(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による光学素子とともに使用されるLED光源の構成の例を示す図である。
【
図2】1列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの構成の一例を示す図である。
【
図3】2列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの一例の平面図である。
【
図4】3列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの一例の平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による光学素子のxz断面を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による光学素子のyz断面を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による光学素子のxz断面を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による光学素子のyz断面を示す図である。
【
図9】実施例1の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
【
図10】実施例1の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。
【
図11】実施例1の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。
【
図12】被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
【
図13】被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
【
図14】比較例の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。
【
図15】被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
【
図16】被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
【
図17】実施例2の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
【
図18】実施例2の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。
【
図19】実施例2の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。
【
図20】被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
【
図21】被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
【
図22】実施例3の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
【
図23】実施例3の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。
【
図24】実施例3の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。
【
図25】被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
【
図26】被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による光学素子とともに使用されるLED光源の構成の例を示す図である。LED光源は、発光チップとその周囲に形成された蛍光剤とから構成される。
【0024】
図1(a)は、LED光源101aの平面図である。LED光源101aは、1個の発光チップ1011aとその周囲に形成された蛍光剤1013a
’とから構成される。LED光源101aの中心から、垂直方向の端部までの距離はaであり、水平方向の端部までの距離はbである。
【0025】
図1(b)は、LED光源101bの平面図である。LED光源101bは、2個の発光チップ1011bとその周囲に形成された蛍光剤1013b
’とから構成される。LED光源101bの中心から、垂直方向の端部までの距離はaであり、水平方向の端部までの距離はbである。
【0026】
図1(c)は、LED光源101cの平面図である。LED光源101cは、3個の発光チップ1011cとその周囲に形成された蛍光剤1013c
’とから構成される。LED光源101cの中心から、垂直方向の端部までの距離はaであり、水平方向の端部までの距離はbである。
【0027】
上記の例において、光源の平面図における形状は、ほぼ長方形であり、平面図において、中心を通る水平方向の軸(x軸)及び中心を通る鉛直方向の軸(y軸)に関して線対称である。また、光源の平面において、光源の中心を原点として、光源の領域のx座標の最大値はbであり、y座標の最大値は、aである。さらに、bはaよりよりも大きい。
【0028】
一般的に光源の平面における形状は上述のものに限定されない。たとえば、長方形ではなく楕円または菱形などの形状であってもよい。さらに、bとaの大きさが同じで、円または正方形であってもよい。
【0029】
図2は、1列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの構成の一例を示す図である。
【0030】
図2(a)は、バックライト照明ユニットの平面図である。
図2(a)において水平方向をx軸方向とし、鉛直方向をy軸方向とする。光源である複数のLEDが、LED実装基板上に一列に配置され、各々のLEDは光学素子であるレンズで覆われている。本平面図において、長方形状のバックライト照明ユニットの二辺は、x軸方向及びy軸方向であり、光源の列はx軸方向に配置されている。
【0031】
図2(b)は、バックライト照明ユニットのxz断面の側面図である。バックライト照明ユニットの基板上にLED実装基板が設置されている。
図2(b)から明らかなように、LED光源はLED実装基板の面に配置される。また、バックライト照明ユニットの基板と平行に被照射面が設けられている。
