特許第5746358号(P5746358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746358
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】通信のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 60/00 20090101AFI20150618BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20150618BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20150618BHJP
【FI】
   H04W60/00
   H04W48/18 111
   H04W88/16
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-537011(P2013-537011)
(86)(22)【出願日】2010年12月21日
(65)【公表番号】特表2014-502078(P2014-502078A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】EP2010070425
(87)【国際公開番号】WO2012059141
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2013年9月12日
(31)【優先権主張番号】61/410,373
(32)【優先日】2010年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リドネル、 グンナー
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 Nortel,TAU procedure with ISR,3GPP TSG SA WG2 #60 S2-074301,2007年10月12日
【文献】 3GPP TS 23.401 V10.1.0 (2010-09),[online],2010年 9月29日,p87-p92,[検索日 2015.04.20],URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.401/23401-a10.zip
【文献】 Nortel,Generic impact on TAU identifiers when ISR is used,3GPP TSG-SA WG2 Meeting #60 S2-074299,[online],2007年10月 2日,p1-p3,[検索日 2015.04.20],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_60_Kobe/Docs/S2-074299.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 60/00
H04W 48/18
H04W 88/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器のアイドル後モビリティ手続きの期間中の新たなモビリティマネジメントエンティティ(MME)又は新たなサービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN)における方法であって、当該方法は、
通信ネットワークにおいて前記アイドル後モビリティ手続きに関連するメッセージを過去のMME又は過去のSGSNから受信することと、
前記アイドル後モビリティ手続きは、ルーティングエリア更新(RAU)又はトラッキングエリア更新(TAU)であることと、
前記アイドル後モビリティ手続きについての要求において提供される情報エレメントを介して、ユーザ機器がアイドルモードシグナリング低減(ISR)を経たかを判定することと、
前記ユーザ機器がISRを経たと判定された場合には、現在用いられている無線アクセス技術(RAT)タイプをサービングゲートウェイ(SGW)に提供し、前記ユーザ機器がISRを経なかったと判定された場合には、前記RATタイプを前記SGWに提供しないことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記情報エレメントは、前記アイドル後モビリティ手続きについての前記要求に含まれる信号又はフラグ設定の形式である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アイドル後モビリティ手続きのための標識ユニットであって、当該標識ユニットは、
通信ネットワークにおいて前記アイドル後モビリティ手続きに関連するメッセージを過去のMME又は過去のSGSNから受信するように構成される通信ポートと、
前記アイドル後モビリティ手続きについての要求において提供される情報エレメントを介して、ユーザ機器がアイドルモードシグナリング低減(ISR)を経たかを判定するように構成されるプロセッサと、
を備え、
前記アイドル後モビリティ手続きは、ルーティングエリア更新(RAU)又はトラッキングエリア更新(TAU)であり、
