(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴の回転を開始させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、を備える遊技機において、
前記回胴制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行うものであり、
前記複数のモータは固定子として4相の巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴制御手段は、前記回胴演出を行う際に、少なくとも1つの前記モータについて、
前記4相の巻線のうちの一つと二つを交互にそれぞれ予め定められた第1時間励磁することにより前記リールを予め定められた一定速度で回転させ、
前記回胴演出において前記リールを停止させる際に、
二つの巻線が励磁されているときには下記減速シーケンスを実行せず、
一つの巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線をこの請求項において「減速シーケンス第1巻線」とする)、当該減速シーケンス第1巻線の励磁が終了した後に下記第1乃至第3ステップを備える減速シーケンスを実行することを特徴とする遊技機。
(1)前記減速シーケンス第1巻線及び前記減速シーケンス第1巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置する第2巻線の2相を、前記第1時間の略3倍の第2時間励磁する第1ステップ
(2)前記第1ステップの励磁が終了した後に、前記第2巻線の1相のみを前記第1時間の略4倍又は略5倍の第3時間励磁する第2ステップ
(3)前記第2ステップの励磁が終了した後に、前記4相の巻線の全てについて励磁を解除する第3ステップ
複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴の回転を開始させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、を備える遊技機において、
前記回胴制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行うものであり、
前記複数のモータは固定子として4相の巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴制御手段は、前記回胴演出を行う際に、少なくとも1つの前記モータについて、
前記4相の巻線のうちの一つと二つを交互にそれぞれ予め定められた第1時間励磁することにより前記リールを予め定められた一定速度で回転させ、
前記回胴演出において前記リールを停止させる際に、
二つの巻線が励磁されているときには下記第1乃至第5ステップを備える減速シーケンスを実行せず、
一つの巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線を「A巻線」とする)、当該A巻線の励磁が終了した後に、下記第1乃至第5ステップを備える減速シーケンスを実行することを特徴とする遊技機。
(1)前記A巻線及び前記A巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置するB巻線の2相を、前記第1時間の略2倍の第4時間励磁する第1ステップ
(2)前記第1ステップの励磁が終了した後に、前記B巻線の1相のみを前記第4時間励磁する第2ステップ
(3)前記第2ステップの励磁が終了した後に、前記B巻線及び前記B巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置するC巻線の2相を、前記第1時間の略3倍の第2時間励磁する第3ステップ
(4)前記第3ステップの励磁が終了した後に、前記C巻線の1相のみを前記第1時間の略4倍又は略5倍の第3時間励磁する第4ステップ
(5)前記第4ステップの励磁が終了した後に、前記4相の巻線の全てについて励磁を解除する第5ステップ
前記回胴制御手段は、前記回胴演出において、前記回胴の回転を一方の方向から他の方向へ変更する際、又は、前記回胴を停止させる際の少なくともいずれかにおいて前記減速シーケンスを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
前記回胴制御手段は、前記回胴演出において、前記回胴の回転を停止させるためのストップボタンからの信号に基づき前記回胴の回転を停止させる際に前記減速シーケンスを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
前記駆動データは、前記複数の励磁パターンのうちで選択されているものを他の励磁パターンに切り替えるために用いられる励磁パターン更新数と、当該駆動データに基づく前記モータの駆動を継続する時間を指定するウエイト時間とを含むことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の遊技機。
前記駆動回路は、前記複数の励磁パターンが互いに異なっている高速用の励磁パターンテーブルと、前記複数の励磁パターンの少なくとも一部が同じものであり、かつ、重複しているものが連続して配置されている低速用の励磁パターンテーブルとを含み、
前記複数の駆動データは、前記回胴を予め定められた速度で回転させる第1駆動データと、前記回胴を前記第1駆動データによる速度よりも低速で回転させる第2駆動データとを含み、
前記第1駆動データを受けたときこれに含まれる前記励磁パターン更新数に基づき前記高速用の励磁パターンテーブルの励磁パターンを切り替え、更新された励磁パターンで前記モータのコイルに電流を流し、
前記第2駆動データを受けたときこれに含まれる前記励磁パターン更新数に基づき前記低速用の励磁パターンテーブルの励磁パターンを切り替え、更新された励磁パターンで前記モータのコイルに電流を流すことを特徴とする請求項7記載の遊技機。
前記複数の駆動データは、前記回胴を予め定められた速度で回転させる第1駆動データと、前記回胴を前記第1駆動データによる速度よりも低速で回転させる第2駆動データとを含み、
前記モータ駆動パターン選択部は、前記第2駆動データの出力間隔を、前記第1駆動データの出力間隔よりも長くするか、又は、
前記駆動回路は、前記第2駆動データの前記励磁パターン更新数に基づく励磁パターンの更新間隔を、前記第1駆動データの前記励磁パターン更新数に基づく励磁パターンの更新間隔よりも長くすることのいずれかを行うことを特徴とする請求項7記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技機のリールを回転させるためのモータとして、固定子として4相の巻線(コイル)を備えるステッピングモータが使用されている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。
【0006】
従来の遊技機では、リールを所望の位置に停止させる際は、所望の位置になった時点あるいはその直前で電流を流すコイルの切替を停止するとともに、リールの停止位置を確実に保持するために4相全てに電流を流していた(全相励磁)。全相励磁では、多くのコイルに電流を流すので、ステッピングモータの消費電流は最大になる。リール停止後、一定時間(例えば250ms)はステッピングモータに電流が流され続けている。
【0007】
特許文献1では、リール停止の際において、まず全相励磁を行い、その後、3相励磁を行っている。
【0008】
特許文献2では、リール停止の際において、全相励磁の前に2相励磁を行っている。具体的には、回転駆動の際には1相励磁と2相励磁が繰り返されているが、回転駆動の2相励磁の終了後も当該2相励磁を維持することでモータを減速させ、その後に全相励磁を行い(特許文献2の
図5)、または、回転駆動の2相励磁の直後に他の2相励磁を行うことでモータを減速させ、その後に全相励磁を行い(特許文献2の
図7)、あるいは、回転駆動の2相励磁の直後に1相励磁を行い、その後引き続き2相励磁を行うことでモータを減速させ、その後に全相励磁を行っている(特許文献2の
図7)。
【0009】
特許文献3では、2相励磁でリール停止を行っているが、その実現のために特別な制振部材を設けている。
【0010】
特許文献4では、リール停止の際において、2相励磁を行いリールを減速させ、リールが停止した後にそれを保持するために3相励磁を行い、遊技待機中において1相励磁を行っている。
【0011】
特許文献5では、リール停止の際において、1次ブレーキと2次ブレーキの2段階の停止操作を行っている。1次ブレーキでは2相励磁を行い、2次ブレーキでは1相〜3相励磁又は全相励磁によりブレーキをかけている。特許文献5は、特許文献4を引用しており、引用文献4の記載を参照すると1次ブレーキは減速のためのものであり、2次ブレーキは停止したリールが動かないように保持するためのものである。
【0012】
ステッピングモータを回転駆動するためには電流が必要である。一般的に、モータの駆動電流は、ICなどの電子部品に比べて大きく、しかも、その変化は激しい(駆動していないときは電流ゼロであるが、駆動時、特にコイルの励磁開始時には大きな電流を消費する)。そのため、ステッピングモータを同時に回転駆動したとき、メイン基板やサブ基板に供給するよりも多くの電流が急激に消費されることになる。その結果、電源電圧の低下(電圧降下)が生じてメイン基板やサブ基板に悪影響を与えたり(電源電圧の低下は、それがごく短時間であってもICなどの動作を乱すことがある)、電源部に負担をかけることがある。電源部に過度を負担をかけることでその寿命が短くなったりするので、そのようなことは好ましくない。
【0013】
すなわち、従来の遊技機には次のような課題があった。
【0014】
