むホームケアー又は産業用もしくは研究用ケア組成物である。
【0013】
本発明のポリマーは水性組成物の流動性を改良するに有用であり、典型的には水性組成物を増粘し、非ゼロ降伏強さを与える。一態様において、本発明のポリマーはより効率的に、すなわち同様のポリマーブレンドよりも少量で水性組成物を増粘し、非ゼロ降伏強さを与える。そのような同様のポリマーブレンドは上記第一のモノマーユニットを含むが、上記第二のモノマーユニットを含まない第一のポリマーと、上記第二のモノマーユニットを含むが上記第一のモノマーユニットを含まない第二のポリマーのブレンドであり、このブレンドの第一のポリマー及び第二のポリマーは各々同じ重量平均分子量を有し、すなわち本発明のポリマーの重量平均分子量の±25%、典型的には±10%の範囲内にある。
【0014】
本発明のポリマーは、増粘効率及び/又は外観の透明性に関して典型的なHASEもしくはASEポリマーと比較して塩含量及び界面活性剤含量に対して許容範囲が大きくなっている。本発明のポリマーを含むパーソナルケア組成物は優れたフォーム特性及び感覚特性を示し、このポリマーは皮膚及び髪から水によって容易に洗浄される。
【0015】
本発明のポリマーは、例えばシャンプー、ボディーウォッシュ、ハンド石鹸、ローション、クリーム、コンディショナー、髭剃り用品、洗顔料、中性シャンプー、パーソナルワイプ、及びスキントリートメントのようなパーソナルケア用途、及び液体洗剤、洗濯洗剤、硬質表面クレンザー、皿洗い洗剤、トイレクリーナーのようなホームケアもしくは産業用もしくは研究用ケア用途、並びに油田及び農芸化学用途において有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において用いる用語「パーソナルケア組成物」は、限定するものではないが、ヒト及び動物の皮膚、髪、頭皮、及び爪を含む体に適用するための化粧品、トリレタリー、薬用化粧品、美容品、個人衛生用品及び洗浄組成物を含む組成物を意味する。用語「ヘルスケア組成物」は、限定するものではないが、健康関連もしくは病状を改善する又は衛生状態もしくは健康を維持するために、ヒト及び動物の皮膚、頭皮、爪、及び粘膜を含む体に外用するための、医薬品、医薬化粧品、口腔(口及び歯)ケア組成物、例えばオーラルサスペンジョン、マウスウォッシュ、歯磨き粉等、及び市販組成物を含む組成物を意味する。用語「ホームケア組成物」は、限定するものではないが、台所及び浴室におけるような衛生状態を維持しもしくは表面洗浄するための、及び衣類の仕上げ及び洗濯に用いるための家庭において用いる組成物を意味する。用語「産業用及び研究用ケアー組成物」は、限定するものではないが、研究用及び産業用環境において表面洗浄もしくは衛生状態維持に用いる洗浄組成物、及び繊維処理用組成物を意味する。
【0017】
本明細書において用いる用語「レオロジー」は、流れ及び変形挙動材料の研究を意味し、用語「流動性」は、剪断応力もしくは時間に対して粘度増加もしくは低下、流動特性、ゲル特性、例えば剛性、弾性、流動性、フォーム特性、例えばフォーム安定性、フォーム密度、ピーク保持能、及びエアロゾル特性、例えば噴射薬ディスペンサーもしくは機械的ポンプタイプディスペンサーから分散された際のエアロゾル液滴形成能を含む、材料もしくは組成物の流動及び変形特性を意味する。用語「美的特性」は、材料もしくは組成物の外観及び触感特性、例えば色、透明性、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感を意味する。
【0018】
有機基に用いる用語「(Cx-Cy)」は、x及びyが各々整数であり、この基が1つの基においてx個の炭素原子〜y個の炭素原子を含むことを意味する。
【0019】
用語「アルキル」は、1価直鎖もしくは分枝飽和炭化水素基を意味し、詳細には1価直鎖もしくは分枝飽和(C1-C40)炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ベヘニル、トリコンチル、及びテトラコンチルを意味する。
【0020】
用語「シクロアルキル」は、1以上の環式アルキル基を含み、所望によりこの環の1以上の炭素原子上において1もしくは2個の(C2-C6)アルキル基で置換していてもよい飽和炭化水素基、詳細には飽和(C5-C22)炭化水素基、例えばシクロペンチル、シクロヘプチル、シクロオクチルを意味し、「ビシクロアルキル」は、ビシクロヘプチルのような2以上の縮合環を含むシクロアルキル環系を意味する。
【0021】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1以上のヒドロキシル基で置換したアルキル基、詳細には(C1-C22)アルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、及びヒドロキシデシルを意味する。
【0022】
用語「アルコキシアルキル」は、1以上のアルコキシ置換基で置換されたアルキル基、詳細には(C1-C22)アルコキシ−(C1-C2)アルキル基、例えばメトキシメチル及びエトキシブチルを意味する。
【0023】
用語「アルケニル」は、1以上の炭素−炭素二重結合を含む不飽和直鎖もしくは分枝炭化水素基、詳細には不飽和直鎖、分枝、(C2-C22)炭化水素基、例えばエテニル、n−プロペニル、イソプロペニルを意味する。
【0024】
用語「シクロアルケニル」は、1以上の環式アルケニル環を含み、所望により環上の1以上の炭素において1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換している不飽和炭化水素基、詳細には不飽和(C5-C22)炭化水素基、例えばシクロヘキセニル、シクロヘプテニルを意味し、「ビシクロアルケニル」は、2個の縮合環を含むシクロアルケニル環系、例えばビシクロヘプテニルを意味する。
【0025】
「ビシクロ[d.e.f.]」の表記は、多環化合物を命名するためのvon Baeyerシステムによりビシクロヘプチル及びビシクロヘプテニル環系に用いられ、2環系は接頭語「ビシクロ」により命名され、系内の環の数を示し、続く3つのアラビア数字は、下向きの数字の順で示し、ピリオドで分け、括弧で囲み、2つの共有原子(「橋頭原子」)をつなぐ非環式鎖の各々における骨格原子の数(橋頭原子を除く)を意味する。
【0026】
用語「アリール」は、環の1以上の炭素においてヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、単環アリール、もしくはアミノで置換していてもよい、不飽和が3つの共役二重結合により表される1以上の6員環を含む1価不飽和炭化水素基、例えばフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、クロロフェニル、トリクロロメチルフェニル、トリイソブチルフェニル、トリスチリルフェニル、及びアミノフェニルを意味する。
【0027】
用語「アラルキル」は、1以上の(C6-C14)アリール置換基で置換された1以上のアリール基、詳細には(C1-C18)アルキル、例えばフェニルメチル、フェニルエチル、及びトリフェニルメチルを意味する。
【0028】
用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートを意味し、用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドとメタクリルアミドを意味し、例えば「ブチル(メタ)アクリレート」はブチルアクリレート及び/又はブチルメタクリレートを意味する。
【0029】
本明細書において、化合物もしくは材料についての「重量部」又は「pbw」は、例えば溶媒を除く、化合物もしくは材料の量を意味する。ある場合には、市販の化合物の商品名も、通常は括弧書きで用いる。例えば、「10pbwのココアミドプロピルベタイン("CAPB"、Mirataine BET C-30)は、水溶液中に含まれる水を除いた、商品名Mirataine BET C-30を有するベタイン化合物の市販入手可能な水溶液の形態で加えられる、実際のベタイン化合物10pbwを意味する。また、化合物もしくは材料の量は、組成物の重量%(wt%)で表される。ここで化合物もしくは材料のwt%は、その化合物もしくは材料を含む混合物もしくは組成物に対して、その混合物もしくは組成物の総重量のパーセントとして表す、溶媒を除くその化合物もしくは材料の量を意味する。化合物についての用語「活性」は、溶媒を除くその化合物の量を意味する。
【0030】
第一の態様において、本発明のポリマーはモノマーユニットの鎖を含む。このポリマーは、比較的低い分子量の分子由来の、直鎖、分枝、もしくはネットワーク構造を形成するように接続する、モノマーユニットの多くの繰返しの鎖を含む比較的高い分子量を有する巨大分子である。このポリマーは典型的には、直鎖もしくは分枝構造を有し、さらには1つのストランドの直鎖もしくは分枝構造を有するが、所望により架橋していてもよい。一態様において、主に1つのストランドの直鎖もしくは分枝構造を有するポリマーはかるく架橋し、低密度の架橋を有するポリマーネットワークを形成する。ここでポリマーについての用語「1つのストランド」は、ポリマーのモノマーユニットが2つの原子を介して互いに結合するように接続していることを意味する。このポリマーは典型的には、「主鎖」とよばれ、そこからポリマーのすべての側鎖及び置換基が派生する。ポリマーの2以上の鎖が同様にポリマーの主鎖とみなされる場合、その鎖はポリマー分子を簡単に表す主鎖として選択される。ポリマーのモノマーユニットはどのような順で配置されてもよく、ランダム、交互、テーパード、又はブッロックであってよい。
【0031】
一態様において、本発明のポリマーは、
(a)1種以上の第一のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルを含む第一のモノマーユニット、
(b)1種以上の第二のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含む第二のモノマーユニット
を含む。
【0032】
一態様において、本発明のポリマーは、
(a)1種以上の第一のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含む第一のモノマーユニット、
(b)1種以上の第二のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含む第二のモノマーユニット
を含む。
【0033】
一態様において、第一のモノマーユニットは、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(I)
−R14−R13−R12−R11 (I)
(上式中、R11は分枝(C5-C50)アルキルもしくはビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、このビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルは、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよく、
12は存在しないかもしくは二価連結基であり、
13は二価ポリエーテル基であり、
14は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基もしくはビシクロヘプチルポリエーテル基もしくはビシクロヘプテニルポリエーテル基を含む。
【0034】
好適なビシクロヘプチル及びビシクロヘプテニル部分は、例えば下式(II)-(Vb)
【化1】
で表されるコア(非置換)7炭素原子二環式環系より誘導される。
【0035】
一態様において、R11はビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよい。詳細には、R11は、
2位もしくは3位においてその炭素原子を介して、存在する場合にはR2に、R2が存在しない場合にはR3に結合し、1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基、詳細には2個のメチル基により7位においてその炭素原子上で置換している、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルもしくはビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、又は
2位もしくは3位においてその炭素原子を介して、存在する場合にはR2に、R2が存在しない場合にはR3に結合し、1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基、詳細には2個のメチル基により6位もしくは7位においてその炭素原子上で置換している、ビシクロ[3.1.1]ヘプチルもしくはビシクロ[3.1.1]ヘプテニル
である。
【0036】
一態様において、R11
【化2】
より選択される。
【0037】
一態様において、R11は分枝(C5-C50)アルキル基、より典型的には、下式(VI)
【化3】
(上式中、R15及びR16は各々独立に、(C1-C48)アルキルであり、
aは0〜40の整数であり、
ただし、R11、すなわちR15、R16及び-(CH2)a-基は合計約5〜約50個、より典型的には約12〜約50個の炭素原子を有する)
で表される分枝アルキル基である。
【0038】
より典型的には、R12はO、2価炭化水素基であり、さらに典型的にはメチレン基又は2〜6個のメチレンユニットの鎖、又は2価アルキレンオキシル基、例えばエチレンオキシである。一態様において、R12は下式(VII)
-(CH2)b-A-
(上式中、AはOであるか又は存在せず、bは1〜6の整数である)
で表される。
【0039】
より典型的には、R13は2〜100ユニットの直鎖を含み、その各々が独立に(C2-C4)オキシアルキレン、より詳細には(C2-C3)オキシアルキレンである2価ポリエーテル基である。一態様において、R13は、2〜100個の重合したオキシエチレンユニット及びオキシプロピレンユニットの鎖を含み、交互に、ランダムに、もしくはブロックで配置されている2価ポリエーテル基である。一態様において、R13は、ポリオキシエチレンユニットのブロック及びオキシプロピレンユニットのブロック、より典型的には、ポリオキシエチレンユニットのブロック及びオキシプロピレンユニットのブロックを含み、オキシプロピレンユニットのブロックがオキシエチレンユニットのブロックとR12置換基と、又はR12置換基が存在せず、R11置換基が存在する場合、R11置換基と、の間に配置され結合する2価ポリエーテル基である。
【0040】
一態様において、R13は下式(VIII)
【化4】
(上式中、g及びhは独立に、2〜5の整数、より典型的には2又は3であり、
各iは独立に、1〜約80、より典型的には1〜約50の整数であり、
各jは独立に、0〜約80、より典型的には1〜約50の整数であり、
kは1〜約50の整数であり、ただし整数kとi+jの合計を掛けて得られる積は2〜約100である)
で表される。
【0041】
i≠0、j≠0の場合、g≠0であり、-(Cp2pO)-及び-(Cq2qO)-オキシアルキレンユニットはランダム、ブロック又は交互に配置されてよい。
【0042】
一態様において、
g=2、
h=3、
iは1〜50、より典型的には10〜40、さらには15〜約30の整数であり、
jは1〜3、より典型的には2〜20、さらには約2〜約10の整数であり、
k=1
である。
【0043】
一態様において、R14はO、-(CH2)n-O-又は下式(IX)
【化5】
(上式中、nは1〜6の整数であり、
AはO又はNR17であり、
17はH又は(C1-C4)アルキルである)
で表される。
【0044】
第一モノマーユニットは公知の合成方法により、例えば式(I)の1以上の基をポリマー主鎖、例えば炭化水素ポリマー主鎖、ポリエステルポリマー主鎖、もしくは多糖ポリマー主鎖にグラフトすることにより、又は例えば以下に記載の第二のモノマー及び第三のモノマー(第一のモノマーの少なくとも1つは反応性官能基と式(I)で表される少なくとも1つの基を分子当たり含む)と共重合させることにより製造される。
【0045】
一態様において、第一のモノマーユニットは、分子あたり少なくとも1つの式(I)の基及び反応性官能基を含むモノマーより選ばれる少なくとも1つの第一のモノマーより誘導される。
【0046】
一態様において、第一のモノマーの反応性官能基は、少なくとも1つのエチレン系不飽和サイト、より典型的には、α,β−不飽和カルボニル部分を含むエチレン計不飽和モノマー及び式(I)の少なくとも1つの基より選ばれる第一のモノマー及びエチレン系不飽和基である。
【0047】
一態様において、第一のモノマーは下式(X)
18−R14−R13−R12−R11 (X)
(上式中、R11、R12、R13、及びR14は上記の規定と同じであり、
18はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0048】
一態様において、式(X)の化合物はα,β−不飽和カルボニル化合物である。
【0049】
一態様において、R18は下式
【化6】
(上式中、R19はH又は(C1-C4)アルキルである)
で表される。
【0050】
一態様において、1種以上の第一のモノマーは、下式(XII)
【化7】
(上式中、R11はビシクロ[d.e.f]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、そしてこれは1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換していてもよく、
19、b、g、h、i、j及びkは上記の規定と同じであり、より典型的にはR19はHもしくはメチルであり、bは1〜6の整数であり、g=2、h=3、iは1〜50の整数であり、より典型的には15〜約30であり、jは1〜30、より典型的には2〜20、さらには約2〜約10の整数であり、そしてk=1)
で表されるモノマーより選ばれる。
【0051】
一態様において、第一のモノマーは、下式(XIII)
【化8】
(上式中、i、j及びR19は上記の規定と同じであり、より典型的には、iは10〜40、さらにより典型的には15〜訳0、さらには20〜30の整数であり、jは1〜20、より典型的には約2〜約10、さらには3〜8の整数である)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0052】
他の態様において、第一のモノマーは、下式(XIV)
【化9】
(上式中、a、i、j、R15、R16、及びR17は、上記規定と同じである)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0053】