前記プロセッサは、前記ユーザ機器がISRを経たと判定された場合には、現在用いられている無線アクセス技術(RAT)タイプをサービングゲートウェイ(SGW)に提供し、前記ユーザ機器がISRを経なかったと判定された場合には、前記RATタイプを前記SGWに提供しないようにさらに構成される、
標識ユニット。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のステップを実行するようにさらに構成される、請求項3に記載の標識ユニット。
【請求項5】
前記標識ユニットは、モビリティマネジメントエンティティ(MME)ノード、サービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN)ノード、又はスタンドアロンのノードに設けられる、請求項3又は4に記載の標識ユニット。
【請求項6】
コンピュータ実行可能な命令によりエンコードされるコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、当該命令は、標識ユニットによって実行される場合に、請求項1又は請求項2に記載の方法を実行する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において提示される例示的な実施形態は、アイドル手続き後の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)タイプの使用の標識を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークともよばれる典型的なセルラシステムにおいて、移動局及び/又はユーザ機器ユニット(UE:User Equipment)としても知られる無線端末は、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)を介して1つ以上のコアネットワークと通信する。無線端末は、「セルラ(cellular)」電話としても知られる携帯電話などの移動局又はユーザ機器ユニット、及び無線ケイパビリティを有するラップトップ、例えばモバイル端末とすることができ、従って、例えば、無線アクセスネットワークと音声及び/又はデータを通信するポータブルモバイルデバイス、ポケットモバイルデバイス、ハンドヘルドモバイルデバイス、コンピュータ内蔵モバイルデバイス、又は車載型モバイルデバイスとすることができる。
【0003】
無線アクセスネットワークは、複数のセルエリアに分割される地理的なエリアをカバーし、各セルエリアは、基地局、例えば無線基地局(RBS:Radio Base Station)によってサービスされる。無線基地局は、幾つかのネットワークにおいて、「ノードB」又は「Bノード」とも呼ばれ、本明細書においては基地局とも呼ばれる。セルは、基地局サイトにおける無線基地局機器によって無線カバレッジが提供される地理的なエリアである。各セルは、ローカル無線エリア内のIDによって識別され、当該IDは、当該セルにおいてブロードキャストされる。基地局は、当該基地局のレンジ内にあるユーザ機器ユニットと、無線周波数上で動作するエアインタフェース上で通信する。
【0004】
無線アクセスネットワークの幾つかのバージョンにおいて、幾つかの基地局は、例えばランドライン又はマイクロ波によって、典型的には無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)に接続される。基地局コントローラ(BSC:Base Station Controller)と呼ばれることもある無線ネットワークコントローラは、当該無線ネットワークコントローラに接続される複数の基地局の種々のアクティビティを、管理し及びコーディネートする。無線ネットワークコントローラは、典型的に、1つ以上のコアネットワークに接続される。
【0005】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、GSM(Global System for Mobile Communications)から進化した第3世代のモバイル通信システムであり、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)技術に基づいて改善されたモバイル通信サービスを提供することが意図される。UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)は、実質的に、ユーザ機器ユニット(UE)について広帯域符号分割多元接続を用いる無線アクセスネットワークである。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、UTRAN及びGSMベースの無線アクセスネットワーク技術をさらに進化させることに取り組んでいる。3GPPにおいては、3G LTE(Long Term Evolution)システムに関する作業が進行中である。
【0006】
モビリティマネジメントは、セルラネットワークを維持する際に重要な機能である。モビリティマネジメントの目標は、任意の所与のネットワーク中に含まれる種々のUEに携帯電話サービスが提供されるように、セルラ電話又はユーザ機器(UE)がどこに位置するのかをトラッキングすることである。