(課題1)リール停止の際において、3相又は全相励磁を行っているので消費電流が大きい(特許文献1,2,4)。
3相又は全相励磁は、リールを回転させるための1相又は2相励磁と比べて多くの電流を消費するので、上記のような問題が発生する。
【0015】
(課題2)リール停止の際に励磁する相の数を減らすためには特別な制振部材を設ける必要がある(特許文献3)。
特別な制振部材を設けることで構成が複雑になるとともに、コストが上昇するという問題がある。
【0016】
(課題3)リール停止後においても一定時間モータの励磁を行っている(特許文献1,3,4,5)。
リール停止後においても一定時間モータの励磁を行うと、上記課題1と同様に電流消費が大きいという問題が生じる。リール停止後においてモータの励磁を行うのは、リールの慣性や停止後の反動などによりリールが動かないようにするためであり(例えばリールの中心は止まっているがその周囲はわずかながら動いていること、このときリールの構造に歪が生じているというような状況があり得る)、いわば「リールを無理やり止めている」のである。もし、リールの停止時点で反動が生じなければ、例えばリール全体を同時に停止させることができるのであれば、リール停止後のモータの励磁は不要なはずである。特許文献1,3,4,5がリール停止後のモータの励磁を行っているということは、その減速シーケンスが不適切で、リールに反動が生じていることを意味する。
【0017】
この発明は、上記課題1〜3を解決するためになされたもので、特別な制振部材などを設けることなく、1相及び2相励磁のみでリールを停止させることができ、しかも、リールの停止後に励磁を行う必要のない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明は、複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴の回転を開始させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、を備える遊技機において、
前記回胴制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行うものであり、
前記複数のモータは固定子として4相の巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴制御手段は、前記回胴演出を行う際に、少なくとも1つの前記モータについて、
前記4相の巻線のうちの一つと二つを交互にそれぞれ予め定められた第1時間励磁することにより前記リールを予め定められた一定速度で回転させ、
前記回胴演出において前記リールを停止させる際に、
二つの巻線が励磁されているときには下記減速シーケンスを実行せず、
一つの巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線をこの請求項において「減速シーケンス第1巻線」とする)、当該減速シーケンス第1巻線の励磁が終了した後に下記第1乃至第3ステップを備える減速シーケンスを実行することを特徴とするものである。
(1)前記減速シーケンス第1巻線及び前記減速シーケンス第1巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置する第2巻線の2相を、前記第1時間の略3倍の第2時間励磁する第1ステップ
(2)前記第1ステップの励磁が終了した後に、前記第2巻線の1相のみを前記第1時間の略4倍又は略5倍の第3時間励磁する第2ステップ
(3)前記第2ステップの励磁が終了した後に、前記4相の巻線の全てについて励磁を解除する第3ステップ
【0019】
この発明は、複数の回胴を含むリールユニットと、前記複数の回胴をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数の回胴の回転を開始させるためのスタートスイッチと、前記複数のモータにそれぞれ駆動信号を与えて前記複数の回胴の回転を開始させる回胴制御手段と、前記スタートスイッチからのスタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、を備える遊技機において、
前記回胴制御手段は、前記内部抽選の結果に基づき前記回胴の動作態様により所定の報知を行う回胴演出を行うものであり、
前記複数のモータは固定子として4相の巻線を備えるステッピングモータであり、
前記回胴制御手段は、前記回胴演出を行う際に、少なくとも1つの前記モータについて、
前記4相の巻線のうちの一つと二つを交互にそれぞれ予め定められた第1時間励磁することにより前記リールを予め定められた一定速度で回転させ、
前記回胴演出において前記リールを停止させる際に、
二つの巻線が励磁されているときには下記第1乃至第5ステップを備える減速シーケンスを実行せず、
一つの巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線を「A巻線」とする)、当該A巻線の励磁が終了した後に、下記第1乃至第5ステップを備える減速シーケンスを実行することを特徴とするものである。
(1)前記A巻線及び前記A巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置するB巻線の2相を、前記第1時間の略2倍の第4時間励磁する第1ステップ
(2)前記第1ステップの励磁が終了した後に、前記B巻線の1相のみを前記第4時間励磁する第2ステップ
(3)前記第2ステップの励磁が終了した後に、前記B巻線及び前記B巻線に隣接する巻線であって前記モータの回転方向に位置するC巻線の2相を、前記第1時間の略3倍の第2時間励磁する第3ステップ
(4)前記第3ステップの励磁が終了した後に、前記C巻線の1相のみを前記第1時間の略4倍又は略5倍の第3時間励磁する第4ステップ
(5)前記第4ステップの励磁が終了した後に、前記4相の巻線の全てについて励磁を解除する第5ステップ
【0020】
前記回胴制御手段は、前記回胴演出において、前記回胴の回転を一方の方向から他の方向へ変更する際、又は、前記回胴を停止させる際の少なくともいずれかにおいて前記減速シーケンスを実行する。
前記回胴制御手段は、前記回胴演出において、前記回胴の回転を停止させるためのストップボタンからの信号に基づき前記回胴の回転を停止させる際に前記減速シーケンスを実行する。
【0021】
前記回胴制御手段は、
複数の回胴演出パターンのデータ列を予め記憶している回胴演出パターンテーブルと、
前記回胴演出に用いられる回胴の動作を行うための複数の駆動データを予め記憶しているモータ駆動パターンテーブルと、
予め定められたタイミングで前記複数の回胴演出パターンのデータ列のいずれかを選択する回胴演出パターン選択部と、
選択された前記データ列を読み出すとともに、前記データ列のデータを逐次読み出して出力する回胴演出パターン読出部と、
回胴演出パターン読出部から受けた前記データに基づき前記モータ駆動パターンテーブルの前記複数の駆動データから対応する駆動データを読み出して出力するモータ駆動パターン選択部と、
前記モータ駆動パターン選択部からの前記駆動データに基づき予め定められた複数の励磁パターンのいずれかを選択し、選択された当該励磁パターンに基づき前記複数のモータのコイルに電流を流す複数の駆動回路とを備え、
前記駆動データは、予め定められた複数の基本動作を実現するように前記駆動回路を制御するものであり、
前記回胴演出パターンのデータ列は、前記基本動作の組み合わせを指定するものであり、
前記モータ駆動パターン選択部が読み出した駆動データによる回転方向が、当該駆動データの直前に読み出した駆動データの回転方向とは異なるとき、又は、前記モータ駆動パターン選択部が読み出した駆動データがウエイトを示し、当該駆動データの直前に読み出した駆動データが回転を示しているとき、の少なくともいずれかの場合において前記減速シーケンスを実行する、ようにしてもよい。
【0022】
前記回胴演出パターンテーブルの前記データ列に対する繰り返し回数を予め記憶する上層回胴演出パターンテーブルを備え、
前記回胴演出パターン読出部は、前記繰り返し回数に基づき前記データ列のデータの読み出し及び出力を繰り返す。
【0023】
前記駆動データは、前記複数の励磁パターンのうちで選択されているものを他の励磁パターンに切り替えるために用いられる励磁パターン更新数と、当該駆動データに基づく前記モータの駆動を継続する時間を指定するウエイト時間とを含む。
【0024】
前記駆動回路は、前記複数の励磁パターンが互いに異なっている高速用の励磁パターンテーブルと、前記複数の励磁パターンの少なくとも一部が同じものであり、かつ、重複しているものが連続して配置されている低速用の励磁パターンテーブルとを含み、
前記複数の駆動データは、前記回胴を予め定められた速度で回転させる第1駆動データと、前記回胴を前記第1駆動データによる速度よりも低速で回転させる第2駆動データとを含み、
前記第1駆動データを受けたときこれに含まれる前記励磁パターン更新数に基づき前記高速用の励磁パターンテーブルの励磁パターンを切り替え、更新された励磁パターンで前記モータのコイルに電流を流し、
前記第2駆動データを受けたときこれに含まれる前記励磁パターン更新数に基づき前記低速用の励磁パターンテーブルの励磁パターンを切り替え、更新された励磁パターンで前記モータのコイルに電流を流す。
【0025】
前記複数の駆動データは、前記回胴を予め定められた速度で回転させる第1駆動データと、前記回胴を前記第1駆動データによる速度よりも低速で回転させる第2駆動データとを含み、
前記モータ駆動パターン選択部は、前記第2駆動データの出力間隔を、前記第1駆動データの出力間隔よりも長くするか、又は、
