(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746360
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】特に尿素水溶液用の液体貯蔵器
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
F01N3/08 B
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-538086(P2013-538086)
(86)(22)【出願日】2011年10月18日
(65)【公表番号】特表2013-542371(P2013-542371A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2011005213
(87)【国際公開番号】WO2012062400
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2013年7月8日
(31)【優先権主張番号】102010051072.6
(32)【優先日】2010年11月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510169365
【氏名又は名称】コーテックス テクストロン ジーエムビーエイチ アンド シーオー ケージー
(74)【代理人】
【識別番号】100110434
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】トレウト ヴォルカー
【審査官】
山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−248944(JP,A)
【文献】
実開昭63−193926(JP,U)
【文献】
特開昭63−306271(JP,A)
【文献】
特開2010−236435(JP,A)
【文献】
実開昭62−078523(JP,U)
【文献】
特開昭62−083224(JP,A)
【文献】
特開2011−026980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素水溶液用の液体貯蔵器であって、
その取り付け位置で液体貯蔵器の底部に配設されたバッファー貯蔵手段と、
液体供給ユニットと、
前記バッファー貯蔵手段の外側の取り付け位置で底部に配設され、それぞれが液体ラインを介してそれぞれ前記液体供給ユニットに接続される、少なくとも1つの第1のフィルター部材とを有し、
前記第1のフィルター部材は当該第1のフィルター部材のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体に浸透し且つ空気には浸透しない構造とされ、
さらに前記バッファー貯蔵手段の内部と前記液体供給ユニットの間に配設される第2のフィルター部材を有し、前記第2のフィルター部材は当該第2のフィルター部材のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体に浸透し且つ空気には浸透しない構造とされ、
空気がフィルター部材に供給される前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力は、前記第1のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも大きいものとされ、
前記液体供給ユニットと前記第1のフィルター部材の間に第1の弁を有し、前記第1の弁の開放圧は前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも小さくされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項2】
請求項1記載の液体貯蔵器であって、前記第1のフィルター部材は複数であることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液体貯蔵器であって、前記第2のフィルター部材は、搬送方向で一方が他方の背後となるように配設された少なくとも2つのフィルター繊維部を有し、それにより前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力が上昇することを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項4】
請求項3記載の液体貯蔵器であって、前記第2のフィルター部材の少なくとも2つのフィルター繊維部は、前記第1のフィルター部材のフィルター繊維部に、ブレイクスルー圧力及び/又は用いられる材料について対応したものとされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の液体貯蔵器であって、前記第1フィルター部材のそれぞれは液体ラインを介して回収箇所に接続され、該回収箇所は液体回収ラインを介して前記液体供給ユニットに接続されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項6】
