(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746723
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報端末、情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
G06F3/02 390Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-71959(P2013-71959)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-197270(P2014-197270A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2014年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 巨志
【審査官】
松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第01871075(EP,A1)
【文献】
特開2007−329597(JP,A)
【文献】
特開2012−182609(JP,A)
【文献】
特開2013−005037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02− 3/027
H03M 11/04
H03M 11/08−11/14
H03M 11/20−11/24
H04M 1/00
H04M 1/24− 1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報端末は、
前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を含み、
前記情報処理装置は、
自身が前記通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて前記移行信号を受信する受信手段と、
前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記代行入力状態に移行させる移行手段と、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する通知手段と、を含み、
前記情報端末は、
前記通知手段により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置と通信を行い、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末であって、
前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を含み、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作することを特徴とする情報端末。
【請求項3】
情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と通信を行い、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置であって、
前記情報端末が送信する所定の移行信号を、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて受信する受信手段と、
前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に移行させる移行手段と、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する通知手段と、を含み、
前記通知手段が前記情報端末に対して前記代行入力状態に移行した旨を通知すると、前記第2の入力手段への入力情報を前記第2の通信手段を用いて送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置とを含む情報処理システムの制御方法であって、
前記情報端末は、
前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する工程と、
前記判断する工程により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する工程と、を含み、
前記情報処理装置は、
自身が前記通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて前記移行信号を受信する工程と、
前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記代行入力状態に移行させる工程と、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する工程と、を含み、
前記情報端末は、
前記通知する工程により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置と通信を行い、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末のコンピュータに、
前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する処理と、
前記判断する処理により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する処理と、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する処理と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と通信を行い、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置のコンピュータに、
前記情報端末が送信する所定の移行信号を、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて受信する処理と、
前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に移行させる処理と、
前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する処理と、
前記通知する処理により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨を通知すると、前記第2の入力手段への入力情報を前記第2の通信手段を用いて送信する処理と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報端末、情報処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンに代表される情報端末の爆発的な普及に伴い、電子メールやTwitter(ツイッター:登録商標)といった通話以外の用途で、情報端末が使用される機会が増加している。そして、このような通話以外の用途で情報端末を使用するときは、一般的にテンキーやキーボードを使用して文字等を入力することが行われている。その一方で、携帯電話やスマートフォンは、さらなる小型軽量化が図られている。
【0003】
これに対して、オフィスや自宅等では、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう。)が使われるのが一般的である。デスクトップ型のPCを用いて電子メールやTwitter(ツイッター)を行う場合には、デスクトップPCに接続されたいわゆるQWERTY配列のキーボードを用いて文字等の入力が行われる。他方、出張時等には、携帯性に優れたノート型や、タブレット型のPCが用いられるが、この場合も、ディスプレイと一体化されたQWERTY配列のキーボードが用いられる。
【0004】
そして、近年、スマートフォンの流行がオフィス環境においても浸透し、出張時等においても、従来のノート型や、タブレット型のPCを携帯することに代えて、又はノート型や、タブレット型のPCを携帯することに加えて、従来の携帯電話を持参する代わりにスマートフォンを持参する機会が増加している。また、自宅やオフィス等においても、デスクトップ型のPCとは別に、従来の携帯電話の代わりとしてスマートフォンを使用する人々が増えてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−530572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような背景の下、スマートフォンを用いて文字等を入力する際には、小型の液晶画面に表示されたQWERTY配列のキーボードを指で操作して入力することになるが、液晶画面の面積の制約上、小さいサイズのキーボードを指で操作して入力することになるため、操作がし難いという問題点があった。その一方で、デスクトップ型、ノート型、又はタブレット型のPCは、未使用状態の場合にはPCの一部の機能であるキーボードを含めたすべてのデバイスが電源オフ状態となるため、すぐ近くに未使用状態のキーボードが存在しながら、これを有効に使う手立てがないという問題があった。
