特許第5746431号(P5746431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5746431β−ヒドロキシアミノ化合物の製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746431
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】β−ヒドロキシアミノ化合物の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/38 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   C08G77/38
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-516095(P2014-516095)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-522447(P2014-522447A)
(43)【公表日】2014年9月4日
(86)【国際出願番号】US2012043208
(87)【国際公開番号】WO2012177674
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2013年12月12日
(31)【優先権主張番号】61/498,934
(32)【優先日】2011年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】バーナード、ウィリアム、クルスナー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、エドワード、シューメイト
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン、ケシャブ、パナンディカー
(72)【発明者】
【氏名】ケネス、エドワード、イェルム
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−284959(JP,A)
【文献】 特開平06−330464(JP,A)
【文献】 特開2010−235652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00−77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子の作成プロセスであって、
a)1つ以上の一級及び/又は二級アミン部分を含む1つ以上の分子と、1つ以上のエポキシド部分を含む1つ以上の分子、及びプロトン性溶媒を含む触媒とを混合し、第1の混合物を形成する工程であって、
前記1つ以上の一級及び/又は二級アミン部分を含む1つ以上の分子は、アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピル末端化ポリジメチルシロキサン、アミノプロピル末端化ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアミノシリコーンを含んでなり、
前記1つ以上のエポキシド部分を含む1つ以上の分子は、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドであり、
前記プロトン性溶媒を含む触媒は、ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−オクタンジオールおよび1,2−ジヒドロキシベンゼンからなる群から選択され、
該プロトン性溶媒が、
(i)グラムあたり少なくとも0.007当量を有し、
(ii)プロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分を含み、反応条件における混合物中のプロトン性溶媒の溶解度が少なくとも0.2重量%である、
工程と、
b)前記第1の混合物を、20℃〜200℃温度まで加熱し、該温度を、10秒間〜48時間の間維持して、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物を形成する工程と、
c)前記1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物を任意に精製する工程と、
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記プロトン性溶媒のプロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分が、α−β、α−γ、及びα−δからなる群から選択される、少なくとも1つの配座を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記プロトン性溶媒のプロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分が、少なくとも1つのα−βである配座を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロトン性溶媒が、プロトン性溶媒分子あたり2つ又は3つのヒドロキシル部分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記プロトン性溶媒が、少なくとも50℃の引火点を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物が、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含むオルガノ変性シリコーンを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物が、シリコーン部分を含まず、前記プロトン性溶媒が水ではない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記プロトン性溶媒が、ジオール、トリオール、ポリオール、水/界面活性剤混合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
)前記ジオールは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチレン−1,3−プロパンジオール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、4,5−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、及びグリセロールモノエーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、
)前記トリオールは、グリセロール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、アルコキシル化グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘプタントリオール、1,2,3−オクタントリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
)前記ポリオールは、糖、炭化水素、アルコキシル化糖、アルコキシル化炭化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択される
請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
