(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
<ガスセンサの構成>
図1は、本実施の形態において組立の対象となるガスセンサ(より詳細には、その本体部)1の外観斜視図である。
図2は、係るガスセンサ1の内部の主要構成を示す部分断面図である。本実施の形態において、ガスセンサ1とは、その内部に備わるセンサ素子10(
図2)によって所定のガス成分(例えば、NOx等)を検出するためのものである。
【0026】
なお、センサ素子10は、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性固体電解質セラミックスからなる素子体を主たる構成材料とする長尺の柱状あるいは薄板状の部材である。センサ素子10は、第1先端部10aの側にガス導入口や内部空所などを備えるとともに、素子体表面および内部に種々の電極や配線パターンを備えた構成を有する。センサ素子10においては、内部空所に導入された被検ガスが内部空所内で還元ないしは分解されて酸素イオンが発生する。ガスセンサ1においては、素子内部を流れる酸素イオンの量が被検ガス中における当該ガス成分の濃度に比例することに基づいて、係るガス成分の濃度が求められる。なお、
図2において正面を向いている面をセンサ素子10の主面S1と称し、この主面S1と垂直でかつ長手方向に沿う面を側面S2と称する。
【0027】
ガスセンサ1の外側は、主として、第1カバー2と、固定ボルト3と、第2カバー4とから構成される。
【0028】
第1カバー2は、センサ素子10のうち、使用時に被検ガスに直接に接触する部分、具体的には、ガス導入口11や閉空間12(緩衝空間12a、第1内部空所12b、第2内部空所12c)などが備わる第1先端部10aを保護する、略円筒状の外装部材である。なお、
図2および以降の図面においては、理解の助けのために、ガス導入口11および閉空間12(緩衝空間12a、第1内部空所12b、第2内部空所12c)が主面S1に形成されているように示しているが、実際には、これらの部位は、主面S1において露出しているわけではなく、ガス導入口11がセンサ素子10の
図2における最下端部に開口しているのを除き、それぞれ、センサ素子10の内部に設けられてなる。
【0029】
また、より詳細には、第1カバー2は、外側カバー2aと内側カバー(図示省略)との2層構造となっている。外側カバー2aと内側カバーは、それぞれ、一方側が有底の円筒状をしているとともに、側面部分に気体が通過可能な複数の貫通孔が設けられてなる。なお、
図1には、外側カバー2aに設けられた貫通孔H1を例示しているが、これはあくまで例示であって、貫通孔の配置位置および配置個数は、第1カバー2の内部への被測定ガスの流入態様を考慮して適宜に定められてよい。
【0030】
固定ボルト3は、ガスセンサ1を測定位置に固定する際に用いられる環状の部材である。固定ボルト3は、ねじ切りがされたボルト部3aと、ボルト部3aを螺合する際に保持される保持部3bとを備えている。ボルト部3aは、ガスセンサ1の取り付け位置に設けられたナットと螺合する。例えば、自動車の排気管に設けられたナット部にボルト部3aが螺合されることで、ガスセンサ1は、第1カバー2の側が排気管内に露出する態様にて該排気管に固定される。
【0031】
第2カバー4は、ガスセンサ1の他の部位を保護する円筒状部材である。第2カバー4の端部からは、ガスセンサ1と図示しない駆動制御部とを電気的に接続するためのケーブルCが延在している。
【0032】
図2は、ガスセンサ1の内部構成、より具体的には、ガスセンサ1から、
図1に示した第1カバー2と、固定ボルト3と、第2カバー4とを除いた構成を示している。
【0033】
図2に示すように、ガスセンサ1の内部においては、センサ素子10のうち、ガス導入口11等が備わる第1先端部10aとケーブルCとの接続端子13などが備わる第2先端部10bとを除く部分に、ワッシャー7と、3つのセラミックサポータ8(8a、8b、8c)と、2つの圧粉体9(9a、9b)とが、それぞれ、センサ素子10が軸中心に位置する態様にて環装されている。セラミックサポータ8は、セラミックス製の碍子である。一方、圧粉体9は、タルクなどのセラミックス粉末を成型したものである。
【0034】
以降の説明においては、センサ素子10にワッシャー7とセラミックサポータ8と圧粉体9とが環装された構成のものを中間組立品20と称する。
図3は、中間組立品20の組立手順を概略的に示す図である。
【0035】
図3に示すように、中間組立品20は、概略、センサ素子10に対して、ワッシャー7、セラミックサポータ8a、圧粉体9a、セラミックサポータ8b、圧粉体9b、セラミックサポータ8cをこの順に環装することによって組み立てられる。各部材は円板状または円柱状をなしているが、係る環装を実現するため、ワッシャー7の軸中心位置には、円形状の貫通孔7hが設けられており、セラミックサポータ8a、圧粉体9a、セラミックサポータ8b、圧粉体9b、セラミックサポータ8cにはそれぞれ、センサ素子10の断面形状に応じた矩形状の貫通孔8ah、9ah、8bh、9bh、8chが設けられている。これらの貫通孔が、センサ素子10と嵌め合わされることで、各部材がセンサ素子10に環装される。なお、セラミックサポータ8cの貫通孔8chと反対側の部分は、貫通孔8chよりも大きな開口を有する開口部8ch’となっている。また、中間組立品20において、ワッシャー7と、セラミックサポータ8と、圧粉体9とは、同軸に配置される。
【0036】
なお、気密性の確保の観点から、セラミックサポータ8の貫通孔と圧粉体9の貫通孔とは、センサ素子10の設計上の断面サイズとの差が0.25mm〜0.35mmであるように、そして、寸法公差が0.1mmであるように構成される。一方、ワッシャー7の貫通孔7hは、センサ素子10の設計上の断面サイズとの差が最低でも1mm以上1.3mm以下であるように設けられる。また、ワッシャー7と、セラミックサポータ8と、圧粉体9とは、外径の値の差が最大でも0.35mm程度に収まるように構成されてなる。
【0037】
また、中間組立品20には、
図2に示すように、セラミック製の円筒状部材であるハウジング5と金属製の円筒状部材である内筒6とが一体となった円筒状の筒状体(内筒溶接品)30が環装されてなる。以降の説明においては、中間組立品20に対し筒状体30が環装された構成のものを組立完成品40と称する。
図4は、組立完成品40を得るために、中間組立品20を筒状体30に嵌合する様子を示す図である。
【0038】
筒状体30は、内筒6の一端部に備わる、外側へと屈曲する屈曲部6aが、ハウジング5の端面5sに溶接されることで、一体に構成されてなる。また、ハウジング5と内筒6とは、略同じ内径を有するとともに、同軸に接続されてなる。なお、筒状体30の内径D1は、中間組立品20の最大外径の設計値D2よりも大きく設定されている。
【0039】
図4に示すように中間組立品20を筒状体30に嵌合することによって組立完成品40を得た後、筒状体30の内部の中間組立品20に対して圧粉体9a、9bを圧縮させる方向に外力を加えることによって、組立完成品40の内部においては、センサ素子10のガス導入口11等が備わる第1先端部10a側とケーブルCとの接続端子13などが備わる第2先端部10bとの間が封止される。これにより、被測定ガス空間と基準ガス空間との間の気密性が確保される。
【0040】
また、組立完成品40が第1カバー2、固定ボルト3、および第2カバー4にて被覆されたものが、ガスセンサ1である。具体的には、ハウジング5の先端の筒状部5aには、第1カバー2が接続される。また、ハウジング5の外周には、突起部5bと接触する態様にて固定ボルト3が環装される。さらに、係る環装によって形成される、固定ボルト3とハウジング5との間の環状の溝部に嵌め込む態様にて、第2カバー4が取り付けられる。
【0041】
