特許第5746675号(P5746675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5746675トルエンのカルボニル化によるフェニル酢酸の合成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746675
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】トルエンのカルボニル化によるフェニル酢酸の合成方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/09 20060101AFI20150618BHJP
   C07C 57/32 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/614 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 67/36 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 57/30 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/612 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/734 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 59/64 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 57/58 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/65 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/616 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 57/40 20060101ALI20150618BHJP
   C07C 69/736 20060101ALI20150618BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20150618BHJP
【FI】
   C07C51/09
   C07C57/32
   C07C69/614
   C07C67/36
   C07C57/30
   C07C69/612
   C07C69/734 B
   C07C59/64
   C07C57/58
   C07C69/65
   C07C69/616
   C07C57/40
   C07C69/736
   !C07B61/00 300
【請求項の数】8
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2012-235768(P2012-235768)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2013-234166(P2013-234166A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2012年10月25日
(31)【優先権主張番号】201210142005.9
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】592112352
【氏名又は名称】中国科学院蘭州化学物理研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】黄 漢民
(72)【発明者】
【氏名】夏 春穀
(72)【発明者】
【氏名】解 攀
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−249461(JP,A)
【文献】 特開2002−155014(JP,A)
【文献】 特開2001−233818(JP,A)
【文献】 特開昭62−158243(JP,A)
【文献】 Journal of the American Chemical Society,2009年,Vol.131, No.2,P.729-733
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 57/30
C07C 57/32
C07C 51/09
C07C 69/612
C07C 69/614
C07C 67/36
C07C 59/64
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記に示される反応プロセス:
【化1】

但し、Arは、フェニル基、1〜3個の基で置換されたフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、又は1〜3個の基で置換されたナフチル基からなる組から選択され、前記置換されたフェニル基又は置換されたナフチル基の置換基は、C1〜C4アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、又はハロゲンからなる組から選択され、
R1は、水素、直鎖又は分枝鎖C1-4アルキル基、直鎖又は分枝鎖C1-6アルコキシ基からなる組から選択され、
R2は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基からなる組から選択され;前記遷移金属触媒配位子の遷移金属触媒前駆体は、ルテニウム系金属触媒前駆体、ロジウム系金属触媒前駆体、パラジウム系金属触媒前駆体、イリジウム系金属触媒前駆体、コバルト系金属触媒前駆体、ニッケル系金属触媒前駆体、銅系金属触媒前駆体からなる組から選択される一種又は複数種であることを特徴とする;
前記酸化剤は、パーオキシド系触媒、キノン系酸化剤、フッ素系酸化剤、酸素、過硫酸塩からなる組から選択される一種又は複数種であることを特徴とする;
前記遷移金属触媒配位子の配位子は、ホスフィン配位子、窒素配位子からなる組から選択される一種又は複数種である;
によって、式1および式2に示す化合物と酸化剤を原料とし、一酸化炭素の存在下、遷移金属と配位子とからなる錯体触媒を用いて、式3に示すアリール酢酸エステル骨格を含む化合物を製造する化合物の製造方法、または、
式3に示す化合物をさらにアルカリ加水分解、酸化することにより、式4に示す置換されたアリール酢酸類化合物を製造する化合物の製造方法。
【請求項2】
前記直鎖又は分枝鎖C1-4アルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基からなる組から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記直鎖又は分枝鎖C1-6アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチロキシ基、イソブチロキシ基、t−ブチロキシ基からなる組から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ルテニウム系金属触媒前駆体は、トリクロロルテニウム、ドデカカルボニル三ルテニウムからなる組から選択され;ロジウム系金属触媒前駆体は、トリクロロロジウム、酢酸ロジウム、ドデカカルボニル四ロジウム、カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、(アセチルアセトナト)カルボニル(トリフェニルホスフィン)ロジウム、エチレンクロロロジウムからなる組から選択され;パラジウム系金属触媒前駆体は、塩化パラジウム、パラジウムカボン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、ベンゾニトリルパラジウムジクロリド、アセトニトリルパラジウムジクロリド及びトリフルオロメタンスルホン酸パラジウムからなる組から選択され;イリジウム系金属触媒前駆体は、トリクロロイリジウムであり;コバルト系金属触媒前駆体は、コバルトカルボニル、塩化コバルト、臭化コバルト及びアセチルアセトンコバルトからなる組から選択され;ニッケル系金属触媒前駆体は、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル及び塩化ニッケルからなる組から選択され;銅系金属触媒前駆体は、フッ化銅、塩化銅、アセチルアセトン銅からなる組から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記パーオキシド系触媒は、t-ブチルパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド、ヒドロパーオキシド、パーオキシ酢酸、m-クロロパーオキシベンゾイル酸、ジクミルパーオキシド及びベンゾイルパーオキシドからなる組から選択され;キノン系酸化剤は、パラベンゾキノン、アントラキノン、テトラクロロベンゾキノン、テトラメチルパラベンゾキノン及びジクロロジシアノベンゾキノンからなる組から選択され;フッ素系酸化剤は、N-フルオロジベンゼンスルホンアミド、N-フルオロピリジントリフルオロメタンスルホン酸塩及びN-フルオロピリジンテトラフルオロ硼酸塩からなる組から選択され;過硫酸塩は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸水素カリウムからなる組から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ホスフィン配位子は、Xantphos(4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9、9-ジメチルキサンテン)、BINAP(2、2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1、1'-ビナフチル)、MeO-BIPHEP(2、2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6、6'-ジメトキシ-1、1'-ビフェニル)、PPh3(トリフェニルホスフィン)、DPPF(1、1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)及びDPEphos(ビス[(2-ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル)からなる組から選択され;窒素配位子は、ピリジン、2、2'-ビピリジン、2、2'-ビキノリンおよび1、10-フェナントロリンからなる組から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの一項に記載の製造方法。
【請求項7】
記溶媒は、ベンゼン、ニトロメタン、トルエン、トリフルオロトルエン、キシレン、メシチレン、1、4-ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン、クロロフォルム、テトラクロロメタン、1、2-ジクロロエタン、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、メチルシクロアミルエーテル、テトラヒドロフラン、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又はそれらの混合物からなる組から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記アルカリ加水分解は、pH=10〜14の範囲内で行われることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニル酢酸エステル又はその類似物構造を含む化合物、及び置換されたフェニル酢酸類化合物の製造方法に関し、具体的には、トルエン又は各種の置換基で置換されたトルエン、酸化剤、一酸化炭素及びアルコールを出発原料とし、遷移金属と配位子とからなる錯体触媒を用いて、フェニル酢酸エステル又はその類似物構造を含む化合物を製造する方法に関する。前記のフェニル酢酸エステル又はその類似物構造を含む化合物は、加水分解によって、各種の置換フェニル酢酸類化合物になる。
