特許第5746561号(P5746561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746561
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】対基板作業機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   H05K13/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-117211(P2011-117211)
(22)【出願日】2011年5月25日
(65)【公開番号】特開2012-248577(P2012-248577A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】近藤 弘規
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−224764(JP,A)
【文献】 特開2008−021821(JP,A)
【文献】 特開2004−193196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、回路基板を搬送するとともに、回路基板に対する作業である対基板作業が行われる位置において回路基板を保持する1対の搬送装置と、
それら1対の搬送装置に対応して設けられ、それぞれが前記対基板作業を実行可能な1対の対基板作業実行装置と、
(a)前記1対の対基板作業実行装置の各々が、前記1対の搬送装置のうちの自身に対応するものに保持された回路基板に対して、独立して前記対基板作業を行う独立作業モードと、(b)前記1対の対基板作業実行装置が、前記1対の搬送装置のいずれかに保持された回路基板に対して、協調して前記対基板作業を行う協調作業モードとが選択的に実現されるように、前記1対の対基板作業実行装置の各々の作動を制御する制御装置と、
前記1対の対基板作業実行装置に対応して設けられた1対の表示装置と
を備え、
前記制御装置は、
(A)前記独立作業モードにおいて、前記1対の表示装置の各々に、前記1対の対基板作業実行装置のうちのその各々に対応するものが独立して行う前記対基板作業に関する個別の情報を表示する独立作業モード時表示部と、(B)前記協調作業モードにおいて、前記1対の表示装置に、前記1対の対基板作業実行装置が協調して行う前記対基板作業に関する同じ情報を表示する協調作業モード時表示部とを有する対基板作業機。
【請求項2】
当該対基板作業機は、
前記1対の対基板作業実行装置に対応して設けられ、それぞれが前記1対の対基板作業実行装置のうちの自身に対応するものを操作可能な1対の操作スイッチを備え、
前記制御装置は、
前記独立作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置の各々の作動を、前記1対の操作スイッチの各々の操作に基づいて制御する独立作業モード時スイッチ依拠制御部を有する請求項1に記載の対基板作業機。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記協調作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置のうちの前記1対の表示装置に表示される情報に基づいて対処すべきものの作動のみを、その対処すべきものに対応する前記1対の操作スイッチのいずれかの操作に基づいて制御する協調作業モード時スイッチ依拠制御部を有する請求項2に記載の対基板作業機。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記独立作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置の一方の前記対基板作業の中断に関する情報が前記1対の表示装置の一方に表示されている状況下であっても、前記1対の対基板作業実行装置の他方は前記対基板作業を中断することなく継続して行うように、その他方の作動を制御する請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の対基板作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に対して回路部品の実装作業等の対基板作業を行う対基板作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対基板作業機は、通常、搬送装置によって、回路基板を搬送するとともに対基板作業が行われる位置において回路基板を保持し、対基板作業実行装置によって対基板作業を実行する構造とされている。このような構造の対基板作業機には、生産性の向上を図るべく、下記特許文献に記載されているように、1対の搬送装置と、それら1対の搬送装置に対応して設けられた1対の対基板作業実行装置とを備えたものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−39973号公報
