(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0055】
合成例
本発明の化合物を作製できる方法は、下記実施例によってさらに理解されるであろう。
方法A:
方法Aの中間体は、WO2008039645, Boehringer Ingelheim International GmbHに記載されているように、或いはWO2008014199, Boehringer Ingelheim International GmbHに記載されているように調製される。
(5-tert-ブチル-2-メチル-2H-ピラゾール-3-イル)-[2-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-2-メチル-プロピル]-アミン(実施例2)の合成
【0056】
【化16】
【0057】
工程1:化合物A-3の合成
エタノール(450mL)中60g(0.415mol)の化合物A-1に23.23g(0.415mol)のKOHペレットを添加した後、80.90g(0.415mol)の化合物A-2を加える。反応混合物を18時間加熱して還流させ、室温に冷ます。固体(KBr)をろ過で分離し、エタノール(3×100mL)ですすぎ、ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をDCM(600mL)に溶かす。有機層を水(500mL)で洗浄し、水性洗浄液をDCM(100mL)で逆抽出する。混ぜ合わせた有機物を食塩水(400mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。ろ過し、減圧下で濃縮して102.82gの化合物A-3を黄色油として得る。収率:96%, ES-MS: m/z 259 [M+H];
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.23 (3 H, t, J=7.21 Hz), 1.48 (6 H, s), 4.12 (2 H, q, J=7.09 Hz), 7.28 - 7.33 (2 H, m), 7.37 - 7.43 (2 H, m)
【0058】
工程2:化合物A-4の合成
ジオキサン/水(5:1,1000mL)中102.85g(0.399mol)の化合物A-3の溶液に489.5g(0.798mol)の一過硫酸カリウム三塩(OXON(登録商標))を3回に分けて加える。白色懸濁液を室温で18時間撹拌し、ジオキサン(750mL)で洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して有機溶媒を除去する。結果として生じる水溶液をDCM(800mL)で抽出する。有機抽出物を水(600mL)、次に食塩水(600mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させてろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して107.26gの化合物A-4を黄色油として得る。収率:93%; ES-MS: m/z 291 [M+H];
1H-NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.22 (3 H, q, J=7.17 Hz), 1.60 (6 H, s), 4.13 (2 H, q, J=7.14 Hz), 7.51 (2 H, d, J=8.51 Hz), 7.71 - 7.82 (2 H, m)
【0059】
工程3:化合物A-5の合成
THF/水(4:1,900mL)中107.26g(0.369mol)の化合物A-4の溶液に水溶液(100mL)中29.58g(0.739mol)の水酸化ナトリウムを加える。反応を室温で18時間撹拌する。反応を減圧下で濃縮して有機溶媒を除去してから再び水で希釈して600mLの溶液を作る。水溶液をDCM(500mL)で洗浄する。塩基性水層を氷浴で冷却してから濃HCl溶液で酸性にしてpHを2にする。酸性水層をDCM(2×500mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を食塩水(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させてろ過する。減圧下でろ液を濃縮して89.86gの化合物A-5をオフホワイト固体として得る。収率:93%; ES-MS: m/z 263 [M+H];
1H-NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.64 (6 H, s), 7.56 (2 H, d, J=8.87 Hz), 7.84 (2 H, d, J=8.87 Hz)
【0060】
工程4:化合物A-6の合成
70℃で3時間塩化チオニル(17mL)で処理して10g(38.2mmol)の化合物A-5の活性化を達成する。反応混合物を室温に冷まして過剰の塩化チオニルを減圧下で除去する。
粗製酸塩化物をDCM(100mL)に溶かし、DCM(150mL)中5.84g(38.2mmol)の5-tert-ブチル-2-メチル-2H-ピラゾール-3-イルアミンとN,N-ジイソプロピルエチルアミン(13.27mL)の溶液に加える。反応を室温で16時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をDCM(300mL)で溶解させてNaHCO
3飽和水溶液(300mL)で洗浄する。有機層を分離して食塩水(300mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過してろ液を減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(200gのシリカ,溶出液:DCM,0〜20%の酢酸エチル)で精製する。結果として生じる固体をシクロヘキサンで控えめに洗浄してから真空下で乾燥させて12.145gの化合物A-6をピンク色粉末として得る。収率:80%; ES-MS: m/z 398/400 [M+H];
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (9 H, s), 1.62 (6 H, s), 3.78 (3 H, s), 6.22 (1 H, s), 7.48 - 7.68 (2 H, m), 7.70 - 7.96 (2 H, m), 8.88 (1H, s)。
上記手順により下記アミドを合成する。
【0061】
表1
【0062】
工程5:実施例2の合成
無水THF(3mL)中300mg(0.76mmol)の化合物A-6の溶液にボラン(THF中1M,3mL)を室温で窒素雰囲気にて加える。反応を室温で16時間撹拌してから50℃に4時間加熱する。冷却後、メタノール(3mL)を添加して反応混合物をクエンチし、溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCMとNaHCO
3飽和水溶液に分配する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、ろ過してろ液を減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLC(酸性法)で精製した後、DCM/メタノール中MP-カルボナート樹脂上で遊離塩基にして濃縮し、136mgの実施例2を得る。収率47%; ES-MS; m/z 383 [M+H];
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ.ppm 1.27 (9 H, s), 1.39 (6 H, s), 3.29 (2 H, d, J=6.22 Hz), 3.63 (3 H, s), 4.35 (1 H, t, J=5.95 Hz), 5.27 (1 H, s), 7.57 (2 H, d, J=8.05 Hz), 7.81 (2 H, d, J=8.23 Hz)
この手順により表4、方法Aの実施例を合成する。
【0063】
方法B:
WO2008039645, Boehringer Ingelheim International GmbHに記載の合成方法の適応により方法Bの中間体を調製する。
(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-[2-メチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメタンスルホニル)-プロピル]-アミン(実施例4)の合成
【0064】
【化17】
【0065】
工程1:化合物B-2の合成
THF(200mL)中250mLのLiAlH
4(THF中2.3M溶液,0.575mol)の溶液にTHF(900mL)中130mL(0.974mol)の化合物B-1の溶液を窒素雰囲気下で滴加する(注意:高度に発熱反応!)。氷浴を用いて温度を40〜45℃で維持する。添加が完了したら、反応を室温で1.5時間撹拌する。反応を氷浴で冷却し、水(22mL)、15%のNaOH水溶液(21mL)及び水(66mL)を添加してクエンチする。結果として生じる沈殿物をCelite(登録商標)でろ過して除去し、THF(300mL)ですすぐ。ろ液を減圧下で濃縮して102.5gの化合物B-2を無色油として得る。収率:91%;
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.20 - 1.39 (2 H, m), 1.56 - 1.83 (3 H, m), 2.03 (1 H, br. s.), 3.29 - 3.52 (4 H, m), 3.89 - 4.05 (2 H, m)
【0066】
工程2:B-3の合成
下記文献の適応により記載どおりに調製する:
Radziszewski, J.G. et al. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 8401。
2-メチルテトラヒドロフラン(190mL)中97g(810mmol)の化合物B-2の溶液に165mLの50%のNaOH水溶液を加える。この撹拌溶液に冷却しながら2-メチルテトラヒドロフラン(280mL)中のp-トルエン-スルホニルクロリド(283g,1.46mol)の溶液を滴加する。反応を30〜35℃で18時間撹拌する。懸濁液を氷水(280mL)とHCl水溶液(37%,203mL)の混合物に注ぐ。メチルシクロヘキサン(1.4L)及びさらなる氷水(0.2L)の添加後、反応混合物を氷浴内で2時間撹拌する。結果として生じる結晶性沈殿物をろ過で単離し、メチルシクロヘキサン(0.5L)及び水(0.5L)で洗浄する。減圧下で40℃にて乾燥させて216gの化合物B-3を白色結晶性固体として得る。収率:99%, ES-MS: m/z 271 [M+H];
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.19 - 1.35 (2 H, m), 1.54 - 1.63 (2 H, m), 1.85 - 2.02 (1 H, m), 2.45 (3 H, s), 3.28 - 3.39 (2 H, m), 3.86 (2H, d, J=6.60 Hz), 3.93 (2 H, dd, J=11.37, 4.52 Hz), 7.35 (2 H, d, J=9.29 Hz), 7.78 (2 H, d, J=8.31 Hz)
【0067】
工程3:B-4の合成
下記文献の適応により記載どおりに調製する:
Watson, R.J. et al. Tetrahedron Lett. 2002, 43, 683-685。
