特許第5746809号(P5746809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746809
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】補強棒
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/04 20060101AFI20150618BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   F16B7/04 301B
   E04G21/12 105E
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2007-554389(P2007-554389)
(86)(22)【出願日】2006年2月8日
(65)【公表番号】特表2008-533390(P2008-533390A)
(43)【公表日】2008年8月21日
(86)【国際出願番号】AU2006000163
(87)【国際公開番号】WO2006084320
(87)【国際公開日】20060817
【審査請求日】2009年2月6日
【審判番号】不服2013-24051(P2013-24051/J1)
【審判請求日】2013年12月6日
(31)【優先権主張番号】2005900557
(32)【優先日】2005年2月8日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】511245260
【氏名又は名称】モンキー バー カプラーズ ピーティワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】コマフォード アーネスト
(72)【発明者】
【氏名】ランキン マーク
【合議体】
【審判長】 森川 元嗣
【審判官】 小関 峰夫
【審判官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−201751(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0162436(EP,A2)
【文献】 米国特許第5407292(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強棒であって、前記棒の長さの一部にそって前記棒の長さ方向にのびている軸と、前記棒の端部にそってのびている末端とを備えており、前記末端は、前記棒に形成された横向きの噛み合い面を組み込んでおり、前記噛み合い面は、軸荷重に適応するために動作するインターロックを形成するために補完的形状末端と相互にはめ合うために配列されたロック構造を組み込んでおり、前記ロック構造は、前記噛み合い面を横断してのびかつ間隔を置いた複数の凸部と、前記凸部同士間に配置されている少なくとも1つの凹部とによって形成されており、前記末端の端に隣接する凸部の幅が、その他の凸部の幅より広い補強棒。
【請求項2】
請求項1に記載の補強棒であって、前記各凸部は、隣接する前記凸部の橋渡し部と前記凹部の底部との間をのびている側壁を備えている補強棒。
【請求項3】
請求項2に記載の補強棒であって、前記各側壁は、前記インターロックにおける前記補完的形状末端と相互にはめ合うために配置された支え面を組み込んでいる補強棒。
【請求項4】
請求項3に記載の補強棒であって、前記各側壁は、前記支え面の上側に形成されかつ前記支え面および前記橋渡し部の交差を形成している第1遷移領域と、前記支え面から前記底部に向かって拡がる第2遷移領域とを備えており、前記側壁は、前記支え面が前記インターロックにおいて軸荷重に適応するために接触領域を形成するが、前記第1および第2遷移領域が接触しないように、構成されている補強棒。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記末端は、前記補強棒の前記軸と比べて拡大されている補強棒。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記末端が、前記末端と同一の形の補完的末端を有するインターロックを形成するために形つくられている補強棒。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記凸部が、前記棒の終端の端に向かって前記噛み合い面に沿って下向きの段差をつけている補強棒。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記末端が、前記軸と一体化させられている補強棒。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記棒が、鋼から形成されている補強棒。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の補強棒であって、前記補強棒がコンクリート補強用である補強棒。
