(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
原料油を加熱しつつ、当該原料油とメタノールを含む反応液とを混合して反応塔に導き、該反応塔内でのエステル交換反応によってグリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油を生成するエステル反応装置と、
該エステル反応装置から前記グリセリンから分離して導かれる前記1次バイオディーゼル油を加熱しつつ第1気化処理塔に導き、当該第1気化処理塔内で気化したメタノールを冷却器に導いて凝縮させて液状のメタノールを回収するメタノール回収装置と、
前記第1気化処理塔に残ったメタノール除去済みバイオディーゼル油を、当該第1気化処理塔から導いて、濾材の装填された一又は複数の濾過器を通して濾過する濾過装置と、
該濾過装置から導かれる濾過済みバイオディーゼル油を加熱しつつ第2気化処理塔に導き、減圧される当該第2気化処理塔内で気化した濾過済みバイオディーゼル油を冷却器に導いて凝縮させて最終バイオディーゼル油を生成する蒸留精製装置とを有するバイオディーゼル油の製造システム。
前記メタノール回収装置は、前記第1気化処理塔に残ったメタノール除去済みバイオディーゼル油を前記濾過装置に送るメタノール除去済みバイオディーゼル油送り機構と、
前記第1気化処理塔において前記メタノール除去済みバイオディーゼル油の液面が所定範囲に維持されるように、前記メタノール除去済みバイオディーゼル油送り機構を制御する制御手段とを有する請求項1乃至3のいずれかに記載のバイオディーゼル油の製造システム。
前記筒体において前記一又は複数の袋体と前記体1蓋体との間に摺動自在に配置され、当該筒体に導入される前記メタノール除去済みバイオディーゼル油を前記一又は複数の袋体側に導く流路が形成され、前記一又は複数の袋体と前記第1蓋体との間において当該筒体を塞ぐ閉鎖部を有する第1摺動体を有する請求項5記載のバイオディーゼル油の製造システム。
前記弁駆動制御部は、前記所定時間が経過したときに、前記第1弁を開放させ、前記第2弁を閉鎖させ、前記第3弁を開放させ、前記第4弁を閉鎖させる請求項11記載のバイオディーゼル油の製造システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バイオディーゼル油の製造システムとして、各種の反応を大容量のタンク内で一括的に行わせるバッチ式のシステムと、各種の反応を比較的小規模の反応塔内で連続的に行わせる連続式のシステムとが知られている。バッチ式のシステムは、一般に、設備の規模が大きくなり、また、一度に大量の処理が可能であるが、原料液や生成液の入れ替え作業が大がかりになって、全体としての効率が必ずしも良いとはいえない。一方、連続式のシステムは、一般に、一度に大量のバイオディーゼル油を製造することはできないが、小規模な設備で実現でき、また、連続的に処理が続けられることから全体として比較的効率良くバイオディーゼル油を製造することができる。
【0005】
また、バイオディーゼル油の製造過程では、石鹸等の各種の不純物を除去しなければならないが、このような不純物(石鹸等)を除去(水洗い)するための設備が大がかりにならないことが好ましい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、比較的小規模な設備で、より純度の高いバイオディーゼル油を製造することのできる製造システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムは、原料油を加熱しつつ、当該原料油とメタノールを含む反応液とを混合して反応塔に導き、該反応塔内でのエステル交換反応によってグリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油を生成するエステル反応装置と、該エステル反応装置から前記グリセリンから分離して導かれる前記1次バイオディーゼル油を加熱しつつ第1気化処理塔に導き、当該第1気化処理塔内で気化したメタノールを冷却器に導いて凝縮させて液状のメタノールを回収するメタノール回収装置と、前記第1気化処理塔に残ったメタノール除去済みバイオディーゼル油を、当該第1気化処理塔から導いて、濾材の装填された一又は複数の濾過器を通して濾過する濾過装置と、該濾過装置から導かれる濾過済みバイオディーゼル油を加熱しつつ第2気化処理塔に導き、減圧される当該第2気化処理塔内で気化した濾過済みバイオディーゼル油を冷却器に導いて凝縮させて最終バイオディーゼル油を生成する蒸留精製装置とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、エステル反応装置において、加熱される原料油と反応液(メタノールを含む)とが混合されながら反応塔に導かれ、該反応塔内でのエステル交換反応によってグリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油が生成される。そして、グリセリンから分離された前記1次バイオディーゼル油からメタノール回収装置によりメタノールが除去され、メタノール除去済みのバイオディーゼル油から濾過装置(一又は複数の濾過器)によって不純物が除去され、更に、前記メタノールが除去されて濾過済みのバイオディーゼル油が蒸留精製装置により減圧下での気化及び凝縮による蒸留精製の過程を経て最終バイオディーゼル油が生成される。
【0009】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記エステル反応装置における前記反応塔は、底部と天部とが閉鎖された筒体を有し、該筒体は、透明材料で形成された構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、反応塔内においてエステル交換反応により生成されるグリセリンが沈降するようになるが、そのグリセリンの生成の程度を反応塔の透明材料で形成された筒体を通して目視により確認することにより、エステル交換反応の進み具合を確実に監視することができる。また、外部に特に光源を設けることなく、透明材料で形成された筒体(反応塔)内で沈降するグリセリン(グリセリンと脂肪酸メチルエステルを含む1次バイオディーゼル油との境界)を光学的に検出することができる。
【0011】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記エステル反応装置は、原料油を受け入れつつ当該原料油を加熱する加温塔と、該加温塔から導かれる原料油と前記反応液とを前記反応塔に向けて導きながら混合するラインミキサとを有する構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、加温塔で加熱される原料油と反応液とが反応塔に導かれる前にラインミキサにより混合されるので、ラインミキサにおいて原料油と反応液とが混合されてエステル交換反応が進みつつ反応塔に導かれる。従って、反応塔においてより効率的にエステル交換反応を進ませることができる。
