特許第5747011号(P5747011)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747011
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   G03G15/16 103
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-236201(P2012-236201)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2014-85606(P2014-85606A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2013年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】100165261
【弁理士】
【氏名又は名称】登原 究
(74)【代理人】
【識別番号】100194076
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】大塚 拓也
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−191597(JP,A)
【文献】 特開2002−162880(JP,A)
【文献】 特開平11−296038(JP,A)
【文献】 特開2007−041582(JP,A)
【文献】 特開平11−305620(JP,A)
【文献】 特開2008−145826(JP,A)
【文献】 特開平05−181396(JP,A)
【文献】 特開2001−092323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにトナー像を転写する転写ローラと、
前記転写ローラと離間して設けられており、前記転写ローラに付着した付着物を収容する収容部と、
一端が前記転写ローラに当接し、他端は前記収納部に当接しかつ前記収容部へ向かって前記一端よりも下方に設けられ、前記転写ローラ表面の付着物を取り除き、前記収容部へ前記付着物を搬送するよう前記収容部と前記転写ローラ間に設けられたブレードと、
前記収容部に設けられ、前記付着物のうち回収物質を通す孔を有し、前記回収物質と異物とに分別するフィルタと、
前記フィルタで分別された前記回収物質を搬送するオーガと、
前記収容部の揺動動作を行う揺動機構と、
前記フィルタ上の異物の蓄積量が、前記フィルタの交換が必要な基準量に達しているか否かを検知する検知部と、
表示部と、
印刷処理の終了後に、印刷ジョブを受け入れないようにした後、前記揺動機構を介して前記収容部の揺動を行い、前記検知部による検知結果から前記フィルタ上の異物の蓄積量が前記基準量に達していると判断した場合、前記収容部の揺動の終了後に前記表示部に前記フィルタの交換を促す通知を表示し、印刷ジョブを受け入れるよう制御する制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、印刷処理の終了後に、前記検知部による検知結果から、前記フィルタ上の異物の蓄積量が前記基準量に達していると判断した場合に、前記揺動動作を行う、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写ローラと対向する対向部をさらに有し、
前記揺動機構は、前記転写ローラと前記対向部とが当接する当接状態、及び前記転写ローラと前記対向部とが離間する離間状態の何れかの状態に切り替える当接離間機構である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体である感光体上への露光により静電潜像を形成し、静電潜像に現像材であるトナーを付着させることでトナー像を得る。画像形成装置は、転写ローラを介してシートにトナー像を転写し、定着した後にシートを排紙する。
【0003】
上記の画像形成装置では、感光体や転写ローラの表面に、トナーが残留したり、紙粉が付着したりすることがあり、これらのトナーや紙粉はシートに転移すると画像欠陥となる。
【0004】
そこで感光体や転写ローラにはクリーニング部材が当接され、クリーニング部材により取り除かれたトナーや紙粉は、オーガにより廃棄ボトルへ搬送される。
【0005】
