【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年10月27日付け、支出負担行為担当官 総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「消費エネルギー抑制ホームネットワーク技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照して、この実施例のホームネットワーク管理システム(以下、単に、「管理システム」という。)10は、たとえばインタネットのようなネットワーク12を利用する。その意味で、実施例の管理システム10は、ネットワーク型管理システムということができる。
【0021】
各家庭または家14には、それぞれが1つまたは2以上の、照明器具16、空調機器18、AV機器20および電力給湯器22などが設けられる。「家電機器」という用語はこれらのものを含むが、これらだけに限らず、家庭で利用される任意の種類の電気利用機器を含むものとする。これらの家電機器16-22は基本的にネットワーク対応型のものであり、全てホームネットワーク(図示せず)に、有線で、または無線で、接続される。つまり、家電機器やセンサがホームネットワークに繋がっている。
【0022】
家14には、さらに、それぞれが1つまたは2以上の、開閉センサ24、温度センサ26、人感センサ28および照度センサ30などの各種センサが設置される。これらのセンサ24‐30もまた、ホームネットワークに接続される。開閉センサ24は、ドアや窓の開閉を検知できるセンサであり、温度センサ26は対象となっている部屋や領域の温度(必要なら湿度も)や、外気温などを検知する。人感センサ28は、対象となっている部屋や領域に人が存在するか、存在するとすれば何人存在するかを検知できるセンサである。照度センサ30は、対象となっている部屋や領域の明るさを検知する。これらセンサ24‐30およびスマートメータ32もまた、ホームネットワークに接続される。
【0023】
なお、これらのセンサとしては、実施例の管理システム10のための独自のものを設置してもよいが、たとえば開閉センサや人感センサなどは、たとえばホームセキュリティシステムのものと共用することも可能である。
【0024】
家電機器16‐22やセンサ24‐30およびスマートメータ32はすべてホームゲートウェイ34を介して、外部のネットワーク12から、操作情報(照明オン、ドアオープンなど)を取得したり、コマンド(照明点灯、エアコン23℃設定など)を入力したりするために、アクセスが可能である。つまり、ホームゲートウェイ34は、ホームルータ、プロトコル変換、ファイアウォールなどの機能を持ち、ネットワーク12とホームネットワーク(図示せず)との間の通信やデータ伝送を可能にするものである。ホームネットワークとの対比でいえば、インタネットのようなネットワーク12は、外部ネットワークということができる。
【0025】
スマートメータ32は、一般には、通信機能や管理機能を持つ高機能電力メータを意味し、家電機器16‐22の稼動状況やセンサ22‐30の検出情報またはセンサ情報がこのスマートメータ32からホームゲートウェイ34に出力され、そこから外部へ出力される。さらに、ユーザがどれかの家電機器を操作したとき、その家電機器から、その操作が該当の家電機器をオンするための操作かオフするための操作か、あるいは温度設定の変更などの操作かを示す情報(ユーザ操作情報またはイベント情報)が出力され、これらユーザ操作情報またはイベント情報もスマートメータ32からホームゲートウェイ34を介して外部へ出力される。ただし、家電機器16‐22の稼働状態情報やユーザ操作情報あるいはセンサ22‐30のセンサ情報を外部(ネットワーク)へ出力するためにはスマートメータ32を利用する方法以外に、他の任意の方法が利用できる。
【0026】
ホームゲートウェイ34は、有線または無線で、ネットワーク12を介して、1つまたは2以上の中間プラッホームサーバ(以下、単に「中間サーバ」という。)36、および1つまたは2以上のサービスプロバイダサーバ(以下、単に「プロバイダサーバ」という。)38に繋がる。つまり、ホームゲートウェイ34は、ホームネットワークとネットワーク12との間の通信インタフェースとして機能する。
【0027】
中間サーバ36には、ネットワークインタフェース(図示せず)の他、たとえば