【特許文献2】特表2002−17699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1対の搬送装置と1対の対基板作業実行装置とを備えた対基板作業機では、例えば、(a)1対の対基板作業実行装置の各々が、1対の搬送装置のうちの自身に対応するものに保持された回路基板に対して、独立して対基板作業を行う独立作業モードと、(b)1対の対基板作業実行装置が、1対の搬送装置のいずれかに保持された回路基板に対して、協調して対基板作業を行う協調作業モードとを選択的に実行することが可能である。このように2つのモードを選択的に実行可能な対基板製造作業機によれば、回路基板の形状,回路基板に実装される回路部品の種類,個数等に応じて、各モードを選択することが可能となり、生産性の向上等を図ることが可能となる。
【0005】
また、対基板作業機には、通常、表示装置が設けられており、表示装置に対基板作業に関する情報が表示されるようになっている。その表示装置に表示された情報によって、オペレータは、対基板作業機の作動状況を確認することが可能となっており、作動状況に応じて様々な対処を施す。具体的にいえば、例えば、対基板作業実行装置に供給すべき回路部品の不足が確認された場合には、オペレータは回路部品を補充し、また、現在行われている作業工程の完了が確認された場合には、オペレータは、次に行うべき作業工程の準備等を行う。このため、オペレータによる対基板作業機の作動状況の確認が遅れると、対基板作業が中断したり、中断が長引き、生産性が低下する虞がある。特に、1対の搬送装置と1対の対基板作業実行装置とを備え、独立作業モードと協調作業モードとの2つのモードを選択的に実現可能な対基板作業機には、1対の対基板作業実行装置に対応して1対の表示装置が設けられているものがあり、それら2つの表示装置に、適切に対基板作業に関する情報を表示しなければ、オペレータへの対基板作業機の作動状況の報知が遅れる虞がある。
【0006】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、1対の搬送装置と1対の対基板作業実行装置とを備え、上記2つのモードを選択的に実現可能な対基板作業機において、2つのモードのうちのいずれのモードであっても、対基板作業に関する情報を確実かつ迅速にオペレータに報知可能な対基板作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の対基板作業機は、それぞれが、回路基板を搬送するとともに、回路基板に対する作業である対基板作業が行われる位置において回路基板を保持する1対の搬送装置と、それら1対の搬送装置に対応して設けられ、それぞれが前記対基板作業を実行可能な1対の対基板作業実行装置と、(a)前記1対の対基板作業実行装置の各々が、前記1対の搬送装置のうちの自身に対応するものに保持された回路基板に対して、独立して前記対基板作業を行う独立作業モードと、(b)前記1対の対基板作業実行装置が、前記1対の搬送装置のいずれかに保持された回路基板に対して、協調して前記対基板作業を行う協調作業モードとが選択的に実現されるように、前記1対の対基板作業実行装置の各々の作動を制御する制御装置と、前記1対の対基板作業実行装置に対応して設けられた1対の表示装置とを備え、前記制御装置は、(A)前記独立作業モードにおいて、前記1対の表示装置の各々に、前記1対の対基板作業実行装置のうちのその各々に対応するものが独立して行う前記対基板作業に関する個別の情報を表示する独立作業モード時表示部と、(B)前記協調作業モードにおいて、前記1対の表示装置に、前記1対の対基板作業実行装置が協調して行う前記対基板作業に関する同じ情報を表示する協調作業モード時表示部とを有するように構成される。
【0008】
本項に記載の「対基板作業」は、回路基板に対する作業であればよく、例えば、回路基板に電子部品等の回路部品を実装するために必要な作業であればよい。具体的には、例えば、回路基板に回路部品を装着する装着作業,回路基板に接着剤を塗布する塗布作業,回路基板にクリームはんだを印刷するはんだ印刷作業,それら各作業の少なくとも1つを検査する検査作業等が挙げられる。
【0009】
本項に記載の「対基板作業実行装置」は、対基板作業を実行する作業ヘッドと、その作業ヘッドを任意の位置に移動させる作業ヘッド移動装置とを有していることが望ましく、作業ヘッドが作業ヘッド移動装置に脱着可能であり、種々の作業ヘッドが用意されている場合には、様々な対基板作業を実行することが可能となる。
【0010】
本項に記載の「表示装置」に表示される情報は、対基板作業に関するものであればよく、例えば、対基板作業の進捗情報,対基板作業に影響を及ぼす情報,対基板作業の終了情報等が挙げられる。対基板作業の進捗情報は、例えば、対基板作業実行装置の作動状況等であり、対基板作業実行装置が良好な状態で作動しているか否かの情報であってもよい。さらに、対基板作業実行装置が何らかのトラブルによって作動していない場合には、そのトラブルが表示されるべき情報として含まれてもよい。また、対基板作業に影響を及ぼす情報は、対基板作業実行装置だけでなく、対基板作業実行装置以外の装置に関する情報であってもよく、具体的には、回路基板に装着すべき回路部品を供給する供給装置に関する情報、例えば、供給すべき回路部品の不足等が挙げられる。また、対基板作業の終了情報は、例えば、対基板作業が終了し、対基板作業機による作業工程が完了したことを示す情報、若しくは、作業工程の完了が予測されることを示す情報等であってもよい。
【0011】
