特許第5747112号(P5747112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5747112
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】車椅子前脚懸架装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/00 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   A61G5/00 504
   A61G5/00 503
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-167132(P2014-167132)
(22)【出願日】2014年8月20日
【審査請求日】2014年11月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593189771
【氏名又は名称】谷口 原二郎
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 原二郎
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−215733(JP,A)
【文献】 特開2000−288028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)汎用車椅子の座幅よりも短めのアルミパイプからなり、前後に配置された互いに平行な前フレーム(S)及び後フレーム(1)と
前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)の左右両端にそれぞれ1個ずつ連結された、計4個のクロスパイプジョイント(J)と
前記4個のクロスパイプジョイント(J)に連結された、前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)を左右両側に延長するための4個の第1延長フレーム(3)と
前記4個の第1延長フレーム(3)のうち前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)を左側に延長するための2個の第1延長フレーム(3)の端部間に連結された第1縦フレーム(2)、及び、前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)を右側に延長するための2個の第1延長フレーム(3)の端部間に連結された第2縦フレーム(2)と
から成る、長方形状の枠フレームと
b) 前記4個のクロスパイプジョイント(J)のうち前記前フレーム(S)の左端及び後フレーム(1)の左端に連結された2個のクロスパイプジョイント(J)、両端部が回転可能に挿入された第3縦フレーム(M)、及び前記前フレーム(S)の右端及び後フレーム(1)の右端に連結された2個のクロスパイプジョイント(J)に両端部が回転可能に挿入された第4縦フレーム(M)と、
c) 前記第1縦フレーム(2)と前記第3縦フレーム(M)の間、及び前記第2縦フレーム(2)と前記第4縦フレーム(M)の間にそれぞれ設置されたアルミニウム製の一対のプレート(P)と、
d) 前記第3縦フレーム(M)及び前記第4縦フレーム(M)それぞれの前端のクロスパイプジョイント(J)に挿入された、該第3縦フレーム(M)及び該第4縦フレーム(M)それぞれと一体に回転すると共に前記第3縦フレーム(M)及び前記第4縦フレーム(M)と直角な向きに延びるハンドル部を有する一対のハンドルフレーム(H)と、
e) 前記第3縦フレーム(M)及び前記第4縦フレーム(M)それぞれの後端のクロスパイプジョイント(J)に挿入された、該第3縦フレーム(M)及び該第4縦フレーム(M)それぞれと一体に回転すると共に、前記第3縦フレーム(M)及び前記第4縦フレーム(M)と直角で且つ前記ハンドル部と平行な一対のアーム部(A,B)を有する2個アームフレームと、
f) 前記2個のアームフレームの端部のそれぞれに1個ずつ連結された、前記第3及び第4縦フレーム(M)に平行な2個の第2延長フレーム(11)と、
g) 前記2個の第2延長フレーム(11)の後端のそれぞれに1個ずつ連結された、2個のL字型フック(L)と
を備え、
前記枠フレームを水平に伏した状態で、前記第3及び第4縦フレーム(M)を回転させて前記アーム部(A,B)を垂直にしたとき、前記L字型フック(L)が上方に凸となる山形を形成するように構成されており
車椅子の前側に前記一対のハンドルフレーム(H)が位置するように前記車椅子の一対のフットレスト(F)の下側に前記枠フレームを挿入し、前記一対のハンドルフレーム(H)を回転させて前記一対のL字型フック(L)をそれぞれ前記車椅子の左右のフレーム(7)に上側から懸架させたとき、前記ハンドルフレーム(H)及び前記前フレーム(S)が前記フットレスト(F)の前方に位置すると共に前記プレート(P)が車椅子のフットレスト(F)を下側から受けとめるように構成され、前記前フレーム(S)を把持することにより前記車椅子を前記フットレスト(F)側から支持することができることを特徴とする車椅子前脚懸架装置。
【請求項2】
a)汎用車椅子の座幅よりも短めのアルミパイプからなり、前後に配置された互いに平行な前フレーム(S)及び後フレーム(1)と前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)の左右両端それぞれ1個ずつ連結された、第1及び第2縦フレーム(4)とからなる長方形状の枠フレームと、