【0032】
図2(c)は、バックライト照明ユニットのyz断面の側面図である。
【0033】
図3は、2列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの一例の平面図である。光源(LED)及び光学素子(レンズ)の複数のセットがx軸方向に2列配置されている。
【0034】
図4は、3列からなる列配置タイプのバックライト照明ユニットの一例の平面図である。光源(LED)及び光学素子(レンズ)の複数のセットがx軸方向に3列配置されている。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態による光学素子のxz断面を示す図である。光学素子103の入射面1031は、キャップ状であり、光源101を覆うように形成され、出射面1033は、入射面1031を覆うように形成される。光源101の発光面から出た光は、入射面1031及び出射面1033によって拡散された後、光学素子の外側に放射される。
【0036】
ここで、座標について説明する。互いに直交するx軸、y軸及びz軸を定める。光源101及び光学素子103の中心軸がz軸と一致し、光源101の面及び光学素子103の底面がxy面に一致するように光源101及び光学素子103を配置する。このように配置すると、入射面のキャップの頂点はz軸上に位置する。ここで、光源101のxy面における形状は、x軸及びy軸に関して線対称であり、中心軸からx軸方向の端部までの距離はbであり中心軸からy軸方向の端部までの距離はaである。
【0037】
図5に示すxz断面において、原点から出てz軸とθrの角度の方向に進む仮想的な光線が、入射面1031との交点において入射面1031の法線となす角度をφxとし、入射面1031を通過した後進む方向がz軸となす角度をθixとし、さらに出射面1033を通過した後進む方向がz軸となす角度をθexとする。
【0038】
図6は、上記の光学素子のyz断面を示す図である。
【0039】
図6に示すyz断面において、原点から出てz軸とθrの角度の方向に進む仮想的な光線が、入射面1031との交点において入射面1031の法線となす角度をφyとし、入射面1031を通過した後進む方向がz軸となす角度をθiyとし、さらに出射面1033を通過した後進む方向がz軸となす角度をθeyとする。
【0040】
図7は、上記の光学素子のxz断面を示す図である。
【0041】
図7に示すxz断面において、x軸上において原点から距離bの点10
13bから出てz軸方向に進む仮想的な光線が入射面1031を通過した後にz軸方向となす角度をθibとし、出射面1033を通過した後にz軸方向となす角度をθebとする。また、点10
13bから、点10
13bに立てたxy面に対する垂線と入射面1031との交点までの距離をhbとし、原点から出てz軸とarctan(b/hb)の角度をなす方向に進む仮想的な光線が入射面1031を通過した後にz軸方向となす角度をθihbとし、出射面1033を通過した後にz軸方向となす角度をθehbとする。
【0042】
図8は、上記の光学素子のyz断面を示す図である。
【0043】
図8に示すyz断面において、y軸上において原点から距離aの点10
13aから出てz軸方向に進む仮想的な光線が入射面1031を通過した後にz軸方向となす角度をθiaとし、出射面1033を通過した後にz軸方向となす角度をθeaとする。また、点10
13aから、点10
13aに立てたxy面に対する垂線と入射面1031との交点までの距離をhaとし、原点から出てz軸とarctan(a/ha)の角度をなす方向に進む仮想的な光線が入射面1031を通過した後にz軸方向となす角度をθihaとし、出射面1033を通過した後にz軸方向となす角度をθehaとする。
【0044】
つぎに、本発明の実施例の光学素子について説明する。
【0045】
本発明の実施例の光学素子の入射面の形状は、以下の式で表せる。
【数12】
zは、入射面の頂点から入射面上の点までのz軸方向の距離である。cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック係数、Aijはxyを含む項の係数である。i及びjは係数の添え字の整数である。
【0046】
本発明の実施例の光学素子の出射面の形状は、以下の式で表せる。
【数13】
zは、出射面の頂点から出射面上の点までのz軸方向の距離である。cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック係数、Aiは非球面係数である。iは非球面係数の添え字の整数である。
【0047】
以下の実施例及び比較例の光学素子に使用される材料の屈折率は、1.49である。
【0048】
以下の実施例及び比較例において、光源及び光学素子の寸法を示す符号は以下のとおりである。
a 光源の中心(原点)からy軸方向の端部までのy軸方向の距離
b 光源の中心(原点)からx軸方向の端部までのx軸方向の距離
T 光学素子のz軸(中心軸)に沿った厚さ
h 光源の中心(原点)から入射面の頂点までの距離
ha 光源のy軸方向の端部の点(点10
13a)から、該点(10
13a)に立てたxy面に対する垂線と入射面との交点までの距離
hb 光源のx軸方向の端部の点(点10
13b)から、該点(10
13b)に立てたxy面に対する垂線と入射面との交点までの距離
なお、実施例及び比較例において、長さの単位は別途定めない場合にはミリメータである。
【0049】
実施例1
表1は、実施例1の光源及び光学素子の寸法を示す表である。
【表1】
【0050】
表2は、実施例1の光学素子の入射面を表す式(1)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表2】
【0051】
表3は、実施例1の光学素子の出射面を表す式(2)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表3】
【0052】
図9は、実施例1の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
図9の横軸はθrを表し、
図9の縦軸はφx及びφyを表す。0<θr<60°において
【数14】
である。
【0053】
図10は、実施例1の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。
図10の横軸はθrを表し、
図10の縦軸はθex及びθeyを表す。0<θr<60°において
【数15】
である。
【0054】
