特許第5746790号(P5746790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746790
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】ウェーハを永久的に結合する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20150618BHJP
   H01L 27/12 20060101ALI20150618BHJP
   B23K 20/00 20060101ALI20150618BHJP
   B23K 20/24 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   H01L21/02 B
   H01L27/12 B
   B23K20/00 310L
   B23K20/24
【請求項の数】37
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-503002(P2014-503002)
(86)(22)【出願日】2011年4月8日
(65)【公表番号】特表2014-516469(P2014-516469A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】EP2011055469
(87)【国際公開番号】WO2012136266
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2013年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トマス・プラハ
(72)【発明者】
【氏名】クルト・ヒンゲル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ヴィンプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・フリュートゲン
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−535230(JP,A)
【文献】 特開2010−056543(JP,A)
【文献】 特開2006−080314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
B23K 20/00
B23K 20/24
H01L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する方法であって、
以下のステップ:
−第1の接触面(3)のレザバー形成層(6)中に、第1の反応体の保持のために適合されたレザバー(5)を形成するステップ、
−レザバー(5)を第1の反応体又は反応体の第1の群で少なくとも部分的に充填するステップ、
−第2の基板(2)を薄層化するステップ、
一時的結合である前結合の形成のために第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触させるステップ、
−永久的結合の形成の直前のレザバー(5)と反応層(7)との間の平均距離(B)が、薄層化によってもたらされる、0.1nmから15nmの間であり、第1の反応体と第2の基板(2)の反応層(7)に含まれている第2の反応体との反応により少なくとも部分的に強化された第1及び第2の接触面(3、4)間の永久的結合を形成するステップ
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
薄層化がエッチングにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
薄層化が湿潤雰囲気中でのエッチングにより行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
薄層化がインサイチュー(in−situ)でのエッチングにより行われる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
薄層化が乾式エッチングにより行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
薄層化がインサイチューでの乾式エッチングにより行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2の基板(2)の第2の接触面(4)のレザバー形成層(6’)中に、別のレザバー(5’)を形成させる、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
第1のレザバー(5)の形成と同時に別のレザバー(5’)を形成させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
反応中に、第2の反応体のモル体積より大きいモル体積を有する反応生成物(10)が反応層(7)において形成される、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
レザバー(5、5’)がプラズマ活性化により形成される、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
レザバー形成層(6)としてテトラエトキシシラン酸化物層を用いることによってレザバー(5、5’)を形成させる、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
