(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記印刷処理を行ったシートの印刷枚数の累積値である累積印刷枚数が第1の閾値に達したか否かを判断し、前記第1の閾値に達した場合に、前記第2のモードを開始し、前記累積印刷枚数をリセットする制御を行う、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、印刷データの印刷処理後に、前記印刷処理に使用したトナーの使用量の累積値である累積トナー使用量が第2の閾値に達したか否かを判断し、前記第2の閾値に達した場合に、前記第2のモードを開始し、前記累積トナー使用量をリセットする制御を行う、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
【0010】
図1は、画像形成装置10のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。画像形成装置10は、制御部100、給紙部120、スキャナ部130、画像形成部170、定着部200、操作部220、及び通信インターフェース(I/F)部230が、それぞれバス280を介して接続される。
【0011】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)或いはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ102、メモリ104及び記憶装置110を有する。メモリ104は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM106(Read Only Memory)と、プロセッサ102に一時的な作業領域を提供するRAM108(Random Access Memory)を有する。記憶装置110は、印刷処理を行う印刷データを一時的に保存する。記憶装置110は、例えば、ハードディスクドライブやその他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリ等の半導体記憶装置110又はこれらの任意の組み合わせであって良い。制御部100は、ROM106或いは記憶装置110に格納された各種プログラム等に基づいて、各部を制御する。制御部100は、画像データを補正、或いは伸張する機能を有する。
【0012】
給紙部120は、載置されるシートを画像形成部170へ搬送する。スキャナ部130は、セットされた原稿の画像を読み取る。画像形成部170は、スキャナ部130で読み取った画像や、通信I/F部230で受信した印刷データに基づいた画像をトナー像としてシートに形成する。定着部200は、画像形成部170から搬送されてくるトナー像が形成されたシートに加熱定着を行う。
【0013】
操作部220は、ユーザからの入力を受け付ける。操作部220は、各種の操作キーとタッチパネル式の表示部を有する。操作キーは、例えば、テンキー、リセットキー、ストップキー、スタートキー等を有する。表示部は、例えば、シートサイズ、コピー枚数、印刷濃度設定、あるいは仕上げ(綴じ、折り)等の印刷条件に関する指示項目を表示する。表示された項目の指示が、表示部から入力される。
【0014】
通信I/F部230は、例えばPC(Personal Computer)や印刷サーバ等といった外部のユーザ端末とネットワークを介して接続するインターフェースである。通信I/F部230は、例えばBluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE1284等の適切な無線又は有線のインターフェースを含む。通信I/F部230は、さらに、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインタフェース等を含んでも良い。制御部100は、通信I/F部230を介してユーザ端末やUSBデバイス、その他外部機器と通信する。通信I/F部230は、例えば、ユーザ端末から印刷データを受信する。
【0015】
図2は、本実施形態における画像形成装置10の断面図である。
【0016】
画像形成装置10は、給紙部120、スキャナ部130、画像形成部170、定着部200、操作部220、両面印刷時の搬送路となる反転部240、定着されたシートを排紙する排紙部260を有する。