請求項5記載の液体貯蔵器であって、前記回収箇所は前記取り付け位置で、前記第1のフィルター部材と前記液体供給ユニットとの間の液体接続での最上箇所であることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれかに記載の液体貯蔵器であって、前記第1の弁は前記液体回収ラインに配設されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記バッファー貯蔵手段は、当該バッファー貯蔵手段内に位置する液体を溶かし若しくは加熱するための加熱部材を有し、或いはスワールポットの形式をとることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、さらに少なくとも1つの前記取り付け位置の底部に配設された第3のフィルター部材を有する、当該液体貯蔵器の外側に配設された第2の液体貯蔵器を有し、前記第2の液体貯蔵器は、少なくとも1つの第3のフィルター部材と液体接続ラインを介して前記液体供給ユニットに接続されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項10】
請求項9記載の液体貯蔵器であって、さらに第2の弁を前記第2のフィルター部材と前記液体供給ユニットの間に、第3の弁を前記第3のフィルター部材と前記液体供給ユニットの間に有し、前記第2の弁の開放圧は前記第1の弁の開放圧よりも小さく、前記第3の弁の開放圧は前記第2の弁の開放圧よりも小さくされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の液体貯蔵器であって、前記液体供給ユニットと前記バッファー貯蔵手段の間に第4の弁を有することを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、さらに前記第2の液体貯蔵器内に第2の回収箇所を有し、該第2の回収箇所は前記取り付け位置で前記第2の液体貯蔵器内の液体ラインの最上箇所とされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記第2の液体貯蔵器は前記第1の液体貯蔵器の上または下の取り付け位置に配設され、前記液体接続ラインは前記液体供給ユニットを有していないことを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記第2のフィルター部材は前記取り付け位置で前記バッファー貯蔵手段の底部の配設されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項15】
尿素水溶液用の液体貯蔵器であって、
液体供給ユニットと、
取り付け位置で当該液体貯蔵器の底部に配設される少なくとも2つの第1のフィルター部材とを有し、
前記第1のフィルター部材のそれぞれは、液体ラインを介して回収箇所に接続され、該回収箇所は液体供給ユニットに液体回収ラインを介して接続されており、
前記回収箇所は、前記取り付け位置で前記第1のフィルター部材と前記液体供給ユニットとの間の液体接続での最上箇所であることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項16】
請求項15記載の液体貯蔵器であって、さらに少なくとも1つの前記取り付け位置の底部に配設された第3のフィルター部材を有する、当該液体貯蔵器の外側に配設された第2の液体貯蔵器を有し、前記第2の液体貯蔵器は、少なくとも1つの第3のフィルター部材と液体接続ラインを介して前記液体供給ユニットに接続されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項17】
請求項16記載の液体貯蔵器であって、さらに第1の弁を前記第1のフィルター部材と前記液体供給ユニットの間に、第3の弁を前記第3のフィルター部材と前記液体供給ユニットの間に有し、前記第3の弁の開放圧は前記第1の弁の開放圧よりも小さくされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項18】
請求項16又は請求項17に記載の液体貯蔵器であって、前記液体供給ユニットと前記バッファー貯蔵手段の間に第4の弁を有することを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項19】
請求項16乃至請求項18のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、さらに前記第2の液体貯蔵器内に第2の回収箇所を有し、該第2の回収箇所は前記取り付け位置で前記第2の液体貯蔵器内の液体ラインの最上箇所とされることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項20】