好適なモノマーは公知の合成方法により製造することができる。例えば、下式
【化10】
の、「ノポール」として知られているビシクロヘプテニル中間体化合物(XV)は、β−ピネリンをホルムアルデヒドと反応させ、α−ピメリンの異性化及びカンフェンのエトキシヒドロキシル化により、下式
【化11】
の、「アルバノール」として知られているビシクロヘプチル中間体化合物(XVI)を製造する。
【0054】
このビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニル中間体は、次いで1種以上のアルキレンオキシド化合物、例えばエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドと反応させることによりアルコキシル化され、ビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテル中間体を形成する。このアルコキシル化は、典型的には、約100〜約250℃の温度、約1〜約4バールの圧力において、強塩基、脂肪族アミンもしくはルイス酸のような触媒及び窒素もしくはアルゴンのような不活性気体の存在下において、公知の方法により行われる。
【0055】
ビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルモノマーは、適当な反応条件において、例えば無水メタクリル酸によるビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニル中間体のエステル化により、ビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニル中間体にエチレン系不飽和基を含む部分を付加させることによって、このビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニル中間体から形成される。
【0056】
または、所望によりさらにアルコキシル化されるポリエチレングリコールモノメタクリレートのようなエチレン系不飽和基を含むモノマーをビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニル中間体と反応させて、ビシクロヘプチルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルモノマーを形成することもできる。
【0057】
一態様において、第二のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり、下式(XVII)
−R23−R22−R21 (XVII)
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアリールアルキルであり、
22は二価ポリエーテル基であり、
23は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を少なくとも1つ含む。
【0058】
一態様において、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C40)アルキル、より典型的には直鎖もしくは分枝(C10-C40)アルキル、さらには直鎖もしくは分枝(C16-C40)アルキル、さらには直鎖もしくは分枝(C16-C30)アルキルである。一態様において、R21はトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘネイコシル、ベヘニル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ドトリアコンチル、トリトリアコンチル、テトラトリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘキサトリアコンチル、ヘプタトリアコンチル、オクタトリアコンチル、ノナトリアコンチル、もしくはテトラコンチルであり、より典型的にはヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、もしくはベヘニルである。
【0059】
一態様において、R21はヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシオクタデシル、もしくはヒドロキシエイコシル、又はアルコキシアルキル、例えばメトキシヘキサデシル、メトキシオクタデシル、もしくはメトキシエイコシルである。
【0060】
一態様において、R21はアリール、例えばフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、ジブチルフェニル、トリイソブチルフェニル、もしくはトリスチリルフェニル、又はアラルキル、例えばフェニルメチル、フェニルエチル、もしくはトリフェニルメチルである。
【0061】
一態様において、第二のモノマーユニットは各々独立に、R21が直鎖(C5-C50)アルキル基である上記式(XVII)の基を少なくとも1つ含む。
【0062】
一態様において、第二のモノマーユニットは各々独立に、R21が分枝鎖(C5-C50)アルキル基、より典型的には上記式(VI)の分枝鎖(C5-C50)アルキル基である上記式(XVII)の基を少なくとも1つ含む。
【0063】
一態様において、第二のモノマーユニットは各々独立に、R21が直鎖(C5-C50)アルキル基である上記式(XVII)の基を少なくとも1つ含む第二のモノマーユニットと、R21が分枝鎖(C5-C50)アルキル基、より典型的には上記式(VI)の分枝鎖(C5-C50)アルキル基である上記式(XVII)の基を少なくとも1つ含む第二のモノマーユニットの混合物を含む。
【0064】
一態様において、R22は、その各々が独立に(C2-C4)オキシアルキレン、より典型的には(C2-C2)オキシアルキレンである、2〜100個のユニットの直鎖を含む二価ポリエーテル基である。一態様において、R22は2〜100個の十号したオキシエチレンユニットの鎖を含む二価ポリエーテル基である。
【0065】
一態様において、R22は下式(XVIII)
【化12】
(上式中、p及びqは独立に、2〜5の整数、より典型的には2もしくは3であり、
各rは独立に、1〜約80、より典型的には1〜約50の整数であり、
各sは独立に、0〜約80、より典型的には0〜妬く0の整数であり、
tは1〜約50の整数であり、ただし整数tをr+sの合計と掛けることにより得られる積が2〜約100である)
で表される。
【0066】
r≠0、s≠0、そしてp≠qの場合、-(Cp2pO)-及び-(Cq2qO)-オキシアルキレンユニットは、ランダム、ブロック、もしくは交互に配列してよい。
【0067】
一態様において、
p=2、
q=3、
rは1〜50、より典型的には5〜45、さらには10〜約40であり、
sは1〜30、より典型的には2〜20、さらには約2〜約10の整数であり、
t=1
である。
【0068】
他の態様において、
p=2、
rは1〜50、より典型的には5〜45、さらには10〜約40であり、
sは0であり、
t=1
である。
【0069】
一態様において、R23はO、-(CH2)n-O-(式中、nは1〜6の整数である)、又はAがOもしくはNR17であり、R17がHもしくは(C1-C4)アルキルである上記式(IX)である。
【0070】
第二のモノマーユニットは、公知の合成方法により、例えば式(XVII)の1以上の基をポリマー主鎖、例えば炭化水素ポリマー主鎖、ポリエステルポリマー主鎖、もしくは多糖ポリマー主鎖にグラフトすることにより、又は例えば上記第一のモノマーと以下に記載の第三のモノマーを、分子当たり少なくとも1つの式(XVII)の基及び反応性基を含みかつ第一のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれる少なくとも1つの第二のモノマーとの共重合により製造される。
【0071】
一態様において、第二のモノマーユニットは、分子当たり少なくとも1つの式(XVII)の基及び反応性基を含みかつ第一のモノマーと共重合可能である少なくとも1つの第二のモノマーより誘導される。
【0072】
一態様において、第二のモノマーの反応性基はエチレン系不飽和基であり、このエチレン系不飽和モノマーは、分子当たり少なくとも1つのエチレン系不飽和のサイト、より典型的にはα,β−不飽和カルボニル基、及び少なくとも1つの式(XVII)の基を含み、第一のモノマーと共重合可能である。
【0073】
一態様において、第二のモノマーは下式(XIX)
24−R23−R22−R21 (XIX)
(上式中、R21、R22及びR23は上記規定と同じであり、
24はエチレン系不飽和のサイトを有する部分である)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0074】
一態様において、式(XIX)で表される化合物はα,β−不飽和カルボニル化合物である。一態様において、R23は上記式(XI)で表されるものである。
【0075】
一態様において、第二のモノマーは下式(XX)
【化13】
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアラルキルであり、
25はメチルもしくはエチルであり、
p、q、r、s、及びtは上記規定と同じである)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0076】
一態様において、第二のモノマーはR21が直鎖(C16-C22)アルキルである上記式(XX)の1種以上の化合物を含む。
【0077】
一態様において、第二のモノマーはR21が分枝(C5-C50)アルキル基、より典型的には式(VI)の分枝(C5-C50)アルキル基である、上記式(XX)の1種以上の化合物を含む。
【0078】
一態様において、第二のモノマーはp=2、s=0、t=1である式(XX)の1種以上の化合物を含む。
【0079】
一態様において、第二のモノマーはR21が直鎖(C16-C22)アルキルであり、R24がメチルもしくはエチルであり、p=2、s=0、t=1である式(XX)の1種以上の化合物を含む。
【0080】
好適なエチレン系不飽和第二のモノマーは、
分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C40)アルキルポリエーテル基を含むアルキルポリエーテル(メタ)アクリレート、例えばヘキシルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、トリデシルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、ミリスチルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、セチルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、ステアリルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、エイコシルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、トリスチリルフェノキシルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物、
分子あたり少なくとも1つの(C5-C40)アルキルポリエーテル置換基を含むアルキルポリエーテル(メタ)アクリルアミド、例えばヘキシルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、トリデシルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、ミリスチルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、セチルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、ステアリルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、エイコシルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、ベヘニルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、メリシルポリアルコキシル化(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物、
分子あたり少なくとも1つの(C5-C40)アルキルポリエーテル置換基を含むアルキルポリエーテルビニルエステル、アルキルポリエーテルビニルエーテル、もしくはアルキルポリエーテルビニルアミド、例えばビニルステアレートポリアルコキシレート、ミリスチルポリアルコキシル化ビニルエーテル、及びこれらの混合物、
並びに上記アルキルポリエーテルアクリレート、アルキルポリエーテルメタクリレート、アルキルポリエーテルアクリルアミド、アルキルポリエーテルメタクリルアミド、アクリルポリエーテルビニルエステル、アクリルポリエーテルビニルエーテル、及びアルキルポリエーテルビニルアミドの2種以上の混合物。
【0081】
一態様において、第二のモノマーは、分子当たり1個の直鎖もしくは分枝(C5-C40)アルキルポリエトキシル化基、より典型的には(C10-C22)アルキルポリエトキシル化基を含む1種以上のアルキルポリアルコキシル化(メタ)アクリレート、例えばデシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、トリデシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ミリスチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、セチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ステアリツポリエトキシル化(メチル)アクリレート、エイコシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、さらには、デシルポリエトキシル化メタクリレート、トリデシルポリエトキシル化メタクリレート、ミリスチルポリエトキシル化メタクリレート、セチルポリエトキシル化メタクリレート、ステアリルポリエトキシル化メチルアクリレート、エイコシルポリエトキシル化メタクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート、及びこれらの混合物を含む。
【0082】
一態様において、本発明のポリマーは、各々が独立にモノマーユニットあたり少なくとも1つの酸基を含む第三のモノマーユニットをさらに含む。
【0083】
一態様において、この第三のモノマーユニットは各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXI)
−R32−R31 (XXI)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないか又は二価連結基である)
で表される基を含む。
【0084】
一態様において、R32はO、-(CH2)n-、もしくは上記式(IX)で表されるものであり、上記式中、nは1〜6の整数であり、AはOもしくはNR17であり、R17はHもしくは(C1-C4)アルキルである。
【0085】
一態様において、この第三のモノマーユニットは各々独立に、モノマーユニットあたり1もしくは2個のカルボキシ基を含み、この第三のモノマーユニットが1つのカルボキシ基を含む場合、さらに式-CH2COOR33(式中、R33はアルキルであり、より典型的には(C1-C6)アルキルである)で表されるエステル基をさらに含む。
【0086】
第三のモノマーユニットは公知の合成方法により、例えば式(XXI)の1以上の基をポリマー主鎖、例えば炭化水素ポリマー主鎖、ポリエステルポリマー主鎖、もしくは多糖ポリマー主鎖にグラフトすることにより、又は例えば上記第一及び第二のモノマーと、分子当たり少なくとも1つの式(XXI)の基及び反応性基を含みかつ第一及び第二のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれる少なくとも1つの第三のモノマーとの共重合により製造される。
【0087】
一態様において、第三のモノマーユニットは、分子当たり少なくとも1つの式(XXI)の基及び反応性基を含みかつ第一及び第二のモノマーと共重合可能である少なくとも1つの第三のモノマーより誘導される。
【0088】
一態様において、第三のモノマーの反応性基はエチレン系不飽和基であり、この第三のモノマーは、分子当たり少なくとも1つのエチレン系不飽和のサイト、より典型的にはα,β−不飽和カルボニル基、及び少なくとも1つの式(XXI)の基を含み、第一及び第二のモノマーと共重合可能であるエチレン系不飽和モノマーである。
【0089】
一態様において、第三のモノマーは下式(XXII)
34−R32−R31 (XXII)
(上式中、R31及びR32は上記規定と同じであり、
34はエチレン系不飽和のサイトを有する部分である)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0090】
一態様において、式(XXII)で表される化合物はα,β−不飽和カルボニル化合物である。一態様において、R34は上記式(XI)で表されるものである。
【0091】
好適な第三のモノマーは、例えば、エチレン系不飽和カルボン酸モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸、エチレン系不飽和ジカルボン酸モノマー、例えばマレイン酸及びフマル酸、ジカルボン酸モノマーのエチレン系不飽和アルキルモノエステル、例えばブチルメチルマレエート、エチレン系不飽和スルホン酸モノマー、例えばビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びスチレンスルホン酸、及びエチレン系不飽和リン酸モノマー、例えばビニルリン酸及びアリルリン酸、これらの塩並びにこれらの混合物を含む。また、対応するエチレン系不飽和無水物もしくは酸塩化物モノマー、例えば無水マレイン酸、も用いてよく、その後加水分解して2つの酸基を有する側基を与えてもよい。
【0092】
一態様において、本発明のポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物より選ばれる1種以上の第三のモノマーより誘導される第三のモノマーユニットを含む。
【0093】