前記駆動回路は、前記第2駆動データの前記励磁パターン更新数に基づく励磁パターンの更新間隔を、前記第1駆動データの前記励磁パターン更新数に基づく励磁パターンの更新間隔よりも長くすることのいずれかを行う。
【0026】
前記リールユニットは、前記複数のモータが固定されるフレームを備え、
前記フレームは、遊技機から見て前側の上側及び下側の両方で、後側の上側と前側の下側の両方で、前側の上側と後側の下側の両方で、又は、後側の上側及び下側の両方でのいずれかの位置で遊技機の内部に固定されている。
【0027】
前記リールユニットは、前記複数のモータが固定されるフレームを備え、
前記フレームは、遊技機から見て前側の下側で、後側の下側で、前側の上側で、又は、後側の上側でのいずれかの位置で遊技機の内部に固定されている。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、リールを停止させる際に1相励磁と2相励磁しか行わないので、消費電流を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、
図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0031】
図1及び
図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、
図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、
図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0032】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の右側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0033】
スロットマシン本体120の内部には、
図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
【0034】
前記前扉130の裏面には、
図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0035】
また、メダルセレクタ1の下側には、
図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0036】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0037】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0038】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0039】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0040】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
【0041】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0042】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0043】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0044】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0045】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0046】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0047】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0048】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0049】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0050】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0051】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0052】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0053】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0054】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0055】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0056】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0057】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0058】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0059】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0060】
リール制御手段1300は、回胴演出に係る制御も行う。スロットマシンの中には、内部当選を報知する際に回胴を動かすものがある。通常、回胴はスタートスイッチの押下による遊技の開始で回転し、ストップボタンの押下で停止するものであるが、回胴による演出機能を備えるスロットマシンでは、スタートスイッチ押下からストップボタン押下までの期間、より正確に言えばスタートスイッチ押下から回胴が遊技者による停止操作が可能になるまでの期間において、各回胴を不規則に上下に動かすなどの特殊な動作を行うことで、内部当選を報知することがある(通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、演出による回胴の動きとは容易に区別することができる)。このようなリールの動作は、回胴演出と呼ばれる。なお、回胴演出においても遊技者のストップボタンの押下操作を有効とし、演出中の回胴が一時停止(擬似停止)するという動作が可能なこともあり、これも回胴演出に含まれる。
【0061】
なお、全ての回胴が停止した後から次回遊技に係るメダル投入受け付け開始までの間に上記回胴演出が行われるようにすることもできる。
【0062】
発明の実施の形態に係る回胴の停止手法は、通常のリール回転の減速シーケンスのみならず、リールを用いた演出中における正回転時あるいは逆回転時の減速シーケンスにも適用できる。
【0063】
すなわち、発明の実施の形態を適用可能な減速シーケンスは、
図4(a)に示すような通常の回胴停止時(符号α)や、同図(b)に示すような回胴演出時の停止(符号α)について適用することができる(
図4はひとつの回胴についての模式図である)。通常時は、同図(a)の時刻T1でスタートスイッチ134が押下され、回胴が回転を開始し、一定回転速度になった後に例えば時刻T2でストップボタン140が押下され、引き込み処理と蹴飛ばし処理に応じた所定の滑り(符号β)の後に減速される。これに対し、
図4(b)は回胴が上下に繰り返し動くという演出を示しており、回胴が停止するときとともにその動く方向が変わるときに減速される(符号α)。
回胴演出には、回胴演出中に遊技者が擬似停止操作(ストップボタン140の操作)を行うと、擬似的に回胴が停止(一時停止を含む)するというものもある(この回胴の停止は通常遊技の停止とは異なりこの結果により特定の賞に入賞するというものではない)。このストップボタン140操作による擬似的回胴の停止シーケンスにも発明の実施の形態を適用することができる。例えば、
図4(c)に示すように、回胴が通常方向へ回転した後に停止し、その後逆方向へ回転した際にストップボタンが押下されたら、その直後に回胴を停止する制御(符号α)に適用することができる(図中の点線は擬似停止操作が行われなかったときの回胴の回転を示す)。なお、通常遊技機おけるストップボタン140操作による回胴の停止の際にはいわゆる滑りの制御が行われていたが、回胴演出においては滑りの制御は行わなくてもよい。この場合、擬似停止操作を行うと回胴は即時に停止する(ビタ止まり)。
擬似停止操作の際は入賞判定を行わないと上述したが、これには限定されず、回胴演出の際にも入賞判定を行うようにしてもよい。例えば、擬似停止時に目押しによって所定の図柄組み合わせ(例えば「7・7・7」)を揃えることができた場合に、いわゆるAT(当選役に対応した図柄組み合わせのナビあるいは押し順のナビ)などの特典を遊技者に与えるようにしてもよい。このようにすることにより、回胴演出中において擬似停止を行う動機付けを遊技者に与えることができ、遊技者にスムーズに擬似遊技(擬似停止操作)を行わせることができるという効果が生じる。これは、特に回胴演出に制限時間(回胴演出開始時にセットされ、タイムアップで回胴演出が終了して定常回転へ向かうシーケンスが開始されるといった場合の制限時間)を設けた場合に好適である。
【0064】
上述の回胴演出が終了すると、その直後に通常の方向の定常回転を行わせる処理(シーケンス)が開始される。回胴演出の具体的内容については後述する。