しかしながら、前記クリーニング部材が取り除くものの中には毛埃等の異物が混在することがあり、この異物がオーガに絡みつくことで、オーガの搬送性能の低下やオーガを駆動させるモータのロックを引き起こしてしまうといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4167776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、転写ローラのクリーニング部材により取り除かれた異物が、オーガの性能低下やオーガモータのロックを引き起こしてしまうことを防止する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における画像形成装置は、シートにトナー像を転写する転写ローラと、前記転写ローラと離間して設けられており、前記転写ローラに付着した付着物を収容する収容部と、一端が前記転写ローラに当接し、他端は前記収納部に当接しかつ前記収容部へ向かって前記一端よりも下方に設けられ、前記転写ローラ表面の付着物を取り除き、前記収容部へ前記付着物を搬送するよう前記収容部と前記転写ローラ間に設けられたブレードと、前記収容部に設けられ、前記付着物のうち回収物質を通す孔を有し、前記回収物質と異物とに分別するフィルタと、前記フィルタで分別された前記回収物質を搬送するオーガと、前記収容部の揺動動作を行う揺動機構と、前記フィルタ上の異物の蓄積量が、前記フィルタの交換が必要な基準量に達しているか否かを検知する検知部と、表示部と、印刷処理の終了後に、印刷ジョブを受け入れないようにした後、前記揺動機構を介して前記収容部の揺動を行い、前記検知部による検知結果から前記フィルタ上の異物の蓄積量が前記基準量に達していると判断した場合、前記収容部の揺動の終了後に前記表示部に前記フィルタの交換を促す通知を表示し、印刷ジョブを受け入れるよう制御する制御部と、を備える画像形成装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す制御ブロック図。
図2】第1の実施形態における画像形成装置の断面図。
図3】第1の実施形態における転写部の断面図。
図4】第1の実施形態における収容部の斜視図。
図5】第1の実施形態におけるフィルタの孔の形状を示す平面図。
図6】第1の実施形態における制御フローチャート。
図7】第2の実施形態における転写部の断面図。
図8】第2の実施形態における制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
【0011】
第1の実施形態の画像形成装置は、2次転写ローラ表面から取り除かれた付着物を収容する収容部にフィルタを設ける。このフィルタは、後段に設けられるオーガに絡まる異物を通さない。収容部を揺動する揺動機構は、フィルタの目詰まりを防止し、フィルタ上に蓄積される異物を均す。
【0012】
図1は、第1の実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。画像形成装置10は、制御部100、給紙部120、スキャナ部140、画像形成部180、転写部200、定着部260、検知部270、ドライバ280、操作部290、及び通信インターフェース(I/F)部300を有する。各部は、それぞれバス340を介して接続される。
【0013】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)或いはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ102、メモリ104及び記憶装置110を有する。メモリ104は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)106と、プロセッサ102に一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)108を有する。記憶装置110は、印刷処理を行う印刷データを一時的に保存する。記憶装置110は、例えば、ハードディスクドライブやその他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリ等の半導体記憶装置又はこれらの任意の組み合わせであって良い。制御部100は、ROM106或いは記憶装置110に格納された各種プログラム等に基づいて、各部を制御する。
【0014】
給紙部120は、載置されるシートを画像形成部180へ搬送する。スキャナ部140は、セットされた原稿の画像を読み取る。画像形成部180は、スキャナ部140で読み取った画像や、通信I/F部300で受信した印刷データに基づいた画像からトナー像を形成する。転写部200は、画像形成部180が形成したトナー像をシートへ転写する。定着部260は、転写部200から搬送されてくるトナー像が形成されたシートに対して加熱定着を行う。検知部270は、検知結果を制御部100へ伝える。ドライバ280は、制御部100の指示に従い、例えば、後述するオーガ216や揺動機構226、及び当接離間機構236の駆動機構を駆動させる。操作部290は、ユーザからの入力を受け付ける。
【0015】