【0007】
セルラネットワークの各基地局は、セルと呼ばれ得る限定された地理的なエリアをカバーする。多くの基地局のカバレッジ又はセルのカバレッジを統合することは、はるかに広範なエリアの無線カバレッジをセルラネットワークに提供する。E−UTRANにおいて、eNodeB又はこれらの基地局のグループは、トラッキングエリア(TA)をカバーすると見なされ得る。ルーティングエリア(RA)も、これらのセルの1つ以上から形成され得る。
【0008】
トラッキングエリア更新(TAU:Tracking Area Update)手続き及び/又はルーティングエリア更新(RAU:Routing Area Update)手続きは、いつUEが1つのTA及び/又はRAから別のTA及び/又はRAに移動するかを当該UEがセルラネットワークに通知することを可能にする。UEが異なるTA及び/又はRAに移動したことを検出し、且つ当該UEが当該TA及び/又はRAに登録されていない場合、UEの現在のロケーションに関連付けられるTA及び/又はRAのトラッキングエリアID(TAI:Tracking Area Identity)リスト及び/又はルーティングエリアID(RAI:Routing Area Identity)リストを取得するために、UEはセルラネットワークにTAU要求及び/又はRAU要求を送るであろう。
【0009】
典型的にモビリティマネジメントに関与するネットワークノードは、LTEシステムにおけるモビリティマネジメントエンティティ(MME:Mobility Management Entity)、及び2G/3Gシステムにおけるサービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN:Serving General Packet Radio Service Support Node)である。MME及びSGSNは、アイドルモードUEのトラッキング、ページング手続き、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化処理に典型的に関与する重要な制御ノードであり、MME及びSGSNは、特定のUEについてサービングゲートウェイ(SGW)を選択することについても関与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
3GPP EPSにおいて、典型的に用いられるモビリティマネジメント関連機能は、アイドルモードシグナリング低減(ISR:Idle Mode Signaling Reduction)である。この機能の目的は、アイドルモードにあるUEからのシグナリングを低減することである。ISRによれば、UEは、RA及びTAにおいて対応するSGSN及びMMEに同時に登録され、当該UEが登録されたRA及びTA内に留まる限り、RAU又はTAUをネットワークに送ることなく、2G/3GシステムとLTEシステムとの間を自由に移動し得る。
【0011】
RAU手続き又はTAU手続きの期間中、新たなSGSN又はMMEは、ISRをアクティブ化することを選択し、UEについてのSGWへの関連付け及び記録を保持するように過去のSGSN/MMEに指示し得る。また、SGWは、過去のSGSN/MMEへの関連付けを保持するように通知され得る。ダウンリンクデータの場合、SGWは、S4インタフェース上でSGSN及びS11インタフェース上でMMEの双方に、ダウンリンクデータ通知を送り得る。
【0012】
UEが新たな無線アクセス技術(RAT)タイプを通じてネットワークにアクセスするたびに、当該新たなRATは、SGWにレポートされ、ベアラ変更要求メッセージ(MBR:Modify Bearer Request message)においてS5/S8インタフェース上でPDN−GWに転送されるべきである。RATが変更された場合、SGWは、新たなMME/SGSNから新たなRATを取得する必要がある。
【0013】
しかしながら、ISRがアクティブ化される場合、アイドルモードにあるUEからの低減されたシグナリングに起因して、新たなMME/SGSNは、RATが変更されたか及びRATがSGWへのMBRに含まれるべきかを知得していない。今日、新たなMME/SGSNは、ISRがアクティブ化されたかすら知得していない。
【0014】
新たなRATが利用されているか否かを示さないことから多くの問題が生じ得る。例えば、様々な課金レートが様々なRATタイプに適用され得る。それ故に、特定のUEがどのRATを利用しているのかという正確な知識無しに、事業者は正確な課金情報を提供することができないことがある。
【0015】
本明細書に提示される例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの例示的な目的は、アイドル後(post idle)モビリティ手続き(例えば、TAU手続き及び/又はRAU手続き)の期間中に正確なネットワーク情報を提供することである。それ故に、この解決策の技術的な効果は、シグナリングを最小限に抑えつつ、新たなRATが利用されたか否かに関する標識を提供することであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述された目的は、アイドル後モビリティ手続きを提供する方法によって達成され得る。アイドル後モビリティ手続きは、アイドル手続き終了時のUEのモビリティに関連する如何なるモビリティ手続きであってもよい。例えば、当該手続きは、アイドル手続きの終了直後に発生しても、又はアイドル手続きの終了後に最初のモビリティ手続きが開始される際に発生してもよい。