また、請求項2に記載の対基板作業機は、請求項1に記載の対基板作業機において、前記1対の対基板作業実行装置に対応して設けられ、それぞれが前記1対の対基板作業実行装置のうちの自身に対応するものを操作可能な1対の操作スイッチを備え、前記制御装置は、前記独立作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置の各々の作動を、前記1対の操作スイッチの各々の操作に基づいて制御する独立作業モード時スイッチ依拠制御部を有するように構成される。
【0012】
また、請求項3に記載の対基板作業機は、請求項2に記載の対基板作業機において、前記制御装置は、前記協調作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置のうちの前記1対の表示装置に表示される情報に基づいて対処すべきものの作動のみを、その対処すべきものに対応する前記1対の操作スイッチのいずれかの操作に基づいて制御する協調作業モード時スイッチ依拠制御部を有するように構成される。
【0013】
また、請求項4に記載の対基板作業機は、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の対基板作業機において、前記制御装置は、前記独立作業モードにおいて、前記1対の対基板作業実行装置の一方の前記対基板作業の中断に関する情報が前記1対の表示装置の一方に表示されている状況下であっても、前記1対の対基板作業実行装置の他方は前記対基板作業を中断することなく継続して行うように、その他方の作動を制御するように構成される。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の対基板作業機において、独立作業モードでは、1対の対基板作業実行装置の各々の対基板作業に関する情報が、その各々に対応する表示装置に個別に表示される。つまり、独立作業モードでは、1対の表示装置のうちの一方の表示装置に、他方の表示装置への表示内容に関わらず、その一方の表示装置に対応する対基板作業実行装置に関する情報を表示することが可能となる。これにより、オペレータは、各対基板作業実行装置の作動状況等を個別に把握することが可能となり、各対基板作業実行装置の作動状況に応じた対処を迅速に行うことが可能となる。一方、協調作業モードでは、1対の対基板作業実行装置によって協調して行われる対基板作業に関する情報が、1対の表示装置に同じ内容で表示される。つまり、オペレータは、1対の表示装置のいずれにおいても、1対の対基板作業実行装置による協調作業の作動状況を把握することが可能となり、その協調作業の作動状況に応じた対処を迅速に行うことが可能となる。したがって、請求項1に記載の対基板作業機によれば、上記2つのモードのうちのいずれのモードにおいても、対基板作業に関する情報を確実かつ迅速にオペレータに報知することが可能となる。
【0015】
また、請求項2に記載の対基板作業機において、独立作業モードでは、1対の対基板作業実行装置の各々を、その各々に対応するスイッチによって個別に操作することが可能とされている。つまり、独立作業モードでは、1対のスイッチのうちの一方のスイッチによって、他方のスイッチの操作状況に関わらず、その一方のスイッチに対応する対基板作業実行装置を操作することが可能となる。したがって、請求項2に記載の対基板作業機によれば、1対の対基板作業実行装置の各々の操作を迅速に行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項3に記載の対基板作業機において、協調作業モードでは、1対の対基板作業実行装置のうちの対処すべき装置のみをスイッチによって操作することが可能であり、1対の対基板作業実行装置のうちの対処すべき必要性の低い装置をスイッチによって操作することができなくなっている。これにより、優先順位の高い装置に対して迅速に何らかの処置を施すことが可能となる。
【0017】
また、請求項4に記載の対基板作業機では、1対の対基板作業実行装置の一方の作動が中断しているとき、若しくは、一方の作動が中断すると想定されるときであっても、他方の作動を継続して行うことが可能となっている。したがって、請求項4に記載の対基板作業機によれば、対基板作業実行装置の無駄な中断を省くことが可能となり、生産性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例である対基板作業機を示す斜視図である。
図2図1に示す対基板装置をカバーおよび正面扉を取り外した状態で示す平面図である。
図3図1に示す対基板作業機の備えるパネル装置を示す図である。
図4図1に示す対基板作業機の備える制御装置を示すブロック図である。
図5】協調作業モードでの対基板作業機の作動状態を示す平面図である。
図6】協調作業モードでの対基板作業機の作動状態および1対の表示装置の各々の表示状態を示す図である。
図7】個別作業モードでの対基板作業機の作動状態および1対の表示装置の各々の表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0020】
<対基板作業システムの構成>
図1に、対基板作業システム10を示す。対基板作業システム10は、回路基板に対して回路部品の装着作業を行う回路部品装着システムであり、2台の回路部品装着作業機(以下、「作業機」と略す場合がある)20が並んで一体的に形成されたシステムである。なお、本実施例では、2つの作業機20の並ぶ方向をX軸方向と、その方向に直角であり水平な方向をY軸方向と称し、説明を行う。