請求項16乃至請求項19のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記第2の液体貯蔵器は前記第1の液体貯蔵器の上または下の取り付け位置に配設され、前記液体接続ラインは前記液体供給ユニットを有していないことを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記第1のフィルター部材及び/又は前記第3のフィルター部材は、前記取り付け位置で液体貯蔵器及び第2の液体貯蔵器のそれぞれ最下箇所に配設されることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項22】
請求項1乃至請求項21のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記第1のフィルター部材のブレイクスルー圧力及び/又は前記第3のフィルター部材のブレイクスルー圧力は同じ大きさであることを特徴とする液体貯蔵器。
【請求項23】
請求項1乃至請求項22のいずれか1つに記載の液体貯蔵器であって、前記液体貯蔵器はブロー成形または射出成形で製造されることを特徴とする液体貯蔵器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に尿素水溶液用の液体貯蔵器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両工学においては、ディーゼル車両からの窒素酸化物の排出を減らすためのSCR(Selective Catalytic Reduction:選択触媒還元)法の使用が増大している。このSCR作用のために必要なアンモニアは直接使用されるものではなく、ドイツ工業規格(DIN)70070による32.5%の尿素水溶液の形式で使用される。この尿素水溶液は、例えば、定量ポンプ若しくは射出器により、排気ガスライン内でSCR触媒コンバーターによって射出される。尿素水溶液は、加水分解を経てアンモニアと二酸化炭素を生ずる。結果物としてのアンモニアは、排気ガス中の窒素酸化物と反応することができ、よって窒素酸化物の排出を減らすことになる。射出される尿素の量は、エンジンからの窒素酸化物の排出に依存し、よってエンジンの瞬間の回転数やトルクに依存する。SCR触媒コンバーターの効率は、ここではエンジンの窒素酸化物の排出に対する正しい比率で射出される尿素水溶液に依存する。もし射出される尿素水溶液が少量すぎれば、窒素酸化物が低減される効率が落ちてしまう。もし射出される尿素水溶液が多すぎれば、そこから生成されるアンモニアが窒素酸化物と反応せずに外部に排出してしまう。よって尿素水溶液用の液体貯蔵器からSCR触媒コンバーターへの尿素水溶液の最大に正確な供給、好ましくはミリリットルの範囲での供給が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
欧州特許公開公報 1 510 392 (A2)は、燃料を供給するための燃料供給ユニットを備えた自動車用燃料タンクを開示する。その燃料供給油ユニットは、燃料タンクの底部に配設されたフィルター部材を有し、フィルター部材は、予め決められた網目サイズを有するポーチ状のフィルター繊維部を有する。ポーチ状のフィルター繊維部は、燃料タンクの意図された設置位置の底部の複数の低い載置領域に配設され、濡れたフィルター繊維部は燃料を透過するが、空気を透過しない。欧州特許公開公報 1 510 392 (A2)の好適な実施形態によれば、フィルター繊維部は燃料タンクの底部の全域を実質的に越えて延在される。代替的な実施形態においては、複数の個々のフィルター繊維部は、燃料タンクの底部の意図した領域に分配されて配設される。しかしながら、供給の当初に、燃料タンクの底部の全域を越えて延在するフィルター繊維部や燃料ポンプへの液体ラインには空気が存在しており、その空気は燃料が供給される前に最初に除去しなければならない。燃料タンクの底部に分配されて配設されている複数のフィルター繊維部の場合には、引き続いて燃料の供給を均一にするために全ての液体ラインから均一に空気を除かなければならないという問題が生じる。
【0004】
ドイツ特許公開 DE 196 19 992(A1)は、燃料タンクと、粗フィルター、及び微細フィルターを有する燃料供給モジュールを開示し、該燃料供給モジュールでは、上流の粗い燃料フィルターを備えた燃料ポンプは、燃料タンクの底部に配設された燃料ポンプ貯蔵器によって囲まれている。燃料ポンプ貯蔵器の壁は、少なくともその場所で2重壁の構造を有する。微細な燃料フィルターは壁の完全に閉ざされた内部空間内に配設される。一方、ここの内部空間は、微細フィルターの流入領域内で燃料ポンプ圧力ポートに接続された流入ポートを有しており、他方、微細フィルターの出力領域内で流出ポートを有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、本発明の目的は、液体の供給量の正確さに関して、液体貯蔵器から下流側消費部、例えばSCR触媒コンバーターへの液体の供給を改善させることにある。
【0006】