【請求項11】
第1および第2の強棒を相互に結合するための継手であって、前記第1および第2の補強棒は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の補強棒よりなり、前記継手は、
前記第1および第2の補強棒それぞれの端部にそってのびている末端であって、ロック構造を組み込んでいる噛み合い面をそれぞれ含んでおり、前記噛み合い面どうしが、インターロックを形成するために相互にはめ合わされる前記ロック構造に関連して反対向きに隣接させられている末端と、
互いに関連して反対向きに隣接させられる前記噛み合い面を保持するために前記インターロックの回りに配置されている保持装置と、
を備えている継手。
【請求項12】
請求項11記載の継手であって、前記インターロックが前記第1および第2の補強棒の軸線にそってのびており、また、前記インターロックが前記保持装置に重を誘導することなく前記軸線方向の荷重に適応するように、前記ロック構造が形成されている継手。
【請求項13】
請求項11または12に記載の継手であって、前記保持装置が、スリーブの形をしている継手。
【請求項14】
請求項13に記載の継手であって、前記スリーブが、隣接する前記第1および第2の補強棒の末端上を滑動しうる継手。
【請求項15】
請求項13または14に記載の継手であって、前記スリーブが、前記第1および第2の補強棒のうち少なくとも1つよりも大きいせん断強さを有している継手。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1つに記載の継手であって、前記第1の補強棒における前記末端の凸部および凹部が、前記第2の補強棒における前記末端の凸部および凹部とはめ合っている、継手。
【請求項17】
請求項11〜16のいずれか1つに記載の継手であって、前記第1および第2の補強棒の前記末端が同一形状であり、前記末端の端に隣接しかつその他の凸部の幅よりも広い幅を有する凸部によって、前記インターロックにおける前記末端どうしの適切な配置が行われる継手。
【請求項18】
第1および第2の強棒を結合する方法であって、前記第1および第2の補強棒は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の補強棒よりなり、前記方法は、
前記第1および第2の補強棒を、これらの補強棒の端部にそってのびる末端間にインターロックを形成することによって、相互に結合するステップと、
前記インターロックの周囲に、相互はめ合わせの関係においてロック構造を保持するために保持装置を提供するステップとを備えている方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記第1および第2の補強棒の前記末端が同一形状であり、前記各末端に、前記各末端の端に隣接しかつその他の凸部の幅よりも広い幅を有する凸部を設けることによって、前記インターロックにおける前記末端どうしの適切な配置が行われるのを容易にする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンクリートまたは他のセメント質構造のための強化に関する。特に、本発明は、補強棒の結合を目的とし、その関連において記述されている。しかしながら、本発明は、より幅広い応用を備えていて、補強棒の継手において、金属プレート等の他の堅い物に利用できる。
【背景技術】
【0002】
構造産業において、コンクリートの構造(例えば壁、床、厚板および柱)は、コンクリートが構造を生産するために注入される領域の鋼鉄補強棒のような補強を位置決めによって製造される。棒は所望の位置に支持され、しばしば、棒は長さにわたって他のものと結合する必要があり、補強は正確であるだけでなく、継手を横切る荷重を伝達することが可能でなければならず、棒の大部分またはいずれ部分も引張もまたは圧縮のそれらの完全な軸荷重強度に適応する必要がある。
【0003】
過去において、ワイヤー締めまたは巻き付けが、コンクリート打設前に、棒を他のものとの関係を保持するために隣接した棒の端部のオーバーラップを確実にするために行われていた。軸方向荷重は、2つの結合された棒を被覆しているコンクリートによって1つの棒から他の重ねられた棒まで伝達される。この方法は必要であるより多くの棒を使用し、棒の重なられた長さが軸方向荷重の伝達を遂行するために役立つだけでなく、これらの重なり合う長さは構造の補強棒の有意な質量を形成する。
【0004】
他の配列において、棒は短い雄ねじ端部が形成され、左手および右手雌ねじ部を有するスリーブが棒の隣接端が互いに結合いるために用いられる。
【0005】
棒の端部上の雄ねじ部の形成は、棒の残りの部分より少ない直径をもたらし、予め定められた直径を有する棒が用いられることを工学必要条件が意図することから、好ましく無かった。この問題点を克服する1つの方法は、オーバーサイズの棒を使用することである。これは、棒のねじ切り端部が、まだ、工学必要条件に意図する直径に等しいか、それよりも大であることを確実にする。しかしながら、この配列では、棒大の部分は、必要であるより大きなゲージである。