メチルイソブチルケトン(1.6L)中224g(0.83mol)の化合物B-3の溶液に189g(1.66mol)のチオ酢酸カリウムを加える。ベージュ色の懸濁液を70℃で4.5時間撹拌する。反応混合物を室温に冷まして水(1.8L)を加える。有機層を10%のK
2CO
3水溶液(1.8L)及び水(1L)で洗浄する。有機層をcelite(登録商標)(20g)、活性炭(20g)及びNa
2SO
4(20g)を通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残留油をメチルシクロヘキサン(200mL)及びn-ヘプタン(250mL)と共沸させて138gの化合物B-4を黄橙色油として得る(注意:悪臭!)。収率:96%; ES-MS: m/z 175 [M+H];
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.23 - 1.40 (2 H, m), 1.59 - 1.78 (3 H, m), 2.33 (3 H, d, J=4.16 Hz), 2.82 (2 H, dd, J=6.24, 3.79 Hz), 3.27- 3.39 (2 H, m), 3.88 - 4.02 (2 H, m)
【0068】
工程4:化合物B-5の合成
窒素雰囲気下トルエン(500mL)中90g(516mmol)の化合物B-4の溶液を氷浴内で冷却する。エタノール中のナトリウムエトキシドの溶液(21%,231mL)を加えて反応を50分間撹拌する。次に76mL(516mmol)のα-ブロモイソ酪酸エチルを加えて反応を1時間撹拌する。反応混合物に氷酢酸(8.9mL)及び水(500mL)を加える。有機層を分離して水(500mL)で洗浄する。三つ口丸底フラスコに水(500mL)、oxone(登録商標)(477g,775mmol)及びテトラブチルアンモニウム-水素スルファート(5g,15mmol)を入れて有機層を加える。二相反応混合物を室温で2日間撹拌する。固体をろ過で除去し、ろ液の層を分ける。有機層を水(2×500mL)で洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、トルエンとさらに共沸させて125gの化合物B-5を得る。収率:87%; ES-MS: m/z 279 [M+H];
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.32 (3 H, t, J=7.16 Hz), 1.39 - 1.59 (2 H, m), 1.64 (6 H, s), 1.81 - 1.97 (2 H, m), 2.29 - 2.53 (1 H, m),3.15 (2 H, d, J=6.55 Hz), 3.45 (2 H, dd, J=1.83, 0.30 Hz), 3.88 - 4.03 (2 H, m), 4.26 (2 H, d, J=7.16 Hz)
【0069】
工程5:化合物B-6の合成
THF(450mL)中123g(0.44mol)の化合物B-5の溶液に663mLの2M水酸化ナトリウム水溶液(1.33mol)を加える。反応を室温で1時間撹拌する。反応混合物にTBME(1.25L)を加えて層を分ける。水層を氷浴で冷却してから37%HCl水溶液(123mL)で酸性にする。結果として生じる沈殿物をろ過で単離し、水(200mL)で洗浄して減圧下で50℃にて乾燥させて101gの2化合物B-6を白色結晶性固体として得る。収率:91%; ES-MS: m/z 251 [M+H];
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 - 1.45 (2 H, m), 1.49 (6 H, s), 1.70 - 1.79 (2 H, m), 2.13 - 2.28 (1 H, m), 3.24 (2 H, d, J=6.60 Hz), 3.28 - 3.38 (2 H, m), 3.76 - 3.85 (2 H, m), 13.65 (1 H, br. s.)
【0070】
工程6:化合物B-7の合成
塩化チオニル(600mL)で60℃にて3時間処理して55.9g(22.3mmol)の化合物B-6の活性化を達成する。反応混合物を室温に冷まして過剰の塩化チオニルを減圧下で除去する。
粗製酸塩化物をDCM(400mL)に溶かし、DCM(250mL)中31.3g(22.3mmol)の3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イルアミンとN,N-ジイソプロピルエチルアミン(194mL)の溶液に加える。反応を室温で16時間撹拌する。反応混合物をDCM(1350mL)で希釈してNaHCO
3飽和水溶液(1000mL)で洗浄する。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。粗生成物をドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(2kgのシリカ,溶出液:DCM,0〜20%の酢酸エチル)で精製する。結果として生じる固体をイソプロパノール/ヘプタン(1/1.2L)から再結晶させてから減圧下で乾燥させて80gの化合物B-7をオフホワイト粉末として得る。収率96%; ES-MS: m/z 373 [M+H];
1H NMR (360 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.35 (9 H, s), 1.41 - 1.55 (2 H, m), 1.74 (6 H, s), 1.82 - 1.91 (2 H, m), 2.29 - 2.52 (1 H, m), 2.92 (2 H, d, J=6.58 Hz), 3.34 - 3.49 (2 H, m), 3.88 - 4.00 (2 H, m), 6.30 (1 H, s), 9.38 (1 H, s)。
【0071】
工程7:実施例4の合成
無水THF(2mL)中200mg(0.54mmol)の化合物B-7の溶液に41mg(1.07mmol)の水素化アルミニウムリチウムを少しずつ0℃で加える。反応を室温に戻して5時間撹拌する。NH
4Cl飽和溶液を添加して反応をクエンチし、Celite(登録商標)を通して混合物をろ過する。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:DCM,5%酢酸エチル)で精製して27mgの(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-[2-メチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメタンスルホニル)-プロピル]-アミンを得る。収率:14%; ES-MS: m/z 359 [M+H];
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.27 (9 H, s), 1.39 - 1.59 (8 H, m), 1.81 - 1.99 (2 H, m), 2.32 - 2.53 (1 H, m), 2.79 - 2.90 (2 H, m), 3.40 -3.52 (2 H, m), 3.54 (2 H, d, J=6.36 Hz), 3.90 - 4.06 (2 H, m), 4.94 (1 H, s), 5.18 (1 H, t, J=6.36 Hz);
この手順により表4、方法Bの実施例を合成する。
【0072】
方法C
実施例6の合成
【0073】
【化18】
【0074】
工程1:化合物C-2の合成
DMF(500mL)中C-1(62g,0.32mol)の溶液に室温でチオ酢酸カリウム(72g,0.63mol)を加える。反応を16時間撹拌してから減圧下で濃縮する。残渣を2M塩酸水溶液(500mL)で希釈して酢酸エチル(3×500mL)で抽出する。有機フラクションを混ぜ合わせ、食塩水(300mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。クロマトグラフィー(シリカ,溶出液:ヘプタン/DCM)で精製して44gの化合物C-2を得る。収率:73%; m/z 191 [M+H];
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.18 - 1.30 (3 H, m), 1.57 (6 H, s), 2.27 (3 H, s), 4.19 (2 H, q, J=7.16 Hz)。
【0075】
工程1:化合物C-3の合成
エタノール(1.2L,窒素下で1時間脱気した)中149g(785.4mmol)の化合物C-2の溶液に169.7g(105mmol)のナトリウムメトキシドを添加した後、150g(785.4mmol)の1-ブロモ-4,4,4-トリフルオロブタンの溶液を加える。反応を85℃に3日間加熱する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をDCM(1L)に溶かしてNaHCO
3飽和水溶液(2×1L)で洗浄する。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して171gの化合物C-3を褐色油として得る。収率:84%; ES-MS: m/z 259 [M+H];
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.29 (3 H, t, J=7.17 Hz), 1.51 (6 H, s), 1.76 - 1.86 (2 H, m), 2.12 - 2.27 (2 H, m), 2.69 (2 H, t, J=7.17 Hz), 4.18 (2 H, q, J=7.17 Hz)。
【0076】
工程2:化合物C-4の合成
1,4-ジオキサン/水(1/1,4L)中220g(851.7mmol)の化合物C-3の溶液に1047g(1703.4mmol)のoxone(登録商標)を室温で0.5時間にわたって少しずつ加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。固体をろ過で除去し、1,4-ジオキサン(0.5L)ですすぐ。ろ液を減圧下で濃縮して有機溶媒を除去する。水性残渣をDCM(2×1L)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をNaHCO
3飽和水溶液(2L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させてろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して226gの化合物C-3を暗黄色油として得る。収率92%; ES-MS: m/z 291 [M+H];
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.32 (3 H, t, J=7.17 Hz), 1.66 (6 H, s), 2.20 (2 H, 5重, J=7.59 Hz), 2.28 - 2.41 (2 H, m), 3.34 (2 H, t, J=7.48 Hz), 4.27 (2 H, q, J=7.17 Hz)。
【0077】
工程3:化合物C-5の合成
THF(3.4L)中170g(585.6mmol)の化合物C-4の溶液に225.4g(1756.8mmol)のカリウムトリメチルシラノラートを0.5時間にわたって少しずつ加える。反応を室温で18時間撹拌する。反応混合物を2MのHCl水溶液(2L)で酸性にしてpHを2とし、DCM(2×2L)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して143gの化合物C-5を黄色固体として得る。収率:93%; ES-MS: m/z 261 [M-H].