レザバー形成層(6)として高密度化テトラエトキシシラン酸化物層を用いる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レザバー形成層(6)が、主として非晶質の物質からなり、反応層(7)が被酸化性物質からなる、請求項1から12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
レザバー形成層(6)が、実質的に完全に非晶質の物質からなる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
レザバー形成層(6)が、熱酸化により生成した二酸化ケイ素からなる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
反応層(7)が、主として、Si、Ge、InP、GaP又はGaNからなる、請求項13から15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
反応層(7)が、実質的に完全に、Si、Ge、InP、GaP又はGaNからなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第2の接触面(4)と反応層(7)との間に成長層(8)が存在し、成長層(8)が薄層化によって少なくとも部分的に除去される、請求項1から17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
第2の接触面(4)と反応層(7)との間に主として自然二酸化ケイ素の成長層(8)が存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
成長層(8)が薄層化によって、完全に除去される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
永久的結合の形成の前で薄層化の後に、成長層(8)が1オングストロームから10nmの間の平均厚さAを有する、請求項18から20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
レザバーの形成が真空中で行われる、請求項1から21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
レザバーが、以下に挙げる1つ又は複数のステップ:
−第1の接触面(3)を雰囲気に曝露するステップ、
−第1の接触面(3)を流体に曝露するステップ、
−第1の接触面(3)をNガス及び/又はOガス及び/又はArガス及び/又はフォーミングガスに曝露するステップ
により充填される、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の接触面(3)を雰囲気に曝露するステップにおいて、高い酸素及び/又は水含量を有する雰囲気が用いられる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の接触面(3)を流体に曝露するステップにおいて、前記流体は、主に、HO及び/又はHからなる、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の接触面(3)を流体に曝露するステップにおいて、前記流体は、ほぼ完全に、HO及び/又はHからなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の接触面(3)を流体に曝露するステップにおいて、前記流体は、脱イオン化されたHO及び/又はHからなる、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の接触面(3)をNガス及び/又はOガス及び/又はArガス及び/又はフォーミングガスに曝露するステップにおいて、前記フォーミングガスは、95%Ar及び5%Hからなる、請求項23から27の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の接触面(3)をNガス及び/又はOガス及び/又はArガス及び/又はフォーミングガスに曝露するステップにおいて、前記ガスは0〜200eVの範囲のイオン化エネルギーを有する、請求項23から28の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
レザバー形成層(6)が0.1nmから25nmの間の平均厚さ(R)で形成される、請求項1から29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
レザバー形成層(6)が0.1nmから20nmの間の平均厚さ(R)で形成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
平均距離(B)が0.5nmから5nmの間である、請求項1から31の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
平均距離(B)が0.5nmから3nmの間である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
永久的結合が前結合強さの2倍の結合強さを有する、請求項1から33の何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
永久的結合が前結合強さの4倍の結合強さを有する、請求項1から33の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
永久的結合が前結合強さの10倍の結合強さを有する、請求項1から33の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