前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)の左右両端に連結された該前フレーム(S)及び該後フレーム(1)を左右両側に延長する4個の第1延長フレーム(5)と
前記4個の第1延長フレーム(5)の端部に1個ずつ連結された、計4個のチーズパイプジョイント(T)と
b) 前記4個のチーズパイプジョイント(T)のうち前記前フレーム(S)及び前記後フレーム(1)の左側に位置する2個のチーズパイプジョイント(T)間に回転可能に挿入された第3縦フレーム(N)、及び前記前フレーム(S)及び前記後フレーム(1)の右側に位置する2個のチーズパイプジョイント(T)間に回転可能に挿入された第4縦フレーム(N)と、
c) 前記第1縦フレーム(4)と前記第3縦フレーム(N)の間、及び前記第2縦フレーム(4)と前記第4縦フレーム(N)の間にそれぞれ設置されたアルミニウム製の一対のプレート(P)と、
d) 前記第3縦フレーム(N)及び前記第4縦フレーム(N)それぞれの前端のチーズパイプジョイント(T)に挿入された、該第3縦フレーム(N)及び該第4縦フレーム(N)それぞれと一体に回転すると共に前記第3縦フレーム(N)及び前記第4縦フレーム(N)と直角な向きに延びるハンドル部を有する一対のハンドルフレーム(H)と、
e) 前記第3縦フレーム(N)及び前記第4縦フレーム(N)それぞれの後端のチーズパイプジョイント(T)に挿入された、該第3縦フレーム(N)及び該第4縦フレーム(N)それぞれと一体に回転すると共に、前記第3縦フレーム(N)及び前記第4縦フレーム(N)と直角で且つ前記ハンドル部と平行な一対のアーム部(A,B)を有する2個アームフレームと、
f) 前記2個のアームフレームの端部のそれぞれに1個ずつ連結された、前記第3及び第4縦フレーム(N)に平行な2個の第2延長フレーム(11)と、
g) 前記2個の第2延長フレーム(11)の後端のそれぞれに1個ずつ連結された、2個のL字型フック(R)と
を備え、
前記枠フレームを水平に伏した状態で、前記第3及び第4縦フレーム(N,N)を回転させて前記アーム部(A,B)を垂直にしたとき、前記L字型フック(R)が上方に凸となる山形を形成するように構成されており
車椅子の前側に前記一対のハンドルフレーム(H)が位置するように前記車椅子の一対のフットレスト(F)の下側に前記枠フレームを挿入し、前記一対のハンドルフレーム(H)を回転させて前記一対のL字型フック(R)をそれぞれ前記車椅子の左右のフレーム(7)に上側から懸架させたとき、前記ハンドルフレーム(H)及び前記前フレーム(S)が前記フットレスト(F)の前方に位置すると共に前記プレート(P,P)が車椅子のフットレスト(F)を下側から受けとめるように構成され、前記前フレーム(S)を把持することにより前記車椅子を前記フットレスト(F)側から支持することができることを特徴とする車椅子前脚懸架装置。
【請求項3】
a)汎用車椅子の座幅よりも短めのアルミパイプからなり、前後に配置された互いに平行な前フレーム(S)及び後フレーム(1)と前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)の左右両端それぞれ1個ずつ連結された、第1及び第2縦フレーム(12)とからなる長方形状の枠フレームと、
前記前フレーム(S)及び後フレーム(1)の左右両端に連結された該前フレーム(S)及び該後フレーム(1)を左右両側に延長する4個の第1延長フレーム(5)と
b) 前記4個の第1延長フレーム(5)のうち前記前フレーム(S)及び前記後フレーム(1)を左側に延長する2個の第1延長フレーム(5)の端部間に連結された第3縦フレーム(10)、及び前記前フレーム(S)及び前記後フレーム(1)を右側に延長する2個の第1延長フレーム(5)の端部間に連結された第4縦フレーム(10)と、
c) 前記第1縦フレーム(12)と前記第3縦フレーム(10)の間、及び前記第2縦フレーム(12)と前記第4縦フレーム(10)の間にそれぞれ設置されたアルミニウム製の一対のプレート(P)と、
d) 前記第3縦フレーム(10)及び前記第4縦フレーム(10)それぞれに回転可能に挿入された2個のチーズパイプジョイント(T)と、
e) 前記2個のチーズパイプジョイント(T)のそれぞれに連結された、該第3縦フレーム(10)及び該第4縦フレーム(10)と直角な一対のアームフレーム(C)と、
f) 前記一対のアームフレーム(C)の端部に連結された前記第3縦フレーム(10)及び該第4縦フレーム(10)に平行な一対の第2延長フレーム(X)と、
g) 前記一対の第2延長フレーム(X)の端部に設けられた一対のL字型フック(R)と
を備え、
前記枠フレームを水平に伏した状態で、前記アームフレーム(C)を垂直にしたとき、前記L字型フック(R)が上方に凸となる山形を形成するように構成されており
前記車椅子の一対のフットレスト(F)の下側に前記枠フレームを挿入し、前記アームフレーム(C)を回転させて前記一対のL字型フック(R)をそれぞれ前記車椅子の左右のフレーム(7)に上側から懸架させたとき、前記前フレーム(S)が前記フットレスト(F)の前方に位置すると共に前記プレート(P,P)が車椅子のフットレスト(F)を下側から受けとめるように構成され、前記前フレーム(S)を把持することにより前記車椅子を前記フットレスト(F)側から支持することができることを特徴とする車椅子前脚懸架装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子に乗った要介護者をそのままで階段を避難移動しようとする時、車椅子の前脚側に着脱式の支持部を設けることで、より安全な車椅子の移動を補助する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