【0006】
理想的には、例えば、軸容積および延性として、継手の特性は、棒の大部分が少なくとも同じであり、そして、継手が荷重されるときに、そのただ一つの限られた縦のスリップは発生する。これらの特性が特定の耐性の範囲内でない場合、継手は結果として生じる構造をかなり危殆化する。例えば、過剰な縦のスリップがある場合、これは、このことにより腐食の危険度を高めている過剰な局所化された割れを引き起こすことがあり、また、過剰な屈折を引き起こす。継手が棒の主要部ほど延性ない場合、これによって、潜在的に継手の突発故障に結果としてなることがありえた局所化された応力集中が生じることがありうる。
【0007】
例えば、前述のねじ切りされたスリーブのように、別々の継手要素の使用は、スリーブの潜在的不適当な組合せの危険性が棒にあるから、建築工事現場が異なる強さの補強棒を有するところでは問題を含む。さらにまた、ねじ装置の使用は、簡単な取付けを可能にする構成要素間のいくらかの遊びを必要とし、それは、荷重下で次々に容認できない縦のスリップをもたらせる。また、継手を危うくする現場で継手が適切に強化されないという危険がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記諸問題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、棒の長さの一部にそってのびている軸と、棒の端部にそってのびている末端とを備えており、末端が、軸荷重に適応するために動作するインターロックを形成するために補完的形状末端と相互に噛み合うために配列されたロック構造を組み込んだ噛み合い面を組み込んでいるおり、ロック構造は、軸方向荷重下におけるインターロックでの反力が末端の分離を誘発させないように形成されている補強棒が提供される。
【0010】
明細書の前後関係において、「軸荷重」は、インターロックが引張または圧縮におかれるように末端がのびる方向に適用される荷重を意味する。更に、用語「インターロック」は、構成要素が他の方向の荷重下で分離されることができる場合であっても、構成要素が少なくとも一つの方向の荷重下での分離を防止する方法で構成要素が一緒に結合される装置を意味する。
【0011】
本発明によれば、補強棒は、末端の効果によって、補完的形状末端を有する、他の補強棒のような他の目的物と、棒の直接的結合を許容する。この配列の利点は、継手の健全性が強化されるということであり、インターロックを横切る軸方向荷重を伝達するために他の構成要素の使用を必要としないことである。更に、末端を適当なサイズおよび形状に形成することによって、発明者は、継手が延性および軸方向容積の所望の必要条件を満たすことが可能であることを発見した。また、荷重下の縦のスリップは、許容レベルに維持することができる。
【0012】
1つの形態において、末端は、棒軸と一体成形される。この構成では1つの形で、末端は棒軸と比較して拡大され、それで、インターロックは十分な性能特性を呈する(例えば、軸方向荷重下の強度および延性)。
【0013】
別の形態では、インターロックの十分な性能特性を確実にするために、末端は、補強棒軸と異なる材料またはその材料特性とは一部異なる同じ材料から作られる。これらの後者の配列において、末端は、棒軸と同一サイズ、または小さくても、または、先の配列のように、拡大されていてもよい。
【0014】
さらなる態様によれば、棒の長さの一部にそってのびている軸と、棒の端部にそってのびかつ軸の一部として形成されている末端とを備えており、末端が、軸と比較して、拡大され、末端が、軸荷重に適応するように形成されているインターロックを形成するために補完的に形成されている末端と相互にはめ合わされるように配列されたロック構造を組み込んでいる噛み合い面を組み込んでいる補強棒が提供される
【0015】
1つの形態において、ロック構造は、インターロックが軸方向荷重の実質的全てに適応するように輪郭づけられる。1つの実施例において、保持装置が使用され、それは、インターロックにおいて末端を保持するが、この装置は、補強の軸方向荷重上の荷重下に載置されるように設計される必要はない。
【0016】
第3の態様によれば、第1および第2の補強棒を相互に結合するための継手であって、少なくとも1つの補強棒が、その補強棒の軸と一体成形されかつその軸と比較して拡大された末端を有しており、各末端が、ロック構造を組み込んでいる噛み合い面を含んでおり、末端の噛み合い面が、インターロックを形成するために相互にはめ合わされるロック構造に関連して反対向きに隣接させられており、
保持装置が、互いに関連して反対向きに隣接させられる噛み合い面を保持するためにインターロックの回りに配置されているものである
【0017】
