(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者もしくは身体障がい者等が車椅子に乗ったまま階段を移動するのは、車椅子が平面を押して移動するために製作されたもので、段差を乗り越えて車椅子を持ち上げて移動するための専用の持ち手もしくは支持部が備わっていな
いために階段移動には必要以上の人員が必要であったり、また階段の幅が狭い場合などがあったりして、階段移動は介助者には無理な姿勢を強いられ、困難で肉体的な負担も多い。それで車椅子が通れる幅の階段などでも少なくとも2名の人員で階段移動できるようにする。それを可能にするために前脚側に専用の車椅子の懸架装置を、介助者が最大限の力を発揮できるような位置に着脱できる支持部を設置すれば良い。階段上側の介助者は車椅子に既設の背部の備え付けのグリップを使用し、また階段下側の介助者には車椅子のフットレス
ト下側に簡単に着脱できる車椅子の本発明の車椅子前脚懸架装置を、階段移動の必要が生じたときに使用するようにすれば良い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
車椅子のフットレス
トの下側から挿入する車椅子前脚懸架装置を着脱できるようにし、車椅子のフレームにL字型フックを懸架して、車椅子のフットレス
トを下側から支持するための支持フレームを備えて、車椅子を階段下側から支持できるようにした。
【0006】
車椅子前脚懸架装置は、車椅子のフットレス
トの下側と床面との隙間の前方からあるいは横側から挿入できるように薄型にして、また車椅子のフレーム構造や連結部分を損なうことがないように、車椅子の形態に適合させて着脱できる構造にする。
【0007】
また、階段を移動する場合は踊り場や廊下などの移動も含まれるので、車椅子前脚懸架装置は階段下側の介助者が手を離してもその位置で保たれるようにゴム紐で吊るようにして車椅子と一体となるようにし、平面では車椅子前脚懸架装置を設置したまま前進可能にした。
【0008】
車椅子前脚懸架装置は、幅や長さのサイズの異なった車椅子により対応できるように、回転するアームを設置してその先端のL字型フックで車椅子のフレームに懸架できるようにし、また車椅子のフットレス
トまたはその下端のフレームを受け止めるための広めのプレートPを設置した。
【0009】
車椅子前脚懸架装置の車椅子のフレームへの前方での着脱を容易とするために、車椅子前脚懸架装置にL字型フックとハンドル
フレームHが一体となって可動するムーブメントを設置した。
【0010】
車椅子前脚懸架装置が、車椅子の下で前後方向に不用意に移動しないように、車椅子前脚懸架装置のL字型のフックを車椅子のフレーム6とフレーム7がクロスする場所に引っ掛けるようにし、L字型フックがフレーム6よりは前方に、またハンドル
フレームがフットレス
ト前方で垂直となって後方への移動を制限するように設置した。
【0011】
L字型のフックは回転する第3、第4縦フレームMの一端に設置し、また他端にハンドル
フレームHを設置して一体となるムーブメン
トによって構成され、ハンドル
フレームHを回転するとL字型フックも連動して回転すると共に、L字型フックの回転調整が階段下の介助者側でできるようにした。
【0012】
車椅子前脚懸架装置が、幅と長さの異なる多様な車椅子のフットレストを下側から支持できるように、車椅子前脚懸架装置に幅8cm前後長さ22cmのプレートを設けて、その上でフットレス
ト下端Kまたはフットレス
トFを下側から支持できるようにする。
【0013】
車椅子前脚懸架装置で介助者が車椅子を階段下側から支持できるように、車椅子前脚懸架装置の支持部がフットレストの前方でフットレストと適度な間隔を設けて設置され、介助者が支持部を手で把持できるようにする。
【0014】
車椅子前脚懸架装置全体をフットレストに懸架できるように、ゴム紐を張り渡してフットレス
トの上側に架け、また要介護者の足の下で架かって、吊るせるようにゴム紐を設置する。
【0015】
一辺を5cm程度として直角に連結したL字型フックを構成して、ムーブメントを回転しアーム
フレームを垂直にした時に、アーム
フレームに直角に連結されて水平となるフレーム11の他端で直角に連結されたL字型フックが、水平に対し山形を形成して内角が地上を向き、車椅子のフレーム7に対し直角となるようにした。
【0016】
平行する車椅子の左右のフレーム7にL字型フックを、フレーム7の内側でアーム