永久的結合が前結合強さの25倍の結合強さを有する、請求項1から33の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1で請求する第1の基板の第1の接触面を第2の基板の第2の接触面に結合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の永久的又は不可逆的結合の目的は、基板の2つの接触面の間に、できる限り強く、特にできる限り不可逆的である結合、したがって、い結合力を形成することである。従来技術においてこの目的のための様々なアプローチ及び製造方法が存在する。
【0003】
知の製造方法及び現在までに採用されたアプローチは、再現させることができず又は不完全にしか再現させることができず、特に変化した状態にほとんど適用することができない結果をもたらすことが多い。特に、現在用いられている製造方法は、再現性のある結果を保証するために、高い温度、特に>400℃を使用することが多い。
【0004】
エネルギー消費が高いこと及び基板上に存在する構造の破壊が起こり得ることなどの技術的問題は、高い結合力を得るために現在要であ300℃をはるかに上回る高温にある程度起因する。
【0005】
他の要求は、下記の事項にある。
−フロントエンドオブライン適合性
これは、電気的能動素子製造時の工程の適合性と定義される。したがって、結合工程は、構造ウェーハ上に既に存在するトランジスタなどの能動素子が加工中に有害な影響も損傷も受けないように計画されなければならない。適合性の基準は、主として特定の化学元素(主としてCMOS構造における)の純度及び主として熱応力による機械的耐荷重性を含む。
−低汚染
−無加力
−特に異なる熱膨張係数を有する材料について、できる限り低い温度
【0006】
結合力の低下は、構造ウェーハのより穏やかな処理と、ひいては直接的な機械的負荷による破壊の可能性の低下につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、同時にできる限り低い温度におけるできる限り高い結合力を有する永久的結合の穏やかな形成の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴により達成される。本発明の有利な展開を従属請求項に示す。本明細書に示す特徴の少なくとも2つのすべての組合せ、請求項及び/又は図も本発明の枠内に入る。所定の値の範囲において、表示限界内の値は、境界値としても開示されるように考慮され、いずれかの組合せにおいて請求される。
【0009】
本発明の基本的概念は、少なくとも基板の一方1の反応体Edukt)を保持するためのレザバー(Reservoir)形成することであり、この第1の反応体は基板の間の接触を起こさせ又は一時的結合を形成させた後に他方の基板に存在する第2の反応体と反応し、それにより、基板間の不可逆的又は永久的結合形成される。第1の接触面レザバー形成層にレザバーを形成する前又は後に、一般的に、特にフラッシングステップによる一方又は両方の基板の洗浄を行う。この洗浄は、非結合部位をもたらすような粒子が表面上に存在しないことを一般的に保証するものである。レザバー及びレザバーに含まれる反応体によって1つの技術的可能性がもたらされ、一時的又は可逆的結合を成させた後の接触面に直接、永久的な結合を固にしかつ結合速度を増加させる反応(第1の反応体又は第1の群と第2の反応体又は第2の群との)が、特に該反応により接触面の少なくとも1つ、好ましくはレザバーの反対側の接触面を変形させることにより、誘導される。本発明によれば、反対側の第2の接触面に成長層が存在し該成長層において、本発明による変形が起こり、または、第1の反応体(又は第1の群)が第2の基板の反応層に存在する第2の反応体(又は第2の群)と反応す。第1の反応体(又は第1の群)と第2の反応体(又は第2の群)との反応を促進するために、本発明によれば、第2の基板の反応層とレザバーとの間に位置する成長層を、基板を接触させる前に薄くするその理由は、このようにして、反応相手の間の距離が減少し、同時に本発明による成長層の変形/形成が促進されるからである。成長層は、薄層化によって少なくとも部分的に、とりわけ大部分は、好ましくは完全に除去される。成長層は、完全に除去された場合でも、第1の反応体と第2の反応体との反応で再び成長する。
【0010】
本発明によれば、とりわけ第2の基板の反応層の不動態化により、好ましくはN、フォーミングガス若しくは不活性雰囲気への曝露により又は真空中で又は非晶質化により、接触面を接触させる前成長層の成長を抑制する手段が存在してもよい。これに関連して、フォーミングガスを含む、とりわけ主としてフォーミングガスからなるプラズマによる処理は、とりわけ適切であることが立証された。ここで、フォーミングガスは、少なくとも2%、より有利には4%、理想的には10%又は15%の水素を含むガスと定義される。混合ガスの残りの部分は、例えば、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスからなる。
【0011】
の処置の代わりに又はこれに加えて、本発明によれば、薄層化するステップと接触させるステップとの間の時間を最小限にすること、とりわけ2時間未満、好ましくは30分未満、さらにより好ましくは15分未満、理想的には5分未満にすることが有利である。それにより、薄層化の後に起こる酸化物の成長を最小限にすることができる。
【0012】
くされ、したがって、永久的結合の形成の少なくとも開始時又は反応の開始時に非常に薄い成長層により、成長層を通る反応体の拡散速度は全体的に増加する。これは、同じ温度において反応体の移動時間がより短くなることにつながる。