【背景技術】
【0002】
フェニル酢酸は、重要な精細化学製品として、農薬、医薬、香料などの産業界において幅広く応用されている。
【0003】
医薬工業において、フェニル酢酸は、ナトリウム塩、カリウム塩又は低毒性前駆体であるフェニルアセチルエタノールアミン等の他のフェニル酢酸誘導体に調製されて、ペニシリンGの製造に用いられるペニシリンの発酵前駆体として使用される。フェニル酢酸は、異なる条件で塩素化されることにより、それぞれ、α-クロロフェニル酢酸、p-クロロフェニル酢酸、o-クロロフェニル酢酸、トリクロロフェニル酢酸、フェニルアセチルクロリド等の中間体に製造される。その中で、p-クロロフェニル酢酸は、アゼブチン(Azeptin)の製造に用いられる。該医薬品は、ドイツのAsta-Werke会社により開発されて、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等の疾患に適用される。o-クロロフェニル酢酸は、良好な性能を有する鎮痛消炎薬であるジクロフェナクナトリウムの製造に用いられる。フェニルアセチルクロリドとテストステロンとを反応させることにより、性ホルモン薬であるフェニル酢酸テストステロン(長効テストステロン)が得られる。フェニルアセチルクロリドは、新規な抗不整脈薬であり且つ局所麻酔作用を有する塩酸ロルカイニド(Remivox)の合成にも用いられる。フェニル酢酸は、異なる条件でニトロ化されることにより、それぞれ、p-ニトロフェニル酢酸、o-ニトロフェニル酢酸、m-ニトロフェニル酢酸及び2、4-ジニトロフェニル酢酸に製造される。その中で、p-ニトロフェニル酢酸は、ビフェニル酢酸、ビルブロフェン、ケトブロフェン等の鎮痛解熱薬、及び免疫調節作用を有する新規な関節リウマチ治療薬としてのアクタリット(Actarit)の製造に用いられる。2、4-ジニトロフェニル酢酸は、パラアミノサリチル酸の合成に用いられるが、後者は、抗結核薬としてのアミノサリチル酸ナトリウム(PAS-Na)を合成するのに肝心な原料である。フェニル酢酸、無水フタル酸を原料とし、縮合、加水分解、水添を行い、さらに酸で中和することで、o-フェネチル安息香酸が生成されるが、該o-フェネチル安息香酸は、更に、中間体であるジベンゾシクロヘプテノンに製造されることができる。該ジベンゾシクロヘプテノンは、三環系抗うつ薬であるアミトリブチリン、ノルトリブチリン及び抗ヒスタミン薬であるシブロヘプタシンの合成に肝心な原料である。フェニル酢酸とo-フェニレンジアミンとを縮合させることにより、軽度高血圧症及び冠動脈疾患合併高血圧症等の治療に用いられるジバゾール(Dibazol)が製造られる。フェニル酢酸は、エスタゾラム、ジアゼバム、ニトラゼバム、フルジアゼバム(Fludiazapam)等のベンゾジアゼビン類誘導体の合成にも用いられる。これらの薬物は、20世紀80年代から発展し始めたが、バルビタール系薬物より治療効果が良く、安全性が強いので、現在の段階において、発展が速く、応用が最も広く、治療効果が優れる抗不安薬である。フェニル酢酸は、抗癲癇薬、抗うつ薬、心血管薬及び抗リウマチ薬の製造・合成にも幅広く応用されている。
【0004】
農薬工業において、主に、殺虫剤、殺菌剤、除草剤及び殺鼠剤などの製造に用いられる。例えば、α-クロロ(ブロム)フェニル酢酸等のフェニル酢酸のハロゲン化誘導体、及びそのエステル化物は、非全身の有機リン殺虫剤と殺ダニ剤としてのフェントエートエチルの合成に用いられるが、特に、カイガラムシの殺滅に有効である。2、4、6-トリクロロベンゼン酢酸は、通常、ナトリウム塩水剤(フェナック)に調製されて、とうもろこし、甘蔗等の田畑の除草剤として用いられる。フェニルアセチルクロリドは、N-アセチルアラニン系浸透殺菌剤としてのベナラキシルの合成に用いられる。該ベナラキシルは、性能が優良であり、植物毒性指数が低く、メカニズムが独特で、活性が高いという三つの特性を有している。フェニルアセチルクロリドは、また、高効率の殺鼠剤である抗凝固血殺鼠剤の原料として広く応用されている。これらの殺鼠剤として、主に、タロン(Talon)、ラタック (Ratak)、Starm、LM-2219等の商品が挙げられる。フェニル酢酸誘導体としてのフェニルアセトンは、農業用殺虫剤の合成に用いられる他に、ジファシノンナトリウム塩、クロロジファシノン等のインダンジオン系殺鼠剤の製造にも用いられる。フェニル酢酸誘導体としてのo-ニトロフェニル酢酸は、優良の除草剤の合成に用いられる。
【0005】
香料工業において、フェニル酢酸は、エステル化によって、各種のフェニル酢酸エステルに合成されて、香料(エッセンス)工業中の定香剤、修飾剤として、石鹸、洗剤、クレンザー、化粧品、タバコ及び食品等の分野に幅広く応用されている。
【0006】
フェニル酢酸は、各種の製品を派生する能力を有し、非常に重要な精細化学工業原料である。近年、医薬、農薬及び香料産業の発展に伴って、フェニル酢酸に対する需要も更に増加している。
【0007】
現在、フェニル酢酸の合成経路は、数十種に多く、よく見られる合成経路として、シアン化ナトリウム法、スチレン法、アセトフェノン法及びベンジルハライドカルボニル化法がある。
【0008】
現在、国内で、主に、シアン化ナトリウム法を用いている。該方法によれば、プロセスが簡単で、条件が温和で、且つフェニルアセトニトリルも共生産することができますが、コストが高く、用いる原料としてのシアン化ナトリウムの毒性が非常に強く、安全性が悪く、環境に及ばす影響が非常に大きく、汚染が酷く、環境管理コストが高いので、該方法の応用が限制られている。
【0009】
【化1】
【0010】
現在、人気のある方法としては、ベンジルハライドのカルボニル化法である。該法は、ベンジルハライドと一酸化炭素とを原料とし、遷移金属を触媒として用いて、フェニル酢酸を得る。
【0011】
【化2】
【0012】
該法は、ドイツのDynamit Nobel会社により工業的開発が完成され、その後、他の国家でも工業化装置を建てた。わが国では、80年代末から、該プロセスに対しの研究を始まり、90年代から、続々に生産装置を建てた。該法は、原料の入手が容易で、コストが低いので、広範な研究が行われた(CN1039241、CN1054584、CN1093355、CN1110677、CN1109871、CN1284406、CN85100362、CN101716523A、CN101816952A等)。多年の発展を経て、該プロセスは、既に成熟して、低い圧力と低い温度で行われることができる。しかしながら、該方法は、ベンジルハライドを原料として用い、反応の過程で多くの酸性廃物が生成られるので、大量の塩基を必要としている。これによって、反応の経済性が低く、環境にも大きい影響を及ばすことを招来して、該方法の応用を限制し、生産コストが高い。
【0013】
したがって、環境にやさしい原料を使用して、環境にやさしいフェニル酢酸の生産プロセスを提供することが、特に、重要なことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
トルエンは、石油の主成分の一つであり、コールタール軽油中で、15%〜20%比例を占める。現在、トルエンは、溶媒と高オクタン価ガソリン添加剤として多く用いられ、有機化学工業の重要な原料でもあるが、石炭と石油から同時に得られたベンゼンとキシレンに比べて、目前の生産量が過剰である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の目的は、トルエンをカルボニル化反応系に引き入れることで、環境にやさしい生産プロセスを用いて、高効率に置換フェニル酢酸及びそのエステル系誘導体を得て、従来のプロセスの不足を補うことにある。
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明は、フェニル酢酸エステル又はその類似物の構造を含む化合物、及び置換されたフェニル酢酸類化合物の製造方法(以下、「本発明の方法」と略称する)を提供する。該方法によれば、メチル基で置換された芳香族化合物、酸化剤、アルコール、及び一酸化炭素を原料とし、遷移金属触媒の存在下、カルボニル化反応によって、フェニル酢酸エステル又はその類似物の構造を含む化合物を、一段階で合成し、続いて、アルカリ加水分解により、置換されたフェニル酢酸系化合物を得る。
【0017】
本発明の方法は、具体的に下記の一般式に示される方法によって行われる;
【0018】
【化3】
【0019】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素;直鎖又は分枝鎖C1〜C40炭化水素基、好ましくはC1〜C30炭化水素基、更に好ましくはC1〜C20脂肪族炭化水素基、最も好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の直鎖又は分枝鎖C1-4アルキル基;置換又は非置換のC6〜C60芳香族基、好ましくは置換又は非置換のC6〜C30の芳香族基、更に好ましくは置換又は非置換のC6〜C20の芳香族基、その例として、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1〜7個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜7個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜7個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜7個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基又は1〜7個の他の置換基、好ましくは、1〜7個のC1-4アルキル基、1〜7個のC1-4アルコキシ基、1〜7個のフェニル基、1〜7個のフェノキシ基、又は1〜7個のハロゲンで置換されたナフチル基などが挙げられる;直鎖又は分枝鎖のC1〜C40アルコキシ基、好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基、最も好ましくは直鎖又は分枝鎖C1-4アルコキシ基;ハロゲン;フラン基、1〜3個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜3個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基又は1〜3個の他の置換基、好ましくは、1〜3個のC1-4アルキル基、1〜3個のC1-4アルコキシ基、1〜3個のフェニル基、1〜3個のフェノキシ基、又は1〜3個のハロゲンで置換されたフラン基;ピリジン基、1〜4個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜4個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜4個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜4個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基、又は1〜4個の他の置換基、好ましくは、1〜4個のC1-4アルキル基、1〜4個のC1-4アルコキシ基、1〜4個のフェニル基、1〜4個のフェノキシ基又は1〜4個のハロゲンで置換されたピリジン基;ヒドロキシ基;ニトロ基;アミノ基;直鎖又は分枝鎖C1〜C40エステル基、好ましくは直鎖又は分枝鎖C1〜C6エステル基;直鎖又は分枝鎖C1〜C40アシル基、好ましくは直鎖又は分枝鎖C1〜C6アシル基;スルホン酸基からなる組から選択され、