a)前記アルコキシル化ペンタエリスリトールが、エトキシル化ペンタエリスリトール、プロポキシル化ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、 b)前記アルコキシル化ソルビトールが、エトキシル化ソルビトール、プロポキシル化ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
c)前記アルコキシル化グルコースが、エトキシル化グルコース、プロポキシル化グルコース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)前記アルコキシル化フルクトースが、エトキシル化フルクトース、プロポキシル化フルクトース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
e)並びに、これらの混合物である、
請求項8に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子、例えば、β−ヒドロキシアミノシリコーンの合成、及びかかる分子を含む消費者製品などの組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子として、ポリ(β−ヒドロキシアミノ)シリコーン、ポリ(グリシジルアミノ)シリコーン、ポリ(β−ヒドロキシビニルアミン)、及びポリ(β−ヒドロキシエチレンイミン)が挙げられるが、これらに限定されない。このようなポリマーは、柔軟性、手触り、抗しわ、ヘアコンディショニング/縮れ制御、着色防止などの利益を目的として高級消費者製品で用いられている。残念ながら、β−ヒドロキシアミン部分を含む分子、例えば既存のアミノシリコーンは高価であり、反応プロセス中に、長時間の反応、巨大な反応器、及び高温を要するため、製造が困難である。1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子の既存の製造技術は、典型的には高価であり、及び/又は処理条件及び制限された処理効率のため、処理が難しい。したがって、必要とされているのは、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子を製造するための、経済的で安全な技術である。
【0003】
出願者らは、アミノシリコーンの製造に特定のプロトン性溶媒を使用することを以前に開示した。残念ながら、このβ−ヒドロキシアミノシリコーンの作成プロセスは、あまり効率的ではなく、そのため所望されるように経済的ではなかった。出願者らは、非効率性とコストの原因は、既存のプロトン性溶媒が、互いの基が必要な近接度にある、十分な数の適当な種類のヒドロキシル基を有さなかったことであると認めた。つまり、出願者らは、プロトン性溶媒グラムあたりヒドロキシ当量が増加すると、プロトン性溶媒の触媒活性が増加すること、一級及び/又は二級ヒドロキシル部分は、三級ヒドロキシル部分より良好な触媒活性をもたらすこと、プロトン性溶媒分子中のこのようなヒドロキシル基の近接度が増すと、プロトン性溶媒の触媒活性が増加すること、及び、アミン供給材料中のプロトン性溶媒の溶解度が低下すると、プロトン性溶媒の触媒活性が低下することを認めた。したがって、アミン供給材料中の溶解度が十分であり、少なくとも2つのヒドロキシル部分を含有し、好ましくはそのうち少なくとも1つの部分が一級及び/又は二級ヒドロキシル部分であり、グラムあたり最大のヒドロキシ当量を含有し、かつ、かかるヒドロキシル当量の近接度、例えばアルファ−ベータ近接度、アルファ−ガンマ近接度、又はアルファ−デルタ近接度が最大であるように、プロトン性溶媒が適切に選択される場合、処理効率を劇的に改善できる。この発見の更なる利益は、このように適切に選択されたプロトン性溶媒の引火点が、典型的にはより高いことである。したがって、プロセスの安全性が改善される。この安全性の向上は、防爆性の処理装置及び運搬設備/手順を必要とし得ないため、コストを下げる。出願者らは、アミノシリコーンの製造だけではなく、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む任意の分子にも、上記利益が応用されることを認めた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、出願者らは、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子、例えばアミノシリコーンの、極めて効率的で経済的な特定のプロセス、並びにかかる分子の使用について開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む分子、例えば、アミノシリコーン、及びかかる分子を含む消費者製品などの組成物、並びにかかる分子及びかかる組成物の作成プロセス及び使用プロセスに関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で使用するとき、「消費者製品」は、販売される形態で使用又は消費されることが通常意図される、ベビーケア用、ビューティケア用、布地ケア及びホームケア用、介護用、女性ケア用、ヘルスケア用製品及び/又はデバイスを意味する。このような製品としては、おむつ、よだれかけ、拭き取り用品;脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の処理に関連する製品及び/又は方法;防臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;上質な芳香剤を含む消費者使用のためのクリーム、ローション、及び他の局所塗布製品の塗布を含むスキンケア;並びにシェービング製品、エアフレッシュナー及び芳香送達系を含む空気ケア、車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化及び/又はフレッシュニングを含む)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ添加剤並びに/又はケア、床及び便器洗浄剤を含む硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者用又は業務用の他の洗浄などの、布地及びホームケア範囲内の布地、硬質表面、及び任意のその他の表面処理に関する製品及び/又は方法;トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、紙ハンカチ、及び/又は紙タオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;練り歯磨き、歯用ジェル、歯用リンス、義歯接着剤、歯ホワイトニングを含む口腔ケアに関連する製品及び/又は方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又は処理組成物」は、特に断りのない限り、ビューティケア、布地及びホームケア製品を含む消費者製品の部分集合である。