通信I/F部300は、例えばPC(Personal Computer)や印刷サーバ等といった外部のユーザ端末とネットワークを介して接続するインターフェースである。通信I/F部300は、例えばBluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE1284等の適切な無線又は有線のインターフェースを含む。通信I/F部300は、さらに、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインタフェース等を含んでも良い。制御部100は、通信I/F部300を介してユーザ端末やUSBデバイス、その他外部機器と通信する。通信I/F部300は、例えば、ユーザ端末から印刷データを受信する。
【0016】
図2は、本実施形態における画像形成装置10の断面図である。画像形成装置10は、給紙部120、スキャナ部140、画像形成部180、転写部200、定着部260、操作部290、反転部310、及び排紙部330を有する。
【0017】
給紙部120は、カセット部122、手差し部124、ピックアップローラ126、給紙ローラ対128を有する。カセット部122と手差し部124は、それぞれ複数のシートを収容することが可能である。カセット部122は、複数設けても良い。カセット部122或いは手差し部124に載置されるシートは、ピックアップローラ126により1枚ずつ取り出され、給紙ローラ対128によって画像形成部180へ搬送される。
【0018】
スキャナ部140は、キャリッジ142、複数の第2反射ミラー148、レンズブロック150、CCD(Charge Coupled Device)センサ152、原稿台154、及び自動原稿送り装置(ADF、Auto Document Feeder)156を有する。キャリッジ142は、原稿に露光する露光ランプ144と第1反射ミラー146を有する。複数の第2反射ミラー148は、画像形成装置10の本体フレームに係止される。ADF156は、給紙トレイ158と排紙トレイ160を有する。ADF156は、原稿台154上に開閉自在に設けられる。ADF156は、原稿を1枚ずつ給紙トレイ158から取り出し、原稿画像を読み取った後に、排紙トレイ160へ排紙する。一方で、ADF156を開けて、原稿台154の上に原稿を載置した状態で原稿画像を読み取らせても良い。
【0019】
スキャナ部140がADF156で原稿を読み取る場合には、キャリッジ142は原稿読取位置に静止する。一方、スキャナ部140が原稿台154に載置される原稿を読み取る場合には、キャリッジ142は原稿台154の下を主走査方向に往復移動する。それぞれの場合においても、露光ランプ144を原稿に照射することによる反射光を第1反射ミラー146に反射させる。複数の第2反射ミラー148は第1反射ミラー146からの反射光をレンズブロック150に反射させる。レンズブロック150は第2反射ミラー148からの反射光をCCDセンサ152に出力する。CCDセンサ152はレンズブロック150からの反射光を電気信号に変換して画像信号として画像形成部180に出力する。
【0020】
画像形成部180は、イエローY、マゼンダM、シアンC、及びブラックKごとに、トナーカートリッジ182と、レーザ照射ユニット184と、像担持体である感光体186と、現像ユニット188とを備える。図2ではイエローYの構成のみに符号を付り、例示として、イエローYの構成について述べる。トナーカートリッジ182は、現像ユニット188に現像剤であるトナーを供給する。レーザ照射ユニット184は、スキャナ部140や通信I/F部300で取得した画像に基づいた画像データをレーザ光に変換する。レーザ照射ユニット184は、レーザ光を感光体186に照射することで、感光体186の上に静電潜像を形成する。現像ユニット188は、トナーを感光体186に供給し、静電潜像からトナー像を形成する。尚、他のマゼンタM、シアンC、ブラックKもイエローYと同様の構成をとる。
【0021】
尚、第1の実施形態の画像形成部180は、上記の構成に限られるものではなく、モノクロ画像を形成するためにトナーカートリッジ182等を単一に構成されていても良い。
【0022】
定着部260は、加熱ローラ262と加圧ローラ264を備える。加熱ローラ262と加圧ローラ264は、加圧ローラ264の加圧機構により、加圧ローラ264を加圧ローラ162へ圧接することでニップ部を形成する。加熱ローラ262は、後述する転写部200によりトナー像が形成されたシートを、ニップ部で加熱定着する。
【0023】
反転部310は、両面印刷時の搬送路である。両面印刷時には、定着部260で表面に画像を加熱定着されたシートは、排紙ローラ対320の方向へ搬送され、シートの搬送方向後端部が分岐点を通過した後に、シートの搬送方向後端部から反転部310に搬送され、定着部260で裏面に画像を加熱定着された後に排紙ローラ対320へと搬送される。
【0024】