【0017】
アイドル後モビリティ手続きの例は、TAU又はRAUであり得る。アイドル手続きの例は、ISRであり得る。提示される例示的な実施形態は当技術分野において既知の任意のアイドル手続き又はアイドル後モビリティ手続きを対象とし得ることが認識されるべきである。アイドル後モビリティ手続きはアイドル手続きが終了したらいつ行われてもよいことがさらに認識されるべきである。
【0018】
上記方法は、アイドル後モビリティ手続きについての要求を受信し又は送信することと、アイドル手続きのアイドルステータス又は標識を判定することと、アイドルステータス又は標識の関数であり得るアイドル後モビリティ手続きについての要求を開始するための命令を提供することと、を含み得る。
【0019】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドルステータス又は標識は、信号又はフラグ設定の形式であり得る情報エレメントによって提供され得る。例えば、アイドルステータス又は標識が肯定的である場合、アイドルモードシグナリング低減(ISR)は開始された可能性がある。
【0020】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドル後モビリティ手続きについての要求を開始するための命令を提供することは、アイドルステータス又は標識が肯定的である場合に前回の無線アクセス技術(RAT)タイプをネットワークノードに提供すること、をさらに含み得る。
【0021】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドルステータス又は標識は、ISRセットアップ手続きにおける前回のモビリティマネジメントノードのIDをさらに提供し得る。
【0022】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドル後モビリティ手続きについての要求を開始するための命令を提供することは、アイドルステータス又は標識が肯定的であり、且つ前回のモビリティマネジメントノードのIDが現在のモビリティマネジメントノードと異なるノードタイプのものである場合に前回の無線アクセス技術(RAT)タイプをネットワークノードに提供すること、をさらに含み得る。
【0023】
幾つかの例示的な実施形態において、モビリティマネジメントノードのタイプは、モビリティマネジメントエンティティ(MME)ノード、又はサービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN)ノードであり得る。
【0024】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドル後モビリティ手続きについての要求を送信することは、ユーザ機器(UE)ノードによって提供され得る。
【0025】
幾つかの例示的な実施形態において、アイドル後モビリティ手続きについての要求を受信することは、現在のMME又はSGSNノードによって提供され得る。
【0026】
幾つかの例示的な実施形態は、アイドル後モビリティ手続きを提供する方法であって、通信ネットワークにおいてアイドル後モビリティ手続きについての要求を受信し又は送信することと、当該アイドル後モビリティ手続きについての当該要求を開始するための命令を提供することと、を含み、当該命令は、現在のRATタイプを含む、方法を対象とし得る。
【0027】
幾つかの例示的な実施形態は、アイドル後モビリティ手続きを提供するための標識ユニットを対象とし得る。当該ユニットは、アイドル後モビリティ手続きについての要求を受信し又は送信するように構成され得る通信ポートを備える。当該ユニットは、アイドルステータス又は標識を判定するように構成され得るプロセッサも備える。上記プロセッサは、アイドルステータス又は標識に応じてアイドル後モビリティ手続きについての要求を開始するための命令を提供するようにさらに構成され得る。
【0028】
幾つかの例示的な実施形態において、上記ユニットは、上述された方法ステップのうちの少なくとも1つを実行するようにさらに構成され得る。
【0029】
幾つかの例示的な実施形態において、上記ユニットは、ユーザ機器、モビリティマネジメントエンティティ(MME)ノード、サービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN)ノード、又はスタンドアロンのノードに設けられ得る。
【0030】
幾つかの例示的な実施形態は、アイドル後モビリティ手続きを提供するための標識ユニットを対象とし得る。当該ユニットは、アイドル後モビリティ手続きについての要求を受信し又は送信するように構成され得る通信ポートと、当該アイドル後モビリティ手続きについての当該要求を開始するように構成され得るプロセッサと、を備え、上記命令は、現在の無線アクセス技術(RAT)タイプを含む。
【0031】