かかる製品としては、脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を処理するための製品;防臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;上質な芳香剤を含む消費者使用のためのクリーム、ローション、及び他の局所塗布製品の塗布を含むスキンケア;並びにシェービング製品、エアフレッシュナー及び芳香送達系を含む空気ケア、車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化及び/又はフレッシュニングを含む)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ添加剤並びに/又はケア、床及び便器洗浄剤を含む硬質表面洗浄及び/又は処理、顆粒又は粉末状の多目的すなわち「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤を含む、布地及びホームケア領域内の布地、硬質表面、及び任意の他の表面を処理するための製品;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に泡立ちのよいもの;家庭又は業務用の各種の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型を含む食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用型を含む液体洗浄及び殺菌剤、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、歯磨剤、車又はカーペット用シャンプー、便器洗浄剤を含む浴室洗浄剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワーゲル、上質な芳香剤、及び泡状溶液、並びに金属洗浄剤;に加えて漂白添加剤、及び「染み用スティック」又は前処理用型などの洗浄助剤、乾燥機添加シート等の基材を有する製品、乾燥及び湿潤型拭取り用品並びにパッド、不織布基材、及びスポンジ;並びに全て消費者及び/又は業務用のスプレー剤、及びミスト剤;並びに/又は練り歯磨き、歯用ジェル、歯用リンス、義歯接着剤、歯ホワイトニングを含む口腔ケアに関連する方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
本明細書で使用するとき、「布地及び/若しくは硬質表面洗浄及び/又は処理組成物」という用語は、特に指示のない限り、顆粒又は粉末状の多目的すなわち「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に泡立ちのよいもの;家庭用及び業務用の各種の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型を含む食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用型を含む液体洗浄殺菌剤、手洗い石鹸、車又はカーペット用シャンプー、便器洗浄剤を含む浴室洗浄剤;並びに金属洗浄剤、液体、固体、及び/又は乾燥機用シート形態であり得る柔軟化及び/又はフレッシュニングを含む布地コンディショニング製品;に加えて漂白添加剤、及び「染み用スティック」又は前処理用型などの洗浄助剤、乾燥機添加シート等の基材を有する製品、乾燥及び湿潤型拭取り用品並びにパッド、不織布基材、及びスポンジ;並びにスプレー剤、及びミスト剤が挙げられる洗浄及び処理組成物の部分集合である。適用可能であったかかる製品の全ては、標準形態、濃縮形態であり得、又は、かかる製品が特定の態様では非水性であり得る程度まで高度濃縮形態にすらなり得る。
【0009】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」のような冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1つ以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、非限定的であるように意味される。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、塊、及び錠剤の製品形態を含む。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及びガスの製品形態を含む。
【0013】
本明細書で用いるとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、繊維、衣服、硬質表面、毛髪、及び皮膚が含まれる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「シロキシル残基(siloxyl residue)」とは、ポリジメチルシロキサン部分を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「置換」とは、当該用語が適用される有機組成物又はラジカルが、
(a)元素又はラジカルの脱離によって不飽和になる、又は
(b)化合物又はラジカル中の少なくとも1つの水素が、1つ以上の(i)炭素、(ii)酸素、(iii)イオウ、(iv)窒素若しくは(v)ハロゲン原子を含有する部分で置換されている、又は
(c)(a)及び(b)の両方であることを意味する。
【0016】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得る、炭素及び水素原子のみを含有する部分は全て、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジエニル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ペナンスリル基、フルオリル基、ステロイド基、及びこれらの基の互いとの組み合わせ並びにアルキレン基、アルキリデン基及びアルキリジン基のような多価炭化水素基との組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない炭化水素部分である。かかる基の特定の非限定的な例は、
【0017】
【化1】
である。
【0018】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得る酸素原子を含有する部分としては、ヒドロキシ、アシル又はケト、エーテル、エポキシ、カルボキシ、及びエステル含有基が挙げられる。かかる酸素含有基の特定の非限定的な例は、
【0019】
【化2】
である。
【0020】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得るイオウ原子を含有する部分としては、イオウ含有酸及び酸エステル基、チオエーテル基、メルカプト基及びチオケト基が挙げられる。イオウ含有基の特定の非限定的な例は、
【0021】
【化3】
である。
【0022】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得る窒素原子を含有する部分としては、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、アンモニウム基、アミド基、アジド基、イソシアネート基、シアノ基及びニトリル基が挙げられる。かかる窒素含有基の特定の非限定的な例は、−NHCH、−NH、−NH+、−CHCONH、−CHCON、−CHCHCH=NOH、−CN、−CH(CH)CHNCO、−CHNCO、−NΦ、−ΦN=NΦOH、及び≡Nである。
【0023】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得るハロゲン原子を含有する部分としては、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヨード基、及び水素又はペンダントアルキル基がハロ基によって置換されて安定な置換部分を生成する前述の部分のいずれかが挙げられる。かかるハロゲン含有基の特定の非限定的な例は、−(CHCOCl、−ΦF、−ΦCl、−CF、及び−CHΦBrである。
【0024】
上記(b)に記載されている、水素を置換し得る上述の部分のいずれも、一価置換において又は多価置換における水素の損失によって、互いに置換されて、有機化合物又はラジカル中の水素を置換できる別の一価部分を生成することが理解される。