前記目的は、特に尿素水溶液用の液体貯蔵器であって、その取り付け位置で液体貯蔵器の底部に配設されたバッファー貯蔵手段と、液体供給ユニットと、前記バッファー貯蔵手段の外側の取り付け位置で底部に配設され、それぞれが液体ラインを介してそれぞれ前記液体供給ユニットに接続される、少なくとも1つ好ましくは複数の第1のフィルター部材とを有し、前記第1のフィルター部材は当該第1のフィルター部材のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体に浸透し且つ空気には浸透しない構造とされ、さらに前記バッファー貯蔵手段の内部と前記液体供給ユニットの間に配設される第2のフィルター部材を有し、前記第2のフィルター部材は当該第2のフィルター部材のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体に浸透し且つ空気には浸透しない構造とされ空気がフィルター部材に供給される前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力は、前記第1のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも大きいものとされ、前記液体供給ユニットと前記第1のフィルター部材の間に第1の弁を有し、前記第1の弁の開放圧は前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも小さくされることを特徴とする液体貯蔵器により達成される。
【0007】
本発明の目的においては、弁の開放圧は、閉じた状態から開いた状態に弁が変化する圧力とされる。
【0008】
第1の弁の開放圧は、流れ方向で直列して接続されるため、第1のフィルター部材のブレイクスルー圧力に影響される。第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも小さくされる第1の弁の開放圧については、第1のフィルター部材と第1の弁の全体の直列接続が開放圧を示し、該開放圧は第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも小さくされることを意味するとすべきである。
【0009】
前記第1の弁は、液体がバッファー貯蔵手段から液体供給ユニットを介して消費部材まで供給されることを確かなものとさせる。もしバッファー貯蔵手段が完全に空にされたら、空気が第2のフィルター部材を介して吸引される前に、ブレイクスルー圧力まで前記バッファー貯蔵手段内の第2のフィルター部材が阻止する。第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力に到達する前に、第1の弁は開放され、次いで液体は第1のフィルター部材を介して供給され、液体貯蔵器の底部の第1のフィルター部材の場所は、当該液体貯蔵器から残りを仮想的に完全に空にすることを確かなものとする。本発明の液体貯蔵器は液体が最初にバッファー貯蔵手段から引かれるという利点を有しており、これは液体ラインをとても短くできるという意味を持つ。
【0010】
液体供給ユニットは好ましくは前記バッファー貯蔵手段内に配設される。
【0011】
本発明の1つの変形例によれば、第2のフィルター部材は搬送方向で一方が他方の背後となるように配設された少なくとも2つのフィルター繊維部を有し、それにより前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力が上昇する。前記第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力は、第2のフィルター部材内で一方が他方の背後となるように配設されたフィルター繊維部の数によって簡単な方法で調整される。ブレイクスルー圧力は、第2のフィルター部材のフィルター繊維部の網目サイズに依存し、フィルター繊維部は特別な予定した範囲の網目サイズで生産されるのみであるから、ブレイクスルー圧力を上昇させる1つの選択枝は、複数のフィルター部材をカスケードに並べる方法である。
【0012】
本発明の1つの好ましい変形例によれば、前記第2のフィルター部材の少なくとも2つのフィルター繊維部は、前記第1のフィルター部材のフィルター繊維部に対応したものとされる。この方法では、ただ1つの種類のフィルター繊維部が本発明に従う液体貯蔵器内で使用され、それにより、フィルター繊維部が大量に製造され若しくは購入されるため、製造費用が低減される。
【0013】
本発明のさらなる変形例によれば、第1のフィルター部材はそれぞれの場合に液体ラインを介して回収箇所に接続され、回収箇所は液体回収ラインを介して液体供給ユニットに接続される。液体回収ラインは第1のフィルター部材と液体供給ユニットの間のラインシステム内の空気を低減し。よって本発明による液体貯蔵器の下流消費部材への液体供給の正確度は顕著に高くなる。
【0014】
本発明の好適な変形例に従えば、前記回収箇所は前記取り付け位置で、前記第1のフィルター部材と前記液体供給ユニットとの間の液体接続での最上箇所である。回収箇所の組み合わせと、取り付け位置における、第1のフィルター部材と液体供給ユニットの間の液体接続での最上箇所となる回収箇所の構造とにより、液体供給ユニットを介して第1のフィルター部材から液体が供給されると直ぐに、確かに回収箇所と他の第1のフィルター部材の間の液体ラインでの圧力降下が生ずることはなく、その結果、第1のフィルター部材と回収箇所の間の対応するラインは、空気で充填され得る。液体供給ユニットは便利にも回収箇所の下部の取り付け位置で配設される。