障がい者等の要介護者が使用している車椅子のまま階段移動するには、車椅子の前後左右から複数の人間による人力で持ち上げて移動するか、あるいは駅の階段等に設置してあるような大掛かりな電動車椅子昇降装置移動機で移動するか、あるいは電池自走式駆動キャタピラの上に車椅子を乗せて移動する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1-171549号公報(図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者もしくは身体障がい者等が車椅子に乗ったまま階段を移動するのは、車椅子が平面を押して移動するために製作されたもので、段差を乗り越えて車椅子を持ち上げて移動するための専用の持ち手もしくは支持部が備わっていないために階段移動には必要以上の人員が必要であったり、また階段の幅が狭い場合などがあったりして、階段移動は介助者には無理な姿勢を強いられ、困難で肉体的な負担も多い。それで車椅子が通れる幅の階段などでも少なくとも2名の人員で階段移動できるようにする。それを可能にするために前脚側に専用の車椅子の懸架装置を、介助者が最大限の力を発揮できるような位置に着脱できる支持部を設置すれば良い。階段上側の介助者は車椅子に既設の背部の備え付けのグリップを使用し、また階段下側の介助者には車椅子のフットレス下側に簡単に着脱できる車椅子の本発明の車椅子前脚懸架装置を、階段移動の必要が生じたときに使用するようにすれば良い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
車椅子のフットレスの下側から挿入する車椅子前脚懸架装置を着脱できるようにし、車椅子のフレームにL字型フックを懸架して、車椅子のフットレスを下側から支持するための支持フレームを備えて、車椅子を階段下側から支持できるようにした。
【0006】
車椅子前脚懸架装置は、車椅子のフットレスの下側と床面との隙間の前方からあるいは横側から挿入できるように薄型にして、また車椅子のフレーム構造や連結部分を損なうことがないように、車椅子の形態に適合させて着脱できる構造にする。
【0007】
また、階段を移動する場合は踊り場や廊下などの移動も含まれるので、車椅子前脚懸架装置は階段下側の介助者が手を離してもその位置で保たれるようにゴム紐で吊るようにして車椅子と一体となるようにし、平面では車椅子前脚懸架装置を設置したまま前進可能にした。
【0008】
車椅子前脚懸架装置は、幅や長さのサイズの異なった車椅子により対応できるように、回転するアームを設置してその先端のL字型フックで車椅子のフレームに懸架できるようにし、また車椅子のフットレスまたはその下端のフレームを受け止めるための広めのプレートPを設置した。
【0009】
車椅子前脚懸架装置の車椅子のフレームへの前方での着脱を容易とするために、車椅子前脚懸架装置にL字型フックとハンドルフレームHが一体となって可動するムーブメントを設置した。
【0010】
車椅子前脚懸架装置が、車椅子の下で前後方向に不用意に移動しないように、車椅子前脚懸架装置のL字型のフックを車椅子のフレーム6とフレーム7がクロスする場所に引っ掛けるようにし、L字型フックがフレーム6よりは前方に、またハンドルフレームがフットレス前方で垂直となって後方への移動を制限するように設置した。
【0011】
L字型のフックは回転する第3、第4縦フレームMの一端に設置し、また他端にハンドルフレームHを設置して一体となるムーブメントによって構成され、ハンドルフレームHを回転するとL字型フックも連動して回転すると共に、L字型フックの回転調整が階段下の介助者側でできるようにした。
【0012】
車椅子前脚懸架装置が、幅と長さの異なる多様な車椅子のフットレストを下側から支持できるように、車椅子前脚懸架装置に幅8cm前後長さ22cmのプレートを設けて、その上でフットレス下端KまたはフットレスFを下側から支持できるようにする。
【0013】
車椅子前脚懸架装置で介助者が車椅子を階段下側から支持できるように、車椅子前脚懸架装置の支持部がフットレストの前方でフットレストと適度な間隔を設けて設置され、介助者が支持部を手で把持できるようにする。
【0014】
車椅子前脚懸架装置全体をフットレストに懸架できるように、ゴム紐を張り渡してフットレスの上側に架け、また要介護者の足の下で架かって、吊るせるようにゴム紐を設置する。
【0015】
一辺を5cm程度として直角に連結したL字型フックを構成して、ムーブメントを回転しアームフレームを垂直にした時に、アームフレームに直角に連結されて水平となるフレーム11の他端で直角に連結されたL字型フックが、水平に対し山形を形成して内角が地上を向き、車椅子のフレーム7に対し直角となるようにした。
【0016】
平行する車椅子の左右のフレーム7にL字型フックを、フレーム7の内側でアームフレームが回転し内角が内側から回転しフレーム7の上側から引っ掛ける場合はL字型フックLとし、フレーム7の左右の外側からアームフレームが回転し内角が外側から回転しフレーム7の上側から引っ掛ける場合は逆L字型フックRとした。
【0017】
車椅子前脚懸架装置を平面に置いた時、回転移動したL字型フックの内角の頂点までの地上高を懸架する車椅子のフレーム7の地上高よりも低くして、ゴム紐で合わせて吊るす時全体が地上から離れて懸架されるようにした。