フレームが回転し内角が内側から回転しフレーム7の上側から引っ掛ける場合はL字型フックLとし、フレーム7の左右の外側からアーム
フレームが回転し内角が外側から回転
しフレーム7の上側から引っ掛ける場合は逆L字型フックRとした。
【0017】
車椅子前脚懸架装置を平面に置いた時、回転移動したL字型フックの内角の頂点までの地上高を懸架する車椅子のフレーム7の地上高よりも低くして、ゴム紐で合わせて吊るす時全体が地上から離れて懸架されるようにした。
【発明の効果】
【0018】
車椅子に階段移動用の車椅子前脚懸架装置を着脱することで、適宜に車椅子が新たな階段移動用の車椅子として使用可能となり、車椅子の前後の介助者で車椅子に要介護者を乗せたまま階段移動を可能にする。
【0019】
病院や介護施設などでの非常時に階段移動を強いられる時、小型で簡便な車椅子前脚懸架装置を常備しておくことで、車椅子
のままでの災害時避難用具として使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る車椅子前脚懸架装置のいくつかの実施形態を説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1、図2、及び図4では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmの
後フレーム1と
前フレームSを平行に配置して、それぞれの両端に
1個ずつ、計4個のクロスパイプジョイン
トJをそれぞれ連結して、更にそ
れら4個のクロスパイプジョイントJから
後フレーム1と
前フレームSのそれぞれの延長線上にそれぞれ長さ約10cmの
第1延長フレーム3を連結して全長約50cmの平行するフレームを構成し、
左側の2個の第1延長フレーム3の
端部に長さ約20cmの
第1縦フレーム2を、右側の2個の第1延長フレーム3の端部に第2縦フレーム2を
それぞれ第1延長フレーム3に対して直角となるようにまたそれぞれが平行となるように連結して、車椅子の座幅よりも広い幅約50cmで長さ約20cmの長方形
状の
枠フレームを構成した。
【0023】
前記長方形
状の枠フレームの約20cm間隔で向き合う
後フレーム1の両端の一対のクロスパイプジョイントJと、
前フレームSの両端の一対のクロスパイプジョイントJ間に、
後フレーム1と
前フレームSに
対して直角となるように、また
、第1、第2縦フレーム2に
対して平行となるよう
に、第3、第4縦フレームМを回転可能に挿入した。
【0024】
前記
第3、第4縦フレームМの両端に長さ約15cmの複数のフレームをそれぞれ直角でそれぞれが平行となるように連結して、
前フレームS側
のフレームをハンドル
フレームHとし、
後フレーム1側
のフレームをアーム
部Aとアーム
部B
から成るアームフレームとした。
【0025】
アーム
部Aとアーム
部Bの他端で
第2延長フレーム11を直角に連結し、
第2延長フレーム11は
第3、第4縦フレームМと平行となるように、そして前記
第3、第4縦フレームМを延伸するように
アーム部A、Bと連結し、その一方の先端が
第3、第4縦フレームМの
前側のハンドル
フレームHから約47cmとなるようにした。
【0026】
前記長方形
の枠フレームを水平に伏した状態で、アーム
部Aとアーム
部Bが回転して前記アーム
フレームが
枠フレームに直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、
第2延長フレーム11の先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成するL字型フックLが
第2延長フレーム11に直角となるように連結されて、L字型
部分が水平面に対して山形を形成し、L字型フックLの内角が地上と向き合って山のように突き出して、またL字型フックLの先端がそれぞれ
第1、第2縦フレーム2に直角に向くように設置して、クロスパイプジョイントJに挿入されたムーブメン
トのハンドル
フレームHとL字型フック
Lが、長方形の
枠フレームの枠外で
前フレームSの
前側のハンドル
フレームHを回転することで
後フレーム1の
後側のアーム
部A、Bが連動して回転して、L字型フックLの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した
(図3参照)。
【0027】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アーム