R3は、直鎖又は分枝鎖C1〜C30アルキル基、ベンジル基又は置換されたベンジル、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基からなる組から選択される。
【0020】
好ましい実施形態において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素;直鎖又は分枝鎖C1〜C4アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基;直鎖又は分枝鎖C1-4アルコキシ基、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブチロキシ基;フェニル基、1〜3個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜3個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基又は1〜3個の他の置換基、好ましくは、1〜3個のC1-4アルキル基、1〜3個のC1-4アルコキシ基、1〜3個のフェニル基、1〜3個のフェノキシ基又は1〜3個のハロゲンで置換されたフェニル基、ベンジル基、置換されたベンジル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1〜3個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜3個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜3個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基又は1〜3個の他の置換基、好ましくは、1〜3個のC1-4アルキル基、1〜3個のC1-4アルコキシ基、1〜3個のフェニル基、1〜3個のフェノキシ基又は1〜3個のハロゲンで置換されたナフチル基;フッ素、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲン;フラン基;ピリジル基;C1〜C6脂肪族アシル基、ベンゾイル基、チオベンゾイル基;ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、C1〜C6エステル基、C1〜C6アルデヒド基;スルホン酸基からなる組から選択され、
【0021】
好ましい実施形態において、R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ベンジル基、又はベンゼン環に1〜5個のC1〜C40アルキル基(好ましくはC1〜C30アルキル基、更に好ましくはC1〜C20アルキル基)、1〜5個のC1〜C40アルコキシ基(好ましくはC1〜C30アルコキシ基、更に好ましくはC1〜C20アルコキシ基)、1〜5個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)芳香族基、1〜5個のC6〜C60(好ましくはC6〜C30、更に好ましくはC6〜C20)アリールオキシ基又は1〜5個の他の置換基、好ましくは、1〜5個のC1-4アルキル基、1〜5個のC1-4アルコキシ基、1〜5個のフェニル基、1〜5個のフェノキシ基又は1〜5個のハロゲン等の置換基を有するベンジル基からなる組から選択される。
【0022】
尚、具体的な説明がない限り、本文において、『置換基』とは、主鎖の炭素原子数を超えない炭素原子数を有するアルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ又は他の置換基を意味する。
【0023】
本発明の製造方法は、遷移金属触媒前駆体、配位子、置換されたトルエン、アルコール及び酸化剤を、有機溶媒が装入された反応釜(80〜150℃)に入れ、一酸化炭素を充填(1〜50atm)し、圧力がもう下降しないところで、反応が終わる。その後、カラムクロマトグラフィー又は減圧蒸留により、反応液を精製することで、所要のフェニル酢酸エステル又はその類似物構造を有する化合物を得る工程を含む。得られた化合物をアルカリ性加水分解(pH=10〜14)した後、pH=1まで酸化し、酢酸エチルを用いて抽出することで、所要の置換されたフェニル酢酸類化合物を得る。
【0024】
本発明の方法において、トルエンのカルボニル化反応の温度は、通常、80〜150℃に制御され、120℃に制御されることが好ましい。
【0025】
本発明の方法において、一酸化炭素の圧力は、通常、1〜50 atmに制御され、10 atm に制御されることが好ましい。
【0026】
本発明の方法において、アルカリ性加水分解の方法は、限定されなく、例えばアルカリ溶液(6 N水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等)中で、60℃で2-4 h反応させる方法等の当該分野の常用のアルカリ性加水分解方法を用いることができる。
【0027】
本発明の製造方法において、遷移金属触媒前駆体は、トリクロロルテニウム、ドデカカルボニル三ルテニウム等のルテニウム系金属触媒前駆体;ロジウム系系金属触媒前駆体、好ましくは、トリクロロロジウム、酢酸ロジウム、ドデカカルボニル四ロジウム、カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、(アセチルアセトナト)カルボニル(トリフェニルホスフィン)ロジウム、エチレンクロロロジウム;パラジウム系金属触媒前駆体、好ましくは、塩化パラジウム、パラジウムカボン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、ベンゾニトリルパラジウムジクロリド、アセトニトリルパラジウムジクロリド、及びトリフルオロメタンスルホン酸パラジウム;イリジウム系金属触媒前駆体、好ましくは、トリクロロイリジウム;コバルト系金属触媒前駆体、好ましくは、コバルトカルボニル、塩化コバルト、臭化コバルト及びアセチルアセトンコバルト;ニッケル系金属触媒前駆体、好ましくは、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル及び塩化ニッケル;銅系金属触媒前駆体、好ましくは、フッ化銅、塩化銅、アセチルアセトン銅からなる組から選択される一種又は複数種である。好ましい遷移金属前駆体としては、塩化パラジウムである。
【0028】
本発明の製造方法において、酸化剤は、パーオキシド系触媒、好ましくは、t-ブチルパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド、ヒドロパーオキシド、パーオキシ酢酸、m-クロロパーオキシベンゾイル酸、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド及びジ(t-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン;キノン系酸化剤、好ましくは、パラベンゾキノン、アントラキノン、テトラクロロベンゾキノン、テトラメチルパラベンゾキノン及びジクロロジシアノベンゾキノン;フッ素系酸化剤、好ましくは、N-フルオロジベンゼンスルホンアミド、N-フルオロピリジントリフルオロメタンスルホン酸塩及びN-フルオロピリジンテトラフルオロ硼酸塩;酸素;過硫酸塩、好ましくは、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸水素カリウムからなる組から選択される一種又は複数種である。好ましい酸化剤としては、t-ブチルパーオキシド、ジ(t-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼンである。
【0029】
本発明の製造方法において、配位子は、ホスフィン配位子、好ましくは、Xantphos(4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9、9-ジメチルキサンテン)、BINAP(2、2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1、1'-ビナフチル)、MeO-BIPHEP(2、2'ビス(ジフェニルホスフィノ)-6、6'-ジメトキシ-1、1'-ビフェニル)、PPh3(トリフェニルホスフィン)、DPPF(1、1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)及びDPEphos(ビス[(2-ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル);窒素配位子、好ましくは、ピリジン、2、2'-ビピリジン、2、2'-ビキノリン和1、10-フェナントロリンからなる組から選択される一種又は複数種である。好ましい配位子としては、Xantphos(4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9、9-ジメチルキサンテン)である。
【0030】
本発明の製造方法において、有機溶媒は、ベンゼン、ニトロメタン、トルエン、トリフルオロトルエン、キシレン、メシチレン、1、4-ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン、クロロフォルム、テトラクロロメタン、1、2-ジクロロエタン、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、メチルシクロアミルエーテル、テトラヒドロフラン、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又はそれらの混合物からなる組から選択される。好ましい有機溶媒としては、ベンゼンである。
【0031】
本発明によれば、下記の有益な技術効果が得られる。
1.本発明の方法によれば、反応原料として、工業で入手が非常に容易なトルエン系化合物とアルコールとを用い、遷移金属触媒の存在下、C(sp3)-H結合で直接カルボニル化することにより、一段階のみで、高収率で、フェニル酢酸エステル又はその類似物の構造を含む化合物を得ることができる。該化合物は、加水分解によって、高収率で、置換フェニル酢酸類化合物になる。
2.本発明の方法によれば、簡単で、資源が豊富な原料を用いる他に、使用する触媒の値段が低く、反応条件が温和で、製造方法がより優れる。得られたフェニル酢酸化合物は、医薬、農薬などの工業分野に幅広く応用される。
3.本発明の方法によれば、共生産される置換フェニル酢酸エステル系化合物は、香料、食品等の産業界に多く応用され、工業製造の面で重要な応用前途を有する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の製造は、更に、代表的な化合物の製造プロセスによって、以下のように具体的に表されることができる。
【0033】
実施例1:トルエンとメチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0034】
【化4】
【0035】
トルエン(1.38g)、メチルアルコール(32mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸メチル67mgを得た。収率は89%であった。
【0036】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 3.60 (s、 2H)、 3.65 (s、 3H)、 7.22-7.32 (m、5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 41.2、 52.0、 127.1、 128.6、 129.3、 134.1、 172.0; HRMS (ESI) calcd. for C9H10NaO2 [M+Na]: 173.0568、 found: 173.0573。