【0025】
本明細書で使用するとき、「Φ」はフェニル環を表す。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語SiO「n」/2は、酸素原子とケイ素原子との比を表す。例えば、SiO1/2は、1つの酸素が2つのSi原子間で共有されていることを意味する。同様に、SiO2/2は、2つの酸素原子が2つのSi原子間で共有されていることを意味し、SiO3/2は、3つの酸素原子が2つのSi原子間で共有されることを意味する。
【0027】
本明細書で使用するとき、ランダムとは、[(RSi(X−Z)O2/2]、[RSiO2/2]、及び[RSiO3/2]単位がポリマー鎖全体にランダムに分布されていることを意味する。
【0028】
本明細書で使用するとき、ブロック状とは、複数の単位の[(RSi(X−Z)O2/2]、[RSiO2/2]、及び[RSiO3/2]単位が、ポリマー鎖全体の端から端まで配置されていることを意味する。
【0029】
好ましい実施形態の部分又は指数が具体的に定義されていない場合、かかる部分又は指数は前述の通りとする。
【0030】
特記のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0031】
割合(%)及び比率は全て、特記のない限り重量で計算される。百分率及び比率は全て、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。
【0032】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、そうしたより小さい数値限定が恰も本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0033】
β−ヒドロキシアミン部分を含む分子:
上記プロセスによって製造される好適なβ−ヒドロキシアミノ化合物として、1つ以上の−N−CH(R)−CH(R)OH基を含み、式中、各Rが、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択されるものが挙げられる。一態様では、かかる−N−CH(R)−CH(R)OH基は、ポリマー分子に結合される。別の態様では、ポリマー分子はシロキサンポリマーである。上記プロセスによって製造できる好適なオルガノシリコーンポリマーは、アルキル化アミノシリコーンである。一態様では、これらのシリコーンとして、アルキレンオキシドでアルキル化したアミノシリコーンが挙げられる。更に別の態様では、本発明を用いて合成できる好適なβ−ヒドロキシアルキルシロキサンポリマーとして、
(i)次式を有するランダム又はブロック状β−ヒドロキシアミノシリコーンポリマーからなる群から選択されるものが挙げられ、
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
(式中、
jは0〜約98の整数であり、一態様では、jは0〜約48の整数であり、一態様では、jは0であり、
kは0〜約200の整数であり、一態様では、kは0〜約50の整数であり、k=0の場合、R、R又はRの少なくとも1つは、−X−Zであり、
mは4〜約5,000の整数であり、一態様では、mは約10〜約4,000の整数であり、別の態様では、mは約50〜約2,000の整数であり、
、R、及びRは、それぞれ独立して、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、及びX−Zからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシからなる群から選択され、
前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み、一態様では、各二価アルキレンラジカルは、独立して、−(CH)s−からなる群から選択され(式中、sは約2〜約8、又は約2〜約4の整数である)、一態様では、前記アルキルシロキサンポリマーの各Xは、−CH−CH(OH)−CH−;
−CH−CH−CH(OH)−;及び
【0034】
【化4】
からなる群から選択される置換二価アルキレンラジカルを含み、
各Zは、
【0035】
【化5】
からなる群から独立して選択され、
前記β−ヒドロキシアミノシリコーン中の少なくとも1つのQは、独立して、
−CH−CH(OH)−CH−R
【0036】
【化6】
から選択され、
前記β−ヒドロキシアミノシリコーン中の各追加のQは、独立して、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、
−CH−CH(OH)−CH−R
【0037】
【化7】
からなる群から選択され、
式中、各Rは、独立して、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール又はC〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−L、及びシロキシル残基からなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C〜C18アルキルから選択され、
各Lは、独立して、−C(O)−R又はRから選択され、
wは0〜約500の整数であり、一態様では、wは約1〜約200整数であり、別の態様では、wは約1〜約50の整数であり、
各Rは、独立して、H;C〜C32アルキル;C〜C32置換アルキル;C〜C32又はC〜C32アリール;C〜C32又はC〜C32置換アリール;C〜C32アルキルアリール及びC〜C32置換アルキルアリール、並びにシロキシル残基からなる群から選択され、
各Tは、独立して、H、及び
【0038】
【化8】
から選択され、
式中、オルガノシリコーンの各vは、1〜約20の整数であり、一態様では、vは1〜約10の整数であり、
前記オルガノシリコーンの各Qの全てのv指数の合計は、約1〜約30、約1〜約20、又は更には約1〜約10の整数である。
【0039】
一態様では、β−ヒドロキシアミノシリコーンは、末端オルガノシリコーン(Z基が、存在する場合、オルガノシリコーンの分子鎖の末端に存在するオルガノシリコーン)であってもよく、式中、R及びRは、それぞれ独立して、H、OH、C〜C32アルキル、一態様ではメチル、及びC〜C32アルコキシ、一態様では−OCH又は−OCからなる群から選択され、Rは−X−Zであり、k=0であり、jは0〜約48の整数である。
【0040】
第2の態様では、かかる末端β−ヒドロキシアミノシリコーンは、以下の構造を有してよく、
【0041】
【化9】
式中、R及びRは、それぞれ独立して、C〜C32アルキル及びC〜C32アルコキシ基から選択される。上記末端オルガノシロキサンの一態様では、β−ヒドロキシアミノシリコーン中の少なくとも1つのQは、−CH−CH(OH)−CH−R
【0042】
【化10】
からなる群から選択され、前記オルガノシリコーン中の各追加のQは、独立して、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール;−CH−CH(OH)−CH−R
【0043】
【化11】
からなる群から選択され、式中、前記オルガノシリコーンの各vは、1〜約10から選択される整数であり、前記オルガノシリコーンの各Qの全てのv指数の合計は、約1〜30、1〜約20及び更には1〜約10の整数であり、全てのその他の指数及び部分は、前述の通りである。
【0044】
作成プロセス
プロトン性溶媒は、触媒溶媒として使用できる。プロトン性溶媒は、電気陰性原子に結合した水素原子を有する溶媒であり、水素がプロトンのような特性を有し、かつ水素結合特性を有し得る、高度に極性化した結合をもたらす。特定の選択されたプロトン性溶媒は、反応速度を増加させるのに特に有効であると認識されている。
