(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口側内壁の先端縁は、基板側コネクタに接続された前記ケーブル側コネクタから前記開口部までの最短距離となる仮想直線よりも、前記基板側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板ケース。
前記コネクタ側内壁には、前記基板側コネクタに接続する前記ケーブル側コネクタからの前記ケーブルを、前記開口部側へ挿通させるための切欠部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の基板ケース。
前記開口側内壁における前記間隙の前記基板と平行方向の幅は、前記切欠部における前記基板と平行方向の幅よりも広くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板ケース。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の基板ケースは、その内部の基板側コネクタに一端が接続されたケーブルの他端を基板ケースの外へ出すための開口部から、内部へワイヤ等の異物が差し込まれ、不正操作が行われやすいという問題点がある。
上記の問題点に鑑み、本願における請求項1記載の発明は、ケーブルを外に出すための開口部からワイヤ等の異物が挿入されても基板側コネクタへの到達を多重に防御することで基板側コネクタに到達しにくく、不正アクセスが防止しやすく、さらに、ケーブルによって基板上の部品や配線が傷つけられたりすることのない基板ケースを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、外部からのケーブルが引っ張られても基板側コネクタからケーブル側コネクタが外れにくい基板ケースを提供することを目的とする。
【0005】
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の目的に加え、ケーブルを無理なく曲げることができ、ケーブルの断線等を防止することができて不正行為を防止しやすい基板ケースを提供することを目的とする。
請求項4記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の目的に加え、さらに、ケーブルを無理なく曲げることができて断線等が防止できる基板ケースを提供することを目的とする。
【0006】
請求項5記載の発明は、上記した請求項1から4までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、外部に出したケーブルが動かされても、ケーブルが広い可動範囲の中を移動させられることで支障なく対応可能となり、ケーブルの一部に応力が集中することを抑えて、ケーブルの破損や断線等を減らすことができる基板ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1)
請求項1記載の発明に係る基板ケース100は、外部との電気的な接続を行うケーブル110の一方の端部が接続された基板90を内部に収納する基板ケース100であって、前記基板90は、基板側コネクタ130を有し、前記ケーブル110には、両方の端部にケーブル側コネクタ120が設けられるとともに、そのうちの一方の端部のケーブル側コネクタ120が前記基板側コネクタ130に接続され、前記ケーブル110の他方の端部は、前記基板ケース100外部に出ており、この基板ケース100は、前記基板90を表裏から覆うケース本体部材150及びケース蓋部材160を備え、前記ケース蓋部材160には、前記基板側コネクタ130に接続した前記ケーブル側コネクタ120からの前記ケーブル110の他方の端部を前記基板ケース100外部へ案内するための開口部140が設けられ、この開口部140と、前記基板側コネクタ130とは、平面視で異なる位置に形成されるとともに、該開口部140は、前記ケース蓋部材160において前記基板90に相対する面に形成され、前記開口部140と前記基板側コネクタ130との間には、前記ケース蓋部材160から前記基板90に向かって突出するとともに前記基板側コネクタ130に接続する前記ケーブル側コネクタ120からの前記ケーブル110を前記開口部140側へ挿通可能な2つの内壁170が設けられ、前記2つの内壁170は、前記基板側コネクタ130と前記開口部140との間に位置するコネクタ側内壁172と、前記コネクタ側内壁172と前記開口部140との間に位置して前記開口部140の縁部から前記基板90に向かって突出する開口側内壁171とから構成され、前記基板90の表面における前記基板側コネクタ130と前記開口部140との間には、部品及び配線のいずれも配置されていない非回路領域94が設けられていることを特徴とする。
【0008】
ここで、上記でいう「平面視」とは、基板ケース100をケース蓋部材160側から見ることを意味する。具体的には、たとえば、水平面上に基板ケース100のケース蓋部材160が上面を向くように置いた場合に、ケース蓋部材160の真上から見るような位置関係をいう。すなわち、基板ケース100をケース蓋部材160側から見たときに、開口部140と基板側コネクタ130とが重ならない位置に形成されていることを意味する。
本発明によれば、開口部140からワイヤ等の異物が基板ケース100内部に差し込まれても、コネクタ側内壁172及び開口側内壁171によりそのワイヤ等の侵入が遮られやすい。これにより、開口部140から挿入された異物が基板側コネクタ130へ到達しにくくなる。
本発明では、開口側内壁171があることで、コネクタ側内壁172のみの場合に比べ、開口部140から差し込まれたワイヤ等の異物の基板側コネクタ130への到達を多重に防御することができる。
【0009】
また、最初からケーブル110の一方の端部が基板ケース100内部の基板90に接続済みである。このため、コネクタ等で接続する手間が減る分、この基板ケース100を用いた遊技機10を遊技ホールに設置するときの配線作業が容易になる。
また、本発明では、ケーブル110が、基板90の表面近くになって、基板90の表面に接触しやすくなるため、基板側コネクタ130と、開口部140との間に相対する基板90の表面は、部品及び配線のいずれも配置されていない非回路領域94としている。
【0010】
本発明においては、前記基板側コネクタと、前記開口部との間は、非回路領域94が設けられている。このため、開口部140からワイヤ等の異物が差し込まれても、差し込まれた部分の基板90の表面には、部品及び配線のいずれも配置されていない。これにより、部品や配線に対して直接傷つけたり短絡させる等の不正操作が行われるようなことを防止しやすくなる。
さらに、少なくとも開口部140から基板側コネクタ130に至る部分では、ケーブル110が部品や配線と接触することがあり得ないので、この部分においてケーブル110が部品や配線を損傷することがなくなる。
【0011】
なお、基板側コネクタ130と、この基板側コネクタ130から入力されたデータの処理を行う部分との間の配線は、基板90の基板側コネクタ130を設けた側の面以外の部分に形成されるようにしてもよい。具体的には、基板側コネクタ130と、この基板側コネクタ130から入力されたデータの処理を行う部分との間の配線は、基板90の基板側コネクタ130を設けた側の面以外の部分、たとえば、基板90の裏面に設けることができる。あるいは基板90が多層構造を有する場合には、その第2層以下にこのような配線を設けることとしてもよい。こうすることで、開口部140から、直接このような配線に対してアクセスすることが困難ないし不可能となり、基板側コネクタ130から入力されたデータを入手したり、改ざんするような不正行為を防止しやすくなる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記開口側内壁171の先端縁173は、基板側コネクタ130に接続された前記ケーブル側コネクタ120から前記開口部140までの最短距離となる仮想直線よりも、前記基板90側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、「仮想直線」とは、基板側コネクタ130に接続されたケーブル側コネクタ120から前記開口部140までの間に何も障害物がないと仮定した場合に、そのケーブル側コネクタ120から開口部140までを弛みなく張ったケーブル110として把握することができる。
仮に、開口側内壁171の先端縁173がこの仮想直線よりもケース蓋部材160側に形成され、開口部140から外部へ出されているケーブル110が外から引っ張られると、ケーブル110はこの先端縁173に当接せず、その引っ張る力が基板側コネクタ130に接続されたケーブル側コネクタ120に直接かかることになる。そのような場合、ケーブル側コネクタ120が、基板側コネクタ130から簡単に引き抜かれるおそれがある。
【0013】
そこで、本発明では、開口側内壁171の先端縁173はこの仮想直線を越えて、基板90側まで延びていることとしている。
すなわち、このような形状の開口側内壁171があることにより、基板側コネクタ130に接続されたケーブル側コネクタ120からのケーブル110は、開口部140まで最短距離となるように1本の直線状に配置することはできず、開口側内壁171の先端縁173を迂回させる必要がある。このため、開口部140から外部へ出されたケーブル110が、外部に向かって引き出される軸方向に引っ張られると、ケーブル110は開口側内壁171の先端縁173に当接して折れ曲がることになる。そのようになると、開口側内壁171の先端縁173とケーブル110の表面との間の摩擦力により、開口側内壁171の先端縁173にケーブル110が引っ掛かる。これにより、そのケーブル110の接続部分に対して、ケーブル110を介して外部から引っ張られる力が直接加えられることが抑えられる。また、その力が加えられても、途中の先端縁173との摩擦力により、最終的に接続部分に加えられる力の大きさが軽減される。
【0014】
これにより、外部からの力が直接ケーブル側コネクタ120に加わってしまうことが抑えられ、外部からの不正操作による断線等の状況が発生する可能性が低くなる。
なお、開口側内壁171の先端縁173と、ケーブル110の表面との間の摩擦力を増加させるために、両者の接触面積が増加するように、開口側内壁171のケース蓋部材160側よりも開口側内壁171の先端縁173側の厚みを増すような形状(たとえば、開口側内壁171の断面形状が台形であって、ケース蓋部材160側の厚さよりも基板90側の厚さが大きくなるもの)に形成してもよい。