【0021】
それら2つの作業機20は互いに同じ構成であることから、2つの作業機20のうちの一方を図2に示し、その一方の作業機20を代表して説明する。ちなみに、図2は、作業機20の中央カバー22およびその中央カバー22のY軸方向における両側に設けられた2つの正面扉24を取り除いた状態での作業機20を上方からの視点において示した概略平面図である。
【0022】
作業機20は、回路基板30を搬送する1対の搬送装置32,34を備えており、それら1対の搬送装置32,34は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにベース36上に配設されている。1対の搬送装置32,34は、Y軸方向において対称的に配設されており、互いに同じ構成とされている。1対の搬送装置32,34の各々は、電磁モータ38(図4参照)によって1対のコンベアベルト40を周回させることで、コンベアベルト40に支持される回路基板30をX軸方向に搬送する構造とされている。さらに、1対の搬送装置32,34の各々は、基板保持装置42(図4参照)を有しており、所定の位置(図2での回路基板30が図示されている位置)において回路基板30を固定的に保持する構造とされている。なお、1対の搬送装置32,34を区別するべく、1対の搬送装置32,34のうちの一方の搬送装置(図2における下方に位置する搬送装置)を第1搬送装置32と、他方の搬送装置(図2における上方に位置する搬送装置)を第2搬送装置34と呼ぶ場合がある。
【0023】
作業機20は、1対の搬送装置32,34に対応して1対の作業ヘッド50,52を備えており、それら1対の作業ヘッド50,52を区別する場合には、第1搬送装置32に対応するもの(図2における下方に位置する作業ヘッド)を第1作業ヘッド50と、第2搬送装置34に対応するもの(図2における上方に位置する作業ヘッド)を第2作業ヘッド52と呼ぶ場合がある。作業ヘッド50,52は、搬送装置32,34によって保持された回路基板30に対して回路部品を装着するものであり、下面に回路部品を吸着する吸着ノズル54を有する装着ヘッドである。吸着ノズル54は、正負圧供給装置56(図4参照)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、負圧にて回路部品を吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した回路部品を離脱する構造とされている。さらに、作業ヘッド50,52は、吸着ノズル54を昇降させるノズル昇降装置(図4参照)58および吸着ノズル54をそれの軸心回りに回転させるノズル回転装置(図4参照)60を有しており、保持する回路部品の上下方向の位置および回路部品の保持姿勢を変更することが可能とされている。なお、吸着ノズル54は、作業ヘッド50,52に着脱可能とされており、回路部品のサイズ,形状等に応じて変更することが可能とされている。
【0024】
作業機20は、さらに、1対の作業ヘッド50,52を個別に移動可能な移動装置62を備えており、その移動装置62によって、1対の作業ヘッド50,52の各々を、ベース36上の任意の位置に移動させることが可能となっている。具体的には、移動装置62は、1対の作業ヘッド50,52が取り付けられる1対のスライダ63と、それら1対のスライダ63をX軸方向に移動させる1対のX軸方向スライド装置64と、それら1対のX軸方向スライド装置64の各々をY軸方向に移動させるY軸方向スライド装置66とを有している。Y軸方向スライド装置66は、Y軸方向に延びる1対のY軸方向ガイドレール68を有しており、それら1対のY軸方向ガイドレール68にX軸方向スライド装置64の有するX軸方向ガイドレール70が上架されている。X軸方向ガイドレール70は、Y軸方向ガイドレール68と直交しており、Y軸方向スライド装置66の有する電磁モータ72(図4参照)によってY軸方向の任意の位置に移動可能とされている。そのX軸方向ガイドレール70は、自身の軸線に沿って移動可能にスライダ63を保持しており、そのスライダ63は、X軸方向スライド装置64の有する電磁モータ74(図4参照)によってX軸方向の任意の位置に移動可能とされている。このような構造により、1対の作業ヘッド50,52の各々は、移動装置62によってベース36上の任意の位置に移動可能とされている。なお、作業ヘッド50,52は、スライダ63にワンタッチで着脱可能とされており、種類の異なる作業ヘッド、例えば、ディスペンサヘッド等に変更することが可能とされている。
【0025】
また、作業機10は、1対の作業ヘッド50,52に対応して1対の供給装置76,78を備えており、それら1対の供給装置76,78は、ベース36のY軸方向における両側部に配設されている。ちなみに、1対の供給装置76,78を区別する場合には、第1作業ヘッド50に対応するもの(図2における下方に位置する供給装置)を第1供給装置76と、第2作業ヘッド52に対応するもの(図2における上方に位置する供給装置)を第2供給装置78と呼ぶ場合がある。各供給装置76,78は、テーピング化された回路部品を保持して1つずつ回路部品を送り出すテープフィーダ80を複数有しており、それら複数のテープフィーダ80の各々によって、作業ヘッド50,52への供給位置に回路部品を供給する構造とされている。
【0026】