図13(後述)のようなメモリマップを有するメモリ(半導体メモリだけでなくHDDや光学ディスクのような記憶媒体を含む概念で)42が設けられる。この中間サーバ36は、後に詳細に説明するように、1)各家庭のセンサ情報や稼動状態情報およびユーザ操作情報などを収集する機能、2)各家庭の初期戦略を立案する機能、3)ホームゲートウェイ34から出力される稼動状態情報オユーザ操作情報やセンサ情報から戦略を修正する機能、4)これらの出力をプロバイダサーバ38に送信する機能を有する。
【0028】
プロバイダサーバ38には、ネットワークインタフェース(図示せず)の他、たとえば
図14(後述)のようなメモリマップを有するメモリ(中間サーバのメモリと同様の概念の)48が設けられる。プロバイダサーバ38は、そのサービスプロバイダ(サービス提供業者)と契約した各家庭に対して、各家庭の地域事情や生活パターンを各家庭の戦略としてとらえ、その戦略を分析することによって、たとえば各家庭の状況(稼動状態情報、ユーザ操作情報、センサ情報など)に合わせて、各家電機器の適切な制御コマンドを生成し、中間プラットホーム(中間サーバ34)を介して、該当の家庭の該当の家電機器に対して制御コマンドを送る。
【0029】
プロバイダ
サーバ38は、さらに、たとえば各家庭の状況(稼動状態情報、ユーザ操作情報、センサ情報など)に基づいて、その家庭に最適な戦術を決定して、その戦術を提示する機能、および同じくたとえば各家庭の状況(稼動状態情報、ユーザ操作情報、センサ情報など)に基づいて、その家庭に
提示した方がよいと思われる情報を生成して、それを提示する機能を併有する。
【0030】
ここで、戦略とは、各家庭が有する、生活と家電機器の利用に係る安全性、経済性、快適性、利便性などの優先度や意識を総合したいわばライフスタイルと定義される概念である。
【0031】
戦術とは、たとえば外気温に合わせてどのようにエアコンを使うかなどの、個々の、あるいは、複数の家電機器の利用における、利用意図と状況、さらに、結果として表れる操作行動の組み合わせを含む概念である。
【0032】
なお、中間サーバ36およびプロバイダサーバ38をそれぞれ複数設ける理由は、中間プラットホーム業者やサービスプロバイダ業者どうしの競争による低価格高サービス化を図るという理由の他、業者毎に独自の特色を打ち出しやすくするためである。そのような特色として考えられるのは、たとえば、安価である、老人家庭に打ってつけ、子供がいる家庭に強い、エネルギ節約が得意、豊富な戦術を提示できる、などである。したがって、ユーザは自分の家族構成や生活パターンに合致する中間業者や最終業者(サービスプロバイダ)を選択して契約すればよい。このように、複数のサービス提供業者(中間プラットホーム業者も含む)が存在することによって、各業者は自社の得意とする戦略のセグメントと用意した戦術をアピールして、各家庭との契約を獲得するというビジネスモデルが期待できる。
【0033】
しかしながら、これら中間サーバ36およびプロバイダサーバ38は各々1台しかなくてもよく、さらに中間サーバ36およびプロバイダサーバ38を1つの業者が保有する場合も考えられる。その意味で、中間サーバ36は第1サーバの機能を果たすサーバであり、プロバイダサーバ38は第2サーバの機能を果たすサーバであるということができる。
【0034】
各家庭の初期戦略はエネルギ消費に関するアンケートに回答することで立案する。あらかじめ獲得する多くのアンケート結果からエネルギ消費に関する戦略のカテゴリ(たとえば、省エネルギ優先、快適性優先、室温優先、安全優先など)を用意し、新規に接続する家庭については同様のアンケートに回答して貰い、その結果を用いて、予め用意したカテゴリに割り当てる。
【0035】
図2がそのようなカテゴリ区分の一例を示すマップ(エコマップ40)である。このエコマップ40は、発明者等が実施例の管理システム10を構築するにあたって実際に調査した、電力消費とライフスタイルに関する800名のWebアンケートを分析し、消費電力の量と消費する時間、在宅時間、家族構成などを主成分分析した結果から得られた2つの評価軸を含む。ただし、データは、夏の電力消費動向から抽出した。冬季の暖房器具使用状況に個人差がほとんど認められなかったのに対し、夏季のエアコン使用状況には個人差がかなり認められたためである。また、対象とする家電機器は、使用状況に個人差が認められた「エアコン」、「テレビ」、「照明」の3種とした。Webアンケートでは、24時間を3時間ごとに区切り、各時間帯における家電機器の使用の有無(稼働状態)の回答を得た。すなわち、家電機器毎に、8つの時間帯における使用状況(使用しているときは「1」、していないときには「0」)が8次元データとして得られる。この8次元データを、エアコン‐照明‐テレビの順に連結した24次元のデータを、