第4の態様によれば、第1および第2の補強棒を相互に結合するための継手が提供され、それは、第1および第2の末端が、第1および第2の補強棒のそれぞれにそってのびており、各末端が、ロック構造を組み込んでいる噛み合い面を含んでおり、末端の噛み合い面が、インターロックを形成するために相互にはめ合わされるロック構造に関連して反対向きに隣接させられており、
保持装置が、互いに関連して反対向きに隣接させられる噛み合い面を保持するためにインターロックの回りに配置されており、インターロックが保持装置に実質的荷重を誘導することなく、軸方向荷重に適応するように配列されているものである。
特別の実施例において、末端は、同一の形をした補完的末端を有するインターロックを形成するために形成される。そのようであるから、第1および第2の末端は、同一である。末端を現場で装置することがより容易にして、このことにより、手渡されることを必要としないという点で、この種の装置は有益である。
【0018】
特別の形態において、ロック構造は、噛み合い面を間隔をおいて横断状にのびている複数の凸部と、凸部の隣接するもの同士間に配置された1またはそれ以上の凹部とを備えている。使用中、凸部および凹部は、インターロックを形成するために補完的形状末端に配置された凸部および凹部とはめ合わされる。
【0019】
特別の実施例では、凸部は、橋渡部分によって、相互に結合された反対向き側壁を含む。さらにまた、凸部の隣接したものの対向する側壁は、凹部のそれぞれを画定する。 特別の形態において、側壁は、インターロックの形成において相互に噛み合わされるために配置された支え面を組み込む。
【0020】
特別の形態において、凸部が、各棒の終端の端に向かって噛み合い面にそう下向きの段差をつけている。この配列は、荷重を末端全体に均一に配布されることを可能にする。1つの実施例において、凸部は、他の末端の対応する凹部に凸部の正しい位置を促進するように異なるサイズである。
【0021】
1つの実施例において、使用中、継手は、補強棒の軸の軸荷重に適応することを可能し、それは、補強棒の軸方向容積に少なくとも等しくかつ棒軸と比較して増加させられた延性を示す。ある状況において、継手は、有利には、異なる軸直径を有する補強棒を結合するために用いてもよい。これは、荷重条件が構造全体に変化する構造において、共通に望ましい。本発明の少なくとも1つの実施例の継手を用いて、これは、末端を有する補強棒を提供することにより達成され、それは、棒軸のために典型的にはオーバーサイズであるが、より大きい軸径の補強のために補完的形状である。
【0022】
1つの形態において、支え面は、一般に、軸荷重の方向に対し直交させられている。この配列では、継手に適用される反力は、末端に含まれ、通常の弾力的な荷重条件の下に取囲み保持装置を荷重する重要なベクトル力はない。さらに、軸負荷の方向に対し直交する支え面を有することによって、継手内のスリップは、受け入れられる範囲内であり、保持装置および末端間の噛み合わせを必要とせず、これは、インターロックの横方向移動を禁止するために非常に堅い耐性の中にある。この配列において、末端間の横方向移動(例えば、保持装置およびインターロックされた末端間のギャップによる)は、縦の変位に置換されない。あるいは、保持装置および末端間の堅い耐性は、保持装置を形成するポストを通じて(例えば、スリーブが用いられるときに、マンドレルに通じてスリーブをつけことを強制するとによって)、またはインターロックされている末端および保持装置間に、シム等の包装が使用されることによって、提供される。この後者の形態においては、支え面の傾斜は、重要なものではなくなる。
【0023】
特別の形態において、支え面は、軸加重の方向に対し10°以内の角度で、好ましくは、5°以内の角度で拡がる。
【0024】
特別の具体例において、取囲みスリーブは、補強棒軸の荷重能力より大きいせん断負荷に対する抵抗力を印加しうる断面係数を有する。このような方法で、せん断コネクタとして荷重されるときに、継手が用いられることが可能である。
【0025】
まだ更なる態様において、本発明は、第1および第2の補強棒を結合する方法を提供し、これは、第1および第2の補強棒を、補強棒の端部に形成された末端間にインターロックを形成することによって、相互に結合し、インターロックは、軸線にそってのびかつ各末端に形成されたロック構造を相互にはめ合わせることによって形成されるステップと、
インターロックの周囲に、相互はめ合わせの関係においてロック構造を保持するために保持装置を提供するステップと、
を備えているものである。
【0026】
まだ更なる態様において、本発明は、第1および第2の補強棒間に荷重を伝達する方法を提供し、これは、第1および第2の補強棒を、補強棒の端部に形成された末端間にインターロックを形成することによって相互に結合し、インターロックは、軸線にそってのびかつ各末端に形成されたロック構造を相互にはめ合わせることによって形成されるステップと、