【0037】
得られたフェニル酢酸メチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸58mgを得た。加水分解の収率は95%であった。
【0038】
実施例2:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0039】
【化5】
【0040】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル76mgを得た。収率は93%であった。
【0041】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.61 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.24-7.35 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 41.5、 60.9、 127.0、 128.6、 129.3、 134.2、 171.6; HRMS (ESI) calcd. for C10H12NaO2 [M+Na]: 187.0728、 found: 187.0730。
【0042】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸59mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0043】
実施例3:トルエンとn-プロパノールによるフェニル酢酸の製造
【0044】
【化6】
【0045】
トルエン(1.38g)、n-プロパノール(60mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸n-プロピル78mgを得た。収率は88%であった。
【0046】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.88 (t、J = 7.6 Hz、 3H)、 1.59-1.67 (m、 2H)、 3.61 (s、 2H)、 4.12(t、J = 6.8 Hz、 2H)、 7.23-7.33 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 10.3、 21.9、 41.5、 66.4、 127.0、 129.3、 134.3、 171.7; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0886、 found: 201.0886。
【0047】
得られたフェニル酢酸n-プロピルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸56mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0048】
実施例4:トルエンとi-プロパノールによるフェニル酢酸の製造
【0049】
【化7】
【0050】
トルエン(1.38g)、i-プロパノール(60mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸i-プロピル75mgを得た。収率は84%であった。
【0051】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.21 (s、 3H)、 1.23 (s、 3H)、 3.58 (s、 2H)、 4.96-5.06 (m、 1H)、 7.23-7.34 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 21.8、 41.7、 68.2、 126.9、 128.5、 129.2、 134.4、 171.1; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0886、 found: 201.0886。
【0052】
得られたフェニル酢酸i-プロピルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸54mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0053】
実施例5:トルエンとn-ブチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0054】
【化8】
【0055】
トルエン(1.38g)、n-ブチルアルコール(74mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸n-ブチル65mgを得た。収率は68%であった。
【0056】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.88 (t、J = 7.6 Hz、 3H)、 1.29-1.38 (m、 2H)、 1.55-1.62 (m、 2H)、 3.60 (s、 2H)、 4.06(t、J = 6.8 Hz、 2H)、 7.23-7.33 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 13.7、 19.1、 30.6、 41.5、 64.7、 127.0、 128.5、 129.3、 134.3、 171.7; HRMS (ESI) calcd. for C12H16NaO2 [M+Na]: 215.1043、 found: 215.1042。
【0057】
得られたフェニル酢酸n-ブチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸43mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0058】
実施例6:トルエンとi-ブチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0059】
【化9】
【0060】
トルエン(1.38g)、i-ブチルアルコール(74mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸i-ブチル69mgを得た。収率は72%であった。
【0061】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.88 (s、 3H)、 0.89 (s、 3H)、 1.85-1.96 (m、 1H)、 3.62 (s、 2H)、 3.86 (d、J = 6.8 Hz、 1H)、 7.23-7.34 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 19.0、 27.7、 41.5、 70.9、 127.0、 128.5、 129.3、 134.3、 171.6; HRMS (ESI) calcd. for C12H16NaO2 [M+Na]: 215.1043、 found: 215.1037。
【0062】
得られたフェニル酢酸i-ブチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸53mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0063】
実施例7:トルエンとt-ブチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0064】
【化10】
【0065】
トルエン(1.38g)、t-ブチルアルコール(74mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸t-ブチル53mgを得た。収率は58%であった。
【0066】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.43 (s、 9H)、 3.51 (s、 2H)、 7.21-7.31 (m、 5H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 28.1、 42.7、 80.8、 126.9、 128.6、 129.2、 134.8、 170.9; HRMS (ESI) calcd. for C12H16NaO2 [M+Na]: 215.1043、 found: 215.1045。
【0067】
得られたフェニル酢酸t-ブチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸36mgを得た。加水分解の収率は96%であった。
【0068】
実施例8:o-キシレンとエチルアルコールによるo-メチルフェニル酢酸の製造
【0069】
【化11】
【0070】
o-キシレン (1.59g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、o-メチルフェニル酢酸エチル81mgを得た。収率は91%であった。
【0071】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 2.32 (s、 3H)、 3.63 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.15-7.21 (m、 4H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 19.6、 39.3、 60.8、 126.1、 127.3、 130.1、 130.3、 132.9、 136.8、 171.5; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0886、 found: 201.0882。
【0072】
得られたo-メチルフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるo-メチルフェニル酢酸66mgを得た。加水分解の収率は97%であった。
【0073】
実施例9:m-キシレンとエチルアルコールによるm-メチルフェニル酢酸の製造
【0074】
【化12】
【0075】
m-キシレン (1.59g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、m-メチルフェニル酢酸エチル80mgを得た。収率は90%であった。
【0076】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 2.32 (s、 3H)、 3.63 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.15-7.21 (m、 4H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 19.6、 39.3、 60.8、 126.1、 127.3、 130.1、 130.3、 132.9、 136.8、 171.5; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0886、 found: 201.0882。
【0077】
得られたm-メチルフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるm-メチルフェニル酢酸63mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0078】
実施例10:p-キシレンとエチルアルコールによるp-メチルフェニル酢酸の製造
【0079】
【化13】
【0080】