部A、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となるL字型フックLの内角がフレーム7の上で懸架される地上高を、約15cmとなるようにした。
【0028】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成
について、フレームМまたはムーブメン
トのL字型フックLからハンドル
フレームHまでの長さを約47cmとしたが、
前フレームSは支持フレームを兼ねるので、L字型フックLの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、ハンドル
フレームHと
前フレームSがフットレストの前方で握れるように間隔を空けて配置され、手の甲または指先が入るようにすることが必要である。
【0029】
前記
第2延長フレーム11の先端でそれぞれ
第1、第2縦フレーム2側である長方形の
枠フレームの外側を向いてそれぞれが反対向きとなっている一対のL字型フックLに於いて、一対のL字型フックLの
一方を逆向けにして、L字型フックLの先端の向きを左右いずれかに揃えて設置しても良い。
【0030】
アーム
部Aとアーム
部Bにしたのは、細いアルミパイプ等を使用した時のフレームの懸架強度を増すためであり、またアーム
フレームとハンドル
フレームHが長方形の枠
フレームの外側に位置するのは、フレームМの
クロスパイブジョイントJでのスライド移動を制限するためである。
【0031】
前記長方形
の枠フレームで
第1、第2縦フレーム2に直角に連結されたそれぞれの
第1延長フレーム3間に、
第3、第4縦フレームМに接触して
第3、第4縦フレームМの回転を妨げないように一対のプレートPを固定した。
【0032】
長方形のプレートPの
左右の幅は約8cmで、
前後の長さは
第3、第4縦フレーム
Mよりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして
第3、第4縦フレーム
Mにもプラインドリベット等で固定するほうが長方形の
枠フレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、フットレストまたはフットレストフレームKを受ける接触面に金属間の摩擦音などを防ぐためにプレートPの上面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0033】
第1、第2縦フレーム2間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを連結してゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0034】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、車椅子前脚懸架装置を地上に置きアーム
部A、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となるL字型フックLの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmである。
【0035】
ムーブメン
トはアーム
部Aとアーム
部Bを備えているが、アルミパイブ等からなるフレームを太くすることでアーム
部Bのみにすることも可能である。但しアーム
部Aのみにした時あるいはアーム
部Bのみにした時、L字型フックLからハンドル
フレームHまでのムーブメン
トの全長は、約47cmとする。
【0036】
ムーブメン
トの第3、第4縦フレームМは、クロスパイプジョイントJに挿入されて回転しスライドするが、L字型フックL側(後側)ではアーム
部Bによって、
前側ではハンドル
フレームHでそのスライド移動幅は制限される。
【0037】
[第2実施形態]
図5及び図6では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmの
後フレーム1と前フレーム
Sを
前後に平行に配置して、それぞれの
左端間及び右端間に長さ約20cmの
第1、第2縦フレーム4をそれぞれ
後フレーム1、前フレームSに直角に連結して長方形
の枠フレームを構成し、長さ約30cmの
後フレーム1と前フレーム
Sの
両端の延長線上にそれぞれ
1個ずつ、計4個の長さ約10cmの
第1延長フレーム5
を連結し、車椅子の座幅よりも広い全長約50cmの
互いに平行
なフレームを構成し、
該フレームの
両端にそれぞれ