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.71 (6 H, s), 2.18 - 2.28 (2 H, m), 2.30 - 2.42 (2 H, m), 3.38 (2 H, t, J=7.48 Hz), 6.96 (1 H, br. s.)。
【0078】
工程4:化合物C-6の合成
トルエン中(0.7L)100℃で6時間塩化チオニル(50mL,0.55mol)及びDMF(cat.,10mol%)で処理して72g(0.27mol)の化合物C-5の対応する酸塩化物としての活性化を達成する。反応を室温に冷まし、蒸留でトルエン(0.2L)を除去し、新鮮なトルエン(0.2L)を添加する。このプロセスを2回繰り返す。
この酸塩化物溶液を0.5時間かけてトルエン(0.3L)中の56g(0.23mol)の3-[1,1-ジメチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミンと92mL(0.55mol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンの撹拌懸濁液に35℃で滴加する。添加完了後、反応を60℃に17時間加熱する。反応を室温に冷まして溶媒を減圧下で除去する。残渣を酢酸エチル(1L)に溶かし、NaHCO
3飽和水溶液(0.7L)、食塩水(0.7L)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して残渣を2回ドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液ヘプタン,30%酢酸エチル)で精製して85gの化合物C-6を得る。収率:64%; ES-MS: m/z 483 [M-H];
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.36 (3H, s), 1.38 (3H, s) 1.45 - 1.73 (5 H, m), 1.74 - 1.87 (7 H, m), 2.15 - 2.25 (2 H, m), 2.27 - 2.40 (2H, m), 3.11 (2 H, t, J=7.55 Hz), 3.38 (1 H, d, J=9.31 Hz), 3.46 - 3.53 (1 H, m), 3.75 - 3.84 (2 H, m), 4.59 (1 H, t, J=3.43 Hz), 6.37 (1 H, s), 9.24 (1 H, s)。
【0079】
工程5:化合物C-7の合成
無水THF(5mL)中500mg(1.03mmol)の化合物C-6の溶液に4.126mL(4.12mmol)の水素化アルミニウムリチウム(THF中1M溶液)を窒素雰囲気下0℃で加える。反応を室温に戻して18時間撹拌する。塩化アンモニウム飽和溶液を添加して反応をクエンチし、celite(登録商標)を通して混合物をろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して黄色油を得、カラムクロマトグラフィー(Combiflashシステム上シリカ,溶出液:ヘプタン,0〜100%の酢酸エチル)で精製して257mgの化合物C-7を得る。収率:49%; ES-MS: m/z 469 [M-H];
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.20 - 1.35 (9 H, m), 1.36 - 1.88 (9 H, m), 2.13 - 2.48 (4 H, m), 3.05 (2 H, t, J=7.23 Hz), 3.34 (1 H, d, J=9.44 Hz), 3.43 - 3.60 (3 H, m), 3.71 - 3.88 (2 H, m), 4.58 (1 H, t, J=3.05 Hz), 5.03 (1 H, s), 5.15 (1 H, t, J=6.47 Hz)。
【0080】
工程6:実施例6の合成
DCM/エタノール(1/1,6mL)中257mg(0.55mmol)の化合物C-7の溶液を498mg(1.64mmol)のMP-TsOH樹脂(負荷3.3mmol/g)に加えて反応をオービタルシェーカーで室温にて18時間振盪させる。樹脂をろ過で除去し、DCM(10mL)及びメタノール(10mL)で洗浄する。混ぜ合わせたろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(CombiFlashシステム上シリカ,溶出液:ヘプタン,0〜100%の酢酸エチル)で精製して118mgの実施例6を得る。収率56%; ES-MS: m/z 387 [M+H]:
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.24 (6 H, s), 1.46 (6 H, s), 2.12 - 2.27 (2 H, m), 2.29 - 2.43 (3 H, m), 3.04 (2 H, t, J=7.31 Hz), 3.55 (2 H, d, J=6.24 Hz), 3.61 (2 H, s), 4.96 (1 H, s), 5.32 - 5.46 (1 H, m)。
この手順により表4、方法Cの実施例を合成する。
【0081】
方法D:
実施例5の合成
【0082】
【化19】
【0083】
工程1:化合物D-2の合成
THF(150mL)中75g(0.75mol)の化合物D-1の溶液にTHF(600mL)中28.4g(0.75mol)のLiAlH
4の懸濁液を窒素雰囲気下で氷浴の助けを借りて温度を30℃未満に維持しながら加える。次に反応を室温に戻して5時間撹拌する。起沸が止むまでNH
4Cl飽和水溶液を添加して反応をクエンチする。結果として生じる沈殿物をcelite(登録商標)を通すろ過びより除去してTHF(150mL)で洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して71.1gの化合物D-2を淡黄色油として得る。収率:92%,
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.54 (2 H, m), 1.81 - 1.92 (2 H, m), 2.11 (1 H, br. s.), 3.38 - 3.47 (2 H, m), 3.83 (1 H, tt, J=9.10, 4.38 Hz), 3.94 (2 H, dt, J=11.88, 4.15 Hz)。
【0084】
工程2:化合物D-3の合成
ピリジン(1.5L)中133g(1.31mol)の化合物D-2の溶液に373g(1.95mol)のp-トルエンスルホニルクロリドを少しずつ10℃で加える。添加完了後、反応を室温に戻して18時間撹拌する。反応をHCl水溶液/氷の撹拌混合物に注ぐ。結果として生じる沈殿物をろ過で単離し、DCM(1L)に溶かす。有機層を1MのHCl水溶液(1L)、次いでNaHCO
3飽和水溶液(1L)で洗浄してからNa
2SO
4上で乾燥させる。ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して300gの化合物D-3を橙色油として得る。収率:90%, ES-MS: m/z: 257 [M+H], 279 [M+Na]。
1H-NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.66 - 1.96 (4 H, m), 2.45 (3 H, s), 3.47 (2 H, ddd, J=11.76, 8.19, 3.50 Hz), 3.79 - 3.95 (2 H, m), 4.69 (1 H, tt, J=8.13, 4.13 Hz), 7.35 (2 H, d, J=8.07 Hz), 7.76 - 7.87 (2 H, m)
【0085】
工程3:化合物D-4の合成
DMF(3L)中300g(1.175mol)の化合物D-3の溶液に室温で268g(2.35mol)のチオ酢酸カリウムを添加した後、触媒量のNaI(0.12g,10mol%)を加える。添加完了後、反応を50℃に20時間加熱する。反応混合物をTBME(3L)と水(3L)に分配し、水層をTBME(2L)で抽出した後、NaClで飽和させ、再びTBME(2×2L)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して153gの化合物D-4を得る。収率:81%; ES-MS: m/z 161 [M+H];
1H-NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.47 - 1.98 (4 H, m), 2.30 (3 H, s), 3.41 - 3.74 (3 H, m), 3.88 (2 H, dt, J=11.76, 3.86 Hz)
【0086】
工程4:化合物D-5の合成
エタノール(3.5L)中153g(0.96mol)の化合物D-4の溶液を窒素で0.5時間にわたって脱気し、125g(2.23mol)のKOHを加える。次にEtOH(1L)中250mL(1.68mol)のα-ブロモイソ酪酸エチルの溶液を0.5時間にわたって加える。その間に温度が40℃に上昇する。反応を窒素雰囲気下で室温にて18時間撹拌する。反応混合物をろ過し、固体をエタノール(0.5L)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮する。粗製物質をシリカ上にドライ装填してドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:n-ヘプタン,2〜10%の酢酸エチル)で精製して158gの化合物D-5を橙褐色油として得る。収率:71%; ES-MS: m/z 233 [M+H];