p-キシレン (1.59g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-メチルフェニル酢酸エチル85mgを得た。収率は96%であった。
【0081】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 2.33 (s、 3H)、 3.57 (s、 2H)、 4.11(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.11-7.18 (m、 4H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 21.1、 41.0、 60.8、 129.1、 139.3、 131.1、 136.6、 171.8; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0886、 found: 201.0882。
【0082】
得られたp-メチルフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-メチルフェニル酢酸69mgを得た。加水分解の収率は96%であった。
【0083】
実施例11:p-メトキシトルエンとエチルアルコールによるp-メトキシフェニル酢酸の製造
【0084】
【化14】
【0085】
p-メトキシトルエン(1.83g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-メトキシフェニル酢酸エチル82mgを得た。収率は85%であった。
【0086】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 6.8 Hz、 3H)、 3.54 (s、 2H)、 3.79 (s、 3H)、 4.11(q、J = 6.8 Hz、 2H)、 6.84-6.88 (m、 2H)、 7.18-7.22 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 40.5、 55.3、 60.8、 113.9、 126.3、 130.3、 158.7、 171.9; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO3 [M+Na]: 217.0835、 found: 217.0838。
【0087】
得られたp-メトキシフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-メトキシフェニル酢酸64mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0088】
実施例12:p-エトキシトルエンとエチルアルコールによるp-エトキシフェニル酢酸の製造
【0089】
【化15】
【0090】
p-エトキシトルエン(2.04g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-エトキシフェニル酢酸エチル89mgを得た。収率は86%であった。
【0091】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.22 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.38 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.54 (s、 2H)、 3.98 (q、J = 7.2 Hz、 2H)、 4.11(q、J = 6.8 Hz、 2H)、 6.83-6.86 (m、 2H)、 7.17-7.20 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 13.2、 13.8、 39.5、 59.7、 69.7、 62.4、 113.5、 125.1、 129.2、 156.9、 170.9; HRMS (ESI) calcd. for C12H16NaO3 [M+Na]: 231.0992、 found: 231.0989。
【0092】
得られたp-エトキシフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6 N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-エトキシフェニル酢酸72mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0093】
実施例13:p-nプロポキシトルエンとエチルアルコールによるp-nプロポキシフェニル酢酸の製造
【0094】
【化16】
【0095】
p-nプロポキシトルエン(1.8g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-nプロポキシトルエンフェニル酢酸エチル88mgを得た。収率は79%であった。
【0096】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.00 (t、J = 7.6 Hz、 3H)、 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.75-1.84 (m、 2H)、 3.54 (s、 2H)、 3.88 (t、J = 6.4 Hz、 2H)、 4.11(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 6.83-6.87 (m、 2H)、 7.16-7.20 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 10.5、 14.2、 22.6、 40.6、 60.8、 69.5、 114.6、 126.0、 130.2、 158.2、 171.9; HRMS (ESI) calcd. for C13H18NaO3 [M+Na]: 245.1148、 found: 245.1157。
【0097】
得られたp-nプロポキシトルエンフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2 N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-nプロポキシフェニル酢酸73mgを得た。加水分解の収率は95%であった。
【0098】
実施例14:p-nブチロキシトルエンとエチルアルコールによるp-nブチロキシフェニル酢酸の製造
【0099】
【化17】
【0100】
p-nブチロキシトルエン(2.46g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-nブチロキシトルエンフェニル酢酸エチル107mgを得た。収率は91%であった。
【0101】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.95 (t、J = 7.6 Hz、 3H)、 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.45-1.53 (m、 2H)、 1.72-1.79 (m、 2H)、 3.54 (s、 2H)、 3.92 (t、J = 6.4 Hz、 2H)、 4.11(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 6.83-6.86 (m、 2H)、 7.17-7.19 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 13.9、 14.2、 19.3、 31.3、 40.6、 60.8、 67.7、 114.6、 126.0、 130.2、 158.3、 171.9; HRMS (ESI) calcd. for C14H20NaO3 [M+Na]: 259.1305、 found: 259.1312。
【0102】
得られたp-nブチロキシトルエンフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-nブチロキシフェニル酢酸91mgを得た。加水分解の収率は96%であった。
【0103】
実施例15:p-nヘキシロキシトルエンとエチルアルコールによるp-nヘキシロキシフェニル酢酸の製造
【0104】
【化18】
【0105】
p-nヘキシロキシトルエン(2.88g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-nヘキシロキシトルエンフェニル酢酸エチル116mgを得た。収率は88%であった。
【0106】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.88 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.31-1.36 (m、 4H)、 1.41-1.46 (m、 2H)、 1.73-1.79 (m、 2H)、 3.54 (s、 2H)、 3.91 (t、J = 6.8 Hz、 2H)、 4.11(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 6.83-6.87 (m、 2H)、 7.17-7.19 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.0、 14.2、 22.6、 25.7、 29.3、 25.7、 29.3、 31.6、 40.6、 60.8、 68.0、 114.6、 126.0、 130.2、 158.2、 171.9; HRMS (ESI) calcd. for C16H24NaO3 [M+Na]: 287.1618、 found: 287.1622.。
【0107】
得られたp-nヘキシロキシトルエンフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-nヘキシロキシフェニル酢酸97mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0108】
実施例16:メシチレンとエチルアルコールによる3、5-ジメチルフェニル酢酸の製造
【0109】
【化19】
【0110】
メシチレン(1.8g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、3、5-ジメチルフェニル酢酸エチル85mgを得た。収率は89%であった。
【0111】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.24 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 2.30 (s、 6H)、 3.53 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 6.84-6.95 (m、 3H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 21.3、 41.3、 60.8、 127.0、 128.7、 133.9、 138.1、 171.9; HRMS (ESI) calcd. for C12H16NaO2 [M+Na]: 215.1043、 found: 215.1040。
【0112】
得られた3、5-ジメチルフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である3、5-ジメチルフェニル酢酸70mgを得た。加水分解の収率は96%であった。
【0113】
実施例17:p-フルオロトルエンとエチルアルコールによるp-フルオロフェニル酢酸の製造