1個ずつ、計4個のチーズパイブジョイントТを連結した。
【0038】
約20cm間隔で向き合う、
後フレーム1の両端の一対のチーズパイブジョイントТと
前フレームSの両端の一対のチーズパイブジョイントТ間に、
後フレーム1と
前フレームSには直角となるように、また
第1、第2縦フレーム4には平行となるように
第3、第4縦フレームNを回転しスライド可能に挿入して、それら
第3、第4縦フレームNの
前後両端に長さ約15cmのフレームを前記
第3、第4縦フレームN
に直角で
互いに平行となるように連結して、前
端側のフレームをハンドル
フレームHとし、
後端側の一対のフレームをアーム
部Aとアーム
部Bとした。
【0039】
アーム
部Aとアーム
部Bの他端で
第2延長フレーム11を
アーム部Aとアーム部Bに直角に連結し、
第2延長フレーム11は
第3、第4縦フレーム
Nと平行となるようにそして前記
第3、第4縦フレーム
Nを延伸するように連結し、
第2延長フレーム11の先端からハンドル
フレームHまでの全長を約47cmとなるようにした。
【0040】
前記長方形
の枠フレームを水平に伏した状態で、アーム
部Aとアーム
部Bが回転して前記長方形
の枠フレームに対して直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、
第2延長フレーム11の先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成する
逆L字型フック
Rが
第2延長フレーム11に直角となるように
該第2延長フレーム11に連結されて水平面に対して山形を形成し、逆L字型フックRの内角が地上と向き合って山のように突き出して、また逆L字型フックRの先端がそれぞれ
第1、第2縦フレーム4に直角に向くように設置されて、長方形の
枠フレームの
前フレームSの
前側のハンドル
フレームHを回転することで
後フレーム1の
後側のアーム
部A、Bが連動して回転して、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した。
【0041】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アーム
部A、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmとした。
【0042】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成に
ついて、フレームNまたはムーブメン
トの逆L字型フックRからハンドル
フレームHまでの長さを約47cmとしたが、
前フレームSは支持フレームを兼ねるので、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、ハンドル
フレームHと
前フレームSがフットレストの前方で握れるように間隔を空けて配置され、手の甲または指先が入るようにすることが必要である。
【0043】
一対の逆L字型フックRはL字型フックに替えることも可能で、また片方をL字型フックL、もう片方を逆L字型フックRにしても良い。
【0044】
アームフレーム
をアーム
部Aとアーム
部Bにしたのは、細いアルミパイプ等を使用した時のフレームの懸架強度を増すためであり、またアーム
部Bとハンドル
フレームHが長方形の枠
フレームの外側に位置するのは、
第3、第4縦フレームNのチーズパイブジョイントJでのスライド移動を制限するためである。
【0045】
前記長方形の
枠フレームの左側、右側それぞれの一対の
第1延長フレーム5間に、
第3、第4縦フレームNに接触して
該第3、第4縦フレームNの回転を妨げないよう
に長方形のプレートPを
1個ずつ固定した。
【0046】
長方形のプレートPの
左右の幅は約8cmで、
前後の長さは
第1、第2縦フレーム4よりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして
第1、第2縦フレーム4にもプラインドリベット等で固定するほうが長方形の
枠フレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、金属間の摩擦音などを防ぐためにフットレス
トを受けるプレートPの接触面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0047】
第3、第4縦フレームN間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを
第3、第4縦フレームNの回転を阻害しないように固定せず連結して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0048】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アーム
部A、Bを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmである。
【0049】
ムーブメン
トはアーム
部Aとアーム
部Bを備えているが、アルミパイブ等からなるフレームを太くすることでアーム
部Bのみにすることも可能である。但しこの時、逆L字型フックRからハンドル
フレームHまでの距離は、約47cmとする。
【0050】
ムーブメン
トの第3、第4縦フレームNは回転しスライドするが、アーム
部Bとハンドル
フレームHでそのスライド幅は制限される。
【0051】
第3、第4縦フレームN間に、一対のプレートPを被せるようにゴム紐Gを連結して、
第3、第4縦フレームNの回転を妨げないように輪通ししてゴム紐Gを張り渡して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0052】
[第3実施形態]
図7では、汎用の車椅子の座幅を約40cmとした場合、アルミパイプ等からなる車椅子の座幅よりも短めの一対の長さ約30cmの
後フレーム
1と前フレームSを平行に配置して、それぞれの両端
間に長さ約20cmの
第1、第2縦フレーム
12それぞれ直角に連結して長方形
の枠フレームを構成し、長さ約30cmの
後フレーム1、前フレーム
Sの
両側の延長線上にそれぞれ長さ約10cmの
第1延長フレーム
5を
一対ずつ連結し、
左側の第1延長フレーム
5の
端部間に長さ約20cmの第3縦フレーム10を、右側の第1延長フレーム5の端部間に長さ約20cmの第4縦フレーム10を連結して、全体として車椅子の座幅よりも広い幅約50cmの三つの連合した長方形となるフレームを構成して
、前記
第3、第4縦フレーム10にそれぞれチーズパイブジョイントТを回転とスライド可能に挿入した。
【0053】
前記チーズパイブジョイントТに、前記
第3、第4縦フレーム10と直角になるように約15cmのアーム
フレームCを連結して、前記アーム
フレームCの他端に
長さ約25cmの第2延長フレームXを
前記アームフレームCに直角にまた前記フレーム10を延伸するよう
に連結し、
第2延長フレームXその先端から
前フレームSまでの間隔を約45cmとなるように連結して、前記長方形
の枠フレームを水平に伏した状態でアーム
フレームCが回転して
後フレーム1、前フレームSに直角にそして垂直に立つ位置に来る場合に、
第2延長フレームXの先端から約5cmの長さで内角θ約90度を構成する逆L字型フックRが
第2延長フレームXに直角となるように逆L字型フックRが連結されて水平面に対して山形を形成し、逆L字型フックRの内角が地上と向き合って山のように突き出して、また逆L字型フックRの先端がそれぞれ
第1、第2縦フレーム12に直角に向くように設置されて、一体となる一対のムーブメン
トが、
アームフレームCを回転することで逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架されるように構成した。
【0054】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アーム
フレームCを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、フレーム7の地上高よりも低い約15cmとした。
【0055】
但し、車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成に
ついて、逆L字型フックRから
前フレームSまでの間隔を約45cmとなるようにしたが、
前フレームSは支持フレームを兼ねるので、逆L字型フックRの内角によって車椅子のフレーム7に上から懸架され車椅子のフレーム6で制止される状態で、
前フレームSは常に車椅子のフットレス
ト先端から離れて手の甲または指先が入る間隔が必要になる。
【0056】
一対の逆L字型フックRはL字型フックに替えることも可能で、また片方のみをL字型フックLにして設置しても良い。
【0057】
第1、第2実施形態で用いたアーム
部A、Bと違って、
本実施形態ではアーム