一態様において、本発明のポリマーは、第一、第二及び第三のモノマーユニットとは異なる1以上の第四のモノマーユニットをさらに含む。
【0094】
一態様において、この第四のモノマーユニットは各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの式(XXIII)
−R42−R41 (XXIII)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないか又は二価連結基である)
で表される基を含む。
【0095】
一態様において、R41は(C1-C22)アルキル、(C1-C22)ヒドロキシアルキル、(C2-C22)アルコキシアルキル、(C6-C24)シクロアルキル、(C6-C40)アリール、又は(C7-C40)アラルキル、より典型的には(C2-C12)アルキルである。
【0096】
一態様において、R41は(C1-C22)アルキル、より典型的には(C1-C12)アルキル、さらには(C1-C6)アルキル、さらには(C1-C4)アルキルである。
【0097】
一態様において、R41はO,-(CH2)n-O-(式中、nは1〜6の整数である)であり、又は上記式(IX)であり、ここでAはOもしくはNR17であり、R17はHもしくは(C1-C4)アルキルである。
【0098】
第四のモノマーユニットは公知の合成方法により、例えば式(XXIII)の1以上の基をポリマー主鎖、例えば炭化水素ポリマー主鎖、ポリエステルポリマー主鎖、もしくは多糖ポリマー主鎖にグラフトすることにより、又は例えば上記第一、第二及び第三のモノマーと、分子当たり少なくとも1つの式(XXIII)の基及び反応性基を含みかつ第一、第二及び第三のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれる少なくとも1つの第四のモノマーとの共重合により製造される。
【0099】
一態様において、第四のモノマーユニットは、式(XXIII)の基及び反応性基を含みかつ第一、第二及び第三のモノマーと共重合可能である第四のモノマーより誘導される。
【0100】
一態様において、第四のモノマーの反応性基はエチレン系不飽和基であり、この第四のモノマーは、分子当たり少なくとも1つのエチレン系不飽和のサイト、より典型的にはα,β−不飽和カルボニル基、及び少なくとも1つの式(XXIII)の基を含むエチレン系不飽和モノマーである。
【0101】
一態様において、第四のモノマーは下式(XXIV)
43−R42−R41 (XXIV)
(上式中、R41及びR42は上記規定と同じであり、
43はエチレン系不飽和のサイトを有する部分である)
で表される1種以上の化合物を含む。
【0102】
一態様において、式(XXIV)で表される化合物はα,β−不飽和カルボニル化合物である。一態様において、R43は上記式(XI)で表されるものである。
【0103】
好適な第四のモノマーは、分子あたり少なくとも1つの式(XXIII)の基を含む不飽和モノマーを含み、例えば(メタ)アクリルエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イスブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びアセトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、例えば(メタ)アクリルアミド、N−目チロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、及びジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル2−エチルヘキサノエート、N−ビニルアミド、例えばN−ビニルピロリジオン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、及びN−ビニルアセトアミド、並びにビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、及びヒドロキシブチルビニルエーテル、及びエチレン系不飽和アリール化合物、例えばスチレンを含む。
【0104】
一態様において、本発明のポリマーは、1以上の(C1-C22)アルキル(メタ)アクリルエステル、より典型的には(C1-C12)アルキル(メタ)アクリルエステル、例えばエチルメタクリレート、もしくはエチルヘキシルアクリレート、より典型的には(C1-C6)アルキル(メタ)アクリルエステル、さらには(C1-C4)アルキル(メタ)アクリルエステル、例えばエチルアクリレートもしくはブチルアクリレートより誘導される第四のモノマーユニットを含む。
【0105】
一態様において、本発明のポリマーは、重合したモノマーの鎖の間に架橋を含む架橋したポリマーである。そのような架橋は典型的には、例えば少なくとも1種の架橋性モノマーの存在下において第一、第二、第三及び第四のモノマーの混合物を反応させることにより、1種以上の架橋性モノマーより誘導される。好適な架橋性モノマーは、用いる重合反応条件において混合物の他のモノマーの反応性基と共重合可能である、分子あたり1より多くの不飽和、典型的にはエチレン系不飽和のサイトのような1より多くの反応性官能基を有する化合物である。好適な多不飽和架橋剤は当該分野において公知である。形成したコポリマーを、重合前、重合中もしくは重合後に架橋させることができる第二の反応性官能基を含む一不飽和化合物も用いることができる。他の有用な架橋性モノマーは、エポキシド基、イソシアネート基、及び加水分解性基のような多くの反応性基を含む多官能性モノマーを含む。一部もしくは実質的に架橋した3次元ネットワークを形成するために、様々な多不飽和化合物を用いることができる。好適な多不飽和架橋性モノマーは、例えば多不飽和芳香族モノマー、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びトリビニルベンゼン、多不飽和脂環式モノマー、例えば1,2,4-トリビニルシクロヘキサン、フタル酸の二官能性エステル、例えばジアリルフタレート、多不飽和脂肪族モノマー、例えばジエン、トリエン、及びテトラエン(イソプレン、ブタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,5,9-デカトリエン、1,9-デカジエン、1,5-ヘプタジエンを含む)、ポリアルケニルエーテル、例えばトリアリルペンタエリトリトール、ジアリルペンタエリトリトール、ジアリルスクロース、オクタアリルスクロース、及びトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ポリアルコールもしくは多酸の多不飽和エステル、例えば1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレントリ(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリ(アルキレンオキシ)グリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、例えばメチレンビスアクリルアミド及びプロピレンビスアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドのヒドロキシ及びカルボキシ誘導体、例えばN,N'-ビス目チロールメチレンビスアクリルアミド、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、多不飽和シラン、例えばジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、アリルジメチルビニルシラン、ジアリルジメチルシラン及びテトラビニルシラン、多不飽和スタンナン、例えばテトラアリルスズ、ジアリルジメチルスズを含む。一態様において、本発明のポリマーは、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ジアリルペンタエリスリトール、メチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールジ、トリ及びテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ(アルキレンオキシ)グリコールジ(メタ)アクリレート、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フェニレンジアクリレート、又はこれらの混合物のような、分子あたり1より多くの(メタ)アクリル基を有する1種以上の架橋性モノマーより誘導される架橋を含む。
【0106】
一態様において、本発明のポリマーは
(a)1種以上の第一のモノマーユニット、
(b)1種以上の第二のモノマーユニット、
(c)1種以上の第三のモノマーユニット、及び
(d)1種以上の第四のモノマーユニット
を含む(各々は上記の規定のとおり)。
【0107】
本発明のポリマーの一態様において、
(a)第一のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている、
(b)第二のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含み、ただし第一のモノマーユニット及び第二のモノマーユニットの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、
(c)第三のモノマーユニットは、各々独立に、分子あたり少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含み、そして
(d)第四のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、又はアリールオキシ基を含む。
【0108】
一態様において、
(a)第一のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル又はビシクロヘプテニルポリエーテルを含み、ここでこれらは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている、
(b)第二のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含む、
(c)第三のモノマーユニットは、各々独立に、分子あたり少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基、より典型的にはカルボン酸基を含み、そして
(d)第四のモノマーユニットは、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのアルキル、より典型的には(C1-C22)アルキル基を含む。
【0109】
一態様において、本発明のポリマーは、100モノマーユニットを基準として、
(a)約0.01以上、より典型的には約0.05以上、さらには約0.10以上、約10以下、より典型的には約5以下、さらには約2以下の第一のモノマー、
(b)約0.01以上、より典型的には約0.05以上、さらには約0.10以上、約10以下、より典型的には約5以下、さらには約2以下の第二のモノマー、
(c)約25以上、より典型的には約30以上、さらには約35以上、約70以下、より典型的には約65以下、さらには約60以下の第三のモノマー、
(d)約30以上、より典型的には約40以上、さらには約45以上、約75以下、より典型的には約70以下、さらには約65以下の第四のモノマー
を含む。
【0110】
一態様において、本発明のポリマーは、ポリマー100pbwを基準として、
(a)約0.1pbw以上、より典型的には約0.5pbw以上、さらには約1.0pbw以上、約20pbw以下、より典型的には約15pbw以下、さらには約10pbw以下の第一のモノマー、
(b)約0.1pbw以上、より典型的には約0.5pbw以上、さらには約1.0pbw以上、約20pbw以下、より典型的には約15pbw以下、さらには約10pbw以下の第二のモノマー、
(c)約20pbw以上、より典型的には約25pbw以上、さらには約30pbw以上、約60pbw以下、より典型的には約55pbw以下、さらには約60pbw以下の第三のモノマー、
(d)約25pbw以上、より典型的には約35pbw以上、さらには約40pbw以上、約70pbw以下、より典型的には約65pbw以下、さらには約60pbw以下の第四のモノマー
を含む。
【0111】
一態様において、本発明のポリマーは、各第二のモノマーユニットあたり、約0.4〜約5個、より典型的には約0.6〜約4個、さらには約0.8〜約2個の第一のモノマーユニットを含む。
【0112】
一態様において、本発明のポリマーは、各第二のモノマーユニットあたり、約0.4個以上、より典型的には約0.6個以上、さらには約0.8個以上の第一のモノマーユニットを含む。一態様において、本発明のポリマーは、各第二のモノマーユニットあたり、約0.4個以上、1個未満、より典型的には約0.6個以上、1個未満、さらには約0.8個以上、1個未満の第一のモノマーユニットを含む。
【0113】
一態様において、本発明のポリマーは、各第二のモノマーユニットあたり、1個以上、より典型的には約1.05個以上、さらには1.1個以上、2.5個以下、より典型的には2個以下、さらには1.8個以下の第一のモノマーユニットを含む。一態様において、本発明のポリマーは、各第二のモノマーユニットあたり、1〜2.5個、より典型的には約1.05〜2個、さらには1.1〜1.8個の第一のモノマーユニットを含む。
【0114】
一態様において、このポリマーは
(a)1種以上の第一のモノマー、
(b)1種以上の第二のモノマー、
(c)1種以上の第三のモノマー、及び
(d)1種以上の第四のモノマー
(各々は上記の規定のとおり)を含む、モノマーの混合物の共重合の生成物である。
【0115】
一態様において、
(a)1種以上の第一のモノマーは、各々独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル、又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むモノマーより選ばれ、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている、
(b)1種以上の第二のモノマーは、各々独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含みかつ第一のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれ、ただし第一のモノマーユニット及び第二のモノマーユニットの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、
(c)1種以上の第三のモノマーは、各々独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含みかつ第一及び第二のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれ、そして
(d)1種以上の第四のモノマーは、各々独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、又はアリールオキシ基を含みかつ第一、第二及び第三のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれる。
【0116】
一態様において、
(a)1種以上の第一のモノマーは、各々独立に、反応性官能基、より典型的にはエチレン系不飽和基、及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル又はビシクロヘプテニルポリエーテル基を含み、ここでこれらは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている、モノマーより選ばれ、
(b)1種以上の第二のモノマーは、各々独立に、反応性官能基、より典型的にはエチレン系不飽和基、及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含むモノマーより選ばれ、
(c)1種以上の第三のモノマーは、各々独立に、反応性官能基、より典型的にはエチレン系不飽和基、及び分子あたり少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基、より典型的にはカルボン酸基を含み、第一及び第二のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれ、そして
(d)1種以上の第四のモノマーは、各々独立に、反応性官能基、より典型的にはエチレン系不飽和基、及び分子あたり少なくとも1つのアルキル、より典型的には(C1-C22)アルキル基を含み、第一及び第二のモノマーと共重合可能であるモノマーより選ばれる。
【0117】
一態様において、本発明のポリマーは、モノマーのモル量を基準として、
(a)約0.01モル%以上、より典型的には約0.05モル%以上、さらには約0.10モル%以上、約10モル%以下、より典型的には約5モル%以下、さらには約2モル%以下の第一のモノマー、
(b)約0.01モル%以上、より典型的には約0.05モル%以上、さらには約0.10モル%以上、約10モル%以下、より典型的には約5モル%以下、さらには約2モル%以下の第二のモノマー、
(c)約25モル%以上、より典型的には約30モル%以上、さらには約35モル%以上、約70モル%以下、より典型的には約65モル%以下、さらには約60モル%以下の第三のモノマー、
(d)約30モル%以上、より典型的には約40モル%以上、さらには約45モル%以上、約75モル%以下、より典型的には約70モル%以下、さらには約65モル%以下の第四のモノマー
を含む。
【0118】
一態様において、本発明のポリマーは、モノマーの総量100pbwを基準として、
(a)約0.1pbw以上、より典型的には約0.5pbw以上、さらには約1.0pbw以上、約20pbw以下、より典型的には約15pbw以下、さらには約10pbw以下の第一のモノマー、
(b)約0.1pbw以上、より典型的には約0.5pbw以上、さらには約1.0pbw以上、約20pbw以下、より典型的には約15pbw以下、さらには約10pbw以下の第二のモノマー、
(c)約20pbw以上、より典型的には約25pbw以上、さらには約30pbw以上、約60pbw以下、より典型的には約55pbw以下、さらには約60pbw以下の第三のモノマー、
(d)約25pbw以上、より典型的には約35pbw以上、さらには約40pbw以上、約70pbw以下、より典型的には約65pbw以下、さらには約60pbw以下の第四のモノマー
