特許第5746229号(P5746229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746229
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】二酸化炭素流の生成システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 31/20 20060101AFI20150618BHJP
   F25J 1/00 20060101ALI20150618BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20150618BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20150618BHJP
   B01D 53/64 20060101ALI20150618BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20150618BHJP
   F25J 3/06 20060101ALI20150618BHJP
   F23G 7/06 20060101ALI20150618BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   C01B31/20 A
   F25J1/00 DZAB
   B01D53/34 122Z
   B01D53/34 129Z
   B01D53/34 136A
   B01D53/34 135Z
   F25J3/06
   C01B31/20 B
   F23G7/06 H
   F23J15/00 H
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-556600(P2012-556600)
(86)(22)【出願日】2011年3月1日
(65)【公表番号】特表2013-522149(P2013-522149A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】IB2011000423
(87)【国際公開番号】WO2011110915
(87)【国際公開日】20110915
【審査請求日】2013年7月25日
(31)【優先権主張番号】12/721,638
(32)【優先日】2010年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ブラルコウスキー ミハル タデウツ
(72)【発明者】
【氏名】カエフェル ギスベルト ヴォルフガング
【審査官】 武重 竜男
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−227017(JP,A)
【文献】 特開平11−209117(JP,A)
【文献】 特表2012−506022(JP,A)
【文献】 Mohammad M. HOSSAIN et al.,Chemical-looping combustion (CLC) for inherent CO2 separations.a review,Chem. Eng. Sci.,2008年 5月29日,Vol.63, No.18,p.4433-4451
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B31/00−31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体二酸化炭素流を生成する方法であって、
空気反応器と燃料反応器を含み、酸素キャリアが前記空気反応器と前記燃料反応器との間で循環するケミカルルーピング燃焼システムにより、二酸化炭素、一酸化炭素及び水蒸気を含む煙道ガス流を生成し、
前記一酸化炭素を酸化させる酸化触媒に前記煙道ガス流を曝すことにより、二酸化炭素に富む煙道ガス流を生成し、
前記二酸化炭素に富む煙道ガス流を処理して液体二酸化炭素流を形成すると共に排ガスを生成し、
前記排ガスの少なくとも一部を前記燃料反応器に供給する
ことを含む方法。
【請求項2】
前記煙道ガス流を前記酸化触媒に曝す前に、
前記煙道ガス流を冷却することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一酸化炭素が、二酸化炭素濃度に対し少なくとも1体積%の濃度で前記煙道ガス流中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記煙道ガス流を前記酸化触媒に曝す前に、煙道ガス流から粒子、硫黄酸化物、窒素酸化物及び水銀の少なくとも1つを除去することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酸素を含有するガスを前記煙道ガス流に供給して、酸素に富む煙道ガス流を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
液体二酸化炭素流を生成する方法であって、
空気反応器と燃料反応器を含み、酸素キャリアが前記空気反応器と前記燃料反応器との間で循環するケミカルルーピング燃焼システムにより、二酸化炭素、一酸化炭素及び水蒸気を含む煙道ガス流を生成し、