以上のような構成を有することで、ガスセンサ1では、所定位置に取り付けられた状態において、センサ素子10の第1先端部10aの周りの雰囲気(第1カバー2内の雰囲気)と外部の雰囲気とが完全に遮断されるようになっており、これにより、被検ガス中における対象ガス成分の濃度を精度良く測定できるようになっている。
【0042】
<センサ素子の反りと従来の組立工程の問題点>
図2ないし
図4においては、説明の簡単のために、センサ素子10の反りを無視しているが、実際のセンサ素子10には、その作製プロセスに起因して、わずかな反りがある。具体的には、センサ素子10は、セラミックス粉末と有機物との混合物であるスラリーを所定のフィルム上に塗布しその後乾燥させたうえで、所定のサイズにカットしたセラミックグリーンシートを複数枚用意し、必要に応じてそれぞれのセラミックグリーンシートにスクリーン印刷等によって所定の配線パターンを形成したり、あるいはキャビティを形成したうえでそれらを積層し、積層体をカットしたうえで焼成することで作製される。この焼成時の収縮に伴って、センサ素子10には反りが生じる。反り抑制のために種々の対策が施されたとしても、全てのセンサ素子において反りを完全になくすことは、現実的には困難である。
【0043】
過度の反りは、センサ素子10の特性に影響を与えるため、そのような反りのあるセンサ素子10は、中間組立品20の組立工程(以下、これを第1組立工程と称する)に先立って除外される。ただし、反りがあったとしても所定の寸法公差内に収まっており、特性上問題がないセンサ素子10については、第1組立工程に供されるのが通常である。それゆえ、第1組立工程およびこれに引き続いて行う組立完成品40の組立工程(以下、これを第2組立工程と称する)においては、センサ素子10の反りを考慮した組立を行う必要がある。
【0044】
図5、
図6、および
図7は、従来の第1および第2組立工程の様子を模式的に示す図である。なお、
図5ないし
図7および以降の説明においては、センサ素子10の長手方向および厚み方向に一様に湾曲する態様での反りが生じる場合を対象とするが、センサ素子10の反りの態様はあくまで例示であって、実際のセンサ素子10において生じる反りの方向は、これらの組合せに限定されるものではない。また、センサ素子10の反りは、実際よりも誇張されている。
【0045】
図5は、従来の第1および第2組立工程におけるセンサ素子10の保持固定の様子を示している。
図5(a)は、センサ素子10を主面S1の側からみるようにした場合の図であり、
図5(b)は、センサ素子10を長手方向の側面S2の側からみるようにした場合の図である。
【0046】
図5に示すように、従来の手法では、保持台1050の上面から鉛直下方に向けて設けられた凹部1050aにセンサ素子10の第2先端部10bが挿入された後、たとえばクランプ機構などによって矢印AR1およびAR2にて示すように挟持されることにより、センサ素子10が凹部1050aにおいて保持固定される。係る保持固定の状態は、第2組立工程が完了するまで保たれる。
【0047】
この場合、センサ素子10に反りがあると、
図5に示すように、センサ素子10の第1先端部10aは、保持台1050に固定されている第2先端部10bの鉛直上方の位置からずれて位置する。
図5に示す場合においては、保持台1050から上方に向かうほど次第にセンサ素子10がずれている。
【0048】
図6は、従来の第1組立工程の組立途中の様子を示している。第1組立工程においては、
図5に示す態様にて固定されてなるセンサ素子10に対して、
図3に示したように、ワッシャー7、セラミックサポータ8a、圧粉体9a、セラミックサポータ8b、圧粉体9b、セラミックサポータ8cをこの順に第2先端部10bの側から環装することによって、中間組立品20が組み立てられる。
図6においては、それらの部材のうちセラミックサポータ8bを第1先端部10aの側から環装する際の様子を、センサ素子10を主面S1の側からみた場合を例示している。
【0049】
この場合、センサ素子10に反りがあるため、
図6(a)に示すように、センサ素子10の第1先端部10aは、一点鎖線L1で示すセンサ素子10の設計上の軸中心位置からずれている。そのため、セラミックサポータ8bの貫通孔8bhと第1先端部10aとを嵌め合うにあたっては、セラミックサポータ8bを、第1先端部10aの位置に合わせて位置決めする必要がある。場合によっては、第1先端部10aの向きに応じてセラミックサポータ8bの姿勢を調整する必要も生じる。すなわち、従来の第1組立工程の場合、位置決めの制御が複雑になる傾向がある。
【0050】
また、
図6(a)に示すように、セラミックサポータ8bの貫通孔8bhの内寸をw1とし、センサ素子10の主面S1における幅をw2としたとき、内寸w1は当然ながらセンサ素子10の幅w2よりも大きな値に設定されている。
【0051】
しかしながら、反りのあるセンサ素子10が水平方向において実際に占める最大幅をw3とするとき、w3の値が所定の寸法公差内に収まっていたとしても、w1との差が小さい場合には、
図6(b)に示すようにセラミックサポータ8bがセンサ素子10の途中で引っかかってしまい、良好に環装されない場合が起こり得る。
【0052】
これは、センサ素子10の側面S2の側でも同様に起こり得る。係る場合、セラミックサポータ8b本来の位置とは異なる高さ位置に留まってしまいその直前に環装された圧粉体9aとの間に必要以上の隙間が生じたり、あるいは、残りの部材が所定位置に環装されないなどの不具合が起こることになる。すなわち、第1組立工程が正常に完了できないことになる。
【0053】
ただし、
図6(c)に示すように、セラミックサポータ8bがいったんセンサ素子10の形状に倣って水平方向に傾いた状態で嵌め合わされれば、結果として、セラミックサポータ8bが本来の高さ位置に環装されることもあり得る。しかしながら、係る状態は常に実現されるわけではなく、偶発的に起こるに過ぎない。
【0054】
これらのことは、セラミックサポータ8bに限らず、他のセラミックサポータ8および圧粉体9についても同様にいえることである。特に、圧粉体9の場合は、脆いために、環装途中でセンサ素子10に引っかかると、その衝撃のために形が崩れてしまうという不具合も起こり得る。
【0055】
すなわち、従来の第1組立工程の場合、これらの部材とセンサ素子10の第1先端部10aとを嵌め合わせようとする際に、不具合が生じやすいという問題がある。また、反り形状が複雑な場合ほど、環装途中での部材の引っかかりは起こりやすい。
【0056】
一方、
図7は、センサ素子10には反りがあるものの、第1組立工程において全ての部材をセンサ素子10に環装できた場合に得られる中間組立品20を、模式的に示している。これには、環装の途中で
図6(c)に示すような部材の傾きが生じることがある場合も含まれる。なお、
図7(a)は、センサ素子10を主面S1の側からみるようにした場合の図であり、
図7(b)は、センサ素子10を長手方向の側面S2の側からみるようにした場合の図である。
【0057】
係る中間組立品20においては、
図7に示すように、環装された各部材が、センサ素子10の反り形状に倣って、水平方向に変位して位置することになる。
図7に示す場合においては、上方(第2先端部10bにより近い方)に配置される部材ほど、変位が大きい。
【0058】
係る場合、中間組立品20の設計上の外径をD2(
図4参照)とすると、部材の変位があるために、第2組立工程において筒状体30に嵌め合わせる際の中間組立品20の実質的な外径は、
図7に示すように、圧粉体9bのところではD2+d1となり、セラミックサポータ8cのところではD2+d2となる。内筒6(筒状体30)の内径D1は中間組立品20の外径の寸法誤差を考慮して、その設計値D2よりも大きく設定されるが、D2+d1やD2+d2の値がD1よりも大きいと、第2組立工程において中間組立品20と筒状体30とを嵌め合わせることはもはやできなくなる。
【0059】
以上のように、従来の場合、センサ素子10に反りがあると、