【0045】
したがって、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子の作成プロセスであって、
a)1つ以上の一級及び/又は二級アミン部分を含む1つ以上の分子と、1つ以上のエポキシド部分を含む1つ以上の分子及びプロトン性溶媒を含む触媒と、を混合し、かかるプロトン性溶媒が、
(i)グラムあたり少なくとも0.007当量、グラムあたり約0.007〜約0.032当量、グラムあたり約0.009〜約0.026当量、グラムあたり約0.013〜約0.022当量のヒドロキシル当量を有し、
(ii)プロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分を含み、反応条件における混合物中のプロトン性溶媒の溶解度が少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%〜約20重量%、又は約0.5重量%〜約20重量%である、第1の混合物を形成する工程と、
b)かかる第1の混合物を、約20℃〜約200℃、約60℃〜約175℃、又は約100℃〜約160℃の温度まで加熱し、かかる温度を、約10秒間〜約48時間、約10分間〜約48時間、約10分間〜約20時間、約10分間〜約12時間、約10分間〜約6時間の間維持して、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物を形成する工程と、
c)かかる1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含む組成物を精製する工程と、
を含むプロセスが開示される。
【0046】
前記プロセスの一態様では、かかるプロトン性溶媒のプロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分は、α−β、α−γ、及びα−δからなる群から選択される、少なくとも1つの配座を有する。
【0047】
前記プロセスの一態様では、かかるプロトン性溶媒のプロトン性溶媒分子あたり少なくとも2つのヒドロキシル部分は、少なくとも1つのα−βである配座を有する。
【0048】
前記プロセスの一態様では、かかるプロトン性溶媒は、プロトン性溶媒分子あたり2つ又は3つのヒドロキシル部分を含む。
【0049】
前記プロセスの一態様では、かかるプロトン性溶媒は、少なくとも50℃、又は100℃〜約200℃の引火点を有する。
【0050】
前記プロセスの一態様では、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含むかかる組成物は、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含むオルガノ変性シリコーンを含む。
【0051】
前記プロセスの一態様では、1つ以上のβ−ヒドロキシアミン部分を含む1つ以上の分子を含むかかる組成物は、シリコーン部分を含まず、かかるプロトン性溶媒は水ではない。
【0052】
前記プロセスの一態様では、かかるプロトン性溶媒は、ジオール、トリオール、ポリオール、水、水/界面活性剤混合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
前記プロセスの一態様では、かかるジオールは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチレン−1,3−プロパンジオール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、4,5−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、及びグリセロールモノエーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0054】
前記プロセスの一態様では、かかるグリセロールモノエーテルは、3−プロポキシプロパン−1,2−ジオール、バチルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
前記プロセスの一態様では、かかるトリオールは、グリセロール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、アルコキシル化(alkoxyated)グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘプタントリオール、1,2,3−オクタントリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0056】
前記プロセスの一態様では、かかるポリオールは、ペンタエリスリトール、アルコキシル化ペンタエリスリトール、ソルビトール、アルコキシル化ソルビトール、グルコース、アルコキシル化グルコース、フルクトース、アルコキシル化フルクトース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
前記プロセスの一態様では、かかる、
a)アルコキシル化ペンタエリスリトールは、エトキシル化ペンタエリスリトール、プロポキシル化(proxylated)ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
b)アルコキシル化ソルビトールは、エトキシル化ソルビトール、プロポキシル化ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
c)アルコキシル化グルコースは、エトキシル化グルコース、プロポキシル化グルコース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)アルコキシル化フルクトースは、エトキシル化フルクトース、プロポキシル化フルクトース、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
e)並びにこれらの混合物である。
【0058】
前記プロセスの一態様では、かかるポリオールは、糖、炭化水素、アルコキシル化糖、アルコキシル化炭化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
前記プロセスの一態様では、1つ以上の一級及び/又は二級アミン部分を含む1つ以上のかかる分子は、アミノシリコーンを含む。
【0060】
前記プロセスの一態様では、かかるアミノシリコーンは、アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、アミノエチルアミノプロピル末端化ポリジメチルシロキサン、アミノプロピル末端化ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
一態様では、追加の触媒は、アミノシリコーン及びエポキシドと混合されてもよく、触媒は、エポキシドをアミノシリコーンと反応させるために使用される。この反応は、所望により溶媒中で行われてもよい。好適な溶媒には、エポキシドに対して非反応性であり、試薬(例えば、トルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF))を可溶化する任意の溶媒が含まれる。例えば、アミノシリコーンがエポキシドと組み合わされて、第1の混合物を形成してもよい。次いで、第1の混合物はトルエンに溶解されてもよく、触媒は、トルエンに溶解された混合物に加えられてもよい。
【0062】