【0065】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0066】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0067】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0068】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0069】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0070】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0071】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0072】
リールユニット203は、3つのリールを備えるが(詳細は後述する)、3つのリールそれぞれにひとつずつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0073】
また、ステッピングモータには、ユニポーラ型とバイポーラ型がある。
ユニポーラ型とは、センタタップの設けられた巻線を備えるもので、ひとつの巻線に対し常に一定方向に電流を流す方式(ユニポーラ駆動)に適するものである。この駆動方式は、駆動回路がシンプルになるというメリットがあるが、反面、巻線の利用効率が悪く(下記のバイポーラ駆動に対して1/2)、低速回転時の出力トルクが低くなるというデメリットがある。
バイポーラ型とは、センタタップのない通常の巻線を備え、ひとつの巻線に対し双方向に電流を流す方式(バイポーラ駆動)に適するものである。この駆動方式は、駆動回路が複雑になるというデメリットがあるが、巻線の利用効率がよく、低速回転時の出力トルクは高くなるというメリットがある。
本発明の実施の形態は、ユニポーラ型とバイポーラ型のいずれのステッピングモータにも適用できる。
【0074】
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
【0075】
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
【0076】
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
【0077】
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
【0078】
スロットマシンでは、例えば、基本ステップ角度1.43度の4相のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
【0079】
図5は、スロットマシンのステッピングモータの駆動回路のブロック図である。なお、
図5では、各リールの位置を検出するためのインデックスなど要素は省略している。
【0080】
同図において、1310−1〜3はステッピングモータ203M−1〜3のコイル203(A相のコイル)A−1〜3とコイル(B相のコイル)203B−1〜3のオンオフ(電流を流すかどうか)を切り替える駆動回路である。1320−1〜3は、駆動回路1310−1〜3の出力に従いコイル203A−1〜3と203B−1〜3へ電流を流す励磁回路である。なお、コイル203A−2、3と203B−2、3の表示は省略している。
【0081】
コイル203A−1〜3はA相のコイルであり、Aと/Aの2種類のコイルを含むユニポーラ型である。各相は、A端子と/A端子の他に共通端子COMを含むが、その図示は省略している。なお、バイポーラ型を使用することもできる。バイポーラ型の場合は、/AではAと逆方向に電流を流すようにする。/Bについても同様である。
【0082】
コイル203B−1〜3はB相のコイルであり、Bと/Bの2種類のコイルを含む。A相のコイルとB相のコイルは、例えば、A,B、/A、/B、・・・のように交互に配置されている。A→B→・・・の順に励磁するとモータは正回転し、B→A→・・・の順に励磁すると逆回転を行う。各相の励磁を切り替える間隔を短くすればモータは速く回り、間隔を長くすると遅く回る。ここで励磁する相を切り替えずに同じステータに電流を流し続けると、ロータが同じステータの位置に固定され、モータが現在の位置を保持しつづけることになる。
【0083】
図6は、スロットマシンのステッピングモータの駆動方法の説明図である。同図は一−二相励磁の例を示している。同図の表の○はコイルに電流を流していることを示す。同図の表のステップ1、2、・・・、8の順番でコイルに電流を流すとモータは回転し、逆の順番にするとモータは逆回転する。
【0084】
次に、回転リール(回胴)の具体的構成について説明を加える。
図7(a)はリールユニット203の正面図、
図7(b)は同左側面図である。
図7(a)に示すように、各リール(回胴)40a〜40cは回転リール(回胴)ユニットとして構成されており、フレーム151に図示しないブラケットなどを介して取り付けられている。また、各リール40a〜40cにはステッピングモータ155が設けられており、各リール(回胴)40a〜40cはこれらモータ155で駆動されて回転する。
【0085】
リールユニット203の本体であるフレーム151は、それぞれの辺がリールの直径よりやや大きい略コの字型(後方、つまり遊技機の背面側が開放されている)の金属部材(アルミ板)であり、その幅は3つのリール40a〜40cの幅の合計よりも大きい。なお、略コの字型の開放側が前方であってもよい。
【0086】
遊技機正面から見てフレーム151の下面の前面側の端部は
図7中下方に向けてL字型に小さく折り曲げられており、その部分の両端にはリールユニット203の固定穴が設けられている。ここにネジ161bを挿入して、遊技機のフレームに連結された略水平の下側バー161のネジ穴にしっかりと締め付けることにより、リールユニット203は遊技機の内部に固定される。
図7において、下側バー161と遊技機のフレーム(図示せず)の結合状態は示していないが、下側バー161の端部161aはそれぞれ遊技機筐体のフレームにしっかりと結合されている。
【0087】
また、
図7においては、リールユニット203の前面側の上端部にも同様に上側バー162が設けられており、フレーム151の背面上部の両端に設けられた固定穴にそれぞれネジ162bを挿入して上側バー162のネジ穴にしっかりと締め付けることにより、リールユニット203は遊技機の内部に固定される。
図7において、上側バー162と遊技機のフレーム(図示せず)の結合状態は示していないが、上側バー162の端部162aはそれぞれ遊技機のフレームにしっかりと結合されている。
【0088】
すなわち、
図7によれば、リールユニット203はその前面の上端及び下端の両方で固定されている。
【0089】
各リール(回胴)40a〜40cの構造は
図8(a)に示される。
各リール(回胴)40a〜40cはリール(回胴)ドラム153の外周にリール(回胴)帯154が貼られて構成されている。リール(回胴)帯154の外周面には図柄が描かれている。
【0090】
リール(回胴)帯154の背後のリール(回胴)ドラム153内部にはランプケース156が設けられており、このランプケース156の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ157a,157b,157cが取り付けられている。これらバックランプ157a〜157cは
図6(b)に示すように基板158に実装されており、この基板158がランプケース156の背後に取り付けられている。また、ブラケット152にはフォトインタラプタ159が取り付けられている。フォトインタラプタとは、1つのケースの中に発光素子(発光ダイオードなど)と受光素子(フォトトランジスタ、フォトダイオードなど)を対向配置し、その間に検出用の溝を設け、当該検出溝間を物体が通過したことを非接触で検知するものである。このフォトインタラプタ159は、リール(回胴)ドラム153に設けられた遮蔽板160がリール(回胴)ドラム153の回転に伴ってフォトインタラプタ159を通過するのを検出する。フォトインタラプタ159から出力される遮蔽板160の検出信号は、インデックス検出信号とも呼ばれ、メイン基板200へ送られる。
【0091】
各バックランプ157a〜157cは図示しないランプ駆動回路によって個別に点灯制御される。各バックランプ157a〜157cの点灯により、リール(回胴)帯154に描かれた図柄の内、各バックランプ157の前部に位置する3個の図柄が背後から個別に照らし出され、図柄表示窓13にそれぞれ3個ずつの図柄が映し出される。
【0092】
図9は、
図7とは異なるリールユニット203の取り付け態様を示す。
図9では、フレーム151の前面折り曲げ部のリールユニット203の固定穴にスナップラッチ(プラスチック製の止め具)161cを挿入して、遊技機のフレームに連結された略水平の下側バー161の図示しない取付穴に嵌め込むことにより、リールユニット203は遊技機の内部に固定される。なお、
図9においても、
図7と同様にネジ止めで固定するようにしてもよい。
【0093】
すなわち、
図9によれば、リールユニット203はその前面の下側でのみ固定されている。
【0094】
図7と
図9を比較すると、前者は後者よりも遊技機内部に強固に固定されていると言える。言い換えれば、その取り付け状態において、前者は後者よりも剛性が高い。
【0095】
図10は、発明の実施の形態に係る減速シーケンスの説明図である。実際の遊技機を使用した実験の結果、減速シーケンスはリールユニットの取付態様の違いに合わせて切り替える方が良いことが判明した。
【0096】
図10(a)は、