図2のエコマップ40を生成するための入力データとした。
【0036】
図2のエコマップ40は、800人分の24次元データに対して主成分分析をかけ、その第1主成分(1日の家電使用量)をX軸、第2主成分(家電使用ピーク時期(昼に多く使うのか,夜に多く使うのか))をY軸として、2次元平面としたものである。ただし、X軸においては、上に向かって、節約傾向から消費傾向に移行し、Y軸においては、左が夜型、右が昼型を示す。さらに、この2次元平面を12×12のグリッドに区切り、グリッドごとに在宅時の平均家電使用量を「節約志向指数」として算出し、浪費型や節約型に区分した。節約志向指数の算出は以下の式で行う。
[数1]
節約志向指数=(E
エアコン×エアコン使用時間+E
テレビ×テレビ使用時間+E
照明×照明使用時間)/在宅時間
ここで、E
i(iは、エアコン,テレビ,照明の別を示す。)の値は、最新の省エネ家電機器の消費電力量をもとに、E
エアコン=520、E
テレビ=52(液晶),E
照明=72(蛍光灯4本分)とした。また、在宅時間は、3種の家電機器の使用時間帯の論理和とした。理由は、Webアンケートのデータに誤入力が目立ったため(午前と午後を間違えるなど)である。しかしながら、上記論理和で代用するのではなく、実際に正しく計測した在宅時間を用いてもよいことは当然である。
【0037】
節約志向指数を導入した意図は、以下のとおりである。
【0038】
まず、エコマップ40(
図2)のX軸(第1主成分)は1日の家電使用量を表すものである。そのため、殆ど家にいない人が、その短い在宅期間にエネルギを浪費したとしても、1日総量でみると大きな値にはならない。たとえば、1日中家にいる比較的節約型の人と、殆ど家にいない浪費型の人とで、第1主成分の値(1日の家電使用量)が同じくらいになってしまうことがある。しかしながら、節約傾向を考えると、両者の間には大きな差がある。後者は、生活パターンの変化に伴い(たとえば、家にいる時間が長くなるような変化があると)1日の家電使用量が一気に増える可能性のある、潜在的な浪費型とみなすことができる。このような、第1主成分軸だけでは分離できない潜在的浪費型を、明確に区別するため、節約志向指数を導入した。
【0039】
なお、第1主成分,第2主成分、節約志向指数、いずれの算出にも、3種の家電それぞれの8つの時間帯における稼働状況(1か0かいずれかの値をとる)を表す24次元のデータ(エコマップ生成用入力データ)があればよい。
【0040】
図2のエコマップ40を見ると、8つのカテゴリA‐Jに区分されていて、各カテゴリA‐J相互間に黒矢印の線または白矢印の線で相関関係が示されている。黒矢印の線で示すカテゴリの関係は、生活パターンが変化するとこの黒矢印線が示すカテゴリへ遷移する可能性を示す。白矢印の線で示すカテゴリの関係は、生活パターンは変化していないが、エコ意識の変化に応じて白矢印線が示すカテゴリへ遷移する可能性を示す。
【0041】
カテゴリAは、
図2のエコマップ40において、X軸では最上位、Y軸では中央位置に配置される。このカテゴリAの属する家庭の生活パターンは
図3のグラフに示すように、1日在宅型であり、朝起きて夜寝るまで家電機器を使い続けるパターンである。したがって、カテゴリAは、いわば「エコ意識皆無型」というべきカテゴリである。究極の浪費家庭が属するカテゴリであるといえる。
【0042】
なお、以下、
図12までのグラフにおいて共通するのであるが、縦軸の使用頻度とは、その時間帯(360分)のうちエアコン(白四角でつないだ一点鎖線で示す)、照明(黒四角でつないだ点線で示す)、テレビ(黒三角でつないだ実線で示す)をそれぞれ何分間稼動状態にしていたかを示す指標であり、「1」に近いほど稼動時間が長いことを意味している。
【0043】
カテゴリBは、エコマップ40ではX軸が最上位で、Y軸では最右位に配置される。このカテゴリBに属する家庭の生活パターンは、
図4のグラフに示すように、1日在宅型であり、夜だけエアコンの稼動状態が低下する、いわば「夜だけエコ意識型」というべきカテゴリである。
【0044】
カテゴリCは、
図2のエコマップ40において、X軸ではほぼ中央位置、Y軸では最左位に配置される。このカテゴリCの属する家庭の生活パターンは