【0013】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記メタノール回収装置は、前記第1気化処理塔に残ったメタノール除去済みバイオディーゼル油を前記濾過装置に送るメタノール除去済みバイオディーゼル油送り機構と、前記第1気化処理塔において前記メタノール除去済みバイオディーゼル油の液面が所定範囲に維持されるように、前記メタノール除去済みバイオディーゼル油送り機構を制御する制御手段とを有する構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、メタノール回収装置おける第1気化処理塔では、エステル反応装置から供給される1次バイオディーゼル油のメタノールが気化しつつ、メタノール除去済みバイオディーゼル油の液面が所定範囲に維持されるように、メタノール除去済みバイオディーゼル油が濾過処理装置に送られる。このため、第1気化処理塔では、メタノールが気化するための空間がある範囲に制限されるようになって、その制限された空間内でメタノールの気化が安定的に行われるようになるので、メタノールを効率良く回収することができるとともに、得られるバイオディーゼル油に含有されるメタノール成分を極力低減させることができる。
【0015】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記濾過装置における少なくとも1つの濾過器は、前記濾材を収容する筒体と、該筒体の一方端を閉鎖する第1蓋体と、前記筒体の他方端を開放可能に閉鎖する第2蓋体とを有し、前記濾材は、一又は複数の袋体に収容されており、前記筒体の一方端部から流入する前記メタノール除去済みバイオディーゼル油が前記濾材の収容された一又は複数の袋体を通って当該筒体の他方端部から流出する構造である構成とすることができる。
【0016】
このような構成により、濾過装置における少なくとも1つの濾過器において、メタノール回収装置の第1気化処理塔から導かれるメタノール除去済みバイオディーゼル油が、筒体の一方端部から他方端部に向けて流れる際に、前記筒体内の濾材の収容された一又は複数の袋体を通過することにより、前記メタノール除去済みバイオディーゼル油から不純物が除去される。そして、この濾過器によれば、袋体単位で濾材を交換することができるので、濾材の交換作業を容易に行うことができる。
【0017】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記筒体において前記一又は複数の袋体と前記体1蓋体との間に摺動自在に配置され、当該筒体に導入される前記メタノール除去済みバイオディーゼル油を前記一又は複数の袋体側に導く流路が形成され、前記一又は複数の袋体と前記第1蓋体との間において当該筒体を塞ぐ閉鎖部を有する第1摺動体を有する構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、筒体の一方端部から導入されるメタノール除去済みバイオディーゼル油は、第1摺動体に形成された流路を通って一又は複数の袋体に導かれ、その一又は複数の袋体内の濾材を通って前記筒体の他方端部から流出する。一方、前記メタノール除去済みバイオディーゼル油の前記筒体への導入を止めて、第2蓋体を開放した状態で、第1摺動体を当該筒体内で第2蓋体側に向けて摺動移動させることにより、前記一又は複数の袋体(濾材)を当該筒体の第2蓋体側の端から当該筒体から押し出すことができる。
【0019】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記第1蓋体と前記筒体内の前記第1摺動体との間に気体を導入する気体導入部を有する構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、メタノール除去済みバイオディーゼル油の筒体への導入を止めて、第2蓋体を開放した状態で、気体導入部から前記筒体内に気体を導入することにより、その気体の圧力を閉鎖部により受ける第1摺動体を第2蓋体側に向けて摺動移動させることができる。即ち、前記気体導入部からの前記筒体内への気体導入により、一又は複数の袋体(濾材)を前記筒体の第2蓋体側の端から押し出すことができる。
【0021】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記蒸留精製装置は、前記濾過装置から導かれる前記濾過済みバイオディーゼル油を受け入れつつ加熱して前記第2気化処理塔に向けて排出する加温塔と、前記冷却器に接続され、当該冷却器での凝縮により得られる最終バイオディーゼル油を導入して貯留する一時貯留部と、該一時貯留部を減圧することにより、前記冷却器を介して前記第2気化処理塔を減圧するポンプとを有する構成とすることができる。
【0022】
このような構成により、メタノール回収装置及び濾過装置を経て得られたメタノールが除去されて濾過済みのバイオディーゼル油は、加温塔にて加熱されつつ第2気化処理塔に導かれ、ポンプによって一時貯留部及び冷却器を介して減圧される当該第2気化処理塔にて気化される。そして、気化した前記メタノール除去及び濾過済みのバイオディーゼル油が前記冷却器で凝縮されることにより最終バイオディーゼル油が生成され、一時貯留部に貯留される。
【0023】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記蒸留精製装置は、前記ポンプと前記一時貯留部との間の流路に設けられた第1弁と、前記一時貯留部と大気との間の流路に設けられた第2弁と、前記冷却器と前記一時貯留部との間の流路に設けられた第3弁と、前記一時貯留部の排出流路に設けられた第4弁とを有する構成とすることができる。
【0024】
このような構成により、第1弁及び第3弁を開状態にするとともに、第2弁及び第4弁を閉状態にした状態で、ポンプを駆動させることにより、一時貯留部が第1弁を通して減圧され、その減圧作用が冷却器に伝わり、更に冷却器を通して第2気化処理塔を減圧させることができる。一方、第1弁及び第3弁を閉状態にするとともに、第2弁及び第4弁を開状態にすると、第2弁を通して一時貯留部が大気に開放された状態で、第4弁を通して一時貯留部から最終バイオディーゼル油を排出させることができる。このとき、第3弁が閉状態であるので、第2気化処理塔が急激に大気に戻され、一時貯留部に溜まった最終バイオディーゼルが第2気化処理塔側に逆流することを防止することができる。
【0025】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記第1弁、前記第2弁、前記第3弁及び前記第4弁のそれぞれは、電磁弁であって、前記蒸留精製装置は、前記一時貯留部に貯留される最終バイオディーゼル油が所定量に達したことを検出する油検出器と、該油検出器が、前記一時貯留部に貯留される最終バイオディーゼル油が前記所定量に達したことを検出したときに、前記第1弁を閉鎖させ、前記第2弁を開放させ、前記第3弁を閉鎖させ、前記第4弁を開放させる弁駆動制御部を有する構成とすることができる。
【0026】
このような構成により、油検出器が一時貯留部に貯留されるバイオディーゼル油が所定量に達したことを検出したときに、第1弁及び第3弁が閉鎖され、第2弁及び第4弁が開放されるので、大気圧に開放された一時貯留部から第4弁を通して最終バイオディーゼルを回収することができる。
【0027】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記弁駆動制御部は、前記第4弁を所定時間だけ開放させる構成とすることができる。