【0017】
給紙部120は、カセット部122と手差し部124を有し、それぞれ複数のシートを収容することが可能である。カセット部122は、複数設けても良い。カセット部122或いは手差し部124に載置されるシートは、ピックアップローラ126により1枚ずつ取り出され、給紙ローラ対128によって画像形成部170へ搬送される。
【0018】
スキャナ部130は、キャリッジ138、複数の第2反射ミラー140、レンズブロック142、CCD(Charge Coupled Device)センサ144、原稿載置台132、及び自動原稿送り装置150を有する。キャリッジ138は、原稿に露光する露光ランプ134と第1反射ミラー136を有する。複数の第2反射ミラー140は、画像形成装置10の本体フレームに係止される。自動原稿送り装置150は、給紙トレイ152と排紙トレイ154を有する。自動原稿送り装置150は、原稿を1枚ずつ給紙トレイ152から取り出し、原稿画像を読み取った後に、排紙トレイ154へ排紙する。一方で、自動原稿送り装置150を開けて、原稿載置台132の上に原稿を載置した状態で原稿画像を読み取らせても良い。
【0019】
スキャナ部130が給紙トレイ152から原稿を読み取る場合には、キャリッジ138は原稿読取位置に静止する。一方、スキャナ部130が原稿載置台132に載置される原稿を読み取る場合には、キャリッジ138は原稿載置台132の下を主走査方向に往復移動する。それぞれの場合においても、露光ランプ134を原稿に照射することによる反射光を第1の反射ミラー136に反射させる。複数の第2反射ミラー140は第1反射ミラー136からの反射光をレンズブロック142に反射させる。レンズブロック142は第2反射ミラー140からの反射光をCCDセンサ144に出力する。CCDセンサ144はレンズブロック142からの反射光を電気信号に変換して画像信号として画像形成部170に出力する。
【0020】
画像形成部170は転写ベルト171と、2次転写ユニット172と、イエローY、マゼンダM、シアンC、及びブラックKごとに、トナーカートリッジ173と、レーザ照射ユニット174と、像担持体である感光体175と、現像器176、1次転写ユニット177とを備える。
図2ではイエローYの構成のみに符号を付り、例示として、イエローYの構成について述べる。トナーカートリッジ173は、現像器176に現像剤であるトナーを供給する。レーザ照射ユニット174は、スキャナ部130や通信I/F部230で取得した画像に基づいた画像データをレーザ光に変換する。レーザ照射ユニット174は、レーザ光を感光体175に照射することで、感光体175上に静電潜像を形成する。現像器176は、トナーを感光体175に供給し、静電潜像からトナー像を形成する。1次転写ユニットは、感光体175からトナー像を転写ベルト171へ転写する。尚、他のM、C、Kも同様の構成をとる。トナー像を受けた転写ベルト171は、受け取ったトナー像を2次転写ユニット172へ搬送する。2次転写ユニット172は、該トナー像を搬送されてくるシートに転写する。
【0021】
尚、本実施形態の画像形成部170は、上記の構成に限られるものではなく、例えば、モノクロ画像を形成するためにトナーカートリッジ173等を単一に構成されていても良い。
【0022】
反転部240は、両面印刷時の搬送路である。両面印刷時には、定着部200で表面に画像を加熱定着されたシートは、排紙ローラ対250方向へ搬送され、シートの搬送方向後端部が分岐点を通過した後に、シートの搬送方向後端部から反転部240に搬送され、定着部200で裏面に画像を加熱定着された後に排紙ローラ対250へと搬送される。
【0023】
排紙部260は、定着部200によって定着され、排紙ローラ対250によって排紙されるシートを収容する。
【0024】
図3は、本実施形態における定着部200の断面図である。定着部200は、加熱ローラ202、加圧ローラ204、剥離爪210、温度検知素子212、クリーナ214及び搬出ローラ対216を有する。
【0025】