図7の取付態様(以下、この取付態様を「第1形態の筐体」と記す)に好適な減速シーケンスを示す。前述のように、この減速シーケンスは通常状態と回胴演出を行っている状態の両方で適用できる。通常状態(回胴演出を行っていない状態)であるリールの定常回転時は前述のように一定周波数(668pps)で1相励磁と2相励磁を繰り返している(回胴演出時の励磁については後述する)が、リールを停止させる際は、2相励磁ではなく、1相励磁の後に減速シーケンスを開始する。すなわち、定常回転時の約3倍の時間(三分の一の周波数)2相励磁を行い、これが終了した後に定常回転時の約4倍の時間(四分の一の周波数)1相励磁を行うことでリールを停止させる。リール停止後(前記1相励磁の終了後)は直ちに励磁を開放する。この減速シーケンスによれば3相以上の励磁を行わないので、消費電流を抑制できる。しかも、停止後のリール保持のための励磁も不要であるので、消費電流抑制の効果は非常に大きい。
【0097】
図10(b)は、
図9の取付態様(以下、この取付態様を「第2形態の筐体」と記す)に好適な減速シーケンスを示す。リールの定常回転時は同様に一定周波数(671pps、なお
図10(a)の668ppsとすることも可能である)で1相励磁と2相励磁を繰り返しているが、リールを停止させる際は、2相励磁ではなく、1相励磁の後に減速シーケンスを開始する。すなわち、定常回転時の約2倍の時間(三分の一の周波数)2相励磁を行い、さらに同じ時間1相励磁を行う。そしてその後、定常回転時の約3倍の時間(三分の一の周波数)2相励磁を行い、これが終了した後に定常回転時の約5倍の時間(五分の一の周波数)1相励磁を行うことでリールを停止させる。リール停止後(前記1相励磁の終了後)は直ちに励磁を開放する。この減速シーケンスによっても3相以上の励磁を行わないので、消費電流を抑制できるし、停止後のリール保持のための励磁も不要である。
【0098】
図10(a)と
図10(b)を比較すると、
図10(b)では、
図10(a)の減速シーケンスの前に2相励磁と1相励磁のシーケンスを追加していることが読み取れる。リールユニット203の取付態様の違いにより、好適な減速シーケンスに違いが生じる理由の詳細は判明していないが、リールユニット203そのものの違いではなく取り付け方の違い、つまりこれによるリールユニット203の剛性の違いによるものと推測される。第1形態の筐体と第2形態の筐体とでリールユニット203の基本的な構造、使用されるステッピングモータ、リールには違いはなく、両者の違いはほとんどその取り付け方にある。前者ではリールユニット203が上下で固定されているためリールユニット203は筐体と一体となり、その剛性は高くなる。このため、減速の際の反作用を遊技機全体で受け止めるためリールユニット203の変形が少なく、反動がほとんど生じないと思われる。これに対し、後者ではリールユニット203が下部のみで固定されているため遊技機と一体になっているとは言いがたく、減速の際の反作用を専らリールユニット203で受け止めるためリールユニット203の変形が大きいものと思われる。
【0099】
図11は、
図10(a)の減速シーケンスの処理フローチャートである。
図11の処理は、リール制御手段1300が行う(
図12も同様)。
【0100】
S1:ストップスイッチ140が押され、予め定められた停止位置にリールを停止させるときに、リール制御手段1300によりS2〜S8が実行される。
【0101】
S2:リール制御手段1300は、回転駆動としての励磁状態を把握する。2相励磁(NO)であれば1相励磁になるまで待ち、1相励磁(YES)になったらその終了を待つ。
【0102】
S3:リール制御手段1300は、1相励磁が終了したかどうか判定する。
1相励磁が終了したら(YES)、そのタイミングでS4の処理を開始する。
【0103】
S4:リール制御手段1300は、減速シーケンスの2相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0104】
S5:リール制御手段1300は、2相励磁を予め定められた時間TBaだけ継続する。
時間TBaは、222ppsに相当する時間(約4.5ms)である。
【0105】
S6:リール制御手段1300は、次に、減速シーケンスの1相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0106】
S7:リール制御手段1300は、1相励磁を予め定められた時間TBbだけ継続する。
時間TBbは、167ppsに相当する時間(約6.0ms)である。
【0107】
S8:S7の処理を終了した時点でリールは停止しているので、リール制御手段1300は、全ての相について励磁を停止する(励磁開放)。
【0108】
リール回転時の励磁時間(666pps、1.5ms:第1時間)と、時間TBa(第2時間)及び時間TBb(第3時間)は概ね次の関係にある。
時間TBa=3×リール回転時の励磁時間
時間TBb=4×リール回転時の励磁時間
【0109】
なお、後述するように、時間TBb=5×リール回転時の励磁時間(第3時間)としてもよい(
図21及びその説明参照)。
【0110】
図12は、
図10(b)の減速シーケンスの処理フローチャートである。
S1〜S3は
図11と同じであるので、それらの説明は省略する。なお、S10乃至S13を便宜上、前段減速シーケンスとする。
【0111】
S10:リール制御手段1300は、減速シーケンスの2相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0112】
S11:リール制御手段1300は、2相励磁を予め定められた時間TSaだけ継続する。
時間TSaは、336ppsに相当する時間(約3.0ms)である。
【0113】
S12:次に、リール制御手段1300は、減速シーケンスの1相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0114】
S13:リール制御手段1300は、1相励磁を予め定められた時間TSaだけ継続する。
時間TSaは、S11と同じ336ppsに相当する時間(約3.0ms)である。
【0115】
S14:次に、リール制御手段1300は、減速シーケンスの2相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0116】
S15:リール制御手段1300は、2相励磁を予め定められた時間TSbだけ継続する。
時間TSbは、224ppsに相当する時間(約4.5ms)である。
【0117】
S16:次に、リール制御手段1300は、減速シーケンスの1相励磁を開始するとともに、励磁時間を計測するためにタイマーを起動する。
【0118】
S17:リール制御手段1300は、2相励磁を予め定められた時間TScだけ継続する。
時間TScは、134ppsに相当する時間(約7.5ms)である。
【0119】
S18:リール制御手段1300は、S17の処理を終了した時点でリールは停止しているので、全ての相について励磁を停止する(励磁開放)。
【0120】
リール回転時の励磁時間(666pps、1.5ms)と、時間TSa(第4時間)、時間TSb(第2時間)、時間TSc(第3時間)は概ね次の関係にある。
時間TSa=2×リール回転時の励磁時間
時間TSb=3×リール回転時の励磁時間
時間TSc=5×リール回転時の励磁時間
【0121】
次に、
図13を参照して、励磁される相の切り替わりについて説明を加える。なお、
図6及びその説明も参照されたい。
【0122】
図13から容易に理解できるように、相の切り替わり順序は回転時と変わらない。つまり、モータの回転子の動く方向に隣接する固定子の巻線を順番に励磁していく。回転子を止めるために回転方向とは反対側の隣接する巻線を励磁すること、現在あるいは直前に励磁していた巻線と回転軸を挟んで反対側の巻線を励磁することは行っていない。なお、特許文献4や5はそのような励磁を行っている。
【0123】
具体的には、
図10(a)の減速シーケンスは次のような励磁を行っている(
図13(a))。
【0124】
・1相の巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線を「第1巻線」とする、
図13(a)のエの第3相)、当該第1巻線の励磁が終了した後に減速シーケンスを実行する。
【0125】
・4相の巻線のうちの2相であって第1巻線(
図13(a)のオの第3相)と、第1巻線の回転方向に隣接する第2巻線(
図13(a)のオの第2相)を時間TBaだけ励磁する。
・次に、第2巻線(
図13(a)のカの第2相)を時間TBbだけ励磁する。
【0126】
・上記励磁が終了したら、モータの4相の巻線の全てについて励磁を解除する。
【0127】
また、
図10(b)の減速シーケンスは次のような励磁を行っている(
図13(b))。なお、
図13(b)のオ及びカは前段減速シーケンスである。
【0128】
・1相の巻線が励磁されているときに(当該励磁されている巻線を「第0巻線、A巻線」とする、
図13(b)のエの第3相)、当該第0巻線の励磁が終了した後に減速シーケンスを実行する。
【0129】
・4相の巻線のうちの2相であって第0巻線(
図13(b)のオの第3相、A巻線)と、第0巻線の回転方向に隣接する第3巻線(
図13(b)のオの第2相、B巻線)を時間TSaだけ励磁する。
【0130】
・次に、第3巻線(
図13(b)のカの第2相、B巻線)を時間TSaだけ励磁する。
【0131】
・次に、第3巻線(
図13(b)のキの第2相、これは上記第1巻線に相当する)と、第3巻線の回転方向に隣接する巻線(
図13(b)のキの第1相、C巻線)を時間TSbだけ励磁する。
【0132】
・次に、当該巻線(
図13(b)のクの第1相、C巻線)を時間TScだけ励磁する。
【0133】
・上記励磁が終了したら、モータの4相の巻線の全てについて励磁を解除する。
【0134】
以上説明した減速シーケンスを実際の遊技機に適用し、そのときのリールの動きを測定したグラフを
図14〜