図6(b)や
図7に示すように、第1組立工程における中間組立品20あるいは第2組立工程における組立完成品40の組立が、好適に行えない場合が起こりやすい。すなわち、センサ素子10自体は不良品でないにもかかわらず、中間組立品20あるいは組立完成品40が不良品となってしまうことが起こりやすい。このことはガスセンサ1の製造歩留まりを引き下げる要因となっている。
【0060】
なお、係る問題は、一見すると、嵌め合わせに際しての各部材の寸法公差を大きく設定すれば、解消され得るようにも思える。しかしながら、このように設定した場合、環装自体が行えたとしても、センサ素子10と環装した各部材との隙間や中間組立品20と筒状体30との隙間が大きくなってしまうため、圧粉体9を圧縮することで気密封止を行ったとしても、充分に気密性が確保できないという問題が生じる。従って、寸法公差を大きくするという対応は、ガスセンサ1の性能確保という点で現実的ではない。
【0061】
<組立工程におけるセンサ素子の保持>
続いて、本実施の形態において実現される第1組立工程および第2組立工程を説明するに先立ち、これらの組立工程、特に第1組立工程におけるセンサ素子10の保持の仕方について説明する。
図8ないし
図10は、係るセンサ素子10の保持について説明する図である。
【0062】
図8は、本実施の形態において第1組立工程および第2組立工程に用いる保持台50の概略を示す平面図である。
図8(a)に示すように、保持台50には、センサ素子10が(より具体的にはその第2先端部10b側が)挿嵌される凹部50aが、上面側から鉛直下方に向けて設けられてなる。また、保持台50の内部には、鉛直方向に延在する挟持面51sを有し、かつ、図示しない作動機構によって凹部50aに挿嵌されたセンサ素子10の第2先端部10bの挟持と開放とを自在に行える第1クランプ51が設けられている。
図8(a)に示すのが第1クランプ51によってセンサ素子10が挟持されていない状態であり、
図8(b)に示すのが第1クランプ51によってセンサ素子10が挟持されている状態である。なお、第2先端部10b側が凹部50aに挿嵌されたのみであってクランプされていない状態においては、センサ素子10の姿勢は安定しておらず、がたつきが生じるものとなっている。
【0063】
なお、
図8においては、矢印AR3にて示すように、第1クランプ51がセンサ素子10の断面の対角線方向に進退自在に設けられている場合を例示しているが、第1クランプ51の具体的構成はこれに限られるものではない。
【0064】
図9および
図10は、第1組立工程におけるセンサ素子10の保持の様子を示している。本実施の形態においては、第1組立工程においてセンサ素子10を保持する手段として、上述した保持台50に備わる第1クランプ51に加えて、
図9および
図10に示す第2クランプ52を用いる。以降においては、第1クランプ51および後述する第2クランプ52がセンサ素子10を挟持することを、単に「クランプする」とも称する。
【0065】
図9(a)および
図10(a)は、第1クランプ51または第2クランプ52にクランプされているセンサ素子10を主面S1の側からみるようにした場合の図であり、
図9(
b)および
図10(b)は、係るセンサ素子10を長手方向の側面S2の側からみるようにした場合の図である。
【0066】
第2クランプ52は、センサ素子10の第2先端部10bが保持台50に挿入された際にセンサ素子10の第1先端部10aの近傍に位置するように、設けられればよい。なお、
図9および
図10においては図示を省略するが、第2クランプ52は所定の支持手段によって支持されており、鉛直方向に延在する挟持面52sを有し、かつ、図示しない作動機構によってセンサ素子10の第1先端部10aの挟持と開放とを自在に行えるようになっている。好ましくは、第2クランプ52は、鉛直方向に昇降自在に設けられる。なお、
図9および
図10では第2クランプ52が4つの部材に分かれているように図示されているが、その構成は限定されない。
【0067】
本実施の形態においては、原則として、第1クランプ51と第2クランプ52のいずれか一方でセンサ素子10をクランプするものとする。具体的には、
図9に示すように、第1クランプ51によって第2先端部10bをクランプする場合には、第2クランプ52を第1先端部10aから離間させる。これを下側クランプ状態(下側保持状態)と称することとする。一方、
図10に示すように、第2クランプ52によって第1先端部10aをクランプする場合には、第1クランプ51を第2先端部10bから離間させる。これを上側クランプ状態(上側保持状態)と称することとする。
【0068】
下側クランプ状態では、
図9に示すように、鉛直方向に延在する第1クランプ51の挟持面51sの間に挟まれることで、センサ素子10は、少なくとも第2先端部10bの近傍が鉛直方向に沿うように保持される。反りがあるセンサ素子10の場合は、第1先端部10aに近づくほど鉛直方向からずれていくように保持される。これは、
図5に示した従来の組立工程におけるセンサ素子10の保持の様子と同じである。
【0069】
一方、上側クランプ状態では、
図10に示すように、鉛直方向に延在する第2クランプ52の挟持面52sの間に挟まれることで、センサ素子10は、少なくとも第1先端部10aが鉛直方向に沿うように保持される。反りがあるセンサ素子10の場合は、第2先端部10bに近づくほど鉛直方向からずれていくように保持される。なお、センサ素子10が上側クランプ状態にあるとき、第2先端部10bは、保持台50に設けられた凹部50aの中に留まるという意味においては凹部50aに拘束されていることになるが、第1クランプ51による挟持は行われていないので、凹部50aにおいて保持固定されているわけではない。
【0070】
<第1組立工程の概要>
本実施の形態においては、上述した下側クランプ状態と上側クランプ状態とを所定のタイミングで切り替えることによって第1組立工程を行う。具体的にいえば、個々の部材の貫通孔をセンサ素子10の第1先端部10aに嵌め合わせようとする際には上側クランプ状態にてセンサ素子10を保持し、それぞれの部材が所定位置に配置される際には下側クランプ状態にセンサ素子10を保持する。
【0071】
図11は、センサ素子10への部材の環装の一例として、上側クランプ状態にあるセンサ素子10の第1先端部10aにセラミックサポータ8bの貫通孔8bhを嵌め合わせる際の様子を、センサ素子10を主面S1の側からみるようにした図である。
【0072】
上側クランプ状態とされることで、
図11に示すように、センサ素子10の第1先端部10aは鉛直方向に沿って配置されているので、一点鎖線L2で示す第1先端部10aの軸中心位置も延長方向と合致する。そのため、セラミックサポータ8bを嵌め合わせるにあたっては、セラミックサポータ8bの貫通孔8bhの軸中心が一点鎖線L2と合致するように、セラミックサポータ8bを配置すればよいことになる。係る場合、反りに応じてセラミックサポータ8bの姿勢を調整する必要も生じない。
【0073】
しかも、この場合、セラミックサポータ8bの水平方向における最大幅は、センサ素子10の主面S1における幅w2であるので、当該幅w2とセラミックサポータ8bの貫通孔8bhの内寸w1とが所定の寸法公差をみたしていれば、貫通孔8bhは第1先端部10aに嵌め合わされることになる。
【0074】
別の見方をすれば、
図6に例示した従来の組立工程とは異なり、センサ素子10の第1先端部10aが水平方向において実際に占める最大幅を大きく見積もる必要がないので、内寸w1と幅w2との寸法公差を従来よりも小さい値に抑えることができる。このことは、ガスセンサ1における気密性を向上させるうえでより効果的である。
【0075】
このようにして貫通孔8bhが第1先端部10aに嵌め合わされたら、センサ素子10の保持態様を上側クランプ状態から下側クランプ状態へと切り替える。