なお、テープフィーダ80は、供給するべき回路部品の不足,回路部品の種類の交換等に対応するべく、供給装置76,78に着脱可能とされており、テープフィーダ80が供給装置76,78に取り付けられた状態を維持するため、つまり、テープフィーダ80を供給装置76,78に固定するためのフィーダ固定機構82(図4参照)を有している。フィーダ固定機構82は、テープフィーダ80を供給装置76,78から取り外せないようにロックした状態と、そのロックを解除した状態とで切換可能とされている。
【0027】
また、作業機10は、1対の作業ヘッド50,52に対応して、1対のマークカメラ84および1対のパーツカメラ86を備えている。各マークカメラ84は、下方を向いた状態でスライダ63の下面に固定されており、移動装置62によって移動させられることで、回路基板30の表面を任意の位置において撮像することが可能となっている。一方、各パーツカメラ86は、供給装置76,78と回路基板30との間において、上を向いた状態でベース36上に設けられており、作業ヘッド50,52の有する吸着ノズル54によって吸着保持された回路部品を撮像することが可能となっている。各マークカメラ84によって得られた画像データおよび、各パーツカメラ86によって得られた画像データは、画像処理装置88(図4参照)において処理され、回路基板30に関する情報,基板保持装置42による回路基板30の保持位置誤差,吸着ノズル54による回路部品の保持位置誤差等が取得される。
【0028】
また、作業機10の上部には、図1に示すように、ベース36のY軸方向における両側部を覆うようにして1対の正面扉24が設けられている。各正面扉24は、作業機10の上部に、水平かつX軸方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられており、作業機10の内部を覆う閉位置と、作業機10の内部を開放する開位置との間で回動可能とされている。各正面扉24には、閉状態を維持するための正面扉固定機構90(図4参照)が設けられており、その正面扉固定機構90によって、正面扉24を閉状態にロックした状態と、そのロックを解除した状態とで切換可能とされている。
【0029】
作業機10は、図1に示すように、Y軸方向における両側面に1対のパネル装置100,102を備えている。ちなみに、図1の対基板作業システム10は2台の作業機10が一体的に形成された構造となっているため、図1には、4台のパネル装置が図示されている。各パネル装置100,102は、図3に示すように、作業ヘッド50,52等による回路基板30に対する作業である装着作業に関する情報を表示する表示画面104を有しており、各作業ヘッド50,52に対応して設けられている。1対のパネル装置100,102を区別する場合には、第1作業ヘッド50に対応するものを第1パネル装置100と、第2作業ヘッド52に対応するものを第2パネル装置102と呼ぶ場合がある。なお、各パネル装置100,102の表示画面104の下方には、後に詳しく説明する装着停止スイッチ106,装着開始スイッチ108,フィーダ固定スイッチ110,フィーダ解除スイッチ112,正面扉固定スイッチ114,正面扉解除スイッチ116,緊急停止スイッチ118が設けられている。
【0030】
さらに、作業機10は、図4に示すように、制御装置120を備えている。制御装置120は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ122と、上記電磁モータ38,72,74,基板保持装置42,正負圧供給装置56,ノズル昇降装置58,ノズル自転装置60,テープフィーダ80,フィーダ固定機構82,正面扉固定機構90の各々に対応する複数の駆動回路124と、表示画面104の制御回路126とを備えている。コントローラ122には、マークカメラ84およびパーツカメラ86によって得られた画像データを処理する画像処理装置88,上記各種スイッチ106,108,110,112,114,116,118が接続されており、さらに、赤外線による検知センサ128も接続されている。検知センサ128は、1対の搬送装置32,34の間に設けられており、それらの間を何らかのものが横切ったことを検知する構造とされている。
【0031】
コントローラ122には、各駆動回路124を介して搬送装置,移動装置等の各装置32,34,50等の駆動源が接続されており、搬送装置,移動装置等の各装置32,34,50等の作動を制御することが可能とされている。また、コントローラ122には、制御回路126を介して表示画面104が接続されており、作業ヘッド50,52等による装着作業に関する情報を表示することが可能とされている。
【0032】
<作業機による対基板作業>
(A)独立作業モードにおける対基板作業