排紙部330は、排紙ローラ対320によって排紙されるシートを収容する。
【0025】
操作部290は、各種の操作キーとタッチパネル式の表示部292を有する。操作キーは、例えば、テンキー、リセットキー、ストップキー、スタートキー等を有する。表示部292は、例えば、シートサイズ、コピー枚数、印刷濃度設定、あるいは仕上げ(綴じ、折り)等の印刷条件に関する指示項目を表示する。表示された項目に対するユーザからの指示は、各種操作キー或いは表示部292から入力される。
【0026】
図3は、第1の実施形態における転写部200の断面図である。転写部200は、転写ベルト202と、2次転写ユニット204と、2次転写対向ローラ220と、前述したイエローY、マゼンダM、シアンC、及びブラックKごとに1次転写ユニット222Y、222M、222C、222K(以下222とする)とを備える。1次転写ユニット222は、感光体186に形成されたトナー像を転写ベルト202へ転写する。転写ベルト202は、駆動ローラ250とガイドローラ252、254、及び2次転写対向ローラ220に張架する。駆動ローラ250の回転に伴い、ガイドローラ252、254、2次転写ローラ220、及び転写ローラ202が回転する。転写ベルト202は、1次転写ユニット222で転写されたトナー像を2次転写ユニット204へ搬送する。2次転写対向ローラ220は、転写ベルト202を挟んで、2次転写ローラ206に対向して位置する。ここでは、2次転写対向ローラ220及び転写ベルト202を対向部258とする。
【0027】
2次転写ユニット204は、2次転写ローラ206、ブレード(クリーニング部材)210、及び収容部212を有する。2次転写ローラ(転写ローラ)206は、対向部258とニップ部224を形成し、ニップ部224を通過するシートに対して転写ベルト202に形成されたトナー像を転写する。
【0028】
ブレード210は、2次転写ローラ206の長手方向に沿って設けられ、先端が2次転写ローラ206の表面に当接する。ブレード210は、例えば、ゴム、金属、又は各種プラスチック等を材料とする。ブレード210は、2次転写ローラ206の回転により、2次転写ローラ206表面の付着物を取り除き、収容部212へ搬送する。ここでは、クリーニング部材をブレード210により説明しているが、これに限るものではなく、ブラシで掻き取るようにしても良い。
【0029】
収容部212は、フィルタ214と、オーガ216と、検知部270とを有する。フィルタ214は、ブレード210が取り除いた付着物を、フィルタ214を通過する回収物質とフィルタを通過しない異物に分別する。オーガ216は、回収物質を廃棄ボトルへ搬送、又はトナーを再利用するための再利用機構へ搬送する。回収物質は、例えば、残留トナーや紙粉である。異物は、例えば、毛埃である。
【0030】
収容部212には、揺動機構226が当接される。揺動機構226は、後述する所定の場合に収容部212を揺動させることにより、フィルタ214の目詰まりを防止すると共に、フィルタ214に蓄積される異物を均す。揺動機構226は、例えば、収容部212に当接する弾性体228と、弾性体228を駆動するためのモータを備える駆動機構230を有する。弾性体228は、例えばバネである。
【0031】
図4は、第1の実施形態における収容部212の斜視図である。フィルタ214は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート、Polyethylene Terephthalate)を材料とする。フィルタ214の孔の形状は一に限定されるものではなく、図5の(a)から(d)に例示するように種々の形状に形成されて良い。図5の(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ孔が四角形、六角形、三角形、円に形成されたフィルタ214である。しかしながら、(c)の三角形のように、鋭角を有する形状は目詰まりの原因となりやすい。また、(d)の円の場合では、孔同士の隙間の面積が大きくなってしまうことで、回収物質が隙間に蓄積しやすくなり、効率的にオーガ216へ搬送されない。このため孔の形状は、例えば、図5(a)に示す四角形や図5(b)に示す六角形が望ましい。フィルタ214の孔の大きさは、回収物質を通し、異物を通さない大きさである。孔の大きさは、例えば、孔の形状が(a)の四角形の場合に略3mm×7mmである。他の形状の場合も四角形の場合の孔の大きさに準ずる。図5では、孔の形状を四角形、六角形、三角形、円で説明しているが、例えば、五角形や八角形であっても良い。
【0032】
オーガ216は、フィルタ214よりも回収物質の搬送方向下流に設けられ、フィルタ214を通過した回収物質を廃棄ボトルへ搬送、又はトナーを再利用するための再利用機構へ搬送する。オーガ216は、収容部212の長手方向に沿った軸部と、この軸部周りに螺旋状の羽根を有する。オーガ216は、モータを有する駆動機構により、軸部が回転することで羽根が回収物質を搬送する。