を含むモノマーの混合物の重合の生成物である。
【0119】
一態様において、このポリマーは、1種以上の第二のモノマー1モルあたり、約0.4〜約5モル、より典型的には約0.6〜約4モル、さらには約0.8〜約2モルの1種以上の第一のモノマーを含むモノマーの混合物の重合の生成物を含む。
【0120】
一態様において、本発明のポリマーは、1種以上の第二のモノマー1モルあたり、約0.4モル以上、より典型的には約0.6モル以上、さらには約0.8モル以上、1モル未満の1種以上の第一のモノマーを含む。一態様において、本発明のポリマーは、1種以上の第二のモノマー1モルあたり、約0.4モル以上、1モル未満、より典型的には約0.6モル以上、1モル未満、さらには約0.8モル以上、1モル未満の1種以上の第一のモノマーを含む。
【0121】
一態様において、本発明のポリマーは、1種以上の第二のモノマー1モルあたり、1モル以上、より典型的には約1.05モル以上、さらには1.1モル以上、2.5モル以下、より典型的には2モル以下、さらには1.8モル以下の1種以上の第一のモノマーを含む。一態様において、本発明のポリマーは、1種以上の第二のモノマー1モルあたり、1〜2.5モル、より典型的には約1.05〜2モル、さらには約1.1〜1.8モルの1種以上の第一のモノマーを含む。
【0122】
本発明のポリマーは、遊離基生成開始剤を、典型的にはモノマーの重量を基準として0.01〜3パーセントの量で用いて、公知の水性乳化重合法により、上記モノマーより製造することができる。
【0123】
一態様において、重合は約5.0以下のpHにおいて行われる。約5.0以下の酸性pHでの重合は、過度な粘度の問題を伴うことなく比較的高い固体含有量を有する水性コロイド分散液の直接形成を可能にする。
【0124】
一態様において、重合は、過酸素化合物より選ばれる1種以上の遊離基生成開始剤の存在下において行われる。有用な過酸素化合物は、無機過硫酸化合物、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化物、例えば過酸化水素、有機ヒドロペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシド、及びt−ブチルヒドロペルオキシド、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酢酸、及び過安息香酸(ときには、第一鉄化合物もしくは亜硫酸水素ナトリウムのような水溶性還元剤により活性化されている)、及び他の遊離基生成材料、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル及び高エネルギー輻射源を含む。
【0125】
一態様において、重合は1種以上の乳化剤の存在下で行われる。有用な乳化剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び双性イオン界面活性剤を含む。一態様において、乳化重合は1種以上のアニオン界面活性剤の存在下で行われる。アニオン乳化剤の例は、アルカリ金属アルキルアリールスルホネート、アルカリ金属アルキルスルフェート及びスルホン化アルキルエステルである。この公知の乳化剤の例は、ナトリムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルブチルナフタレンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、二ナトリウムドデシルジフェニルエーテルジスルホネート、二ナトリウムn−オクタデシルスルホスクシナメート及びナトリウムジオクチルスルホスクシネートである。公知のノニオン乳化剤は、例えば脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、及びアルキルポリグルコシドを含む。
【0126】
乳化重合は、所望により、重合性モノマー100部に対して約10部までの、1種以上の連鎖移動剤の存在下で行ってよい。連鎖移動剤の例は、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロモトリクロロメタン、及び長鎖アルキルメルカプタン及びチオエステル、例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、及びドデシルチオグリコレートである。
【0127】
所望により、乳化重合においてよく知られている他の成分、例えばキレート化剤、緩衝剤、無機塩及びpH調整剤も含めてよい。
【0128】
一態様において、重合は約20℃〜100℃、より典型的には約50℃〜約90℃、もしくは約60℃〜約90℃、さらには約60℃〜約80℃の温度で行われるが、より高いもしくはより低い温度も用いてよい。重合は、従来の方法においてモノマーをバッチ及び/又は連続添加する回分式、段階式、もしくは連続式で行ってよい。
【0129】
モノマーはそのような比で共重合され、得られるポリマーは物理混合されて、特定の用途に望ましい特性を有する生成物を与える。例えば、所定の分子量の同様のポリマーに対し、第一のモノマーの量を高めると、ポリマーにより示される降伏強さは高まり、第二のモノマーの相対量を高めるとポリマーの粘度は高まる。ポリマーの特性は、第三及び第四のモノマーの選択及びその相対量によっても調節される。例えば、第四のモノマーとしてスチレンを加えると、より高いpHとなる傾向があり、水性コーティング組成物にエマルジョンを溶解するため調整が必要となる。
【0130】
酸性pHにおいて乳化重合により製造された本発明に係るポリマー生成物は、光散乱により測定し、約400〜約3000Å、好ましくは約600〜約1750Åの平均粒径を有する別個の粒子として分散したポリマーを含む安定な水性コロイド分散液の形態である。約400Åよりも小さなポリマー粒子を含む分散液は安定化困難であり、一方約3000Åよりも大きな粒子は水性生成物における分散液を増粘する容易さが低下する。
【0131】
一態様において、本発明のポリマー組成物は、ポリマー分散液の総重量を基準として、約60wt%以下、より典型的には約20〜約50wt%の、ポリマー及び界面活性剤を含む固体含有量を有する、水性ポリマー分散液の形態である。
【0132】
または、本発明のポリマーは、反応体モノマー及び開始剤を、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、もしくはこれらの混合物のような適当な溶媒に溶解した公知の溶液重合方法を用いて製造される。重合は、所定の反応温度、例えば約60℃〜約80℃において約2〜約24時間の必要な時間で達成される。ポリマー生成物は、溶媒除去を含む通常の分離法により単離される。
【0133】
一態様において、本発明のポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー及びテトラヒドロン中のポリマーの溶液の光散乱により、ポリスチレン標準と比較して測定し、30,000g/モル以上の重量平均分子量を示す。一態様において、本発明のポリマーは、30,000g/モル以上、より典型的には約100,000g/モル以上、さらには約150,000g/モル以上、約1,500,000g/モル以下、より典型的には約1,000,000g/モル以下、さらには約800,000g/モル以下の重量平均分子量を示す。
【0134】
一態様において、本発明のポリマー組成物は水性コロイドポリマー分散液の形態である。ポリマー組成物が水性コロイドポリマー分散液の形態である場合、この組成物は安定性を維持するために約5以下のpHに保持される。より典型的には、この水性コロイドポリマー分散液組成物は、約2〜約3のpHを有する。この組成物の増粘を望む場合、この組成物のpHは、ポリマーを溶解するための塩基の添加によって約5を超えるpHに高められる。
【0135】
本発明に係るポリマー及びポリマー組成物はpH応答性である。乳化重合がおこる低いpH、例えば5以下のpHにおいて、この組成物は典型的には比較的希薄もしくは非粘性である。ポリマー分散液のpHが塩基の添加により約5以上、より典型的には約5.5以上、さらには約6〜約12に中和もしくは調整される場合、この組成物は増粘する。この組成物は粘度が増加すると半透明もしくは不透明から透明になる。ポリマーが一部もしくは完全に組成物の水相に溶解すると、粘度が増加する。乳化ポリマーを塩基と混合し、水相に加えると、現場で中和がおこる。または、所定の用途に望む場合、水性生成物と混合した場合に中和を行うことができる。有用な塩基は、限定するものではないが、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等を含む。
【0136】
本発明のポリマーは、様々な液体媒体をベースとする組成物、典型的には水ベース組成物用の増粘剤として特に有用である。そのような組成物は、塩水、スラリー、及び水不溶性無機及び有機材料、例えば天然ゴム、合成もしくは人工ラテックスのコロイド分散液を含む。本明細書において、「液体媒体」とは、25℃及び1気圧の圧力において液相にある媒体を意味する。この液体媒体は非水性極性プロトン性有機液体媒体、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及びエチレングリコールフェニルエーテル、又は水性液体媒体であってよい。一態様において、この液体媒体は水性液体媒体である。本明細書において、用語「水性媒体」は、微量の水、典型的には水性媒体100bpwを基準として0.1bpwより多くの水を含む単相液体媒体を意味する。好適な水性媒体は、より典型的には、水性媒体100bpwを基準として約5bpwより多くの、さらには10pbwより多くの水を含む。一態様において、水性媒体は、水性媒体100bpwを基準として40pbwより多くの、さらには50pbwより多くの水を含む。この水性媒体は、所望により、水性媒体に溶解した水溶性もしくは水混和性成分をさらに含んでもよい。本明細書において、用語「水混和性」はあらゆる比で水と混和性であることを意味する。好適な水混和性有機液体は、例えば(C1-C6)アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、及び(C1-C6)ポリオール、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びジエチレングリコールを含む。本発明の組成物は、所望により、1種以上の水不溶性もしくは水不混和性成分、例えば水不混和性有機液体、例えば植物油もしくはアルキル化植物油(ここで混合した水性媒体及びすい不溶性もしくは水不混和性成分はミクロエマルジョンを形成する)、又は多相系、例えばエマルジョン、懸濁液(ここで水性媒体は水不溶性もしくは水不混和性成分の連続相に分散した不連続相の形態となり、又はより典型的には、この水不溶性もしくは水不混和性成分は水性媒体の連続相中に分散した不連続相の形態となる)をさらに含んでよい。本発明のポリマーは、パーソナルケア組成物におけるような、中性pHにおいて水性組成物の増粘が必要である領域において特に有用である。本発明のポリマーは、例えばエタノールをベースとする液体組成物を増粘して抗菌性ゲル組成物を形成するような、極性プロトン性有機液体、例えばアルコール、典型的には(C2-C4)アルコールをベースとする組成物を増粘するために用いることができる。
【0137】
一態様において、本発明のポリマーを含む水性組成物は広範囲のpH,例えば3以上、より典型的には4以上のpHにおいて粘弾性を示す。ポリマーのほとんどの用途は中性〜アルカリ性pH、典型的には約5以上、さらには約5.5以上、さらには約6以上、約12以下、さらには約6〜約9のpHにある。
【0138】
一態様において、本発明のポリマーを含む水性組成物は、非ニュートン剪断減粘性粘度、すなわち所定の範囲の剪断応力において剪断応力が増すと低下する粘度、を示す。
【0139】
一態様において、本発明のポリマーを含む水性組成物は、「降伏応力」、すなわち組成物の流動を開始するために必要な最小剪断応力、を示し、さらに降伏応力、例えば0Paを超える、より典型的には約0.1Pa以上、さらには約1Pa以上、約10Pa以下、より典型的には約6Pa以下、さらには約2Pa以下の降伏応力を超える剪断応力の範囲において剪断減粘性挙動を示す。一態様において、本発明のポリマーは架橋しておらず、0Paを超える、より典型的には0.1Paを超える、さらには1Paを超える降伏応力を与える。
【0140】
本発明のポリマーは他の増粘剤、例えば天然ゴム、樹脂、多糖、及び合成ポリマー増粘剤と組み合わせて用いることができる。
【0141】
本発明のポリマーは、所望の系の特性及び最終用途に応じて様々な量で、典型的には組成物100pbwあたり0〜約50pbw、より典型的には0〜約0pbwのポリマーの量で加えることができる。このポリマーは典型的には組成物の製造のいずれの段階で加えてもよく、他の成分の添加とともに、又は他の成分の添加後に、最終成分として、組成物の流動性を調整するために加えてもよい。
【0142】
一態様において、本発明は、水、本発明のポリマー、及びラテックスポリマーを含む水性コーティング組成物に関する。このラテックスポリマーは典型的には、約25℃以下の温度において本質的に、あるいは可塑剤の使用によりフィルム形成性である。そのようなコーティング組成物は、水をベースとするペイント、サイジング、接着剤、及び紙、板紙、繊維等用の他のコーティングを含む。
【0143】
本発明のラテックスコーティングは所望により、当該分野において公知の様々な助剤、例えば顔料、充填剤、及び増量剤をさらに含んでもよい。有用な顔料は、限定するものではないが、二酸化チタン、マイカ、及び酸化鉄を含む。有用な充填剤及び増量剤は、限定するものではないが、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク、及びシリカを含む。本発明の組成物は、ほとんどのラテックスペイント系と用いることができ、高い有効性及び増粘性を与える。
【0144】
一態様において、本発明に係るラテックスコーティング組成物は、水、本発明のポリマー、ラテックスポリマー、顔料、及びあらゆる助剤のような、その成分のすべてを含むラテックスコーティング組成物の総重量を基準として、約0.05〜約5.0重量パーセント、より典型的には約0.1〜約3.0重量パーセントの本発明のポリマーを含む。
【0145】
ラテックス、ラテックスペイント及びコーティングの製造において、考慮される物性は、限定するものではないが、粘度対剪断速度、表面への適用容易性、展開性、及び剪断減粘性を含む。
【0146】
本発明のポリマーは、パーソナルケア、ヘルスケア、ハウスホールドケア及び産業用ケア用の組成物及び製品の製造に適している。
【0147】
一態様において、本発明は、本発明のポリマーを含むパーソナルもしくは局所ヘルスケア組成物に関する。好適なパーソナルケア組成物(例えば化粧品、トイレタリー、ヘルス及びビューティー助剤、薬用化粧品)及び局所ヘルスケア組成物は、ヘアケア製品、例えばシャンプー(「ツーインワン」コンディショニングシャンプーのような組み合わせシャンプーを含む)、ヘアコンディショナー、シャンプー後リンス、ヘアカラー、セット、スタイリング、及びスタイル維持剤(ゲル及びスプレーのようなセット助剤、ポマード、コンディショナー、パーム、ヘアスムージング等のグルーミング助剤を含む)、スキンケア製品(局所、ボディー、ハンド、スカルプ及び足)、例えばクリーム、ローション、コンディショナー、及びクレンジング製品、例えばフェイシャルウォッシュ及びボディーウォッシュ、にきび予防製品、アンチエージング製品(角質除去、角質溶解、脂肪沈着防止、しわ防止等)、皮膚保護剤、例えば日焼け止め、バリアクリーム、オイル、シリコーン等)、スキンカラー製品(ホワイトナー、ライトナー、日焼け促進剤等)、ヘアカラー(ヘア染料、ヘアカラーリンス、ハイライト、ブリーチ等)、皮膚着色剤(フェース及びボディーメークアップ、ファンデーションクリーム、マスカラ、口紅、リップ製品等)、バス及びシャワー製品(ボディクリーナー、ボディウォッシュ、シャワーゲル、液体石鹸、固形石鹸、固形合成石鹸、コンディショニング液体バスオイル、バブルバス、バスパウダー等)、ネイルケア製品(ポリッシュ、ポリッシュリムーバー、強化剤、光沢剤、キューティクル除去剤、軟化剤等)、オーラルケア製品、例えばは磨き粉及びマウスケア製品、並びに貯蔵及び/又は使用の間に有利なもしくは望ましい、物理的もしくは化学的効果を達成するために有効量の本発明のポリマーを混入することができる水性の、酸性〜塩基性の組成物を含む。パーソナルケア及び局所ヘルスケア用の組成物は、液体、例えばリンス、ゲル、スプレー、エマルジョン、例えばローション及びクリーム、シャンプー、ポマード、フォーム、軟膏、錠剤、スティック、例えばリップケア製品、メークアップ、及び座薬の形態であってよい。ゲルは軟らかくても硬くてもよい。エマルジョンは、水中油型、油中水型、又は多相であってよい。スプレーは、手動で加圧するスプレーより得られる非加圧エアロゾル又は加圧エアロゾルであってよい。本発明のポリマーは、化学的もしくは気体噴射剤が必要なスプレー、ムース、もしくはフォーム形成組成物のようなエアロゾル組成物に配合してよい。生理的かつ環境的に許容される噴射剤、例えば圧縮気体、フッ素化炭化水素及び液体揮発性炭化水素、及び好適な組み合わせ及び量は、化粧品及び薬用化粧品の分野及び文献において知られている。
【0148】
一態様において、本発明は、液体媒体、典型的には水性媒体、さらに典型的には水、1種以上の界面活性剤、及び本発明のポリマーを含むパーソナルケア組成物に関する。
【0149】
一態様において、このパーソナルケア組成物は、この組成物100重量部(pbw)を基準として、約10〜約80pbw、より典型的には約20〜約70pbwの液体媒体、典型的には水性媒体、より典型的には水、約1〜約50pbwの1種以上の界面活性剤、及び0より多く、約20pbw以下、より典型的には約0.05〜約10pbw、さらには約0.1〜約5pbwの本発明のポリマーを含む。
【0150】
好適な界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及びこれらの混合物を含む。
【0151】