フレームCが単数である
が、これは、太いアルミパイプ等を使用しムーブメン
トの懸架のための強度が足りる
ことが前提での構成である。
【0058】
前記長方形の
枠フレームの後フレーム1側の一対の
第1延長フレーム5とフレームS側の一対のフレーム5間に、長さ約22cm幅約8cmの長方形の一対のプレートPを固定した。但しプレートPは、逆L字型フックRの内角の頂点がフレーム12の垂直線上
辺りにまで来るように、アーム
フレームCの回転を妨げないように設置する。
【0059】
長方形のプレートPの
左右の幅は約8cmで、
前後の長さは
第1、第2縦フレーム12よりも長く約22センチとしたが、幅をもう少し広くして
第1、第2縦フレーム12にもプラインドリベット等で固定するほうが長方形の
枠フレームがより強度を増す。またプレートPがアルミ板などの金属の場合は、フットレス
トを受ける上面に繊維質のカーペットなどを貼ると良い。
【0060】
一対の
第3、第4縦フレーム10間に、一対のプレートPの上に被せるようにゴム紐Gを
第3、第4縦フレーム10に連結して、ゴム紐Gを車椅子のフットレストFに上側から架けることで車椅子前脚懸架装置を吊るせるようにした。
【0061】
第3、第4縦フレーム10に挿入されたチーズパイプジョイントТが、
前フレームS側でスライド移動を制限された時、ムーブムントの逆L字型フックRから
前フレームSまでの直線上の間隔は約45cmである。
【0062】
但し車椅子前脚懸架装置のサイズまたは構成に
ついて、
前フレームSは支持フレームを兼ねるので、
前フレーム
Sは常に車椅子のフットレス
ト先端から離れて手の甲または指先が入り握れる間隔が必要になる。
【0063】
汎用の車椅子のフレーム7の地上高を約20cmとすると、アーム
フレームCを垂直に立てた時水平面に対し山形となる逆L字型フックRの内角までの地上高は、約15cmである。
【0064】
図面に記していないが、チーズパイブジョイントТの支持フレームS側へのスライド移動を制限するための固定金具を設ける。
【0065】
次に本発明に係る車椅子前足懸架装置の具体的な使用方法について説明する。
車椅子で階段を下りる場合に、前進方向で前輪キャスターを階段踊り場からの段差の手前まで移動する。もう一人の介助者は階段下側に移動して車椅子前脚懸架装置を平面に伏した状態で、フットレス
トFの下側に車椅子前脚懸架装置を移動する。この際、フットレス
トFの地上高は使用状態によって様々なので、L字型フックLの突端がフットレストFの下部やフレーム9に当たらないように、前進方向を向いた自在の前輪キャスターの前に、車椅子前脚懸架装置を車椅子の左右いずれかの横側から差し込むように滑り込ませると良い。但し、それでも車椅子前脚懸架装置をフットレストFの下側に挿入できない場合は、後方の介助者に車椅子を後傾させて前輪キャスターを宙に上げてもらえば良い。この際、車椅子を前進方向で停止するとしたのは、車椅子の前輪である自在キャスターは、フットレストとキャスターとの間に最も広い空間を構成し、またキャスターが上から見るとフレーム9と平行にあるいは一直線上に並んで、アーム
部Aまたはアーム
部Bの回転とL字型フックLまたは逆L字型フックRの車椅子のフレーム7への懸架を最も妨げない状態となるからである。
【0066】
階段下の介助者は、平面に伏した車椅子前脚懸架装置のハンドル
フレームHを両手で持って、右手または左手をそれぞれ90度回転すると、同時にムーブメン
トのL字型フックLの先端が、車椅子の内側から左右のフレーム7の外側に向けて直角方向で円回転して、アーム
部A、Bが垂直に立とうとするので、その直前にハンドル
フレームHを手首の力でL字型フック内角をフレーム7よりも高く持ち上げる。
【0067】
ハンドル
フレームHを持ってL字型フックLの先端を持ち上げて、フレーム7に接触しないように回転して、L字型フックLの先端がフレーム7の上にオーバーハングする様にハンドル
フレームHを左右外側に回転すると、アーム
部A、Bがフレーム7に内側から当たってハンドル
フレームHの回転が止まるので、そのままL字型フックLの位置を下げると、L字型フックLの内角を車椅子のフレーム6よりも奥でフレーム7の上側からを引っ掛けることができる。
【0068】
次に階段下側の介助者は、ゴム紐Gをフットレス
トFの上側でかつ要介護者の足の下になるように架けると、車椅子前脚懸架装置の全体がL字型フックLとゴム紐Gで懸架されて宙に浮くことになる。
【0069】