図5のグラフに示すように、朝夜在宅型であり、昼間は不在である。在宅中は家電機器を使い続けるパターンである。したがって、カテゴリCは、「潜在的浪費型」ともいうべきカテゴリである。カテゴリCの家庭においては、生活パターンが1日在宅型に変化すれば容易にカテゴリAへ移行してしまう危険性がある。ただし、エコ意識を変えて家電機器の使用を抑制するようにすれば、後述のカテゴリF(環境型)へ進化することも可能である。
【0045】
カテゴリDは、エコマップ40ではX軸、Y軸ともほぼ中央位置に配置される。このカテゴリDに属する家庭の生活パターンは、
図6のグラフに示すように、1日在宅型であり、朝のエアコン、昼間の照明の稼動状態を低下させる、いわば「一般的エコ意識型」ともいうべきカテゴリである。
【0046】
カテゴリEは、
図2のエコマップ40において、X軸ではほぼ中央位置、Y軸では最右位に配置される。カテゴリEの属する家庭の生活パターンは
図7のグラフに示すように、昼間在宅型であり、在宅中は就寝までは家電機器を使い続けるパターンである。したがって、カテゴリEも、上述のカテゴリCと同じように、いわば「潜在的浪費型」というべきカテゴリである。カテゴリEの家庭においては、生活パターンが1日在宅型に変化すれば容易にカテゴリAへ移行してしまう危険性がある。また、このカテゴリEへは後述のカテゴリHに属する家庭が生活パターンの変化に伴って移行してくることもある。
【0047】
カテゴリFは、エコマップ40において、X軸では中央やや下寄りの位置、Y軸では中央やや左寄りの位置に配置される。カテゴリFの属する家庭の生活パターンは
図8のグラフに示すように、カテゴリCに属する家庭と同様に、朝夜在宅型であるが、エアコンの使用をかなり抑制していてエコ意識は高い。したがって、カテゴリFは、「環境型」ともいうべきカテゴリである。このカテゴリFへは前述のとおり、カテゴリCに属する家庭でのエコ意識の向上に伴って、カテゴリCから移行してくることもある。
【0048】
カテゴリGは、エコマップ40のX軸では中央やや下寄りの位置、Y軸では中央やや左寄りの位置に配置される。このカテゴリGに属する家庭の生活パターンは、
図9のグラフに示すように、昼間在宅型であり、家電機器を使い分けてはいるももの、エコという意識で使い分けを徹底したものではない。「使い分けエコ型」ともいうべきカテゴリである。
【0049】
カテゴリHは、
図2のエコマップ40において、X軸では最下位近く、Y軸では中央に配置される。カテゴリHの属する家庭の生活パターンは
図10のグラフに示すように、夜間在宅型であり、在宅中はほぼ家電機器を使い続けるパターンである。したがって、カテゴリHも、上述のカテゴリCやEと同じように、「潜在的浪費型」というべきカテゴリである。カテゴリHの家庭においては、生活パターンが朝夜在宅型に変化すれば容易にカテゴリCへ移行し、昼間在宅型になればカテゴリEへ移行してしまう危険性がある。ただし、エコ意識を変えて家電機器の使用を抑制するようにすれば、後述のカテゴリJ(環境型)へ遷移させることも可能である。
【0050】
カテゴリIは、エコマップ40のX軸では最下位近くの位置、Y軸では最右近くの位置に配置される。このカテゴリIに属する家庭の生活パターンは、
図11のグラフに示すように、昼間在宅型であり、エアコンは昼間の暑いときだけ使い、団欒の時間はそれぞれがテレビや照明に入れ替わる。家電機器を使い分けてはいるももの、エコという意識で使い分けしたものではなく、「使い分けエコ型」ともいうべきカテゴリである。
【0051】
カテゴリJは、エコマップ40において、X軸では最下位、Y軸では中央位置に配置される。カテゴリJの属する家庭の生活パターンは
図12のグラフに示すように、カテゴリHに属する家庭と同様に、夜在宅型であるが、エアコンの使用をかなり抑制するなどエコ意識は高い。したがって、カテゴリFは、「環境型」ともいうべきカテゴリである。このカテゴリJへは前述のとおり、カテゴリHに属する家庭でのエコ意識の向上に伴って、カテゴリHから移行してくる可能性がある。
【0052】
発明者等の調査によれば、Webアンケートの有意な回答数407のうち、
図2に示すように、カテゴリAに属する家庭数は21であり、カテゴリBに属する家庭数は12であり、カテゴリCに属する家庭数は37であり、カテゴリDに属する家庭数は73であり、カテゴリEに属する家庭数は17であり、カテゴリFに属する家庭数は91であり、カテゴリGに属する家庭数は27であり、カテゴリHに属する家庭数は51であり、カテゴリIに属する家庭数は45であり、カテゴリJに属する家庭数は33であった。X軸において中央より下方に位置し、それゆえに電力消費量が少ない家庭が247で、電力消費の多い家庭数160に比べて約1.5倍であり、この調査対象家庭の全体的傾向は、エコ意識がある、と見ることができる。