加熱ローラ(加熱部材)202は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、又はステンレス鋼とアルミニウムとの合金等を材料とする中空円筒形のローラである。表層にはフッ素樹脂による離形層が被覆される。加熱ローラ202は、内部に熱源203を有する。熱源203は、加熱ローラ202を加熱する。熱源203は、例えば、IHコイル等の誘導加熱体やハロゲンヒータ、セラミックヒータ等を用いてよい。尚、加熱ローラ202に代えて耐熱性の高い樹脂フィルムの表面に、金属を所定の厚さ堆積させたシート体を無端ベルト状とした金属フィルムを用いることも出来る。加熱ローラ202は、制御部100からの命令に応じて表面温度を調節する。
【0026】
加圧ローラ(加圧部材)204は、所定の直径のシャフトの周囲に、シリコンゴム、或いはフッ素ゴム等が被覆された弾性を有するローラである。加圧ローラ204は、加圧機構206により加熱ローラ202に圧接して設けられている。
【0027】
トナー像が形成されたシートは、加熱ローラ202と加圧ローラ204により形成されるニップ部208を通過することで、トナー像が加熱定着される。
【0028】
剥離爪(剥離部材)210、温度検知素子212、及びクリーナ214は、それぞれ加熱ローラ202に当接して設けられる。剥離爪210は、加熱ローラ202の長手方向に複数配置されており、ニップ部208を通過したシートを加熱ローラ202から剥離させる。温度検知素子212は、例えば、サーミスタであり、加熱ローラ202の表面温度を検知する。クリーナ214は、加熱ローラ202表面に蓄積するトナー汚れを掻き落とす。搬送ローラ対216は、加熱定着されたシートを排紙ローラ対250又は反転部240に搬送する。
【0029】
次に、使用するトナーについて説明する。本実施形態では所定の温度(消色温度)に加熱されることにより色が消える(消色する)トナーを使用する。本実施形態では、以下のケミカル法により作成したカプセル式の消色トナーを用いる。尚、下記消色可能なトナーは、一例を示したものであり、下記の製法、特性に限定されるものではない。
【0030】
(1)バインダー樹脂、WAX微粒化液
バインダー樹脂としてPes(ポリエーテルスルフォン、Poly Ether Sulphone)系樹脂を用いる。Pes系樹脂、アニオン性乳化剤、中和剤を用いて高圧ホモジナイザーを用いて樹脂微粒化液を作成する。
(2)WAX分散液の調整
ライスWAXを用いて上記樹脂と同様の方法で微粒化液を得る。
(3)トナーの調整
ロイコ染料:CVL(クリスタルバイオレットラクトン)、顕色剤:4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、温度コントロール剤:ラウリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル上記を加熱溶融して、周知のコアセルベーション法によりカプセル化する。そのカプセル化した色材と、トナーバインダー樹脂分散液と、WAX分散液とを硫酸Al〔Al2(SO4)3〕を用いて凝集、融着し、さらに洗浄、乾燥することによりトナーを得る。トナーには適宜外添剤を付与する。
【0031】
消色可能なトナーは、所定の温度以上に加熱されることによりカプセル内の色素と発色剤の結びつきが断ち切られ、消色(透明化)する。例えば、上記製法により作られたトナーは、90℃以上に加熱されると消色する。
【0032】
次に、制御部100が行う加熱ローラ202の温度制御について説明する。
【0033】
ニップ部208を通過するシートにトナー像を定着させる画像形成モード(第1のモード)では、トナー像はシートに定着可能な温度以上、かつ消色しない温度以下である所定の温度(定着温度)で加熱される必要がある。そこで制御部100は、トナー像を定着温度に加熱するために、加熱ローラ202の表面温度を所定の温度(第1温度)に制御する。次に定着部200に付着したトナー汚れを消色させる第2のモードでは、制御部100は、トナーを消色温度に加熱するため、加熱ローラ202の表面温度を所定の温度(第2温度)に制御する。本実施形態では、消色温度は定着温度より高く、第2温度は第1温度より高い。制御部100は、第2のモードにおいて、トナー汚れを消色させるために第2温度の状態で一定時間維持する。
【0034】
次に、本実施形態の画像形成装置10の第2のモードにおける加熱ローラ202の温度制御を説明する。
図4は、第1の実施形態における第2のモードの制御フローチャートである。
【0035】