表4は、実施例1の光学素子の光線に関するパラメータを示す表である。
【表4】
【0055】
図11は、実施例1の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。本照明ユニットは、
図2に示すような光学素子を備えた光源を一列に配列した構成を有する。光学素子の配置される基板と被照射面の形状は、長方形であり寸法は同じである。該長方形のx軸方向(
図2及び
図11の水平方向)の長さが800ミリメータであり、y軸方向(
図2及び
図11の鉛直方向)の長さが450ミリメータである。光学素子を備えた光源の列は、x軸方向であり、その位置はy軸方向の中心である。光学素子を備えた光源の数は12個であり、その間の中心間隔は64ミリメータである。また、光源から被照射面までのz軸方向の距離は60ミリメータである。
【0056】
図11において、濃度が高いほど照度が低く、濃度が低いほど照度が高いことを示す。
【0057】
図12は、被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。図の横軸は、y軸方向の座標を示し、
図12の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0058】
図12によると、実施例1の光学素子を使用した場合の、y軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は35%より小さい。
【0059】
図13は、被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。図の横軸は、x軸方向の座標を示し、
図13の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0060】
図13によると、実施例1の光学素子を使用した場合の、x軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は約20%である。
【0061】
比較例
実施例1の比較例について説明する。
【0062】
表5は、比較例の光源及び光学素子の寸法を示す表である。
【表5】
【0063】
比較例の光学素子の入射面の形状は、以下の式で表せる。
【数16】
zは、出射面の頂点から出射面上の点までのz軸方向の距離である。cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック係数である。
【0064】
比較例の光学素子の入射面は、式(3)から明らかなように、z軸に関して対称な形状を有する。比較例の光学素子の出射面は、実施例1の光学素子の出射面と同一の形状を有する。
【0065】
表6は、比較例の光学素子の入射面を表す式(3)の係数を示す表である。
【表6】
【0066】
表7は、比較例の光学素子の出射面を表す式(2)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表7】
【0067】
表8は、比較例の光学素子の光線に関するパラメータを示す表である。
【表8】
【0068】
表4と表8とを比較すると、実施例1の光学素子のθea及びθeha(
図8参照)は、比較例の光学素子のθea及びθehaよりもはるかに大きい。したがって、実施例1の光学素子は、比較例の光学素子と比較して、y軸方向により広く光を拡散させることができる。
【0069】
図14は、比較例の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。照明ユニットの構成は、
図11に関して説明した、実施例1の光学素子を使用したものと同じである。
【0070】
図14において、濃度が高いほど照度が低く、濃度が低いほど照度が高いことを示す。
【0071】
図15は、被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
図15の横軸は、y軸方向の座標を示し、
図15の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0072】
図16は、被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
図16の横軸は、x軸方向の座標を示し、
図16の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0073】
実施例1の光学素子を使用した場合の照度を示す
図12と比較例の光学素子を使用した場合の照度を示す
図15とを比較すると、
図12に示す実施例1の光学素子を使用した場合の、y軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は35%より小さいが、
図15に示す比較例の光学素子を使用した場合の、y軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は80%よりも大きい。すなわち、実施例1の光学素子によりy軸方向により広く光を拡散させることによって、比較例の光学素子と比較してはるかに均一な照明が可能となる。
【0074】
実施例2
表9は、実施例2の光源及び光学素子の寸法を示す表である。
【表9】
【0075】
表10は、実施例2の光学素子の入射面を表す式(1)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表10】
【0076】
表11は、実施例2の光学素子の出射面を表す式(2)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表11】
【0077】
図17は、実施例2の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
図17の横軸はθrを表し、
図17の縦軸はφx及びφyを表す。0<θr<60°において
【数17】
である。
【0078】
図18は、実施例2の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。0<θr<60°において
【数18】
である。
【0079】
表12は、実施例2の光学素子の光線に関するパラメータを示す表である。
【表12】
【0080】
図19は、実施例2の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。照明ユニットの構成は、
図11に関して説明した、実施例1の光学素子を使用したものと同じである。