プロトン性溶媒触媒に加えて、追加の触媒を使用してよい。β−ヒドロキシアミノシリコーンの作成に好適な触媒として、金属触媒が挙げられるが、これらに限定されない。用語「金属触媒」は、その定義の中に、金属成分を含む触媒を包含する。この定義は、AlClなどの金属塩及び物質、共有結合化合物、並びにBF及びSnClなどの物質を包含し、これらの全ては金属成分を含んでいる。金属成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、及びホウ素など、一般に金属として知られる全ての元素を含む。
【0063】
好適な触媒としては、TiCl、Ti(OiPr)、ZnCl、SnCl、SnCl、FeCl、AICl、BF、二塩化白金、塩化銅(II)、五塩化りん、三塩化リン、塩化コバルト(II)、酸化亜鉛、塩化鉄(II)、及びBF−OEt、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、金属触媒はルイス酸である。ルイス酸触媒の金属成分としては、Ti、Zn、Fe、Sn、B、及びAlが挙げられる。好適なルイス酸触媒としては、TiCl、SnCl、BF、AlCl、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様において、触媒は、SnCl又はTiClである。金属ルイス酸触媒は、約0.1モル%〜約5.0モル%、いくつかの態様では、約0.2モル%〜約1.0モル%、いくつかの態様では、約0.25モル%の濃度で使用され得る。
【0064】
β−ヒドロキシアミノシリコーンの作成に好適なその他の触媒として、塩基性触媒又はアルカリ性触媒が挙げられる。用語「塩基性触媒」は、その定義の中に、塩基性又はアルカリ性である触媒を含む。この定義は、KH、KOH、KOtBu、NaOEtなどのアルカリ塩及び物質、共有結合化合物、及び金属ナトリウムなどの成分を含む。
【0065】
好適な触媒としては、KOtBu、NaOEt、KOEt、NaOMe及びこれらの混合物などのアルカリ金属アルコキシレート、NaH、NaOH、KOH、CaO、CaH、Ca(OH)、Ca(OCH(CH、Na、並びにこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様において、触媒はアルカリ金属アルコキシレートから選択される。いくつかの態様において、塩基性触媒はルイス塩基である。好適なルイス塩基触媒としては、KOH、NaOCH、NaOC、KOtBu、NaOH、及びこれらの混合物が挙げられる。ルイス塩基触媒は、約0.1モル%〜約5.0モル%、いくつかの態様では、約0.2モル%〜約1.0モル%の濃度で使用され得る。アルカリ金属アルコキシレート触媒は、約2.0モル%〜約20.0モル%、いくつかの態様では、約5.0モル%〜約15.0モル%の濃度で使用され得る。
【0066】
一態様では、好適なβ−ヒドロキシアミノシリコーンは、以下の様な末端アミノシリコーンを、
【0067】
【化12】
構造
【0068】
【化13】
を有するエポキシドと反応させて、以下のオルガノシリコーンを生成することによって製造される。
【0069】
【化14】
【0070】
エポキシドは、アミノシリコーン中の1つ又は2つ以上のN−H基(すなわち、構造A中においてQ=水素)と反応し、以下の様な分枝状構造を生成できると認識されている。
【0071】
【化15】
【0072】
アミンN−H基の全てがエポキシドと反応する必要はないことも認識される。
【0073】
構造B、C、及びDと同様のオルガノ変性シリコーンは、以下の構造のアミノシリコーンを、
【0074】
【化16】
構造
【0075】
【化17】
のエポキシドと反応させることによって作成できることを、当業者は認識するであろう。
【0076】
一態様では、好適なβ−ヒドロキシアミノシリコーンは、以下の様な末端アミノシリコーンを、
【0077】
【化18】
構造
【0078】
【化19】
を有するエポキシドと反応させて、以下のオルガノシリコーンを生成することによって製造される。
【0079】
【化20】
【0080】
エポキシドは、アミノシリコーン中の1つ又は2つ以上のN−H基(すなわち、構造F中においてQ=水素)と反応し、以下の様な分枝状構造を生成できると認識されている。
【0081】
【化21】
【0082】
アミンN−H基の全てがエポキシドと反応する必要はないことも認識される。
【0083】
構造G、H、及びIと同様のβ−ヒドロキシアミノシリコーンは、以下の構造のアミノシリコーンを、
【0084】
【化22】
次の構造のエポキシドと反応させることによって作成することができることを、当業者は認識するであろう。
【0085】
【化23】
【実施例】
【0086】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0087】
実施例1〜23は、本発明のβ−ヒドロキシアミノシリコーンの作成例である。
【0088】
(実施例1)
プロトン性溶媒を2−プロパノールとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、5.0グラムの2−プロパノールと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、700rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)5.5グラムのプロピレンオキシドを投入する。反応器に、窒素を〜0.6MPa(〜90psig)まで充填し、125℃に加熱する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。22時間後、反応器を冷却し、生成物を排出して、無色透明の混合物を回収する。最終混合物の粘度は1750センチポアズである。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0089】
(実施例2)
プロトン性溶媒を1,2−ヘキサンジオールとする。
5.0グラムの1,2−ヘキサンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間15時間後の最終混合物の粘度は1450センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0090】
(実施例3)
プロトン性溶媒をヘキシレングリコールとする。
5.0グラムのヘキシレングリコールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は2200センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0091】
(実施例4)
18.93リットル(5ガロン)の反応器−プロトン性溶媒を1,2−ヘキサンジオールとする。
18.93リットル(5ガロン)のParr反応器(型番4555、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各6枚、直径13cm(5.25インチ))を用いて、14053グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を投入し、その後779グラムの1,2−ヘキサンジオールを投入する。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、400rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)125℃まで加熱する。続いて、この反応器に759グラムのプロピレンオキシドを投入し、その後窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にする。その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に取りながら、反応を実施させる。8時間後、106グラムのエタノールアミンを反応器に加え、残存するプロピレンオキシドと反応させる。反応器を100℃まで冷却し、一晩攪拌させる。翌日、反応器を冷却し、生成物を排出して、無色透明の混合物を回収する。最終混合物の粘度は2880センチポアズである。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0092】