1H-NMR
(500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (3 H, t, J=7.17 Hz), 1.52 (6 H, s), 1.56 - 1.67 (2 H, m), 1.85 (2 H, dt, J=13.35, 1.64 Hz), 3.04 (1 H, tt, J=10.60, 4.20 Hz), 3.40 - 3.49 (2 H, m), 3.88 (2 H, dt, J=11.75, 3.81 Hz), 4.14 - 4.20 (2 H, m)
【0087】
工程5:化合物D-6の合成
1,4-ジオキサン/水(4/1,1.6L)中158g(0.68mol)の化合物D-5の溶液に50分にわたって835g(1.35mol)のoxone(登録商標)を少しずつ加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。固体をろ過で除去し、1,4-ジオキサン(1L)で洗浄する。混ぜ合わせたろ液を減圧下で濃縮する。残渣を酢酸エチル(1.5L)に溶かして水(1L)で洗浄する。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して166gの化合物D-6を黄色油として得る。収率:92%, ES-MS: m/z 265 [M+H], 287 [M+Na];
1H-NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (3 H, t, J=7.08 Hz), 1.65 (6 H, s), 1.89 - 2.10 (4 H, m), 3.34 - 3.51 (2 H, m), 3.72 - 3.90 (1 H, m), 4.06 (2 H, dt, J=11.69, 3.60 Hz), 4.24 (2 H, q, J=7.16 Hz)
【0088】
工程6:化合物D-7の合成
THF/水(4/1,1.66L)中166g(0.63mol)の化合物D-6の溶液に50.5g(1.26mol)のNaOHペレットを20分にわたって少しずつ加える。反応を室温で2.5日間撹拌する。有機溶媒を減圧下で除去し、水性残渣を水(2L)で希釈してDCM(2L)で洗浄する。水層を濃HClで酸性にしてpHを1〜2にしてからDCM(3×2L)で抽出する。酸性水層をさらにNaClで飽和させて再びDCM(6×2L)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮して123gの化合物D-7を白色固体として得る。収率:83%, ES-MS: m/z 235 [M-H];
1H-NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.71 (6 H, s), 1.94 - 2.12 (4 H, m), 3.47 (2 H, td, J=11.41, 2.98 Hz), 3.73 - 3.86 (1 H, m), 4.07 - 4.15 (2 H, m), 6.82 (1 H, br. s.)
【0089】
工程7:化合物D-8の合成
60℃で1.5時間塩化チオニル(0.9L,12.39mol)で処理して60g(0.25mol)の化合物D-7の対応する酸塩化物としての活性化を達成する。反応を室温に冷まして酸塩化物混合物を蒸発乾固させた。酸塩化物混合物をDCM(200mL)に溶かす。この酸塩化物溶液を20分にわたってDCM(400mL)中36g(0.25mol)の3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イルアミンと0.6L(0.50mol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンの撹拌懸濁液に35℃で滴加する。添加完了後、反応を室温で17時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をドライフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液ヘプタン,20%の酢酸エチル)で精製して50gの明褐色固体を得る。固体を(ヘプタン中50%のIPA)から再結晶させて34gの化合物D-8を得る。収率:43%; ES-MS: m/z 359 [M+H];
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.33 (9 H, s), 1.76 (6 H, s), 1.83 - 1.91 (2 H, m), 1.92 - 2.05 (2 H, m), 3.34 - 3.51 (3 H, m), 4.07 (2 H, ddd, J=11.86, 2.20, 2.08 Hz), 6.27 (1 H, s), 9.60 (1 H, s)
【0090】
工程8:実施例5の合成
無水THF(1mL)中100mg(0.42mmol)の化合物D-8の溶液に2mL(4.78mmol)の1M溶液BH
3(THF中)を室温で加える。反応を4.5時間撹拌する。MeOHを添加して反応混合物をクエンチする。溶媒を減圧下で除去する。残渣をDCMに溶かし、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過する。ろ液を減圧下で濃縮し、結果として生じる残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotageシステム上シリカ,溶出液:DCM,酢酸エチル10%)で精製して67mgの実施例5を得る。収率:47%; ES-MS: m/z 345 [M+H].
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (9 H, s), 1.49 (6 H, s), 1.85 - 2.19 (4 H, m), 3.27 - 3.51 (3 H, m), 3.56 (2 H, d, J=6.36 Hz), 4.03 -4.23 (2 H, m), 4.93 (1 H, s), 5.25 (1 H, s)
この手順により表4、方法Dの実施例を合成する。
【0091】
方法E
実施例7の合成
【0092】
【化20】
【0093】
工程1:化合物E-2の合成
1g(3.8mmol)の化合物E-1(方法C、工程1〜3により調製した)の対応する酸塩化物としての活性化をDCM(20mL)中の塩化オキサリル(0.39mL,4.6mmol)及びDMF(1滴)で室温にて18時間処理して達成する。反応を減圧下で濃縮する。粗製酸塩化物をDCM(20mL)に溶かしてアンモニア水溶液(30wt%,10mL)に0℃で滴加する。反応を室温で16時間撹拌する。層を分けて水相をDCM(3×20mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して1.01gの化合物E-2を得る。収率:87%, ES-MS: m/z 262 [M+H],
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.68 (s, 6 H), 2.11 - 2.26 (m, 2 H), 2.27 - 2.41 (m, 2 H), 3.16 (t, J=7.57 Hz, 2 H), 5.63 (br. s., 1 H), 6.64 (br. s., 1 H)。
上記手順により下記アミンを作製する。
【0094】
表2
【0095】
工程2:化合物E-3
無水THF(10mL)中252mg(6.7mmol)の水素化アルミニウムリチウムの懸濁液に無水THF(10mL)中1.01g(3.9mmol)の化合物E-2の溶液を0℃で加える。結果として生じる混合物を室温に戻して18時間撹拌する。追加の水素化アルミニウムリチウム(12mL,THF中1M溶液)を加えて混合物を50℃で3時間撹拌する。NH
4Cl飽和水溶液を添加して反応をクエンチする。結果として生じる沈殿物をろ過で除去してTHFで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:酢酸エチル/ヘプタン)で精製して597mgの化合物E-3を得る。収率:73%, ES-MS: m/z 248 [M+H],
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.40 (s, 6 H), 2.13 - 2.26 (m, 2 H), 2.27 - 2.41 (m, 2 H), 3.06 (s, 2 H), 3.17 - 3.25 (m, 2 H)。
上記手順に従い、以下の変更に留意して下記アミンを作製する:化合物E-4は、クロマトグラフィー(シリカ,溶出液:DCM/メタノール)により精製する。
【0096】
【0097】
工程3:実施例7の合成
68mg(0.4mmol)の3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-カルボン酸の対応する酸塩化物としての活性化を室温で18時間塩化オキサリル(0.0.07mL,0.8mmol)及びDMF(1滴)で処理して達成する。反応を減圧下で濃縮する。粗製酸塩化物をTHF(5mL)に溶かし、THF(10mL)中100mg(0.4mmol)の化合物E-3とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL,1.2mmol)の溶液に加える。反応を室温で16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:酢酸エチル/ヘプタン)で精製した後、ヘプタンと摩砕して23mgの実施例7を得る。収率:14%; ES-MS: m/z 399 [M+H];