【0053】
中間サーバ36は、前述の各機能(1)-(4)を果たすものであるが、その中間サーバ36のメモリマップが
図13に示される。あらゆる記憶媒体を含む概念である、メモリ40は、プログラム領域44を含み、このプログラム領域44には、OS441の他、データ収集プログラム442、戦略生成プログラム443および通信プログラム444などが予め設定されている。
【0054】
データ収集プログラム442は、各家庭のセンサ情報や稼動状態情報およびユーザ操作情報などを一定時間(たとえば、1秒間)毎にモニタしていて、それらの情報やデータに変化が生じたとき、その変化をイベントとして捉え、イベントの発生の都度、それらの情報やデータを収集して、保存する。それによって、各家電機器16‐22(
図1)のオンまたはオフの状態、そのときの家電機器毎またはその家庭全体での消費電力量、家人の存在などの所要のデータが収集、蓄積できる。
【0055】
戦略生成プログラム443は、各家庭の初期戦略を立案し、さらにはデータ収集プログラム442に従って収集したデータや情報に基づいて戦略を修正するためのプログラムである。初期戦略は家庭毎に立案するもので、各家庭の過去の履歴や契約に際して得たエネルギ消費に関するアンケートの結果から戦略を立案する。つまり、予め獲得する多くのアンケート結果からエネルギ消費に関するその家庭での初期戦略(たとえば、省エネルギ優先、快適性優先、室温優先、安全優先など)を用意し、新規に加入接続する家庭については同様のアンケートに回答させ、その結果を用いて、
図2‐
図12を参照して説明したカテゴリA‐Jのどれかに割り当てる。また、生活の変化、たとえば、生活パターンの変化、家族の追加、家電機器の変更や追加、家人の考え方(意図)の転換などによって家電機器の使用パターンに変化が見られたときには、それらの情報に基づいて、初期戦略で区分したカテゴリをリアルタイムに変更する(戦略修正)。
【0056】
通信プログラム444は、ホームゲートウェイ34を介してのホームネットワークからのデータ収集およびプロバイダサーバ38から出力されるコマンド(各家電機器のオン/オフや温度設定などの)、情報、戦術などをホームゲートウェイ34に与えるなどのための、ホームゲートウェイ34との間の情報やデータの通信を司る。さらには、通信プログラム444は、プロバイダサーバ38に、上述のようにしてホームゲートウェイ34から収集した情報やデータをその対象家庭の戦略(必要に応じて修正したもの)とともに送信したり、プロバイダサーバ38から出力される、対象家庭に伝達すべき情報や戦術およびコマンドをホームゲートウェイ34へ向けて送信したりする機能を果たす。
【0057】
中間サーバ36のメモリ40にはまた、
図13に示すデータ記憶領域46が形成され、このデータ記憶領域46は、基礎データ領域461、収集データ領域462
および一時記憶領域463を含む。
【0058】
基礎データ領域461には、各家庭の人員構成、設置家電機器、現在の戦略とその更新履歴、各家庭が属するカテゴリ(A‐J)など、戦略立案や修正に必要な基礎データを記憶する。
【0059】
収集データ領域462には、上述のようにしてホームゲートウェイ34から収集したリアルタイムの情報やデータを記憶するとともに、履歴として蓄積する。
【0060】
一時記憶領域463は、プロバイダサーバ38から出力されホームゲートウェイ34へ送信すべき情報やデータおよびコマンドを一時的に記憶する。
【0061】
ただし、上述のカテゴリは、各家庭の漠然としたエネルギ使用に関する意図を、明確な戦略として形式化したものである。
【0062】
図14はプロバイダサーバ38のメモリマップを示す。あらゆる記憶媒体を含む概念である、プロバイダサーバ38のメモリ48は、プログラム領域50を含み、このプログラム領域50には、OS501の他、戦略分析プログラム502、情報提示プログラム503、戦術提示プログラム504、コマンド生成プログラム505および通信プログラム506などが予め設定されている。
【0063】
戦略分析プログラム502は、家庭での家電機器のユーザ操作のようなイベントの都度中間サーバ36から、対象家庭の戦略データおよびカテゴリデータとともに送られてくる、センサ情報や稼動状態情報およびユーザ操作情報などに基づいて戦略を分析する。つまり、各家庭の戦略データおよびカテゴリデータをプロパティとして、センサ情報や稼動状態情報およびユーザ操作情報を評価する。
【0064】