【0015】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記コネクタ側内壁172には、前記基板側コネクタ130に接続する前記ケーブル側コネクタ120からの前記ケーブル110を、前記開口部140側へ挿通させるための切欠部190が設けられていることを特徴とする。
切欠部190が形成されてないと、基板側コネクタ130から延びるケーブル110は、このコネクタ側内壁172の壁部分を迂回させるとともに、屈曲させる必要がある。そのようにケーブル110を屈曲させると、ケーブル110に曲げ応力が加わり断線等の原因となる。よって、基板側コネクタ130に近いコネクタ側内壁172は、ケーブル110が緩やかな曲線を描いて通る部分を遮ることがないようにしている。これにより、ケーブル110が、無理なく曲げられて、ケーブル110の断線等が防止される。
【0016】
基板側コネクタ130からのケーブル110は、コネクタ側内壁172の切欠部190を介して開口部140を通り、基板ケース100外部へ出され他方の端部へ至る。仮に不正操作を企む者が、開口部140から異物を挿入させ切欠部190を介して基板側コネクタ130へ到達させようとしても、切欠部190内にはケーブル110が存在する。このため、異物は切欠部190を通り抜けにくい。
その結果として、開口部140からワイヤのような異物が挿入されても、基板側コネクタ130に到達しにくくすることができる。これにより、不正行為を防止しやすくすることができる。
【0017】
本発明に係る切欠部190の幅の寸法は、ケーブル110が通り得る幅であれば特に制限はないが、そのような幅の範囲内で最小限の幅とすることが望ましい。そうすれば、少なくとも、ケーブル110の径よりも大きな径の異物は切欠部190を通り抜けることはできず、基板側コネクタ130への不正アクセスをより強固に防止できる。また、管状又は筒状の保護カバーを装着したケーブル110を用いる場合には、切欠部190の幅の寸法は、その保護カバーの寸法も含めた幅寸法のものが通り得る最小限の幅に形成されることが望ましい。
【0018】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記開口側内壁171の先端縁173と前記基板90の表面との間には、前記ケーブル110を通し得る間隙180が形成され、この間隙180における前記開口側内壁171の先端縁173から前記基板90の表面までの距離は、前記切欠部190が前記基板90の表面から垂直方向に切り欠かれた距離よりも短く、且つ、前記コネクタ側内壁172の前記切欠部190以外の先端縁173から前記基板90の表面までの距離よりも長くなるように形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、開口側内壁171に間隙180が設けられていることにより、ケーブル110がその開口側内壁171を迂回することなく、より短い経路で通り抜けることができる。さらに、その間隙180の形状より大きい異物の通り抜けが防止できる。
ここで、仮に異物の侵入経路となり得るこの間隙180が、開口部140の辺縁近くの浅い位置に形成されていると、ワイヤのような異物が挿入されやすい。そこで本発明では、間隙180が、基板90の表面側、すなわち、開口部140の辺縁から遠い位置に形成されていることで、異物の挿入や、その操作がより困難なものとなっている。
【0020】
さらに、本発明によれば、開口側内壁171が、開口部140側から見て切欠部190の一部を隠すこととなっている。すなわち、開口側内壁171は、コネクタ側内壁172より開口部140の近くにあって、異物の侵入する可能性のある切欠部190の一部をブロックしている。その結果として、開口側内壁171は、ケーブル110が通り抜ける空間を間隙180として確保しつつ、開口側内壁171からの異物の侵入を防止している。
【0021】
ここで、前記切欠部190は、ケーブル110が通る部分を確保するために、コネクタ側内壁172に形成されているものである。具体的には、コネクタ側内壁172は、開口側内壁171よりも基板側コネクタ130に近い位置に形成されている。このため、切欠部190の高さが低すぎると、基板側コネクタ130からのケーブル110を鋭く屈曲させる必要がある。そのようにケーブル110を屈曲させると、ケーブル110に曲げ応力が加わり断線等の原因となる。よって、基板側コネクタ130から延びるケーブル110の屈曲をできるだけ緩やかになるように、切欠部190の基板90の表面から垂直方向に切り欠かれた距離は、間隙180の先端縁173から基板90の表面までの距離よりも長くなるように形成されている。これにより、基板側コネクタ110から延びるケーブル110が無理なく曲げられつつ、開口側内壁171の間隙180まで案内されることとなっている。
【0022】
なお、コネクタ側内壁172の切欠部190の幅(スリット幅(P))はケーブル110が通り得る最小限の幅に形成されることとしてもよい。具体的には、間隙180の幅(R)はケーブル110の径のおよそ3倍未満とすることが望ましい。このように形成された場合、開口部140から外部に出ているケーブル110が外から動かされた場合、基板側コネクタ130から延びるケーブル110は切欠部190に挟まれて固定されたままとなる。そして、その状態では、コネクタ側内壁172より先(外部側)のケーブル110の部分だけが動き得ることになる。これにより、コネクタ側内壁172から基板側コネクタ130までに位置するケーブル110の動きが抑えられ、基板側コネクタ110とケーブル110との接続部分が外部からの動きに干渉されにくくなる。
【0023】
また、開口部140の周囲には、ケース蓋部材160の裏面から基板90側に向かって延びる四角筒状の壁が形成されてもよい。これにより、開口部140から基板ケース100内へ異物が挿入されることを抑えることができる。そして、この開口部140の周囲の壁の一部を開口側内壁171とすることができる。また、この開口部140の辺縁から基板90の表面に向かって延びる壁は、先細りの筒状としてもよい。これにより、開口部140の外部から異物が挿入されることをさらに困難とすることができる。
【0024】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項4に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記開口側内壁171における前記間隙180の前記基板90と平行方向の幅は、前記切欠部190における前記基板90と平行方向の幅よりも広くなるように形成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、開口部140からサブ基板ケース102の外部に出したケーブル110が動かされても、開口側内壁171の先端縁173に沿ってサブ基板92の表面と平行方向への動きに対しては、ケーブル110が広い可動範囲の中を移動させられることで支障なく対応可能となる。その結果、そのようなケーブル110の動きに対して、ケーブル110の一部に応力が集中することを抑えて、ケーブル110の破損や断線等を減らすことが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、ケーブルを外に出すための開口部からワイヤ等の異物が挿入されても基板側コネクタへの到達を多重に防御することで基板側コネクタに到達しにくく、不正アクセスが防止しやすい基板ケースを提供することができる。
さらに、請求項1記載の発明によれば、基板側コネクタから開口部へ至るケーブルによって基板上の部品や配線が傷つけられたりすることのない基板ケースを提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、外部からのケーブルが引っ張られても基板側コネクタからケーブル側コネクタが外れにくい基板ケースを提供することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、ケーブルを無理なく曲げることができ、ケーブルの断線等を防止することができて不正行為を防止しやすい基板ケースを提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、さらに、ケーブルを無理なく曲げることができて断線等が防止できる基板ケースを提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、外部に出したケーブルが動かされても、ケーブルが広い可動範囲の中を移動させられることで支障なく対応可能となり、ケーブルの一部に応力が集中することを抑えて、ケーブルの破損や断線等を減らすことができる基板ケースを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機において遊技を行う遊技者から見て、遊技機から遊技者の手前側に向かう方向を「前方向」とする。また、同様に、「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかる遊技機の方を向いて位置している遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。そして、遊技を行う遊技者が遊技機を前方向から見たときの遊技機の面を「遊技機の前面」とする。また、同様に、基板ケース100の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各基板ケース100を、遊技機10の筐体11内部の所定位置に固定した状態における上記遊技者から見た方向を意味する。
【0030】
(遊技機10)
本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図2を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に塞ぐ前扉14とを備えている。
前記筐体11は、床に置かれた台等に固定される底板11aと、この底板11aの両端に配置される一対の側板11bと、この側板11bの上端間に渡される天板11cと、底板11a、側板11b及び天板11cからなる四角枠状の背面側に配置される背板11dとにより構成される。
【0031】
また、前扉14の上部には、上パネル12aを備えている。そして、この上パネル12aの略中央には、3個の回転リール40の円周上の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。この図柄表示窓13は、3個全ての回転リール40の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