【発明の効果】
【0018】
車椅子に階段移動用の車椅子前脚懸架装置を着脱することで、適宜に車椅子が新たな階段移動用の車椅子として使用可能となり、車椅子の前後の介助者で車椅子に要介護者を乗せたまま階段移動を可能にする。
【0019】
病院や介護施設などでの非常時に階段移動を強いられる時、小型で簡便な車椅子前脚懸架装置を常備しておくことで、車椅子ままでの災害時避難用具として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1本発明の第1実施形態に係る車椅子前脚懸架装置の平面図。
図2車椅子前脚懸架装置の正面図。
図3車椅子に車椅子前脚懸架装着を装着した状態の側面図。
図4車椅子前脚懸架装置の斜視図。
図5本発明の第2実施形態に係る車椅子前脚懸架装置の平面図。
図6車椅子前脚懸架装置の斜視図。
図7本発明の第3実施形態に係る車椅子前脚懸架装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る車椅子前脚懸架装置のいくつかの実施形態を説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1図2、及び図4では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmのフレーム1とフレームSを平行に配置して、それぞれの両端に1個ずつ、計4個のクロスパイプジョインJをそれぞれ連結して、更にそれら4個のクロスパイプジョイントJからフレーム1とフレームSのそれぞれの延長線上にそれぞれ長さ約10cmの第1延長フレーム3を連結して全長約50cmの平行するフレームを構成し、左側の2個の第1延長フレーム3の端部に長さ約20cmの第1縦フレーム2を、右側の2個の第1延長フレーム3の端部に第2縦フレーム2をそれぞれ第1延長フレーム3に対して直角となるようにまたそれぞれが平行となるように連結して、車椅子の座幅よりも広い幅約50cmで長さ約20cmの長方形フレームを構成した。
【0023】
前記長方形状の枠フレームの約20cm間隔で向き合うフレーム1の両端の一対のクロスパイプジョイントJと、フレームSの両端の一対のクロスパイプジョイントJ間に、フレーム1とフレームSに対して直角となるように、また、第1、第2縦フレーム2に対して平行となるように、第3、第4縦フレームМを回転可能に挿入した。
【0024】
前記第3、第4縦フレームМの両端に長さ約15cmの複数のフレームをそれぞれ直角でそれぞれが平行となるように連結して、フレームS側のフレームをハンドルフレームHとし、フレーム1側のフレームをアームAとアームから成るアームフレームとした。
【0025】
アームAとアームBの他端で第2延長フレーム11を直角に連結し、第2延長フレーム11は第3、第4縦フレームМと平行となるように、そして前記第3、第4縦フレームМを延伸するようにアーム部A、Bと連結し、その一方の先端が第3、第4縦フレームМの前側のハンドルフレームHから約47cmとなるようにした。
【0026】
前記長方形の枠フレームを水平に伏した状態で、アームAとアームBが回転して前記アームフレーム枠フレームに直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、第2延長フレーム11の先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成するL字型フックLが第2延長フレーム11に直角となるように連結されて、L字型部分が水平面に対して山形を形成し、L字型フックLの内角が地上と向き合って山のように突き出して、またL字型フックLの先端がそれぞれ第1、第2縦フレーム2に直角に向くように設置して、クロスパイプジョイントJに挿入されたムーブメントのハンドルフレームHとL字型フックが、長方形のフレームの枠外でフレームSの側のハンドルフレームHを回転することでフレーム1の側のアームA、Bが連動して回転して、L字型フックLの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した図3参照)
【0027】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アームA、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となるL字型フックLの内角がフレーム7の上で懸架される地上高を、約15cmとなるようにした。
【0028】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成について、フレームМまたはムーブメントのL字型フックLからハンドルフレームHまでの長さを約47cmとしたが、フレームSは支持フレームを兼ねるので、L字型フックLの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、ハンドルフレームHとフレームSがフットレストの前方で握れるように間隔を空けて配置され、手の甲または指先が入るようにすることが必要である。
【0029】
前記第2延長フレーム11の先端でそれぞれ第1、第2縦フレーム2側である長方形の枠フレームの外側を向いてそれぞれが反対向きとなっている一対のL字型フックLに於いて、一対のL字型フックLの一方を逆向けにして、L字型フックLの先端の向きを左右いずれかに揃えて設置しても良い。
【0030】