インターロックの周囲に、相互はめ合わせの関係においてロック構造を保持するために保持装置を提供するステップと、
保持装置上に実質的荷重を誘導することなく、インターロック軸方向においてインターロックを通じて荷重を伝達するステップと、
とを備えているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0028】
最初に、図1〜3を参照すると、補強棒10の部分図が示されている。棒10は、典型的には鋼からつくられ、棒10の大部分の長さにそってのびる軸11と一体化されている。軸11の小さい部分だけが示される一方、この軸が多くのメートルにわたってのびることが認識されよう。これらの棒は、連続長さにおいて製造されかつ特定の仕事の必要条件に従うサイズに切断される。さらにまた、便宜のために、軸11は、示すように平滑である。また、軸が肋状部を含むことを認識され、この種の棒は異形棒鋼と一般に呼称する。
【0029】
補強棒10は、更に、末端12を含んでおり、これは、棒の端部にそって補強棒10の終端の端13までのびている。図示の形態において、末端12は、軸11と一体的に形成されかつその軸と比較して拡大されている(すなわち、それは、補強棒の中央軸線CLから半径方向外向きに軸より大きな距離を拡大されている)。遷移域14は、軸11および拡大末端12の間にある。
【0030】
拡大末端12は、典型的に、棒の端を変形させることによって形成される。この構成において、変形の前に、棒10の全体は、軸11の直径に対応する直径を有する。
【0031】
末端12は、棒10の長さにそってのびる噛み合い面15と、そこから外向きに突出した突起とを含んでいる。この噛み合い面15は、後で詳しく述べるように、インターロックを形成するために他の棒10または他の目的物との結合を可能とするロック構造を含むための輪郭を描いている。図示された形態におけるロック構造は、複数の間隔を置いた凸部16、17、18および19および複数の凹部20、21、22および23を備えている。これらの凹部21、22および23の大多数は、隣接する凸部(16、17、18および19)の間をのびている。基部の1つの凹部20は、末端のハブ部分24および最も基部の凸部16の間をのびている。
【0032】
図2および3において最も好ましく図示されるように、末端は、軸11の軸より大きい直径を有する部分的シリンダとして構成されている。さらに、噛み合い面15は、その円筒状末端から、「カットアウト」として効果的に形成されている。しかしながら、噛み合い面15がカットアウト部分として考量される一方、末端が、材料のいかなる相当な除去も必要とすることなく、最終的形態にまで、鍛造動作によって形成される製造方法を制限するものではない。出願人によって同時に提出された「金属強化方法および装置」の名称の国際出願は、鍛造動作による補強棒10を製造するための方法を開示しており、この出願の内容は、ここに、相互参照によって組み込まれる。
【0033】
図3において最も好ましく図示されているように、各凸部(16、17、18および19)は、相対する側壁25を含みかつ橋渡部分26によって相互に連結されている。さらに、末端12のハブ部分24は、側壁27を含んでいる。この構成では、壁25、27も、凹部のための側壁として作用する。基底部28は、それぞれの凹部(20、21、22、23)の基部を形成するために、これらの隣接する側壁を相互に結合している。
【0034】
この図示された形態において、側壁25は、線形で、全噛み合い面15を横断してのびている。更に、橋渡部分26および基部28は、また、平面として形成されている。図4の拡大図において最も好ましく図示されているように、各側壁25は、3つの構成要素から形成されている。第1の構成要素は、側壁の中央領域に配置されている支え面29でありかつ棒10の中心線(CL)に直交している。第1の遷移領域30は、支え面29より上に形成されかつその支え面29および橋渡面26間の交差を形成する。下部の遷移領域31は、支え面29から基部28までのびている
【0035】
末端12が同じ形状の末端とのインターロックを形成するように、噛み合い面15の凸部および凹部は形成される。
【0036】
凸部19、棒10の終端の端13に隣接する端部の凸部19は、他の凸部より広い。更に、最奥の凹部20は、また、端部の凸部19の形状の凸部を受入れうるようにより広い。この構成は、インターロックを形成する際の末端の適当な交配を容易にするために提供される。
【0037】
最後に、図3において最も好ましく図示されるように、凸部は、終端の端13に向かって下向きに段差を付けるために配置される。この構成では、様々な凸部の支え面29は、軸方向に整列配置されなくて、むしろ中心線CLから間隔をおいて異なる半径方向にある。末端が他の末端に連結されるときに、末端を通じてストレスのより均一な分散を可能にするものとして、これは有利である。
【0038】