図12は、係るクランプ状態の切り替え途中の様子を示す概念図である。なお、
図12はあくまで概念図であって、センサ素子10の反りは誇張して示されており、実際には、セラミックサポータ8bは第2先端部10bに達することはない。
【0076】
センサ素子10に反りがある場合、この上側クランプ状態から下側クランプ状態への切替に伴うわずかな時間に、センサ素子10の姿勢が
図12(a)に示す上側クランプ状態から
図12(b)に示す中間状態を経て
図12(c)に示す下側クランプ状態へと変化する。これに伴って、センサ素子10の鉛直方向に沿う部分が、第1先端部10aから第2先端部10bへと遷移するが、係る遷移の方向は、第1先端部10aに嵌め合わされたセラミックサポータ8bの移動方向と合致する。それゆえ、セラミックサポータ8bは、概ね、その貫通孔8bhがセンサ素子10の鉛直方向に沿う部分に位置する状態を保ちながら下方に移動することになる。結果として、センサ素子10に反りがあったとしても、セラミックサポータ8bはスムーズに所定の環装位置に到達する。なお、センサ素子10の反りが小さいほど、上側クランプ状態と下側クランプ状態のいずれにおいてもセンサ素子10は鉛直方向により近い姿勢で保持されるので、嵌め合わされたセラミックサポータ8bは、途中で引っかかることなくよりスムーズに環装される。例えば、上側クランプ状態を解除した時点で直ちに所定の環装位置に達することもある。
【0077】
以上のことは、他のセラミックサポータ8および圧粉体9についても同様である。すなわち、本実施の形態においては、それぞれの部材の貫通孔を嵌め合わせようとする際にはセンサ素子10を
下側クランプ状態で保持し、部材が嵌め合わされた後は上側クランプ状態へと切り替えるようにすることで、センサ素子10とセラミックサポータ8および圧粉体
9との寸法公差を小さい値に抑えつつ、センサ素子10に対してセラミックサポータ8や圧粉体9を確実に環装して、中間組立品20を得ることができる。
【0078】
<第1組立工程の詳細>
次に、上述の原理に基づいて行う、本実施の形態における第1組立工程のより詳細な処理の流れについて説明する。なお、以降の説明においては、センサ素子10の反りは、係る上側クランプ状態が実現される程度の範囲内に留まるものとし、第1先端部10aの鉛直状態と凹部50aにおける第2先端部10bの拘束とが両立し得ないほどの反りがあるセンサ素子10については、対象外とする。
【0079】
図13ないし
図18は、第1組立工程の工程途中の様子を具体的に示す図である。なお、
図13ないし
図18においては、便宜上、センサ素子10は反りがないものとして図示しているが、実際には、上述したように、上側クランプ状態が実現できる範囲での反りは許容される。
【0080】
初めに、センサ素子10にワッシャー7を環装する。
図13は、ワッシャー7を環装する際の様子を示す図である。
【0081】
まずあらかじめ、
図13(a)に示すように、第2先端部10bを保持台50の凹部50aに挿入した状態で、センサ素子10を上側クランプ状態にて保持しておく。係る状態において、所定の搬送手段61によって、ワッシャー7を、貫通孔7hがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。なお、
図13(a)では搬送手段61がワッシャー7を下方から支持する態様にてワッシャー7を搬送する様子を例示しているが、ワッシャー7の搬送態様はこれに限られない。
【0082】
この状態から、搬送手段61を下降させる。そして、
図13(b)に示すように、貫通孔7hがセンサ素子10に嵌め合わされた時点で速やかに、搬送手段61を水平方向に退避させる。これにより、ワッシャー7は、
図13(c)に示すように、センサ素子10に案内される態様にてセンサ素子10を挟持している第2クランプ52の上へと落下する。
【0083】
続いて、この状態から、センサ素子10の保持態様を上側クランプ状態から下側クランプ状態に切り替える。すると、第2クランプ52によるセンサ素子10の挟持が解除されるのに伴い、ワッシャー7はセンサ素子10に案内される態様にて落下し、保持台50の上面50sにて静止する。
図13(d)は係る状態を示している。これにより、ワッシャー7がセンサ素子10に嵌め合わされたことになる。なお、ワッシャー7の貫通孔7hは通常、センサ素子10との引っかかりを心配する必要がない程度の大きさに設けられるので、ワッシャー7の環装は問題なく行われる。
【0084】
次に、セラミックサポータ8aを環装する。
図14は、セラミックサポータ8aを環装する際の様子を示す図である。
【0085】
まず、
図14(a)に示すように、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態から上側クランプ状態に切り替える。そして、所定の搬送手段62によって、セラミックサポータ8aを、貫通孔8ahがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。なお、
図14(a)では搬送手段
62がセラミックサポータ8aを側方から把持する態様にてセラミックサポータ8aを搬送する様子を例示しているが、セラミックサポータ8aの搬送態様はこれに限られない。
【0086】
この状態から、搬送手段62を下降させる。そして、
図14(b)に示すように、貫通孔8ahがセンサ素子10に嵌め合わされた時点で速やかに、搬送手段62を水平方向に退避させる。これにより、セラミックサポータ8aは、
図14(c)に示すように、センサ素子10に案内される態様にてセンサ素子10を挟持している第2クランプ52の上へと落下する。
【0087】
続いて、この状態から、センサ素子10の保持態様を上側クランプ状態から下側クランプ状態に切り替える。すると、第2クランプ52によるセンサ素子10の挟持が解除されるのに伴い、セラミックサポータ8aはセンサ素子10に案内される態様にて落下し、ワッシャー7の上に積み重なる態様にて静止する。
図14(d)は係る状態を示している。これにより、セラミックサポータ8aがセンサ素子10に環装されたことになる。
【0088】
次に、圧粉体9aを環装する。
図15は、圧粉体9aを環装する際の様子を示す図である。
【0089】
まず、
図15(a)に示すように、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態から上側クランプ状態に切り替える。そして、所定の搬送手段63によって、圧粉体9aを、貫通孔9ahがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。なお、圧粉体9aは脆いので、その搬送は、
図15(a)に示すように、搬送手段63によって上方から吸着固定させる態様にて行うのが好適である。ただし、圧粉体9aを壊すことなく搬送できるのであれば、他の搬送態様を採用するようにしてもよい。
【0090】
続いて、この状態から、搬送手段63を下降させ、
図15(b)に示すように、貫通孔9ahをセンサ素子10に嵌め合わせた状態で圧粉体9aを第2クランプ52の上に載置させる。圧粉体9aが第2クランプ52の上に載置されると、搬送手段63を速やかに退避させる。続いて、圧粉体9aが載置されている第2クランプ52をセンサ素子10に沿って降下させる。なお、センサ素子10に反りが生じていることを鑑み、係る降下に際しては、第2クランプ52によるセンサ素子10の挟持をわずかに弛めて、センサ素子10と第2クランプ52との摩擦の発生を抑制するのが好ましい。
【0091】
図15(c)に示すように、第2クランプ52がセラミックサポータ8aに近づいた時点で、第2クランプ52の降下を停止し、同時に、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態に切り替える。これにより、圧粉体9aはセンサ素子10に案内される態様にてセラミックサポータ8aまでの残りの距離を落下し、セラミックサポータ8aの上に積み重なる態様にて静止する。