情報提示プログラム503は、各家庭の状況を示す情報をそれぞれの家庭に提示する。たとえば、この実施例の管理システム10では、同じ地域のまたは他の地域も含めて、同じカテゴリに属する家庭の主として電力消費状況を収集し、そのカテゴリの中で対象家庭が省エネという基準で見ると、「現在第何位です。」などというデータを家庭に伝える。情報提示プログラム503はそのような情報を家庭に提示するためのプログラムである。このように、同じ戦略(カテゴリ)を有する家庭間でのエネルギ消費動向を提示することで、各家庭の電力消費を無理なく競わせる効果が期待される。あるいはまた、このような、いわゆる省エネコンテストにおいて上位の家庭にはたとえば何らかのクーポンを与えたり、上位にランクされた家庭がどこか分かる最小限情報をすべての家庭にブロードキャストすれば、省エネ意識の一層の改善が期待できる。
【0065】
戦術提示プログラム504は、各家庭の状況と戦略に基づいて、その家庭の採るべき戦術を提示するためのプログラムである。先に説明したように、エコマップ40で示したたとえばカテゴリCやカテゴリEの家庭において、もし生活パターンの変化があると、それだけが原因で、最悪のカテゴリAへ移行してしまうが、カテゴリAへ移行しそうなときや、移行してしまったときに、たとえば「生活パターンの変化が原因でカテゴリAになっています。生活パターンを元に戻すか、家電機器の使い方を工夫したほうがよいです。」などの戦術の転換を提案することができる。同じように、カテゴリHの家庭も容易にカテゴリCやEへ変化してしまうが、その場合にも、その予兆が見えたとき、または実際にカテゴリが変わったときに、生活パターンや家電機器の使い方を提案することができる。さらに、カテゴリCの家庭をカテゴリFへ、あるいはカテゴリHの家庭をカテゴリJへ、それぞれ進化させるための戦術の提案も可能である。
【0066】
戦術としては、「冷蔵庫の開時間が長いようです。すばやく閉めるようにしましょう。」とか「エアコンの設定温度が低すぎます。」などのように、より具体的な戦術を提示するようにしてもよい。
【0067】
コマンド生成プログラム505は、後述のデータ記憶領域52のシナリオデータ領域524に予め設定している、カテゴリに最適のシナリオに基づいて、対象家庭から、中間サーバ36を介して収集した各家庭の状況(稼動状態情報、センサ情報)に従って、そのときのユーザ操作情報に応答して、ユーザ操作が示す家電機器の実際の制御コマンド(各家電機器のオン/オフや温度設定などの)を生成する。つまり、戦略をプロパティとして、そのときのリアルタイムの収集データを入力として、戦略に適合する、家電機器の制御コマンドを生成する。シンプルな家電機器制御シナリオの例として、ユーザがテレビを見ようとするときに、空調装置や照明を適切に設定する、「快適生活提供サービス」シナリオを想定する。そして、このコマンド生成プログラム505によって生成したコマンドが中間サーバ36を介してホームゲートウェイ34に与えられ、それによって当該ホームゲートウェイに接続されている対象の家電機器が制御される。
【0068】
通信プログラム506によって、中間サーバ36から送信される、ホームゲートウェイ34から収集した家庭の情報やデータおよびその対象家庭の戦略を受信するとともに、情報提示プログラム503で生成した情報、戦術提示プログラム504で生成した戦術、コマンド生成プログラム505で生成したコマンドを、中間サーバ36へ送信する。
【0069】
プロバイダサーバ38のメモリ48にはまた、
図14に示すデータ記憶領域52が形成され、このデータ記憶領域52は、基礎データ領域521、収集データ領域522、機器データ領域523、シナリオデータ領域524および一時記憶領域525を含む。
【0070】
基礎データ領域521には、各家庭の人員構成、設置家電機器、戦略とその履歴を各家庭が属するカテゴリ(A‐J)として、戦略立分析に必要な基礎データを記憶する。
【0071】
収集データ領域522には、中間サーバ36から受信した各家庭のリアルタイムの情報やデータを記憶するとともに、履歴として蓄積する。
【0072】
機器データ領域523には、コマンド生成プログラム505によってコマンドを生成するために必要な、対象家庭に設置されているすべての家電機器についての機器データ(たとえば、家電機器の単位時間当たりの電力消費量、設定可能な温度範囲、など)が記憶される。
【0073】