作業機10では、上述した構成によって、1対の作業ヘッド50,52の各々によって、その各々に対応する搬送装置32,34に保持された回路基板30に対して、対基板作業としての装着作業を独立して行うことが可能とされている。つまり、独立作業モードにおいて、装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、第1作業ヘッド50と、その第1作業ヘッド50が取り付けられるスライダ63と、そのスライダ63を移動可能に保持するX軸方向スライド装置64と、そのX軸方向スライド装置64を移動可能に保持するY軸方向スライド装置66とによって構成される第1装着作業実行装置130が、第1供給装置76によって供給される回路部品を、第1搬送装置32によって保持される回路基板30上に装着する第1の装着作業が単独で実行される。一方、第2作業ヘッド52と、その第2作業ヘッド52が取り付けられるスライダ63と、そのスライダ63を移動可能に保持するX軸方向スライド装置64と、そのX軸方向スライド装置64を移動可能に保持するY軸方向スライド装置66とによって構成される第2装着作業実行装置132が、第2供給装置78によって供給される回路部品を、第2搬送装置34によって保持される回路基板30上に装着する第2の装着作業が単独で実行される。このように、独立作業モードでは、第1の装着作業と第2の装着作業との各々が独立して実行されるのである。
【0033】
第1の装着作業と第2の装着作業とは、略同じ手順で行われることから、第1の装着作業を代表して説明する。第1の装着作業では、まず、第1搬送装置32によって、回路基板30を装着作業位置まで搬送するとともに、その位置において回路基板30を固定的に保持する。次に、移動装置62によって、第1作業ヘッド50を回路基板30上に移動させ、マークカメラ84によって、回路基板30を撮像する。その撮像により回路基板30の種類,第1搬送装置32による回路基板30の保持位置誤差が取得される。その取得された回路基板30の種類に応じた回路部品を第1供給装置76のテープフィーダ80によって供給し、その回路部品の供給位置に、第1作業ヘッド50を移動装置62によって移動させる。これにより、第1作業ヘッド50の吸着ノズル54によって回路部品が吸着保持される。続いて、回路部品を保持した状態の第1作業ヘッド50を、移動装置62によってパーツカメラ86上に移動させ、パーツカメラ86によって、第1作業ヘッド50に保持された回路部品を撮像する。その撮像により回路部品の保持位置誤差が取得される。そして、移動装置62によって、第1作業ヘッド50を回路基板30上の装着位置に移動させ、第1作業ヘッド50によって、回路基板および回路部品の保持位置誤差に基づいて装着ノズル54を回転させた後に,回路部品が装着される。
【0034】
独立作業モードにおいては、上記第1の装着作業と、その第1の装着作業と同様の第2の装着作業が並行して行われるようになっており、2枚の回路基板30に対する2つの装着作業が並行して行われる。これにより、非常に生産性の高い作業機を構築することが可能となっている。なお、上記作業を実行するための機能部として、図4に示すように、独立作業モード実行部134がコントローラ122に設けられている。
【0035】
(B)協調作業モードにおける対基板作業
また、作業機10では、第1装着作業実行装置130と第2装着作業実行装置132とを協調させて、1つの搬送装置に保持された回路基板30に対して装着作業を行うことが可能とされている。つまり、上記独立作業モードとは異なり、協調作業モードにおいて、装着作業を行うことが可能とされている。協調作業モードでは、図5に示すように、第2装着作業実行装置132の第2作業ヘッド52を、第1搬送装置32によって保持された回路基板30上に移動させ、その回路基板30に対して、第1装着作業実行装置130と第2装着作業実行装置132とが交互に装着作業を実行するのである。つまり、第1装着作業実行装置130が第1供給装置76によって供給される回路部品を取りにいっている間に、第2装着作業実行装置132が回路基板30上に回路部品を装着し、第2装着作業実行装置132が第2供給装置78によって供給される回路部品を取りにいっている間に、第1装着作業実行装置130が回路基板30上に回路部品を装着するのである。
【0036】
上述したように、協調作業モードでは、1対の装着作業実行装置130,132の一方が回路部品を取りにいっている間の時間を利用して、他方が回路基板30上に回路部品を装着することが可能となっており、非常に作業効率の良いシステムを構築することが可能となっている。なお、上記作業を実行するための機能部として、図4に示すように、協調作業モード実行部136がコントローラ122に設けられている。
【0037】
<各モードにおける画面表示>
(A)協調作業モードにおける画面表示
上記協調作業モードでは、第1供給装置76によって供給される回路部品を、第1装着作業実行装置130によって、1つの搬送装置に保持された回路基板30に対して装着し、同じ回路基板30に対して、第2供給装置78によって供給される回路部品を、第2装着作業実行装置132によって装着する作業が行われる。このような装着作業が行われる状況下においては、作業の進行に伴って、第1供給装置76によって供給可能な回路部品の数と、第2供給装置78によって供給可能な回路部品の数とが少なくなり、例えば、第2供給装置78によって供給可能な回路部品が先に無くなることが予想される場合がある。このような場合には、例えば、図6(a)に示すように、第1装着作業実行装置130に対応する第1パネル装置100、つまり、第1供給装置76の側に設けられた第1パネル装置100の表示画面104に、第1供給装置76によって供給可能な回路部品の数が少なくなっていることを表示するとともに、第2装着作業実行装置132に対応する第2パネル装置102、つまり、第2供給装置78の側に設けられた第2パネル装置102の表示画面104に、第2供給装置78によって供給可能な回路部品の数が少なくなっていることを表示することが考えられる。