【0015】
本発明の好適な変形例では、第1の弁は液体回収ラインに配設される。このため、別個の第1の弁は、各第1のフィルター部材に配する必要はなく、代わりに全部の第1のフィルター部材に単一の第1の弁があれば良い。
【0016】
本発明の更なる変形例では、バッファー貯蔵手段は当該バッファー貯蔵手段内に位置する液体を溶かし若しくは加熱するための加熱部材を有する。さらに追加的或いは代替的に、バッファー貯蔵手段はスワールポットの形式を採るものであっても良い。加熱部材は、十分な液体がどの箇所にも間に合って供給されるようにすることを確かなものとさせる。特に、尿素水溶液の場合では、自動車の作動範囲では、該尿素水溶液の凝固点はおよそ摂氏−11度であることから、加熱部材は利点を有する。スワールポットは、液体貯蔵器内の液体のスロッシングが少なくとも部分的には抑制されるという利点を有し、液体供給装置には液体がより良く供給されることを確かなものとする。
【0017】
さらなる変形例では、本発明の液体貯蔵器は、さらに前記取り付け位置の底部に配設された少なくとも1つの第3のフィルター部材を有する、当該液体貯蔵器の外側に配設された第2の液体貯蔵器を有し、該第2の液体貯蔵器は、少なくとも1つの第3のフィルター部材と液体接続ラインを介して前記液体供給ユニットに接続される、このような発展形は、本発明の液体貯蔵器を、液体貯蔵器が設置されるべき空間の条件に適合させるように働く。例えば、できる限り得られる空間は車両の内部に用いられるようにされることから、自動車内の空間条件は制限される。よって液体貯蔵器を多部品構造とすることや、個々の液体貯蔵器を自動車内の種々の場所に配することは利点がある。そのような発展形のさらなる利点は、第1の液体貯蔵器と第2の液体貯蔵器の間の液体接続ラインは、第2の液体貯蔵器の位置に拘わらず、液体供給ユニットを必要としないところにある。よって、第2の液体貯蔵器は、例えば、第1の液体貯蔵器の上または下の取り付け位置に追加の必要な液体供給ユニットを有せずに配設される。
【0018】
本発明の好適な変形例によれば、液体貯蔵器は、第2の弁を第2のフィルター部材と液体供給ユニットの間に、第3の弁を第3のフィルター部材と液体供給ユニットの間に有し、第2の弁の開放圧は第1の弁の開放圧よりも小さく、第3の弁の開放圧は第2の弁の開放圧よりも小さくされる。このような発展形では、第1に液体は第2の液体貯蔵器より供給され、次いで第1の貯蔵器のバッファー貯蔵手段より供給され、続いて第1の液体貯蔵器に位置する残りの液体は第1のフィルター部材を介して供給されることを確かなものとさせる。
【0019】
特に好ましい変形例では、液体貯蔵器は、液体の液体供給ユニットから液体貯蔵器、特には加熱部材を有する液体貯蔵器への逆流を可能とするために、前記液体供給ユニットと当該液体貯蔵器の内部に第4の弁を有する。1つの有利な変形例では、第4の弁は液体供給ユニットとバッファー貯蔵手段の間に配設される。液体供給ユニットと消費部材の間のラインに逆流が生じたとき、液体は既に加熱された液体貯蔵部に戻され、液体が再凝固することが確かに防止される。第4の弁は、液体貯蔵器から液体供給ユニットへの液体の供給を防止するため、便宜的にワンウエイバルブの形式、例えば、逆止弁の形式を採る。
【0020】
本発明の有利な変形例では、第2の液体貯蔵器は、第2の回収箇所を有し、該第2の回収箇所は、好ましくは取り付け位置で、第2の液体貯蔵器内の液体ラインでの最上箇所とされる。
【0021】
本発明の更なる変形例によれば、第2のフィルター部材は、バッファー貯蔵手段の底部で取り付け位置に配設される。よって、液体が第1のフィルター部材を介して供給される前にバッファー貯蔵手段が仮想的に完全に空にされることを確実にさせる。
【0022】
また、前記目的は、特に尿素水溶液用の液体貯蔵器であって、液体供給ユニットと、取り付け位置で当該液体貯蔵器の底部に配設される少なくとも2つの第1のフィルター部材とを有し、前記第1のフィルター部材のそれぞれは、液体ラインを介して回収箇所に接続され、該回収箇所は液体供給ユニットに液体回収ラインを介して接続されており、前記回収箇所は、前記取り付け位置で前記第1のフィルター部材と前記液体供給ユニットとの間の液体接続での最上箇所であることを特徴とする液体貯蔵器によって達成される。
【0023】
このような発展形では、液体供給ユニットの第1のフィルター部材を介して液体が供給されて直ぐに、他の第1のフィルター部材と回収箇所の間の圧力条件は変わることがなくこと確実なものとし、対応する第1のフィルター部材と回収箇所の間で特に液面が降下しないことを確かなものとする。これは、さらなる液体が1つの第1のフィルター部材から供給できないときは直ぐに、他の第1のフィルター部材と回収箇所の間の液体ラインは少なくとも部分的に、好ましくは完全に、液体で充填されるという利点を有する。