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.33 - 1.39 (9 H, m), 1.47 (6 H, s), 2.24 (2 H, 5重, J=7.49 Hz), 2.32 - 2.43 (2 H, m), 3.06 (2 H, t, J=7.49Hz), 3.85 (2 H, d, J=6.31 Hz), 6.84 (1 H, s), 7.37 (1 H, t, J=5.99 Hz)
この手順により表4、方法Eの実施例を合成する。
【0098】
方法F
実施例10の合成
【0099】
【化21】
【0100】
工程1:化合物F-2の合成
クロロギ酸トリクロロエチル(1.1mL,8.6mmol)を酢酸エチル/水(1/1,20mL)中1g(7.1mmol)の化合物F-1と1.8g(21.4mmol)の炭酸水素ナトリウムの混合物に室温で加える。結果として生じる混合物を3日間激しく撹拌してからさらにクロロギ酸トリクロロエチル(1.1mL,8.6mmol)及び炭酸水素ナトリウム(1.8g,21.4mmol)を加える。混合物をさらに3時間撹拌する。水層を分離し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出する。有機層を混ぜ合わせ、MgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:酢酸エチル/ヘプタン)で精製した後、ヘプタンと摩砕して397mgの化合物F-2を得る。収率:18%; ES-MS: m/z 315 [M+H];
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.33 (s, 9 H) 4.86 (s, 2 H) 6.11 (s, 1 H) 7.68 (br. s., 1 H)
【0101】
実施例10の合成
1,1-ジクロロエタン(2mL)中83mg(0.4mmol)の化合物E-3と0.14mL(0.81mmol)のN.N-ジイソプロピルエチルアミンの溶液に111mg(0.35mmol)の化合物F-2を加え、結果として生じる溶液を80℃で2時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:酢酸エチル/ヘプタン)で精製して45mgの実施例10を得る。収率:27 %; ES-MS: m/z 414 [M+H],
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.32 (9 H, s), 1.48 (6 H, s), 2.16 - 2.28 (2 H, m), 2.29 - 2.43 (2 H, m), 3.07 (2 H, t, J=7.49 Hz), 3.74 (2 H, d, J=6.15 Hz), 5.99 (1 H, s), 6.18 (1 H, t, J=5.36 Hz), 8.18 (1 H, br. s.)
この手順により表4、方法Fの実施例を合成する。
【0102】
方法G
実施例11の合成
【0103】
【化22】
【0104】
工程1:化合物G-2の合成
化合物G-1(2g,11.1mmol)のトルエン/メタノール(4/1,20mL)中の溶液に0℃で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(ジエチルエーテル2M,11mL,22.1mmol)を窒素雰囲気下でゆっくり加える。反応を室温に戻して1.78gの化合物G-2を得る。収率:84%; 1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.23 (6 H, s), 3.41 (2 H, s), 3.62 (3 H, s)。
【0105】
工程2:化合物G-3の合成
エタノール(15mL)中の4-トリフルオロメチルベンゼンチオール(1.0g,5.6mmol)の溶液に水酸化カリウムペレット(0.31g,5.6mmol)を添加した後、化合物G-2(1.1g,5.6mmol)を加える。反応を80℃に16時間加熱する。反応を室温に冷まして固体をろ過で除去する。ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をDCMに溶かして水、次いで食塩水で洗浄する。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して1.4gの化合物G-3を得、これをさらに精製せずに次工程で使用する。収率:87%. m/z 293 [M+H]
工程3:化合物G-4の合成
化合物G-3(1.4g,4.8mmol)のジオキサン/水(4/1,30mL)中の溶液にoxone(登録商標)(8.8g,14.4mmol)を少しずつ加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。反応をろ過し、固体をジオキサンで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶かして食塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させてろ過する。ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をTHF/水(4/1,30mL)に溶かして水酸化リチウム一水和物(0.4g,9.6mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌してから減圧下で濃縮して有機溶媒を除去する。水性残渣を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄してから2MのHCl水溶液で酸性にしてpH2にする。酸性水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して1.19gの化合物G-4を得る。収率:89%;
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.48 (6 H, s), 3.52 (2 H, s), 7.83 (2 H, d, J=8.4 Hz), 8.04 (2 H, d, J=8.6 Hz)
【0106】
工程4:実施例11の合成
100mg(0.36mmol)の化合物G-4の酸塩化物としての活性化を70℃で3時間塩化チオニル(27mL)で処理して達成する。反応混合物を室温に冷まして過剰の塩化チオニルを減圧下で除去する。粗製酸塩化物をDCM(3mL)に溶かしてDCM(150mL)中50mg(0.36mmol)の5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イルアミンとN,N-ジイソプロピルエチルアミン(62μL,0.36mmol)の溶液に加える。反応を室温で16時間撹拌する。反応混合物をDCM(3mL)で希釈し、NaHCO
3飽和水溶液(3mL)で洗浄する。有機層を分けて食塩水(3mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:DCM,5%酢酸エチル)で精製して71mgの実施例11を得る。収率45%; ES-MS: m/z 433 [M+H];
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.26 (9 H, s), 1.52 (6 H, s), 3.53 (2 H, s), 6.54 (1 H, s), 7.72 (2 H, d, J=8.23 Hz), 7.99 (2 H, d, J=8.23 Hz), 8.81 (1 H, s)
【0107】
方法H
実施例15の合成
【0108】
【化23】
【0109】
工程1:化合物H-2の合成
下記文献に記載の方法の適応により化合物H-2を調製する:WO2008/039645, Boehringer Ingelheim Pharma International GMBH。
化合物H-1(2.66g,7.43mmol)のDMF(15mL)中の溶液にヨウ化ナトリウム(0.111g,0.74mmol)及びチオ酢酸カリウム(1.70g,14.86mmol)をゆっくり加える。反応を50℃に18時間加熱する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をTBME(50mL)に溶かして水(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して定量的に化合物H-2を得、さらに精製せずに次工程で使用する。
1H NMR (250 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.22 (6 H, s), 2.33 (3 H, s), 3.13 (2 H, s), 3.67 (3 H, s)
【0110】
工程2:化合物H-3の合成
化合物H-2(1.4g,7.36mmol)のエタノール(23mL,脱気した)中の溶液に窒素雰囲気下でナトリウムメトキシド(1.59g,29.43mmol)を加える。混合物を室温で10分間撹拌してから1-ブロモ-4,4,4-トリフルオロブタン(1.41g,7.36mmol)を加えて混合物をマイクロ波内で30分間100℃に加熱してから減圧下で濃縮する。残渣を酢酸エチルに溶かして炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×5mL)、1M HCl水溶液(2×5mL)及び食塩水で洗浄する。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液;ヘプタン,20%酢酸エチル)で精製して1.45gの化合物H-3を得る。収率:76%; m/z 259 [M+H];