幾つかの例示的な実施形態は、コンピュータ実行可能な命令によりエンコードされるコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、当該命令は、標識ユニットによって実行される場合、上述された方法ステップのうちのいずれか1つを実行し得る、コンピュータ読取可能な記憶媒体を対象とし得る。
【0032】
定義
ASIC−Application Specific Integrated Circuit
BSC−Base Station Controller
BTS−Base Transceiver Station
DSP−Digital Signal Processor
E−UTRAN−Evolved Universal Mobile Telecommunications System Terrestrial Radio Access Network
FPGA−Field Programmable Gate Array
GERAN−GSM EDGE Radio Access Network
GSM−Global System for Mobile Communications
HSS−High Speed Serial
IP−CAN−Internet Protocol Connectivity Access Network
ISR−Idle Mode Signaling Reduction
LTE−Long Term Evolution
MBR−Modify Bearer Request
MME−Mobility Management Entity
PCEF−Policy and Charging Enforcement Function
PGW−Public data network Gateway
RA−Routing Area
RAN−Radio Access Network
RAT−Radio Access Technology
RAU−Routing Area Update
RBS−Radio Base Station
RNC−Radio Network Controller
SGW−Serving Gateway
SSGN−Serving General Packet Radio Service Support Node
3GPP−Third Generation Partnership Project
TA−Tracking Area
TAU−Tracking Area Update
UE−User Equipment
UMTS−Universal Mobile Telecommunications System
UTRAN−UMTS Terrestrial Radio Access Network
WAN−Wide Area Network
WCDMA−Wideband Code Division Multiple Access
【図面の簡単な説明】
【0033】
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明において、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、限定ではなく説明の目的で、特定のコンポーネント、要素、技法等といった具体的な詳細が述べられる。しかしながら、例示的な実施形態は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の手法においても実施をされ得ることが当業者には明らかであろう。他の場合において、周知の方法及び要素の詳細な説明は、例示的な実施形態の説明を曖昧にしないように省略される。
【0035】
図1は、モバイルネットワーク100の概略ブロック図を例示し、図2は、アイドル後モビリティ動作、特にTAU手続きの期間中に採用され得る図1のノード間のメッセージを示すメッセージシーケンス図200を例示する。同様のメッセージはRAU手続き又は他のアイドル後モビリティ手続きにおいて採用されてもよいことが認識されるべきである。
【0036】
UE101が当該UE101の現行のTAIリストに含まれていないTAに入ると、UEは、TAU手続きを開始し得る(メッセージ1)。UE101がE−UTRAN103内のeNodeB102に要求を送信する際、TAUは開始され得る(メッセージ2)。eNodeB102は、UEと直接通信するように構成されるBTSであってもよい。eNodeB102は、UE101が入った新たなTA内のMME104にTAU要求を転送し得る(メッセージ3)。TAU要求は、UE101に関連する情報を含み得る。
【0037】
TAU要求に含まれる情報に依存して、新たなTAに関連付けられるMME104は、新たな現行のTAに入る前にUE101が利用したTAに関連付けられるMMEに、UEの信頼性(authenticity)に関して問い合わせるために用いられ得るコンテキスト要求を送り得る(メッセージ4)。過去のMME又はコアノード105は、信頼性を検証するために用いられ得るコンテキスト応答を供給し得る(メッセージ5)。
【0038】
コンテキスト応答を受信すると、UE101と新たなMME104との間に認証又はセキュリティ接続が確立され得る。同様に、新たなMME104と高速シリアル(HSS)インタフェース109との間にも認証又はセキュリティ接続が確立され得る(メッセージ6)。HSS109は、広域ネットワーク(WAN)リンク上に通信リンクを生成するために採用され得る。その後、新たなMME104は、コンテキスト応答が受信されたことについて確認応答を行うコンテキスト確認応答メッセージを、過去のコアノード105に送り得る(メッセージ7)。