図5および6を参照すると、継手50が開示されており、これは、棒のようなもう一方の同一の末端との1つの補強棒の末端12の相互接続から形成されている。継手50の以下の説明の便宜のために、1つの補強棒は、添字Iを用いて示され、他の補強棒は、図示のように付随する事項と関連する添字IIを含んでいる。
【0039】
継手50は、インターロック51を形成するために末端12Iおよび12IIを相互結合することにより形成されている。1つの末端の凸部および他の末端の対応する凹部は、相互にはめ込まれている。インターロックは、図示の形態において、各補強棒10Iおよび10IIの中心線と同軸である軸(A-Aで示す)にそってのびている。さらにまた、一旦、末端12Iおよび12IIがそれらの噛み合い面15Iおよび15IIにそって相互に結合されると、末端の外面は、完全なシリンダを形成し(図示の形態では、円形のシリンダ)、それは、各軸11Iおよび11IIの直径より大きい直径を有する。
【0040】
継手50は、また、末端の分離を防止するために配置される保持装置52を含んでいる。。図示の形態において、保持装置52は、スリーブの形をしており、典型的には、金属性スリーブの形をしており、末端の相互結合によって形成されたシリンダの外形よりも僅かだけ大きい内部孔を有している。このような方法で、スリーブは、重なった末端上に滑動させられて、典型的には、ワイヤ縛り等によって、適所に保持される。
【0041】
使用中、補強棒10Iおよび10IIは、構造物に誘導される荷重に適応するためにコンクリートに埋め込まれる。典型的には、2つのタイプの荷重条件がある。第1は、棒軸CLの方向に主にのびる軸荷重である。この軸荷重は、引張りまたは圧縮であってもよい。他の荷重条件は、剪断であり、中心線CLに直交する方向の荷重である。継手50は、後で詳しく述べるように、これらの双方の条件の荷重に適応するように配置される。
【0042】
軸方向荷重の下で、引張り荷重が支配的な状態では、補強棒10Iおよび10IIは、別々に(緊張の下で)または一緒に付勢される。この軸荷重は、2つの末端12Iおよび12IIの凸部の相互インターロックを通じて継手50によって適応させられる。特に、凸部は、側壁に形成された支え面29I、29IIにそって係合するために配置される。これらは、軸荷重の下で凸部の接触の領域を形成する。支え面29I、29IIが荷重の方向に対して直交するように配置されているので、スリーブ51を取り囲む荷重に発達するベクトル力は無い。このように、この軸荷重は、末端の中で抑えられる。せん断荷重に適応するために、保持装置51は、設計せん断荷重に適応するのに十分である断面係数を有する。この構成では、剪断がインターロックによって、収められるために、それは補強棒を特定の方向に向けることは必要でない。
【0043】
図7は、継手50のバリエーションであるせん断継手60を図示している。特徴が参照番号のように与えられたように、せん断継手は、上記継手50の構成要素を含んでいる。さらに、明確にするため、添字は、継手60に提供された2つの補強棒を区別するために用いる。
【0044】
せん断コネクタ60は、壁100と床板101の補強を相互結合するために利用される。この結合を形成するために、壁100は、最初に建設されて、補強棒10Iを組み込まれる。壁100の平面だけを単にのびる代わりに、補強棒10Iは、壁100の正面102に向けて曲げられる。壁100には正面102からで突設する凹部103が形成され、そこに、末端12Iを露出させて、それらの末端を壁100の正面102からアクセスできるようにする。このような方法で、これらの末端12Iは、床板101を補強することで準備する補強棒10IIを受け入れる。
【0045】
図示の形態において、末端12I 、12IIは、以前の実施例の4つの凸部よりむしろ短い長さの3つの凸部だけを有するだけである。この構成では、末端12Iは、壁100の正面102から突き出ない。
【0046】
床板101を補強することを準備することにおいて、補強棒10IIは、単に末端12IIの相互結合によるインターロック61を末端12Iにより形成することによって、補強棒10Iに結合される。スリーブ62は、それから、インターロックにおいて、末端を保持するために、噛み合わされる。さらに、スリーブ62は、継手60で設計せん断荷重を適応させるのに十分である断面係数を有している。
【0047】
一旦、補強が結合されると、コンクリートは、それから、スリーブを形成するために注入される。コンクリートを注入することにおいて、凹部103は、補強上での十分なカバーがあることを確実にするために、完全に満たされる。
【0048】
図8および図9は、上記末端12のプロフィル上の更なるバリエーションを示す。再び、これらの末端は上記した特徴の多数を含み、そのような特徴には同様の参照符号が与えられている。
【0049】
図8の実施例において、末端12の凸部16、17および18は、以前の実施例のように、線形であるというよりは、むしろ円弧形のように複雑に設計されている。
【0050】