酸素を含有するガスを前記煙道ガス流に供給して、一酸化炭素を酸化するための酸素に富む煙道ガス流を形成することにより、二酸化炭素に富む煙道ガス流を生成し、
前記二酸化炭素に富む煙道ガス流を処理して液体二酸化炭素流を形成すると共に排ガスを生成し、
前記排ガスの少なくとも一部を燃料反応器に供給することを含む方法。
【請求項7】
煙道ガス流処理システムであって、
空気反応器と燃料反応器を含み、酸素キャリアが前記空気反応器と前記燃料反応器との間で循環するケミカルルーピング燃焼システムであって、燃料を燃焼して、水蒸気、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む煙道ガス流を生成するケミカルルーピング燃焼システムと、
前記煙道ガス流が流入し、前記一酸化炭素を酸化させて二酸化炭素に富む煙道ガス流を形成するように構成された、前記ケミカルルーピング燃焼システムの下流の酸化触媒と、
前記二酸化炭素に富む煙道ガス流中の二酸化炭素を液化すると共に排ガスを生成する処理部と、
を備え
前記排ガスの少なくとも一部を前記燃料反応器に供給するシステム。
【請求項8】
酸素を含有するガスを前記煙道ガス流に供給して、酸素に富む煙道ガス流を形成することを更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記燃料反応器の下流に位置する酸素生成部を更に備え、該酸素生成部が、酸素を前記煙道ガス流へ導入する、請求項又はに記載のシステム。
【請求項10】
煙道ガス流処理システムであって、
空気反応器と燃料反応器を含み、酸素キャリアが空気反応器と燃料反応器との間で循環するケミカルルーピング燃焼システムであって、燃料を燃焼して、水蒸気、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む煙道ガス流を生成するケミカルルーピング燃焼システムと、
酸素を含有するガスを受け取って前記煙道ガス流に供給して、酸素に富む煙道ガス流を形成し、一酸化炭素を酸化して、二酸化炭素に富む煙道ガス流を形成する入力部と、
前記二酸化炭素に富む煙道ガス流中の二酸化炭素を液化すると共に排ガスを生成する処理部と、
を備え、
前記排ガスの少なくとも一部を前記燃料反応器に供給するシステム。
【請求項11】
前記燃料反応器の下流に位置する酸素生成部を更に備え、該酸素生成部が、酸素を前記煙道ガス流へ導入する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
煙道ガス流処理システムから放出される汚染物質の量を削減する方法であって、
ケミカルルーピング燃焼システムの燃料反応器内で燃料を燃焼することによって、水蒸気及び一酸化炭素を含む煙道ガス流を生成し、
前記煙道ガス流から水蒸気及び一酸化炭素を除去することによって液体二酸化炭素を形成し、
前記液体二酸化炭素を形成する際に排ガスを生成し、
前記排ガスの少なくとも一部を前記ケミカルルーピング燃焼システム内の空気反応器に供給する、
ことを含む方法。
【請求項13】
液体二酸化炭素流を生成する方法であって、
空気反応器と燃料反応器を含み、酸素キャリアが前記空気反応器と前記燃料反応器との間で循環するケミカルルーピング燃焼システムにより、二酸化炭素、一酸化炭素及び水蒸気を含む煙道ガス流を生成し、
一酸化炭素(CO)の濃度が煙道ガス流中の二酸化炭素(CO)の濃度の3体積%以上の場合に、酸素ガス流を前記煙道ガス流に供給して酸素に富む煙道ガス流を形成し、
前記一酸化炭素を酸化させる酸化触媒に前記酸素に富む煙道ガス流を曝すことにより、二酸化炭素に富む煙道ガス流を生成し、
前記二酸化炭素に富む煙道ガス流を処理して液体二酸化炭素流を形成する、
ことを含む方法。
【請求項14】
煙道ガス流処理システムから放出される汚染物質の量を削減する方法であって、
ケミカルルーピング燃焼システムの燃料反応器内で燃料を燃焼することによって、水蒸気及び一酸化炭素を含む煙道ガス流を生成し、
前記煙道ガス流から水蒸気及び一酸化炭素を除去することによって液体二酸化炭素を形成し、
前記液体二酸化炭素を形成する際に排ガスを生成し、
煙道ガス流内に存在する一酸化炭素(CO)が煙道ガス流中の二酸化炭素濃度に対して1体積%未満の場合、前記排ガスの少なくとも一部をケミカルルーピング燃焼システムの空気反応器に戻す、
ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、二酸化炭素流の生成システム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、ケミカルルーピング燃焼システムを採用する煙道ガス流処理システムにおける二酸化炭素流の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
ケミカルルーピング燃焼(CLC)は、二酸化炭素(CO)を本質的に分離すること(inherent separation)が可能な燃焼技術である。CLCは通常、空気反応器と燃料反応器という2つの反応器を使用する。固体酸素キャリアは、金属とすることができ、空気中の酸素を燃料に運ぶ。燃料は燃料反応器に供給され、そこで、燃料は酸素キャリアによって酸化され、酸素キャリアは還元される。そして、酸素キャリアは空気反応器へ戻り、そこで酸化される。この燃料の酸化とキャリアの還元とのループが連続して起こる。燃料反応器から出る流れは、一般的に煙道ガスと呼ばれ、通常CO及び水蒸気を含む。しかし、燃料によって、煙道ガスは少量の汚染物質を含むこともある。煙道ガス中の水蒸気は冷却や凝縮によってCOから分離され、他方、COは液化又は圧縮され、更なる輸送に供される。