図15(d)は係る状態を示している。これにより、圧粉体9aがセンサ素子10に環装されたことになる。なお、下側クランプ状態に切り替わる時点で、第2クランプ52は速やかに当初の位置に復帰する。
【0092】
なお、ワッシャー7やセラミックサポータ8aを環装する場合と異なり、圧粉体9aを環装する場合において第2クランプ52を降下させるのは、圧粉体9aの落下距離を少しでも短くすることで、圧粉体9aの破損をできるだけ抑制するためである。圧粉体9aを破損させることなく環装することができるのであれば、必ずしも係る態様を採用せずともよい。
【0093】
以降、セラミックサポータ8b、圧粉体9b、セラミックサポータ8cを順次に環装していくことになるが、これらの環装は、上述のセラミックサポータ8aまたは圧粉体9aの環装と同様に行えばよい。
【0094】
図16は、セラミックサポータ8bを環装する際の様子を示す図である。すなわち、
図16(a)に示すように、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態から上側クランプ状態に切り替える。そして、所定の搬送手段64によって、セラミックサポータ8bを、貫通孔8bhがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。そして、この状態から、搬送手段64を下降させ、貫通孔8bhがセンサ素子10に嵌め合わされた時点で速やかに、搬送手段64を水平方向に退避させる。これによって、セラミックサポータ8bを第2クランプ52の上へと落下させた後、センサ素子10の保持態様を上側クランプ状態から下側クランプ状態に切り替えて、センサ素子10に案内される態様にて、セラミックサポータ8bを圧粉体9aの上に積み重なるように落下させる。これにより、
図16(b)に示すように、セラミックサポータ8bがセンサ素子10に環装される。
【0095】
また、
図17は、圧粉体9bを環装する際の様子を示す図である。すなわち、
図17(a)に示すように、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態から上側クランプ状態に切り替える。そして、所定の搬送手段65によって、圧粉体9bを、貫通孔9bhがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。なお、圧粉体9bの搬送についても、圧粉体9aの場合と同様に、
図17(a)に示すような搬送手段65によって上方から吸着固定させる態様にて行うのが好適である。続いて、この状態から、搬送手段63を下降させることによって、貫通孔9bhをセンサ素子10に嵌め合わせた状態で圧粉体9bを第2クランプ52の上に載置させた後、圧粉体9bが載置されている第2クランプ52をセンサ素子10に沿って降下させる。第2クランプ52がセラミックサポータ8bに近づいた時点で、第2クランプ52の降下を停止し、同時に、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態に切り替えることで、圧粉体9bを、セラミックサポータ8bの上に落下させる。積み重なる態様にて静止する。これにより、
図17(b)に示すように、セラミックサポータ8bがセンサ素子10に環装される。
【0096】
さらに、
図18は、セラミックサポータ8cを環装する際の様子を示す図である。すなわち、
図18(a)に示すように、センサ素子10の保持態様を下側クランプ状態から上側クランプ状態に切り替える。そして、所定の搬送手段66によって、セラミックサポータ8cを、貫通孔8chがセンサ素子10の第1先端部10aの延長線上に位置するように配置する。そして、この状態から、搬送手段66を下降させ、貫通孔8chがセンサ素子10に嵌め合わされた時点で速やかに、搬送手段66を水平方向に退避させる。これによって、セラミックサポータ8cを第2クランプ52の上へと落下させた後、センサ素子10の保持態様を上側クランプ状態から下側クランプ状態に切り替え、センサ素子10に案内される態様にて、セラミックサポータ8cを圧粉体9bの上に積み重なるように落下させる。これにより、図
18(b)に示すように、セラミックサポータ8cがセンサ素子10に環装される。セラミックサポータ8cが環装されたことで、中間組立品20が得られたことになる。
【0097】
<第2組立工程>
続いて、第2組立工程について説明する。上述したように、従来の第2組立工程において問題であったのは、
図7に示したように、センサ素子10に反りがあることに起因して、第2組立工程において筒状体30に嵌め合わせる際の中間組立品20の実質的な外径が、筒状体30の内径D1よりも大きくなってしまっているという点であった。そこで、本実施の形態においては、中間組立品20の実質的な外径をできるだけ小さくしたうえで(できるだけ設計値D2に近づけたうえで)、中間組立品20と筒状体30とを嵌め合わせるようにする。
【0098】
図19は、第2組立工程の開始時の様子を示す図である。なお、
図19(a)は、センサ素子10を主面S1の側からみるようにした場合の図であり、
図19(b)は、センサ素子10を側面S2の側からみるようにした場合の図である。
【0099】
換言すれば、
図19は、セラミックサポータ8cが環装されることで中間組立品20が得られた後の状態を示している。このとき、中間組立品20を構成するセンサ素子10は、下側クランプ状態となっている。それゆえ、中間組立品20においては、
図7に示した従来の場合と同様に、上方(第2先端部10bにより近い方)に配置される部材ほど、センサ素子10の反り形状に倣って、水平方向に変位して位置している。
【0100】
本実施の形態においては、筒状体30との嵌め合わせに先立ち、
図19に示したような状態にある中間組立品20に対して、センタリングガイド71を用いたセンタリング処理を行う。
【0101】
センタリングガイド71は、
図19に示すように、中間組立品20が組み立てられてその構成部材であるセンサ素子10の第2先端部10bがそのまま保持台50に挿入されている状態にあるときに、中間組立品20の近傍において該中間組立品20に沿うように、設けられればよい。なお、
図19においては図示を省略するが、センタリングガイド71は所定の支持手段によって支持されており、鉛直方向に延在する挟持面71sを有し、かつ、図示しない駆動機構によって駆動されることで、矢印AR4に示すように水平方向に進退自在とされてなる。これによって、環装された各部材の側面側からの中間組立品20の挟持とその開放とを自在に行えるようになっている。なお、
図19ではセンタリングガイド71が4つの部材に分かれているように図示されているが、その構成は限定されない。
【0102】
図20は、センタリングガイド71を用いたセンタリング処理の様子を示す図である。なお、
図20(a)は、センサ素子10を主面S1の側からみるようにした場合の図であり、
図20(b)は、センサ素子10を側面S2の側からみるようにした場合の図である。また、
図21は、センタリング処理の前後におけるセンサ素子10の姿勢を概念的に示す図である。なお、
図21はあくまで概念図であって、センサ素子10の反りは誇張して示されている。
【0103】
具体的には、
図20に示すように、下側クランプ状態を解除するとともにセンタリングガイド71によって中間組立品20を挟持する。このとき、中間組立品20を構成する各部材のうち、センサ素子10に環装された部材は、接触したセンタリングガイド71から水平方向に力を受ける。各部材は、水平方向においては拘束されていないので、相反する方向からの力がつり合う位置まで変位する。
【0104】
このときには、センサ素子10も、
図21(a)に示したように、センタリングガイド71から水平方向の力を受けた部材を介して間接的にセンタリングガイド71からの水平方向の力Fを受ける。第1クランプ51による保持を解かれたセンサ素子10は、第2先端部10bこそ保持台50の凹部50aに拘束されてはいるものの、凹部50aに固定されているわけではないので、