【0028】
このような構成により、大気圧に開放された一時貯留部から第4弁を通して最終バイオディーゼル油を所定時間だけ回収することができる。この場合、前記所定時間は、回収機構の能力と、油検出器の検出の基準となる前記所定量との関係に基づいて決めることができる。
【0029】
また、本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムにおいて、前記弁駆動制御部は、前記所定時間が経過したときに、前記第1弁を開放させ、前記第2弁を閉鎖させ、前記第3弁を開放させ、前記第4弁を閉鎖させる構成とすることができる。
【0030】
このような構成により、前記所定時間の間、一時貯留部から最終バイオディーゼル油が回収された後、第1弁及び第3弁が開放され、第2弁及び第4弁が閉鎖されるので、ポンプの駆動により、一時貯留部が第1弁を通して減圧され、その減圧作用が冷却器に伝わり、冷却器を通して第2気化処理塔を減圧させることができる。そして、メタノールが除去されて濾過済みのバイオディーゼル油が第2気化処理塔での減圧下での気化及び冷却器での凝縮の過程を経て最終バイオディーゼル油が生成され、その最終バイオディーゼル油が一時貯留部に再び貯留される。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係るバイオディーゼル油の製造システムによれば、エステル反応装置においてグリセリンと一次バイオディーゼル油(脂肪酸メチルエステル)とが生成された後、グリセリンから分離された一次バイオディーゼル油が、メタノール回収装置でのメタノール回収、濾過装置での濾過及び精製装置での減圧下での気化及び凝縮による蒸留精製の各過程を順次経ることにより最終バイオディーゼル油が生成されるので、バッチ方式のような大きな設備ではなく、比較的小規模な設備で、より純度の高いバイオディーゼル油を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0034】
本発明の実施の一形態に係るバイオディーゼル油の製造システムの基本的な構成は、
図1に示すようになっている。
【0035】
図1において、このバイオディーゼル油の製造システムは、原料タンク10、反応液タンク11、エステル反応装置100、メタノール回収装置200、多段式濾過装置300及び蒸留精製装置400を有している。原料タンク10には、食用廃油等から公知の手法により調製された原料油が溜められる。反応液タンク11には、メタノールとアルカリ触媒として機能する水酸化カリウム(KOH)とを混合して調製された反応液が溜められる。エステル反応装置100は、原料タンク10から導かれる原料油を加熱しつつ、当該原料油と反応液タンク11から導かれる反応液とを混合し、原料油とメタノールとをアルカリ(水酸化カリウムKOH)触媒の作用によってエステル交換反応させて、グリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油を生成する。なお、エステル反応装置100で副生されたグリセリンは、別途回収して利用することができる。
【0036】
メタノール回収装置200は、エステル反応装置100から前記グリセリンから分離して導かれる1次バイオディーゼル油を加熱して、当該1次バイオディーゼル油に残留するメタノールを気化させ、その後冷却によって凝縮させて液体のメタノールを回収する。メタノール回収装置200により回収されたメタノールは、反応液(メタノールと水酸化カリウムとの混合液)を生成するために用いることができる。多段式濾過装置300は、後述するように複数の濾過器が直列的に接続された構造となり、メタノール回収装置200から導かれるメタノール除去済みバイオディーゼル油を前記複数の濾過器を通して濾過する。濾過装置300の各濾過器にてメタノール除去済みバイオディーゼル油から除去された不純物や油は別途回収される。また、蒸留精製装置400は、多段式濾過装置300から導かれる濾過済みバイオディーゼル油を、減圧下で加熱して気化させ、その後冷却によって凝縮させて最終ディーゼル油を生成する。蒸留精製装置400での蒸留精製後の残渣は別途回収される。
【0037】
エステル反応装置100は、具体的に、
図2に示すように構成される。
【0038】
図2において、エステル反応装置100は、加温塔105、ラインミキサ111及び反応塔120を有している。原料タンク10と加温塔105との間に流路C11が形成されており、その流路C11中にバルブ(弁)101、ポンプ102、流量計102、逆止弁103及び圧力計104が設けられている。バルブ101が開放された状態でのポンプ102の駆動により、原料タンク10に溜められた原料油が流路C11を通って加温塔105に順次送られる。流量計102により流路C11を流れる原料油の流量を、圧力計104によって流路C11を流れる原料油の圧力を、それぞれ監視することができる。加温塔105には加熱器105aが設けられており、加温塔105に導かれた原料油が、例えば、60℃〜80℃程度の温度に加熱される。加温塔105には温度計106が設けられており、この温度計106により加温塔105内の温度を監視することができる。
【0039】
加温塔105から反応塔120に向けて流路C12が形成されており、その流路C12中にラインミキサ111が設けられている。また、反応液タンク11から延びる流路C13が流路C12のラインミキサ111の上流側に接続されており、前記流路C13中にバルブ107、ポンプ108、流量計109及び逆止弁110が設けられている。バルブ107が開放された状態でのポンプ108の駆動により、反応タンク11に溜められた反応液(メタノール及び水酸化カリウムの混合液)が流路C13を通って流路C12に流入する。流量計109により流路C13を流れる反応液の流量を監視することができる。加温塔105からの加熱された原料油と流路C13から流路C12に流れ込んだ反応液とがラインミキサ111に流入し、ラインミキサ11は、前記原料油と反応液とを反応塔120に向けて導きながら混合する。
【0040】
反応塔120は、筒体121(例えば、円筒状)を有している。筒体121は、透明材料、例えば、ガラスにより形成されており、この透明材料製の筒体121の天面が天板122により閉鎖され、筒体121の底面がロート状の底板123により閉鎖されている。反応塔120には底板123を通って内部に進入する流入管124が設けられている。流入管124は流路C12に接続されており、ラインミキサ111により混合された状態となる原料油及び反応液が流路C12から流入管124を通して反応塔120(筒体121)内に導かれる。また、反応塔120には、底板123の中心部を通って内部に進入する排出管125が設けられている。排出管125から延びる排出流路にはバルブ112が設けられており、バルブ112を開状態にすると、排出管125を通して、後述するように反応塔120の底に沈降したグリセリンを排出することができる。反応塔120には天板122を通して外部に延びる送り流路Ctr1が形成されており、この送り流路Ctr1を通して1次バイオディーゼル油が、反応塔120から次段のメタノール回収装置200(
図1参照)に向けて送られる。なお、反応塔120の筒体121の表面に近接させて温度センサ113が設けられており、温度センサ113からの検出信号に基づいて、後述する制御装置20(