【0114】
【化20】
【0115】
p-フルオロトルエン(1.65g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-フルオロフェニル酢酸エチル76mgを得た。収率は84%であった。
【0116】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.58 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 6.98-7.03 (m、 2H)、 7.23-7.26 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 40.5、 60.9、 115.3、 115.5、 129.8、 129.9、 130.8、 130.9、 160.8、 163.2、 171.5; HRMS (ESI) calcd. for C10H11FNaO2 [M+Na]: 205.0635、 found: 205.0634。
【0117】
得られたp-フルオロフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-フルオロフェニル酢酸59mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0118】
実施例18:p-クロロトルエンとエチルアルコールによるp-クロロフェニル酢酸の製造
【0119】
【化21】
【0120】
p-クロロトルエン(1.89g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-クロロフェニル酢酸エチル89mgを得た。収率は90%であった。
【0121】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.57 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.19-7.23 (m、 2H)、 7.27-7.30 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 40.7、 61.0、 128.7、 130.7、 132.6、 133.0、 171.2; HRMS (ESI) calcd. for C10H11ClNaO2 [M+Na]: 221.0340、 found: 221.0342。
【0122】
得られたp-クロロフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-クロロフェニル酢酸75mgを得た。加水分解の収率は98%であった。
【0123】
実施例19:p-ブロモトルエンとエチルアルコールによるp-ブロモフェニル酢酸の製造
【0124】
【化22】
【0125】
p-ブロモトルエン(2.72g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、p-ブロモフェニル酢酸エチル89mgを得た。収率は73%であった。
【0126】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.23 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.56 (s、 2H)、 4.12(q、J = 6.8 Hz、 2H)、 7.15-7.17 (m、 2H)、 7.43-7.45 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 40.8、 61.0、 121.1、 131.0、 131.6、 133.1、 171.1; HRMS (ESI) calcd. for C10H11BrNaO2 [M+Na]: 264.9835、 found: 264.9837。
【0127】
得られたp-ブロモフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるp-ブロモフェニル酢酸73mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0128】
実施例20:o-クロロトルエンとエチルアルコールによるo-クロロフェニル酢酸の製造
【0129】
【化23】
【0130】
o-クロロトルエン(1.89g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、o -クロロフェニル酢酸エチル82mgを得た。収率は83%であった。
【0131】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.24 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.77 (s、 2H)、 4.15(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.21-7.24 (m、 2H)、 7.28-7.30 (m、 1H)、 7.36-7.40 (m、 1H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 39.2、 61.0、 126.9、 128.6、 129.5、 131.4、 132.6、 134.6、 170.6; HRMS (ESI) calcd. for C10H11ClNaO2 [M+Na]: 221.0340、 found: 221.0343。
【0132】
得られたo-クロロフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるo -クロロフェニル酢酸66mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0133】
実施例21:m-クロロトルエンとエチルアルコールによるm-クロロフェニル酢酸の製造
【0134】
【化24】
【0135】
m-クロロトルエン(1.89g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、m-クロロフェニル酢酸エチル82mgを得た。収率は83%であった。
【0136】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.24 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.58 (s、 2H)、 4.13(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.15-7.18 (m、 1H)、 7.24-7.26 (m、 1H)、 7.29 (s、 1H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 40.9、 61.1、 127.3、 127.5、 129.5、 129.8、 134.3、 135.9、 170.9; HRMS (ESI) calcd. for C10H11ClNaO2 [M+Na]: 221.0340、 found: 221.0342。
【0137】
得られたm-クロロフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるm-クロロフェニル酢酸64mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0138】
実施例22:2、6-ジクロロトルエンとエチルアルコールによる2、6-ジクロロフェニル酢酸の製造
【0139】
【化25】
【0140】
2、6-ジクロロトルエン(2.4g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、2、6-ジクロロフェニル酢酸エチル84mgを得た。収率は72%であった。
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.25 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 4.01 (s、 2H)、 4.17(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.14-7.18 (m、 1H)、 7.31-7.33 (m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 36.8、 61.1、 128.0、 128.9、 131.4、 136.1、 169.5; HRMS (ESI) calcd. for C10H10Cl2NaO2 [M+Na]: 254.9950、found: 254.9949。
【0141】
得られた2、6-ジクロロフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である2、6-ジクロロフェニル酢酸71mgを得た。加水分解の収率は95%であった。
【0142】
実施例23:1-メチルナフタレンとエチルアルコールによる1-ナフチル酢酸の製造
【0143】
【化26】
【0144】
1-メチルナフタレン(2.13g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、1-ナフチル酢酸エチル89mgを得た。収率は83%であった。
【0145】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.20 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 4.06 (s、 2H)、 4.12(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.39-7.55 (m、 4H)、 7.78-7.80 (m、 1H)、 7.84-7.85 (m、 1H)、 7.99-8.01 (m、 1H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 39.3、 60.9、 123.9、 125.5、 125.8、 126.3、 127.9、 128.0、 128.7、 130.7、 132.2、 133.9、 171.6; HRMS (ESI) calcd. for C14H14NaO2 [M+Na]: 237.0886、 found: 237.0889。
【0146】
得られた1-ナフチル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である1-ナフチル酢酸71mgを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0147】
実施例24:2-メチルナフタレンとエチルアルコールによる2-ナフチル酢酸の製造
【0148】
【化27】
【0149】
2-メチルナフタレン(2.13g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、2-ナフチル酢酸エチル78mgを得た。収率は73%であった。
【0150】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.24 (t、J = 6.8 Hz、 3H)、 3.78 (s、 2H)、 4.14(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 7.41-7.49 (m、 3H)、 7.73 (s、 1H)、7.79-7.83 (m、 3H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.2、 41.6、 60.9、 125.8、 126.1、 127.4、 127.7、 127.9、 128.2、 131.7、 132.5、 133.5、 171.6; HRMS (ESI) calcd. for C14H14NaO2 [M+Na]: 237.0886、 found: 237.0886。