【0007】
このように、電源オフ状態で未使用のキーボードがすぐ傍にありながら、操作がし難いスマートフォンのサイズの小さいキーボードを用いて文字等の情報を入力しなければならず、特に、出張時等において、営業報告等の長い文章を電子メールで送る場合は、すぐ傍にQWERTY配列のキーボードが搭載されたノート型や、タブレット型のPCがありながら、スマートフォンのサイズの小さいキーボードを用いて文字等を入力しなければならず、電源オフ状態で未使用のノート型や、タブレット型のPCのキーボードを有効に使用することができないという問題があった。
【0008】
そして、特許文献1には、スマートフォンからの入力の代わりにPCのキーボードを使用する技術が開示されている。しかしながら、単にスマートフォンからのキー入力の代わりにPCのキーボードを使用することが記載されているだけであって、PCが電源オフ時であって未使用状態で存在するPCの一部の機能であるキーボードを有効的に活用するといった技術思想は一切開示されていない。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、PCに接続されたキーボードを有効的に活用し、情報端末におけるキー入力の操作性を向上させ、PCの一部の機能を有効的に活用することが可能な情報処理システム、情報端末、情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における情報処理システムは、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記情報端末は、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を含み、前記情報処理装置は、自身が前記通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて前記移行信号を受信する受信手段と、前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記代行入力状態に移行させる移行手段と、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する通知手段と、を含み、前記情報端末は、前記通知手段により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明における情報端末は、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置と通信を行い、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末であって、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を含み、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作することを特徴とする。
【0012】
さらに、上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明における情報処理装置は、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と通信を行い、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置であって、前記情報端末が送信する所定の移行信号を、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて受信する受信手段と、前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に移行させる移行手段と、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する通知手段と、を含み、前記通知手段が前記情報端末に対して前記代行入力状態に移行した旨を通知すると、前記第2の入力手段への入力情報を前記第2の通信手段を用いて送信することを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明における制御方法は、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置とを含む情報処理システムの制御方法であって、前記情報端末は、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する工程と、前記判断する工程により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する工程と、を含み、前記情報処理装置は、自身が前記通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて前記移行信号を受信する工程と、前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記代行入力状態に移行させる工程と、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する工程と、を含み、前記情報端末は、前記通知する工程により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
そして、上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明におけるプログラムは、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置と通信を行い、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末のコンピュータに、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態であるか否かを判断する処理と、前記判断する処理により前記情報処理装置が前記通常入力状態でないと判断されると、前記情報処理装置との間で双方向の通信を行う第1の通信手段を用いて、少なくとも前記第2の入力手段に対して電源を供給すると共に、前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に前記情報処理装置を移行させる移行信号を、前記情報処理装置に対して送信する処理と、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨が通知されると、前記第1の通信手段を用いて受信する前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する処理と、を実現させることを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明におけるプログラムは、情報を入力する第1の入力手段を有する情報端末と通信を行い、情報を入力する第2の入力手段を有する情報処理装置のコンピュータに、前記情報端末が送信する所定の移行信号を、前記情報処理装置が前記第2の入力手段への入力情報に従って動作する通常入力状態でなくても、前記情報端末との間で双方向の通信を行う第2の通信手段を用いて受信する処理と、前記移行信号を受信することにより前記情報処理装置を前記第2の入力手段への入力情報を前記情報端末に送信する代行入力状態に移行させる処理と、前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行すると、前記情報端末に対してその旨通知する処理と、前記通知する処理により前記情報処理装置が前記代行入力状態に移行した旨を通知すると、前記第2の入力手段への入力情報を前記第2の通信手段を用いて送信する処理と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、PCに接続されたキーボードを有効的に活用し、情報端末におけるキー入力の操作性を向上させ、PCの一部の機能を有効的に活用することが可能な、情報処理システム、情報端末、情報処理装置、制御方法、及びプログラムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態における情報処理システムについて説明する構成図である。
【