【0013】
板の間の一時的又は可逆的結合を形成させるための前結合ステップについては、基板の接触面間の弱い相互作用を発生させる目的様々な手段が存在する。前結合強さは、永久的結合を少なくとも2〜3倍、特に5倍、好ましくは15倍、より好ましくは25倍下回る。指針値として、純粋な非活性化親水性化ケイ素の前結合強さが約100mJ/mであり、純粋なプラズマ活性化親水性化ケイ素の前結合強さが約200〜300mJ/mであること言及される。分子らした基板の前結合は、異なるウェーハの分子間のファンデルワールス相互作用に主として起因して生ずる。したがって、主として永久双極子モーメントを有する分子、ウェーハ間の前結合を可能にするのに適している。結合手段として、以下の化学化合物が挙げられるがこれらは例であれらに限定されない
−水
−チオール
−AP3000
−シラン及び/又は
−シラノール
【0014】
本発明における基板としては、その材料が反応体として他の供給された反応体と反応して、より大きいモル体積を有する生成物を生成することができ、その結果として基板上の成長層の形成に作用しうる基板が適している。以下の組合せは、特に有利であり、矢印の左に反応体の名称を示し、矢印の右に生成物名称を示し、上記反応体と反応する供給された反応体または副生成物は、具体的には名称を示さない。
− Si → SiO、Si、SiN
− Ge → GeO、Ge
− α−Sn → SnO
− B → B、BN
− Se → SeO
− Te → TeO、TeO
− Mg → MgO、Mg
− Al → Al、AlN
− Ti → TiO、TiN
− V → V
− Mn → MnO、MnO、Mn、Mn、Mn
− Fe → FeO、Fe、Fe
− Co → CoO、Co
− Ni → NiO、Ni
− Cu → CuO、CuO、Cu
− Zn → ZnO
− Cr → CrN、Cr23、CrC、Cr、Cr
− Mo → Mo
− Ti → TiC
− Nb → Nb
− Ta → Ta
− Zr → ZrC
− Hf → HfC
− V → V、VC
− W → WC、WC
− Fe → FeC、Fe、Fe
【0015】
以下の混合形の半導体も基板として考えられる。
− III−V:GaP、GaAs、InP、InSb、InAs、GaSb、GaN、AlN、InN、AlGa1−xAs、InGa1−x
− IV−IV:SiC、SiGe、
− III−IV:InAlP、
−非線型光学:LiNbO、LiTaO、KDP(KHPO
−太陽電池:CdS、CdSe、CdTe、CuInSe、CuInGaSe、CuInS、CuInGaS
導電性酸化物:In2−xSn3−y
【0016】
本発明によれば、ウェーハの少なくとも1つにそれぞれの接触面に直接レザバー(又は複数のレザバー)が存在し、その中に体積膨張反応のための特定の量の少なくとも1つの供給された反応体を保存することができる反応体は、例えば、O、O、HO、N、NH、H等であに酸化物の成長により決定づけられる膨張により、系のエネルギーを低下させようとする反応相手の動きに基づいて、接触面間の生じ得る隙間、孔隙及び空洞が最小限となり、これらの領域における基板の間の距離が狭められることにより、結合力が応に増加する。最善な可能な場合において、存在する隙間、孔隙及び空洞は、完全に閉鎖され、そのため、全体の結合面が拡がりこれにより、本発明によれば結合力がそれに応じて増する。
【0017】
接触面は通常、0.2nmの二次粗度Rq)による粗度を示す。これは、1nmの範囲における表面のピークピーク値に相当する。これらの経験値は、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。
【0018】
本発明における反応は、1単層(ML)の水を有する直径が200〜300mmの円形ウェーハの通常のウェーハ面について成長層を0.1〜0.3nm成長させるのに適している。
【0019】
本発明によれば、したがって、特に、少なくとも2ML、好ましくは少なくとも5ML、より好ましくは少なくとも10MLの流体、特に水がレザバーに保存され
【0020】
プラズマへの曝露によるレザバーの形成特に好ましい。その理由は、プラズマ曝露がさらに相乗効果として接触面の平滑化及び親水性化をもたらすからである。表面は、レザバー形成層及び場合によって反応層の物質の主として粘性流によるプラズマ活性化により平滑化される。親水性の増大は、好ましくは表面上に存在するSi−O化合物、たとえば特に以下の反応によるSi−O−Siの分解による、ケイ素ヒドロキシル化合物の増加によって特に起こる。
Si−O−Si+HO←→2SiOH
【0021】
特に前述の効果の結果としての他の副次的効果は、前結合強さが特に2〜3倍改善することにある。
【0022】
第1の基板の第1の接触面レザバー形成層における(及び場合によって、第2の基板の第2の接触面レザバー形成層の)レザバーは、熱酸化物で被覆された第1の基板の例えばプラズマ活性化により形成される。プラズマ活性化は、プラズマに必要な条件を調節することができるよう真空チャンバー中で行われる。本発明によれば、プラズマ放電のために0〜2000eVの範囲のイオンエネルギーを有するNガス、Oガス又はアルゴンガスを用い、その結果として、処理表面、この場合には第1の接触面の20nm以下の、好ましくは15nm以下の、より好ましくは10nm以下の、最も好ましくは5nm以下の深さを有するレザバーが生成される。本発明によれば、レザバーを生成するのに適する粒子型、原子及び/又は分子を用いることができる。好ましくは必要な特性を有するレザバーを生成するような原子及び/又は分子を用いる。該当する特性は、主として細孔径、細孔分布及び細孔密度である。或いは、本発明によれば、例えば、空気又は95%Ar及び5%Hからなるフォーミングガスなどのガス混合物を用いることができる。用いるガスによって、プラズマ処理中にレザバーにとりわけ次のイオンが存在する:N+、N+、O+、O+、Ar+。第1の反応体は、レザバー非占有自由空間に収容される。レザバー形成層と、それに応じてレザバーとが、反応層内に及び得る。