【0003】
燃料反応器内での滞留時間が限られており、かつ、利用可能な酸素が不十分なため、CO流は、一酸化炭素(CO)や水素(H)、メタン(CH)等の不完全燃焼による生成物によって汚染されることがある。加えて、この煙道ガス流は、空気で希釈されることがあり、これがボイラに漏入しうる。
【0004】
COが液化される間、COやH、CHといった汚染物質は、COと比べ液化されにくい。これらの汚染物質は、一般的に排ガスと呼ばれる非凝縮相の形をとる。多くの場合、排ガス中の汚染レベルが高すぎるため、処理を更に施さずに大気に放出することはできない。排ガスを燃料反応器へ再循環させても、Nやその他の不活性ガスが煙道ガス中に徐々に蓄積する結果となり、CO流を希釈させるおそれがある。これにより、CLCシステムの効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、CLCシステムに影響を与えずに効率良く排ガスを処理するための方法又はシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において説明する特徴によれば、液体二酸化炭素流を生成する方法であって、二酸化炭素、一酸化炭素及び水蒸気を含む煙道ガス流を生成し、前記一酸化炭素を酸化させる酸化触媒に前記煙道ガス流を曝すことにより、二酸化炭素に富む煙道ガス流を生成し、前記二酸化炭素に富む煙道ガス流を処理して液体二酸化炭素流を形成することを含む方法が提供される。
【0007】
本明細書において説明する他の特徴によれば、煙道ガス流処理システムであって、燃料を燃焼して、水蒸気、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む煙道ガス流を生成する燃料反応器と、前記煙道ガス流が流入し、前記一酸化炭素を酸化させて二酸化炭素に富む煙道ガス流を形成するように構成された、前記燃料反応器の下流の酸化触媒と、前記二酸化炭素に富む煙道ガス流中の二酸化炭素を液化し、排ガスを生成する処理部とを備えるシステムが提供される。
【0008】
本明細書において説明する他の特徴によれば、煙道ガス流処理システムから放出される汚染物質の量を削減する方法であって、ケミカルルーピング燃焼システムの燃料反応器内で燃料を燃焼することによって、水蒸気及び一酸化炭素を含む煙道ガス流を生成し、前記煙道ガス流から水蒸気及び一酸化炭素を除去することによって液体二酸化炭素流を形成し、前記液体二酸化炭素流を形成する際に排ガス生成し、前記排ガスの少なくとも一部を前記ケミカルルーピング燃焼システム内の空気反応器に供給することにより、煙道ガス流処理システムから放出される汚染物質の量を削減することを含む方法が提供される。
【0009】
上述した特徴及びその他の特徴を以下の図面及び詳細な説明によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で開示されるシステムの一つの実施形態の概略ブロック図である。
図2】本明細書で開示されるシステムの一つの実施形態の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、図面を参照するが、図面は例示の実施形態であり、同様の構成要素には同様の番号を付してある。
【0012】
図1は、燃焼システム120を有する煙道ガス流処理システム100を示す。燃焼システム120は、燃料122を燃焼して煙道ガス124を形成することが可能であれば、いかなるシステムであってもよい。図1に示す燃焼システム120は、ケミカルルーピング燃焼システムであり、空気反応器126と、燃料反応器128とを備える。煙道ガス流処理システム100は、このような構成に限定されていない。燃焼システム120が、ボイラ、炉などに限定されることなく、他の燃焼システムでもよいからである。
【0013】
稼働時に、ケミカルルーピング燃焼システム120は、空気反応器126内に存在する空気中の酸素を燃料反応器128に供給される燃料122へ運ぶ酸素キャリア130を含む。燃料122は、燃料反応器128内で酸素キャリア130によって酸化されるとともに、この酸素キャリアは還元され、還元された酸素キャリア132として空気反応器126へ戻る。還元された酸素キャリア132は空気反応器126内で酸化される。この燃料122の酸化と酸素キャリア130の還元とのループが連続して起こる。酸素キャリア130は、限定されないがニッケル、銅、鉄、マンガン、カドミウム、コバルト等の金属でもよい。
【0014】
図1に示すように、ケミカルルーピング燃焼システム120は、サイクロン134を1機以上備えていてもよい。サイクロン134は、使い切った空気からの酸素キャリア130の分離及び還元された酸素キャリア132からの煙道ガス流124の分離を促進する。
【0015】