アームAとアームBにしたのは、細いアルミパイプ等を使用した時のフレームの懸架強度を増すためであり、またアームフレームとハンドルフレームHが長方形の枠フレームの外側に位置するのは、フレームМのクロスパイブジョイントJでのスライド移動を制限するためである。
【0031】
前記長方形の枠フレーム第1、第2縦フレーム2に直角に連結されたそれぞれの第1延長フレーム3間に、第3、第4縦フレームМに接触して第3、第4縦フレームМの回転を妨げないように一対のプレートPを固定した。
【0032】
長方形のプレートPの左右の幅は約8cmで、前後の長さは第3、第4縦フレームよりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして第3、第4縦フレームにもプラインドリベット等で固定するほうが長方形のフレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、フットレストまたはフットレストフレームKを受ける接触面に金属間の摩擦音などを防ぐためにプレートPの上面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0033】
第1、第2縦フレーム2間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを連結してゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0034】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、車椅子前脚懸架装置を地上に置きアームA、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となるL字型フックLの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmである。
【0035】
ムーブメントはアームAとアームBを備えているが、アルミパイブ等からなるフレームを太くすることでアームBのみにすることも可能である。但しアームAのみにした時あるいはアームBのみにした時、L字型フックLからハンドルフレームHまでのムーブメントの全長は、約47cmとする。
【0036】
ムーブメントの第3、第4縦フレームМは、クロスパイプジョイントJに挿入されて回転しスライドするが、L字型フックL側(後側)ではアームBによって、側ではハンドルフレームHでそのスライド移動幅は制限される。
【0037】
[第2実施形態]
図5及び図6では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmの後フレーム1と前フレーム前後に平行に配置して、それぞれの左端間及び右端間に長さ約20cmの第1、第2縦フレーム4をそれぞれ後フレーム1、前フレームSに直角に連結して長方形の枠フレームを構成し、長さ約30cmの後フレーム1と前フレーム両端の延長線上にそれぞれ1個ずつ、計4個の長さ約10cmの第1延長フレーム5を連結し、車椅子の座幅よりも広い全長約50cmの互いに平行フレームを構成し、フレームの端にそれぞれ1個ずつ、計4個のチーズパイブジョイントТを連結した。
【0038】
約20cm間隔で向き合う、フレーム1の両端の一対のチーズパイブジョイントТとフレームSの両端の一対のチーズパイブジョイントТ間に、フレーム1とフレームSには直角となるように、また第1、第2縦フレーム4には平行となるように第3、第4縦フレームNを回転しスライド可能に挿入して、それら第3、第4縦フレームN前後両端に長さ約15cmのフレームを前記第3、第4縦フレームNに直角で互いに平行となるように連結して、前端側のフレームをハンドルフレームHとし、後端側の一対のフレームをアームAとアームBとした。
【0039】
アームAとアームBの他端で第2延長フレーム11をアーム部Aとアーム部Bに直角に連結し、第2延長フレーム11は第3、第4縦フレームと平行となるようにそして前記第3、第4縦フレームを延伸するように連結し、第2延長フレーム11の先端からハンドルフレームHまでの全長を約47cmとなるようにした。
【0040】
前記長方形の枠フレームを水平に伏した状態で、アームAとアームBが回転して前記長方形の枠フレームに対して直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、第2延長フレーム11の先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成するL字型フック第2延長フレーム11に直角となるように該第2延長フレーム11に連結されて水平面に対して山形を形成し、逆L字型フックRの内角が地上と向き合って山のように突き出して、また逆L字型フックRの先端がそれぞれ第1、第2縦フレーム4に直角に向くように設置されて、長方形のフレームのフレームSの側のハンドルフレームHを回転することでフレーム1の側のアームA、Bが連動して回転して、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した。
【0041】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アームA、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmとした。