【0023】
有利には、反応層と反応することができ、少なくとも部分的に、好ましくは大部分、第1の反応体からなる異なる種類のプラズマ種が用いられる。第2の反応体がSi/Siである限りにおいて、Oプラズマ種が有利であることとなる。
【0024】
レザバー、次の考慮すべき事項に基づいて形成される。すなわち、細孔径は、10nmより小さ、好ましくは5nmより小さ、より好ましくは1nmより小さ、さらにより好ましくは0.5nmより小さ、最も好ましくは0.2nm小さい。
【0025】
細孔密度は、好ましくは衝突作用により細孔を生成する粒子の密度に正比例し、最も好ましくは衝突種の分圧により変化させることができ、特に用いられるプラズマ系の処理時間及びパラメーターに依存する。
【0026】
細孔分布は好ましくは表面下に最大細孔密度の少なくとも1つの領域を有しこのような領域のいくつかのパラメーターを変化させることにより、これらの領域は好ましくはプラトー状の領域に重なる図7参照)。細孔分布は、深さの増加とともにゼロに収束する。衝突中の表面に近い領域は、表面近くの細孔密度とほぼ同じ細孔密度を有する。プラズマ処理の終了後は、表面上の細孔密度は、応力緩和機構の結果として低下し得る。さ方向の細孔分布は、表面に関しては1つの急な側面を有し、大部分関してむし平坦であるが続的に低下する側面を有する(図7参照)。
【0027】
細孔径、細孔分布及び細孔密度について、プラズマによらないすべての方法に同様な考慮すべき事項が適用される。
【0028】
レザバーは、プロセスパラメーターの目的とする使用及び組合せにより設計することができる。図に酸化ケイ素層への浸透深さの関数としてのプラズマにより注入された窒素原子の濃度の表示を示す。物理的パラメーターの変化により2つのプロファイルを発生させることが可能であった。第1のプロファイル11は、酸化ケイ素内により深くより高度に加速された原子により発生し、逆にプロファイル12は、プロセスパラメーターをより低い密度に変化させた後に得られた。2つのプロファイルの重ね合せにより、1つのレザバーに特有の加算曲線13が得られる。注入原子及び/又は分子種の濃度の間の関係は明らかである。より高い濃度は、より高い欠陥構造、したがって、その後の反応体を収容するより多くの空間を有する領域を示す。プラズマ活性化時のプロセスパラメーターの連続的な、特に所望に制御され連続的な変更により、さにわたる、もたらされたイオンのできる限り均一な分布を有するレザバーを実現することが可能となる。
【0029】
プラズマにより生成されるレザバーに代わるべきものとしてのレザバーとして、基板の少なくとも1つ、少なくとも第1の基板上へのTEOS(テトラエチルオルトケイ酸塩)酸化物層の使用が考えられる。この酸化物は、熱酸化物より一般的に密度が低く、その理由のために本発明において高密度化が有利である。高密度化は、レザバーの規定の多孔度を設定調整する目的での熱処理によって行われる
【0030】
特に有利には、本発明の1つの実施形態によれば、レザバーの充填はレザバーの形成と同時に行うことができ、この際、レザバーは第1の基板上に、第1の反応体を既に含んでいる被覆として施される
【0031】
レザバーは、ナノメートル範囲の多孔を有する多孔質層、又は10nmより小さい、より好ましくは5nmより小さい、さらにより好ましくは2nmより小さい、最も好ましくは1nmより小さい、すべての中で最も好ましくは0.5nmより小さいチャル密度を有するチャ含有層として考えることができる
【0032】
1の反応体又は反応体の第1の群によるレザバーの充填のステップについて、本発明による以下の実施形態(組合せも)が考えられる。
−周囲雰囲気にレザバーを曝露するステップ、
−とりわけ脱イオン化された水によりフラッシングするステップ、
反応体を含む又は反応体からなる流体、とりわけHO、H、NHOHよりフラッシングするステップ、
−任意のガス雰囲気、とりわけ原子ガス、分子ガス、ガス混合物にレザバーを曝露するステップ、
−水蒸気又は過酸化水素蒸気を含む雰囲気にレザバーを曝露するステップ及び
反応体で既に充填されたレザバーを第1の基板上にレザバー形成層として堆積させるステップ。
【0033】
次の化合物は、反応体として可能である。すなわち、O、O、O、N、NH、HO、H及び/又はNHOH。
【0034】
上で挙げた過酸化水素蒸気の使用は、水を使用する以外の好ましい変形形態である。過酸化水素は、より大きい酸素対水素比を有するという利点をさらに有する。さらに、過酸化水素は、特定の温度以上で、及び/又はMHz範囲の高周波場の使用により、水素と酸素に解離する。
【0035】
とりわけ異なる熱膨張係数を有する物質を用いる場合、大きな温度上昇又はせいぜい局所的/特定の温度上昇を引き起こさない前述の種の解離のための方法の使用が有利である。特に、解離を少なくとも促進する、好ましくは引き起こすマイクロ波照射が用いられる
【0036】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、成長層の形成及び不可逆的結合の強化反応層中への第1の反応体の拡散によって起こ
【0037】