まず、制御部100が第2のモードの実行要求を取得する(ACT301)。制御部100は、第2のモードの実行要求を、例えば、ユーザが操作する操作部220を介して指示を受け付ける。或いは、制御部100は、第2のモードの実行要求を通信I/F部230を介して外部装置から受け付ける。第2モードの実行要求を取得すると、制御部100は、第2のモードを開始する(ACT302〜ACT305)。第2のモードでは、制御部100は、まず加熱ローラ202の表面温度を第2温度まで上昇させる(ACT302)。制御部100は、加熱ローラ202の表面温度が第2温度の状態で一定時間維持する(ACT303)。制御部100は、一定時間第2温度の状態で維持した後、加熱ローラ202の表面温度を下げる(ACT304)。例えば、制御部100は、熱源203への電力供給を一時的に停止する。制御部100は、加熱ローラ202の表面温度を第1温度となるよう制御し(ACT305)、第2のモードを終了する。尚、制御部100は、ACT305において、加熱ローラ202の温度を第1温度より低く制御するスリープ状態へ移行しても良い。
【0036】
上述した第1の実施形態によれば、加熱ローラの表面温度を第2温度まで加熱し、一定時間維持することで、加熱ローラに接する部材、特に、剥離爪に付着し蓄積したトナー汚れを消色することができる。消色したトナーは、以後加熱ローラを介してシートに転移しても、視認性が低く、画像欠陥として見なされ難いため、該シートも通常のシートと同様に使用することができる。
(第2の実施形態)
【0037】
第2の実施形態では、最後に前述の第2のモードを行った時点を起点とした累積印刷枚数が予め設定した閾値を超えた場合に、第2のモードを行う。
図5は、第2の実施形態における制御フローチャートである。画像形成装置10は、印刷処理を行ったシートの枚数を計測する印字カウンタをさらに有する。
【0038】
ユーザ或いは画像形成装置10の管理者(以後、管理者)は、予め第1の閾値の設定を行う。第1の閾値の設定は、例えば、画像形成装置10のセットアップ時やユーザ端末へのプリンタドライバのインストール時、或いはユーザや管理者が画像形成装置10の操作部220やユーザ端末のプリンタドライバで所定の操作を行った際に行う。尚、第1の閾値は予めシステムで設定しておいても良い。ユーザや管理者によって設定された第1の閾値は、画像形成装置10の記憶装置110に格納される。記憶装置110には、印刷処理を行ったシートの枚数の和である累積印刷枚数も格納される。
【0039】
制御部100は、印刷ジョブの印刷処理を行う(ACT401)。印刷ジョブは、例えば、通信I/F部230から取得した印刷ジョブや操作部220を介してユーザから印刷指示を受けたコピージョブなどである。印刷処理が終了すると制御部100は、印字カウンタに印刷処理が行われたシートの枚数を計測させる(ACT402)。制御部100は、印刷ジョブの印刷処理が終了すると、印字カウンタにより計測されたシートの枚数を、記憶装置110に格納されている累積印刷枚数に加算する(ACT403)。ここで、累積印刷枚数が、記憶装置110に格納される第1の閾値を超えない場合(ACT404、No)、処理は終了する。一方、累積印刷枚数が第1の閾値を超える場合(ACT404、Yes)、制御部100は、前述の第2のモードを行う(ACT405〜ACT408)。尚、第2のモードを行った場合、制御部100は記憶装置110に格納される累積印刷枚数を0にリセットする(ACT409)。
【0040】
上述した第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、累積印刷枚数から概算した定着部のトナー蓄積量に基づいて、より適切な時期にトナー汚れを消色することが出来る。
(第3の実施形態)
【0041】
第3の実施形態では、最後に前述の第2のモードを行った時点を起点としたトナーの使用量が設定した第2の閾値を超えた場合に第2のモードを行う。
図6は、第3の実施形態における制御フローチャートである。第3の実施形態における画像形成装置10は、トナーカウンタとして、印字カウンタ、画素カウンタ、及びトナー補給カウンタをさらに有する。印字カウンタは、印刷処理を行ったシートの枚数を計測する。画素カウンタは、レーザ照射ユニット174が感光体175上に描いた静電潜像の画素数を計測する。トナー補給カウンタは、トナーの補給信号からトナーの消費量を計測する。上記3つのトナーカウンタを単独或いは組み合わせることでトナー使用量を計測する。記憶装置110に予め格納される第2の閾値の設定は、第2の実施形態と同様の手順で行う。記憶装置110には、印刷処理に使用したトナー使用量の和である累積トナー使用量も格納される。