前記図柄表示窓13の奥には、3個の駆動モータによって図柄表示手段としての回転リール40を回転させるためのリールユニット60が配置されてある。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等を音や光や映像で報知させる報知手段66が形成されている。この報知手段66は、前扉14に配置されたスピーカー67と、液晶表示装置68と、報知ランプ69とを備えている。
【0032】
前記前扉14の下部には、下パネル12bを備えている。そして、前扉14は、その下パネル12bの上に位置して、前扉14の前方向へ向けて突出する操作部19を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口18からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部19には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口18と、クレジットしたメダル数を3枚減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ16mと、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ16sと、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ17と、メダルの投入又はベットスイッチ16の操作を条件に回転リール40の回転を開始させるためのスタートスイッチ30と、操作により対応する回転リール40の回転を停止させるための、3個の回転リール40のそれぞれ対応する3個のストップスイッチ50とを備えている。
【0033】
前記前扉14の下部の奥には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払い出し手段65と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置5とが配置されている。
そして、前扉14の下部には、所定の役の図柄が所定のライン(所定の役の図柄が揃ったときに入賞となるラインのことであり、以下、有効ラインとする)上に表示され、かつ、クレジットされているメダル数が50枚に到達している場合に、貯留払い出し手段65からメダルが払い出されるメダル払出口32が形成されている。このメダル払出口32の下方には、メダル払出口32から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿33が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、入賞により獲得したメダルはメダル払出口32から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0034】
本実施の形態に係る遊技機10は、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ30の押下操作により、回転リール40の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール40に対応するストップスイッチ50の押下タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。そして、当該遊技機10は、停止時の図柄の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の特典(利益)を遊技者に付与するものである。
【0035】
(メイン基板91、サブ基板92、メイン基板ケース101、サブ基板ケース102)
遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置20が形成されている。前記制御装置20は、遊技を進行させて遊技状態を制御する遊技制御装置21としてのメイン基板91と、このメイン基板91からの信号を受けて、遊技内容に関する情報を遊技者に報知するための演出を行うために演出状態を制御する演出制御装置22としてのサブ基板92とを備えている。メイン基板91及びサブ基板92は、
図2に示すように、互いに長さの異なる長辺及び短辺を有する長方形状の平面形状を有している。
前記メイン基板91には、CPU、ROM、RAM等、種々の電子部品が備えられており、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。メイン基板91は、役抽選を行うとともに、リールユニット60及び貯留払い出し手段65の作動を制御する。
【0036】
前記サブ基板92にも、CPU、ROM、RAM等の電子部品が搭載されており、メイン基板91と同様に、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。サブ基板92は、メイン基板91から信号を入力し、報知手段66の作動を制御する。サブ基板92の出力側には、報知手段66としてのスピーカー67、表示装置68、報知ランプ69の各パーツが接続されている。
メイン基板91と、サブ基板92とは、それぞれ専用の基板ケース100の内部に収納されている。具体的には、メイン基板91は、メイン基板ケース101の内部に収納され、サブ基板92は、サブ基板ケース102の内部に収納されている。このサブ基板ケース102は、
図3に示すように、サブ基板92のCPU、ROM等の電子部品を実装したサブ基板92の表側の面を覆うケース蓋部材160と、CPU等を実装していないサブ基板92の裏側の面を覆うケース本体部材150とを備えている。そして、
図2に示すように、メイン基板ケース101は、筐体11内部の背板11dの上部に固定され、サブ基板ケース102は、筐体11内部の正面から向かって左側の側板11bに固定されている。
【0037】
ここで、メイン基板91とサブ基板92との間における信号の送受信は、メイン基板91における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。メイン基板91と、サブ基板92とには、データの入出力用の基板側コネクタ130が設けられている。具体的には、メイン基板91には、基板側コネクタ130としてメイン基板側コネクタ131が設けられている。そして、サブ基板92には、基板側コネクタ130としてサブ基板側コネクタ132が設けられている。メイン基板91からサブ基板92への種々のデータの出力は、メイン基板91に設けたメイン基板側コネクタ131に一端が接続され、他端がサブ基板92のサブ基板側コネクタ132に接続されるハーネス105を介して行われる。前記メイン基板側コネクタ131は、
図2、
図14及び
図15に示すように、メイン基板ケース101の正面側に露出している。また、サブ基板側コネクタ132は、
図5、
図8及び
図11に示すように、サブ基板ケース102の内部に収納された状態となっており、サブ基板ケース102内部でハーネス105の一端と接続される。このハーネス105の他端が、
図15に示すように、サブ基板ケース102に開口する開口部140からサブ基板ケース102の外に出されて、メイン基板91のメイン基板側コネクタ131に接続される。
【0038】
前記サブ基板92の表側の面には、部品及び配線が配置されることで回路を構成する回路領域93(
図3及び
図5のサブ基板92の表面の斜線部分以外の領域)と、部品及び配線のいずれも配置されていない非回路領域94(
図3及び
図5のサブ基板92の表面の斜線部分の領域)とが設けられている。このサブ基板92の表側の面において、開口部140からサブ基板側コネクタ132に至る部分は、非回路領域94に設けられている。具体的には、
図3及び
図5に示すように、非回路領域94は、サブ基板92のケース蓋部材160側の面のうち、サブ基板側コネクタ132に相対する位置から、開口部140に相対する奥側までの長方形状の斜線領域に形成されている。なお、
図3や
図5では、サブ基板92のケース蓋部材160側の面のうち、回路領域93において、配線や回路等の記載は省略されている。
【0039】
サブ基板92のCPUやサブ基板側コネクタ132等の電子部品を実装させた表側の面の裏側の面には、
図6に示すように、サブ基板側コネクタ132と、このサブ基板側コネクタ132から入力されたデータの処理を行う部分との間の配線を行う配線領域95(
図6の格子線箇所)が形成されている。なお、この配線領域95を設ける箇所は、サブ基板92の裏側の面に限定されるものではなく、サブ基板92のサブ基板側コネクタ132を設けた側の面以外の部分であればよいものである。たとえば、サブ基板92が複数層からなる構造の場合には、前記配線領域95が、サブ基板92の前記裏面に至る途中の層の面に形成されるようにしてもよい。
【0040】
ここで、サブ基板側コネクタ132は、
図3に示すように、接続端子を配置した接続端子面133がケース蓋部材160側に向くように配置されている。すなわち、サブ基板側コネクタ132は、サブ基板92の表面に対して垂直方向に立設するように形成されている。このため、サブ用ケーブル側コネクタ122が、サブ基板92の表面に対して垂直方向に抜き差しされることにより、サブ基板側コネクタ132と接続又は取り外しが可能となるように形成されている。なお、サブ基板側コネクタ132は、必ずしもこの形態に限定されるものではない。具体的には、たとえば、サブ基板側コネクタ132が、サブ基板92の表面に対して平行方向となるように形成され、その接続端子面133もサブ基板92の表面に対して平行方向に向くように形成されてもよい。このように形成されると、サブ用ケーブル側コネクタ122が、サブ基板92の表面に対して平行方向に抜き差しされることにより、サブ基板側コネクタ132に接続され、あるいは、取り外される。
【0041】
(ハーネス105)
前記ハーネス105は、