本発明の他の有利な実施形態によれば、不可逆的結合の形成一般的に300℃未満、有利には200℃未満、より好ましくは150℃未満、さらにより好ましくは100℃未満の温度で、最も好ましくは室温で、とりわけ最長12日間、より好ましくは最長1日間、さらにより好ましくは最長1時間、最も好ましくは最長15分間で行われる。他の有利な熱処理方法は、マイクロによる誘電加熱である。
【0038】
ここで、不可逆的結合が1.5J/mより大きい、とりわけ2J/mより大きい、好ましくは2.5J/mより大きい結合強さを有することがとりわけ有利である。
【0039】
本発明によれば、反応中に2の反応体のモル体積より大きいモル体積を有する生成物が反応層中に生成することにより、結合強さをとりわけ有利に増加させることができる。のように第2の基板上成長がもたらされ、本発明によれば、接触面間の隙間を化学反応により閉鎖することができる。結果として、接触面間の距離、したがって平均距離が減少し、自由空間が最小限になる。
【0040】
レザバーの形成が、とりわけ10から600kHzの間の活性化周波数及び/又は0.075から0.2ワット/cmの間の電力密度及び/又は0.1から0.6mバールの間の圧力による加圧を用いたプラズマ活性化により行われる限りにおいて、接触面の平滑化、ならびに接触面の親水性の明らかな向上などのさらなる効果が達成される。
【0041】
或いはそれに加えて、本発明によれば、レザバーの形成は、レザバー形成層として特定の多孔度制御されて高密度化されたテトラエトキシシラン酸化物層の使用によって行われてもよい
【0042】
本発明の他の有利な実施形態によれば、レザバー形成層、主として、とりわけ実質的に完全に、とりわけ非晶質のとりわけ熱酸化により生成され二酸化ケイ素からなり、反応層は被酸化性物質から、とりわけ主として、好ましくは実質的に完全にSi、Ge、InP、GaP又はGaN(又は上で代替物として言及した他の物質)からなる。存在する隙間をとりわけ効果的に閉鎖しかつとりわけ安定な反応は、酸化により可能になる。
【0043】
ここで、本発明によれば、第2の接触面と反応層との間にとりわけ主として自然二酸化ケイ素(又は上で代替物として述べた他の物質)からなる成長層が存在する成長層は、本発明における反応に作用されて成長る。この成長は、非晶質SiO新たな形成によるSi−SiO7)遷移並びにそれによって引き起こされる変形、とりわけ反応層との界面、とりわけ第1及び第2の接触面間の隙間の領域における成長層のとりわけ膨張からこる。これは、2つの接触面の間の距離の減少又は自由空間の減少を引き起こし、その結果として2つの基板の間の結合強さが増する。200℃から400℃の間の温度、好ましくは約200℃及び150℃、より好ましくは150℃から100℃の間の温度、最も好ましくは100℃から室温の間の温度がとりわけ有利である。成長層は、いくつかの成長領域に分けることができる。成長層は、同時に、2の基板のレザバー形成層であってよく、第2の基板に、反応を促進する他のレザバーが形成される
【0044】
ここで、成長層が不可逆的結合の形成の前に0.1nmから5nmの間の平均厚さAを有することがりわけ有利である。成長層が薄いほど、1及び第2の反応体間の成長層を介した、とりわけ反応層への成長層を介する第1の反応体の拡散による反応がより速やか且つ容易に起こる。くされ、したがって、永久的結合の形成の少なくとも開始時又は反応の開始時に非常に薄い成長層により、成長層を介する反応体の拡散速度は増加する。これは、同じ温度における反応体のより低い移動時間につながる。
【0045】
ここで、本発明における薄層化は、要な役割を果た。その理由は、反応をこれによりさらに促進することができ、且つ/又は温度をさらに低下させることができるからである。薄層化は、好ましくは湿潤雰囲気中で、より好ましくはインサイチュー(in−situ)でとりわけエッチングにより行うことができる。或いは、薄層化は、好ましくはインサイチューでとりわけ乾式エッチングにより行われる。ここで、インサイチューとは、少なくとも1つの前のステップ及び/又はつの次のステップが行われる1つの同じチャンバー内での実施を意味する。ここで用いるインサイチューの概念に含まれる他の装置構成は、個々の処理チャンバー間の基板の輸送を、調整可能な雰囲気中で、例えば不活性ガスの使用下で、とりわけ真空環境中で行うことができる装置である。式エッチングでは気相化学物質が存在し湿式エッチングでは液体状態の化学物質が存在する。成長層が二酸化ケイ素からなる限り、フッ化水素酸又は希フッ化水素酸を用いるエッチングを行うことができる。成長層が純Siからなる限り、エッチングはKOHを用いて行うことができる。
【0046】
本発明の1つの実施形態によれば、有利には、レザバーの形成が真空中で行われ。したがって、望ましくない物質又は化合物によるレザバーの汚染を避けることができる。
【0047】
本発明の他の実施形態によれば、有利には、レザバーの充填以下に挙げる1つ又は複数のステップにより行われる
−大気中水分及び/又は空気に含まれる酸素でレザバーを充填するために、第1の接触面を大気に曝露するステップ、
−第1の接触面をとりわけ主に、好ましくはほぼ完全に、とりわけ脱イオン化されたHO及び/又はHからなる流体曝露するステップ、
−第1の接触面をとりわけ0〜2000eVの範囲のイオンエネルギーを有するガス及び/又はOガス及び/又はArガス及び/又はとりわけ95%Ar及び5%Hからなるフォーミングガスに曝露するステップ、
−既に挙げた反応体を用いたレザバーを充填するため蒸着するステップ
【0048】
レザバーが好ましくは0.1nmから25nmの間、より好ましくは0.1nmから15nmの間、さらにより好ましくは0.1nmから10nmの間、最も好ましくは0.1nmから5nmの間の厚さRで形成される場合が、工程手順においてとりわけ有効である。さらに、本発明の1つの実施形態によれば、不可逆的結合の形成の直前のレザバーと反応層との間の平均距離Bが0.1nmから15nmの間、とりわけ0.5nmから5nmの間、好ましくは0.5nmから3nmの間である場合が有利である。本発明によれば、距離Bは、薄層化により影響され又はもたらされる。