図12参照)は、反応塔120の温度を監視することができる。
【0041】
このようなエステル反応装置100において、加温塔105で加熱されつつ供給される原料油と反応液タンク11側から供給される反応液(メタノールと水酸化カリウム)とがラインミキサ111により混合されて、原料油と反応液とがラインミキサ111での混合によりエステル交換反応が進みつつ反応塔120に導かれる。反応塔120内では、底板123側の流入管124から導かられて混合された状態の原料油と反応液とがゆっくり対流しながらそれらのエステル交換反応が更に進んでいく。そして、このエステル交換反応により、脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル油)とグリセリンとが分離生成され、比重の大きいグリセリンが反応塔120(筒体121)の底に沈降する。このようにして、反応塔120内においてグリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油が生成される。
【0042】
上述したエステル反応装置100によれば、特に、ラインミキサ111によって加熱された原料油と反応液とが混合されてエステル交換反応が進みつつ反応塔120に導かれるので、反応塔120において原料油と反応液とによるエステル交換反応を効率的に進ませることができる。また、反応塔120の筒体121が透明材料(例えば、ガラス)で形成されているので、グリセリンの生成の程度を筒体121を通して目視により確認することにより、エステル交換反応の進み具合を確実に監視することができる。また、外部に特に光源を設けることなく、透明材料で形成された筒体121(反応塔120)内で沈降するグリセリン(グリセリンと脂肪酸メチルエステルを含む1次バイオディーゼル油との境界)を光学的に検出することもできる。
【0043】
メタノール回収装置200は、具体的に、
図3に示すように構成される。
【0044】
図3において、メタノール回収装置200は、加温塔210、第1気化処理塔220、冷却器230及び回収タンク240を有している。前述したエステル反応装置100の反応塔120(
図2参照)から延びる送り流路Ctr1が加温塔210に至っている。この送り流路Ctr1中には、ポンプ201及びバルブ202が設けられている。バルブ202の開状態でのポンプ201の駆動により、エステル反応装置100(反応塔120)からの1次バイオディーゼル油が加温塔210に送られる。加温塔210には加熱器210aが設けられており、加温塔210に導かれた1次バイオディーゼル油が、例えば、80℃〜100℃程度の温度に加熱される。加温塔210から第1気化処理塔220に向けて流路C21が形成されており、加温塔210で加熱された(例えば、80℃〜100℃程度の温度)1次バイオディーゼル油が流路C21を通して1次気化処理塔220に供給される。
【0045】
第1気化処理塔220には、加熱器221が設けられており、第1気化処理塔220に溜められた1次バイオディーゼル油が、1次バイオディーゼル油に含まれるメタノールの沸点より高く、バイオディーゼル油の沸点より低い所定の温度(80℃〜100℃程度の温度)に維持される。これにより、第1気化処理塔220内においてメタノールが気化し、気化によりメタノールが除去されたバイオディーゼル油が1次気化処理塔220内に残る。第1気化処理塔220には、液面センサ222が設けられており、液面センサ222からの検出信号に基づいて、後述する制御装置20(
図12参照)は、第1気化処理塔220に溜まったメタノール除去済みバイオディーゼル油の量を監視することができる。また、第1気化処理塔220の表面に近接させて温度センサ223が設けられており、制御装置20は、温度センサ223からの検出信号に基づいて、第1気化処理塔220内の温度についても監視することができる。
【0046】
第1気化処理塔220の天部から流路C22が回収タンク240まで延びており、この流路C22中に冷却器230が設けられている。冷却器230では冷却水が循環しており、第1気化処理塔220で気化したメタノールが流路C22を通って更に冷却器230を通る際に冷却されて凝縮され、液化されたメタノールが回収タンク240に溜められる。回収タンク240には、液面センサ241が設けられており、液面センサ241からの検出信号に基づいて、後述する制御装置20(
図12参照)は、回収タンク240に溜まったメタノールの量を監視することができる。回収タンク240の排出流路にはバルブ206が設けられており、バルブ206を開放することにより、回収タンク240に溜まったメタノールを別の設備に送ることができる。また、回収タンク240には、臭気除去フィルタ242が設けられており、回収タンク240に溜まったメタノールから発せられる臭気を臭気除去フィルタ242によって除去することができる。
【0047】
一方、第1気化処理塔220の底部から送り流路Ctr2が延びており、この送り流路Ctr2中に電磁バルブ203及びポンプ204(メタノール除去済みバイオディーゼル油送り機構)が設けられている。電磁バルブ203を開放した状態でのポンプ204の駆動により、第1気化処理塔220に溜まったメタノール除去済みバイオディーゼル油が送り流路Ctr2を通して多段濾過装置300(
図1参照)に送られる。また、送り流路Ctr2から流路C23が分岐しており、この流路C23中にバルブ205が設けられている。バルブ203が閉鎖された状態で、バルブ205を開放すると、第1気化処理塔220に溜まったメタノール除去済みバイオディーゼル油を取り出すことができる。このようにして取り出されたメタノール除去済みバイオディーゼル油は、成分検査等の検査に供することができる。
【0048】
前述したように液面センサ222からの検出信号に基づいて第1気化処理塔220に溜まったメタノール除去済みバイオディーゼルの量を監視する制御装置20(後述する
図12参照)は、そのメタノール除去済みバイオディーゼル油の量が所定量を越えたと判定すると、所定時間だけ、電磁バルブ203を駆動して開状態にするとともにポンプ204を駆動させる。それにより、その所定時間だけ、第1気化処理塔220から送り流路Ctr2を通ってメタノール除去済みバイオディーゼル油が多段式濾過装置300に送られる。以後、同様に、第1気化処理塔220に溜まったメタノール除去済みバイオディーゼル油が所定量に達する毎に、所定時間だけ、第2気化処理塔220からメタノール処理済みバイオディーゼル油が多段式濾過装置に送られる。
【0049】
このように、第1気化処理塔220から間欠的に連続してメタノール除去済みバイオディーゼル油が多段式濾過装置300に送られる過程で、第1気化処理塔220においてメタノール除去済みバイオディーゼル油の液面が液面センサ222の位置を最上位としたある範囲に維持される。このため、第1気化処理塔220においてメタノールが気化するための空間がある範囲に制限されるようになって、その制限された空間内でメタノールの気化が安定的に行われるようになる。その結果、メタノールを効率良く回収することができるとともに、得られるバイオディーゼル油に含有されるメタノール成分を極力低減させることができる。
【0050】