アニオン界面活性剤は一般に知られており、例えばアルキルベンゼンスルホネート、αオレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルエステルスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルアルコキシスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアルコキシカルボキシレート、アルキルアルコキシル化スルフェート、モノアルキルホスフェート、アルキルスルホスクシネート、アルキルアルコキシスルホスクシネート、ジアルキルホスフェート、アルキルラクチレート、グルタメート界面活性剤、イセチオネート界面活性剤、タウレート界面活性剤、サルコシネート界面活性剤、及びこれらの塩、並びにこれらの化合物の混合物(ここで塩形態におけるアニオン界面活性剤のカチオン対イオンは、典型的にはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、(C1-C6)アルキルアンモニウムカチオンより選ばれる)を含む。好適なアニオン界面活性剤の例は、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、トリエタノールアミンラウレススルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレススルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレススルフェート、ラウリルモノグリセリドナトリウムスルフェート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート、カリウムラウリルスルフェート、カリウムラウレススルフェート、ナトリウムトリデセススルフェート、ナトリウムトリデシルスルフェート、アンモニウムトリデセススルフェート、アンモニウムトリデシルスルフェート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート、ナトリウムモノアルキルホスフェート、ナトリウムジアルキルホスフェート、アンモニウムココイルスルフェート、ナトリウムココイルスルフェート、カリウムココイルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルフェート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルホネート、及びナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムラウロイルイソチオネート、カリウムメチルミリスチルタウレート、アンモニウムオレオイルサルコシネート及びこれらの混合物を含む。
【0152】
カチオン界面活性剤は一般に知られており、例えば下式(XXV)
【化14】
(上式中、R51、R52、R53及びR54は独立に、H又は有機基であり、ただしR51、R52、R53及びR54の少なくとも1つは水素ではなく、
-はアニオン、より典型的には塩化物、臭化物、メトスルフェート、エトスルフェート、ラクテート、サッカリネート、アセテートもしくはホスフェートアニオンである)
で表されるモノカチオン界面活性剤を含む。ここで、用語「カチオン界面活性剤」は、カチオンポリマーを含まない。
【0153】
構造(XXV)の化合物のR51、R52、R53及びR54の1〜3個がHである場合、式(XXV)の化合物はアミン塩である。好適なアミン塩タイプカチオン界面活性剤は、ポリエトキシル化(2)オレイル/ステアリルアミン、エトキシル化タローアミン、ココアルキルアミン、オレイルアミン、及びタローアルキルアミンを含む。
【0154】
構造XXVの化合物のR51、R52、R53及びR54が各々独立に有機基である場合、構造XXVの化合物は4級アンモニウム化合物である。一態様において、R51、R52、R53及びR54は独立に、脂肪酸、及びアルコキシル化基、アルキルアミド基、芳香族環、複素環、ホスフェート基、エポキシ基、及びヒドロキシル基を有する脂肪酸及び脂肪酸のエステルを含む脂肪酸誘導体のような、追加官能基を含む(C8-C24)分枝もしくは直鎖炭化水素基である。窒素原子も複素環もしくは芳香族環、例えばカタフィルモルホリニウムエトスルフェートもしくはステアピリウムクロリドの一部であってよい。好適な4級アンモニウム化合物の例は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オレイルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ラウリル/ミリスチルトリメチルアンモニウムメトスルフェート、セチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム二水素ホスフェート、ココトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ステアリルオクチルジモニウムメトスルフェート、イソステアラミノプロパルコニウムクロリド、ジヒドロキシプロピルPEG−5リノレアミニウムクロリド、PEG−2ステアルモニウムクロリド、クオータニウム(Quaternium)18、クオータニウム32、クオータニウム80、クオータニウム82、クオータニウム84、ベヘントリモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルフェート、タロートリモニウムクロリド、ベヘナミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ステアリルオクチジモニウムメトスルフェート、二水素化パルモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジマルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ヒドロキシプロピルビスステアリルジモニウムクロリド、イソステアリルベンジルイミドニウムクロリド、ココイルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロリド、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムPGクロリドホスフェート、ステアリルヒドロキシエチルイミドニウムクロリド、及びこれらの混合物を含む。
【0155】
両性界面活性剤は一般に知られている。ここで用語「両性界面活性剤」は両性ポリマーを含まない。好適な両性界面活性剤は、アルキルアンフォジプロピオネート、アルキルアンフォアセテート、アルキルアンフォジアセテート、アルキルアンフォグリシネート、及びアルキルアンフォプロピオネート、並びにアルキルイミノプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート、及びアルキルアンフォプロピルスルホネート、例えばココアンフォアセテート、ココアンフォプロピオネート、ココアンフォジアセテート、ラウロアンフォアセテート、ラウロアンフォジアセテート、ラウロアンフォジプロピオネート、ラウロアンフォジアセテート、ココアンフォプロピルスルホネート、カプロアンフォジアセテート、カプロアンフォアセテート、カプロアンフォジプロピオネート、及びステアロアンフォアセテート、ココアミドプロピルヒドロキシスルタインのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムもしくは置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む。好適な両性界面活性剤の例は、ナトリウムラウロアンフォアセテート、ナトリウムアンフォプロピオネート、二ナトリウムラウロアンフォジアセテート、ナトリウムココアンフォアセテート、二ナトリウムココアンフォジアセテート、及びこれらの混合物を含む。
【0156】
双性界面活性剤は一般に知られており、ベタイン界面活性剤及びスルタイン界面活性剤、例えばデシルジメチルベタイン、ウンデシルジメチルベタイン、ドデシルジメチルベタイン、トリデシルジメチルベタイン、テトラデシルジメチルベタイン、ココジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、ヘプタデシルジメチルベタイン、オクタデシルジメチルベタイン、ドデシルアミドプロピルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルジメチルベタイン、オレイルアミドプロピルベタイン、ラウロイルジヒドロキシプロピルグリシネート、ラウリルジ(ヒドロキシポリ(エトキシ))グリシネート、ラウリルビス(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン及びこれらの混合物を含む。
【0157】
ノニオン界面活性剤は一般に知られており、例えばアルカノールアミド(これは所望によりアルコキシル化されていてもよい)、アミンオキシド、脂肪アルコール(これは所望によりアルコキシル化されていてもよい)、アルコキシル化アルキルフェノール、脂肪酸エステル、及びアルキルグルコシド、例えばココアミドDEA、ココアミドMEA、ココアミドMIPA、PEG−5ココアミドMEA、ラウルアミドDEA、ラウルアミンオキシド、ココアミンオキシド、ステアルアミンオキシド、ステアルアミドプロピルアミンオキシド、パルミタミドプロピルアミンオキシド、デシルアミンオキシド、ステアリルアルコール、ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート、エトキシルかラウリルアルコール、ポリエチレングリコールジステアレート、デシルグルコシド、ココグルコシド、ドデシルグルコシド、オクタデシルポリグルコシド、及びこれらの混合物を含む。
【0158】
一態様において、パーソナルケア組成物は、この組成物100重量部を基準として、約2〜約22pbw、より典型的には約5〜約15pbwの、アニオン界面活性剤、例えば1種以上のアルキルアルコキシル化スルフェート、と1種以上のノニオン界面活性剤、両性界面活性剤及び/又は双性界面活性剤、例えばベタイン界面活性剤、の混合物を含み、この混合物は、1種以上のノニオン界面活性剤、両性界面活性剤及び/又は双性界面活性剤の1pbwあたり典型的には約0.1〜約20、より典型的には約0.5〜約10、さらには約1〜約8pbwのアニオン界面活性剤を含む。
【0159】
一態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、スルフェート界面活性剤化合物を実質的に含まない、より典型的にはまったく含まない、さらにはあらゆるスルフェート化合物を含まない、「スルフェートフリー」組成物である。一態様において、このスルフェートフリーパーソナルケア組成物は、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び非スフフェートアニオン界面活性剤、例えばスルホネート界面活性剤、タウレート界面活性剤、スルホスクシネート界面活性剤、スルタイン界面活性剤、アルカノールアミド界面活性剤、サルコシネート界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、アルキルグルコシド界面活性剤、ホスフェートエステル界面活性剤、ソルビタールエステル界面活性剤、エトキシル化アルコール界面活性剤、ベタイン界面活性剤、及びアンフォアセテート界面活性剤より選ばれる1種以上の界面活性剤を含む。一態様において、スルフェートフリー組成物は、界面活性剤混合物100pbwを基準として、5〜15pbwの非スルフェートアニオン界面活性剤の混合物又は非スルフェートアニオン界面活性剤と両性界面活性剤の混合物を含み、そのような混合物は典型的には約5〜約95pbwの非スルフェートアニオン界面活性剤、例えばスルホスクシネート界面活性剤、及び約5〜約95pbwの両性界面活性剤、例えばスルタイン界面活性剤を含み、このパーソナルケア組成物はスルフェート界面活性剤化合物を含まず、典型的にはあらゆるスルフェート化合物を含まない。典型的には、本発明のポリマーは、そのようなスルフェートフリー組成物に優れた増粘特性を与え、多くの場合において、優れた降伏強さ及び透明性を与える。
【0160】
一態様において、このパーソナルケア組成物は、この組成物100pbwを基準として、0超〜約30pbwの、より典型的には約0.1〜約20pbwの、さらには約0.25〜約10pbwの、さらには約0.5〜約6pbwの1種以上の非界面活性剤電解質をさらに含む。好適な非界面活性剤電解質は、例えば無機酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、例えば塩化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、沃化カリウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸カルシウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムを含む。
【0161】
一態様において、このパーソナルケア組成物は、1種以上のパーソナルケア有益剤をさらに含む。好適なパーソナルケア有益剤は、パーソナルケアに有益な材料、例えば保湿剤、コンディショニング剤、又は知覚に有益な材料、例えば皮膚軟化剤、コンディショナー、モイスチャー、ポリマー、ビタミン、研磨剤、UV吸収剤、抗菌剤、ふけ防止剤、香料、及び/又は外観改質添加剤、例えば着色粒子もしくは反射粒子(これは固体、液体もしくは気体の形態であってよく、パーソナルケア組成物に不溶であっても一部可溶であってもよい)を含む。この有益剤の混合物も用いてよい。
【0162】
一態様において、この有益剤は、保湿剤、又は皮膚もしくは髪用のコンディショナーとして有用なオイル有益剤を含む。好適なオイルは、例えば植物油、例えばラッカセイ油、ひまし油、ココアバター、ココナッツオイル、コーンオイル、綿実油、オリーブオイル、パーム核油、菜種油、ひまわり種油、ごま油、及び大豆油、(C12-C22)カルボン酸のエステル、例えばブチルミリステート、セチルパルミテート、デシルオレエート、グリセリルラウレート、グリセリルリシノレエート、グリセリルステアレート、グリセリルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルリノレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールリシノレエート、プロピレングリコールステアレート、及びプロピレングリコールイソステアレート、動物脂、例えばラノリン、ミンクオイル、及び獣脂、炭化水素オイル、例えば鉱油及びペトロラタム、及びシリコーンオイル、例えばポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アルコキシル化ポリオルガノシロキサン、アミノ置換ポリオルガノシロキサン、アミド置換ポリオルガノシロキサン、並びにこれらの混合物を含む。
【0163】
一態様において、この有益剤はモイスチャーを含む。好適なモイスチャーは、例えばグリセリン及びヒアルロン酸を含む。
【0164】
一態様において、この有益剤はカチオンポリマー及び/又は両性ポリマーを含む。好適なカチオンポリマーは、1種以上のアミン及び/又は4級アンモニウム置換モノマーより誘導されるモノマーユニットを含む合成ポリマー、及びアミン及び/又は4級アンモニウム含有側基を含むように誘導された天然ポリマー(この各々は典型的には約0.1〜4meq/gのカチオン電荷密度を有する)を含む。好適なカチオンポリマーは、例えば1−ビニル−2−ピロリジンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩のコポリマー(例えばPolyquanternium-16)、1−ビニル−2−ピロリジンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(例えばPolyquaternium-11)、カチオンジアリル4級アンモニウム含有ポリマー、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(例えばPolyquaternium 6及びPolyquaternium 7)を含む、カチオンポリアクリルアミド、カチオン多糖ポリマー、例えばカチオンセルロース誘導体、カチオンスターチ誘導体、及びカチオングアーガム誘導体、例えばトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩(例えばPolyquaternium 10)、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー4級アンモニウム塩(例えばPolyquaternium 24)、具あーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びカチオンタンパク誘導体、例えばココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパクを含む。好適な両性ポリマーは、アニオン基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネートもしくはカルボン酸基、とカチオン基、例えば3級アミノ基もしくは4級アンモニウム基の両方を同じポリマー分子上に含むポリマーである。好適な両性ポリマーは、例えば両性アクリルコポリマー、例えばオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、及びカチオン側基、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリド基をアニオン多糖、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース主鎖にグラフトし、重合することにより得られる両性多糖化合物を含む。本発明のポリマー、1種以上の界面活性剤及び/又は非界面活性剤塩、及びカチオンポリマー及び/又は両性ポリマーを含む水性組成物は、カチオンポリマー及び/又は両性ポリマーを含まない同様の組成物と比較して高い増粘効率を示す。
【0165】
一態様において、有益剤はふけ防止剤を含む。好適なふけ防止剤は、例えば粒状、結晶性ふけ防止剤、例えば硫黄、二硫化セレン、及びピリジンチオンの重金属塩、例えばピリジオン亜鉛、並びに可溶性ふけ防止剤、例えばケトコナゾールを含む。
【0166】
一態様において、この有益剤はUV線吸収剤を含む。好適なUV線吸収剤は、例えばナトリウムベンゾトリアゾイルブチルフェノールスルホネートを含む。
【0167】