【0038】
このように表示すると、オペレータが第2供給装置78の傍にいる場合には、第2パネル装置102の表示画面を確認し、第2供給装置78の回路部品不足に対処することができるが、オペレータが第1供給装置76の傍にいる場合には、第1パネル装置100の表示画面を確認することで、第1供給装置76の回路部品不足に対処することはできるが、第2供給装置78の回路部品不足への対処ができずに、第2供給装置78の回路部品が無くなり、装着作業が中断する虞がある。このことに鑑みて、協調作業モードにおいては、図6(b)に示すように、第1パネル装置100および第2パネル装置102の両方の表示画面104に、優先順位の高い情報、つまり、第2供給装置78によって供給可能な回路部品の数が少なくなっていることを表示する。このように表示することで、オペレータが、第1供給装置76と第2供給装置78とのいずれの傍にいても、優先順位の高い情報を確認することが可能となり、装着作業の中断等を効果的に回避することが可能となる。なお、協調作業モードにおいて、上述したように表示するための機能部として、図4に示すように、協調作業モード時表示部138が協調作業モード実行部136に設けられている。
【0039】
また、協調作業モードでは、表示された情報に基づいて対処すべき装置の側に設けられたパネル装置のスイッチのみが有効となっている。つまり、図6(b)に示すように、第1パネル装置100および第2パネル装置102の両方の表示画面104に、第2供給装置78によって供給可能な回路部品の数が少なくなっていることが表示された場合には、第2供給装置78の側に設けられた第2パネル装置102のスイッチのみが有効となっている。
【0040】
具体的にいえば、第2供給装置78の回路部品不足に対処する場合には、第2供給装置78のテープフィーダ80を交換する必要がある。このため、第2供給装置78に取り付けられている空のテープフィーダ80を取り外すべく、第2パネル装置102のフィーダ解除スイッチ112を操作する。この操作により、空のテープフィーダ80を第2供給装置78から取り外すことが可能となる。空のテープフィーダ80を取り外した後に、新しいテープフィーダ80を第2供給装置78に取り付け、第2パネル装置102のフィーダ固定スイッチ110を操作する。この操作により、新しいテープフィーダ80を第2供給装置78に取り付け状態でロックすることが可能となる。このようにテープフィーダを交換することで、第2供給装置78の回路部品不足を解消することが可能となる。なお、第2パネル装置102の各スイッチ112等が有効とされている間は、第1パネル装置100の各種スイッチ106,108等を操作しても、各装置,機構等は作動しない。
【0041】
ただし、各パネル装置100,102の緊急停止スイッチ118に関しては、表示画面に表示されている内容に関わらず、常に、有効とされている。つまり、図6(b)に示すように、両方の表示画面104に、第2供給装置78に関する情報が表示されていても、第1供給装置76の側に設けられた第1パネル装置100の緊急停止スイッチ118は有効となっている。緊急時には、可及的速やかに作業を中断させる必要があるためであり、このスイッチが操作された場合は、2台の装着作業実行装置130,132の作動が停止する。
【0042】
また、表示情報は、回路部品の不足情報のみに限られず、装着作業に関する様々な情報を表示することが可能である。具体的には、例えば、装着不良,供給不良,画像処理不良等の情報を表示することが可能である。その表示された情報に基づいて、オペレータが作業機内部にアクセスする必要がある場合には、その表示された情報に基づいて対処すべき装着作業実行装置130,132の作動を停止させて、正面扉24を開ける必要がある。この場合には、その装着作業実行装置の作動を停止させるべく、その装置に対応するパネル装置の装着停止スイッチ106を操作する。この操作により、第2装着作業実行装置132が停止する。続いて、そのパネル装置の正面扉解除スイッチ112を操作する。この操作により、正面扉24を開けることが可能となり、オペレータが作業機内部にアクセスすることが可能となる。そして、オペレータによる対処終了後に、正面扉24を閉じ、そのパネル装置の正面扉固定スイッチ114を操作する。この操作により、正面扉24を閉状態にロックすることが可能となる。そして、そのパネル装置の装着開始スイッチ108を操作することで、停止させていた装着作業実行装置による装着作業を再開させることが可能となる。ちなみに、協調作業モードにおいて、上述したようにスイッチに依拠して各装置を制御するための機能部として、図4に示すように、協調作業モード時スイッチ依拠制御部140が協調作業モード実行部136に設けられている。
【0043】
(B)独立作業モードにおける画面表示