【0081】
図19において、濃度が高いほど照度が低く、濃度が低いほど照度が高いことを示す。
【0082】
図20は、被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
図20の横軸は、y軸方向の座標を示し、
図20の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0083】
図20によると、実施例2の光学素子を使用した場合の、y軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は35%より小さい。
【0084】
図21は、被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
図21の横軸は、x軸方向の座標を示し、
図21の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0085】
図21によると、実施例2の光学素子を使用した場合の、x軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は約30%である。
【0086】
実施例3
表13は、実施例3の光源及び光学素子の寸法を示す表である。
【表13】
【0087】
表14は、実施例3の光学素子の入射面を表す式(1)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表14】
【0088】
表15は、実施例3の光学素子の出射面を表す式(2)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表15】
【0089】
図22は、実施例3の光学素子について、θrとφx及びφyとの関係を示す図である。θrとφx及びφyとの関係を示す図である。
図22の横軸はθrを表し、
図22の縦軸はφx及びφyを表す。0<θr<60°において
【数19】
である。
【0090】
図23は、実施例3の光学素子について、θrとθex及びθeyとの関係を示す図である。0<θr<60°において
【数20】
である。
【0091】
表16は、実施例3の光学素子の光線に関するパラメータを示す表である。
【表16】
【0092】
図24は、実施例3の光学素子を使用した照明ユニットによる被照射面の照度を示す図である。照明ユニットの構成は、
図11に関して説明した、実施例1の光学素子を使用したものと同じである。
【0093】
図24において、濃度が高いほど照度が低く、濃度が低いほど照度が高いことを示す。
【0094】
図25は、被照射面の中心を通るyz断面AAの照度を示す図である。
図25の横軸は、y軸方向の座標を示し、
図25の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0095】
図25によると、実施例
3の光学素子を使用した場合の、y軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は約35%である。
【0096】
図26は、被照射面の中心を通るxz断面BBの照度を示す図である。
図26の横軸は、x軸方向の座標を示し、
図26の縦軸は、最大照度を100%とした規格化照度を示す。
【0097】
図26によると、実施例3の光学素子を使用した場合の、x軸方向の中心部の照度と周辺部の照度との差は約20%である。
【0098】
実施例のまとめ
表17は、実施例及び比較例の光線に関するパラメータを示す表である。
【0099】
nは、光学素子の材料の屈折率を表す。Dは、光源から被照射面までのz軸方向の距離を表す(
図2参照)。Ymaxは、照明ユニットのx軸方向の辺から最も近い照明装置の列の中心までのy軸方向の距離を表す(
図2参照)。Xpは、照明ユニットにおける照明装置のx軸方向の中心間隔を表す(
図2参照)。
【0101】
実施例1乃至3の光学素子の光線に関するパラメータは、以下の関係を満たす。
【数21】
【0102】
不等式(4)、(5)及び(7)は、光学素子によって光がy軸方向に十分に拡散されるための条件である。不等式(6)は、光源のy軸方向の端部からxy面に垂直に進む光線の入射面におけるy軸方向の拡がりが光源のx軸方向の端部からxy面に垂直に進む光線の入射面におけるx軸方向の拡がりよりも大きいことを示す。これに対して、比較例の光学素子は、不等式(4)乃至(7)のいずれをも満たさない。
【0103】
また、照明ユニットに関するパラメータは、以下の関係を満たす。
【数22】
不等式(8)は、照明ユニットにおいて、光学素子のy軸方向の光線の拡がりの上限を定めるための不等式である。不等式(8)の上限を超えて光線をy軸方向に拡げると、光線が被照射面の外側に照射されるので照射効率が悪化する。不等式(9)は、照明ユニットにおいて、光学素子のx軸方向の光線の拡がりの上限を定めるための不等式である。照明ユニットにおいては、x軸方向に複数の光源が配置されており、照度のx軸方向における高い均一性が要求される。したがって、x軸方向の端部からxy面に垂直に進む光線の入射面におけるx軸方向の拡がりθebの上限を制限することにより、照度のx軸方向における均一性を高める。
【0104】
その他の好ましい実施形態
実施例1乃至3の出射面の形状は、式(2)によって表され、z軸に関して対称な形状である。式(2)で表される形状に代えて、z軸に関して軸非対称な形状としてもよい。たとえば、出射面の形状を、yz断面の中心近傍の形状が緩やかな凸形状であり、変曲点を持たずにyz断面の周辺まで緩やかな凸形状であり、xz断面の中心近傍の形状が緩やかな凹形状であり、変曲点を経てxz断面の周辺では凸形状となるように構成してもよい。また、光学素子の内部で全反射が起こらない出射面の形状も好ましい。
【0105】
たとえば、以下の式で表せる出射面の形状を採用してもよい。
【数23】
zは、入射面の頂点から入射面上の点までのz軸方向の距離である。cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック係数、Aijはxyを含む項の係数である。i及びjは係数の添え字の整数である。
【0106】
表18及び表19は、出射面を表す式(10)の係数を示す表である。表に示していない係数は0である。
【表18】
【0107】
【表19】
出射面を上述の形状とすることにより、式(2)で表せるz軸に関して対称な形状を有する出射面と比較して、XY方向により自由度の高い光線の制御が可能となる。