図4に示すように、ケーブル110と、このケーブル110の両端に設けられた各々異なる形状のケーブル側コネクタ120とからなるものである。このケーブル側コネクタ120は、一方がメイン基板91の基板側コネクタ130に、他方がサブ基板92の基板側コネクタ130に接続可能なものである。本実施の形態では、ケーブル側コネクタ120として、雄型のコネクタプラグが形成され、基板側コネクタ130として、そのコネクタプラグが差し込み可能な雌型のコネクタソケットが形成されている。なお、上記組み合わせに限定されるものではなく、基板側コネクタ130に、雄型のコネクタプラグが形成され、ケーブル側コネクタ120に、そのコネクタプラグに接続可能な雌型のコネクタソケットが形成されるようにしてもよい。また、ケーブル110の両端のうち、一端をコネクタソケット、他端をコネクタプラグとして、それに適合するような基板側コネクタ130の組み合わせとして形成されるようにしてもよい。
【0042】
前記ケーブル110は、銅を含有する複数の金属線及びこの金属線にポリ塩化ビニル等の絶縁体を被覆させた複数本(具体的には4本)の被覆電線112(
図13参照)を有している。複数の被覆電線112は、可撓性を有する透明樹脂からなる管状カバー111(
図13参照)により覆われている。なお、本実施の形態では、ケーブル110は、被覆電線112の周囲を、管状カバー111で覆われているものを使用しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ケーブル110は、管状カバー111で覆われずに、被覆電線112だけにより形成されるようなものでもよい。ここで、ケーブル110の径とは、4本の被覆電線112を1本に束ねた状態のものが内部に収まるような仮想円筒の横断面の円の内径を意味する。なお、管状カバー111は、軟質樹脂で容易に変形可能であって、ケーブル110の外径と、管状カバー111で覆われたケーブル110の外径とは、略同程度になるように形成されている。
【0043】
前記ケーブル側コネクタ120は、ケーブル110の一端に設けられたメイン用ケーブル側コネクタ121と、ケーブル110の他端に設けられたサブ用ケーブル側コネクタ122とからなる。メイン用ケーブル側コネクタ121は、メイン基板91のメイン基板側コネクタ131に接続可能に形成され、サブ用ケーブル側コネクタ122は、サブ基板92のサブ基板側コネクタ132に接続可能に形成されている。
メイン用ケーブル側コネクタ121と、サブ用ケーブル側コネクタ122とは、各形状がそれぞれ異なって形成されている。具体的には、サブ用ケーブル側コネクタ122は、開口部140を挿通可能な形状に形成されている。また、メイン用ケーブル側コネクタ121は、開口部140を挿通不能な形状に形成されている。
【0044】
なお、このコネクタ(メイン用ケーブル側コネクタ121、サブ用ケーブル側コネクタ122)は、互いに相似形だが、寸法のみが異なるようなものに形成されてもよい。たとえば、形状は互いに相似形で、寸法だけが異なることにより、一方のコネクタが開口部140を挿通不能で他方のコネクタが挿通可能となるように形成されてもよい。
(開口部140)
前記開口部140は、
図5や、
図11に示すように、サブ基板側コネクタ132に接続するサブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110の他方の端部をサブ基板ケース102外部へ案内するために、ケース蓋部材160の表裏に開口するものである。開口部140と、サブ基板側コネクタ132とは、ケース蓋部材160側から見た平面視で、異なる位置に形成されている(
図10参照)。具体的には、開口部140は、ケース蓋部材160のサブ基板側コネクタ132に相対する位置よりもケース蓋部材160の中央寄りに形成されている(
図8参照)。
【0045】
また、前記開口部は、前記管状カバー111で覆われたケーブル110を挿通可能な寸法形状に形成されている。
(内壁170)
前記開口部140とサブ基板側コネクタ132との間には、
図5、
図8、
図9及び
図11に示すように、ケース蓋部材160からサブ基板92に向かって突出するとともに、開口部140とサブ基板側コネクタ132との間を隔てるための内壁170が設けられている。この内壁170は、開口部140側に設けた開口側内壁171と、サブ基板側コネクタ132側に設けたコネクタ側内壁172との2個からなる。
【0046】
前記コネクタ側内壁172は、開口部140と基板側コネクタ130との間(さらに、具体的には、開口側内壁171と基板側コネクタ130との間)に位置して、ケース蓋部材160からサブ基板92に向かって突出するとともに開口部140と基板側コネクタ130との間(さらに、具体的には、開口側内壁171と基板側コネクタ130との間)を隔てるためのものである。
前記コネクタ側内壁172は、サブ基板側コネクタ132の近傍に隣接して形成されている。そして、サブ基板側コネクタ132がサブ基板92の表面から垂直方向に立設するように形成され、このコネクタ側内壁172は、そのサブ基板側コネクタ132の立設方向と並行して形成されている。
【0047】
前記コネクタ側内壁172には、サブ基板側コネクタ132に接続したサブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110を、サブ基板側コネクタ132が配置されている側から、開口部140が配置されている側に向かって挿通させるための切欠部190が設けられている。
前記開口側内壁171は、コネクタ側内壁172と開口部140との間に位置して、ケース蓋部材160からサブ基板92に向かって突出するとともにコネクタ側内壁172と開口部140との間を隔てるためのものである。この開口側内壁171の先端縁173とサブ基板92の表面との間には、ケーブル110を通し得る間隙180が形成されている。
前記開口側内壁171は、サブ用ケーブル側コネクタ122から開口部140までの最短距離となる仮想直線よりも、その先端縁173がサブ基板92側に位置するように形成されている。
【0048】
図5に示すように、前記ケース蓋部材160は、ケース蓋部材160の開口部140の周縁からサブ基板92側に向かって、四角枠169が突出するように形成されている。前記開口側内壁171は、この四角枠169のうち、開口部140の手前側(サブ基板側コネクタ132側)の面を形成するものである。四角枠169は、サブ基板ケース102を側板11bに固定した状態の際、四角枠169の上側の面を形成する上壁174と、四角枠169の下側の面を形成する下壁175と、四角枠169の奥側の面を形成する奥壁176とを備えている。すなわち、四角枠169は、開口側内壁171、上壁174、奥壁176及び下壁175により、開口部140からサブ基板92側に向かって突出する四角枠状に形成されている。
【0049】
なお、本実施の形態では、内壁170として、コネクタ側内壁172と、開口側内壁171との2個が形成されているが、特にこれに限定されるものではなく、コネクタ側内壁172と、開口側内壁171とのうち、いずれか一方の内壁170が、1個だけ形成されるようにしてもよい。さらに、別の内壁が、開口部140及びサブ基板側コネクタ132の間に追加されて、3個以上の内壁が形成されるようにしてもよい。そのときには、追加した内壁170には、ケーブル110を挿通可能な切欠部190若しくは間隙180が形成される。
(切欠部190)
前記切欠部190は、サブ基板側コネクタ132に接続したサブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110を開口部140側に向かって挿通させるために、コネクタ側内壁172に形成されているものである。この切欠部190は、
図9(b)の断面Bである
図9(e)に示すように、コネクタ側内壁172のサブ基板92側からケース蓋部材160側に向かって切り欠かれているものである。この切欠部190が形成されることにより、切欠部190とサブ基板92の表面との間には、ケーブル110を挿通可能な開放孔であるスリット191が形成される。このスリット191は、サブ基板92の表面から垂直方向の切欠部190の縁までのスリット距離Qと、このスリット距離Qに直交する方向のスリット幅Pとからなる略長方形状の開放孔(ケーブル110が挿通可能な挿通孔)である。この切欠部190のスリット幅Pの寸法は、管状カバー111で覆われたケーブル110が通り得る最小限の幅に形成されている。具体的には、スリット幅Pの寸法は、ケーブル110の径(なお、ここで、スリット幅Pは、本実施の形態のように管状カバー111で覆われたケーブル110を使用する場合には管状カバー111の径となり、管状カバー111で覆われていないケーブル110を使用する場合にはケーブル110の径となる。ここで、ケーブル110の径は、4本の被覆電線112を束ねたものが通り得る最小限の幅となる。以下同様)と同一寸法に設定されている。もちろん、これに限定されるものではなく、ケーブル110の弾性変形を考慮して、ケーブル110の径よりも、僅かに短いものに設定してもよく、また、挿通しやすさの作業性を考慮してケーブル110の径よりも長いものに設定してもよい。
【0050】
また、切欠部190は、
図11に示すように、サブ基板側コネクタ132にサブ用ケーブル側コネクタ122を接続した際、ケーブル110を切欠部190に無理なく挿通させるため、スリット距離Qは、サブ基板92の表面からサブ用ケーブル側コネクタ122のケース蓋部材160側の面までの距離Vより、長くなるように形成されている(
図9(a)の断面Aである
図9(d)参照。なお、
図9ではケーブル110は省略して記載)。
(間隙180)
前記開口側内壁171の先端縁173とサブ基板92の表面との間には、
図11に示すように、ケーブル110を通し得る間隙180が設けられている。この間隙180は、
図9(c)の断面Cである
図9(f)に示すように、開口側内壁171に形成されているものであって、サブ基板92の表面から開口側内壁171の先端縁173までの間隙距離Sと、この間隙距離Sに直交する方向の間隙幅Rとからなる長方形状の開放孔(ケーブル110が挿通可能な挿通孔)である。この間隙距離Sは、
図11に示すように、ケーブル110を先端縁173とサブ基板92の表面との間で挿通させることができるように充分な間隔が設定されている。
【0051】
前記間隙距離Sは、
図9の(e)及び(f)や、
図11に示すように、コネクタ側内壁172の切欠部190のスリット距離Qよりも短く(S<Q)なるように形成されている。
前記間隙幅Rは、
図9の(e)及び(f)に示すように、コネクタ側内壁172の切欠部190のスリット幅Pよりも長く(P<R)なるように形成されている。
前記間隙距離Sは、ケーブル110の弾性変形を考慮して、ケーブル110の外径(又は管状カバー111の外径)よりも、僅かに短いものに設定してもよく、また、挿通しやすさの作業性を考慮して、その外径よりも僅かに長いものに設定してもよい。