上記手順により下記中間体を合成する。
【0111】
【化24】
#トルエン-4-スルホン酸テトラヒドロ-ピラン-4-イルエステルをアルキル化試薬として使用する。
【0112】
工程3:化合物H-4の合成
化合物H-3(1.45g,5.61mmol)のジオキサン/水(1/1,40mL)中の溶液に5分にわたってoxone(登録商標)(6.9g,11.2mmol)を加える。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、固体をろ過で除去してジオキサンで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して有機溶媒を除去する。水性残渣をDCM(50mL)とNaHCO
3飽和水溶液(2×20mL)に分配し、有機層をMgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して1.52gの化合物H-4を得る。収率;94%; m/z 291 [M+H]。
上記手順により下記中間体を合成する。
【0113】
【化25】
【0114】
工程4:化合物H-5の合成
化合物H-4(1.54g,5.31mmol)のTHF/水(1/1,40mL)中の溶液に水素化リチウム(0.44g,18.33mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。ろ液を減圧下で濃縮して有機溶媒を除去する。水性残渣をジエチルエーテル(50mL)で洗浄してから6N HCl水溶液で酸性にする。酸性水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して1.26gの化合物H-5を得る。収率:86%; m/z 275 [M-H];
上記手順により下記中間体を合成する。
【0115】
【化26】
【0116】
工程5:化合物H-6の合成
200mg(0.72mmol)の化合物H-5の対応する酸塩化物としての活性化をDCM(1mL)中の塩化オキサリル(0.12mL,1.45mmol)及びDMF(cat.,10mol%)で室温にて4時間処理して達成する。反応を減圧下で濃縮して残渣をTHF(1mL)に取る。この酸塩化物溶液をTHF(1mL)中174mg(0.72mmol)の3-[1,1-ジメチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-エチル]-イソオキサゾール-5-イルアミンと0.38mL(2.17mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンの撹拌溶液に滴加する。反応を室温で17時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLC(中性法)で精製して144mgの化合物H-6を得る。
【0117】
工程6:実施例15の合成
DCM/メタノール(1/1,2mL)中144mgの化合物H-6の溶液をMP-TsOH樹脂(292mg,負荷3.3mmol/g)で処理し、反応をオービタルシェーカーで室温にて18時間振盪させる。樹脂をろ過で除去し、DCM/メタノール(1/1,10mL)で洗浄する。混ぜ合わせたろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ,溶出液:ヘプタン,0〜50%の酢酸エチル)で精製して31mgの実施例15を白色固体として得る。
この手順に従い、下記変更に留意して表6、方法Hの実施例を合成する;BI00667931、BI00667934、BI00667930及びBI00667889のために工程6は必要ない。
【0118】
実施例
表4
【0119】
生物学的特性の評価
式Iの化合物の生物学的特性を下記アッセイを利用して評価する。
A. ヒトCB1及びCB2受容体結合:
実験方法:
ヒトCB2受容体cDNAを安定的にトランスフェクトされたHEK293 EBNA細胞から作製されたCB2膜を購入する(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences)。ヒトCB1受容体とGα16 cDNAを安定的に共トランスフェクトされたHEK細胞からCB1膜を単離する。膜標本を50mMのトリス、pH 7.5、2.5mMのEDTA、5mMのMgCl
2、0.8%の脂肪酸フリーのウシ血清アルブミンを含むアッセイ緩衝液中で室温にて4時間シンチレーションビーズ(Ysi-Poly-L-lysine SPA beads, GE Healthcare)に結合させる。アッセイ緩衝液で洗浄することによって未結合膜を除去する。1ウェル当たり15ugの膜(CB2)又は1ウェル当たり2.5ugの膜(CB1)及び1ウェル当たり1mgのSPAビーズの量で膜-ビーズ混合物を96ウェルアッセイプレートに添加する。膜-ビーズ混合物に、0.25%のDMSO(最終)を含む1×10
-5M〜1×10
-10Mの範囲の用量反応濃度で化合物を加える。1.5nM(CB2)又は2.5nM(CB1)の最終濃度で
3H-CP55940(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences)を添加して競合反応を惹起する。反応を室温で18時間インキュベートしてTopCount NXTプレートリーダーで解読する。1.25uMのWin 55212(Sigma)の非存在下及び存在下で全結合と非特異的結合を決定する。XLFit 4.1の4パラメーター論理モデルを利用して、放射活性標識リガンドの受容体への特異的結合を50%阻害する化合物の濃度として各化合物のIC50値を計算する。Cheng-Prusoff方程式を用いてIC50値を阻害定数(Ki)値に変換する。
【0120】
B. cAMP合成のCB2R媒介調節:
下記実験方法に従って本発明の化合物をそのCB2アゴニスト又はインバースアゴニスト活性について評価する。上記結合アッセイでCB2に結合することが分かるが、このアッセイでcAMP合成のCB2R媒介調節を示さないことが分かる化合物はCB2アンタゴニストであると推定される。
実験方法:
ヒトCB2Rを発現するCHO細胞(Euroscreen)を1ウェル当たり5000細胞の密度で384ウェルプレートに蒔いて37℃で一晩インキュベートする。培地の除去後、1mMのIBMX、0.25%のBSA及び10uMのForskolinを含む刺激緩衝液で希釈した試験化合物で細胞を処理する。アッセイを30分間37℃でインキュベートする。細胞を溶解させ、DiscoverX-XS cAMPキットを用いて、製造業者のプロトコルに従ってcAMP濃度を測定する。この状況では、アゴニストはcAMPのフォルスコリン誘導産生を減少させるが、インバースアゴニストはcAMPのフォルスコリン誘導産生をさらに増加させるであろう。以下のようにアゴニストのEC50を計算する。1uMのCP55940によって阻害されたcAMPのレベルに比べてフォルスコリンによって産生されたcAMPの最大量を100%と定義する。フォルスコリンに刺激されたcAMP合成の50%が阻害される濃度として各試験化合物のEC50値を決定する。4パラメーター論理モデルを利用してデータを解析する(XLfit 4.0のモデル205)。
【0121】
C. cAMP合成のCB1R媒介調節:
下記実験方法に従って本発明の化合物をそのCB1アゴニスト又はインバースアゴニスト活性について評価する。上記結合アッセイでCB1に結合することが分かるが、このアッセイでcAMP合成のCB1R媒介調節を示さないことが分かる化合物はCB1アンタゴニストであると推定される。
実験方法:
ヒトCB1Rを発現するCHO細胞(Euroscreen)を1ウェル当たり5000細胞の密度で384ウェルプレートに蒔いて37℃で一晩インキュベートする。培地の除去後、1mMのIBMX、0.25%のBSA及び10uMのForskolinを含む刺激緩衝液で希釈した試験化合物で細胞を処理する。アッセイを30分間37℃でインキュベートする。細胞を溶解させ、DiscoverX-XS cAMPキットを用いて、製造業者のプロトコルに従ってcAMP濃度を測定する。この状況では、アゴニストはcAMPのフォルスコリン誘導産生を減少させるが、インバースアゴニストはcAMPのフォルスコリン誘導産生をさらに増加させるであろう。以下のようにアゴニストのEC50を計算する。1uMのCP55940によって阻害されたcAMPのレベルに比べてフォルスコリンによって産生されたcAMPの最大量を100%と定義する。フォルスコリンに刺激されたcAMP合成の50%が阻害される濃度として各試験化合物のEC50値を決定する。4パラメーター論理モデルを利用してデータを解析する(XLfit 4.0のモデル205)。
【0122】
アゴニスト活性を有する化合物
上記アッセイの使用を通じて、化合物はアゴニスト活性を示すことが分かり、従って疼痛の治療並びに炎症の治療に特によく適合することが分かる。本発明の好ましい化合物は、CB2の活性範囲(<500nM)を有するであろう。
治療的用途
上記アッセイで実証できるように、本発明の化合物はCB2受容体機能の調節に有用である。この事実のおかげで、これらの化合物は、CB2受容体機能によって媒介されるか又はCB2受容体機能の調節から利益を得るであろう疾態及び病状を治療する際に治療的用途を有する。
本発明の化合物はCB2受容体機能を調節するので、それらは非常に有用な抗炎症活性及び免疫抑制活性を有し、病態及び病状の治療のため、後述するように特に医薬組成物の形態の薬物として患者に本発明の化合物を使用することができる。
前述したように、CB2アゴニストである当該化合物を疼痛の治療のために利用することもできる。