シナリオデータ領域524には、ユーザ操作情報が示すユーザ操作に対して、該当の家電機器および同じ家庭内の他の家電機器をどのように制御すべきかというシナリオを、戦略毎に、予め設定している。つまり、シナリオデータベースである。コマンド生成プログラム505がこのシナリオをそのときのユーザ操作情報に適用して、コマンドを生成して各家庭に与える。
【0074】
さらに、一時記憶領域525は、中間サーバ36から受信した情報やデータ、さらには中間サーバ36へ送信すべき情報やデータおよびコマンドを一時的に記憶する。
【0075】
図15を参照して、中間サーバ36は、ステップS1でデータ受信入力を検知すると、ステップS3において、そのデータ受信は、HGW(ホームゲートウェイ)34からなのかを判断する。HGWからのデータ受信であると判断したとき、次のステップS5において、先に説明したデータ収集プログラム442に従って、そのデータや情報(稼動状態情報、センサ情報、ユーザ操作情報)を受信して、収集データ領域462に保存する。そして、ステップS7で、先に説明した戦略生成プログラム443に従って、そのとき受信した情報およびデータに基づいて、基礎データ領域461に記憶されているその家庭の初期戦略を修正する必要があるかどうか、判断する。たとえば、家電機器の使用パターンが顕著に変化したと判断したときには、初期戦略で区分したカテゴリをリアルタイムの情報やデータに適合するように変更する必要がある。ステップS7で“YES”を判断したとき、ステップS9で、カテゴリを修正するなど、戦略修正を実行する。ステップS11においては、先に説明した通信プログラム444に従って、ステップS7で“NO”と判断したときの初期戦略データのカテゴリまたはステップS9で修正した戦略データのカテゴリとともに、ステップS1で受信したデータや情報をインタネット12を介して、プロバイダサーバ38に送信する。
【0076】
一方、ステップS3で“NO”を判断したということは、ステップS1で受信したデータは、プロバイダサーバ38からのものであることを意味する。プロバイダサーバ38から送信されるのは、上述のように、情報提示プログラム503で生成した提示のための情報か、戦術提示プログラム504で生成した提示のための戦術か、さもなければ、コマンド生成プログラム505で生成した家電機器制御コマンドである。したがって、次のステップS13で、これらの情報、戦術またはコマンドを一時記憶領域463に記憶する。その後、ステップS15において、先に説明した通信プログラム444に従って、一時記憶領域463に記憶してある情報、戦術またはコマンドをインタネット12を介して、ホームゲートウェイ34へ向けて送信する。
【0077】
図16を参照して、プロバイダサーバ38は、最初のステップS21において、情報やデータを受信したかどうか判断する。“YES”の場合、次のステップS23において、先に説明した戦略分析プログラム502に従って戦略分析を実行する。
【0078】
続くステップS25において、先に説明した情報提示プログラム503に従って、分析した戦略およびそのとき中間サーバ36すなわちホームゲートウェイ34から受信した家庭の情報やデータ(稼動状態情報、センサ情報、操作情報)に基づいて、家庭に提示すべき情報を生成する。ただし、このステップS25は、場合によっては、つまり必要のないときは、省略される可能性がある。
【0079】
次のステップS27において、先に説明した戦術提示プログラム503に従って、分析した戦略およびそのときの家庭の情報やデータ(稼動状態情報、センサ情報、操作情報)に基づいて、家庭に提示すべき戦術を生成する。このステップS27も必要のないときは、省略される可能性がある。
【0080】
さらに、次のステップS29において、先に説明したコマンド生成プログラム503に従って、分析した戦略およびそのときの家庭の情報やデータ(稼動状態情報、センサ情報、操作情報)に基づいて、そのときの操作情報が示す家電機器および必要に応じて関連する家電機器のための制御コマンドを生成する。その後、ステップS31において、先に説明した通信プログラム506に従って、一時記憶領域525に記憶してある情報、戦術またはコマンドをインタネット12を介して、中間サーバ36へ向けて送信する。
【0081】
このようにして、たとえば、家庭で、照明のスイッチを入れる操作をした際には、そのスイッチオン情報がユーザ操作情報として家庭からホームゲートウェイ34を介して中間プラットホームサーバ36に送られる。中間プラットホームサーバ36からは、このオン情報(ユーザ操作情報)にその家庭の戦略をプロパティとして付加して、該当の家庭が契約するホームネットワーク向けプロバイダサーバ38に送られる。