前記間隙距離Sは、ケーブル110が管状カバー111を有さない場合には、管状カバー111で覆われていない4本の被覆電線112の束を通し得る最小の距離となるように形成してもよい。
【0052】
前記間隙幅Rは、開口部140の間隙幅Rの方向に開口する開口幅と同一になるように形成されている。
なお、開口側内壁171の間隙幅Rは、開口部140の前記開口幅より、小さくなるように形成されてもよい。これにより、ケーブル110における前記幅方向の移動が、基板ケース100の外部から内部に向かって、開口部140の幅と、間隙幅Rと、スリット幅Pとの三箇所で徐々に小さくなるように制限される。すなわち、開口部140と、開口側内壁171の間隙180と、コネクタ側内壁172の切欠部190とにより、外部からケーブル110が前記幅方向に移動させられる距離(変位量)が、開口部140から開口側内壁171の間隙180、この間隙180から切欠部190へと、段階的に減少する。このように、外部操作によるケーブル110の変位量を、より段階的に減少させることができる、一種の緩衝機能のようなものを基板ケース100に持たせることができる。したがって、ケーブル110の途中や、前記接続部分等の特定の一箇所に応力が集中することがさらに抑えられる。その結果として、通常、最も破断しやすく、損傷しやすい箇所である前記接続部分の破断や損傷がさらに抑えられる。
【0053】
また、逆に、開口側内壁171の間隙幅Rは、開口部140の開口幅より、大きくなるように形成されてもよい。これにより、ケーブル110が開口部140の開口幅まで最大に振れて移動しても、ケーブル110が、開口側内壁171の間隙180の端に、衝突することがなく、それによるケーブル110の摩耗や損傷が回避される。
(目視確認部161)
ケース蓋部材160には、
図10に示すように、サブ基板92のサブ基板側コネクタ132に略相対する領域に透明部材からなる目視確認部161が形成されている。この目視確認部161は、同一板厚であって突起や段差等のない平板状の透明樹脂からなる部分であり、サブ基板ケース102の外部からサブ基板側コネクタ132の周辺の視認性を良好なものとしているものである。特に、サブ基板側コネクタ132に接続状態のサブ用ケーブル側コネクタ122の接続部分が外部から見やすくなっている。
【0054】
本実施の形態では、目視確認部161だけに留まらず、ケース蓋部材160全体が透明部材からなる透明樹脂で形成されている。これにより、不正行為の早期発見が可能となる上に、基板側コネクタ130からケーブル側コネクタ120が外れる不具合や、部品の脱落やケーブル110の途中でのねじれ等の不具合等による断線等の異常箇所の発見が容易となる。
(係止部220)
サブ基板ケース102には、
図4及び
図7に示すように、開口部140からサブ基板ケース102外部へ出したケーブル110の途中を引っ掛けるための係止部220が設けられている。この係止部220は、ケーブル110を係止可能に形成されている。
【0055】
ここで、ケーブル110の長さは、ケーブル110を開口部140から係止部220に係止させた後、この係止部220から折り返して仮止め部200で仮止めするのに充分な長さとなるように形成されている。
前記係止部220は、
図12に示すように、サブ基板ケース102の縁部において、外側表面から凹んだ凹部230と、この凹部230の一部から基板ケース100の外側表面と連続するように突出する突出片240とを備えている。この突出片240は、ケーブル110を係止させる際、弾性変形可能に形成されている。前記凹部230の底面231には、ケーブル110を係止させる際、
図13に示すように、ケーブル110の一部を逃がすため、表裏に開口する孔232が設けられている。そして、ケーブル110が突出片240に引っ掛けられた状態で、凹部230の内部にケーブル110が入れられると、ケーブル110の一部が、突出片240により、凹部230の孔232の内部に向かって押し込まれるように形成されている。
【0056】
前記突出片240は、その先端部に凹部230の孔232側に向かって、断面L字状に折り曲げられた先端膨出部241が形成されている。また、突出片240の基端側には、サブ基板ケース102の外側表面と連続するとともに突出片240の側縁が段差状になった段部242が形成されている。突出片240に係止させたケーブル110を段部242と先端膨出部241との間に挟みこんで外れないようにするため、段部242と先端膨出部241との間の距離が、ケーブル110の径(具体的には、本実施の形態のように管状カバー111で覆われたケーブル110を使用する場合には管状カバー111の径となり、管状カバー111で覆われていないケーブル110を使用する場合にはケーブル110の径となる。以下同様)と略同一となるように形成されている。もちろん、その段部242と先端膨出部241との間の距離は、これに限定されることなく、ケーブル110の弾性変形を考慮して、前記ケーブル110の径より僅かに短いものに設定されてもよく、また、係止させやすさの作業性を考慮して、前記ケーブル110の径より長いものに設定されてもよい。
【0057】
(仮止め部200)
前記サブ基板ケース102のケース蓋部材160には、
図7及び
図14に示すように、開口部140から外部に出したケーブル110の端部に設けられたメイン用ケーブル側コネクタ121を仮止め状態とするために係合させる仮止め部200が設けられている。このメイン用ケーブル側コネクタ121は、サブ基板ケース102が筐体11の側板11bに固定された際に、仮止め部200から引き抜いて、
図15に示すように、筐体11の背板11dに配置されているメイン基板ケース101のメイン基板91に設けたメイン基板側コネクタ131に接続される。
前記仮止め部200は、サブ基板ケース102の外周面のうち、サブ基板ケース102内部に収納するサブ基板ケース102の表裏面に対して垂直方向となる面に形成されている。具体的には、仮止め部200は、
図14及び
図15に示すように、サブ基板ケース102が筐体11の左側の側板11bに固定された際、正面側の面に形成されている。さらに、この仮止め部200は、サブ基板ケース102内部に収納するサブ基板ケース102の表裏面に対し垂直方向に向かって開口している。具体的には、仮止め部200は、
図14及び
図15に示すように、サブ基板ケース102が筐体11の左側の側板11bに固定された際、左側の側板11bから右側の側板11bに向かって開口している。そして、この仮止め部200は、全体形状が略枡状に形成されている。したがって、この仮止め部200は、メイン用ケーブル側コネクタ121の先端が、
図16に示すように、サブ基板92の表裏面に対して垂直方向に差し込まれることによって、仮止め状態となる。また、
図17に示すように、メイン用ケーブル側コネクタ121が仮止め部200からサブ基板92の表裏面に対して垂直方向に引き抜かれることにより、メイン用ケーブル側コネクタ121が仮止め部200から取り外され、仮止め状態が解消される。
【0058】
そして、係止部220から仮止め部200までの距離は、サブ基板ケース102が固定された際、係止部220から、メイン基板側コネクタ131までの距離より長くなるように形成されている。
(内壁170等による主に不正行為対策に関する作用及び効果)
本実施の形態によれば、
図10に示すように、開口部140と、サブ基板側コネクタ132とは、平面視で異なる位置に形成されている。そして、開口部140とサブ基板側コネクタ132との間には、ケース蓋部材160からサブ基板92に向かって突出するとともに開口部140と基板側コネクタ130との間を隔てる内壁170(開口側内壁171及びコネクタ側内壁172)が設けられている。このため、開口部140からワイヤ等の異物がサブ基板ケース102内部に差し込まれても、内壁170により、そのワイヤ等の侵入が遮られる可能性が高くなる。これにより、開口部140から挿入された異物がサブ基板側コネクタ132へ到達する可能性が低くなる。
【0059】
一方、コネクタ側内壁172には、ケーブル110を挿通させるために切欠部190が設けられている。具体的には、
図11に示すように、ケーブル110の一方の端部のサブ用ケーブル側コネクタ122は、開口部140から挿入され、サブ基板ケース102内のサブ基板側コネクタ132に接続される。その際、サブ用ケーブル側コネクタ122から延びるケーブル110は、コネクタ側内壁172の切欠部190及び開口側内壁171の間隙180を介して、開口部140から外部へ出されている状態となる。その後、不正操作をしようとする者が、開口部140から挿入させた異物を、間隙180や切欠部190を介して、サブ基板側コネクタ132へ到達させようとしても、間隙180や切欠部190の内部には、ケーブル110が存在するため、異物が切欠部190を挿通することができる可能性は低くなる。
【0060】
また、内壁170が形成されていることにより、開口部140からサブ基板側コネクタ132に対する不正行為で内壁170が破壊されると、その痕跡が残る。このため、不正行為の発覚が視覚により早期に発見され得る。
その結果として、いわゆるぶら下がりゴト等のゴト行為(不正行為)が防止される可能性が高くなり、ケーブル側コネクタ120及びケーブル110を利用した、不正アクセスが防止される可能性が高くなる。
また、開口部140付近においてケーブル110が滞留したり、蛇行すると、そのような状態のケーブル110により、開口部140付近の視界が著しく遮られるおそれがある。開口部140と、サブ基板側コネクタ132とは、
図10に示すように、平面視で異なる位置にあるため、サブ基板側コネクタ132の周囲が、そのような開口部140を通るケーブル110の滞留等により、ケース蓋部材160の外部からの視認性が著しく低下させられるようなことがなく、良好な視認性が維持される。
【0061】
本実施の形態によれば、開口部140と、サブ基板側コネクタ132とは、内壁170(開口側内壁171及びコネクタ側内壁172)により隔てられている。具体的には、
図11に示すように、サブ基板側コネクタ132に隣接してコネクタ側内壁172が設けられ、このコネクタ側内壁172と開口部140との間に開口側内壁171が設けられている。すなわち、内壁170が、開口部140とサブ基板側コネクタ132との間に複数個、具体的には2個形成されている。このため、開口部140からワイヤ等が差し込まれても、複数個の内壁170により、サブ基板側コネクタ132への到達を多重に防御することができ、内壁170が1個の場合よりも、サブ基板側コネクタ132への不正アクセスをより困難なものにすることができる。
【0062】
さらに、この開口側内壁171の先端縁173とサブ基板92の表面との間には、