本発明のアゴニスト、アンタゴニスト及びインバースアゴニスト化合物は、炎症プロセスを伴う下記病態又は適応症の治療用薬物として患者に使用可能である。
(i)肺疾患:例えば喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、肺気腫、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、ハト愛好家疾患、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(アレルギー性喘息(アトピー性又は非アトピー性)並びに運動誘発性気管支収縮、職業性喘息、喘息のウイルス性又は細菌性憎悪、他の非アレルギー喘息及び「喘鳴幼児症候群(wheezy-infant syndrome)」を含めて)、じん肺症(アルミニウム肺症、炭粉症、石綿肺症、珪肺症(chalicosis)、睫毛脱落症(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症(silicosis)、タバコ症及び綿肺症を含めて);
(ii)リウマチ性疾患又は自己免疫疾患又は筋骨格疾患:全ての形態のリウマチ性疾患、特に関節リウマチ、急性リウマチ熱、及びリウマチ性多発筋痛症;反応性関節炎;リウマチ性軟組織疾患;他の起源の炎症性軟組織疾患;変性関節疾患(関節症)の関節炎症状;腱炎、滑液包炎、変形性関節症、外傷性関節炎;いずれかの起源の膠原病、例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スチル病、フェルティ症候群;並びに骨粗しょう症及び他の骨吸収疾患;
(iii)アレルギー性疾患:全ての形態のアレルギー反応、例えば、血管神経性浮腫、枯草熱、昆虫刺咬症、薬物、血液誘導体、造影剤等に対するアレルギー反応、アナフィラキシーショック(即時型過敏反応)、じん麻疹、血管神経性浮腫、及び接触皮膚炎;
(iv)血管性疾患:結節性汎動脈炎(panarteritis nodosa)、結節性多発動脈炎、結節性動脈周囲炎、側頭動脈炎(arteritis temporalis)、ヴェグナー肉芽腫症(Wegner granulomatosis)、巨細胞性動脈炎、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害及び結節性紅斑;
(v)皮膚疾患:例えば皮膚炎、乾癬;日焼け、熱傷、湿疹;
(vi)腎疾患:例えばネフローゼ症候群;及び全てのタイプの腎炎、例えば、糸球体腎炎;膵炎(pancreatits);
(vii)肝疾患:例えば急性肝細胞崩壊;種々起源の急性肝炎、例えば、ウイルス性、毒性、薬物誘発性急性肝炎;並びに慢性進行性及び/又は慢性間欠性肝炎;
(viii)胃腸疾患:例えば炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、限局性腸炎(クローン病)、潰瘍性大腸炎;胃炎;アフタ性潰瘍、セリアック病、限局性回腸炎、胃食道逆流症;
(ix)神経保護:例えば脳卒中;心停止;肺バイパス術;外傷性脳損傷;脊髄損傷等の後の神経変性の治療において;
(x)眼疾患:アレルギー性角膜炎、ぶどう膜炎、又は虹彩炎;結膜炎;眼瞼炎;視神経炎(neuritis nervi optici);脈絡膜炎;緑内障及び交感性眼炎;
(xi)耳鼻咽喉(ENT)領域の疾患:例えば耳鳴;アレルギー性鼻炎又は枯草熱;接触性湿疹、感染等によって引き起こされる外耳炎;及び中耳炎;
(xii)神経性疾患:例えば脳浮腫、特に腫瘍関連脳浮腫;多発性硬化症;急性脳脊髄炎;髄膜炎;急性脊髄損傷;心的外傷;認知症、特に変性認知症(老人性認知症、アルツハイマー病;パーキンソン病及びクロイツフェルト・ヤコブ病;ハンチントン舞踏病、ピック病;運動ニューロン疾患を含めて)、血管性認知症(多発脳梗塞性認知症を含めて)並びに 頭蓋内占拠性病変と関連する認知症;感染症及び関連状態(HIV感染症を含めて);ギラン・バレー症候群;重症筋無力症、脳卒中;及び種々の形態の発作、例えば、点頭痙攣;
(xiii)血液疾患:後天性溶血性貧血;再生不良性貧血、及び特発性血小板減少症;
(xiv)腫瘍疾患:急性リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症(lymphogranulomatoses);リンパ肉腫;固形悪性腫瘍;広範な転移;
(xv)内分泌疾患:内分泌性眼疾患;内分泌性眼窩症(endocrine orbitopathia);甲状腺クリーゼ;ドケルバン甲状腺炎(Thyroiditis de Quervain);橋本甲状腺炎;バセドウ病(Morbus Basedow);肉芽腫性甲状腺炎;リンパ腫性甲状腺腫(struma lymphomatosa);及びグレーブス病;I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病);
(xvi)臓器及び組織移植並びに移植片対宿主病;
(xvii)重篤なショック状態、例えば敗血性ショック、アナフィラキシーショック、及び全身性炎症反応症候群(SIRS);
(xviii)急性疼痛、例えば歯痛、周術期痛、術後痛、外傷痛、筋肉痛、熱傷皮膚の疼痛、日焼け、三叉神経痛、日焼け等;胃腸管又は子宮の痙攣、疝痛;
(xix)内臓痛、例えば慢性骨盤痛、膵炎、消化性潰瘍、間質性膀胱炎、腎疝痛、狭心症、月経困難症(dysmenorrhoea)、月経、婦人科疼痛、過敏性腸症候群(IBS)、非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛、心筋虚血と関連する内臓痛;
(xx)神経因性疼痛、例えば腰痛、非ヘルペス性神経痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経損傷、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連神経因性疼痛、頭部外傷、有痛性外傷性単神経障害、毒素及び化学療法誘発疼痛、幻肢痛、有痛性多発神経障害、視床痛症候群、脳卒中後疼痛、中枢神経系損傷、外科手術後痛、断端痛(stump pain)、反復性運動痛、乳房切除術後症候群誘発性疼痛、多発性硬化症、神経根引き抜き損傷、開胸術後症候群、神経因性疼痛関連痛覚過敏及びアロディニア;
(xxi)変形性関節症、関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱鞘炎、痛風、外陰部痛、筋筋膜痛(筋損傷、線維筋痛症)、腱炎、変形性関節症、若年性関節炎、脊椎炎、痛風関節炎、乾癬性関節炎、筋骨格疼痛、線維筋痛症、捻挫及び筋挫傷、交感神経により維持される疼痛、筋炎、片頭痛と関連する疼痛、歯痛、インフルエンザ及び他のウイルス感染、例えば感冒、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス等の障害によって誘発されるか又はこれらの障害と関連する炎症性/侵害受容性疼痛;
(xxii)リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;固形悪性腫瘍;広範な転移等の腫瘍によって誘発されるか又はこれらの腫瘍と関連する癌性疼痛;
(xxiii)頭痛、例えば群発性頭痛、前兆のある片頭痛及び前兆のない片頭痛、緊張型頭痛、様々な起源の頭痛、予防的使用及び急性使用を含めた頭痛障害等;
(xxiv)種々の他の病態又は病状、例えば、経皮的冠動脈形成術後再狭窄、急性及び慢性疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷、外傷続発性多臓器損傷、血液透析、白血球フェレーシス、及び顆粒球輸血と関連する壊死性腸炎及び症候群、サルコイドーシス、歯肉炎、発熱;熱傷、捻挫又は骨折と関連する外傷に起因する浮腫、脳浮腫及び血管性浮腫、糖尿病、例えば糖尿病性血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、後毛細血管抵抗性又は膵島炎関連糖尿病性症状(例えば、高血糖、多尿、タンパク尿、亜硝酸塩増加及びカリクレイン尿中排泄)。
【0123】
他の適応症としては、てんかん、敗血性ショック(例えば抗血液量減少薬及び/又は抗血圧降下薬として)、癌、敗血症、骨粗しょう症、良性前立腺過形成及び機能亢進性膀胱、そう痒症、白斑、一般的胃腸障害、呼吸器、尿生殖器、胃腸又は血管領域での内臓運動障害、創傷、熱傷、組織損傷及び術後発熱、そう痒と関連する症候群が挙げられる。
ヒトの治療に有用であることに加えて、これらの化合物は、哺乳類、げっ歯類等を含めたペット、珍しい動物及び家畜の獣医学的治療にも有用である
上記疾患及び状態の治療では、治療的に有効な用量は一般的に、本発明の化合物の1投与当たり約0.01mg〜約100mg/kg(体重);好ましくは本発明の化合物の1投与当たり約0.1mg〜約20mg/kg(体重)の範囲内であろう。例えば、70kgの人への投与では、用量範囲は、本発明の化合物の1投与当たり約0.7mg〜約7000mg、好ましくは本発明の化合物の1投与当たり約7.0mg〜約1400mgであろう。最適の投与レベル及び投与パターンを決めるためには、ある程度の所定の用量最適化が必要とされ得る。1日1〜6回活性成分を投与してよい。
【0124】
一般的投与及び医薬組成物
医薬品として使用される場合、本発明の化合物は典型的に医薬組成物の形態で投与される。該組成物は、医薬品分野で周知の手順を利用して調製可能であり、少なくとも1種の本発明の化合物を含む。本発明の化合物を単独で、或いは本発明の化合物の安定性を高め、特定形態では本発明の化合物を含む医薬組成物の投与を容易にし、溶解若しくは分散を増加させ、阻害活性を増強し、補助治療をもたらす等のアジュバントと併用して投与してもよい。本発明の化合物を単独で或いは本発明の他の活性物質と共に、必要に応じて他の薬理学的に活性な物質と共に使用してよい。一般的に、本発明の化合物を治療的又は医薬的に有効な量で投与するが、診断その他の目的のため、より低量で投与してよい。