【0039】
新たなMME104は、その後、新たなMME104及びUE101が現在存在するTAに関連付らえる新たなサービングゲートウェイ(SGW)106に、ベアラ要求を送り得る(メッセージ8)。SGWは、関連付けられる地理的なサービスエリア内の携帯電話から/へのデータパケットの配信に関与し得る。新たなSGW106は、パブリックデータネットワークゲートウェイ(PGW)108にベアラ更新要求メッセージを送り得る(メッセージ9)。PGWは、UEから外部のパケットデータネットワークへの接続性を提供し得る。
【0040】
その後、ポリシー及び課金強化機能(PCEF)は、インターネットプロトコル接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションの変更を開始し得る(メッセージ9a)。PGW108は、新たなSGW107にベアラ更新応答を送り、当該新たなSGWは、新たなMME104にベアラ生成応答を送り得る(メッセージ10〜11)。新たなMME104は、HHS109にロケーション更新メッセージを送り、当該HHSは、過去のコアノード105にロケーションキャンセル要求を送り得る(メッセージ12〜13)。過去のコアノード105は、HSS109にロケーションキャンセル確認応答を送り得る(メッセージ14)。過去のコアノード105がSGSNである場合のシナリオについて、過去のコアノード105は、Iuリリースコマンドを無線ネットワークコントローラ(RNC)103に送り得る(メッセージ15A)一方、過去のコアノード105がMMEであるシナリオにおいて、過去のコアノード105は、過去のeNodeB10xにS1AP UEコンテキストリリースコマンドも送り得る(メッセージ15B)。過去のRNC103又は過去のeNodeBは、それぞれIuリリース完了メッセージ(メッセージ16A)又はS1AP UEコンテキストリリース完了メッセージ(メッセージ16B)を過去のコアノード105に送り、HSS109は、新たなMME104にロケーション更新確認応答を送り得る(メッセージ17)。過去のコアノード105は、過去のSGW107にベアラ削除要求を送り、過去のSGW107は、過去のコアノード105にベアラ削除応答を送り得る(メッセージ18〜19)。最終的に、新たなMME104は、新たなTAIリストを転送するTAU承認メッセージを送り、UE101は、TAIリストの受信について確認応答を行うTAU完了メッセージを送り得る(メッセージ20〜21)。
【0041】
上述されたTAU手続きに関する問題は、UE101がアイドル後モードにある場合に生じ得る。アイドル後モードの一例は、UEがアイドルモードシグナリング低減(ISR)手続きを丁度終了した際である。ISRは、モビリティシグナリングを低減する機能である。ISRの期間中、UEは、E−UTRANのTA又はTAのリストに登録されるのと同時にUTRAN/GERANのRAに登録され得る。それ故に、UEは追加的なネットワークシグナリング無しに、2G/3GからLTEシステムに自由にスイッチングし得る。ISR期間中の低減されたネットワークシグナリングは、RATタイプにおける如何なる変更もSGWに通知されないであろうことも意味する。
【0042】
従って、幾つかの例示的な実施形態によれば、UEがアイドル後モードにおいて異なるRATタイプを利用しているか否かの標識が提供され得る。図3は、RAT標識を提供し得る標識ユニット300を説明するための図であり、図4は、図3の標識ユニットによって遂行され得る例示的な動作ステップを示すフロー図である。標識ユニット300はUE、MME、SGSN、HSS、又は無線ネットワークにおける任意の他のノードに設けられ得ることが認識されるべきである。標識ユニット300はスタンドアロンのノードとして設定されてもよいことがさらに認識されるべきである。
【0043】
標識ユニット
標識ユニット300は、種々の形態のネットワーク通信301を受信し及び送信するように設定され得る少なくとも1つの通信ポート303を備え得る。ネットワークノード300は、少なくとも1つのプロセッサ307も備え得る。プロセッサ307は、当技術分野において既知のソフトウェア又はハードウェア命令セットを動作させるように構成される任意の適当なタイプの計算ユニット、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)であってよい。ネットワークノード300は、少なくとも1つのストレージユニット305を備え得る。当該ストレージユニット305は、任意の適当なタイプのコンピュータ読取可能なメモリであってよく、当技術分野において既知の揮発性タイプ及び/又は不揮発性タイプであってよい。ストレージユニット305は、受信され、送信され、及び/若しくは測定されるデータ、並びに/又は実行可能なプログラム命令を記憶するように設定され得る。
【0044】