図11に示すように、ケーブル110を通し得る間隙180が設けられている。これにより、外部との電気的な接続を行うに必要なケーブル110を、開口側内壁171の周囲に迂回させることなく、通すことができる。さらに、その間隙180の形状に入らない異物の挿通が防止される。これにより、基板側コネクタ130への不正アクセスが防止される可能性が高くなる。
また、開口側内壁171の間隙180は、
図11に示すように、開口側内壁171の先端縁173とサブ基板92の表面との間、すなわち、サブ基板92の表面側に形成されている。ここで、異物の挿入経路となり得る間隙180が、開口部140の外側から近くの浅い位置に形成されていると、ワイヤ等の異物が容易に挿入される可能性がある。しかし、本実施の形態のように、間隙180が、サブ基板92の表面側、すなわち、開口部140の外側から奥深い位置に形成されていることで、ワイヤ等の異物の挿入や、操作がより困難なものになる。これにより、不正アクセスが防止される可能性が高くなる。
【0063】
本実施の形態によれば、
図9(e)、(f)及び
図11に示すように、切欠部190のサブ基板92の表面から垂直方向のスリット距離Qは、開口側内壁171の先端縁173からサブ基板92の表面までの間隙180の間隙距離Sよりも長い(S<Q)。これにより、開口側内壁171が、コネクタ側内壁172の切欠部190におけるケース蓋部材160側の切り欠かれた部分の一部(スリット191の一部)を塞ぐ(隠す)ことができる。
開口側内壁171は、コネクタ側内壁172に比べて、より開口部140の近くにあって、開口部140からの異物の侵入をまず最初に防止するべく、侵入される空間を小さくしているものである。その結果として、開口側内壁171は、ケーブル110を挿通する開放孔を、間隙180により確保しつつ、開口側内壁171からサブ基板側コネクタ132側への異物の侵入を防止している。
【0064】
また、
図9(e)、(f)及び
図11に示すように、スリット距離Qが、間隙距離Sよりも長いのは、ケーブル110が通る部分を確保するように、コネクタ側内壁172に切欠部190が形成されているものである。具体的には、コネクタ側内壁172は、開口側内壁171よりもサブ基板側コネクタ132に近い位置に形成されている。このため、上述したような切欠部190が形成されてないと、サブ基板側コネクタ132から延びるケーブル110は、このコネクタ側内壁172の壁部分を迂回させるとともに、屈曲させる必要がある。そのようにケーブル110を屈曲させると、ケーブル110に曲げ応力が加わり断線等の原因となる。よって、サブ基板側コネクタ132に近いコネクタ側内壁172は、サブ基板側コネクタ132から延びるケーブル110が緩やかな曲線を描いて通る部分を遮ることがないようにしているものである。これにより、サブ用ケーブル側コネクタ122から延びるケーブル110が、無理なく曲げられ、開口側内壁171の間隙180まで案内される。その結果、ケーブル110の断線等が防止される。
【0065】
本実施の形態によれば、コネクタ側内壁172の切欠部190のスリット幅Pの寸法を、管状カバー111で覆われたケーブル110が通り得る最小限の幅にしたことにより、ケーブル110の径よりも大きな径の異物の挿通を切欠部190により防止することができる。これにより、サブ基板側コネクタ132への不正アクセスをより強固に防止することができる。
ここで、開口側内壁171の間隙幅Rを、間隙距離Sと同様に、ケーブル110が通り得る最小限の幅、たとえば、そのケーブル110の径(具体的には、管状カバー111の外径)と同一寸法にする。このようにすると、間隙180の狭い範囲にケーブル110が拘束され、外部からケーブル110が動かされたときに、拘束されたケーブル110の特定箇所に応力が集中してしまい、ケーブル110の破損や断線の原因となる。そこで、この開口側内壁171の間隙幅Rは、
図9の(e)(f)に示すように、コネクタ側内壁172の切欠部190のスリット幅Pよりも長く(P<R)なるように形成されている。これにより、開口部140からサブ基板ケース102の外部に出したケーブル110が動かされても、開口側内壁171の先端縁173に沿ってサブ基板92の表面と平行方向への動き(
図9(f)の正面から向かって左右方向、
図11の紙面と垂直方向)に対しては、ケーブル110が広い可動範囲の中を移動させられることで支障なく対応可能となる。その結果、そのようなケーブル110の動きに対して、ケーブル110の一部に応力が集中することを抑えて、ケーブル110の破損や断線等を減らすことが可能となる。
【0066】
ここで、開口側内壁171の先端縁173が、サブ用ケーブル側コネクタ122から開口部140までの最短距離となる仮想直線よりもケース蓋部材160側に形成されている場合を想定する。すなわち、その仮想直線の位置にケーブル110が形成されるような場合である。そのような場合、開口部140から外部へ出されているケーブル110が、軸方向に引っ張られると、その力が、前記サブ用ケーブル側コネクタ122のケーブル110の接続部分に、略直線状のケーブル110を介して、直接、加わってしまう。そのようになると、サブ用ケーブル側コネクタ122が、サブ基板側コネクタ132から簡単に引き抜かれるおそれがある。
そのため、本実施の形態によれば、
図11に示すように、開口側内壁171は、サブ基板側コネクタ132から開口部140までの最短距離となる仮想直線よりも、その先端縁173がサブ基板92側に位置するように形成されている。この開口側内壁171があることにより、サブ基板側コネクタ132に接続されたサブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110が、開口部140まで最短距離となるように1本の直線状に配置されることはなく、開口側内壁171の先端縁173とサブ基板92の表面との間を通されて迂回した状態に配置される。このため、開口部140から外部へ出されたケーブル110が、外部から引き出される軸方向に引っ張られると、ケーブル110は開口側内壁171の先端縁173に当接して折れ曲がることになる。そのようになると、開口側内壁171の先端縁173と、ケーブル110の表面との間の摩擦力により、開口側内壁171の先端縁173にケーブル110が引っ掛かる。これにより、そのケーブル110の接続部分に対して、ケーブル110を介して、外部から引っ張られる力が直接、加えられることが抑えられる。また、その力が加えられても、途中の先端縁173との摩擦力により、最終的に接続部分に加えられる力の大きさが軽減される。その結果として、外部からケーブル110に加えられる力が直接、サブ用ケーブル側コネクタ122に加わってしまうことが抑えられ、外部からの不正操作による断線等の状況が発生する可能性が低くなる。
【0067】
なお、開口側内壁171の先端縁173と、ケーブル110の表面との間の摩擦力を増加させるために、両者の接触面積が増加するように、開口側内壁171のケース蓋部材160側よりも開口側内壁171の先端縁173側の厚みを増すような形状(たとえば、開口側内壁171の断面形状が、サブ基板92側の厚みが大きい台形状となるもの)や、開口側内壁171の先端縁173付近の表面に摩擦抵抗を増加させるための多数の微少凸部を有するような形状等に形成されてもよい。また、摩擦抵抗を増加させるためのゴムシート等の表面の摩擦係数が大きいシート部材等が先端縁173付近に貼付されるように形成されてもよく、同様の効果を奏する材料が先端縁173付近に塗布されるように形成されてもよい。
【0068】
本実施の形態によれば、コネクタ側内壁172の切欠部190の幅(スリット幅P)が、ケーブル110の径と略同一に形成され、ケーブル110が挟みこまれるように形成されている。そして、開口側内壁171の間隙180は、
図9(f)に示すように、ケーブル110が移動できるように、間隙幅Rと、間隙距離Sとが確保されている。このように形成されていることにより、開口部140から外部に出ているケーブル110が動かされた場合、サブ基板側コネクタ132に接続されているサブ用ケーブル側コネクタ122から切欠部190まで延びるケーブル110の部分は、切欠部190に挟まれて、固定されたままの状態となる。一方、コネクタ側内壁172より先(外部側)のケーブル110部分は、外部からの力の影響を受けて所定範囲内で可動することになる。
【0069】
その際、開口側内壁171の間隙180は、
図9(f)に示すように、サブ基板92の表面に沿うような略長方形状の開放孔(間隙距離S×間隙幅Rで示される挿通孔)に形成されている。このため、ケーブル110の前記接続部分に近い部分が、切欠部190で固定された状態で、コネクタ側内壁172より先(外部側)のケーブル110部分が、間隙180の先端縁173と、サブ基板92の表面との間を間隙180の幅方向(
図9(f)の左右方向、
図11の紙面に垂直方向)に沿って、移動可能となる。開口部140から外部のケーブル110は、ケーブル110の軸方向及び半径方向の全てに対して自由に可動可能である。それに対して、
図11に示すように、ケーブル110が間隙180に至ると、ケーブル110が軸方向に引っ張られても、ケーブル110は、先端縁173で折れ曲がって当接し、ケーブル110の軸方向の移動は摩擦力により制限される。さらに、ケーブル110の半径方向の移動は、間隙180の幅方向(
図9(f)の間隙幅Rの方向)だけに制限される。そして、切欠部190に至ると、その幅方向の移動も制限されることになる。このように、ケーブル110の可動範囲が、間隙180から切欠部190へ進むにつれて、段階的に制限され(移動の自由度が、段階的に制限され)、ケーブル110の可動可能な距離である変位量が減衰させられる。また、ケーブル110への拘束度が段階的に増えることで、外部からケーブル110に加わる力が、分散されて徐々に抑えられる。これにより、ケーブル110や接続部分等の特定の一箇所に応力が集中することが回避される。
【0070】
上述したような形状の開口側内壁171及びコネクタ側内壁172と、それらに設けた所定の形状の間隙180及び切欠部190との構成が全体として一体に組み合わされていることで、外部のケーブル110が操作されてケーブル110に加えられる応力や変位量が減衰される。その結果として、基板ケース100外部からケーブル110に加えられる外力が、サブ基板ケース102内部のサブ基板側コネクタ132付近のケーブル110にそのまま伝達されることが抑えられる。