上記協調作業モードでは、装着作業に関する情報を、第1パネル装置100および第2パネル装置102の両方の表示画面104に表示することで、装着作業の中断を効果的に回避することが可能となっている。しかし、独立作業モードで、同様に表示すると、逆に、装着作業が中断する虞がある。具体的にいえば、第1供給装置76によって供給可能な回路部品の数と、第2供給装置78によって供給可能な回路部品の数とが少なくなり、第2供給装置78によって供給可能な回路部品が先に無くなることが予想される場合について、考えてみる。このような場合に、図7(a)に示すように、第1パネル装置100および第2パネル装置102の両方の表示画面104に、第2供給装置78による供給部品の不足を表示すると、オペレータは、いずれの表示画面104を見ていても、第2供給装置78による供給部品の不足を知ることは可能であるが、第1供給装置76による供給部品の不足を知ることはできない。このため、第1供給装置76による供給部品の不足に対処することができずに、第1供給装置76の回路部品が無くなり、第1装着作業実行装置130による装着作業が中断する虞がある。これは、独立作業モードでは、2枚の回路基板30に対して、2つの装着作業が並行して行われており、それら2つの装着作業の各々に、優先順位の高い情報が存在するためである。
【0044】
このため、独立作業モードでは、図7(b)に示すように、第1パネル装置100および第2パネル装置102の各々の表示画面104に、優先順位の高い情報、つまり、第1パネル装置100の表示画面104には、第1供給装置76による供給部品の不足を表示し、第2パネル装置102の表示画面104には、第2供給装置78による供給部品の不足を表示する。このように表示することで、オペレータは、並行して行われる2つの装着作業の各々の優先順位の高い情報を確認することが可能となり、2つの装着作業の各々の中断を効果的に回避することが可能となる。なお、独立作業モードにおいて、上述したように表示するための機能部として、図4に示すように、独立作業モード時表示部142が独立作業モード実行部134に設けられている。
【0045】
ちなみに、独立作業モードでは、第1パネル装置100および第2パネル装置102の各々のスイッチが有効となっている。つまり、図7(b)に示すように、各パネル装置100,102の表示画面104に、それぞれに対応する供給装置76,78による供給部品の不足が表示された場合には、それぞれのパネル装置100,102のスイッチが有効となっている。これにより、それぞれの装着作業における優先順位の高い情報に対して、迅速に対応することが可能となり、2つの装着作業の各々の中断を効果的に回避することが可能となる。なお、独立作業モードにおいて、上述したようにスイッチに依拠して各装置を制御するための機能部として、図4に示すように、独立作業モード時表示部142が独立作業モード実行部134に設けられている。
【0046】
また、上記説明では、2台の供給装置76,78に供給部品の不足が生じ、2台のパネル装置100,102に供給部品の不足情報が表示される場合について説明したが、当然、2台の供給装置76,78の一方のみに供給部品の不足が生じ、その一方に対応するパネル装置100,102のみに供給部品の不足情報が表示される場合もある。このような場合には、その一方の供給装置に対して、テープフィーダ80交換等の対処を施し、その対処中であっても、他方の供給装置に対応する装着作業実行装置は装着作業を中断することなく継続して行うようになっている。
【0047】
また、独立作業モードでは、2枚の回路基板30に対して、2つの装着作業が並行して行われることから、2枚の回路基板の一方に対する装着作業のみが完了する場合がある。このような場合に、その装着作業の完了した回路基板の代わりに、その回路基板とは異なる種類の回路基板に対して装着作業を行うことがある。その際には、作業ヘッドの交換,ノズルの交換等を行うために正面扉24を開ける場合があるが、そのような場合であっても、2枚の回路基板の他方に対する装着作業は、中断されることなく継続して行われる。ただし、正面扉24が開けられた状態で作業を行う際、危険を検知する検知センサ128が反応した場合には、その他方に対する装着作業は中断されるようになっている。
【0048】
ちなみに、上記実施例において、作業機10は、対基板作業機の一例であり、その作業機10を構成する搬送装置32,34、および、装着作業実行装置130,132は、搬送装置、および、対基板作業実行装置の一例である。また、制御装置120は、制御装置の一例であり、その制御装置120の協調作業モード時表示部138,協調作業モード時スイッチ依拠制御部140,独立作業モード時表示部142,独立作業モード時スイッチ依拠制御部144は、協調作業モード時表示部,協調作業モード時スイッチ依拠制御部,独立作業モード時表示部,独立作業モード時スイッチ依拠制御部の一例である。さらに、パネル装置100,102は、表示装置の一例であり、装着停止スイッチ106,装着開始スイッチ108は、操作スイッチの一例である。
【0049】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
20:回路部品装着作業機(対基板作業機) 32:搬送装置 34:搬送装置 100:パネル画面(表示装置) 102:パネル画面(表示装置) 106:装着停止スイッチ(操作スイッチ) 108:装着開始スイッチ(操作スイッチ) 130:第1装着作業実行装置(対基板作業実行装置) 132:第2装着作業実行装置(対基板作業実行装置) 138:協調作業モード時表示部 140:協調作業モード時スイッチ依拠制御部 142:独立作業モード時表示部 144:独立作業モード時スイッチ依拠制御部
図1
図2
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図5
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図7