図22に示す。これらはいずれもひとつのリールに関してその回転速度とステッピングモータの4相の駆動パルスの2つを示したものである。グラフの横軸は時間を示し、縦軸は回転速度とパルスの電圧値(電流値)を示す。グラフの縦軸の原点は速度ゼロを示す。パルスは4つ示されていて、グラフ左端の数字はそれぞれ相の番号を示している。各パルスの表示は、その高レベルで巻線を励磁し、低レベルで励磁を行っていないことを意味する。
【0135】
図14は、発明の実施の形態による減速シーケンス、つまり
図7の第1形態の筐体に対して
図10(a)と
図13(a)の減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0136】
図15は発明の実施の形態乃至比較例であって、
図7の第1形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0137】
図16は比較例であって、
図7の第1形態の筐体に対して全相励磁による減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0138】
図14を参照すると、発明の実施の形態による減速シーケンスによれば、ごく短時間(約14ms)でリールが停止する(速度ゼロ)ことがわかる(減速シーケンスは
図13(a)のオの左端時点(エとオの境界)で開始したものとする、
図15、
図17、
図18、
図20、
図21についても同じ)。停止の直後に励磁を開放しているにもかかわらずリールの位置は安定している。
【0139】
これに対し、
図16の全相励磁のケースを見ると、速度ゼロまでに約32ms(
図14の約2.5倍)を要しており、短時間で停止できない(減速シーケンスは全相が励磁された時点で開始したものとする、
図19、
図22についても同じ)。また、速度ゼロになった後において反対側に動き、振動が生じていて完全な停止には至らない。振動が収まるのを待って完全に停止する。
【0140】
したがって、発明の実施の形態による減速シーケンス(第1形態の筐体に
図10(a)と
図13(a)の減速シーケンスを適用したもの)によれば、(1)リール停止に要する時間が短い、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、(4)速度ゼロになってからの振動が生じない、という特別顕著な効果を奏する。
【0141】
図15を参照すると、
図7の第1形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したものは短時間(約18ms)でリールの速度がゼロになることがわかる。これは
図16の全相励磁の半分である。ただし、速度ゼロ後に振動が生じている。振動の大きさは
図16の全相励磁よりも大きいが、これは
図15では速度ゼロ後に励磁開放していていわばブレーキがかかっていないためである。
【0142】
したがって、
図7の第1形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したものによれば、(1)リール停止に要する時間が短い、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、という優れた効果を奏する。
【0143】
なお、上記減速シーケンスは、演出としてリールの停止時にリールが上下に揺れて停止するように見せたいときにも使用することが可能である(回胴演出の説明は後述)。
また、回胴演出中の遊技者のストップボタン操作に対応して一時停止(擬似停止)するときにも適用可能である。
【0145】
図17を参照すると、発明の実施の形態による減速シーケンスによれば、ごく短時間(約14ms)でリールが停止し、しかも、停止の直後に励磁を開放しているにもかかわらずリールの位置は安定している。
【0146】
これに対し、
図19の全相励磁のケースを見ると、速度ゼロまでに約36msを要しており、短時間で停止できない。また、振動が生じている。
【0147】
したがって、発明の実施の形態による減速シーケンスによれば、(1)リール停止に要する時間が短い、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、(4)速度ゼロになってからの振動が生じない、という特別顕著な効果を奏する。
【0148】
図18を参照すると、
図7の第1形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したものは短時間(約16ms)でリールの速度がゼロになることがわかる。これは
図19の全相励磁の半分である。ただし、速度ゼロ後に振動が生じている。
【0149】
したがって、
図7の第1形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したものによれば、(1)リール停止に要する時間が短い、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、という優れた効果を奏する。
【0150】
この減速シーケンスも、演出として、リールの停止時にリールが上下に揺れて停止するように見せたいときに使用することが可能である。
【0151】
図20は、発明の実施の形態による減速シーケンス、つまり
図9の第2形態の筐体に対して
図10(b)と
図13(b)の減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0152】
図21は発明の実施の形態乃至比較例であって、
図9の第2形態の筐体に対して
図10(a)と
図13(a)の減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0153】
図22は比較例であって、
図9の第2形態の筐体に対して全相励磁による減速シーケンスを適用したもののリールの速度変化を示すグラフである。
【0155】
図20を参照すると、発明の実施の形態による減速シーケンスによれば、ごく短時間(約12ms)でリールが停止し、しかも、停止の直後に励磁を開放しているにもかかわらずリールの位置は安定している。
【0156】
これに対し、
図22の全相励磁のケースを見ると、速度ゼロまでに約50msを要しており、短時間で停止できない。また、振動が生じている。
【0157】
したがって、発明の実施の形態による減速シーケンスによれば、(1)リール停止に要する時間が短い、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、(4)速度ゼロになってからの振動が生じない、という特別顕著な効果を奏する。
【0158】
図21を参照すると、
図9の第2形態の筐体に対して
図10(a)と
図13(a)の減速シーケンスを適用したものは約50msでリールの速度がゼロになることがわかる。そして、速度ゼロ後に振動が生じている。グラフを検討すると、励磁開放時点で速度がゼロになっていないために速度ゼロまで時間を要しているように思える。そこで、速度ゼロになってから励磁開放するように、最後の1相励磁(
図13(a)のカ)をもう少し長くする(例えば、134pps、7.5ms)ことで速度ゼロまでの時間を
図20と同程度にできると思われる。
【0159】
したがって、
図9の第2形態の筐体に対して
図10(a)と
図13(a)の減速シーケンスを適用したものによれば、(2)1相励磁と2相励磁により停止させるので消費電流が少ない、(3)速度ゼロになった直後に励磁を開放するので停止後に電流を消費しない、という効果を奏する。なお、上述のように最後の1相励磁をもう少し長くすることで(1)リール停止に要する時間が短い、という効果を期待できる。
なお、演出として、リールの停止時にリールが上下に揺れて停止するように見せたいときに使用することが可能である。
【0160】
なお、リールユニット203に関して、
図7の第1形態の筐体の取り付け方はフレーム151の前側の上下で固定するものであったが、本発明はこれに限定されない。他の取付態様を
図23に示す。
図23(a)は後側の上端と前側の下端で固定するものであり、同図(b)は前側の上端と後側の下端で固定するものであり、同図(c)は後側の上下で固定するものである。これらについて、発明の実施の形態を適用することができる。
【0161】
図9の第2形態の筐体の取り付け方はフレーム151の前側の下端で固定するものであったが、本発明はこれに限定されない。他の取付態様を
図24に示す。
図24(a)は後側の下端で固定するものであり、同図(b)は前側の上端で固定するものであり、同図(c)は後側の上端で固定するものである。これらについて、発明の実施の形態を適用することができる。
【0162】
以上のように、発明の実施の形態によれば、リールの減速シーケンスにおいて、従来の全相励磁に代えて、1−2相励磁を維持しつつその周波数を調整して減速し停止させることにより、第2形態の筐体と第1形態の筐体のいずれについても、その消費電流値を抑制できる。
【0163】
従来の遊技機における停止の際の最大消費電流は次のようになる。すなわち、第1停止での全相励磁中に第2停止による全相励磁時が最大であり、3.0[A]である。
0.3[A]×4(相)+0.3[A]×4(相)+0.3[A]×2(相)=3.0[A]
【0164】
これに対し、本発明の実施の形態に係る遊技機における停止の際の最大消費電流は次のようになる。すなわち、全3回胴の回転中又はそれらの同時停止時が最大であり、1.8[A]である。
0.3[A]×2(相)+0.3[A]×2(相)+0.3[A]×2(相)=1.8[A]
【0165】
このように、回胴演出時の停止時において消費電流を抑制でき、同時押し(停止)でも最大電流値が許容値を超えないようにできる。よって、同時押し(停止)が可能となる。
【0166】
しかも、リール停止時の振動も抑えることができる。