なお、上記の例では、第1気化処理塔220におけるメタノール除去済みバイオディーゼル油の液面の高さをある範囲に維持するために、液面の上限を検出する1つの液面センサ222からの検出信号に基づいて、所定時間だけ、第1気化処理塔220からメタノール除去済みバイオディーゼル油を排出するように構成したが、これに限定されない。例えば、液面の上限を検出する液面センサと液面の下限を検出する液面センサとを用いて、第1気化処理塔220におけるメタノール除去済みバイオディーゼルの液面を前記上限と前記下限の間に維持させることができる。
【0051】
多段式濾過装置300は、具体的に、
図4に示すように構成される。
【0052】
図4において、多段式濾過装置300は、複数(例えば、2つ)の濾過器320a、320b及びタンク330を有している。前述したメタノール回収装置200の第1気化処理塔220から延びる送り流路Ctr2が一方の濾過器320aの流入口に接続されている。送り流路Ctr2中には、逆止弁301及びバルブ302が設けられている。バルブ302が開放した状態で、前述したポンプ204(
図3参照)の駆動により(バルブ203は開状態)、メタノール回収装置200の第1気化処理塔220から送り流路Ctr2を通してメタノール除去済みバイオディーゼル油が濾過器320aに導入される。
【0053】
濾過器320aの流出口から流路C31が延びており、この流路C31中にバルブ305が設けられている。流路C31の濾過器320aとバルブ305との間から流路C32が延びている。この流路C32中にバルブ306、308が設けられている。前述したようにメタノール回収装置200(第1気化処理塔220)から延びる送り流路Ctr2の逆止弁301とバルブ302との間の点と流路C32のバルブ306とバルブ308との間の点との間に流路C33が形成されている。流路C33から分岐して流路C34が他方の濾過器320bの流入口に延びており、この流路C34中にバルブ307が設けられている。濾過器320bの流出口から流路C35が延びており、この流路C31中にバルブ310が設けられている。更に、流路C35の濾過器320bとバルブ310との間から分岐した流路C36がタンク330まで延びている。流路C36中にバルブ311が設けられている。
【0054】
濾過器320a、320bのそれぞれには、後述するように油抜きエアー供給口が設けられている。一方の濾過器320aの油抜きエアー供給口がバルブ304を介して高圧エアー源に接続され、他方の濾過器320bの油抜き供給口がバルブ309を介して高圧エアー源に接続されている。
【0055】
タンク330は、流路C36を通して導かれる濾過済みバイオディーゼル油を溜める。タンク330には、上下方向に配置された2つの液面センサ331、332が設けられている。各液面センサ331、332からの検出信号に基づいて、後述する制御装置20(
図12参照)は、タンク330内に溜まった濾過済みバイオディーゼル油の量を監視することができる。タンク330から送り流路Ctr3が蒸留精製装置400(
図1参照)に向けて延びており、この流路Ctr3中にバルブ312が設けられている。
【0056】
上述した構造の濾過装置300では、通常、バルブ302、306、307、311が開放され、他のバルブ303、305、308、310が閉鎖されている。この状態で、メタノール回収装置200(第1気化処理塔220:
図3参照)から送り流路Ctr2を通して供給されるメタノール除去済みバイオディーゼル油は、一方の濾過器320aを通った後、流路C31、C32、C33、C34を通って他方の濾過器320bに導かれ、濾過器320bを通った濾過済みバイオディーゼル油は、流路C36を通ってタンク330に供給される。
【0057】
例えば、バルブ302、306、308、311が開放され、他のバルブ303、307、305、310が閉鎖された状態では、送り流路Ctr2を通して供給されるメタノール除去済みバイオディーゼル油は、一方の濾過器320aを通った後、他方の濾過器320bを通ることなく、そのまま流路C31、C32、C36を通ってタンク330に供給される。この状態では、使用されない濾過器320bの修理、濾材の交換等を行うことができる。また、例えば、バルブ303、307、311が開放され、他のバルブ302、306、308、310が閉鎖された状態では、送り流路Ctr2を通して供給されるメタノール除去済みバイオディーゼル油は、一方の濾過器320aを通ることなく、流路C33、C34を通して他方の濾過器320bに導かれ、濾過器320bを通った後、流路C35、C36を通ってタンク330に供給される。この状態では、使用されない濾過器320aの修理、濾材の交換等を行うことができる。
【0058】
なお、各濾過器320a、320bには圧力計321a、321bが設けられており、各圧力計321a、321bによって対応する濾過器320a、320b内の圧力を監視することができる。そして、各濾過器320a、320b内の圧力に基づいて、当該濾過器320a、320bに装填された濾材のつまりの状態を判断することができる。
【0059】
各濾過器320a、320bの具体的な構造について、
図5乃至
図9を参照して説明する。
【0060】
図5において、濾過器320a、320b(以下、濾過器の説明において参照番号を320とする)は、円筒状の筒体321を有している。筒体321の一方側の端縁がフランジ状になっており、その端縁に第1蓋体322が複数のボルト等(図示略)によって固定され、筒体321の当該一方側の端部が第1蓋体322により閉鎖されている。筒体321の他方側の端縁もフランジ状になっており、その端縁に第2蓋体323が複数のボルト等(図示略)によって固定され、筒体321の当該他方側の端部が第2蓋体323により閉鎖されている。筒体321内には、活性白土等の濾材が収容された複数(例えば、5つ)の袋体326a、326b、326c、326d、326eが装填されている。各袋体326a〜326eは、油等から化学的な影響を受け難い木綿等の天然繊維にて形成されている。筒体321の第1蓋体322にて閉鎖された側の端部に流入口INが形成され、筒体321の第2蓋体323にて閉鎖された側の端部に流出口OUTが形成されている。
【0061】
筒体321の流入口INの設けられた端部には、濾過器320(筒体321)内の油を抜く際に高圧の気体(例えば、エアー)を導入するための油抜きエアー供給口327aが設けられている。また、油抜きエアー供給口327aから供給されるエアーの圧力により筒体321から排出される油を導くための油排出口327bも、筒体321の流入口INの設けられた端部に設けられている。更に、第1蓋体322には、筒体321内に高圧の気体(例えば、エアー)を導入するための高圧エアー供給口328が設けられている。
【0062】
筒体321内に第1摺動体324と第2摺動体325とが摺動自在に装填されている。これら第1摺動体324と第2摺動体325とは、5つの袋体326a〜326eを挟むように配置されている。即ち、第1摺動体324は、5つの袋体326a〜326eのうちの第1蓋体322側の端に位置する袋体326aと第1蓋体322との間に、流入口INに対応するように配置され、第2摺動体325は、5つの袋体326a〜326eのうちの第2蓋体323側の端に位置する袋体326eと第2蓋体322との間に、流出口OUTに対応するように配置されている。