燃料反応器128内で燃料122を酸化することによって煙道ガス流124が生成され、この煙道ガス流124の一部を燃料反応器128へ再循環させてもよい。煙道ガス流124は通常、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、及び水蒸気を含む。しかし、燃料によっては、煙道ガス流124は、限定されないが硫黄酸化物(SOx)や、窒素酸化物(NOx)、水銀、水素(H)、メタン(CH)等の少量の汚染物質も様々な濃度で含み得る。煙道ガス流124はまた、フライアッシュや未燃焼燃料(「未燃焼物」という)といった汚染物質も含み得る。
【0016】
一酸化炭素の酸化に必要とされる酸素は、ボイラ154に漏入する空気流152によって導入することができる。ボイラ154は、煙道ガス流124が通過するものである。一酸化炭素が酸化することにより二酸化炭素が形成され、この二酸化炭素を処理部150内で凝縮・液化することができる。ボイラ154へ漏入する際、空気流152は通常、煙道ガス流124の煙道容積の約2%に相当する。
【0017】
煙道ガス流124中に存在する汚染物質の除去は、処理部150へ導入する前に、この煙道ガス流を汚染物質除去装置140に供給することによって行われる。汚染物質除去装置140の例としては、限定されないが、粒子除去装置、湿式煙道ガス脱硫(WFGD)又は乾式煙道ガス脱硫(DFGD)といった脱硫装置、窒素酸化物(NOx)除去装置、水銀除去装置(例えば、活性炭)など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。煙道ガス流124から汚染物質の少なくとも一部を除去することによって、二酸化炭素に富む煙道ガス流124’が生成され、処理部150へと導入される。
【0018】
処理部150は、二酸化炭素に富む煙道ガス流124’中に存在する二酸化炭素を凝縮・液化するとともに、残存する汚染物質を全て除去し、二酸化炭素流156及び排ガス158を生成する。二酸化炭素流156は、液体状態で別の場所へ輸送され、そして圧縮、使用及び/又は貯蔵に供される。
【0019】
排ガス158は通常、窒素や、水素、酸素、一酸化炭素等の、煙道ガス流124から除去されなかった物質を含む。
【0020】
一つの実施形態において、図1に示すように、煙道ガス流124中に存在する一酸化炭素が煙道ガス流中の二酸化炭素濃度に対して約1体積%未満の場合、排ガス158の少なくとも一部を空気反応器126へ戻してもよい。
【0021】
煙道ガス流124中の一酸化炭素濃度の測定値は、測定器160によって得ることができる。測定器160は、一酸化炭素濃度の測定値を得ることが可能であれば、いかなる装置でもよい。測定器160の例としては、限定されないが、センサ又は燃焼ガス分析器、例えば、Fyrite(登録商標)分析器が挙げられる。測定器160は、ユーザから操作指示172を受けることが可能なコントローラ170、例えば、データプロセッサと連結されていてもよく、測定された濃度に関するデータ174をユーザに提供できる。
【0022】
他の実施形態において、図2に示すように、煙道ガス流124中に存在する一酸化炭素の濃度が煙道ガス流124中の二酸化炭素濃度の約1体積%以上の場合、この排ガス158を空気反応器126へ戻さず、代わりに大気へ放出される。加えて、二酸化炭素に富む煙道ガス流124’は、処理部150へ導入する前に、別の処理に供される。具体的には、酸化触媒180が、燃料反応器128の下流で、汚染物質除去装置140と処理部150との間の位置に配置されている。酸化触媒180は、二酸化炭素に富む煙道ガス流124’中に存在する一酸化炭素の酸化を促進し、二酸化炭素を形成する。
【0023】
酸化触媒180は、空気流152と協同して作用し、煙道ガス流中に存在する一酸化炭素を酸化させる。煙道ガス流124中の一酸化炭素濃度が煙道ガス流中の二酸化炭素濃度の約3体積%未満の場合、煙道ガス流の体積の2%に相当する空気流152で、酸化は十分に実現されるはずである。しかし、空気流152の体積が煙道ガス流124の2%未満又は一酸化炭素濃度が3体積%以上の場合、酸化のために酸素を更に加えてもよい。一酸化炭素の酸化効率を上げるために、又は空気流152の体積を確実に所望のレベルにするために、ボイラ154に漏通する空気流の量を増やすことができる。あるいは、より一酸化炭素が酸化されるように、空気分離器等の酸素生成部によって酸素流182を供給してもよい。
【0024】
煙道ガス流124中に存在する一酸化炭素を酸化させることによって、排ガス158を煙道ガス処理システム100内で再利用してもよいし、排ガス158が大気へ放出許容な濃度の汚染物質を含むようにしてもよい。
【0025】
様々な例示の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えたり、本発明の要素を均等物に置き換えたりし得ることが当業者には理解されるであろう。また、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるように多くの変形を行うことができる。したがって、本発明は、この発明を実施するために考えられた最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、添付の請求項の範囲内の全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2