【0167】
さらに、リール停止後にすぐ励磁開放しているので、停止を受け付けない期間を設ける必要がなくなる。従来の遊技機では、電源電流の最大許容値が低く、かつ、リールを停止させる際に全相励磁をかけていたため、2つ以上のリールで全相励磁を行うと最大許容値を超えた電流が発生してしまうために、停止を受け付けない期間を設けていた。発明の実施の形態によればそのような不具合が生じることがなく、停止を受け付けない期間のためのプログラムを用意する必要がなくなり、プログラム容量を削減することができる。
【0168】
発明の実施の形態は、通常のリール回転の減速シーケンスのみならず、リールを用いた演出中における正回転時あるいは逆回転時の減速シーケンスにも適用できる。
【0169】
[回胴演出について]
次に、回胴演出について説明を加える。
スロットマシンの中には、内部当選を報知する際に回胴を動かすものがある。通常、回胴はスタートスイッチの押下による遊技の開始で回転し、ストップボタンの押下で停止するものであるが、回胴による演出機能を備えるスロットマシンでは、スタートスイッチ押下からストップボタン押下までの期間、より正確に言えばスタートスイッチ押下から回胴が定常回転になるまでの期間において、各回胴を不規則に上下に動かすことで、内部当選を報知することがある(通常遊技における回胴の動きは一方向かつ一定速度の規則的なものであるから、演出による回胴の動きとは容易に区別することができる)。このようなリールの動作は、回胴演出と呼ばれる。回胴演出が終了すると、その後速やかに回胴は通常の方向へ定常回転(通常遊技の回転)を行うようになる。
なお、全ての回胴が停止した後から次回遊技に係るメダル投入受け付け開始までの間に上記回胴演出が行われることもある。
【0170】
回胴演出は予め定められた制御データに従ってリールを上下に繰り返し動かすなどの動作を行っている。具体的には、そのような動作を指令する制御データを予め用意しておき、それを順次読み出すことで動作を行わせている(
図25及び
図26参照)。例えば、リールを上(通常とは逆方向)、下、一時停止、再び上、下の順番で動かすときは、「上」、「下」、「一時停止」、「上」、「下」の動作をそれぞれ行わせる制御データを用意する(前記5つの動きを実行するための5つの制御データをまとめて一群の制御データする)。このやり方は単純で簡単に作成でき、誤りも少ないというメリットがある。
【0171】
図27(a)は、スロットマシンのステッピングモータの駆動方法の説明図である。
図27(a)は、
図6と同じものである。同図は一−二相励磁の例を示している。同図の表の○はコイルに電流を流していることを示す。同図の表のステップ1、2、・・・、8の順番でコイルに電流を流すとモータは回転し、逆の順番にするとモータは逆回転する。
【0172】
ステップ1、2、・・・、8によるコイルの電流のオンオフのパターンを励磁パターンと呼ぶことにする。
図27(a)の例は8つの励磁パターンの組み合わせを示し、
図27(b)は16個の励磁パターンの組み合わせを示す。
図27(a)(b)は励磁パターンテーブルの内容を示す。
【0173】
図25は、遊技機の回胴演出制御部300のブロック図である。回胴演出制御部300は、例えば、回胴制御手段1300の一部であり、メモリやコントローラなどのハードウエア又はプログラムによるソフトウエアで実現される。
【0174】
311は、外部から回胴演出に関する命令を受け(例えば、内部抽選手段1200から内部抽選の結果を受ける)、これに従って複数ある回胴演出モータ駆動パターンのいずれかを選択する回胴演出モータ駆動パターン選択部である。
【0175】
回胴演出に関する命令として、(1)前記内部抽選手段による内部抽選の結果が出たことの通知(そのときの回胴演出は当該抽選の結果に対応する)、(2)メイン基板10で行われるAT(アシストタイム)のゲーム数を決定するための抽選の結果が出たことの通知(そのときの回胴演出は当該抽選の結果に対応する)、(3)メイン基板10によって予め定められている回胴演出を実行する旨の命令(そのときの回胴演出は、当該タイミングにおいて実行された回胴演出パターンを決定するための抽選の結果に対応する)、などがある。
【0176】
312は、選択された回胴演出モータ駆動パターンを読み出し、そのデータ列のデータを順次ステッピングモータ155の駆動回路(図示せず)へ送る回胴演出モータ駆動パターン読出部である。回胴演出モータ駆動パターン読出部312は、先ずデータ列の先頭を読み出して送るとともに、予め定められた条件を満たしたとき(例えば、(1)図示しないタイマーを備え、予め定められた時間を経過したとき、言い換えれば一定時間間隔で、(2)回胴が一定角度回転した、一定時間停止したなど回胴が予め定められた動作を完了したとき)、データ列から次のデータを読み出して駆動回路へ送る。以上の動作を繰り返す。
【0177】
314は、複数の回胴演出パターンを予め記憶している回胴演出モータ駆動パターンテーブルである。
図25及び
図26の例では、データ列1(演出パターン1)〜データ列4(演出パターン4)の4種類の演出パターンを記憶している。
【0178】
図26は、回胴演出モータ駆動パターンテーブルの説明図である。
同図の例では、データ列1=ACACACである。他のデータ列も同図に示されたとおりである。AやCはひとつの演出パターンデータ(基本動作)を示しており、例えば、Aは回胴を上方向(逆方向)へ高速回転させることを意味し、Cは回胴を下方向(順方向)へ高速回転させることを意味する。他のC〜Fの意味については、
図29(c)を参照されたい。
図29(c)で示された動作A〜Fは、それぞれ演出に係る回胴の基本動作である。
図29(c)における高速・低速はあくまで相対的なものであり、高速であるからといって通常遊技における回転速度よりも大きいことを必ずしも意味しない。例えば、同図のAの回胴演出中の回転速度が通常遊技の定常回転と同じ速度であり、同図のBの回転速度がその半分の速度(通常遊技の定常回転速度÷2)であるように設定することができる。
【0179】
つまり、データ列1は、上方向(逆方向)へ高速回転させた後、回胴を下方向(順方向)へ高速回転させる。そして、このセットを合計3回繰り返す回胴演出を意味する。他のデータ列2〜4についても、それぞれ、そのデータが対応する
図29(c)の意味する回胴演出を行う。
【0180】
図26の各テーブルの右欄は、実際に記憶されているデータを示す(これに対し左欄のAなどは便宜上付した符号、あるいはメモリにアドレスに相当するものであって、データではない)。これは回胴演出モータ駆動パターンのデータ列を構成する各データに対応する駆動データの具体例を示している(例えばAに対応する7、7、7、3)。この駆動データは例えば4バイトであり、3つのリール40a〜40cそれぞれの励磁パターン更新数と、そのウエイト時間を示している。7、7、7、3は、順に、リール40aの励磁パターン更新数、リール40bの励磁パターン更新数、リール40cの励磁パターン更新数、ウエイト時間を示している。
【0181】
励磁パターン更新数は、ステッピングモータを駆動するための励磁パターン(
図27(a)(b)参照)を更新するための値である。0の場合は励磁パターンが更新されないため(例えば、
図27(a)のステップ1の励磁パターンが継続する、言うまでもなく、ステップ1は例示である(以下同様))、モータは動かない。1の場合は励磁パターンを一つづつ+方向へ動かすことを意味し、回胴は順方向へ回転する。例えば、
図27(a)のステップ1からステップ2、ステップ3、・・・のように励磁パターンが順次切り替わる。7(補数表現で−1)の場合は励磁パターンを一つづつ−(マイナス)方向へ動かすことを意味し、回胴は逆方向へ回転する。例えば、
図27(a)のステップ1からステップ8、ステップ7、・・・のように励磁パターンが順次切り替わる
【0182】
以上の励磁パターンの更新処理は、
図29(b)についても同様である。
【0183】
ウエイト時間は、その駆動データを継続する時間を意味する。例えば、制御可能な最小時間単位は0.1秒であり、3は0.3秒間だけ特定の駆動データに従って励磁パターンを更新することを意味する。
【0184】
なお、
図26において、3つのリールの励磁パターン更新数は同じであるが、回胴ごとに異なるようにしてもよい。この場合、3つの回胴はそれぞれ別の動きすることになる。
【0185】
なお、駆動データAとCは高速であり、駆動データBとDは低速である。高速と低速の切替は例えば次のいずれかのように行う。
【0186】
(1)高速用(通常)の励磁パターンテーブル(
図27(a))と低速用(回胴演出専用)の励磁パターンテーブル(
図27(b))をそれぞれ用意する。後者のテーブルは同じ励磁パターンが2回繰り返されているので、上述の励磁パターンの更新処理を行うと通常よりもモータの回転が小さくなる(半分になる)。繰り返し回数を増やすことで回胴の回転速度をさらに遅くすることができる。
【0187】
(2)低速において、励磁パターン更新数の加算繰り返し間隔を長くする。具体的には、低速の場合、回胴演出モータ駆動パターン読出部312が、駆動回路へ励磁パターン更新数である+1又は+7を送り出す間隔を高速の2倍にする。あるいは、駆動回路が励磁パターン更新数の加算を行う場合、低速の場合、+1又は+7の演算を繰り返す間隔を高速の2倍にするようにしてもよい。
【0188】
例えば、
図26のデータ列1に基づき回胴演出を行う場合、まずA(7,7,7,3)のデータを読み出して駆動回路へ送る。これにより回胴は上方向へ高速で回転する。これが指定された時間継続するとその動作が停止し、次のC(1,1,1,3)の動作に移る。AとCでは回胴の回転方向が反対であるから、これらの間において回胴は停止する。言い換えれば、Aの動作の終了後において減速シーケンスが生じ、これが