【0033】
検知部270は、フィルタ214の上面に蓄積される異物がフィルタ214の交換を必要とする基準量に達しているか否かを検知する。検知部270は、例えば、マイクロセンサやマイクロアクチュエータである。検知部270による検知結果は、制御部100へ伝えられる。
【0034】
次に第1の実施形態の揺動動作の制御を説明する。図6は、第1の実施形態における制御フローチャートである。制御部100は、印刷ジョブの印刷処理を行う(ACT601)。印刷ジョブは、例えば、通信I/F部300から取得した印刷ジョブや操作部290を介してユーザから印刷指示を受けたコピージョブ等である。印刷処理により2次転写ローラ206が回転することで、ブレード210は2次転写ローラ206の表面の付着物を取り除く。印刷が終了すると、制御部100は、第1の検知を行う(ACT602)。第1の検知は、検知部270によりフィルタ214の上面に蓄積される異物の量を検知する。制御部100は、検知結果が基準量に達しているか否かの判断を行う。異物の蓄積量が基準量に達していない場合(ACT603、No)、制御部100は処理を終了し、印刷ジョブを受け入れる待機状態へと移る。一方で異物の蓄積量が基準量に達している場合(ACT603、Yes)、制御部100は、揺動機構226により収容部212の揺動動作を行う(ACT604)。揺動動作は、まず駆動機構230が弾性体228を収縮させることで、収容部212を2次転写ユニット204から離間させる。次に駆動機構230が弾性体228の収縮を解除させることで、収容部212は元の位置へ当接する。以上の往復動作により揺動動作が行われる。揺動動作が終了すると、制御部100は第2の検知を行う(ACT605)。第2の検知は、第1の検知と同様に、検知部270によりフィルタ214の上面に蓄積される異物が第1の検知と同様の基準量に達しているか否かの検知を行う。第2の検知は、収容部212の揺動動作後に、フィルタ交換が必要な異物の蓄積量であるか否かの判断を行うための検知である。異物の蓄積量が基準量に達していない場合(ACT606、No)、制御部100は処理を終了し、印刷ジョブを受け入れる待機状態へと移る。一方で異物の蓄積量が基準量に達している場合(ACT606、Yes)、制御部100は、フィルタ214の交換をユーザに促す通知を表示部292に表示し(ACT607)、印刷ジョブを受け入れる待機状態へと移る。
【0035】
尚、揺動動作は上記に限るものではなく、収容部212を揺動するものであれば良い。例えば、1回の揺動動作は1往復動作に限らず、複数回に渡り往復動作を行っても良い。揺動動作の向きについても、上下方向や収容部212の長手方向に揺動しても良い。
【0036】
また、制御部100は、異物の蓄積量が基準量に達しているか否かの判断を行わず、印刷処理後に収容部212の揺動動作を行い、揺動動作の終了後に待機状態へ移行しても良い。
【0037】
上述した第1の実施形態によれば、収容部にフィルタを設け、異物をフィルタに留めることで、オーガに異物が絡まることを防ぐ。すなわちオーガの搬送性能の低下や、オーガを駆動させるモータのロックを防ぐ。
【0038】
また、フィルタ上面に蓄積される異物を検知部が検知し、異物の蓄積量に応じて揺動機構による収容部に揺動動作を行うことにより、定期的にフィルタの目詰まりを解消する。収容部の揺動動作は、フィルタ上面に蓄積される異物を均す効果もあるため、検知部が異物の蓄積量を正確に検知し、制御部は適切なタイミングで表示部にフィルタ交換の通知を行う。
(第2の実施形態)
【0039】
第2の実施形態における画像形成装置は、第1の実施形態における揺動動作を2次転写ローラの当接離間機構によって行う。図中、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0040】
第2の実施形態における画像形成装置10を説明する。図7は、第2の実施形態における転写部200の断面図である。転写部200は、揺動機構226に代わり当接離間機構236を備える。当接離間機構236は、2次転写ユニット204に当接する弾性体238と、弾性体238を駆動するモータを備える駆動機構240を有する。弾性体238は、例えばバネである。
【0041】
当接離間機構236は、2次転写ユニット204の動作を通じて2次転写ローラ206を転写ベルト202へ当接離間させる。当接離間機構236は、例えば、駆動機構240による弾性体238の伸縮を行わない状態において、2次転写ローラ206は転写ベルト202に当接する当接状態にある。当接状態から、2次転写ローラ206が転写ベルト202から離間した離間状態へ移行させる場合、駆動機構240により弾性体238を収縮させる。弾性体238を収縮させることにより、2次転写ユニット204が当接離間機構236側へ引っ張られることで、2次転写ローラ206は転写ベルト202から離間する。