【0151】
得られた2-ナフチル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である2-ナフチル酢酸62mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0152】
実施例25:エチルベンゼンとエチルアルコールによる2-フエニルプロピオン酸の製造
【0153】
【化28】
【0154】
エチルベンゼン(1.59g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、 Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を30atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、2-フエニルプロピオン酸エチル47mgを得た。収率は53%であった。
【0155】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 1.17 (t、J = 7.2 Hz、 3H)、 1.48 (d、J = 7.2 Hz、 3H)、 3.67(q、J = 7.2 Hz、 2H)、 4.07-4.18 (m、 1H)、 7.21-7.26 (m、 1H)、 7.27-7.33 (m、 4H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ 14.1、 18.6、 45.6、 60.7、 127.1、 127.5、 128.6、 140.7、 174.5; HRMS (ESI) calcd. for C11H14NaO2 [M+Na]: 201.0883、 found: 201.0884。
【0156】
得られた2-フエニルプロピオン酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である2-フエニルプロピオン酸37mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0157】
実施例26:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0158】
【化29】
【0159】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、塩化パラジウム(0.9mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを47mg得た。収率は57%であった。
【0160】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸35mgを得た。加水分解の収率は90%であった。
【0161】
実施例27:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0162】
【化30】
【0163】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、酢酸ロジウム(0.8mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを63mg得た。収率は77%であった。
【0164】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸49mgを得た。加水分解の収率は94%であった。
【0165】
実施例28:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0166】
【化31】
【0167】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、トリクロロロジウム(1.1mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを39mg得た。収率は48%であった。
【0168】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸29mgを得た。加水分解の収率は90%であった。
【0169】
実施例29:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0170】
【化32】
【0171】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、カルボニルロジウム(0.9mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを29mg得た。収率は36%であった。
【0172】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸22mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0173】
実施例30:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0174】
【化33】
【0175】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、臭化ニッケル (1.1mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを32mg得た。収率は39%であった。
【0176】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸25mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0177】
実施例31:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0178】
【化34】
【0179】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、酢酸ニッケル (0.6mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを16mg得た。収率は20%であった。
【0180】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸12mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0181】
実施例32:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0182】
【化35】
【0183】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、フッ化銅(0.5mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを12mg得た。収率は15%であった。
【0184】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸9mgを得た。加水分解の収率は91%であった。
【0185】
実施例33:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0186】
【化36】
【0187】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、アセチルアセトンコバルト (1.3mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを14mg得た。収率は17%であった。
【0188】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸10mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0189】
実施例34:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0190】
【化37】
【0191】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、トリクロロロジウム(1.1mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを13mg得た。収率は16%であった。
【0192】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸10mgを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0193】
実施例35:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0194】
【化38】
【0195】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、カルボニルロジウム(1.1mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを22mg得た。収率は27%であった。
【0196】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸17mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0197】
実施例36:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0198】
【化39】
【0199】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、ジ(t-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン(169mg,1当量)、Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを60mg得た。収率は73%であった。
【0200】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸46mgを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0201】
実施例37:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0202】
【化40】
【0203】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、ジクミルパーオキシド(135mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを35mg得た。収率は43%であった。
【0204】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸27mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0205】
実施例38:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0206】
【化41】