このとき車椅子前脚懸架装置のL字型フックを車椅子に架ける位置は、車椅子のフレーム7の上側で、そしてフレーム6よりは車椅子の奥側でL字型フックLを架けるが、車椅子のサイズが大きい場合は車椅子のフレーム9に懸架することも可能である。但しこの場合L字型フックLが車椅子のフレーム9を前後に不用意にスライド移動する可能性があるので注意が必要である。
【0070】
一方ハンドル
フレームHと
前フレームSは、車椅子のフットレストFの先端よりは前方に位置していて、L字型フックは車椅子のフレーム6で車椅子の前方への移動が制限されているので、実際の使用では車椅子は後傾していて前輪側が上がっているため、車椅子前脚懸架装置は車椅子のフレーム6で前方への移動を制限されて、またハンドル
フレームHが車椅子のフットレストで後方への移動を制限されるので、定位置を保つことができる。
【0071】
汎用の車椅子ではフットレストFのフレーム8が、フレーム9によって連結されているが、一部のリクライニングタイプの車椅子ではフットレストFが可動式となっていて、フレーム9が無くてフットレス
トFとフレーム8とが跳ね上げ可動式または分離式の場合もあるが、車椅子の大小のサイズに適用できるようにプレートの幅を約8cm長さを22cmとしているので、車椅子のフレーム7とフレーム6にL字型フックLを懸架し、またフットレストFまたはフットレスト下端Kを幅広で縦長のプレートPが車椅子を下側から支持し、
前フレームSを介助者が握ることができるので、車椅子を階段下側から支持することができる。
【0072】
介助者は、車椅子をフットレス
トFの先端と車椅子前脚懸架装置の
前フレームSとの隙間に手を差し込んで
前フレームSを持って引き上げて、車椅子の前輪を宙に浮かせて階段を下りる。この時階段上の介助者は車椅子の既設のグリップを持って後輪を宙に浮かせるが、介助者の階段の上下の立ち位置からすると車椅子は後傾することになって、要介護人は後ろ側に傾くが車椅子の上で姿勢は安定する。
【0073】
図4のL字型フックLの先端は、ハンドル
フレームHを垂直に立てた時介護者から見て左右外側を向く構造であるが、
図6のように逆L字型フックRに替えることも可能である。その場合のハンドル
フレームHの操作は前記とは逆で、アーム
部A、BをハンドルHを持って一度少し外側に逆L字型フックRの先端がフレーム7に接触しないように左右外側に回転して、逆L字型フックRの先端がフレーム7にオーバーハングして当たらない様に持ち上げてからハンドル
フレームHを左右内側に回転すると、アーム
部A、Bがフレーム7に外側から当たってハンドル
フレームHの回転が止まるので、そのまま逆L字型フックRの位置を下げると、逆L字型フックRの内角でフレーム7を引っ掛けるようにして、またゴム紐で車椅子前脚懸架装置は宙に浮くことになる。
【0074】
図7は、
図6からハンドル
フレームHを省略し、また一対のアーム
部A、Bを単体のアーム
フレームCに替えたものである。ハンドル
フレームHの代わりにアーム
フレームCを持って逆L字型フックRをフレーム7に左右外側から内側に回転して懸架する。アームCを垂直に立てた状態から一度少し外側に逆L字型フックRの先端がフレーム7に接触しないように左右外側に回転して、逆L字型フックRの先端がフレーム7にオーバーハングして当たらない様に持ち上げてから左右内側に回転すると、
アームフレームCがフレーム7に外側から当たって回転が止まるので、そのまま逆L字型フックRの位置を下げると、逆L字型フックRの内角でフレーム7を引っ掛けるようにして車椅子前脚懸架装置は宙に浮くことになる。
【0075】
車椅子前脚懸架装置は、車椅子の前輪自在キャスターの回転を妨げるが、前進方向ならおよそ直線的に進行することができる。
【0076】
建物外での使用としては、車椅子の車輪での移動が困難な極端な悪路や、急な坂道であっても、前後2名の介助者が車椅子のまま担架の様に担くことで、例えば瓦礫の中をも車椅子担架のようにした移動を可能とする。
【課題】病院や介護施設で患者等の緊急避難時に、車椅子で階段を移動させるため、従来の車椅子に階段移動用の補助装置を付け、階段移動が容易にした汎用の車椅子の共通した構造に適した簡便な緊急の階段用車椅子補助装置を提供する。
【解決手段】車椅子自体の強度のあるフレーム11を利用し、そこに使用に耐える強度を備えたL字型フックLと支持部を備えて車椅子に懸架できまた着脱できる車椅子前脚懸架装置を車椅子のフットレスト下側から組み込むことで車椅子と一体となるように装着し、車椅子の前脚側に新たな階段移動のための支持機能を加える。