【0082】
プロバイダサーバ38は、契約している家庭の地域事情や生活パターンを各家庭の戦略としてとらえ(戦略分析)、各家庭の状況と家電機器のユーザ操作情報に適合するように、各家電機器の適切な動作指令(コマンド)を決定し、中間サーバ36およびホームゲートウェイ34を介して対象の家庭の家電機器に対してコマンドを送る。
【0083】
たとえば、ユーザ操作情報がテレビのオン操作を示し、センサ情報が示す気温が32℃である場合を想定する。このような場合、経済性重視という戦略を持つ家庭に対しては、プロバイダサーバ38は、「テレビをオンにすると同時に、空調を30℃(外気温−2℃)でオンにし、照明は減光する。」というコマンドをホームゲートウェイ34へ送信する。他方で、快適性重視という戦略を持つ家庭に対しては、プロバイダサーバ38は、「テレビをオンにすると同時に、空調を28℃(一定)でオンにし、照明はそのままで」というコマンドをホームゲートウェイ34へ送信する。
【0084】
このような仕組みによって、各家庭は各家庭の戦略(省エネルギ、省コスト、安全重視等)に見合った家電機器の動作、つまり、各家庭ごとに設定する範囲で我慢することなく快適に生活できる、機器の管理の代行サービスが得られる。また、家電機器の制御が各家庭ではなく、事業者(サービスプロバイダ)で行われるために、緻密なルールの更新や家電機器の更新や追加に伴うルールの変更などが、専門の事業者側だけで、集中して容易に実施できる。
【0085】
図17はこの発明の他の実施例の管理システム10を示すブロック図である。この実施例は、ネットワークに電力供給者サーバ54が繋がれた点で、
図1実施例と異なる。この実施例では、契約家庭は、電力供給者サーバ54が電力供給のピークを通知した場合、供給電力の削減の特約をすることができる。この特約を交わした家庭に対しては、プロバイダサーバ38または電力供給者は、たとえば電力料金を割り引くなどの優位性を与える。
【0086】
この実施例では、中間サーバ36は、図示しないが、電力供給者サーバ54から受けた電力ピーク情報を、ステップS11(
図15)で、戦略およびカテゴリデータやホームゲートウェイ34から送られてくるそのときの家庭の情報やデータ(稼動状態情報、センサ情報、操作情報)とともに、プロバイダサーバ38に送信する。
【0087】
そして、
図18に示すように、プロバイダサーバ38では、ステップS27までを
図16の実施例と同様に実行した後、ステップS27とS29との間に新たに挿入したステップS33で、その家庭には上記のような電力供給者との特約があるかどうか判断する。なお、家庭には上記のような電力供給者との特約があるかどうかの情報は、中間サーバ36の基礎データ領域461やプロバイダサーバ38の基礎データ領域521に、基礎データとして記憶されている。したがって、ステップS33では、その基礎データ領域521を参照して、特約の有無を確認できる。
【0088】
そして、このステップS33で“NO”を判断した場合には、ステップS29において、先の
図16のステップS29と同様にして、コマンドを生成する。“YES”の場合には、追加したステップS29aにおいて、特約に応じたコマンドを生成する。この場合、たとえば、当該家庭が「快適性重視」という戦略を持って契約していたとしても、特約を適用して、「経済性重視」という戦略に相当するシナリオで、コマンドを生成する。上で例示した具体例を用いて説明する。
【0089】
たとえば、ユーザ操作情報がテレビのオン操作を示し、センサ情報が示す気温が32℃である場合を想定する。このような場合、経済性重視という戦略を持つ家庭に対しては、プロバイダサーバ38は、「テレビをオンにすると同時に、空調を30℃(外気温−2℃)でオンにし、照明は減光する。」というコマンドをホームゲートウェイ34へ送信する。快適性重視という戦略を持つ家庭に対しては、プロバイダサーバ38は、「テレビをオンにすると同時に、空調を28℃(一定)でオンにし、照明はそのままで」というコマンドをホームゲートウェイ34へ送信する。ところが、快適性重視の家庭であっても、電力供給者との特約を交わしている家庭に対しては、経済性重視という戦略に従ってコマンドを生成するので、この例示の場合、プロバイダサーバ38は、「テレビをオンにすると同時に、空調を30℃(外気温−2℃)でオンにし、照明は減光する。」というコマンドを特約家庭のホームゲートウェイ34へ送信することになる。
【0090】
このようにして、地域全体の動向や事情(電力ピーク)などを反映した家電機器制御も可能となる。