これにより、ケーブル110に外部から加えられる力が、サブ基板側コネクタ132、サブ用ケーブル側コネクタ122、ケーブル110及びそれらの各接続部分の特定の一箇所に集中して加わらないような、一種の緩衝機能をサブ基板ケース102に持たせることができる。
【0071】
したがって、通常、最も破断しやすく、損傷しやすい箇所である前記接続部分の破断等が防止される可能性を高めることができる。これにより、外部からケーブル110を強制的に動かして不正操作しようとするようなゴト行為による被害が抑えられる。
なお、本実施の形態によれば、
図5及び
図8に示すように、上記内壁170に加えて、開口部140の周縁には、サブ基板92に向かって突出する四角枠169が形成されている。このため、サブ基板側コネクタ132側の方向だけでなく、開口部140から、サブ基板側コネクタ132以外の方向に対して異物が侵入することが防止される可能性を高くすることができる。また、この四角枠169を設けたことで、この四角枠169の領域内の空間を、余分の長さのケーブル110を撓めて収納するケーブル収納部として利用することもできる。その際にも、そのケーブル収納部は四角枠169で周囲と遮断されているため、収納するケーブル110が、その周囲に実装された電子部品や配線と接触して、両者が破損したり、干渉し合うようなことを回避することが可能となる。さらに、開口部140に相対するサブ基板92の表面は、非回路領域94を形成しているため、収納したケーブル110がサブ基板92上の配線や電子部品と接触して不都合を発生させることが抑えられる。
【0072】
(目視確認部161、非回路領域94等による主に不正行為の発見に関する作用及び効果)
本実施の形態に係るサブ基板ケース102は、サブ基板側コネクタ132の接続端子面133(
図10参照)が、ケース蓋部材160側に向くように配置されている。そして、このサブ基板ケース102には、接続端子面133を視認可能な透明部材からなる目視確認部161が形成されている。これにより、遊技機10内部を確認する者は、接続端子面133にサブ用ケーブル側コネクタ122が適正に接続されているか否を、ケース蓋部材160側の目視確認部161を介して、外部から見ることができる。
そして、サブ基板側コネクタ132に接続されたサブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110は、
図11に示すように、コネクタ側内壁172の切欠部190と、開口側内壁171の間隙180とを介して、サブ基板92の表面側に向かって案内されている。このため、サブ用ケーブル側コネクタ122からのケーブル110が、滞留したり、蛇行等して、サブ用ケーブル側コネクタ122付近に留まってしまうような状況が発生しない。これにより、サブ用ケーブル側コネクタ122と、ケーブル110との接続部分が、蛇行等したケーブル110により、透明部材からなるケース蓋部材160側からの視界が著しく遮られてしまうことがない。これにより、遊技機10内部の検査や確認をする者が、ケーブル110の蛇行等により視界が著しく遮られることなく、目視確認部161を介して、その接続部分を外部から目で見て、異常の有無を確認することができる。
【0073】
その結果として、ケース蓋部材160の外側から、目視確認部161を介して、サブ基板側コネクタ132の接続端子面133や、ケーブル側コネクタ120とケーブル110との接続部分を目で確認しやすくなるため、サブ基板側コネクタ132及びその周囲に対する不正行為が発見されやすくなる。
本実施の形態によれば、開口部140からコネクタ側内壁172に至る部分は、サブ基板92の表面のうち、部品及び配線のいずれも配置されていない非回路領域94(
図3及び
図5参照)に設けられている。これにより、開口部140からワイヤ等の異物が差し込まれても、差し込まれた部分のサブ基板92の表面には、部品及び配線のいずれも配置されておらず、部品や、配線に対して、直接、ショートさせる等の不正操作が行われるようなことが防止される。
【0074】
また、開口部140からコネクタ側内壁172に至る部分に部品や配線が配置されていないため、ケーブル110が部品や配線と接触することがない。これにより、取付作業中等において、ケーブル110が部品や配線と接触して、損傷するおそれがない。また、ケーブル110から発せられる電磁波により電子部品に悪影響を及ぼす等の両者が電気的に干渉する可能性も低下させることができる。
なお、コネクタ側内壁172から基板側コネクタ130に至る部分も、非回路領域94に設けられるようにしてもよい。これにより、ケーブル110が、サブ基板92の表面側に蛇行してサブ基板92の表面に接触しても、ケーブル110自身の接触により、サブ基板92の配線や部品等が傷つけられるような不具合の発生が回避される。
【0075】
ここで、サブ基板側コネクタ132と、このサブ基板側コネクタ132から入力されたデータの処理を行う部分との間の配線が施された配線領域95(
図6参照)は、サブ基板92のサブ基板側コネクタ132を設けた側の面の裏面側に形成されている。これにより、開口部140から、直接、この配線領域95の配線に対して直接、アクセスすることが難しくなり、サブ基板側コネクタ132から入力されたデータを入手したり、改ざんするような不正行為が防止される。
本実施の形態によれば、
図8及び
図10に示すように、サブ基板側コネクタ132は、開口部140よりも平面視で基板ケース100の周縁側、具体的には、基板ケース100に収納されるサブ基板92の周縁側に形成されている。これにより、サブ基板92の中央側に、サブ基板側コネクタ132を除いた他の主要な電子部品や配線を集中して配置することができ、サブ基板92上の回路を配線距離の短い効率的なものとすることができる。
【0076】
このように、本実施の形態では、サブ基板92の手前側の辺縁にサブ基板側コネクタ132を設け、そのサブ基板92の中央寄りの近くに開口部140が配置されている。このため、基板ケース100内部に必要なケーブル110の長さを短くすることができる。これにより、サブ基板92の配線等との接触や、電磁波による電子部品への干渉が発生する可能性を低下させることができる。
(係止部220及び仮止め部200等による主に取付作業性向上に関する作用及び効果)
本実施の形態によれば、
図7に示すように、メイン用ケーブル側コネクタ121が、サブ基板ケース102の仮止め部200に係合可能に形成されている。これにより、開口部140からサブ基板ケース102外部へ出されたケーブル110が、開口部140から長く垂れ下がらずに短く収まった状態となる。その結果として、取付作業や取外し作業等の交換作業のスペースを広く有効にとることができて、取り付け時の作業環境が良好なものになる。また、筐体11に固定されていないサブ基板ケース102を搬送するような場合、メイン用ケーブル側コネクタ121を仮止め部200に係合させた状態で、サブ基板ケース102が搬送される。このため、搬送時に、メイン用ケーブル側コネクタ121が、周囲の部材にぶつかって、メイン用ケーブル側コネクタ121自身や周囲の部材が損傷するようなことが防止される。これにより、搬送時のメイン用ケーブル側コネクタ121や周囲部材が保護され、取扱いが容易となる。また、メイン用ケーブル側コネクタ121は、搬送時に、仮止め部200に係合させた状態となるので、搬送時のメイン用ケーブル側コネクタ121を保護するための特別な保護カバー等が不要となる。これにより、部品数を減少させることができ、コストダウンを図ることができる。
【0077】
なお、基板ケース100において、
図7に示すように、ケーブル110の一方の端部のサブ用ケーブル側コネクタ122が、サブ基板92内部のサブ基板側コネクタ132に接続されることで、ケーブル110の一部がサブ基板ケース102内部に収容されることになる。このため、そのケーブル110の他方側(メイン用ケーブル側コネクタ121側)であって、サブ基板ケース102の開口部140から外部に露出するケーブル110の長さは、そのような構成を有していないものと比較して、短くなる。これにより、ケーブル110の垂れ下がりを少なくすることができる。さらに、ケーブル110の一部が四角枠169内部に強制的に収容されると、開口部140から出ているケーブル110の長さがさらに短くなり、垂れ下がり等が防止される。
【0078】
本実施の形態によれば、
図7に示すように、開口部140からサブ基板ケース102外部へ出されたケーブル110の途中が、係止部220に引っ掛けられる。そして、その引っ掛けた状態で、ケーブル110の先端のサブ用ケーブル側コネクタ122が仮止め部200に仮止めされる。これにより、ケーブル110の先端が、仮止めされた状態で、ケーブル110の途中が垂れ下がることがなく、その結果として、仮止めした状態でケーブル110の途中に極端な弛みが発生してしまうような状態が発生せずに、ケーブル110が短く収められる。これにより、仮止めしたケーブル110の途中が、垂れ下がり、あるいは弛んだケーブル110の途中が、周囲の部品等に衝突したり、引っ掛かるおそれが減る。したがって、ケーブル110や、サブ用ケーブル側コネクタ122や、周囲の部品等が傷つくことを抑えることができる。これにより、ケーブル110や、周囲部品等の保護の向上が図れる。
【0079】
本実施の形態によれば、
図14及び
図15に示すように、係止部220から仮止め部200までの距離は、係止部220からメイン基板ケース101のメイン基板側コネクタ131までの距離より長い。このため、係止部220から仮止め部200までに渡したケーブル110の部分が、係止部220からメイン基板ケース101のメイン基板側コネクタ131までに渡すケーブル110の部分として使用される。これにより、係止部220からケーブル110を外すことなく、係止させたままの状態で、ケーブル110の先端のメイン用ケーブル側コネクタ121が仮止め部200から外されて、メイン基板ケース101のメイン基板側コネクタ131に接続させることができる。これにより、接続作業が簡単なものになる。
【0080】
また、係止部220からサブ基板ケース102の内部に至るケーブル110の部分は、
図15に示すように、係止部220に係止されたままの固定された状態が維持される。このため、係止部220からサブ基板ケース102の内部に至るケーブル110の部分は、上記接続作業の際、動くこともなく、無理な力が加わるおそれもない。これにより、サブ基板ケース102の内部において、サブ用ケーブル側コネクタ122と、サブ基板側コネクタ132との接続が外れるようなことが防止され、接続部分が良好に維持される。
本実施の形態によれば、