【0042】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成について、フレームNまたはムーブメントの逆L字型フックRからハンドルフレームHまでの長さを約47cmとしたが、フレームSは支持フレームを兼ねるので、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、ハンドルフレームHとフレームSがフットレストの前方で握れるように間隔を空けて配置され、手の甲または指先が入るようにすることが必要である。
【0043】
一対の逆L字型フックRはL字型フックに替えることも可能で、また片方をL字型フックL、もう片方を逆L字型フックRにしても良い。
【0044】
アームフレームアームAとアームBにしたのは、細いアルミパイプ等を使用した時のフレームの懸架強度を増すためであり、またアームBとハンドルフレームHが長方形の枠フレームの外側に位置するのは、第3、第4縦フレームNのチーズパイブジョイントJでのスライド移動を制限するためである。
【0045】
前記長方形の枠フレームの左側、右側それぞれの一対の第1延長フレーム5間に、第3、第4縦フレームNに接触して該第3、第4縦フレームNの回転を妨げないように長方形のプレートPを1個ずつ固定した。
【0046】
長方形のプレートPの左右の幅は約8cmで、前後の長さは第1、第2縦フレーム4よりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして第1、第2縦フレーム4にもプラインドリベット等で固定するほうが長方形のフレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、金属間の摩擦音などを防ぐためにフットレスを受けるプレートPの接触面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0047】
第3、第4縦フレームN間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを第3、第4縦フレームNの回転を阻害しないように固定せず連結して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0048】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アームA、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmである。
【0049】
ムーブメントはアームAとアームBを備えているが、アルミパイブ等からなるフレームを太くすることでアームBのみにすることも可能である。但しこの時、逆L字型フックRからハンドルフレームHまでの距離は、約47cmとする。
【0050】
ムーブメントの第3、第4縦フレームNは回転しスライドするが、アームBとハンドルフレームHでそのスライド幅は制限される。
【0051】
第3、第4縦フレームN間に、一対のプレートPを被せるようにゴム紐Gを連結して、第3、第4縦フレームNの回転を妨げないように輪通ししてゴム紐Gを張り渡して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0052】
[第3実施形態]
図7では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmのフレーム1と前フレームSを平行に配置して、それぞれの両端に長さ約20cmの第1、第2縦フレーム12それぞれ直角に連結して長方形の枠フレームを構成し、長さ約30cmの後フレーム1、前フレーム両側の延長線上にそれぞれ長さ約10cmの第1延長フレーム一対ずつ連結し、左側の第1延長フレーム端部間に長さ約20cmの第3縦フレーム10を、右側の第1延長フレーム5の端部間に長さ約20cmの第4縦フレーム10を連結して、全体として車椅子の座幅よりも広い幅約50cmの三つの連合した長方形となるフレームを構成して、前第3、第4縦フレーム10にそれぞれチーズパイブジョイントТを回転とスライド可能に挿入した。
【0053】
前記チーズパイブジョイントТに、前記第3、第4縦フレーム10と直角になるように約15cmのアームフレームCを連結して、前記アームフレームCの他端に長さ約25cmの第2延長フレームXを前記アームフレームCに直角にまた前記フレーム10を延伸するように連結し、第2延長フレームXその先端からフレームSまでの間隔を約45cmとなるように連結して、前記長方形の枠フレームを水平に伏した状態でアームフレームCが回転して後フレーム1、前フレームSに直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、第2延長フレームXの先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成する逆L字型フックRが第2延長フレームXに直角となるように逆L字型フックRが連結されて水平面に対して山形を形成し、逆L字型フックRの内角が地上と向き合って山のように突き出して、また逆L字型フックRの先端がそれぞれ第1、第2縦フレーム12に直角に向くように設置されて、一体となる一対のムーブメントがアームフレームCを回転することで逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した。
【0054】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アームフレームCを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmとした。