本発明に係るパーソナルケア組成物は、所望により、1種以上の有益剤に加えて、この組成物100pbwを基準として、約10pbwまで、典型的には0.1〜約8pbwの、より典型的には約0.5〜約5.0pbwの他の成分、例えば防腐剤、例えばベンゾイルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニルウレア、pH調整剤、例えばクエン酸、スクシン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、染料、及び金属イオン封鎖剤、例えば二ナトリウムエチレンジアミンテトラアセテートをさらに含む。本発明の組成物に用いるに適した、パーソナルケア組成物に一般に用いられる成分の他の例は、公知であり、例えばCosmetic Ingredient Handbook, 8版、2000に記載されている。
【0168】
一態様において、パーソナルケア組成物は、組成物100pbwを基準として、約0.1〜約5pbw、より典型的には約0.5〜約3pbwの本発明のポリマー、約1〜約30pbw、より典型的には約1〜約20pbwの1種以上の界面活性剤、より典型的には1種以上のアニオン界面活性剤と1種以上の両性界面活性剤、双性界面活性剤、及び/又はノニオン界面活性剤の混合物、及び所望により1種以上の非界面活性剤塩、及び所望により1種以上のパーソナルケア有益剤を含むボディウォッシュである。
【0169】
パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは有益な増粘剤であり、すなわちこのポリマーはパーソナルケア組成物の粘度を高め、これは特に6.3以上、より典型的には6.5以上のpHにおいて、塩濃度及び/又は界面活性剤含量に敏感である。より詳細には、本発明のポリマーを含む水性組成物は、界面活性剤含量及び/又は非界面活性剤塩含量の増加に応じて増加し、界面活性剤及び/又は非界面活性剤塩の両の比較的小さな変化に応じて粘度の大きな変化は起こらない。
【0170】
一態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、液体媒体、本発明のポリマー、及びヘアカラーを含み、及び所望により1種以上の脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪酸エステル、ポリアミン、及びポリシロキサンをさらに含むクリームベースヘアカラー組成物である。好適な液体媒体は、例えば水、1種以上の(C6-C22)アルコール(これは所望によりアルコキシル化されていてもよい)、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物を含む。好適なヘアカラーは、例えば染料、酸化性アゾ染料、硫黄染料、アゾメチン染料、トリアリールメタン、キサンテン染料、フタロシアニン染料、フェノチアジン染料、顔料、直接染料、酸化染料、真珠顔料、真珠剤、ロイコ染料、ライトニング着色剤、天然着色剤、光学変化顔料、及びこれらの混合物を含む。
【0171】
パーソナルケア組成物の一態様において、この組成物は、0Pa超、より典型的には約0.01Pa以上、さらには約0.1〜約10Pa、さらには約1Pa〜約4Pa、さらには約1Pa〜約2Paの降伏強さを組成物に与えるに十分な量の本発明のポリマーを含む。前記のように、本発明のポリマーは、ポリマーの架橋が存在していなくても、典型的には0Pa超の降伏強さを与える。
【0172】
一態様において、本発明の液体組成物は、この組成物に1Pa超の降伏強さを与えるに有効な量の本発明のポリマー、典型的にはそのようなポリマーの非架橋形態を含み、この組成物はさらに、パーソナルケア組成物に不溶もしくは一部のみ可溶である1種以上の固体、液体もしくは気体の懸濁粒子、例えば研磨剤、顔料、油滴、オイルビーズ、リポソーム、カプセル、もしくは気泡を含む。一態様において、この組成物は、周囲温度において、長期間、例えば6ヶ月以上、より典型的には1年以上、さらには促進エージング条件において、例えば45℃で3ヶ月以上安定であり、組成物中に懸濁されたままである。一態様において、懸濁された粒子はオイル有益剤の液滴を含む。
【0173】
6.5以上のpHを有するパーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは、界面活性剤の存在下において、増粘特性を与え、組成物に外観変化を与えることなく非ゼロ降伏強さを与え、非ゼロ降伏強さを有する透明な、粘性の組成物を与える。
【0174】
典型的には約6.5以上のpHを有するパーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは、界面活性剤及び/又は非界面活性剤の存在下において、増粘特性を与え、非ゼロ降伏強さを与え、透明な外観の、例えば600nmにおける透過率が95%より高い組成物を与える。
【0175】
典型的には約6.5未満のpHを有するパーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは、界面活性剤及び/又は非界面活性剤の存在下において、増粘特性を与え、非ゼロ降伏強さを与え、不透明な外観の組成物を与える。また、6未満のpHにおいて所定のポリマー含量により、6.5以上のpHを有する組成物と比較して、より高い降伏強さが得られる。
【0176】
パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは高いフォーム体積及び高いフォーム安定性を与え、ゆっくり減少するより高いフォーム体積を与え、向上した白さ、輝かしさ、堅さ、弾性、及び湿気性のような感覚特性を示す。
【0177】
パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは高いフォーム体積を与える。カチオンポリマーを含むパーソナルケア組成物の態様において、本発明のポリマーは高いフォーム体積を与え、ドレイニッジを低下させ、湿った、クリーム状の、輝く白いフォームを与える。パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーとカチオンポリマーの組み合わせは、高いフォーム堅さ及び弾性を与え、高い濃さ、豊かさ及びクッション性のような感覚特性を示すフォームを与える。
【0178】
パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは、滑らかさ、ビロード状感覚、及び粘性のない感覚のような優れた感覚特性を与える。
【0179】
パーソナルケア組成物の一態様において、本発明のポリマーは、水により皮膚から容易に洗浄され、皮膚にポリマー残留物を残さない。
【0180】
一態様において、本発明は、水、1種以上の界面活性剤、及び本発明のポリマーを含むホームケア組成物もしくは産業用洗浄組成物、例えば液体洗剤、洗濯洗剤、ハード表面クレンザー、皿洗い洗剤、もしくは便器クリーナーに関する。好適なホームケア組成物もしくは産業用洗浄組成物は、台所及び浴室カウンター甲板、タイル表面、及びこれらに設置される設備用の表面クレンザー、便器縁ゲルを含むトイレクリーナー、床クレンザー、壁クレンザー、磨き粉、芳香剤ゲル、洗剤、皿及び洗濯用クレンザー、例えば柔軟剤、染み抜き、及び布帛処理剤を含む。好適な界面活性剤は、パーソナルケア組成物において説明した上記のものを含む。そのようなクリーニング組成物は、所望により1種以上の水混和性有機溶媒、例えばアルコール及びグリコール、及び/又は1種以上の添加剤をさらに含んでよい。好適な添加剤は当該分野において公知であり、例えば有機ビルダー、例えばオルガノホスホネート、無機ビルダー、例えばアンモニウムポリホスフェート、アルカリ金属ピロホスフェート、ゼオライト、シリケート、アルカリ金属ボレート、及びアルカリ金属カーボネート、漂白剤、例えばパーボレート、パーカーボネート、及びハイポクロレート、金属イオン封鎖剤及びスケール防止剤、例えばクエン酸及びエチレンジアミン四酢酸、無機酸、例えばリン酸及び塩酸、有機酸、例えば酢酸、有機塩基、無機塩基、例えばNaOH、研磨剤、例えばシリカもしくは炭酸カルシウム、抗菌剤もしくは殺菌剤、例えばトリクロサン及びカチオン殺菌剤、例えば(N-アルキル)ベンジルジメチルアンモニウムクロリド、防かび剤、酵素、不透明化剤、pH調整剤、染料、香料、及び防腐剤を含む。
【0181】
一態様において、このホームケア組成物もしくは産業用洗浄組成物は、この組成物100pbwを基準として、約5〜約80pbw、より典型的には約10〜約70pbwの液体媒体、典型的には水性液体媒体、0超、約40pbw以下、より典型的には0超、20pbw以下、さらには約0.05〜約10pbw、さらには約0.1〜約5pbwの本発明のポリマー、及び0超、約20pbw以下の1種以上の界面活性剤、及び所望によりビルダー、漂白剤、酸、塩基、研磨剤、抗菌剤、防かび剤、酵素、不透明化剤、pH調整剤、染料、香料、及び防腐剤より選ばれる1種以上の添加剤を含む。
【実施例】
【0182】
以下に示す方法により例1、2及び3のポリマーを製造した。
【0183】
水および硫酸化アルコールエトキシレート(Rhodapex AB20、Rhodia Inc.)を反応容器に入れ、N2でパージして約65℃に加熱した。各実験の間、N2パージを保った。オンだが約65℃に達したら、25%の開始剤溶液及び2%のモノマーエマルジョンを反応容器に加えた。次いで温度を約65℃に約15分間保持した。残りのモノマーエマルジョン及び開始剤溶液を3時間かけて一定の速度で反応容器に加えた。モノマー及び開始剤の添加終了後、反応容器の内容物を約65℃に1時間保持し、次いでt−ブチルペルオキシベンゾエートからなるチェイサー溶液を一度で加え、次いでエルソルビン酸溶液を30分かけて反応容器に連続的に添加した。チェイサー溶液の添加終了後、反応容器の内容物を約65℃に90分間維持し、次いで冷却した。
【0184】
用いた成分を以下の表Iに示す。例1、2及び3のポリマーは、各々
上記式(XII)(式中R19=メチル、i=25、j=5)で表されるモノマー化合物(「NOPOLポリエーテルモノマー」)から誘導される第一のモノマーユニット、
式(XX)(式中R24はメチルであり、R21は直鎖C16アルキル、直鎖C18アルキル、及び直鎖C22アルキル基の混合物であり、p=2、r=25、s=0、t=1)で表される、分子あたり平均25個のエチレンオキシドユニットを有する(C16-C22)アルキルポリエトキシル化メタクリレートの混合物(「(C16-C22)アルキルポリエーテルモノマー」)より誘導される第二のモノマーユニット、
メタクリル酸(「MAA」)より誘導される第三のモノマーユニット、及び
エチルアクリレート(「EA」)より誘導される第四のモノマーユニット
を含む。
【0185】
NOPOLポリエーテルモノマーは、溶液100pbwを基準として、約50pbwのNOPOLポリエーテルモノマー及び約25pbwのMAA水溶液を含む水溶液(「NOPOLポリエーテルモノマー溶液」)の形態で加えた。(C16-C22)アルキルポリエーテルモノマーは、溶液100pbwを基準として、約50pbwの(C16-C22)アルキルポリエーテルモノマー及び約25pbwのMAA水溶液を含む水溶液(「(C16-C22)アルキルポリエーテル溶液」)の形態で加えた。
【表1】
【0186】
例1、2及び3の各ポリマーにおけるモノマーユニットの相対量を、反応器に加えたモノマーの総量を基準とした各モノマーの重量パーセントとして及び反応器に加えたモノマーの総量を基準とした各モノマーのモルパーセントとして、以下の表IIに示す。光散乱により測定した、例1、2及び3のラテックスポリマーの各々の平均粒度も表IIに示す。
【表2】
【0187】
例F1−1〜F1−11及び比較例CF1−1〜CF1−3
ボディウォッシュ組成物F1−1〜F1−8を以下のようにして製造した。例1のポリマーを、穏やかに撹拌しながら脱イオン水に加えた。次いでナトリウムラウレス−2EOスルフェート(「SLES」、Rhodapex ESB3/A2)を加え、その後この混合物に水酸化ナトリウムの溶液(15%)をゆっくり加え、溶液のpHを約9〜約10にした。次いでココアミドプロピルベタイン(「CAPB」、Mirataine BET C-30)を加え、その後防腐剤及び塩化ナトリウムを加えた。次いでクエン酸溶液(15%)により組成物のpHを5〜7の間に調整した。組成を以下の表IIIに示す(組成物100pbwあたりの成分のpbw)。表中、「q.s」は「十分量」、すなわち所定の目的を達成するために十分な量を示し、例えばpH調整において所望のpHを達成するために十分な量のNaOHを意味する。
【表3】
【0188】
20℃においてTA instruments AR2000 Rheometerにてレオロジー測定を行った。60mm、2°コーンを用い、コーン/プレートギャップは53μmとした。2分の平衡間隔で20℃においてコンディショニングを行った後、10-3sec-1〜1.0sec-1のランプシェアレート、20ポイント、10秒のコンタクトタイムで段階フローステップを適用した。1.0sec-1〜200sec-1のシェアレートで連続ランプステップを適用した。サンプルが流動し始めた際の加えた剪断応力の限界値として降伏強さを決定した。組成物のブルックフィールド粘度はブルックフィールド粘度計モデルDVD-I又はDVIIを用い、10RPMにて測定した。
【0189】
例F1−1〜F1−5の組成物の各々について、pH,パスカル(Pa)で表す降伏強さ、及び10回転/分においてブルックフィールド粘度計により測定したセンチポアズ(cP)で表す粘度を以下の表IVに示す。この例及び以下の例において示す粘度の値は、特に示さない限りすべて20℃におけるものである。
【表4】
【0190】
例F1−1〜F1−5のボディウォッシュ組成物により示される降伏強さは、約0.4Paにおいて約7〜約6のpHで安定であり、約6以下のpHでpHの低下にともない増加することが見出された。例F1−1〜F1−5のボディウォッシュ組成物により示されるブルックフィールド粘度は6.1以上のpHで増加することが見出された。
【0191】
例F1−6〜F1−8の組成物の各々について、10RPMで測定し、センチポアズ(cP)で表すブルックフィールド粘度、及びパスカル(Pa)で表す降伏強さを以下の表VIに示す。
【表5】
【0192】
約5.0〜5.1の最終pHに調整した、例F1−6〜F1−8のボディウォッシュ組成物の粘度及び降伏強さは、ボディウォッシュ組成物中の1.5〜2.5活性%wtの範囲内の例1のポリマーの量に応答することが見出された。
【0193】
例F1−1〜F1−8と同様にして、ただし塩化ナトリウムと例1のポリマーの相対量を表VIに示すように変えて、ボディウォッシュ組成物F1−9〜F1−11及び比較例CF1−1〜CF1−3を製造した。組成物の最終pHを約6.5に調整した。比較例CF−1〜CF1−3の組成物は、例1のポリマーに代えて架橋したアクリル流動性改良剤ポリマー、Carbopol(商標)Aqua SF-1(Lubrizol Corporation、「SF-1」)を用い、CAPB、防腐剤及び塩化ナトリウムの添加前に水酸化ナトリウムの溶液(15%)をゆっくり加えることにより、組成物のpHを6.5に調整することを除き、例F1−1〜F1−8と同様にして製造した。クエン酸の溶液(15%)により最終pHは約6.5に調整した。組成を以下の表VIIに示す(組成物100pbwあたりの成分のpbw)。
【表6】
【0194】
10RPMにてブルックフィールド粘度計により測定したセンチポアズ(cP)で表す粘度、及び10×10mmのセルにおいて600nmで測定した透過率(%)を、例F1−9〜F1−11の組成物の各々について測定し、以下の表VIIIに示す。
【表7】
【0195】
6.5の最終pHに調整した、例F1−9〜F1−11のボディウォッシュ組成物の粘度は、この組成物中の塩化ナトリウムの量を0〜1.6活性%の範囲内で高めると劇的に増加することが見出された。組成物100pbwあたり0〜1.6pbwの塩化ナトリウムの範囲内において例F1−9〜F1−11において、95%以上の600nmにおける透過率によって示されるような高い透明度が得られた。CASF−1ポリマーを含む比較例CF1−1〜CF1−3のボディウォッシュ組成物の粘度は例F1−9〜F1−11と比較して低かった。CASF−1ポリマーを含む比較例CF1−1〜CF1−3の600nmにおける透過度によって示される透明性は、塩化ナトリウム含量の増加と共に低下した。同じ量のポリマー含量において、SF−1ポリマーを含む同様のシャンプー組成物よりも、例1のポリマーを含むボディウォッシュ組成物においてより高い透明度が得られた。
【0196】
例4及び比較例C1〜C4
以下の表IXのパートA及びBに示すように(反応器に加えるモノマーの総量を基準とした各モノマーのwt%)、異なる相対量の各モノマーを用いて、例1〜3と同様にして例4〜17及び比較例C1〜C4のポリマーを製造した。例15、16及び17のポリマーは、各々エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)又はポリエチレングリコール400ジメタクリレート(PEG400DMALi)のいずれかを用いて架橋した。
【表8】
【表9】
【0197】
例F2及び比較例CF2−1〜CF2−3
例4のポリマーの特性を、ボディウォッシュ組成物100pbwを基準として、3.28pbwのアンモニウムラウロイルスルフェート(ALES)、0.41pbwのコカミドモノエタノールアミン(CMEA)、及び0.82pbwのココアミドプロピルベタイン(CAPB)を含み、総ポリマー含量が2.5pbwであり、6.5のpHを有するボディウォッシュ組成物において、比較例C1のポリマー、比較例C2のポリマー、比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物と比較した。粘度はTA Instrument Rheometer Model AR-G2を用い、116ミクロンのコーン/プレートギャップにて40mmの4°コーンを用い測定し、降伏強さは、剪断応力−剪断速度のプロットにおいて剪断応力をゼロ剪断速度に推定することによって測定した。この結果を以下の表Xに示す。
【表10】
【0198】
比較例C1のポリマー、比較例C2のポリマー、比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物を含む同様のボディウォッシュ組成物と比較して、同じ総ポリマー含量において、例4のポリマーを含む組成物は高い降伏強さ、低剪断速度における高い粘度、及びより明確な剪断低下挙動を示した。
【0199】
例F3及び比較例CF3−1〜CF3−5
例4のポリマーの特性を、組成物100pbwを基準として、9pbwのナトリウムラウレス2−スルフェート(SLES)、及び2pbwのココアミドプロピルベタイン(CAPB)を含み、総ポリマー含量が2.5pbwであり、6.5のpHを有する同様のボディウォッシュ組成物において、比較例C1のポリマー、比較例C2のポリマー、比較例C3のポリマー、比較例C4のポリマー、及び比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物と比較した。Fs、CFC−1、CF3−2、CF3−3、CF3−4、及びCF3−5は例F1−1〜F1−8と同様にして製造した。粘度及び降伏強さは例F1−1〜F1−11におけるように測定した。600nmにおける透過率は、例F1−9〜F1−11と同様にして測定した。この結果を以下の表XIに示す。