【0063】
第1摺動体325は、
図6及び
図7に示すように構成されている。なお、
図6は、第1摺動体324の外観を示す斜視図であり、
図7は、第1摺動体324の構造を示す断面図である。
【0064】
図6及び
図7において、第1摺動体324は、円盤状の第1プレート41と第2プレート42とが、円形状に等間隔に配置された複数の支柱43により連結された構造となっている。メッシュ状(スリット状でもよい)に通孔の形成された円筒体44が複数の支柱43に囲まれるようにして第1プレート41と第2プレート42とによって挟まれている。第2プレート42の中央部には、円筒体44の開放端面に対応するように孔42aが形成されている。第1プレート41の外面には、その周縁から僅かに突出するように、例えば、ウレタン等で形成されたシールパッキン45が設けられている。また、第2プレートの外面にも、同様に、シールパッキン46が設けられている。第1プレートの外面の略中央部には円筒状のスペーサ部材47が設けられている。
【0065】
このような構造の第1摺動体324が筒体321に入れられた状態(
図5参照)で、第1プレート41及びシールパッキン45(それらにより閉鎖部が構成される)は、袋体326aと第1蓋体322との間において、当該筒体321を塞いでいる。そして、2つのシールパッキン45、46によって第1摺動体324と筒体321の内面との間の気密性が保持される。第1摺動体324には、
図7の破線矢印で示すように、複数の支柱43の隙間、円筒体44の通孔、円筒体44の開放端面及び第2プレート42の孔42aを通るように流路が形成される。流入口INから筒体321に導入されるメタノール除去済みバイオディーゼル油が第1摺動体324の前記流路を通って複数の袋体326a〜326e側に導かれる。また、第1摺動体324が第1蓋体側322側に最も寄った状態で、スペーサ部材47の先端部が第1蓋体322に当接し、第1蓋体322と第1摺動体324の第1プレート41との間に隙間が形成される。
【0066】
第2摺動体325は、
図8及び
図9に示すように構成されている。
図8は、第2摺動体325の外観を示す斜視図であり、
図9は、第2摺動体325の構造を示す断面図である。
【0067】
図8及び
図9において、第2摺動体325は、円盤プレート51及び押さえリングプレート52を有している。円盤プレート51の中央部には扁平円柱状の凸部が形成されており、円盤プレート51と押えリングプレート52とが、前記凸部が前記押さえリングプレート52の内孔52aに嵌まり込むようにして結合固定されている。押えリングプレート52の外面には、その周縁から僅かに突出するように、例えば、ウレタン等で形成されたシールパッキン55が設けられている。円盤プレート51の押えリングプレート52が接合する面と逆側の面に同軸的に円筒部53が設けられている。この円筒部53を囲むようにして等間隔に配列された複数(例えば、4つ)のL字ステーと54のそれぞれが、円盤プレート51の円筒部53が形成された面の周縁部と円筒部53の円盤プレート51と逆側の周壁端部との間に形成されている。また、円盤プレート51の前記凸部には、当該円盤プレート51を貫通するように複数のスリット51aが形成されている。
【0068】
このような構造の第2摺動体325が筒体321に入れられた状態(
図5参照)で、円盤プレート51と結合された押えリングプレート52の周縁と筒体321の内面との隙間がシールパッキン55によってうめられている。結合された円盤プレート51と押えリングプレート52とシールパッキン55(それらにより閉鎖部が構成される)は、袋体326eと第2蓋体323との間において、筒体321を塞いでいる。そして、第2摺動体325には、
図9の破線矢印で示すように、円盤プレート51の前記凸部に形成された複数のスリット51a、円筒部53及び円筒部53の開放端面を通る流路が形成される。複数の袋体326a〜326e(濾材)を通過した濾過済みバイオディーゼル油が第2摺動体325の前記流路を通して第2蓋体323側に導かれる。その濾過済みバイオディーゼル油は流出口OUTから流出する。
【0069】
このような構造の濾過器320では、メタノール回収装置200(
図1参照)から導かれるメタノール除去済みバイオディーゼル油が、流入口INから流入し、第1摺動体324の流路(
図7参照)を通って複数の袋体326a〜326e側に導かれる。そして、メタノール除去済みバイオディーゼル油は複数の袋体326a〜326eを順次通る過程で各袋体内の濾材(例えば、活性白土)によって濾過される。複数の袋体326a〜326e(濾材)を通って出てくる濾過済みバイオディーゼル油は、第2摺動体325の流路(
図9参照)を通って第2蓋体323側に導かれ流出口OUTから流出する。
【0070】
各濾過器320に設けられた圧力計321a(321b:
図4参照)が指示する圧力に基づいて濾材(袋体326a〜326e)がつまったことを判断することができる。そして、各濾過器320の濾材の交換は以下のようにして行うことができる。
【0071】
まず、濾過器320(320a、320b)の流入口INに続く流路Ctr2(C34)のバルブ302(307:
図4参照)及び流出口OUTに続く流路C31、C32(C35、C36:
図4参照)のバルブ305、306(310、311:
図4参照)が閉じられる。この状態で、油抜きエアー供給口327aから高圧エアーが筒体321内に導入される。この高圧エアーの圧力により、筒体321内に残留する油(バイオディーゼル油を含む)が油排出口327bから排出される。そして、油排出口327bからの油の排出がなくなった後、ボルト等によって固定された第2蓋体323が筒体321から取り外され、筒体321の第2蓋体323側の端部が開放される。この状態で、第1蓋体322に設けられた高圧エアー供給口328を通して、スペーサ部材47によって形成された第1蓋体322と第1摺動体324(第1プレート41)との間の隙間に、高圧エアーが一気に導入される。この筒体321に導入される高圧エアーの圧力により、第1摺動体324が筒体321内を摺動し、その第1摺動体324に押される複数の袋体326a〜326bが、
図10に示すように、筒体321の開放した端部から順次排出される。
【0072】
このようにして、筒体321(濾過器320)内の複数の袋体326a〜326e(濾材)を容易に筒体321から排出させることができる。そして、新たな濾材が収納された袋体326a〜326eが筒体321内に開放した端部から装填され、第2蓋体323が筒体321の開放した端部に固定されて、濾材の交換が終了する。
【0073】
蒸留精製装置400は、具体的に、
図11に示すように、構成される。
【0074】
図11において、蒸留精製装置400は、第1加温塔406、第2加温塔408、第2気化処理塔430、冷却器440、一時貯留タンク450及びタンク460を有している。前述した多段式濾過装置300の濾過器320bから延びる送り流路Ctr3(
図4参照)が第1加温塔406に至っている。この送り流路Ctr3には、バルブ401、ポンプ402、逆止弁403、流量計404及び電磁バルブ405が設けられている。バルブ401及び電磁バルブ405の開状態でのポンプ402の駆動により、多段式濾過装置300から送り流路Ctr3を通して濾過済みバイオディーゼル油が第1加温器406に導入される。温度計404により送り流路Ctr3を流れる濾過済みバイオディーゼル油の温度を監視することができる。
