【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
<セメントモルタルの作製>
以下に示すA−1〜K−1から選定される材料合計50kgと、全使用量のうち85%の練り水とを、練り容量100Lの左官ミキサーに投入し、20℃にて、1分間一次混合をした。次いで、残りの15%の練り水を、上記ミキサーに投入し、2分間又は4分間二次混合をして、表1に示す配合割合のセメントモルタルを得た。
【0027】
<使用した材料>
A−1:アクリル繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アクリル繊維3、アクリル繊維長:3mm)
A−2:アクリル繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アクリル繊維5、アクリル繊維長:5mm)
A−3:アクリル繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アクリル繊維12、アクリル繊維長:12mm)
A−4:アクリル繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アクリル繊維24、アクリル繊維長:24mm)
A−5:アクリル繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アクリル繊維30、アクリル繊維長:30mm)
A−6:ガラス繊維(太平洋マテリアル(株)、商品名:アンチクラックHD、繊維長:12mm)
【0028】
B−1:普通セメント(太平洋セメント(株)、商品名:普通ポルトランドセメント)
C−1:膨張材(太平洋マテリアル(株)、商品名:太平洋エクスパンEX−K)
D−1:無機質微粉(常磐火力産業(株)、商品名:常磐フライアッシュ(JIS A 6201相当品))
D−2:無機質微粉(ニッチツ資源開発(株)、商品名:石灰石SP30(BL2500cm
2/g)
【0029】
E−1:細骨材(無機系)(太平洋マテリアル(株)、商品名:太平洋パーライト4B)
E−2:細骨材(無機系)(太平洋マテリアル(株)、商品名:太平洋パーライトP1B)
E−3:細骨材(有機系)((株)トーメン、商品名:スバル細目(スチロール))
E−4:細骨材(有機系)(三福産業(株)、商品名:三福2mm(EVA))
E−5:細骨材(有機系)(吉岡産業(株)、商品名:吉岡1mm)
F−1:保水剤(SEタイロース(株)、商品名:チローゼMH6002P4)
【0030】
G−1:減水剤(太平洋マテリアル(株)、商品名:コアフローNF200)
H−1:消泡剤(サンノプコ(株)、商品名:SND−AHP)
I−1:撥水剤(日本油脂(株)、商品名:カルシウムステアレート)
J−1:粉末ポリマー(WACKER社、商品名:ビナパス7055N)
K−1:収縮低減剤(太平洋マテリアル(株)、商品名 テトラガードPW)
L−1:練り水(水道水)
【0031】
【表1】
【0032】
<セメントモルタルの評価>
前記の操作で得られた各セメントモルタルについて、以下に示す評価及び試験を行った。密度、軟度及び混合性は、合計で3分間混合したセメントモルタルと、合計で5分間混合したセメントモルタルについて、それぞれ評価を行い、左官施工性、長さ変化及び曲げ強度は、合計で5分間混合したセメントモルタルについて、評価又は試験を行った。結果を表2に示す。
【0033】
(密度評価)
容積2Lのマスを用いてセメントモルタルの単位体積重量を測定し、左官施工に適した密度が得られているか否かの評価指標とした。単位体積重量が1.05〜1.25kg/Lであれば、左官施工に適した密度が得られていると判断した。
【0034】
(軟度の評価)
JIS R 5201に準じた方法で、練り上がり直後のセメントモルタルのフロー値を測定し、左官施工に適した軟度(コンシステンシー)が得られているか否かの評価指標とした。
フロー値が155〜185mmであれば、左官施工に適した軟度(コンシステンシー)が得られている(○)と判断した。
また、3分混合、5分混合のどちらで得ても、フロー値が160〜185mmとなるセメントモルタルを、左官施工に非常に適した軟度をもつもの(◎)と判断した。
【0035】
(混合性の評価)
混合終了後、左官ミキサー内の練り上がり性状を目視で観察した。次いで、セメントモルタルを採取してJIS R 5201に準じた方法でモルタルフロー値を測定した。練り上がり性状として練り残しが無く、且つフロー値が155mm以上であれば混合性が「良好」と判断した。練り上がり性状として練り残しが有り、フロー値が155mm未満であれば混合性が「不良」と判断した。
【0036】
(左官施工性の評価)
戸建住宅の外壁下地を模擬し、450×900×12mmの合板を地面に垂直に設置し、これに、防水シートと、網目1cm幅のメタルラスとをステーブルで留め、施工性の確認を行うための下地とした。この合板の平板面に対するコテ塗りによる施工性を、次の(a)〜(d)の4種の方法で評価した。
【0037】
(a)コテ伸び性:市販の金コテを用いて、設置した平板面にセメントモルタルを塗り付け、塗り斑無くセメントモルタルを広く伸ばし、5分以内に塗り付けできたものをコテ伸び性「良好」と判断した。また、それ以外の状況となったものは「不良」と判断した。
【0038】
(b)コテ切れ性:塗り付け後の金コテにセメントモルタルが付着残存していないものをコテ切れ性「良好」と判断した。また、それ以外の状況となったものは「不良」と判断した。
【0039】
(c)平滑性:市販の金コテを用いて、設置した平板面にセメントモルタルを塗り付け、塗り付けたセメントモルタルに、金コテを数回当てて整えたときに、概ね平滑な面が得られるものを平滑性「良好」と判断した。また、それ以外の状況となったものは「不良」と判断した。
【0040】
(d)ダレ・接着性:セメントモルタルを金コテで塗り付けた後、モルタルのダレが無く、合板のメタルラスに接着しているものを、ダレ・接着性が「良好」と判断した。また、それ以外の状況となったものは「不良」と判断した。
【0041】
(長さ変化の評価)
JASS 15M−102に準拠した方法で作製した長さ変化試験用の4×4×16cmの供試体を用い、JIS R 1129に準じた方法で、セメントモルタルの長さ変化を測定した。目標値は、JASS 15M−102の既調合軽量セメントモルタルの品質基準の材齢28日で長さ変化率が0.15%以下であれば「良好」と判断した。
【0042】
(曲げ強度の評価)
JASS 15M−102に準拠した方法で作製した長さ変化試験用の4×4×16cmの供試体を用い、JIS R 5201に準じた方法で、セメントモルタルの曲げ強度を測定した。目標値は、JASS 15M−102の既調合軽量セメントモルタルの品質基準の材齢28日で曲げ強度2.0N/mm
2以上であれば「良好」と判断した。
【0043】
【表2】
【0044】
表2の結果より、本発明品1〜11は、建築下地材として良好な軟度と混合性を有し、左官施工性として良好な「コテ伸び性」、「コテ切れ性」、「平滑性」、「ダレ・接着性」が有り、且つ目標値はJASS 15M−102の既調合軽量セメントモルタルの品質基準の長さ変化と曲げ強度を有していることがわかる。