(実施例5)
プロトン性溶媒を1,2−プロパンジオールとする。
3.2グラムの1,2−プロパンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は3450センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0093】
(実施例6)
プロトン性溶媒を1,2−ブタンジオールとする。
3.7グラムの1,2−ブタンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1570センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0094】
(実施例7)
プロトン性溶媒を1,3−ブタンジオールとする。
3.7グラムの1,3−ブタンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は2820センチポアズであり、濁っており無色である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0095】
(実施例8)
プロトン性溶媒を1,4−ブタンジオールとする。
3.7グラムの1,4−ブタンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は2140センチポアズであり、濁っており無色である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0096】
(実施例9)
プロトン性溶媒をジプロピレングリコールとする。
5.6グラムのジプロピレングリコールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1690センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0097】
(実施例10)
プロトン性溶媒をNeodol 25−1.8+水とする。
5.0グラムのNeodol 25−1.8及び2.5グラムの水と混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は520センチポアズであり、濁っており無色である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0098】
(実施例11)
プロトン性溶媒をネオペンチルグリコールとする。
4.3グラムのネオペンチルグリコールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1160センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0099】
(実施例12)
プロトン性溶媒をグリセロールプロポキシレートとする。
7.4グラムのグリセロールプロポキシレートと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1690センチポアズであり、濁っており無色である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0100】
(実施例13)
プロトン性溶媒を1,2−ヘキサンジオールとする。
5.0グラムの1,2−ヘキサンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、125℃において4.2グラムのエチレンオキシドと反応する。
【0101】
(実施例14)
プロトン性溶媒を2−プロパノールとする。
5.0グラムの2−プロパノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、125℃において4.2グラムのエチレンオキシドと反応する。
【0102】
(実施例15)
プロトン性溶媒を2−プロパノールとする。
5.0グラムの2−プロパノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−8008アミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、125℃において1.1グラムのプロピレンオキシドと反応する。
【0103】
(実施例16)
プロトン性溶媒を1,2−ヘキサンジオールとする。
5.0グラムの1,2−ヘキサンジオールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−8008アミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、125℃において1.1グラムのプロピレンオキシドと反応する。
【0104】
(実施例17)
プロトン性溶媒をメタノールとする。
2.7グラムのメタノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1750センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0105】
(実施例18)
プロトン性溶媒を1−ブタノールとする。
6.2グラムの1−ブタノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1390センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0106】
(実施例19)
プロトン性溶媒を2−ブタノールとする。
6.2グラムの2−ブタノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1500センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0107】
(実施例20)
プロトン性溶媒を三級ブタノールとする。
6.2グラムの三級ブタノールと混合する100.0グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、その後の分析のためにいくつかのサンプルを反応中に定期的に取りながら、125℃において5.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。反応時間21時間後の最終混合物の粘度は1230センチポアズであり、無色透明である。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0108】
(実施例21)
プロトン性溶媒を1,2−ヘキサンジオールとする。
2.3グラムの1,2−ヘキサンジオールと混合する16.2グラムのエポキシプロポキシプロピル末端化ポリジメチルシロキサンDMS−E12(Gelest,Inc.から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、続いて、125℃において30.00グラムのポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)406686(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能)と反応する。