図2】本発明の実施形態における情報処理システムの構成について説明する概略ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における情報処理システムを構成する(a)情報処理装置、(b)情報端末の動作を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。まず、本発明の実施形態における情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における情報処理システムについて説明する構成図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態における情報処理システムは、デスクトップ型PC等の情報処理装置11とスマートフォン等の情報端末12とから構成される。
【0019】
情報処理装置11は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ115とキーボード116等の入力手段を含んで構成されている。情報端末12は、LCD等のディスプレイ125と、ディスプレイ125に表示されアプリケーションソフトウェアによって起動されるソフトウェアキーボード、テンキー126等の入力手段を含んで構成されている。そして、情報処理装置11と情報端末12とは、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)に代表されるような近距離無線通信を用いて双方向の通信が行われる。
【0020】
次に、本発明の実施形態における情報処理システムの構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態における情報処理システムの構成について説明する概略ブロック図である。
図2を参照すると、情報処理装置11は、スピーカ111、マイク112、CPU(Central Processing Unit)113、メモリ114、ディスプレイ115、入力手段としてのキーボード116、通信手段としてのインタフェース117、及び切替部118を含んで構成される。また、情報端末12は、スピーカ121、マイク122、CPU123、メモリ124、ディスプレイ125、入力手段としてのテンキー126、通信手段としてのインタフェース127、及び通信部128を含んで構成される。
【0021】
情報処理装置11がシャットダウンされ、情報処理装置11が未使用状態に移行すると、その機能の一部であるキーボード116も未使用状態に移行する。情報処理装置11が未使用状態であっても、情報処理装置11のインタフェース117と、情報端末12のインタフェース127との間では、上述したようなブルートゥース(Bluetooth)に代表されるような近距離無線通信を用いて双方向の通信が行われる。
【0022】
情報端末12の通信部128は、情報端末12が通話や電子メール等の機能を実行するときに、インターネット等の公衆ネットワークに接続するためのものである。また、情報処理装置11の切替部118は、後述するように、情報処理装置11がシャットダウン状態、すなわち、キーボード116への入力情報に従って動作する通常入力状態でないときであっても、情報端末12から送信される移行信号に基づいて、キーボード116を、情報端末12のテンキー126の代わりとして起動状態に移行させる信号をキーボード116に対して出力するためのものである。この移行信号に基づいて、キーボード116は、情報端末12のテンキー126に代わって起動するのである。すなわち、情報処理装置11のキーボード116への入力情報を、情報端末12に送信する状態、換言すれば、情報処理装置11を、情報端末12の代行入力状態に移行させるのである。なお、情報端末12の入力手段としてのテンキー126は、ディスプレイ125のLCDにソフトウェアキーボードとして表示されるものや、ディスプレイ125とは別体に物理的に設けられるものであっても良い。さらに、情報処理装置11及び情報端末12には、それぞれ図示しない電源部が設けられており、情報処理装置11が通常入力状態でないときであっても、情報端末12のインタフェース127から通信信号を受信することにより、キーボード116に対して電源が供給される。
【0023】
次に、本発明の実施形態における情報処理システムの動作について説明する。
図3は、本発明の実施形態における情報処理システムを構成する(a)情報処理装置、(b)情報端末の動作を説明するためのフローチャート図である。このフローチャート図は、情報処理装置11がシャットダウン状態、すなわち起動状態でないときにおいても、情報端末12からの起動信号により、情報端末12のテンキー126の代わりに、情報処理装置11のキーボード116を入力手段として使用可能となることを想定している。
【0024】
図3(b)において、まず、ステップ(以下、「S」という。)306の処理では、情報端末12自身が、通話や電子メール等を行っていない、いわゆる待受状態であるか否かが判断される。S306の処理において、情報端末12自身が待受状態でない(S306:N)と判断されると、待受状態になるまで待機する。S306の処理において、情報端末12自身が待受状態である(S306:Y)と判断されると、S307の処理へ移行する。
【0025】
S307の処理では、上述した近距離無線通信により、情報処理装置11が、通常入力状態であるか否かが判断される。この判断は、情報端末12の通信手段としてのインタフェース127が、情報処理装置11の通信手段としてのインタフェース117に対して、近距離無線通信を使って確認信号を送信し、これに対する応答信号を受信することによって行われる。情報処理装置11が通常入力状態である(S307:Y)と判断されると、処理を終了する。情報処理装置11が通常入力状態でない(S307:N)と判断されると、S308の処理へ移行する。
【0026】
S308の処理では、情報処理装置11のキーボード116を、情報端末の12のテンキー126の代わりとして起動させる移行信号を情報端末12から情報処理装置11に対して送信する。これは、情報端末12の通信手段としてのインタフェース127が、情報処理装置11の通信手段としてのインタフェース117に対して、近距離無線通信を使って、情報処理装置11の入力手段としてのキーボード116の電源をオン状態にする起動信号を送信することによって行われる。そして、S309の処理では、情報処理装置11のキーボード116が代行入力状態に移行すると、情報端末12は、キーボード116から入力された指示に従って動作する。
【0027】
次に、
図3(a)において、S301の処理では、情報処理装置11自身が通常入力状態であるか否かが判断される。情報処理装置11自身が通常入力状態である(S301:Y)と判断されると、処理を終了する。情報処理装置11自身が通常入力状態でない(S301:N)と判断されると、S302の処理へ移行する。
【0028】
S302の処理では、キーボード116を、テンキー126の代わりとして起動させる移行信号を、情報端末12から受信する。S303の処理では、情報処理装置11の切替部118が、キーボード116に対して信号を出力することにより、情報処理装置11自身のキーボード116が起動される。このとき、情報処理装置11全体としては起動していないが、情報処理装置11の図示しない電源部から、キーボード116に対して電源が供給され、情報処理装置11が代行入力状態に移行する。
【0029】
S304の処理では、情報処理装置11自身のキーボード116から入力がなされたか否かが判断される。キーボード116から入力されない(S304:N)と判断されると、入力がされるまで待機する。キーボード116から入力された(S304:Y)と判断されると、S305の処理へ移行する。
【0030】
S305の処理では、キーボード116からの入力に基づいて、情報端末12を操作する。すなわち、情報端末12のテンキー126に代えて、情報処理装置11のキーボード116を用いた入力がなされる。これは、情報処理装置11の通信手段としてのインタフェース117が、情報端末12の通信手段としてのインタフェース127に対して、近距離無線通信を使って、キーボード116のコマンド信号を送信することによって行われる。
【0031】
なお、
図3に示した本発明の実施形態における情報処理システムの各動作フローは、コンピュータ上のプログラムに実行させることもできる。すなわち、
図2の情報処理装置11のCPU113及び情報端末12のCPU123が、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等に代表されるそれぞれのメモリ114、124に格納されたプログラムをロードし、プログラムの各処理ステップが順次実行されることによって行われる。
【0032】
このように、本発明によれば、PCに接続されたキーボードを有効的に活用し、情報端末におけるキー入力の操作性を向上させ、PCの一部の機能を有効的に活用することが可能な情報処理システム、情報端末、情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
11 情報処理装置
12 情報端末
111、121 スピーカ
112、122 マイク
113、123 CPU
114、124 メモリ
115、125 ディスプレイ
116 キーボード
117、127 インタフェース
118 切替部
126 テンキー
128 通信部