【0075】
第1加温塔406には加熱器406aが設けられており、第1加温塔406に導かれた濾過済みバイオディーゼル油が、例えば、60℃〜120℃程度の温度に加熱される。第1加温塔406と第2加温塔408とが流路C41により直列的に接続されている。第2加温塔408には加熱器408aが設けられており、第1加温塔406から流路C41を通して第2加温塔408に導かれた濾過済みバイオディーゼル油が、例えば、120℃〜240℃程度の温度に加熱される。第2加温塔408から第2気化処理塔430に向けて流路C42が形成されており、第1加温塔406での加熱(例えば、60℃〜120℃程度の温度)及び第2加温塔408での加熱(例えば、120℃〜240℃程度の温度)を経た濾過済みバイオディーゼル油が流路C42を通して第2気化処理塔430に供給される。
【0076】
なお、第1加温塔406には温度計407が設けられ、第2加温塔408には温度計409が設けられており、これらの温度計407、409により第1加温塔406内の温度及び第2加温塔408内の温度を監視することができる。
【0077】
第2気化処理塔430には、加熱器431が設けられており、第2気化処理塔430に溜められた濾過済みバイオディーゼル油が、例えば、240℃〜280℃程度の所定の温度に維持される。第1加温塔406、第2加温塔408及び第2気化処理塔430で順次温度を上げながら加熱される濾過済みバイオディーゼル油は、第2気化処理塔430内において気化し、残渣が第2気化処理塔430の底に溜まっていく。第2気化処理塔430には、比較的上方の位置に第1液面センサ432が設けれ、それより下方の位置に第2液面センサ433が設けられている。第1液面センサ432及び第2液面センサ433からの検出信号に基づいて、後述する制御装置20(
図12参照)は、第2気化処理塔430に溜まった濾過済みバイオディーゼルの量を監視することができる。特に第2液面センサ433からの検出信号に基づいて、制御装置20は、第2気化処理塔430内に溜まった残渣の量を監視することもできる。また、第2気化処理塔430の表面に近接させて温度センサ434が設けられており、制御装置20は、温度センサ434からの検出信号に基づいて、第2気化処理塔430内の温度を監視することができる。
【0078】
第2気化処理塔430の天部から流路C43が一時貯留タンク450(一時貯留部)まで延びており、この流路C43中に冷却器440及び電磁バルブ413(第3弁)が設けられている。冷却器430では冷却水が循環しており、第2気化処理塔430で気化した濾過済みバイオディーゼル油が流路C43を通って更に冷却器440を通る際に冷却されて凝縮し、最終バイオディーゼル油となって開状態の電磁バルブ413を通って一時貯留タンク450に溜められる。一時貯留タンク450の上部から減圧路Cvと大気開放路Caが延びている。減圧路Cv中に真空ポンプ410と電磁バルブ411(第1弁)が設けられ、大気開放路Ca中に電磁バルブ412(第2弁)が設けられている。また、一時貯留タンク450の底部からタンク460に向けて流路C44が形成されており、この流路C44中に電磁バルブ414(第4弁)、バルブ415、逆止弁416及びポンプ417が設けられている。電磁バルブ414及びバルブ415の開状態でのポンプ417の駆動により、一時貯留タンク450に溜まった最終バイオディーゼル油が流路C44を通ってタンク460に供給される。また、一時貯留タンク450には、液面センサ451が設けられており、液面センサ451からの検出信号に基づいて、制御装置20は一時貯留タンク450に溜まった最終バイオディーゼル油の量を監視することができる。
【0079】
最終バイオディーゼル油を溜めるタンク460には液面センサ461が設けられており、液面センサ461からの検出信号に基づいて、制御装置20はタンク460に溜まった最終バイオディーゼル油の量を監視することができる。また、タンク460から延びる排出流路にはバルブ462が設けられており、バルブ462を開放すると、タンク460から最終バイオディーゼル油が排出流路を通して排出される。タンク460から排出される最終バイオディーゼル油は、所定の回収機構により回収することができる。更に、タンク460には、臭気除去フィルタ463が設けられており、タンク463に溜まった最終バイオディーゼル油から発せられる臭気を臭気除去フィルタ463によって除去することができる。
【0080】
なお、第2気化処理塔430の底から流路C45が延びている。流路C45中に、バルブ418、冷却フィン付き管419、逆止弁420、電磁バルブ421及びポンプ422が設けられている。バルブ418及び電磁バルブ421が開放した状態でのポンプ422の駆動により、第2気化処理塔430に溜まった残渣が流路45を通って冷却フィン付き管419により冷却されながら排出される。第2気化処理塔430から排出された残渣は、別途回収される。
【0081】
前述したバイオディーゼル油の製造システムでは、
図12に示すように、制御装置20が、液面センサ群SS(液面センサ222、241(
図3参照)、液面センサ432、433、451、461(
図11参照)を含む)及び温度センサ群SS(温度センサ113(
図2参照)、温度センサ223(
図3参照)、温度センサ434(
図11参照)を含む)からの検出信号を入力し、それら入力信号に基づいて、電磁バルブ群SV(電磁バルブ203(
図3参照)、電磁バルブ405、411、412、413、414、421(
図11参照)を含む)、ヒータ群HT(加熱器105a(
図2参照)、加熱器210a、221(
図3参照)、加熱器406a、408a、431(
図11参照)に設けられた各ヒータを含む)、真空ポンプVP(
図11における410)、及びポンプ群PP(ポンプ102、108(
図2参照)、ポンプ201、204(
図3参照)、ポンプ402、417、422(
図11参照)を含む)の駆動制御を行う。制御装置20には、表示部21及び記憶部22が接続されており、前記液面センサ群SSや温度センサ群TSからの検出信号に基づいて各部の状態(温度、液(油)量)についての監視情報が、表示部21に表示され、また、必要に応じて記憶部22に記憶される。
【0082】
制御装置20(弁駆動制御部)は、例えば、蒸留精製装置400において、真空ポンプ410が常時駆動させた状態で、電磁バルブ411、412、413、414を
図13に示すタイミングチャートに従って駆動制御する。
【0083】
電動バルブ411(第1弁)、413(第3弁)が駆動されて開状態にあって、電動バルブ412(第2弁)、414(第4弁)が遮断されて閉状態にある場合(
図13における時刻t1までの期間)、減圧路Cv、一時貯留タンク450及び流路C43が連通しており、真空ポンプ410の動作により、一時貯留タンク450が電磁バルブ411を通して減圧され、その減圧作用が電磁バルブ413を通して冷却器440に伝わり、更に、冷却器440を通して第2気化処理塔430が減圧される。これにより、第2気化処理塔430では、濾過済みバイオディーゼル油の加熱が減圧下で行われ、沸点が低下した状態で濾過済みバイオディーゼル油を気化させることができる。従って、第2気化処理塔430内での濾過済みバイオディーゼル油の焦げ付き等を抑制することができる。