【0055】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成について、逆L字型フックRからフレームSまでの間隔を約45cmとなるようにしたが、フレームSは支持フレームを兼ねるので、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、フレームSは常に車椅子のフットレス先端から離れて手の甲または指先が入る間隔が必要になる。
【0056】
一対の逆L字型フックRはL字型フックに替えることも可能で、また片方のみをL字型フックLにして設置しても良い。
【0057】
第1、第2実施形態で用いたアームA、Bと違って、本実施形態ではアームフレームCが単数であるが、これは、太いアルミパイプ等を使用しムーブメントの懸架のための強度が足りることが前提での構成である。
【0058】
前記長方形の枠フレームの後フレーム1側の一対の第1延長フレーム5とフレームS側の一対のフレーム5間に、長さ約22cm幅約8cmの長方形の一対のプレートPを固定した。但しプレートPは、逆L字型フックRの内角の頂点がフレーム12の垂直線上辺りにまで来るように、アームフレームCの回転を妨げないように設置する。
【0059】
長方形のプレートPの左右の幅は約8cmで、前後の長さは第1、第2縦フレーム12よりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして第1、第2縦フレーム12にもプラインドリベット等で固定するほうが長方形のフレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、フットレスを受ける上面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0060】
一対の第3、第4縦フレーム10間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを第3、第4縦フレーム10に連結して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0061】
第3、第4縦フレーム10に挿入されたチーズパイプジョイントТが、フレームS側でスライド移動を制限された時、ムーブムントの逆L字型フックRからフレームSまでの直線上の間隔は約45cmである。
【0062】
但し車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成についてフレームSは支持フレームを兼ねるので、フレームは常に車椅子のフットレス先端から離れて手の甲または指先が入り握れる間隔が必要になる。
【0063】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アームフレームCを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、約15cmである。
【0064】
図面に記していないが、チーズパイブジョイントТの支持フレームS側へのスライド移動を制限するための固定金具を設ける。
【0065】
次に本発明に係る車椅子前足懸架装置の具体的な使用方法について説明する。
車椅子で階段を下りる場合に、前進方向で前輪キャスターを階段踊り場からの段差の手前まで移動する。もう一人の介助者は階段下側に移動して車椅子前脚懸架装置を平面に伏した状態で、フットレスFの下側に車椅子前脚懸架装置を移動する。この際、フットレスFの地上高は使用状態によって様々なので、L字型フックLの突端がフットレストFの下部やフレーム9に当たらないように、前進方向を向いた自在の前輪キャスターの前に、車椅子前脚懸架装置を車椅子の左右いずれかの横側から差し込むように滑り込ませると良い。但し、それでも車椅子前脚懸架装置をフットレストFの下側に挿入できない場合は、後方の介助者に車椅子を後傾させて前輪キャスターを宙に上げてもらえば良い。この際、車椅子を前進方向で停止するとしたのは、車椅子の前輪である自在キャスターは、フットレストとキャスターとの間に最も広い空間を構成し、またキャスターが上から見るとフレーム9と平行にあるいは一直線上に並んで、アームAまたはアームBの回転とL字型フックLまたは逆L字型フックRの車椅子のフレーム7への懸架を最も妨げない状態となるからである。
【0066】
階段下の介助者は、平面に伏した車椅子前脚懸架装置のハンドルフレームHを両手で持って、右手または左手をそれぞれ90度回転すると、同時にムーブメントのL字型フックLの先端が、車椅子の内側から左右のフレーム7の外側に向けて直角方向で円回転して、アームA、Bが垂直に立とうとするので、その直前にハンドルフレームHを手首の力でL字型フック内角をフレーム7よりも高く持ち上げる。
【0067】
ハンドルフレームHを持ってL字型フックLの先端を持ち上げて、フレーム7に接触しないように回転して、L字型フックLの先端がフレーム7の上にオーバーハングする様にハンドルフレームHを左右外側に回転すると、アームA、Bがフレーム7に内側から当たってハンドルフレームHの回転が止まるので、そのままL字型フックLの位置を下げると、L字型フックLの内角を車椅子のフレーム6よりも奥でフレーム7の上側からを引っ掛けることができる。
【0068】
次に階段下側の介助者は、ゴム紐GをフットレスFの上側でかつ要介護者の足の下になるように架けると、車椅子前脚懸架装置の全体がL字型フックLとゴム紐Gで懸架されて宙に浮くことになる。