図21(a)に示したセンタリング前の状態から、凹部50aを支点として姿勢を違える。具体的には、
図21(b)に示すような、センサ素子10の水平方向の最大占有幅Wが最も小さくなる状態に向かう姿勢変更が起こる。
【0105】
結果として、センタリング処理により、中間組立品20は、
図19に示したような、センサ素子10が上方に向かうほど鉛直方向からずれており、これに伴って環装されている各部材も上方ほど水平方向に変位している状態から、
図20に示すような、各部材がセンタリングガイド71の挟持面71sの間に収まることで、最大外径D3が最も小さい状態へと遷移する。センタリングガイド71は、水平方向へと退避する。
【0106】
本実施の形態においては、このように、中間組立品20を構成する各部材がセンタリングされたうえで、中間組立品20と筒状体30との嵌め合わせが行われる。このときの中間組立品20の最大外径D3は通常、設計値D2に対する寸法公差の範囲に収まっており、筒状体30の内径D1よりも小さい値となっているので、嵌め合わせは好適に行われる。
【0107】
なお、嵌め合わせは、センタリング処理後の中間組立品20の中心線と筒状体30の中心線とを一致させたうえで、中間組立品20に対して筒状体30を下降させるか、その反対に固定された筒状体30に対して中間組立品20を挿入するか、あるいはそれらの動作を組み合わせることによって実現される。
【0108】
別の見方をすれば、本実施の形態の場合、中間組立品20の最大外径の寸法公差を設計値D2に対して大きく見積もる必要がないので、筒状体30の内径D1の寸法公差についても従来よりも小さい値に抑えることができる。このことは、ガスセンサ1における気密性を向上させるうえでより効果的である。
【0109】
すなわち、本実施の形態においては、セラミックサポータ8と圧粉体9とが環装された中間組立品20に対してセンタリング処理を行って、中間組立品20の外径を最小化した上で、筒状体30を環装するようにすることで、中間組立品20と筒状体30との寸法公差を小さい値に抑えつつ、中間組立品20に対して筒状体30を確実に環装して、組立完成品40を得ることができる。
【0110】
<組立装置の概要>
次に、上述した組立工程に用いる装置の一例を説明する。
図22は、本実施の形態において、第1組立工程および第2組立工程を行う組立装置1000の平面図である。
【0111】
組立装置1000は、概略、保持台50へのセンサ素子10の挿入とワッシャー7の環装とを行う第1ゾーン100と、セラミックサポータ8aの環装を行う第2ゾーン200と、セラミックサポータ8bと圧粉体9a、9bとの環装を行う第3ゾーン300と、セラミックサポータ8cの環装とこれによって得られた中間組立品20への筒状体30の環装とを行う第4ゾーン400と、これによって得られた組立完成品40を装置外へと搬送する第5ゾーン500とを、この順に水平方向に列設した構成を有する。
【0112】
また、組立装置1000は、保持台50をゾーン間で搬送するゾーン間搬送手段TR0を備えている。具体的には、ゾーン間搬送手段TR0は、水平方向に列設された各ゾーンの間を横断する態様にて設けられたガイドレールGRの上を、2つの移動テーブルTB(第1移動テーブルTB1、第2移動テーブルTB2)が矢印AR5に示すように移動自在とされてなるリニアスライダーである。加えて、それぞれの移動テーブルTBには、各ゾーンに備わる保持台配置部101、201、301、401、501に設定された保持台配置位置P1〜P5との間で保持台50の受け渡しを行う受け渡し手段DL(第1受け渡し手段DL1、第2受け渡し手段DL2)が備わっている。それぞれの保持台配置位置P1〜P5に対向する受け渡し位置p1〜p5にて移動テーブルTBを停止させた状態で、受け渡し手段DLを作動させることで、移動テーブルTBと保持台配置部101、201、301、401、501との間で保持台50の受け渡しが可能となっている。
【0113】
なお、保持台配置部101、201、301、401、501は、図示しない第1クランプ作動機構を備える。第1クランプ作動機構は、それぞれの保持台配置部に設けられた保持台配置位置P1〜P5に保持台50が配置された時点で、第1クランプ51と連結されて、第1クランプ51の作動を可能とする。
【0114】
好ましくは、第1クランプ51は、第1クランプ作動機構によって特段の開放動作を行った場合のみ開放状態とされ、それ以外の場合は、非開放状態を保つように動作するよう構成されてなる。非開放状態とは、端的にいえば、センサ素子10が凹部50aに挿入されている場合であればこれを挟持する状態である。このような構成は、例えば、第1クランプ51にバネによる付勢を利用することなどで実現される。
【0115】
一方、それぞれのゾーンに備わる第2クランプ52には、これに対応する第2クランプ作動機構53が備わっている。第2クランプ52は、上述した上側クランプ状態を実現させるときのみ第2クランプ作動機構53によって挟持状態とされ、それ以外のときは開放状態とされる。
【0116】
また、より詳細には、第1移動テーブルTB1は主として第1ゾーン100、第2ゾーン200、および第3ゾーン300の間での保持台50の搬送を担い、第2移動テーブルTB2は主として第3ゾーン300、第4ゾーン400、および第5ゾーン500の間での保持台50の搬送を担う。
【0117】
係る構成を有する組立装置1000においては、ゾーン間搬送手段TR0による移動テーブルTBの移動動作と受け渡し手段DLの受け渡し動作とを適宜に組み合わせることで、組立途中の中間組立品20あるいは組立完成品40の状態となっているものを含め、凹部50aにセンサ素子10が挿入された状態にある保持台50が、組立工程の進行に合わせて目的の位置へと搬送される。このような構成を有することで、組立装置1000は、相異なる複数の箇所にて異なる保持台50を対象とした相異なる段階の組立処理を同時並行的に行えるものとなっている。
【0118】
また、係る場合、それぞれのゾーンにおいて保持台50を受け渡した後の移動テーブルTBを、その受け渡し位置で待機させておく必要はなく、他の位置へ移動させて他の保持台50を受け渡しさせることも可能となる。すなわち、組立装置1000においては、効率的な組立処理が実現可能となっている。
【0119】
なお、以降においては、組立前後の状態を問わずセンサ素子10が凹部50aに挿入されていない保持台50を、空の保持台50と称することとする。また、組立装置1000は、装置各部の動作を制御する図示しない制御手段を備えており、以降に説明する一連の動作は、制御手段によって各部が制御されることによって自動的に進行する。
【0120】
<第1ゾーン>
第1ゾーン100は、保持台配置部101に加えて、多関節ロボットアーム型の移載機構TR1を備える。移載機構TR1には、先端アーム部AM1が設けられてなる。先端アーム部AM1は、鉛直方向に昇降自在であるとともに、水平面内で回転自在とされてなり、その長手方向の一方端部にはセンサ素子移載アーム102を、他方端部にはワッシャー移載アーム103(
図13の搬送手段61に相当)を、それぞれ鉛直方向に延在させる態様にて備えている。また、第1ゾーン100は、組立の対象となるセンサ素子10の供給部である素子供給部104と、ワッシャー7の供給部であるワッシャー供給部105とを備えている。
【0121】
第1ゾーン100における処理は、まず、空の保持台50を搬送する第1移動テーブルTB1が受け渡し位置p1(p1a)に停止し、第1受け渡し手段DL1により、係る保持台50が保持台配置位置P1(P1A)に受け渡されることによって開始される。
【0122】
まず、移載機構TR1が、センサ素子移載アーム102による素子供給部104からのセンサ素子10の取得と、ワッシャー移載アーム103によるワッシャー供給部105からのワッシャー7の取得とを、連続して行う。