図7に示すように、ケーブル110の長さは、ケーブル110を開口部140から係止部220に係止させた後、この係止部220から折り返して、仮止め部200で仮止めするのに充分な長さとなるように形成されている。
【0081】
これにより、ケーブル110の長さが足りずに、仮止め部200に仮止めすることができなくて、ケーブル110が垂れ下がるような状態が発生することが防止される。また、ケーブル110の長さが必要以上に長くなりすぎて、仮止めした状態で、ケーブル110の途中が垂れ下がるような状態が発生することが防止される。その結果として、外部へ出したケーブル110のメイン用ケーブル側コネクタ121が確実に仮止め部200に仮止めされる。これにより、垂れ下がり、あるいは弛んだケーブル110が、周囲の部品等に衝突したり、引っ掛かったりするおそれが減る。したがって、ケーブル110や、ケーブル側コネクタ120や、周囲の部品等が損傷する可能性を低くすることができる。
【0082】
本実施の形態によれば、
図7に示すように、ケーブル110の長さが必要以上に長くなりすぎて、ケーブル110の垂れ下がりや弛みの発生が抑えられる。これにより、サブ基板ケース102内のサブ基板92の特定の場所が、そのような弛んだケーブル110の存在により外部から見えないように隠れてしまうような視認性の著しい低下が発生することが防止される。したがって、サブ基板92に対して、不正な操作(具体的には、たとえば、ROM交換)が施されても、外部から容易に発見される可能性が高められる。
本実施の形態によれば、
図4に示すように、形状が相違することにより、サブ用ケーブル側コネクタ122は、開口部140を挿通させることができ、メイン用ケーブル側コネクタ121は、開口部140を挿通させることができない。したがって、作業手順として、作業者は、先に、サブ用ケーブル側コネクタ122を、ケース蓋部材160の外側から開口部140を通した状態(
図5参照)としてから、そのサブ用ケーブル側コネクタ122を、サブ基板ケース102内のサブ基板側コネクタ132に接続する。このような作業手順において、作業者が、メイン基板側コネクタ131に取り付けるべきメイン用ケーブル側コネクタ121を、誤って、サブ基板側コネクタ132に接続させようとしても、メイン基板側コネクタ131を開口部140に挿通させることができない。このため、そのような誤った取付手順が実行されることが未然に防止される。これにより、取付作業性の向上を図ることができるとともに、そのような誤作業による基板側コネクタ130やケーブル側コネクタ120の破損が防止される。
【0083】
本実施の形態によれば、
図12に示すように、突出片240が、凹部230の一部からサブ基板ケース102のケース蓋部材160の外側表面と連続するように、その外側表面と平行に突出するように形成されている。このため、複数の基板ケース100を上下に積み重ねた状態で搬送や保管をするときに突出片240が邪魔にならない。これにより、基板ケース100の搬送や、保管等の際、突出片240が引っ掛かって邪魔になるようなことがなく、搬送時や保管時の取扱い性の向上が図られる。また、突出片240がケース蓋部材160の表面から垂直方向に突出するように形成されていないため、突出片240が周囲部材等と接触するおそれもない。これにより、突出片240自体や周囲部材の破損や変形も防止される。
【0084】
本実施の形態によれば、
図13に示すように、ケーブル110が突出片240に引っ掛けられた状態で、凹部230の内部にケーブル110が入れられる。そして、凹部230内部にケーブル110が充填されると、ケーブル110の一部が、突出片240により、凹部230の孔232の内部に向かって押し込まれる。これにより、孔231の内部に、突出片240に係止させたケーブル110の一部が逃がされる。したがって、係止させたケーブル110の一箇所に、無理な力が加わって変形するようなことが回避され、ケーブル110の断線が防止される。
突出片240が弾性変形可能であるため、この突出片240が、この突出片240の周囲に係止させたケーブル110を、凹部230の孔232の内部方向に、押さえつけることが可能となる。これにより、係止させたケーブル110が係止部220から簡単に外れるようなことが防止される。このように、突出片240が弾性変形可能であり、底面231に孔232が設けられているため、ケーブル110の径が、有る程度、大きいものに対しても係止部220に係止され得る。これにより、係止可能なケーブル110の径の許容範囲が広くなる。
【0085】
通常、仮止め部200にメイン用ケーブル側コネクタ121が差し込まれた場合、メイン用ケーブル側コネクタ121が仮止め部200で強く保持されるように両者の寸法形状が形成されると、基板ケース100の設置作業の際、仮止め部200からケーブル側コネクタ120を抜くのに大きな力が必要となり、抜け難くなる。一方、ケーブル側コネクタ120が仮止め部200で弱く保持されるように形成されると、小さな力で簡単に抜けやすくなり、基板ケース100の搬送時に、仮止め部200からケーブル側コネクタ120が脱落してしまう恐れがある。
これに対し、本実施の形態によれば、仮止め部200は、基板ケース100の内部のサブ基板92の表裏面に対して垂直方向(
図14に示すようにサブ基板ケース102が取り付けられている場合の左方向)にメイン用ケーブル側コネクタ121が差し込まれることによって、仮止め可能となるように形成されている。これに加えて、仮止め部200は、基板ケース100の外周面のうち、収納しているサブ基板92の表裏面に対して垂直方向となる面(具体的には、
図14のようにサブ基板ケース102が取り付けられている場合の正面)に形成されている。さらに、仮止め部200は、サブ基板92の表裏面に対し垂直方向に向かって開口している。このため、筐体11に取り付けられていない全体形状が直方体状のサブ基板ケース102だけを平積みするような場合、仮止め部200が邪魔になることなく、メイン用ケーブル側コネクタ121の差し込み方向(仮止め部200の開口が向いている方向)に沿って、複数のサブ基板ケース102を積み重ねることが可能となる。このようにサブ基板ケース102が積み重ねられた場合、仮止め部200にメイン用ケーブル側コネクタ121が差し込まれた状態の上から、次のサブ基板ケース102が重ねられることになる。その場合、メイン用ケーブル側コネクタ121が、仮止め部200から垂直方向に外れようとしても、次に積み重ねられたサブ基板ケース102により上からメイン用ケーブル側コネクタ121が押さえつけられる。このため、メイン用ケーブル側コネクタ121が仮止め部200から脱落することが防止される。本実施の形態に係る基板ケース100は、サブ基板ケース102が積み重ねられた状態で、保管や搬送が行われても、仮止め部200からメイン用ケーブル側コネクタ121が脱落し難くなるように形成されているとともに、サブ基板ケース102が設置される時には、容易に抜けやすい程度で、メイン用ケーブル側コネクタ121が保持されるように形成されている。
【0086】
また、本実施の形態によれば、仮止め部200は、
図16に示すように、メイン用ケーブル側コネクタ121がサブ基板ケース102内部のサブ基板92の表面に対し垂直方向に向かって開口している。このため、サブ用ケーブル側コネクタ122は、サブ基板92の表面に対して垂直方向に差し込まれることによって、仮止めされる。その際、仮止めしたメイン用ケーブル側コネクタ121から延びるケーブル110は、サブ基板92及びサブ基板ケース102に対し垂直方向であって、サブ基板ケース102から離れる方向に向かって配置される。かかるケーブル110は、サブ基板ケース102の表面に沿って平行に滞留したり、又は蛇行したりしていないため、透明部材からなるサブ基板ケース102の内部を外部から観察する際、滞留するケーブル110が邪魔になって視認性が著しく低下するようなことがない。これにより、サブ基板ケース102は、良好な視認性が維持される。したがって、サブ基板92に対して、不正な操作(具体的には、たとえば、ROM交換)が施されていても、外部から容易に発見される。
【0087】
また、仮止め部200からメイン用ケーブル側コネクタ121が引き抜かれる際には、
図17に示すように、メイン用ケーブル側コネクタ121がサブ基板ケース102に対し垂直方向に引き抜かれる。このため、筐体11内部の他の周囲部材のない方向に引っ張ることができ、メイン用ケーブル側コネクタ121を仮止め部200から容易に外すことができる。これにより、筐体11にサブ基板ケース102及びメイン基板ケース101を取り付けた後に、サブ基板92及びメイン基板91間の配線をハーネス105で行うような場合、かかる配線作業を容易なものにすることができる。
本実施の形態によれば、
図13に示すように、ケーブル110の略全長にわたって、4本の被覆電線112が束ねられた状態で管状カバー111により覆われている。これにより、ケーブル110が保護され、ケーブル110に対する不正行為が防止される。また、管状カバー111で覆われたケーブル110が、係止部220に係止可能に形成されているため、係止された箇所の断線等が防止される。また、ケーブル110は、複数の被覆電線が管状カバー111で1本に束ねられている。このため、取扱いが便利であり、配線作業が容易である。
【0088】
また、開口部140も、この管状カバー111で覆われたケーブル110を挿通可能に形成されている。これにより、ケーブル110に対する不正行為の防止が図られるとともに、開口部140への挿通の際、開口部140の縁等での断線が防止される可能性が高められる。また、管状カバー111が透明部材である透明樹脂により形成されている。このため、ケーブル110の内部の被覆電線112の外観状態が外部から容易に把握され、不正行為や、断線等の発見が容易となる。
(その他)
本実施の形態によれば、サブ基板92に対する不正行為の発生を抑えることができるため、メイン基板91からサブ基板92へ出力される遊技者の利益(出玉)に影響する演出情報、たとえば、ARTゲーム(アシストリプレイタイムゲーム)等の情報が不正取得される可能性を低くすることができる。
【0089】
なお、本実施の形態では、サブ基板ケース102に、内壁170、開口部140、係止部220及び仮止め部200等が形成されているが、特にサブ基板ケース102に限定されるものではない。たとえば、メイン基板ケース101等の他の基板ケース100にそれらを設けても同様の作用及び効果が得られる。
また、遊技機10としては、スロットマシンに限らず、パチンコ機等の他の種類の遊技を行う遊技機10でもよい。本実施の形態に記載した内容は、不正行為がなされるおそれのある遊技機10全般の基板ケース100に適用することができる。