【表11】
【0200】
比較例C1のポリマー、比較例C2のポリマー、比較例C3のポリマー、比較例C4のポリマー、又は比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物を含む同様のボディウォッシュ組成物と比較して、同じ総ポリマー含量において、例4のポリマーを含む組成物は高い透明度(高い透過率により示される)を示した。比較例C1のポリマー、比較例C2のポリマー、比較例C3のポリマー、又は比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物を含む同様のボディウォッシュ組成物と比較して、同じ総ポリマー含量において、例4のポリマーを含む組成物は高い降伏強さを示した。比較例C1のポリマー、比較例C3のポリマー、又は比較例C1のポリマーと比較例C2のポリマーの50:50混合物を含む同様のボディウォッシュ組成物と比較して、同じ総ポリマー含量において、例4のポリマーを含む組成物は、10RPMにおける高いブルックフィールド粘度、低剪断速度における高い粘度、及びより明確な剪断低下挙動を示した。例4のポリマーは、ボディウォッシュ用途に用いるに望ましい、降伏強さ、10RPMにおけるブルックフィールド粘度、剪断低下挙動、及び高い透明度を示した。
【0201】
例F4−1〜F4−7
F4−1〜F4−7の2イン1シャンプー組成物を以下のようにして製造した。シャンプーのパートAは、例1のポリマーラテックスを穏やかに撹拌しながら脱イオン水に加えることにより製造した。ナトリウムラウレスー2EOスルフェート(SLES、Rhodapex ESB 3/A2)を加え、次いで水酸化ナトリウム水溶液(15%)をゆっくり加え、pHを9から10にした。次いでコカミドプロピルベタイン(CAPB、Mirataine BET C-30)を加え、クエン酸水溶液(15%)でpHを6.5に調整した。シャンプーのパートBは、撹拌しながら脱イオン水にグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Jaguar Excel)を散布することにより製造した。カチオングアーが完全に分散したら、パートBのpHをクエン酸水溶液(15%)により4と5の間に調整した。パートBをパートAと混合し、防腐剤、塩化ナトリウムを加えた。クエン酸水溶液(15%)により、最終pHを6.5に調整した。シャンプー組成物100pbw当たりの各成分のpbwとして、組成を以下の表XIIに示す。10RPMにてブルックフィールド粘度計を用いて測定した粘度を以下の表XIIIに示す(シャンプー組成物の各々についてセンチポアズ(cP)で示す)。
【表12】
【表13】
【0202】
例F4−3の2イン1シャンプー組成物のブルックフィールド粘度は、例F4−1及びF4−2の2イン1シャンプー組成物の粘度の和よりも予想外に高かった。例F4−6の2イン1シャンプー組成物のブルックフィールド粘度は、例F4−4及びF4−5の2イン1シャンプー組成物の粘度の和よりも予想外に高かった。理論付けようとするものではないが、この予想外の粘度の増加は、2イン1シャンプー組成物F4−3及F4−6中の例1のポリマーとJaguar Excelの相互作用によるものであると考えられる。
【0203】
例F5−1〜F5−5
F5−1〜F5−5の2イン1シャンプー組成物を以下のようにして製造した。シャンプーのパートAは、例1のポリマーラテックス又はSF−1ポリマーを穏やかに撹拌しながら脱イオン水に加えることにより製造した。ナトリウムラウレスー2EOスルフェート(SLES、Rhodapex ESB 3/A2)を加え、次いで水酸化ナトリウム水溶液(15%)をゆっくり加え、pHを6.5から10にした。次いでコカミドプロピルベタイン(CAPB、Mirataine BET C-30)を加え、クエン酸水溶液(15%)でpHを6.5に調整した。シャンプーのパートBは、撹拌しながら脱イオン水にポリクアテルニウム−7(PQ−7、Mirapol 550)を加えることにより製造した。パートBをパートAと混合し、防腐剤、塩化ナトリウムを加えた。クエン酸水溶液(15%)により、最終pHを6.5に調整した。シャンプー組成物100pbw当たりの各成分のpbwとして、組成を以下の表XIVに示す。例F5−1〜F5−5の組成物の各々について、10×10mmのセルにおいて600nmで測定した透過率(%)及び10RPMにてブルックフィールド粘度計を用いて測定した粘度(cP)を以下の表XVに示す。
【表14】
【表15】
【0204】
例1のポリマー及びポリクアテルニウム−7(F5−3)を含む2イン1シャンプー組成物のブルックフィールド粘度は、CA SF−1及びポリクアテルニウム−7(F5−5)を同じ量含む同様のシャンプー組成物よりも高かった。例1のポリマー及びポリクアテルニウム−7(F5−3)を含む2イン1シャンプー組成物の透明度は、CA SF−1及びポリクアテルニウム−7(F5−5)を同じ量含む同様のシャンプー組成物よりも高かった。
【0205】
例F6
例5のポリマーの特性を、同様の水性液体ハンドソープ組成物において評価した。この組成物は各々、組成物100pbwあたり2.5pbwの例5のポリマー及びエトキシル化(モルあたり2モルのエチレンオキシド)ナトリウムラウレス(SLES)とコカミドプロピルベタイン(CAPB)を、1pbwCAPBあたり4.5pbwのSLESの比で含む混合物を、ハンドソープ組成物100pbwあたりのこの混合物のpbwで示す以下の表XVIに示す相対量で含む。粘度は、例F1〜F11において示した、10RPMにてブルックフィールドDVD−IもしくはDVD−VIIを用いて測定し、降伏強さは例F1〜F11において示したようにして測定し、600nmにおける透過率は例F1〜F11において示したようにして測定した。結果を以下の表XVIに示す。
【表16】
【0206】
例5のポリマーは、試験を行った界面活性剤の範囲において良好な増粘効果を示し、界面活性剤含量が低いほど増粘効果は高かった。
【0207】
密度及び直径の異なる様々な粒子、ビーズ及びカプセルを、組成物100pbwあたり2.5pbwの例5のポリマーを含む同様の組成物に加えた。この組成物は45℃において3ヶ月貯蔵後、安定であることが見出された。この組成物はすべて、試験を行った界面活性剤含量の全範囲にわたって、高い透明度(透過率95%以上)を示した。
【0208】
例F7
組成物100pbwを基準として、9pbwのSLES、2pbwのCAPB、2.85pbwのNaCl、及び2.5pbwの例5の活性ポリマーもしくはSF−1ポリマー又は3.2pbwのSF−1ポリマーを含む同様の液体ハンドソープ組成物の発泡特性を評価した。フォーム体積及び安定性は以下のようにして評価した。試験組成物を水で10%に希釈した。希釈した溶液20mlを水平に固定した金属棒上に設置したプラスチックシリンジに入れた。その真上で可動性の金属棒が、10mlの同じ希釈した溶液を含む100mlのガラスシリンダーに液体を落下させてシリンジを空にする。得られる高速落下ジェットはフォームを形成し、その体積レベルを、形成後5秒〜5分モニターする。フォームの堅さは、2mmの直径を有するガラスビーズで満たしたガラスカラム内で制御した圧力で界面活性剤溶液中の制御した窒素流を連続的に導入することにより、3.6〜3.9%の液体含量にて0.5〜1mmのバブルサイズを有するフォームを発生させることにより評価した。発生したフォームを50mlのSchott Duranビーカーに49.9cm3集め、静置した。圧電性結晶により駆動する、厚さ0.7mmのステンレススチールを含むテスターをフォームに作用させ、バランスにより力を発生させ、これをフォーム弾性もしくは堅さと相関させる。結果を以下の表XVIIに示す。フォーム体積(ml)及びフォーム堅さ(mN)として示す。
【表17】
【0209】
ポリマーを含まない対照システムは低いフォーム堅さを示した。例5のポリマー又は比較ポリマーのいずれかの導入により、フォーム堅さが増加した。フォーム堅さの増加は例5のポリマーにより大きかった。
【0210】
例F8
例F8のスクラブ洗顔料組成物を以下のようにして製造した。例5のポリマーを穏やかに撹拌しながら脱イオン水に加えた。次いで二ナトリウムラウレススルホスクシネート(DLSS、Mackanate EL)を加え、次いでこの混合物に水酸化ナトリウム溶液(15%)をゆっくり加えてpHを約6.5にした。次いでナトリウムココアンフォアセテート(CAMA、Miranol Ultra C-32)を加え、続いて防腐剤を加えた。次いでクエン酸ナトリウム溶液(15%)により組成物のpHを6.5に調整した。Florapearls Jojoba STDエバーグリーンビーズをゆっくり撹拌しながら加えた。このスクラブ洗顔料組成物100pbwあたりの活性材料のpbwとして、各材料の組成を以下の表XVIIIに示す。粘度は例F1〜F11に示したように、10RPMにおいてブルックフィールド粘度計DVD−IもしくはDVD−VIIを用いて測定し、降伏強さは例F1〜F11に記載のようにして測定した。結果を以下の表XVIIIに示す。
【表18】
この組成物は45℃で3ヶ月貯蔵後も安定であることがわかった。
【0211】
例F9−1〜F9−7並びに比較例CF9−1及びCF9−2
界面活性剤混合物のpbw及びポリマーのpbwとして、スクラブ洗顔料組成物100pbwを基準として、表XVIII、パートA及びBに示す量で、表XVIIIのパートA及びBに示すpbw:pbw比の二ナトリウムラウレススルホスクシネート(DLSS)とコカミドプロピルヒドロキシスルタイン(CAPHS)の混合物と、例5のポリマーもしくは比較ポリマー(SF−1)のいずれかを混合することにより、例F9−1〜F9−7並びに比較例CF9−1及びCF9−2の「スルフェートフリー」スクラブ洗顔料組成物の各々を製造した。このスルフェートフリー界面活性剤システムは標準的な塩添加によって増粘されない。年度は、例F1〜F11に記載のように10RPMにおいてブルックフィールド粘度計DVD−IもしくはDVD−VIIを用いて測定し、降伏強さは例F1〜F11に記載のようにして測定し、600nmにおける透過率は例F1〜F11に記載のようにして測定した。結果を以下の表XIX、パートAおよびBに示す。
【表19】
【0212】
比較ポリマーは、例5のポリマーと比較してより低い増粘効率および低い透過率を示した。
【0213】
例F10−1及びF10−2並びに比較例CF10−1〜CF10−4
組成物100pbwを基準として、12.5pbwのSLES、2.5pbwのCAPB、1.5pbwのNaCl、0.3pbwの活性グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Jaguar C-14S)、2pbwの活性スブミクロンジメチコンエマルジョン(Mirasil DME-0.6、65%活性シリコーン含量)、及び例5のポリマー、第1の比較ポリマーSF−1又は第2の比較ポリマー(架橋したアクリルポリマー、Carbopol(商標)C980(Lubrizol Corporation)(C980))のいずれかを、組成物100pbwを基準として以下の表XXに示す量含む、又はポリマーを含まない例F10及び比較例CF10−1〜CF10−4の2イン1シャンプー/コンディショナー組成物の特性を評価した。いずれにおいても、組成物のpHを6.5に調整した。最終ポリマー量は、組成物の粘度を約10,000cPの目的の値に調整することにより規定した。粘度は例F1〜F11において記載のように10rpmにおいてブルックフィールドDVD−IもしくはDVDVII粘度計を用いて測定し、降伏強さは例F1〜F11に記載のようにして測定し、600nmにおける透過度は例F1〜F11に記載のようにして測定した。この結果を表XXに示す。
【表20】
【0214】
シリコーン付着率は、表XXに記載の組成物と同様であるが、NaCl含量を1.75wt%に調整した組成物において、以下の方法により測定した。4.5gの髪(IHIPからのVirgin Medium Brow Caucasian hair)を約450mgのシャンプーで洗浄することにより、各組成物についてシリコーンオイル付着率を評価した。髪に付託したシリコーンオイルをテトラヒドロフランで抽出し、付着率をガスクロマトグラフィーにより測定する。活性ポリマーの量(組成物のwt%)及び結果を以下の表XXIに示す。
【表21】
【0215】
C980ポリマー及び例5のポリマーは各々シリコーン付着率にほとんど影響を与えないが、CASF−1ポリマーはシリコーン付着率を低下させることが見出された。
【0216】
例F11−1及びF11−2並びに比較例CF11
例F11−1、F11−2及び比較例CF11のヘアゲル組成物を以下のようにして製造した。相Aを形成するため、混合容器においてパートAの水に水性5%2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(Amp-95)及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加え、均一になるまで混合し、次いでビニルピロリドン/酢酸ビニル(PVP/VAW635)、グリセリン、及び防腐剤(DMDMヒドラントイン)をこの混合容器に加え、均一になるまで混合した。別の容器において、パートBの水にポリマーを加え、均一になるまで混合した。相Aを相Bにゆっくり加え、混合物が透明になるまで混合した。次いで必要によりpHを7.5〜8.5に調整した。用いた材料の量(g)及びその材料の活性含量(その材料のwt%)を以下の表XXIIに示す。各組成物について外観、pH及び粘度(2.5rpmにおいてブルックフィールドRV5粘度計を用いて測定、cP)を評価し、活性ポリマーの量(ヘアゲル組成物の100pbwあたりのポリマーpbw)とともに、以下の表XXIIBに示す。
【表22】
【0217】
例F12−1及びF12−2並びに比較例CF12
例F12−1及びF12−2並びに比較例CF−12のヘアゲル組成物を以下のようにして製造した。相Aを形成するため、混合容器においてパートAの水に水性5%2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(Amp-95)及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加え、均一になるまで混合し、次いでコンディショナー(Mackconditioner LCBIIとしての、Polyquaternium-11、VP/VAコポリマーブトキシエタノール、ソイアミドDEA、PPG−30、セチルエーテル、オレスー30ホスフェート、パンテノール、モジメチコン、トリデセスー12、セトリモニウムクロリド、PEG−12ジメチコン、及びDMDMヒダントインの水性混合物)を加え、均一になるまで混合した。別の容器において、パートBの水にポリマーを加え、均一になるまで混合した。相Aを相Bにゆっくり加え、混合物が透明になるまで混合した。次いで必要によりpHを7.5〜8.5に調整した。用いた材料の量(g)及びその材料の活性含量(その材料のwt%)を以下の表XXIIIに示す。各組成物について外観、pH及び粘度(0.5rpmにおいてブルックフィールドRV6粘度計を用いて測定、cP)を評価し、活性ポリマーの量(ヘアゲル組成物の100pbwあたりのポリマーpbw)とともに、以下の表XXIIIBに示す。
【表23】
【0218】
例F13−1〜F13−4及び比較例CF13
例F13−1〜F13−4及び比較例CF13の洗濯洗剤組成物を以下のようにして製造した。脱イオン水(DI)3/4(パートA)をビーカーにいれ、55℃に加熱した。次いで水酸化ナトリウム及びココナッツ脂肪酸を加え、けん化した(約45分けん化を行った)。水性61%ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート(Rhodacal SS60/A、SDBS)を加え、混合した。次いで水性90%直鎖アルコールエトキシレート(Rhodsurfl7/90)を加え、混合した。次いでクエン酸によりpHを7.6に調整した。プロピレングリコール、水性70%ナトリウムラウレススルフェート(Rhodapex ESB-70/A2、SLS)、及び水性33%ナトリウムジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホネート)(Briquest 543-33S、SDTPMP)を加え、均一になるまで混合した。次いでこの混合物を35℃に冷却した。染料、香料、ポリマー、及び残りの水を加え、均一になるまで混合した。用いた材料の量(g)及びその材料の活性含量(wt%)を以下の表XXIVのAに示す。各組成物についてpH、外観、及び60rpmにてブルックフィールドLV3粘度計を用いて測定した粘度(cP)を評価し、活性ポリマーの量(ヘアゲル組成物100pwあたりのポリマーpbw)とともに以下の表XXIVのBに示す。
【表24】
【表25】
【0219】
例F14−1及びF14−2並びに比較例CF14
例14−1及びF14−2の漂白剤組成物を以下のようにして製造した。水にポリマーを加え、均一になるまで混合し、次いで水性6%次亜塩素酸ナトリウムを加え、均一になるまで混合し、水性47.5%ジヒドロキシエチルタローグリシネートを加え、均一になるまで混合した。用いた材料の量(g)、及びその材料の活性含量(wt%)を以下の表XXVのAに示す。各組成物についてpH、及び10rpmにてブルックフィールドRV5粘度計を用いて測定した粘度(cP)を評価し、活性ポリマーの量(漂白剤組成物100pwあたりのポリマーpbw)とともに以下の表XXVのBに示す。
【表26】
【0220】
例F15−1及びF15−2並びに比較例CF15
例F15−1及びF15−2並びに比較例CF−15の漂白剤組成物を以下のようにして製造した。ポリマー及び水性47.5%ジヒドロキシエチルタローグリシネート(Mirataine TM)をClorox Clean-up(商標)クリーナー(次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び独自の成分の水性混合物)に加え、均一になるまで混合し、次いでpHを11〜12に調整した。用いた材料の量(g)、及びその材料の活性含量(wt%)を以下の表XXVIのAに示す。各組成物についてpH、外観、及び2.5rpmにてブルックフィールドRV5粘度計を用いて測定した粘度(cP)を評価し、活性ポリマーの量(漂白剤組成物100pwあたりのポリマーpbw)とともに以下の表XXVIのBに示す。