【0123】
具体的には、まず、センサ素子移載アーム102が素子供給部104の上方に位置する状態で先端アーム部AM1を下降させて、センサ素子移載アーム102によってセンサ素子10を保持させる。その後、いったん先端アーム部AM1を上昇させ、今度は、ワッシャー移載アーム103がワッシャー供給部105の上方に位置する状態で先端アーム部AM1を下降させてワッシャー移載アーム103にワッシャー7を保持させる。ワッシャー7の保持後は、再び、先端アーム部AM1を上昇させる。
【0124】
続いて、センサ素子移載アーム102によって、保持台配置位置P1(P1A)に配置されてなる空の保持台50の凹部50aにセンサ素子10が挿入される。そして、係るセンサ素子10に対して、ワッシャー移載アーム103によるワッシャー7の配置(第2クランプ52(52A)への載置)が行われる。これらの動作は、移載機構TR1の水平面内における姿勢を適宜に違えることで連続的に行われる。
【0125】
そして、後者に続けて、
図13に例示した態様で、センサ素子10へのワッシャー7の環装が行われる。その際には、上述したように、第1クランプ51による下側クランプ状態と第2クランプ52(52A)による上側クランプ状態とが適宜に切り替えられる。
【0126】
ワッシャー7が環装されると、保持台50は、保持台配置部101に備わる図示しない駆動機構によって、保持台配置位置P1Aからこれに隣接する保持台配置位置P1(P1B)に移動される。そして、係る保持台配置位置P1Bに対向する受け渡し位置p1(p1b)に搬送されてきた第1移動テーブルTB1に備わる第1受け渡し手段DL1によって、第1移動テーブルTB1へと受け渡される。保持台50が載置された第1移動テーブルTB1は、ゾーン間搬送手段TR0によって第2ゾーンへ200へと搬送される。
【0127】
<第2ゾーン>
第2ゾーン200は、保持台配置部201に加えて、直交座標型ロボットである移載機構TR2を備える。移載機構TR2には、アーム部AM2が設けられてなる。アーム部AM2は、水平方向に移動自在とされてなり、その長手方向の一端部には、鉛直方向に昇降自在なセラミックサポータ移載アーム202(
図14の搬送手段62に相当)を備えている。また、第2ゾーン200は、セラミックサポータ8aの供給部である第1セラミックサポータ供給部203を備えている。
【0128】
第2ゾーン200における処理は、まず、ワッシャー7環装後のセンサ素子10を保持する保持台50を第1ゾーン100から搬送してきた第1移動テーブルTB1が、受け渡し位置p2(p2a)に停止し、第1受け渡し手段DL1により、係る保持台50が保持台配置位置P2(P2A)に受け渡されることによって開始される。
【0129】
まず、移載機構TR2が、セラミックサポータ移載アーム202によって、第1セラミックサポータ供給部203からセラミックサポータ8aを取得する。
【0130】
具体的には、セラミックサポータ移載アーム202を第1セラミックサポータ供給部203の上方に位置させた状態で下降させて、セラミックサポータ8aを保持させる。セラミックサポータ8aの保持後は、再び、セラミックサポータ移載アーム202を上昇させる。
【0131】
続いて、セラミックサポータ移載アーム202によってセラミックサポータ8aがセンサ素子10の上方へと搬送されたうえで、
図14に例示した態様にて、センサ素子10へのセラミックサポータ8aの環装が行われる。その際には、上述したように、第1クランプ51による下側クランプ状態と第2クランプ52(52B)による上側クランプ状態とが適宜に切り替えられる。
【0132】
セラミックサポータ8aが環装されると、保持台50は、保持台配置部201に備わる図示しない駆動機構によって、保持台配置位置P2Aからこれに隣接する保持台配置位置P2(P2B)に移動される。そして、係る保持台配置位置P2Bに対向する受け渡し位置p2(p2b)に搬送されてきた第1移動テーブルTB1に備わる第1受け渡し手段DL1によって、第1移動テーブルTB1へと受け渡される。保持台50が載置された第1移動テーブルTB1は、ゾーン間搬送手段TR0によって第3ゾーンへ300へと搬送される。
【0133】
<第3ゾーン>
第3ゾーン300は、保持台配置部301に加えて、多関節ロボットアーム型の移載機構TR3Aと、直交座標型ロボットである移載機構TR3Bとを備える。
【0134】
移載機構TR3Aには、先端アーム部AM3Aが設けられてなる。先端アーム部AM3Aは、鉛直方向に昇降自在であるとともに、水平面内で回転自在とされてなり、その長手方向の2つの端部にはそれぞれ、圧粉体移載アーム302、303(それぞれ
図15の搬送手段63と
図17の搬送手段65に相当)を、それぞれ鉛直方向に延在させる態様にて備えている。圧粉体移載アーム302、303は、その下端部が圧粉体9を吸着保持可能に構成されてなる。
【0135】
一方、移載機構TR3Bには、アーム部AM3Bが設けられてなる。移載機構TR3Bのアーム部AM3Bは、水平方向に移動自在とされてなり、その長手方向の一端部には、鉛直方向に昇降自在なセラミックサポータ移載アーム304を(
図16の搬送手段64に相当)を備えている。また、第3ゾーン300は、圧粉体9aおよび9bの供給部である圧粉体供給部305と、セラミックサポータ8bの供給部である第2セラミックサポータ供給部306とを備えている。
【0136】
第3ゾーン300における処理は、まず、セラミックサポータ8a環装後のセンサ素子10を保持する保持台50を第2ゾーン200から搬送してきた第1移動テーブルTB1が、受け渡し位置p3(p3a)に停止し、第1受け渡し手段DL1によって、係る保持台50が保持台配置位置P3(P3A)に受け渡されることによって開始される。
【0137】
まず、移載機構TR3Aが、2つの圧粉体移載アーム302、303による圧粉体供給部305からの圧粉体9(9a、9b)の取得を、連続して行う。
【0138】
具体的には、まず、圧粉体移載アーム302が圧粉体供給部305の上方に位置する状態で先端アーム部AM3Aを下降させて、圧粉体9(9a)を圧粉体移載アーム302の下端部に吸着させる。その後、いったん先端アーム部AM3Aを上昇させ、今度は、圧粉体移載アーム303が圧粉体供給部305の上方に位置する状態で先端アーム部AM3Aを下降させて、圧粉体9(9b)を圧粉体移載アーム303の下端部に吸着させる。圧粉体9(9b)の保持後は、再び、先端アーム部AM3Aを上昇させる。
【0139】
さらに、移載機構TR3Bが、セラミックサポータ移載アーム304によって、第2セラミックサポータ供給部306からセラミックサポータ8bを取得する。
【0140】
具体的には、セラミックサポータ移載アーム304を第2セラミックサポータ供給部306の上方に位置させた状態で下降させて、セラミックサポータ8bを保持させる。セラミックサポータ8aの保持後は、再び、セラミックサポータ移載アーム304を上昇させる。
【0141】
これに続けて、
図15ないし
図17に例示した態様での、センサ素子10への圧粉体9a、セラミックサポータ8b、および圧粉体9bの環装が、順次に行われる。それぞれの部材の環装に際しては、上述したように、第1クランプ51による下側クランプ状態と第2クランプ52(52C)による上側クランプ状態とが適宜に切り替えられる。
【0142】
より詳細に言えば、まず、センサ素子10が上側クランプ状態とされ、これを受けて、移載機構TR3Aが、圧粉体移載アーム302によって、センサ素子10を挟持している第2クランプ52Cの上に圧粉体9aを載置する。上側クランプ状態に載置された圧粉体9aは、上述した態様にてセンサ素子10に環装される。このとき、移載機構TR3Aは、第2クランプ52Cの近傍からいったん退避する。
【0143】
圧粉体9aの環装後、センサ素子10は再度上側クランプ状態となる。これを受けて、