【0109】
(実施例22)
モノメチルアミン/PO/TAS(ジオールをその場で形成、プロセス単純化)
100.0グラムのShin−Etsu KF−8008アミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、反応器に投入し、続いて、1.0グラムのモノメチルアミンと反応し、その後125℃において9.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。この手順によって、5グラムのN−メチルジイソプロパノールアミンがその場で形成され、反応で用いる二プロトン性触媒となる。
【0110】
【化24】
【0111】
(実施例23)
アンモニア/PO/TAS(トリオールをその場で形成、プロセス単純化)
100.0グラムのShin−Etsu KF−8008アミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を用いて、実施例1の基本的手順を繰り返し、反応器に投入し、続いて、0.44グラムのアンモニアと反応し、その後125℃において9.5グラムのプロピレンオキシドと反応する。この手順によって、5グラムのトリイソプロパノールアミンがその場で形成され、反応で用いる三プロトン性触媒となる。
【0112】
【化25】
【0113】
(実施例24)
プロトン性溶媒を1,2,4−ブタントリオールとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。390グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、11.7グラムの1,2,4−ブタントリオールと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にし、125℃まで加熱する。続いて、500rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)、22グラムのプロピレンオキシドを反応器に投入する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。分析によって反応完了が示された後に、反応器を冷却し、生成物を排出して、白色不透明な混合物を回収する。サンプルを滴定によって分析し、一級及び二級アミンの残存量を測定する。
【0114】
(実施例25)
プロトン性溶媒を1,2,6−ヘキサントリオールとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。383グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、14.6グラムの1,2,6−ヘキサントリオールと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にし、125℃まで加熱する。続いて、500rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)、21グラムのプロピレンオキシドを反応器に投入する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。分析によって反応完了が示された後に、反応器を冷却し、生成物を排出して、白色不透明な混合物を回収する。サンプルを滴定によって分析し、一級及び二級アミンの残存量を測定する。
【0115】
(実施例26)
プロトン性溶媒を1,2−オクタンジオールとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。392グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、23.8グラムの1,2−オクタンジオールと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にし、125℃まで加熱する。続いて、500rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)、23グラムのプロピレンオキシドを反応器に投入する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。分析によって反応完了が示された後に、反応器を冷却し、生成物を排出して、琥珀色半透明の混合物を回収する。サンプルを滴定によって分析し、一級及び二級アミンの残存量を測定する。
【0116】
(実施例27)
プロトン性溶媒を1,6−ヘキサンジオールとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。215グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、10.6グラムの1,6−ヘキサンジオールと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にし、125℃まで加熱する。続いて、500rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)、23グラムのプロピレンオキシドを反応器に投入する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。分析によって反応完了が示された後に、反応器を冷却し、生成物を排出して、白色不透明な混合物を回収する。サンプルを滴定によって分析し、一級及び二級アミンの残存量を測定する。
【0117】
(実施例28)
プロトン性溶媒を1,2−ジヒドロキシベンゼンとする。
600ミリリットルのParr反応器を用いる(型番4563、2つの各ピッチのブレード付きインペラ、ブレード各4枚、直径3.5cm(1.38インチ))。373グラムのShin−Etsu KF−867Sアミノシリコーン(Shin−Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)を、17.1グラムの1,2−ジヒドロキシベンゼンと混合し、真空を用いて反応器内に引き込む。反応器に、真空及び窒素サイクルを用いて空気をパージし、次いで、窒素を投入して〜0.6MPa(〜90psig)にし、125℃まで加熱する。続いて、500rpmで攪拌しながら(全体を通して用いる)、21グラムのプロピレンオキシドを反応器に投入する。反応を実施させ、その後の分析のためにサンプルを反応中に取る。分析によって反応完了が示された後に、反応器を冷却し、生成物を排出して、褐色不透明な混合物を回収する。プロピレンオキシドとポリマー中のアミノ基の反応%に関して、サンプルをNMRで分析する。
【0118】
以下の表に記載のプロトン性溶媒について、ヒドロキシル基の同一当量において全て試験した。実施例3〜8、11、23、及び25は、多数のヒドロキシル基をごく近接して有するプロトン性溶媒を表す。実施例9及び12は、多数のヒドロキシル基を有するのみのプロトン性溶媒を表す。実施例1及び17〜20は、単一ヒドロキシル基を有するために、ごく近接する機会がないプロトン性溶媒を表す。実施例21〜22、及び24は、アミン供給材料中の溶解度が限定されるプロトン性溶媒を表す。
【0119】
【表1】
アミン供給材料中の溶解度が限定されるプロトン性溶媒
【0120】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0121】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0122】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。