【表27】
【0221】
例F16−1及びF16−2並びに比較例CF16−1及びCF16−2
例F16−1及びF16−2並びに比較例CF16−1及びCF16−2の漂白剤組成物を水に加え、均一になるまで混合した。水性11.5%次亜塩素酸ナトリウムを加え、均一になるまで混合し、水性47.5%ジヒドロキシエチルタローグリシネート(Mirataine TM)を加え、均一になるまで混合した。pHを11〜12に調整した。用いた材料の量(g)、及びその材料の活性含量(wt%)を以下の表XXVIIのAに示す。各組成物についてpH、ポリマーの量(組成物のwt%)、外観、及び10rpmにてブルックフィールドRV5粘度計を用いて測定した粘度(cP)を評価し、活性ポリマーの量(漂白剤組成物100pwあたりのポリマーpbw)とともに以下の表XXVIIのBに示す。
【表28】
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[45]に記載する。
[1]
(a)1種以上の第一のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されている第一のモノマーユニット、
(b)1種以上の第二のモノマーユニットであって、各々が独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含む第二のモノマーユニット
を含み、ただし第一のモノマーユニット及び第二のモノマーユニットの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、ポリマー。
[2]
前記1種以上の第一のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテル基を含む、項目1記載のポリマー。
[3]
前記1種以上の第一のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの、下式(I)
−R14−R13−R12−R11 (I)
(上式中、R11はビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、このビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルは、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよく、
12は存在しないかもしくは二価連結基であり、
13は二価ポリエーテル基であり、
14は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表されるビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテル基を含む、項目1記載のポリマー。
[4]
(a)モノマーユニットあたり少なくとも1つの分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を各々が独立して含む、1種以上の第一のモノマーユニット、及び
(b)モノマーユニットあたり少なくとも1つの直鎖(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を各々が独立して含む、1種以上の第二のモノマーユニット
を含む、項目1記載のポリマー。
[5]
前記1種以上の第一のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基又は下式(I)
−R14−R13−R12−R11 (I)
(上式中、R11は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基であり、
12は存在しないかもしくは二価連結基であり、
13は二価ポリエーテル基であり、
14は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、項目1記載のポリマー。
[6]
前記1種以上の第二のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XVII)
−R23−R22−R21 (XVII)
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアリールアルキルであり、
22は二価ポリエーテル基であり、
23は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、項目1記載のポリマー。
[7]
1種以上の第三のモノマーユニットをさらに含み、この第三のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXI)
−R32−R31 (XXI)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、項目1記載のポリマー。
[8]
1種以上の第四のモノマーユニットをさらに含み、この第四のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXIII)
−R42−R41 (XXIII)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、項目1記載のポリマー。
[9]
非架橋ポリマーである、項目1記載のポリマー。
[10]
架橋したポリマーである、項目1記載のポリマー。
[11]
(a)前記1種以上の第一のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(I)
−R14−R13−R12−R11 (I)
(上式中、R11はビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、このビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルは、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよく、
12は存在しないかもしくは二価連結基であり、
13は二価ポリエーテル基であり、
14は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表されるビシクロヘプテニルポリエーテル基もしくはビシクロヘプチルポリエーテル基を含み、
(b)前記1種以上の第二のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XVII)
−R23−R22−R21 (XVII)
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアリールアルキルであり、
22は二価ポリエーテル基であり、
23は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含み、
(c)前記1種以上の第三のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXI)
−R32−R31 (XXI)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含み、
(d)前記1種以上の第四のモノマーユニットが、各々独立に、モノマーユニットあたり少なくとも1つの下式(XXIII)
−R42−R41 (XXIII)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないかもしくは二価連結基である)
で表される基を含む、項目1記載のポリマー。
[12]
11
【化1】
であり、
12が−(CH2)b−であり、
13が下式(VIII)
【化2】
であり、
bが1〜6の整数であり、
g=2、
h=3、
iが15〜30の整数であり、
jが2〜10の整数であり、
k=1
である、項目11記載のポリマー。
[13]
21が直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルであり、
22が下式(XVIII)
【化3】
であり、
p=2、
rが10〜40の整数であり、
s=0、
t=1
である、項目11記載のポリマー。
[14]
31がカルボン酸基であり、R32が存在しない、項目11記載のポリマー。
[15]
41が(C1-C12)アルキルである、項目11記載のポリマー。
[16]
(a)R12が−(CH2)b−であり、
13が下式(VIII)
【化4】
であり、
g=2、
h=3、
iが15〜30の整数であり、
jが2〜10の整数であり、
k=1
であり、
(b)R21が直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルであり、
22が下式(XVIII)
【化5】
であり、
p=2、
rが10〜40の整数であり、
s=0、
t=1
であり、
(c)R31がカルボン酸基であり、そして
(d)R41が(C1-C12)アルキルである、項目11記載のポリマー。
[17]
モノマーの混合物の共重合により得られるポリマーであって、前記混合物が、
(a)1種以上の第一のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されているモノマーより選ばれる1種以上の第一のモノマー、
(b)1種以上の第二のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含み、第一のモノマーと共重合可能である第二のモノマー
を含み、ただし第一のモノマー及び第二のモノマーの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、ポリマー。
[18]
前記1種以上の第一のモノマーが下式(XII)
【化6】
(上式中、R11はビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルであり、ここでdは2、3もしくは4であり、eは1もしくは2であり、fは0もしくは1であり、d+e+fの合計は5であり、このビシクロ[d.e.f.]ヘプチルもしくはビシクロ[d.e.f]ヘプテニルは、所望により1以上の環炭素上において1以上の(C1-C6)アルキル基で置換されていてよく、
19はH又は(C1-C4)アルキルであり、
bは1〜6の整数であり、
g及びhは独立に2〜5の整数であり、
各iは独立に1〜約80の整数であり、
各jは独立に0〜約80の整数であり、
kは1〜約50の整数であり、ただし、整数kとi+jの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれる、項目17記載のポリマー。
[19]
前記1種以上の第一のモノマーが下式(XIII)
【化7】
(上式中、R19はH又はメチルであり、
iは1〜40の整数であり、そして
jは1〜20の整数である)
で表されるモノマーより選ばれる、項目17記載のポリマー。
[20]
前記1種以上の第二のモノマーが下式(XX)
【化8】
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアラルキルであり、
25はメチルもしくはエチルでありであり、
p及びqは独立に2〜5の整数であり、
各rは独立に1〜約80の整数であり、
各sは独立に0〜約80の整数であり、
tは1〜約50の整数であり、ただしtとr+sの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれる、項目17記載のポリマー。
[21]
21が直鎖(C16-C22)アルキルであり、R24がメチルもしくはエチルであり、p=2、s=0、そしてt=1である、項目20記載のポリマー。
[22]
モノマーの混合物が、下式(XXII)
34−R32−R31 (XXII)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないか又は二価連結基であり、そして
34はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表されるモノカルボン酸モノマーより選ばれる1種以上の第三のモノマーをさらに含む、項目17記載のポリマー。
[23]
モノマーの混合物が、下式(XXIV)
43−R42−R41 (XXIV)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないか又は二価連結基であり、そして
43はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表される化合物より選ばれる1種以上の第四のモノマーをさらに含む、項目17記載のポリマー。
[24]
非架橋ポリマーである、項目17記載のポリマー。
[25]
架橋したポリマーである、項目17記載のポリマー。
[26]
(a)前記1種以上の第一のモノマーが下式(XIII)
【化9】
(上式中、R19はH又はメチルであり、
iは1〜40の整数であり、そして
jは1〜20の整数である)
で表されるモノマーより選ばれ、
(b)前記1種以上の第二のモノマーが下式(XX)
【化10】
(上式中、R21は直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、もしくはアラルキルであり、
25はメチルもしくはエチルでありであり、
p及びqは独立に2〜5の整数であり、
各rは独立に1〜約80の整数であり、
各sは独立に0〜約80の整数であり、
tは1〜約50の整数であり、ただしtとr+sの合計を掛けることにより得られる積は2〜約100である)
で表されるモノマーより選ばれ、
前記モノマーの混合物が
(c)下式(XXII)
34−R32−R31 (XXII)
(上式中、R31は少なくとも1つのカルボン酸、スルホン酸、もしくはリン酸基を含む部分であり、
32は存在しないか又は二価連結基であり、そして
34はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表されるモノカルボン酸モノマーより選ばれる1種以上の第三のモノマー、及び
(d)下式(XXIV)
43−R42−R41 (XXIV)
(上式中、R41はアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、もしくはアリールオキシであり、
42は存在しないか又は二価連結基であり、そして
43はエチレン不飽和のサイトを有する部分である)
で表される化合物より選ばれる1種以上の第四のモノマー
をさらに含む、項目17記載のポリマー。
[27]
19がH又はメチルであり、
iが15〜30の整数であり、そして
jが2〜10の整数である、項目26記載のポリマー。
[28]
前記1種以上の第二のモノマーが第二のモノマーの混合物を含み、ここで
21が直鎖C16アルキル、直鎖C18アルキル、及び直鎖C22アルキル基より選ばれ、
p=2、
rが10〜50の整数であり、
s=0、そして
t=1
である、項目26記載のポリマー。
[29]
31がカルボン酸基である、項目26記載のポリマー。
[30]
41が(C1-C6)アルキルである、項目26記載のポリマー。
[31]
(a)R19がH又はメチルであり、
iが15〜30の整数であり、
jが2〜10の整数であり、
(b)前記1種以上の第二のモノマーが第二のモノマーの混合物を含み、ここでR21が直鎖C16アルキル、直鎖C18アルキル、及び直鎖C22アルキル基より選ばれ、
p=2、
rは独立に10〜50の整数であり、
s=0、
t=1、
(c)前記1種以上の第三のモノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸より選ばれる少なくとも1種のモノカルボン酸モノマーを含み、そして
(d)前記1種以上の第四のモノマーが、(C1-C6)アルキルアクリルエステル及び(C1-C6)アルキルメタクリルエステルより選ばれる少なくとも1種のモノマーを含む、項目26記載のポリマー。
[32]
モノマーの混合物を重合することを含むポリマーの製造方法であって、前記混合物が
(a)1種以上の第一のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つのビシクロヘプチルポリエーテル、ビシクロヘプテニルポリエーテル又は分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含み、ここで前記ビシクロヘプチルポリエーテルもしくはビシクロヘプテニルポリエーテルは所望により、1以上の環炭素上において炭素原子あたり1もしくは2個の(C1-C6)アルキル基で置換されているモノマーより選ばれる1種以上の第一のモノマー、
(b)1種以上の第二のモノマーであって、各々が独立に、反応性官能基及び分子あたり少なくとも1つの直鎖もしくは分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル側基を含み、第一のモノマーと共重合可能である第二のモノマー
を含み、ただし第一のモノマー及び第二のモノマーの両者ともが分枝(C5-C50)アルキルポリエーテル基を含むことができない、方法。
[33]
項目1記載の1種以上のポリマー及び液体媒体を含む組成物。
[34]
1種以上の界面活性剤をさらに含む、項目33記載の組成物。
[35]
ポリマーラテックスをさらに含む水性ラテックスコーティング組成物である、項目33記載の組成物。
[36]
パーソナルケア組成物である、項目33記載の組成物。
[37]
1種以上の界面活性剤をさらに含む、項目36記載の組成物。
[38]
スルフェート界面活性剤化合物を含まないもしくは実質的に含まない、項目36記載の組成物。
[39]
1種以上のパーソナルケア有益剤をさらに含む、項目36記載の組成物。
[40]
0Paより高い降伏強さを組成物に与えるに有用な量のポリマーを含む、項目36記載の組成物。
[41]
透明な外観を示す、項目36記載の組成物。
[42]
1Paより高い降伏強さを組成物に与えるに有用な量のポリマーを含み、パーソナルケア組成物に不溶であるもしくは一部のみ可溶である1種以上の固体、液体もしくは気体の懸濁された粒子をさらに含む、項目36記載の組成物。
[43]
ホームケア組成物又は産業用もしくは研究用ケア組成物である、項目33記載の組成物。
[44]
1種以上の界面活性剤、及び所望により、ビルダー、漂白剤、酸、塩基、研磨剤、抗菌剤、殺菌剤、酵素、及び不透明化剤より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含む、項目43記載の組成物。
[45]
項目17記載の1種以上のポリマー及び液体媒体を含む組成物。