動作において、標識ユニット300は、アイドル後モビリティ手続きについての要求301を受信し又は送信する(401)ように構成され得る。標識ユニットがUE101に設けられる例示的な実施形態において、標識ユニットは、アイドル後モビリティ手続きについての要求を送信するように構成され得る。標識ユニットがMME又はSGSNに設けられる例示的な実施形態においては、標識ユニット300は、アイドル後モビリティ手続きについての要求を受信するように構成され得る。アイドル後モビリティ手続きはRAU若しくはTAU又は当技術分野において既知の任意の他のアイドル後モビリティ手続きであってもよいことが認識されるべきである。
【0045】
要求を受信し又は送信すると、アイドルステータス又は標識の判定が為され得る(403)。アイドルステータス又は標識は、例えば、UE101がアイドル手続きを経たか否かを示す信号又はフラグ設定(例えば、ISRフラグ設定)といった情報エレメントの形式であり得る。例えば、情報エレメントは、フラグ、1ビットの信号、2ビットの信号、又は任意のビット数の信号の形態であってもよい。アイドル手続きは、例えばISRであり得る。それ故に、情報エレメントが肯定的である場合、UE101はアイドル手続きを経たことになる。
【0046】
情報エレメントからアイドルステータス又は標識を判定した後、標識ユニット300は、当該ステータス又は標識に応じてアイドル後モビリティ手続きについての要求を開始するための命令を提供し得る(405)。例示的な実施形態は与えられるべき命令を多くの手法で提供し得ることが認識されるべきである。下記の3つのケースは、説明のための例として提供される。本明細書において提示される例示的な実施形態は他の手法で実施をされてもよく、下記に提供されるケースは単なる例として提示されることが認識されるべきである。
【0047】
ケース1:情報エレメント=1ビットのインジケータ
幾つかの例示的な実施形態において、情報エレメントは、1ビットのインジケータとして提供され得る。従って、情報エレメントは、ISR手続きが開始された場合に肯定的な標識又はステータスを提供し得る。それ故に、標識ユニットは、現在のRATタイプがSGWに提供されるべきであるという命令を提供するように設定され得る。ケース1によって説明されるシナリオにおいて、SGWに命令を送る標識ユニットによって提供される追加的なシグナリングは、情報エレメントが肯定的である場合(即ち、ISR手続きが発生した場合)のみ行われる必要がある。
【0048】
幾つかの例示的な実施形態において、現在のRATタイプを送るか否かの決定は、前回のモビリティマネジメントノードのタイプが現在のモビリティマネジメントノードのタイプと同じであるか否かだけに(即ち、ISRが発生したか否かの標識無しに)基づき得ることが認識されるべきである。前回のモビリティマネジメントノードが現在のモビリティマネジメントノードと同じタイプであるか否かの標識を用いることは、ケース2に関連してより詳細に説明されるであろう。
【0049】
この実施形態から提供される利益の一例は、低減されたシグナリングによりRATの変更がSGWに通知され得ることである。例えば、SGWは必ずしも現在のRATタイプにより更新されるわけではなく、更新が発生するのは情報エレメントが肯定的な結果を提供する場合のみである。
【0050】
ケース2:情報エレメント=多値フラグ又は多値ビットインジケータ
幾つかの例示的な実施形態において、情報エレメントは、多値フラグ又は多値ビットインジケータとして提供され得る。従って、情報エレメントは、例えば、ISR手続きが開始された場合に肯定的な標識又はステータスを提供し得る。情報エレメントは、例えば、アイドル手続きを呼び出す際に利用される前回のモビリティマネジメントノードのIDも提供し得る。ISRモードの開始に先立ってSGWを更新し得るのは前回のモビリティマネジメントノード(例えば、SGSN、又はMME)であることが認識されるべきである。それ故に、前回のモビリティマネジメントノードのノードタイプが現在のモビリティマネジメントノードのノードタイプと同じではない場合、現在のRATタイプは、ISRに先立ってSGWに記憶されるRATタイプと同じではないことがあり得る。従って、前回のモビリティマネジメントノードの知識を有することによって、新たなRATタイプが提供される必要があるか否かのより正確な標識が取得され得る。
【0051】
例えば、UEが、MME(例えば、MME1)に登録され、UTRANシステムを利用し始め、及びISRを開始することを決定するSGSNにRAUを送る場合、SGSN1は、UEに関連付けられるUEレコード又は情報を保持するようにMME1にシグナリングし得る。SGSN1は、ISRがアクティブ化されることをUE及びSGWにもシグナリングし得る。それ故に、前回のノードとして動作し、ISRに入ることに先立ってSGWのRATタイプを更新することとなるのは、SGSN1である(RAT=UTRAN)。
【0052】