【0024】
本発明の1つの変形例では、液体貯蔵器は、さらに取り付け位置の底部に配設された少なくとも1つのフィルター部材を有する、当該液体貯蔵器の外側に配設された第2の液体貯蔵器を有し、前記第2の液体貯蔵器は、少なくとも1つの第3のフィルター部材と液体接続ラインを介して前記液体供給ユニットに接続される。このような本発明の液体貯蔵器の多部品の発展形は、取り付け位置、例えば自動車内で、空間的な条件へのより良い適合を許容する。このような発展形の更なる利点は、第2の液体貯蔵器の位置に拘わらず、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器の間に液体供給ユニットは必要ないことである。第2の液体貯蔵器は、追加の液体供給ユニットを要せずに、例えば。第1の貯蔵器の下部又は上部の取り付け位置に配設される。
【0025】
本発明の1つの特に好適な変形例では、液体貯蔵器は、第1の弁を第1のフィルター部材と液体供給ユニットの間に、第3の弁を第3のフィルター部材と液体供給ユニットの間に有し、第3の弁の開放圧は第1の弁の開放圧よりも小さくされる。第1のフィルター部材を介して液体貯蔵器から液体が供給される前に、液体供給ユニットを介して第2の液体貯蔵器から最初に液体が供給されることを確かなものとする。
【0026】
本発明の1つの有利な変形例では、液体供給ユニットから第2の液体貯蔵器への液体の逆流を防止するために、液体接続ラインは逆止弁を有する。これは液体供給ユニットと消費部材の間のラインから液体の逆流があるときに特に利点がる。
【0027】
本発明のさらなる有利な変形例では、第2の液体貯蔵器は第2の回収箇所を有し、該第2の回収箇所は取り付け位置で好ましくは第2の液体貯蔵器内の液体ラインの最上箇所とされる。よって第2の液体貯蔵器内の第3のフィルター部材は、上昇するラインを介して第2の液体貯蔵器内の回収箇所に接続され、該第2の回収箇所は液体接続ラインを介して液体供給ユニットに接続される。このような発展形の利点は、第1の液体貯蔵器内の回収箇所の利点と対応したものとされる。
【0028】
取り付け位置では、第1のフィルター部材及び/又は第3のフィルター部材は、液体貯蔵器及び第2の液体貯蔵器のそれぞれ最下箇所に配設される。結果として、完全に液体貯蔵器を空にすることができる。
【0029】
本発明の好ましい変形例では、第1のフィルター部材のブレイクスルー圧力及び/又は第3のフィルター部材のブレイクスルー圧力は同じ大きさである。本発明によれば、それぞれ第1のフィルター部材と第3のフィルター部材の間では選択が生じないものとされる。
【0030】
液体貯蔵器は、有利にはブロー成形または射出成形で製造される。これは製造コストを低減すると同時に長い耐用期間を確保する。
【0031】
本発明の更なる有利な変形例によれば、第1の弁、第2の弁、第3の弁、及び/又は第4の弁はワンウエイバルブ、例えば逆止弁の形式を有する。
【0032】
本発明は以下に図示される例示的な実施形態を参照しながら更に詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は特に尿素水溶液用の本発明に従う液体貯蔵器1の断面図である。ここで液体貯蔵器1はその取り付け位置で当該液体貯蔵器1の底部に配設されたバッファー貯蔵手段2と、該バッファー貯蔵手段2の内部に配設された液体供給ユニット3と、前記バッファー貯蔵手段2の外側で取り付け位置の底部に配設された2つの第1のフィルター部材4とを有し、該第1のフィルター部材4のそれぞれは液体ライン5を介して前記液体供給ユニット3に接続されている。第1のフィルター部材4は、当該第1のフィルター部材4のフィルター繊維部が液体貯蔵器1内に位置する液体は浸透可能とさせるが、空気には浸透できないように構成されている。第2のフィルター部材6は更にバッファー貯蔵手段2の内部と液体供給ユニット3の間に配設され、第2のフィルター部材は当該第2のフィルター部材6のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体は浸透可能とさせるが、空気には浸透できないように構成されている。空気がフィルター部材を介して供給される、第2のフィルター部材6のブレイクスルー圧力は、第1のフィルター部材4のブレイクスルー圧力よりも大きくされる。液体貯蔵器1は液体供給ユニット3と第1のフィルター部材4の間に第1の弁7を有し、第1の弁7の開放圧は第2のフィルター部材6のブレイクスルー圧力よりも小さい。
【0035】
第1の弁7の開放圧は、第1のフィルター部材4が流れ方向で直列に接続されていることから、第1のフィルター部材4のブレイクスルー圧力に影響される。第2のフィルター部材6のブレイクスルー圧力よりも小さい第1の弁7の開放圧は、直列接続される第1のフィルター部材4と第1の弁7が全体として示す開放圧であって、第2のフィルター部材のブレイクスルー圧力よりも小さいことを意味するとすべきものである。
【0036】
例えば、第2のフィルター部材6は100mbarのブレイクスルー圧力を示し、第1のフィルター部材4は50mbarのブレイクスルー圧力を示し、第1の弁は25mbarの開放圧を示す。