【0084】
このように第2気化処理塔430において濾過済みバイオディーゼル油が減圧下にて気化して、冷却器430での凝縮により生成される最終バイオディーゼル油が一時貯留タンク450に順次溜まっていく。そして、液面センサ451からの検出信号に基づいて一時貯留タンク450内の最終バイオディーゼル油が所定量に達したことが、
図13の時刻t1にて、検出されると、電磁バルブ411、413が遮断されて閉状態になり、その直後に電磁バルブ412、414が順次駆動されて開状態になる。これにより、一時貯留タンク450及び冷却器440を介した第2気化処理塔430の減圧作用が中断され、その後、一時貯留タンク450が大気開放路Ca(電磁バルブ412)を通して大気に開放される。このとき、電磁バルブ413が閉状態となっているので、冷却器440及び第2気化処理塔430が急激に大気圧(常圧)に戻され、一時貯留タンク450に溜まった最終バイオディーゼルが流路C43を通して第2気化処理塔430に逆流することはない。前述した電磁バルブ412、414の駆動とともに、ポンプ417の駆動が開始されており、大気に開放された状態の一時貯留タンク450から最終バイオディーゼル油が流路C44を通してタンク460に送られる。
【0085】
ポンプ417の駆動は、
図13における電磁バルブ414の駆動開始時刻t2から所定時間Δt(例えば、5秒程度:時刻t3まで)継続され、その間Δt、一時貯留タンク450からタンク460に最終バイオディーゼルの移送が継続される。そして、前記時刻t2から所定時間Δt後の時刻t3で、電磁バルブ414が遮断されて閉状態になり、その後順次、電磁バルブ412が遮断され、電磁バルブ411、413が駆動される。これにより、真空ポンプ410による減圧作用が一時貯留タンク450及び冷却器440を介して第2気化処理塔430に及ぶようになり、前記時刻t3以降、第2気化処理塔430では、濾過済みバイオディーゼル油が減圧下にて気化され、冷却器440での凝縮を経て最終バイオディーゼル油が電磁バルブ413(開状態)を介して一時貯留タンク450に溜められる。以後、前述したのと同様(
図13参照)に、電磁バルブ411〜414の駆動制御及びポンプ417の駆動制御が行われる。
【0086】
なお、前記ポンプ417が駆動する、即ち、一時貯留タンク450から最終バイオディーゼル油が排出される、前記所定時間Δtは、液面センサ451にて検出される一時貯留タンク450内の最終バイオディーゼル油の量(前記所定量)とポンプ417(回収機構)による最終バイオディーゼル油の排出能力とによって決めることができる。
【0087】
制御装置20は、更に、第2気化処理塔430に対して設けられた2つの液面センサ432、433からの検出信号に基づいて、多段濾過装置300からの送り流路Ctr3に設けられたポンプ402及び電磁バルブ405の駆動制御、及び第2気化処理塔430から延びる流路C45に設けられた電磁バルブ421及びポンプ422の駆動制御を、例えば、次のように行う。
【0088】
液面センサ432からの検出信号に基づいて、第2気化処理塔430の濾過済みバイオディーゼル油が第1所定量を越えたと判定されると、電磁バルブ405が遮断されて閉状態になるとともにポンプ402が停止される。これにより、第2気化処理塔430に対する濾過済みバイオディーゼル油の供給が停止される。そして、液面センサ433からの検出信号に基づいて、第2気化処理塔430の濾過済みバイオディーゼル油が前記第1所定量より小さい第2所定量を下回ったと判定されると、電磁バルブ405が駆動されて開状態になるとともにポンプ402が駆動される。これにより、第2気化処理塔430に対する濾過済みバイオディーゼル油の供給が行われる。このような動作を繰り返す過程で、液面センサ433により、第2気化処理塔430に溜まった残渣(濃度及び粘性が高い)が検出されると、流路C45の電磁バルブ421が駆動されて開状態になるとともにポンプ422が駆動される。これにより、第2気化処理塔430に溜まった残渣が、冷却フィン付き管419を通る際に冷却されつつ流路C45を通って回収設備(図示略)に送られる。このとき、流路C43に設けられた電磁バルブ413が開状態に維持されるとともに、電磁バルブ411が閉状態に切換えられて、電磁バルブ412が開状態に切り換えられる。これにより、前述したように第2気化処理塔430から残渣が排出されている過程で、第2気化処理塔430は大気圧(常圧)に戻される。これにより、第2気化処理塔430からスムーズに残渣を排出させることができる。
【0089】
なお、蒸留精製装置400では、第2気化処理塔430の減圧状態と常圧(大気圧)状態との切換え、及び最終バイオディーゼル油の回収が電磁バルブ411、412、414の駆動制御にて行われたが、各電磁バルブ411、412、414に代えて、手動のバルブの開閉切換えにて行うこともできる。
【0090】
上述したバイオディーゼル油の製造システムでは、エステル反応装置100において、加熱される原料油と反応液(メタノール及び水酸化カリウムを含む)とが混合されながら反応塔120に導かれ、反応塔120内でのエステル交換反応によってグリセリンとともに脂肪酸メチルエステルを主成分とする1次バイオディーゼル油が生成される。そして、グリセリンから分離された前記1次バイオディーゼル油がエステル反応装置100からメタノール回収装置200に順次送られ、前記1次バイオディーゼル油からメタノールが除去されて、更に、濾過装置300(5つの濾過器326a〜326e)によって、そのメタノール除去済みのバイオディーゼル油から不純物(例えば、石鹸の成分)が除去される。そして、前記メタノールが除去されて濾過済みのバイオディーゼル油が多段式濾過装置300から蒸留精製装置400に送られ、その濾過済みバイオディーゼル油が蒸留精製装置400での減圧下での気化及び凝縮による蒸留精製の過程を経て最終バイオディーゼル油が生成される。このように、エステル反応装置100においてグリセリンと一次バイオディーゼル油(脂肪酸メチルエステル)とが生成された後、グリセリンから分離された一次バイオディーゼル油が、メタノール回収装置200でのメタノール回収、多段式濾過装置300での濾過及び蒸留精製装置400での減圧下での気化及び凝縮による蒸留精製の各過程を順次経ることにより最終バイオディーゼル油が生成されるので、バッチ方式のような大きな設備ではなく、また、不純物(石鹸等)の水洗い等の設備を利用することなく、比較的小規模な設備で、より純度の高いバイオディーゼル油を製造することができる。
【解決手段】エステル交換反応によってグリセリンとともに1次バイオディーゼル油を生成するエステル反応装置100と、前記グリセリンから分離して導かれる前記1次バイオディーゼル油を加熱しつつ第1気化処理塔220に導き、気化したメタノールを冷却器230に導いて凝縮させて回収するメタノール回収装置200と、メタノール除去済みバイオディーゼル油を、濾材の装填された一又は複数の濾過器326a〜326eを通して濾過する濾過装置300と、濾過済みバイオディーゼル油を加熱しつつ第2気化処理塔430に導き、減圧下で気化した濾過済みバイオディーゼル油を冷却器440に導いて凝縮させて最終バイオディーゼル油を生成する蒸留精製装置400とを有する構成となる。