【0042】
制御部100は、印刷ジョブの印刷処理を行う(ACT501)。印刷ジョブは、例えば、通信I/F部230から取得した印刷ジョブや操作部220を介してユーザから印刷指示を受けたコピージョブなどである。印刷処理が終了すると制御部100は、トナーカウンタに印刷処理に使用したトナーの量を計測させる(ACT502)。制御部100は、印刷ジョブの印刷処理が終了すると、トナーカウンタにより計測されたトナー使用量を、記憶装置110に格納されている累積トナー使用量に加算していく(ACT503)。ここで、累積トナー使用量が、記憶装置110に格納される第2の閾値を超えない場合(ACT504、No)、処理は終了する。一方、累積印刷枚数が第2の閾値を超える場合(ACT504、Yes)、制御部100は、前述の第2のモードを行う(ACT505〜ACT508)。尚、第2のモードを行った場合、制御部100は記憶装置110に格納される累積トナー使用量を0にリセットする(ACT509)。
【0043】
上述した第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、累積トナー使用量から概算した定着部のトナー蓄積量に基づいて、より適切な時期にトナー汚れを消色することが出来る。
(第4の実施形態)
【0044】
第4の実施形態では、ユーザ或いは管理者が予め設定した時刻にトナー汚れを消色する。ユーザ或いは管理者は、トナー汚れを消色する日や曜日、時刻を予約時間として設定する。設定方法については、第2の実施形態における閾値の設定方法と同様に、画像形成装置10或いはユーザ端末から行う。予約時間は、例えば、「毎月○○日の△△時」や「毎週□曜日の△△時」と指定する。ただし、この予約時間は時刻に限られるものではなく、「毎月○○日のシャットダウン時」と設定しても良い。
【0045】
設定された予約時間になると、制御部100は、前述の第2のモードを行う。
【0046】
上述した第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られると共に、予約時間を比較的使用頻度の少ない夜やシャットダウン時などに設定しておくことで、定着部が消色温度から定着温度へ降温するまでに生じるユーザに対する待ち時間を解消できる。
【0047】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、加熱ローラの表面温度を消色温度まで加熱することで、剥離爪を始めとする加熱ローラに当接する部材に付着したトナー汚れを消色することができる。消色したトナー汚れは、加熱ローラを介してシートに転移しても、視認性が低いため、画像欠陥として見なされ難い。そのため、トナー汚れがシートに転移すると、実質的にクリーニングを行った時と同様の効果を得ることができ、なおかつトナー汚れが付着したシートも通常のシートと同様に使用することができる。
【0048】
尚、制御部が加熱ローラの表面温度を消色温度まで上昇させるタイミングは、第1の実施形態乃至第4の実施形態を自由に組み合わせても良い。例えば、通常は第4の実施形態に記したように、設定された時期に定期的なクリーニングを行う。しかし、短期間の内に大量の印刷を行った場合には、第2の実施形態や第3の実施形態に記した方法により、トナー汚れが定着部に蓄積し、シートに印字されてしまう前にクリーニングを行う。また、第1の実施形態と第3の実施形態を組み合わせることで、累積トナー使用量が第2の閾値を超えた場合、直後にクリーニングを行わなくとも、制御部が、画像形成装置の表示部やネットワークで繋がるユーザ端末の表示画面に第2のモードの実行を促す通知を行い、第2のモードの実施については、第1の実施形態で示した方法により、ユーザのタイミングに任せても良い。他の例としては、第2の実施形態と第4の実施形態を組み合わせることで、累積印刷枚数が閾値を超えた日の夜中に第2のモードを行うよう設定しても良い。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。