【0037】
このように設計された液体貯蔵器1は、液体供給ユニット3によって最初に液体がバッファー貯蔵手段2から供給されることを確かなものとする。続いて。バッファー貯蔵手段2が液体をそれ以上含んでいなくなると、第1の弁7が開放され、液体貯蔵器1が完全に空になるまで、液体が液体貯蔵器1の底部の種々の箇所から第1のフィルター部材4と液体ライン5を介して引かれることになる。
【0038】
第2のフィルター部材6のブレイクスルー圧力に到達するため、第2のフィルター部材6は少なくとも2つのフィルター繊維部が搬送方向で一方が他方の背後となるように配設される。第2のフィルター部材6のこれら少なくとも2つのフィルター繊維部は好ましくは第1のフィルター部材4のフィルター繊維部に対応したものとされる。
【0039】
バッファー貯蔵手段2は、バッファー貯蔵手段2の内部に位置する液体を加熱し若しくは一度凍結していたら解凍するための加熱部材8を有する。
【0040】
バッファー貯蔵手段2は、さらに、液体貯蔵器の動作中の液体の動作を制限するため、例えば自動車に適合された時や、或いは第2のフィルター部材ができるだけ長く液体に囲まれて留まることを確かなものとするため、スワールポット (swirl pot)としても構成される。
【0041】
第2のフィルター部材6は、バッファー貯蔵手段からの残りを最大限に完全に空にすることを確かなものとするために、さらに取り付け位置でバッファー貯蔵手段の底部に配設される。
【0042】
第1のフィルター部材4は、その取り付け位置で、液体貯蔵部1の最下箇所に対応して配設される。
【0043】
例示の実施形態では、2つの第1のフィルター部材4の間の選択がなされないように、複数の第1のフィルター部材4のブレイクスルー圧力は、同一の大きさとされる。
【0044】
図1に示す液体貯蔵器は、例えばブロー成形若しくは射出成形により生成され、自動車内での尿素水溶液を輸送するのにも用いられる。尿素水溶液はSCR触媒コンバーターに供給される。
【0045】
図2に示す尿素水溶液用の液体貯蔵器1は、取り付け位置で当該液体貯蔵器1の底部に配設されたバッファー貯蔵手段2と、液体供給ユニット3と、該バッファー貯蔵手段2の外側で取り付け位置の底部に配設された少なくとも2つの第1のフィルター部材4とを有し、前記第1のフィルター部材4のそれぞれは液体ライン5を介して液体供給ユニット3に接続され、第1のフィルター部材4は当該第1のフィルター部材4のフィルター繊維部が液体貯蔵器1内に位置する液体は浸透可能とさせるが、空気には浸透できないように構成されている。バッファー貯蔵手段2の内部と液体供給ユニット3の間には第2のフィルター部材6が配設され、第2のフィルター部材は当該第2のフィルター部材6のフィルター繊維部が液体貯蔵器内に位置する液体は浸透可能とさせるが、空気には浸透できないように構成されている。第2のフィルター部材6の、空気がフィルター部材を介して供給されるブレイクスルー圧力は、第1のフィルター部材4のブレイクスルー圧力よりも大きくされる。液体供給ユニット3と第1のフィルター部材4の間には第1の弁7が配設され、第1の弁7の開放圧は第2のフィルター部材6のブレイクスルー圧力よりも小さい。
【0046】
第1のフィルター部材4はそれぞれ液体ライン5を介して回収箇所9に接続されており、回収箇所9は液体回収ライン10を介して液体供給ユニット3に接続される。取り付け位置においては、回収箇所9は第1のフィルター部材4と液体供給ユニット3の間の液体接続での最上箇所に配される。このような構成は、液体が第1のフィルター部材4と連絡する液体ライン5を介して供給されると直ぐに、他の液体ライン5の液面が落ちることはなく、液体が続いてより素早くこれら液体ライン5を介して供給され得るという利点を有する。
【0047】
更に
図2に示されるように、第1の弁7は液体回収ライン10に配設される。
【0048】
図3は、
図2に従った液体貯蔵器1を示し、それは更に、該液体貯蔵器1の外側に、取り付け位置の底部に配設された少なくとも1つの第3のフィルター部材12を有した第2の液体貯蔵器11を有する。第2の液体貯蔵器11は、少なくとも1つの第3のフィルター部材12と液体接続ライン13を介して液体供給ユニット3に接続される。
【0049】
液体貯蔵器1は、例えば液体供給ユニット3のような能動部材を備えているため、ここでは能動の貯蔵器として描かれており、第2の液体貯蔵器11は、能動部材を有していないため、受動の貯蔵器として描かれている。
【0050】
液体貯蔵器1、11の2つの部分の発展形は幾つかの利点を有する。一方、収容器はより小さな構造で良く、このため取り付け位置にある空間により良く適合する。他方、比較的に低い温度でも十分な液体を供給することが可能なため、加熱部材8を2つの貯蔵器のうちの1つに設けることで十分である。より小さな貯蔵器1、11内の液体は大きな収容器内よりもより素早く解凍され得る。
【0051】
更に