セラミックサポータ8bの移載機構TR3Bが、セラミックサポータ移載アーム304によってセラミックサポータ8bを第2クランプ52Cの上に載置する。第2クランプ52Cに載置されたセラミックサポータ8bは、上述した態様にてセンサ素子10に環装される。このとき、セラミックサポータ8bを載置した移載機構TR3Bは、第2クランプ52Cの近傍から速やかに退避する。
【0144】
セラミックサポータ8bの環装後、センサ素子10は三たび上側クランプ状態となる。これを受けて、再び移載機構TR3Aが今度は圧粉体移載アーム303によって圧粉体9bを第2クランプ52Cの上に載置する。上側クランプ状態に載置された圧粉体9bは、上述した態様にてセンサ素子10に環装される。
【0145】
圧粉体9bが環装されると、保持台50は、保持台配置位置P3Aに対向する受け渡し位置p3aに搬送されてきた第2移動テーブルTB2に備わる第2受け渡し手段DL2によって、第2移動テーブルTB2へと受け渡される。保持台50が載置された第2移動テーブルTB2は、ゾーン間搬送手段TR0によって第4ゾーンへ400へと搬送される。
【0146】
<第4ゾーン>
第4ゾーン400は、保持台配置部401に加えて、直交座標型ロボットである移載機構TR4を備える。移載機構TR4には、第1アーム部AM4Aと第2アーム部AM4Bとが設けられてなる。第1アーム部AM4Aは、鉛直方向に昇降自在なセラミックサポータ移載アーム402(
図18の搬送手段66に相当)を備えている。第2アーム部AM4Bは、同じく鉛直方向に昇降自在な筒状体移載アーム403を備えている。また、第4ゾーン400は、セラミックサポータ8cの供給部である第3セラミックサポータ供給部404と筒状体30の供給部である筒状体供給部405とを備えている。また、第1アーム部AM4Aと第2アーム部AM4Bは、水平方向に一体となって移動自在とされてなる。
【0147】
第4ゾーン400における処理は、まず、圧粉体9b環装後のセンサ素子10を保持する保持台50を第3ゾーン300から搬送してきた第2移動テーブルTB2が、受け渡し位置p4(p4a)に停止し、第2受け渡し手段DL2により、係る保持台50が保持台配置位置P4(P4A)に受け渡されることによって開始される。
【0148】
まず、移載機構TR4が、セラミックサポータ移載アーム402によって、第3セラミックサポータ供給部404からセラミックサポータ8cを取得する。具体的には、セラミックサポータ移載アーム402を第3セラミックサポータ供給部404の上方に位置させた状態で下降させて、セラミックサポータ8cを保持させる。セラミックサポータ8cの保持後は、再び、セラミックサポータ移載アーム402を上昇させる。
【0149】
続いて、同じく移載機構TR4が、筒状体移載アーム403によって、筒状体供給部405から筒状体30を取得する。具体的には、筒状体移載アーム403を筒状体供給部405の上方に位置させた状態で下降させて、筒状体30を保持させる。筒状体30の保持後は、再び、筒状体移載アーム403を上昇させる。
【0150】
続いて、セラミックサポータ移載アーム402によってセラミックサポータ8cがセンサ素子10の上方へと搬送されたうえで、
図18に例示した態様にて、センサ素子10へのセラミックサポータ8cの環装が行われる。その際には、上述したように、第1クランプ51による下側クランプ状態と第2クランプ52(52D)による上側クランプ状態とが適宜に切り替えられる。
【0151】
セラミックサポータ8cが環装されることで、中間組立品20が得られると、続いて、センタリングガイド71により、
図19および
図20に示した態様にて中間組立品20のセンタリング処理が行われる。
【0152】
そして、筒状体移載アーム403によって筒状体30がセンタリング処理後の中間組立品20の上方へと搬送されて、中間組立品20への筒状体30の環装が行われる。これにより、組立完成品40が得られる。
【0153】
組立完成品40が得られると、保持台50は、保持台配置部401に備わる図示しない駆動機構によって、保持台配置位置P4Aからこれに隣接する保持台配置位置P4(P4B)に移動される。そして、係る保持台配置位置P4Bに対向する受け渡し位置p4(p4b)に搬送されてきた第2移動テーブルTB2に備わる第2受け渡し手段DL2によって、第2移動テーブルTB2へと受け渡される。保持台50が載置された第2移動テーブルTB2は、ゾーン間搬送手段TR0によって第5ゾーンへ500へと搬送される。
【0154】
<第5ゾーン>
第5ゾーン500は、保持台配置部501に加えて、ガイドレールGR2に沿って水平方向に移動自在とされてなるとともに、センサ素子10が凹部50aに挿入されてなることで保持台50に保持されている組立完成品40を装置外へと搬送する完成品搬送機構TR5を備える。完成品搬送機構TR5には、鉛直方向に昇降自在なアーム部AM5が設けられてなる。
【0155】
第5ゾーン500においては、組立完成品40を保持する保持台50を第4ゾーン400から搬送してきた第2移動テーブルTB2が、受け渡し位置p5(p5aまたはp5b)に停止し、第2受け渡し手段DL2により、係る保持台50が保持台配置位置P5(P5AまたはP5B)に受け渡される。なお、組立完成品40を保持する保持台50は、保持台配置位置P5Aと保持台配置位置P5Bとに対して交互に
受け渡される。
【0156】
保持台配置位置P5AまたはP5Bにおいては、完成品搬送機構TR5が、そのアーム部AM5に組立完成品40を挟持させ、さらにアーム部AM5を上昇させることで、組立完成品40を保持台50から取得する。アーム部AM5に組立完成品40を挟持した完成品搬送機構TR5は、ガイドレールGR2に沿って組立完成品40を装置外へと搬出する。
【0157】
なお、組立完成品40がなくなり再び空となった保持台50は、保持台配置位置P5AまたはP5Bに対向する受け渡し位置p5aまたはp5bに搬送されてきた第2移動テーブルTB2に備わる第2受け渡し手段DL2によって、第2移動テーブルTB2へと受け渡される。
【0158】
そして、空の保持台50が載置された第2移動テーブルTB2は、ゾーン間搬送手段TR0によって第3ゾーンへ300の受け渡し位置p3bにまで搬送される。第2移動テーブルTB2が係る受け渡し位置p3bにて停止すると、第2受け渡し手段DL2により、第2移動テーブルTB2に載置されていた空の保持台50は保持台配置位置P3Bにいったん受け渡される。
【0159】
次に、今度は、受け渡し位置p3bに搬送されてきた第1移動テーブルTB1に備わる第1受け渡し手段DL1によって、第1移動テーブルTB1へと受け渡される。空の保持台50を受け取った第1移動テーブルTB1は、ゾーン間搬送手段TR0によって第1ゾーンへ100の受け渡し位置p1aにまで搬送される。そして、次の組立工程に供される。
【0160】
<変形例>
上述の実施形態においては、センサ素子10の第2先端部10bが保持台50の凹部50aに挿嵌される場合を対象として、第1組立工程および第2組立工程を説明しているが、これは必須の対応ではない。これに代わり、第1先端部10aが保持台50の凹部50aに挿嵌される態様であってもよい。係る場合、中間組立品20を構成する各部材は、上述の実施の形態とは逆の順序で順次に環装されればよい。また、中間組立品20と筒状体30との嵌め合わせについても、適宜の手法で行えばよい。
【0161】
また、上述の実施形態にて説明した、第1組立工程および第2組立工程は、ガスセンサの組立以外にも適用可能である。
【0162】
例えば、所定の寸法公差内の反りがある長尺状部材に、円板状または円筒状をなし、かつ、該長尺状部材の断面形状に応じた貫通孔を備える被環装部材を環装する際には、第1組立工程が適用できる。
【0163】
また、所定の寸法公差内の反りがある長尺状部材に、それぞれが円板状または円筒状をなす複数の被環装部材を環装してなる中間組立品に筒状体を環装する場合には、第2組立工程が適用できる。