【0069】
このとき車椅子前脚懸架装置のL字型フックを車椅子に架ける位置は、車椅子のフレーム7の上側で、そしてフレーム6よりは車椅子の奥側でL字型フックLを架けるが、車椅子のサイズが大きい場合は車椅子のフレーム9に懸架することも可能である。但しこの場合L字型フックLが車椅子のフレーム9を前後に不用意にスライド移動する可能性があるので注意が必要である。
【0070】
一方ハンドルフレームHとフレームSは、車椅子のフットレストFの先端よりは前方に位置していて、L字型フックは車椅子のフレーム6で車椅子の前方への移動が制限されているので、実際の使用では車椅子は後傾していて前輪側が上がっているため、車椅子前脚懸架装置は車椅子のフレーム6で前方への移動を制限されて、またハンドルフレームHが車椅子のフットレストで後方への移動を制限されるので、定位置を保つことができる。
【0071】
汎用の車椅子ではフットレストFのフレーム8が、フレーム9によって連結されているが、一部のリクライニングタイプの車椅子ではフットレストFが可動式となっていて、フレーム9が無くてフットレスFとフレーム8とが跳ね上げ可動式または分離式の場合もあるが、車椅子の大小のサイズに適用できるようにプレートの幅を約8cm長さを22cmとしているので、車椅子のフレーム7とフレーム6にL字型フックLを懸架し、またフットレストFまたはフットレスト下端Kを幅広で縦長のプレートPが車椅子を下側から支持し、フレームSを介助者が握ることができるので、車椅子を階段下側から支持することができる。
【0072】
介助者は、車椅子をフットレスFの先端と車椅子前脚懸架装置のフレームSとの隙間に手を差し込んでフレームSを持って引き上げて、車椅子の前輪を宙に浮かせて階段を下りる。この時階段上の介助者は車椅子の既設のグリップを持って後輪を宙に浮かせるが、介助者の階段の上下の立ち位置からすると車椅子は後傾することになって、要介護人は後ろ側に傾くが車椅子の上で姿勢は安定する。
【0073】
図4のL字型フックLの先端は、ハンドルフレームHを垂直に立てた時介護者から見て左右外側を向く構造であるが、図6のように逆L字型フックRに替えることも可能である。その場合のハンドルフレームHの操作は前記とは逆で、アームA、BをハンドルHを持って一度少し外側に逆L字型フックRの先端がフレーム7に接触しないように左右外側に回転して、逆L字型フックRの先端がフレーム7にオーバーハングして当たらない様に持ち上げてからハンドルフレームHを左右内側に回転すると、アームA、Bがフレーム7に外側から当たってハンドルフレームHの回転が止まるので、そのまま逆L字型フックRの位置を下げると、逆L字型フックRの内角でフレーム7を引っ掛けるようにして、またゴム紐で車椅子前脚懸架装置は宙に浮くことになる。
【0074】
図7は、図6からハンドルフレームHを省略し、また一対のアームA、Bを単体のアームフレームCに替えたものである。ハンドルフレームHの代わりにアームフレームCを持って逆L字型フックRをフレーム7に左右外側から内側に回転して懸架する。アームCを垂直に立てた状態から一度少し外側に逆L字型フックRの先端がフレーム7に接触しないように左右外側に回転して、逆L字型フックRの先端がフレーム7にオーバーハングして当たらない様に持ち上げてから左右内側に回転すると、アームフレームCがフレーム7に外側から当たって回転が止まるので、そのまま逆L字型フックRの位置を下げると、逆L字型フックRの内角でフレーム7を引っ掛けるようにして車椅子前脚懸架装置は宙に浮くことになる。
【0075】
車椅子前脚懸架装置は、車椅子の前輪自在キャスターの回転を妨げるが、前進方向ならおよそ直線的に進行することができる。
【0076】
建物外での使用としては、車椅子の車輪での移動が困難な極端な悪路や、急な坂道であっても、前後2名の介助者が車椅子のまま担架の様に担くことで、例えば瓦礫の中をも車椅子担架のようにした移動を可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0077】
従来の車椅子を車椅子前脚懸架装置で新たな機能備えた車椅子とすることができるので、階段移動用車椅子を新たに開発する必要が無く、また着脱可能であるため簡便で安価で利便性も高い。
【符号の説明】
【0078】
…後フレーム
2、4、12…第1、第2縦フレーム
3、5…第1延長フレーム
10…第3、第4縦フレーム
11…第2延長フレーム
A、B…アーム
C…アームフレーム
F…フットレス
G…ゴム紐
H…ハンドルフレーム
J…クロスパイプジョイント
K…フットレスフレーム下端
L…L字型フック
、N第3、第4縦フレーム
P…プレート
R…逆L字型フック
S…フレーム
T…チーズパイプジョイント
X…第2延長フレーム
θ…L字型フックL内角、及び逆L字型フックR内角
【要約】      (修正有)
【課題】病院や介護施設で患者等の緊急避難時に、車椅子で階段を移動させるため、従来の車椅子に階段移動用の補助装置を付け、階段移動が容易にした汎用の車椅子の共通した構造に適した簡便な緊急の階段用車椅子補助装置を提供する。
【解決手段】車椅子自体の強度のあるフレーム11を利用し、そこに使用に耐える強度を備えたL字型フックLと支持部を備えて車椅子に懸架できまた着脱できる車椅子前脚懸架装置を車椅子のフットレスト下側から組み込むことで車椅子と一体となるように装着し、車椅子の前脚側に新たな階段移動のための支持機能を加える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7