【0049】
方法を実施するための装置は、本発明によれば、レザバーを形成するためのチャンバー、および、レザバーを充填するためのとりわけ別個に備えられたチャンバー及び前結合を形成させるためのとりわけ別個に備えられたチャンバーで構成されており、それらのチャンバーのすべては、真空システムにより互いに直接的に接続されている。
【0050】
他の実施形態において、レザバーの充填は、直接雰囲気下で行うことができあるいは、雰囲気に開放させることができるチャンバー内又は、外装を有していないが、半自動的及び/又は完全に自動的にウェーハを取り扱うことができる構造でも簡単にうことができる
【0051】
本発明の他の利点、特徴及び詳細は、好ましい具体例としての実施形態の以下の記述から、また図面を用いて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1a】第1の基板が第2の基板と接触した直後の本発明における方法の第1のステップを示す図である。
図1b】第1の基板が第2の基板と接触した直後の本発明における方法の代替的な第1のステップを示す図である。
図2】接触に行われる本発明における方法のステップ、具体的には第2の基板の薄層化を示す図である。
図3a】より強い結合強さを形成するための本発明における方法の他のステップを示す図である。
図3b】より強い結合強さを形成するための本発明における方法の他のステップを示す図である。
図4】接触している基板接触面の図1a又は図1b、図2、並びに図3a及び図3bによるステップに続く本発明における方法の他のステップを示す図である。
図5】基板間の不可逆的/永久的結合の形成のための本発明におけるステップを示す図である。
図6図4及び図5によるステップ中2つの接触面進行する化学的/物理的過程の拡大である。
図7図4及び図5によるステップ中2つの接触面間の界面で進行する化学的/物理的過程の別の拡大である。
図8】本発明において請求するレザバーの生成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図中、同じ又は同等の特徴は、じ参照番号により特定される。
【0054】
図1に示す状況において、第1の基板1の第1の接触面3と第2の基板の第2の接触面4との間の前結合ステップ中又はその直後に進行する化学反応の一のみを示。表面は、極性OH基で終端しており、したがって親水性である。第1の基板1と第2の基板2は、表面上に存在するOH基とHO分子との間、ならびに、O分子同士のみの間の水素結合の引力により保持される。少なくとも第1の基板1の親水性は、先行するステップにおいてプラズマ処理により高められる
【0055】
代替実施形態では、さらに、第2の基板2又は第2の接触面4に、とりわけ第1の基板1のプラズマ処理と同時に、プラズマ処理を施すことがとりわけ有利である。
【0056】
プラズマ処理により、本発明によれば、レザバー5が熱二酸化ケイ素からなるレザバー形成層6形成され、並びに図1bによる代替実施形態においては、第2の、反対側のレザバー5’がレザバー形成層6’中に形成された。レザバー形成層6、6’の下に第2の反応体又は反応体の第2の群を含む反応層7、7’が直接隣接している。0から2000eVの間の範囲のイオンエネルギーを有するOイオンを用いたプラズマ処理により、レザバー5の平均厚さRを約15nmとすることができ、この際、イオンによってレザバー形成層6中にチャネル又は細孔が形成される
【0057】
レザバー形成層6と反応層7との間に第2の基板2成長層8が存在しており、成長層8は、同時に少なくとも部分的にレザバー形成層6’であってよい対応してさらに、レザバー形成層6’と反応層7’との間にの成長層が存在してもよい
【0058】
同様にレザバー5(及び場合によってレザバー5’)は、図1に示すステップの前及びプラズマ処理の後に第1の反応体としてのHOで少なくとも主として充填されている。プラズマ工程存在したイオンの還元種、とりわけO、N、H、Arもレザバーに見いだされてもよい
【0059】
レザバー、5’の形成の前又は後に、基板1、2を接触させる前に常に、成長層8(及び場合によって他の成長層)をエッチングにより薄層化する(ここではレザバー5の形成の後、図2参照)。これにより、第2の接触面4と反応層7との間の平均距離B減少さる。同時に第2の接触面4が有利平坦になる。
【0060】
接触面3、4は、図1a及び図1bに示す段階において接触した後に接触面3、4の間に存在する水によってとりわけ決定づけられる比較的に広い隙間をまだ有する。したがって、存在する結合強さは、比較的弱く、約100mJ/cmから300mJ/cmの間、とりわけ200mJ/cm超である。これに関連して、先に行われるプラズマ活性化は、とりわけ1の接触面3のプラズマ活性化による親水性の増大及びプラズマ活性化によってもたらされる平滑化効果により重要な役割を果たす。
【0061】
図1に示され、前結合と呼ばれる過程は、好ましくは周囲温度又は最高50℃で進行し得る。図3a及び図3は親水性結合を示し、ここで、−OH終端する表面による水の脱離によりSi−O−Si架橋が生ず図3a及び図3bにおける過程は、室温で約300時間持続させる。50℃では約60時間である。図3bにおける状態は、上述の温度では、レザバー5(又はレザバー5、5’)の形ければじない
【0062】