図9は、また、末端12のプロフィル上の更なるバリエーションを例示する。本実施例において、凸部は、以前の実施例において、より波打つ。図8および9の双方の実施例において、側壁に形成されている支え面は、軸荷重の方向に対して直交する方向から傾斜させられている。これは、特に、図9の実施例のためのケースである。このように、これらの実施例で、そこの軸荷重の下の荷重は保持装置に対する力の伝達であり、但し、荷重の大多数は、棒によって必要とされる。更に、これらの凸部の形状のため、横方向のスリップを最小にすることは、末端および保持装置間の非常に堅い耐久性を有するのに必要である。この耐久性は、保持装置を形成する柱によって形成されるか、または上記の通りに包装を使用することによって形成される。
【0051】
上記の通りの継手方式は、相当な実際的な利点を有する。各末端が棒軸からのびるにつれて、末端の強さは棒の強度と適切に適応し、特に、末端が棒軸と同一材料から形成される。別々の構成要素を使用する従来技術カプラーに関する重大な課題は、補強棒が強さにおいて変化するという事実である(例えば、名目上、500MPa/棒は、650Mpaの許された最強さを有する。)。これは、カプラーがこの可能な不適当な組合せに対応するために実行されることを必要とするように、カプラーが極めて強い棒と一致していなくてもよいことを意味する。必要以上の高い強さのカプラーを提供することによって、カプラー自体の延性特性を減らすことができるとき、これは、付随する課題をもちうる。軸に対する末端の統合された性質は、この不適当な組合せを取り除いて、棒軸と正しく噛み合うジョイントに対する延性および強さを許す。
【0052】
概して、輪郭付けられた噛み合い面を有する頭部を組み込みかつ軸と同様の末端の材料を有することによって、継手の強さは、接続されるべき棒より大きい。1つの形態において明らかなように、これが末端の各種要素の寸法を変化させることによって、多様であることができたにもかかわらず、継手は棒の強度のほぼ110%の強さを有する。
【0053】
この増加させられた強度をもってしても、継手は、棒軸よりも大きい延性を示し、発明者によって実行された試験がそのケースであることを示している。理論に束縛されずに、この延性増加は、塑性変形の下で見いだされ、凸部が継手にそって延長を可能にする圧壊の傾向があることを示した。
【0054】
また、通常の支え面は、荷重下での継手の縦のスリップを制限する。また、発明者により行われる試験は、定められた荷電試験状況(概して300Mpaの軸荷重の下)で、0.1mm未満のスリップがあることを示した。軸荷重の方向に直交する支え面を有することの特徴は、スリップがスリーブ51および結合された末端間の適合に依存していないということである。この構成では、スリーブは、正確な耐性に製造される必要はない。
【0055】
更に、継手は、比較的薄い輪郭を有し、それが有利であるのは、同一の条件においてより薄いコンクリート断面の使用を許容し、末端の上に提供される適当なコンクリートカバーを許容する。
【0056】
最後に、継手の効果は、それが現場で組み立てるのが容易で継手が適切に取り付けられたかどうか、現場で確認するのが容易であるということである。末端が一緒に適切に結合されなかった場合、結合された末端上のスリーブの位置を決めることは可能ではなく、末端の一部が長さを越えて突設するにつれて、それは明らかに見える。
【0057】
あとに続く請求項において、そして、前述の発明の記述において、前後関係が明らかな言語または必要な意味のためにさもないと要求する場合を除き、語は「成る」または例えば「成る」のバリエーションまたは「成り立つ」ことは、すなわち定まった特徴の存在を特定するが、本発明の各種実施形態の更なる特徴の存在または加算を排除しないために含む観点において、使用される。
【0058】
バリエーションおよび修正は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、記載されている部分になされる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】補強棒の末端の斜視図である。
図2図1の末端の平面図である。
図3図2のIII-III線にそう末端の部分断面図である、
図4図1の棒の末端上のロック構造の拡大詳細図である、
図5図1の2つの補強棒の結合構成要素を示す分解図である。
図6図5の結合の断面図である。
図7】せん断コネクタとして装置されたときに、図5の結合のバリエーションの断面図である。
図8】異なる噛み合い面輪郭を有する図1の末端のバリエーションの斜視図である。
図9図1の末端の更なるバリエーションの側面図である。
【符号の説明】
【0060】
(10) 補強棒
(11)軸
(12) 末端
(15) 噛み合い面
(16、17、18、19) ロック構造
(51) インターロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9