ISRの期間中、UE101は、E−UTRANサブシステムとUTRANサブシステムとの間を相互に自由にインタラクションし得る。それ故に、UE101は、SGSN1との通信とMME1との通信との間を相互にスイッチングし得る。ただし、SGWにはRATの変更が通知されないことがあり得る。ISRの終了時に、UE101が新たな(本明細書においては、現在の、と呼ばれる)MME2と通信中である場合、情報エレメントは、前回のノードは同じタイプではない(例えば、前回のノード=SGSN1;現在のノード=MME2)という標識を提供し得る。それ故に、現在のMME2は、前回のノード(SGSN1)によってSGWに記憶されたRATタイプがSGSN1に関連付けられるRATであったこと(RAT=UTRAN)を知得するであろう。従って、RATタイプは、現在のRATタイプに更新される必要があるであろう(現在のRAT=E−UTRAN)。
【0053】
ただし、現在のノードがSGSN2ノードである場合、情報エレメントは、現在のノード及び前回のノードのノードタイプが異ならないという標識(現在のノード=SGSN2;前回のノード=SGSN1)を提供し得る。ノードタイプが同じである場合、正確なRATタイプは既にSGWに記憶されているため、現在のノード(SGSN2)は、SGWにRATタイプを通知しないであろう。その後、正確なRATタイプは、アイドル後モビリティ手続きの実行時に、SGWに記憶されるであろう。
【0054】
この実施形態から提供される利益の一例は、低減されたシグナリングによりRATの変更がSGWに通知され得ることである。ケース2において提示された例示的な実施形態において、シグナリングは、RATの変更についての標識が必要とされる場合にのみ、そのような標識を提供するために用いられるであろう。
【0055】
ケース3:インジケータ無し
幾つかの例示的な実施形態において、情報エレメントが必要ではないことがあり得る。具体的には、幾つかの例示的な実施形態において、現在のモビリティノードは、情報エレメントを用いることなく、及び更新が必要とされるか否かに関わらず、常に現在のRATタイプを送るように設定される。
【0056】
この実施形態から提供される利益の一例は、ポストモビリティ手続きのステータス又は標識を判定するステップを除去することによりシステムの複雑度が低減されることである。
【0057】
実施例
図5は、本明細書において提示される例示的な実施形態のうちの幾つかを採用するTAUのメッセージシーケンス図である。(円501によって強調される)メッセージ2において、UE101は、情報エレメントを特徴とするTAU要求を送り得る。アイドル情報エレメントを用いて、新たなMME104は、RATタイプが更新される必要があるという標識又はステータスの更新を(円505によって強調される)メッセージ8において提供し得る。その後、新たなSGWは、(円507によって強調される)メッセージ9において示されるようにベアラ更新要求において任意の必要な調整をし得る。標識ユニットはMMEに設けられてもよく、従ってこのシナリオにおいて、アイドルステータス又は標識はメッセージ503において提供されるであろうことが認識されるべきである。
【0058】
ここに提示される例示的な実施形態は、図5において説明されるのと同様の手法でRAU手続きに適用され得ることが認識されるべきである。
【0059】
「備える/含む(comprising)」という用語は記載された要素又はステップ以外の他の要素又はステップの存在を排除せず、要素に先行する「ある(a又はan)」という用語は複数のそのような要素の存在を排除しないことに留意すべきである。如何なる符号も特許請求の範囲を限定しないこと、及び幾つかの「手段(means)」又は「ユニット(units)」は同じハードウェアのアイテムによって表され得ることにさらに留意すべきである。
【0060】
本明細書において説明される種々の実施形態は、方法ステップ又は処理の一般的なコンテキストにおいて説明され、当該方法ステップ又は処理は、一実施形態において、ネットワーク環境においてコンピュータによって実行されるプログラムコードなどのコンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ読取可能な媒体において具現化されるコンピュータプログラムプロダクトによって実装され得る。コンピュータ読取可能な媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、コンパクトディスク(CD)、DVD(digital versatile discs)等を含むが、これらに限定されないリムーバブルストレージデバイス及び非リムーバブルストレージデバイスを含み得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み得る。コンピュータ実行可能な命令、関連付けられるデータ構造、及びプログラムモジュールは、本明細書において開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能な命令の特定のシーケンス又は関連付けられるデータ構造は、そのようなステップ又は処理において説明される機能を実装するための動作に対応する例を表す。
【0061】
上記に言及され及び説明される実施形態は、例として与えられるに過ぎず、本明細書において提示される実施形態を限定すべきではない。他の解決策、用途、目的、及び機能は、後述される特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲内にあることが認識されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5