接触面3、4の間にHO分子が形成され、このHO分子が、自由空間がまだ存在する程度まで少なくとも部分的にレザバー5さらなる充填をもたらす。他のHO分子は除去される。図1によるステップにおいて、OH基又はHOの約3〜5層の個別層が存在し、図1によるステップから図3aによるステップまでに1〜3層の単層が除去されるか又はレザバー5に収容される。
【0063】
図3aに示すステップにおいて、水素架橋結合が今度はシロキサン基間に直接形成され、その結果として、より強い結合力が生じる。これが接触面3、4を互いにより強く引きつけ、接触面3、4の間の距離を減少させる。それに応じて接触面1、2間に1〜2層のOH基の別層のみが存在する。
【0064】
図3bに示すステップにおいて、ここでは今度は、以下に記載した反応によるHO分子の分離の下で明らかより強い結合力をもたらしり少ない空間を必要とする、シラノール基の形の共有結合接触面3、4間に形成され、そのため、最終的に接触面3、4が互いに直接接触することに基づく図3に示す最小距離に達するまで、接触面3、4間の距離がさらに減少する。
Si−OH+HO−Si←→Si−O−Si+H
【0065】
ステージ3に至るまで、とりわけレザバー5(及び場合によって別のレザバー5’)の形成により、温度を必要以上に上昇させることは必要でなく、むしろ室温で進行させるこさえ必要ではない。このように図1a又は図1b〜図4による工程ステップのとりわけ穏やかな進行が可能である。
【0066】
図5に示す方法ステップにおいて、第1及び第2の接触面間の不可逆的又は永久的結合を形成するために、温度を好ましくは最高500℃に、より好ましくは最高300℃に、さらにより好ましくは最高200℃に、最も好ましくは最高100℃に、最も特に好ましくは温を上回らない温度に上昇させる。従来技術と比べて比較的いこれらの温度のみで可能である。その理由は、レザバー5(及び場合によってさらにレザバー5’)が図6及び図7に示す反応のための第1の反応体を含むためである。
Si+2HO→SiO+2H
【0067】
とりわけレザバー形成層6’反応層7との間の界面並びに場合によってらにレザバー形成層6反応層7’との間の界面)で、O分子のモル体積及び拡散大することにより、長層8の形態で体積が増し、この際、ギブス自由エネルギーを最小化するために、接触面3、4間に隙間9が存在する領域において成長が強められる長層8の体積の増により、隙間9は閉鎖される。より正確には:
【0068】
上述のわずかに高められた温度で、HO分子は、第1の反応体としてレザバー5(又はレザバー5、5’)から反応層7(及び場合によって7’)に拡散する。この拡散は、酸化物層として形成されているレザバー形成層6、6’と各反応層7、7’(又は成長層8)との直接接触により、又は酸化物層間に存在する隙間9を介して若しくは隙間9から起こり得る。そこで、二酸化ケイ素、すなわち、ケイ素より大きいモル体積を有する化学化合物反応層7から前述の反応の反応生成物10として形成される。二酸化ケイ素は、反応層7と成長層8及び/又はレザバー形成層6、6’の界面で成長し、それにより隙間9に対して、特に自然酸化物として形成された成長層8を形成する。ここでレザバーからのHO分子必要である。
【0069】
ナノメートル範囲隙間の存在により、成長層8の膨張の余地があり、その結果として、接触面3、4上の応力を低下させることができる。このようにして接触面3、4間の距離が減少し、その結果として、有効接触面とひいては結合強さがさらに増する。このようにして生じ、ェーハ全体にわたって形成され、すべての細孔が閉じられた、閉鎖結合は、部分的に綴じられていない従来技術における生成物比べ基本的に結合力増大寄与る。互いに綴じられている2つの非晶質酸化ケイ素表面間の結合の種類は、共有結合及びイオン結合部分の混合形である。
【0070】
第1の反応体(HO)と第2の反応体(Si)との前述の反応は、反応層7において、第1の接触面3と反応層7との平均距離Bができる限り小さい限りとりわけ速やかに又はできる限り低い温度で起こる。
【0071】
したがって、第1の基板1の前処理並びに成長層8としてのできる限り薄い自然酸化物層とケイ素の反応層7とからなる第2の基板2の選択/前処理要である。本発明によれば2つの理由のためにできる限り薄い自然酸化物層が用いられる。成長層8は、とりわけ本発明において用いられる薄層化のため非常に薄く、その結果、成長層8は、反応層7新たに形成される反応生成物10によって化物層として形成された反対側の基板1のレザバー形成層6に対して、主としてナノギャップ9の領域において、膨張可能である。さらに、できる限り速やかにかつできる限り低い温度で所望の効果を得るために、できる限り短い拡散経路が望ましい。第1の基板1は同様に、ケイ素層ザバー5が少なくとも部分的又は完全に内部に形成されているレザバー形成層6としての、ケイ素層の上に生成した酸化物層からなる。
【0072】
レザバー5(又はレザバー5、5’)の内部は、本発明によれば、少なくともナノギャップ9を閉鎖するのに必要な量の第1の反応体で充填されており、これにより、できる限り短い時間に及び/又はできる限り低い温度でナノギャップ9を閉鎖するために成長層8の最適の成長が起こり得る
【符号の説明】
【0073】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 第1の接触面
4 第2の接触面
5、5’ レザバー
6、6’ レザバー形成層
7、7’ 反応層
8 成長層
9 ナノギャップ
10 反応生成物
11 第1のプロファイル
12 第2のプロファイル
13 加算曲線
A 平均厚さ
B 平均距離
R 平均厚さ
図1a
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図1b