【0207】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、N-フルオロジベンゼンスルホンアミド (158mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチルを30mg得た。収率は37%であった。
【0208】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸23mgを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0209】
実施例39:イブプロフェンの合成
【0210】
【化42】
【0211】
p-イソブチルエチルベンゼン (2.4g)、エチルアルコール(46mg)、TBP(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、カルボニルエステル化産物97mgを得た。収率は83%であった。
【0212】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ 0.91 (d、J = 6.4 Hz、6H)、1.29 (t、J = 7.2 Hz、3H)、 1.61 (d、J = 6.4 Hz、3H)、 1.82-1.84 (m、 1H)、 2.43 (d、J = 6.4 Hz、2H)、3.78 (d、J = 6.8 Hz、2H)、 4.21(q、J = 7.2 Hz、 2H)、7.05 (d、J = 6.8 Hz、2H)、 7.24 (d、J = 6.8 Hz、2H)、; 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ13.7、 14.1、 22.8、 29.0、 40.2、 40.4、 44.5、 61.6、 128.8、 128.9、 132.2、 140.2、 173.7;HRMS (ESI) calcd. for C15H22NaO2 [M+Na]: 257.1517、 found: 257.1514。
【0213】
得られたエステル化産物を1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるイブプロフェン83mgを得た。加水分解の収率は97%であった。
【0214】
実施例40:ナプロキセンの合成
【0215】
【化43】
【0216】
6-メトキシ-2-エチルナフタレン (1.8g)、エチルアルコール(46mg)、TBP(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2 (3.8mg、1 mol%)、ベンゼン(1mL)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、カルボニルエステル化産物102mgを得た。収率は79%であった。
【0217】
1HNMR (400 MHz、 CDCl3) δ1.29 (t、J = 7.2 Hz、3H)、1.67 (d、J = 6.4 Hz、3H)、 3.77-3.84 (m、 4H)、4.21(q、J = 7.2 Hz、 2H)、7.22-7.24(m、 2H)、 7.40-7.43(m、2H)、 7.87-7.90(m、 2H); 13CNMR (100 MHz、 CDCl3) δ13.7、 14.1、 40.8、 55.8、 61.6、 105.4、 126.1、 126.7、 128.5、 129.0、 129.4、 132.8、 133.0、 156.1、 173.7; HRMS (ESI) calcd. for C16H18NaO3 [M+Na]: 281.1154、 found: 281.1150。
【0218】
得られたエステル化産物を1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるナプロキセン84mgを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0219】
実施例41:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0220】
【化44】
【0221】
トルエン (1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg)、トリクロロイリジウム(1mg、1 mol%)、Xantphos(2.9mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で24h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル43mgを得た。収率は53%であった。
【0222】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸34mgを得た。加水分解の収率は96%であった。
【0223】
実施例42:エチルベンゼンとエチルアルコールによる2-フェニルプロピオン酸の製造
【0224】
【化45】
【0225】
エチルベンゼン (1.59g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Rh2(OAc)4 (1.1mg、0.5 mol%)、Xantphos(2.9mg、1mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を30atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、2-フェニルプロピオン酸エチル77mgを得た。収率は86%であった。
【0226】
得られた2-フェニルプロピオン酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物である2-フエニルプロピオン酸58mgを得た。加水分解の収率は90%であった。
【0227】
実施例43:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0228】
【化46】
【0229】
トルエン(18.4g、100mmol)、エチルアルコール(1.84g、40mmol)、t-ブチルパーオキシド(5.84g、40mmol)、Pd(Xantphos)Cl2(15.2mg、0.02mmol)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で24h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル4.2gを得た。収率は64%、TON=1280であった。
【0230】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸3.2gを得た。加水分解の収率は92%であった。
【0231】
実施例44:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0232】
【化47】
【0233】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、80℃まで加熱し、恒温で24h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル55mgを得た。収率は67%であった。
【0234】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸39mgを得た。加水分解の収率は86%であった。
【0235】
実施例45:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0236】
【化48】
【0237】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、100℃まで加熱し、恒温で20h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル66mgを得た。収率は80%であった。
【0238】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸49mgを得た。加水分解の収率は90%であった。
【0239】
実施例46:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0240】
【化49】
【0241】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を10atm充填して、150℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル60mgを得た。収率は73%であった。
【0242】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸44mgを得た。加水分解の収率は89%であった。
【0243】
実施例47:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0244】
【化50】
【0245】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を1atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル43mgを得た。収率は52%であった。
【0246】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸33mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0247】
実施例48:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0248】
【化51】
【0249】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を5atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル61mgを得た。収率は74%であった。
【0250】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸45mgを得た。加水分解の収率は86%であった。
【0251】
実施例49:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0252】
【化52】
【0253】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を20atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル71mgを得た。収率は87%であった。
【0254】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸55mgを得た。加水分解の収率は93%であった。
【0255】
実施例50:トルエンとエチルアルコールによるフェニル酢酸の製造
【0256】
【化53】
【0257】
トルエン(1.38g)、エチルアルコール(46mg)、t-ブチルパーオキシド(73mg、1当量)、Pd(Xantphos)Cl2(3.8mg、1 mol%)を反応釜に仕込み、一酸化炭素を50atm充填して、120℃まで加熱し、恒温で16h撹拌した。反応が終わった後、一酸化炭素を放出した。カラムクロマトグラフィーにより、フェニル酢酸エチル62mgを得た。収率は76%であった。
【0258】
得られたフェニル酢酸エチルを1、4-ジオキサンに溶解し、更に6N水酸化ナトリウム溶液を加入して、60℃まで加熱した。2h反応した後、2N塩酸を加入してpH値を1に調整した。減圧で有機溶媒を除去した後、酢酸エチルで抽出したところ、産物であるフェニル酢酸47mgを得た。加水分解の収率は91%であった。