純粋形態又は適切な医薬組成物での本発明の化合物の投与は、医薬組成物の投与の一般に認められたいずれの態様を利用しても行なえる。従って、投与は、例えば、錠剤、座剤、丸剤、軟弾性及び硬ゼラチンカプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、又はエアロゾル等の固体、半固体、凍結乾燥粉末、又は液体剤形、好ましくは正確な薬用量を簡単に投与するのに適した単位剤形で、例えば、経口、口腔(例えば、舌下)、鼻腔内、非経口、局所、経皮、経膣、又は経直腸的であってよい。医薬組成物は、一般的に通常の医薬担体又は賦形剤と、活性薬として本発明の化合物とを含み、さらに、他の薬剤、医薬、担体、アジュバント、希釈剤、ビヒクル、又はその組合せを含んでもよい。このような医薬的に許容できる賦形剤、担体、又は添加剤並びに種々の態様又は投与に合わせて医薬組成物を製造する方法は、当業者には周知である。最新技術は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, A. Gennaro (ed.), Lippincott Williams & Wilkins, 2000; Handbook of Pharmaceutical Additives, Michael & Irene Ash (eds.),Gower,1995; Handbook of Pharmaceutical Excipients,A.H. Kibbe (ed.),American Pharmaceutical Ass’n,2000; H.C. Ansel and N.G. Popovish,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,5th ed.,Lea and Febiger,1990によって証明され、これらの各文献は、最新技術をよりよく記述するために参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0125】
当業者が予想するように、特定の医薬製剤に利用される本発明の化合物の形態は、該製剤が有効であるために必要とされる適切な物理的特性(例えば、水溶性)を有するように(例えば、塩)選択されるであろう。
口腔(舌下)投与に適した医薬組成物には、風味付け基剤、普通はスクロース、及びアカシア又はトラガント中に本発明の化合物を含んでなるロゼンジ剤、並びにゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア等の不活性基剤中に本化合物を含んでなるトローチ剤(pastille)がある。
非経口投与に適した医薬組成物は、本発明の化合物の無菌水性製剤を含む。これらの製剤は、好ましくは静脈内投与されるが、皮下、筋肉内、又は皮内注射を利用して投与を行なうこともできる。注射用医薬製剤は、一般的に注射用無菌食塩水、リン酸緩衝食塩水、油性懸濁液、又は技術上既知の他の注射用担体をベースとし、通常は滅菌され、血液と等張にされる。従って、注射用医薬製剤は、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張食塩水、固定油、例えば合成モノグリセリド又はジグリセリド、脂肪酸、例えばオレイン酸等を含め、無毒で非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液又は懸濁液として提供され得る。このような注射用医薬製剤は、適切な分散剤又は固定剤及び懸濁化剤を用いて既知技術により製剤化される。注射用組成物は、一般的に0.1〜5%w/wの本発明の化合物を含有するであろう。
【0126】
本化合物の経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が挙げられる。該経口投与では、本発明の化合物を含む医薬的に許容できる組成物は、普通に用いられる賦形剤、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルカム、セルロースエーテル誘導体、グルコース、ゼラチン、スクロース、シトラート、没食子酸プロピル等のいずれかを組み入れて形成される。該固体医薬製剤には、技術上周知なように、任意の数の機構によって、胃腸管への薬物の長期又は持続性送達を可能にするための製剤が含まれる。このような機構として、限定するものではないが、小腸のpHを変えることに基づいた剤形からのpH感受性放出、錠剤又はカプセル剤の緩徐の浸食、製剤の物理的性質に基づいた胃内での保持、腸管の粘膜内層への剤形の生体接着、又は剤形からの活性薬の酵素的遊離が挙げられる。
本化合物の経口投与用の液体剤形には、エマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤があり、必要に応じて例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等の担体に医薬アジュバントを含有する。これらの組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、調味料、及び香料等の追加アジュバントを含有することもできる。
【0127】
本化合物の局所用剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、眼軟膏、点眼薬又は点耳薬、含浸包帯材及びエアロゾルがあり、適切な通常の添加剤、例えば保存剤、薬物の浸透を補助する溶媒及び軟膏やクリームには皮膚軟化薬等を含有し得る。局所投与は、通常の医学的考察に応じて1日1回又は複数回であってよい。さらに、本発明にとって好ましい化合物を適切な鼻腔内ビヒクルの局所使用によって鼻腔内形態で投与することができる。製剤は、適合性の通常の担体、例えばクリーム又は軟膏基剤、またローションにはエタノール又はオレイルアルコール等を含でもよい。このような担体は、製剤の約1%〜約98%まで存在してよく、さらに一般的には製剤の約80%までを形成するであろう。
経皮投与も可能である。経皮投与に適した医薬組成物は、長期間にわたってレシピエントの上皮と緊密に接触したままであることに適合した個別パッチとして提供可能である。経皮送達系の形態で投与されるため、薬用量の投与は当然、投与計画全体を通じて間欠的ではなく、連続的であろう。該パッチは、接着剤に溶解及び/又は分散し、或いはポリマーに分散した必要に応じて緩衝化した水溶液中に本発明の化合物を適宜含有する。活性化合物の適切な濃度は約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。
吸入による投与では、本発明の化合物は、噴霧ガスを要しないポンプスプレー装置から或いは適切な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素、又は他の適切なガスを用いる加圧パック又は噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で好都合に送達される。いずれの場合も、結果としての定量噴霧式吸入器(MDI)を用いて再現性のある制御された方法で本発明の化合物を投与するように定量を送達するためのバルブを設けることによってエアロゾルスプレー投与単位を決めることができる。このような吸入器、噴霧器、又は噴霧装置は当技術分野で、例えば、PCT国際公開第WO 97/12687(特にその
図6、市販のRESPIMAT(登録商標)噴霧器の基礎である);第WO 94/07607号;第WO 97/12683号;及び第WO 97/20590号で知られており、これらの各文献は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0128】
脂肪、ココアバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等の低融点の水溶性又は水不溶性固体と本化合物を混合する単位用量座剤を利用して直腸投与を達成することができる。活性成分は一般的に少量成分であり、多くの場合、約0.05〜10質量%であり、残りは基剤成分である。
上記全ての医薬組成物において、本発明の化合物は許容できる担体又は賦形剤と処方される。用いられる担体又は賦形剤は、当然に、組成物の他成分と適合性であるという意味で許容性でなければならず、かつ患者に有害であってはならない。担体又は賦形剤は固体若しくは液体、又は両者であってよく、好ましくは単位用量組成物として、例えば、0.05質量%〜95質量%の活性化合物を含有し得る錠剤として、本発明の化合物と処方される。該担体又は賦形剤として、不活性な充填剤又は希釈剤、結合剤、潤沢剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、吸収剤、及び着色料が挙げられる。適切な結合剤として、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばグルコース若しくはβ-ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然及び合成ガム、例えばアカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。潤沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられる。
医薬的に許容できる担体及び賦形剤は、全ての前述した添加剤等を包含する。