図3より、第2の液体貯蔵器11に接続される液体貯蔵器1は、第2のフィルター部材6と液体供給ユニット3の間に第2の弁14を有し、第3のフィルター部材12と液体供給ユニット3の間に第3の弁15を有し、第2の弁14の開放圧は第2の弁7の開放圧よりも小さくされ、第3の弁の開放圧は第2の弁7の開放圧よりも小さくされる。このような発展形は、先ず、第2の液体貯蔵器からの液体は該第2の液体貯蔵器が空になるまで若しくは凍るまで消費されることを確かなものとする。次にバッファー貯蔵手段2からの液体は同様にバッファー貯蔵手段2が空になるまで消費され、最後に液体貯蔵器1からの残りの液体は、第1のフィルター部材4と液体接続5を介して消費される。
【0052】
図3に示した実施形態は、知られた従来技術に対して、能動貯蔵器と受動貯蔵器の間で追加の液体供給ユニットが不要であるという利点がある。
【0053】
好適な変形例では、液体貯蔵器11は、例えば液体供給ユニット3と消費部材の間の液体ラインの洗浄の間に、液体が液体供給ユニット3からバッファー貯蔵手段2に逆流することを許容するために、液体供給ユニット3とバッファー貯蔵手段2の内側の間に第4の弁19を有する。第4の弁19は逆止弁で具現されるワンウエイバルブの形式を採る。これは、加熱部材8によって加熱されたバッファー貯蔵手段2内の液体が押し返され、液体が再凍結することを防止したり遅らせたりするという利点を有する。第4の弁19は第2の弁14と1つの部品として構成できる。液体供給ユニット3と消費部材の間のラインは、液体のラインを空にし、消費部材へのライン内で液体が凍結することを防止するために、消費部材が停止してから押し戻される。
【0054】
図3に示す液体貯蔵器1のように、第2の液体貯蔵器11は複数の第3のフィルター部材12を有していても良く、該第3のフィルター部材12は第2の回収箇所16に液体ライン5を介して接続される。第2の回収箇所16は、
図3の点線で示されるように、液体接続ライン13を介して液体供給ユニット3に接続される。
【0055】
図4は特に尿素水溶液用の液体貯蔵器1を示し、該貯蔵器は、液体貯蔵器3と、取り付け位置で液体貯蔵器1の底部に配設された4つのフィルター部材4とを有し、第1のフィルター部材4のそれぞれは液体ライン5を介して回収箇所9に接続され、回収箇所9は液体回収ライン10を介して液体供給ユニット3に接続される。取り付け位置で、回収箇所9は、第1のフィルター部材4と液体供給ユニット3の間の液体接続での最上箇所である。
【0056】
このような発展形は、液体供給ユニット3が第1のフィルター部材4、連携する液体ライン5、及び液体回収ライン10を介して液体を供給すると直ぐに、
他の液体ライン5から他の第1のフィルター部材4への液面は圧力降下のお陰で降下することはなく、代わりに変わらない面で残ることになる。初めに液体を供給していた第1のフィルター部材を介して液体がそれ以上供給されない場合には、その他の液体ライン5からその他の第1のフィルター部材4は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、液体が充填され、比較的大量の空気を供給することなく液体は消費部材に供給される。
【0057】
図3に示すように、
図4からの液体貯蔵器1は更には液体貯蔵器1の外側に配され、取り付け位置の底部に配設される少なくとも1つの第3のフィルター部材12を有する第2の液体貯蔵器11を有し、該第2の液体貯蔵器11は少なくとも1つの第3のフィルター部材12と液体接続ライン13を介して液体供給ユニット3に接続される。液体貯蔵器1と液体貯蔵器11の間の選択を有効にするため、第1の弁7が第1のフィルター部材4と液体供給ユニット3の間に配され、第3の弁15が第3のフィルター部材12と液体供給ユニット3との間に配され、第3の弁15の開放圧は第1の弁7の開放圧よりも小さくされる。
【0058】
第4の弁19は液体供給ユニット3とバッファー貯蔵手段2の内部の間に配設され、液体供給ユニット3と消費部材の間のラインから押し戻された液体は加熱されたバッファー貯蔵手段2に送られる。第4の弁4はまた液体の押し戻しが第2のフィルター部材6を介して送られるようにも配設される。
【0059】
液体貯蔵器1からの残りを完全に空にすることを確かなものとするため、バッファー貯蔵手段2及び/又は第2の液体貯蔵器11、第1のフィルター部材4、第2のフィルター部材6、及び第3のフィルター部材12はそれぞれ該当する貯蔵器の底部に配設される。
【0060】
応用の分野に応じて、
図4に示すように、本発明の液体貯蔵器1は充填ポート17及び/又は通気部材18を有する。
【0061】
図1乃至
図4に従った例示的な実施形態において使用される第1の弁7、第2の弁14、及び第3の弁15の全ては、例えば逆止弁で具現されるワンウエイバルブの形式を採用する。
【符号の説明】
【0062】
1 液体貯蔵器
2 バッファー貯蔵手段
3 液体供給ユニット
4 第1のフィルター部材
5 液体ライン
6 第2のフィルター部材
7 第1の弁
8 加熱部材
9 回収箇所
10 液体回収ライン
11 第2の液体貯蔵器
12 第3のフィルター部材
13 液体接続ライン
14 第2の弁
15 第3の弁
16 第2の回収箇所
17 充填ポート
18 通気部材
19 第4の弁