【0042】
2次転写ローラ206は、制御部100が印刷ジョブの印刷要求を受け入れる待機状態である場合、離間状態であり、印刷時に当接状態となる。この当接離間動作により、2次転写ローラ206と転写ベルト202が当接する時間を短縮することで、転写ベルト202を介して2次転写ローラ206に汚れが転移することを防ぐ。
【0043】
尚、制御部100が印刷ジョブの印刷要求を受け入れる待機状態において、2次転写ユニット204は転写ベルト202から離間した状態である。
【0044】
尚、当接離間機構236は上記構成に限るものではない。2次転写ローラ206が転写ベルト202とブレード210や収容部212を有するクリーナ部材とに当接離間するように構成された機構でも良い。この場合、2次転写ローラ206がクリーナ部材に当接する際の衝撃により、収容部212が揺動される。
【0045】
次に第2の実施形態の当接離間機構236の制御を説明する。図8は、第2の実施形態における制御フローチャートである。
【0046】
制御部100は、印刷ジョブの印刷要求を取得する(ACT801)。印刷ジョブは、例えば、通信I/F部300から取得した印刷ジョブや操作部290を介してユーザから印刷指示を受けたコピージョブ等である。印刷要求を取得した制御部100は、2次転写ローラ206の当接動作を行う(ACT802)。制御部100は、駆動機構240による弾性体238の収縮を解除させることで2次転写ローラ206を転写ベルト204に当接させる。2次転写ローラ206が転写ベルト204に当接した状態において、制御部100は印刷処理を行う(ACT803)。印刷処理により2次転写ローラ206が回転することで、ブレード210は2次転写ローラ206の表面の付着物を取り除く。印刷が終了すると制御部100は、2次転写ローラ206の離間動作を行う(ACT804)。制御部100は、駆動機構240を介して弾性体238を収縮させることで2次転写ローラ206を転写ベルト202から離間させる。次に制御部100は、検知部270による検知を行う(ACT805)。検知部270は、フィルタ214の上面に蓄積される異物の量を検知する。制御部100は、検知結果が基準量に達しているか否かの判断を行う。異物の蓄積量が基準量に達していない場合(ACT806、No)、制御部100は処理を終了し、印刷ジョブを受け入れる待機状態へと移る。一方で異物の蓄積量が基準量に達している場合(ACT806、Yes)、制御部100は、フィルタ214の交換をユーザに促す通知を表示部292に表示し(ACT807)、印刷ジョブを受け入れる待機状態へと移る。
【0047】
上述した第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、収容部にフィルタを設け、異物をフィルタに留めることで、オーガに異物が絡まることを防ぐため、オーガの搬送性能の低下や、オーガを駆動させるモータのロックを防ぐ。また、2次転写ユニットの当接離間機構が収容部の揺動動作を行うことで、新たな機構や制御を少なくする。
【0048】
尚、2次転写ユニットの離間動作を行うACT804のタイミングは上記に限るものではなく、ACT803の終了後であり、制御部が待機状態へと移行するまでの間であればいつでも良い。
【0049】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、収容部にフィルタを設けることで、フィルタの下流に設けられるオーガに異物が混入することがないので、異物がオーガに絡まることによるオーガの搬送性能の低下及びオーガのモータのロックを防ぐ。
【0050】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上記揺動機構や当接離間機構の駆動方法は、上記実施形態の弾性体以外に、ソレノイド、ラックとピニオン、及びカム等を用いても良い。上記実施形態で用いられるブレード、収容部、揺動機構、及び当接離間機構は、2次転写ローラのみに適用されるものではなく、例えば、感光体や転写ベルトに対して適用しても良い。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10…画像形成装置
100…制御部
200…転写部
202…転写ベルト
204…2次転写ユニット
206…2次転写ローラ
210…ブレード
212…収容部
214…フィルタ
216…オーガ
226…揺動機構
228…弾性体
230…駆動機構
236…当接離間機構
238…弾性体
240…駆動機構
258…対向部
270…検知部
292…表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8