図4(b)の符号αに相当するものであり、前述の減速シーケンスが適用される。
【0189】
図26のデータ列2は、回胴の回転速度が低速である点を除き
図26のデータ列1と同じであり、同様に減速シーケンスが適用される。
【0190】
図26のデータ列3は、高速回転が4回繰り返され(A,C,A,C)、その後一定時間停止する。この例では高速回転の終期(A,C,A,Cの終了時点)において、前述の減速シーケンスが適用される。停止(E,E,E)においては、回胴が停止しているので減速シーケンスは適用されない。
【0191】
図26のデータ列4は、すべてウエイト(E,E,F,F)であるから、やはり減速シーケンスは適用されない。
【0192】
次に、
図25とは異なる他の形態について説明を加える。
以下の例においても、減速シーケンスの適用の点は上述の例と変わらない。
【0193】
301は、外部から回胴演出に関する命令を受け(例えば、内部抽選手段1200から内部抽選の結果を受ける)、これに従って複数ある回胴演出パターンのいずれかを選択する回胴演出パターン選択部である。
【0194】
302は、選択された回胴演出パターンを読み出し、そのデータ列のデータを順次モータ駆動パターン選択部303へ送る回胴演出パターン読出部である。回胴演出パターン読出部302は、回胴演出モータ駆動パターン選択部311と同様に、先ずデータ列の先頭を読み出して送るとともに、予め定められた条件を満たしたとき、データ列から次のデータを読み出してモータ駆動パターン選択部303へ送る。以上の動作を繰り返す。
【0195】
303は、回胴演出パターン選択部302から受けたデータに従ってモータ駆動パターンテーブル305から対応する駆動データを読みだすとともに、その駆動データを駆動回路1310へ送るモータ駆動パターン選択部303である。
【0196】
304は、複数の回胴演出パターンを予め記憶している回胴演出パターンテーブルである。
図28の例では、データ列1(演出パターン1)〜データ列4(演出パターン4)の4種類の演出パターンを記憶している。
【0197】
305は、回胴演出に用いられる全ての回胴の動作(一定時間停止することを含む)をそれぞれ実現するための複数の駆動データを予め記憶しているモータ駆動パターンテーブルである。
図28の例では、駆動データA〜駆動データFの6種類のデータを記憶している。
図28の例では、回胴演出として最大6通りの基本動作が可能である。なお、これは一例であり、駆動データの数を増減することで、回胴演出の種類を任意に増減することができる。
【0198】
図29は、回胴演出パターンテーブルとモータ駆動パターンテーブルの説明図である。
図29(a)は、回胴演出パターンテーブル304の具体例である。同図の例では、データ列1=ACACACである。他のデータ列も同図に示されたとおりである。
【0199】
図29(a)のデータ列の一つのデータ(例えばA)は最小単位(例えば1バイト)のデータであり、そのデータ容量は小さい。
【0200】
図29(b)は、モータ駆動パターンテーブル305の具体例である。回胴演出パターンデータテーブルのデータ列を構成する各データに対応する駆動データの具体例を示している(例えばAに対応する7、7、7、3)。この駆動データは例えば4バイトであり、3つのリール40a〜40cそれぞれの励磁パターン更新数と、そのウエイト時間を示している。
【0201】
以上の励磁パターンの更新処理は、励磁パターンを示す値に
図29(b)の励磁パターン更新数を加算することで実現できる。
【0202】
なお、
図29(b)において、3つのリールの励磁パターン更新数は同じであるが、回胴ごとに異なるようにしてもよい。この場合、3つの回胴はそれぞれ別の動きすることになる。
【0203】
回胴演出パターンのデータ列の各データは、モータ駆動パターンの駆動データよりも小さい(上記例では前者が1バイトに対して後者は4バイト)。
【0204】
次に、
図30及び
図31を参照して、回胴演出制御部300の処理について説明を加える。
【0205】
S101:回胴演出パターン選択部301が、回胴パターンテーブル304から演出に使用するデータ列を選択する。
どの演出を行うかの指令を受けてデータ列を選択する。例えば、高速で上下に動かす演出を行うときはデータ列1を、低速で上下に動かす演出を行うときはデータ列2を選択し、高速で上下に動かした後に一定時間回胴を呈するときはデータ列3を選択し、単に一定時間回胴を停止するときはデータ列4を選択する。選択されたデータ列は、回胴演出パターン読出部302によりモータ駆動パターン選択部303へ送られる。
【0206】
S102:選択したデータ列に基づき、モータ駆動パターン選択部303が、モータ駆動パターンテーブル305から駆動データを読み出す。
例えば、S1でデータ列2が選択されたとき、駆動データB、D、B、Dの順番で読み出す。
【0207】
S103:駆動回路1310が、読み出した駆動データに従ってステッピングモータを駆動する。
例えば、読み出した駆動データがBであれば、回胴を上方向へ低速で動かす。
【0208】
S104:回胴演出が終了したら(YES)、回胴演出制御部300は
図30の処理を終了する。
例えば、最後の駆動データDによる駆動が終了したら、YESとなる。
【0209】
図31に基づき、上記S2〜S4の処理を具体的に説明する。
【0210】
S110:回胴演出パターン読出部302が、選択したデータ列の先頭のデータを読み出す。
例えば、駆動データB、D、B、Dの先頭のBを読み出す。
【0211】
S111:モータ駆動パターン選択部303が、読み出したデータに対応するモータ駆動パターンを読み出す。
例えば、駆動データB=7、7、7、9を読み出す。
あるいは、駆動データD=1、1、1、9を読み出す。
【0212】
S112:駆動回路1310が、読み出したモータ駆動パターンに基づきモータを制御する。
例えば、駆動データB=7、7、7、9のときは、
図27(b)の励磁パターンテーブルに一定時間間隔で繰り返し7を加算して(−1減算に相当)、励磁パターンを変化させる。同図の例では、励磁パターンは例えば・・・、1、16、15、14、・・・となる。
駆動データD=1、1、1、9のときは、
図27(b)の励磁パターンテーブルに一定時間間隔で繰り返し1を加算して、励磁パターンを変化させる。同図の例では、励磁パターンは例えば・・・、1、2、3、4、・・・となる。
なお、高速回転A,Cの場合は、
図27(a)の励磁パターンテーブルが使用される。
【0213】
S113:回胴演出制御部300が、制御終了したかどうか判定する。
例えば、S12の処理が一定時間(0.9秒)続いたときにYESとなる。これに満たないとき(NO)はS12の処理を繰り返す。
【0214】
S114:回胴演出制御部300が、データ列のデータを全て読み出したかどうか判定する。
例えば、駆動データB、D、B、Dの最後のDを読み出したときにYESとなる。
読み出していないデータがあるとき、次のデータを読み出し(S15)、S11〜S13の処理を繰り返す。
【0215】
なお、
図30及び
図31の処理において、モータ駆動パターン選択部303が読み出した駆動データによる回転方向が、当該駆動データの直前に読み出した駆動データの回転方向とは異なるとき、又は、読み出した駆動データがウエイトを示し、当該駆動データの直前に読み出した駆動データが回転を示しているとき、はいずれも
図4の符号αに該当するから、少なくともいずれかの場合において前述の減速シーケンスを実行することが望ましい。
【0216】
以上の処理により、回胴演出を行うことができる。演出の種類を増やすには、回胴演出パターンテーブルのデータ列を増やせばよい。データ列の内容は、駆動データの組み合わせによるものであれば任意であり、種類を無数に増やすことができる。また、データ列のデータの数を増やすことで演出における回胴の動きを増やすことができる。演出に用いる駆動の種類は駆動データを増やせばよい。例えば、左回胴は上回転、右回胴は下回転、中央の回胴は停止という駆動を行うには、駆動データを7、0、1、3とすればよい。駆動データの内容は、ステッピングモータで可能なものであれば任意に採用できるが、実際は、
図29(c)に示した6種類でほぼ十分であると思われる。
【0217】
図28及び
図29の遊技機を実現するために必要なデータ量について検討する。
回胴演出パターンテーブル304について、データ列1(演出パターン1):6バイト、データ列2(演出パターン2):4バイト、データ列3(演出パターン3):7バイト、データ列4(演出パターン4):4バイトであるから、合計21バイトである。
【0218】
モータ駆動パターンテーブル305について、駆動データA〜Fの6種類で各4バイト、つまり6×4バイト=24バイトである。
【0219】
2つのテーブル304、305の合計は、21+24=45バイトである。
【0220】
これに対し、
図25及び
図26のやり方によれば、
図29(a)の演出パターン1を実現するためには、ひとつの駆動データについて4バイト必要であり駆動を6回行うことから、6×4バイト=24バイト必要である。同様に、演出パターン2:4×4バイト=16バイト、演出パターン3:7×4バイト=28バイト、演出パターン4:4×4バイト=16バイトとなり、合計84バイトである。
【0221】
すなわち、
図28及び
図29によれば、従来のやり方に比べて約半分のデータ量で済む。回胴演出パターンテーブル304の演出パターンのひとつのデータ(例えばA)のデータ量が、モータ駆動パターンテーブル305のひとつの駆動データのデータ量よりも小さければ、
図28及び
図29は、従来のやり方よりもデータ量が少なくなると言える。このことは、データ列の種類が多いほど、データ列に含まれるデータの数が増えるほど顕著になる。
【0222】
仮に、回胴演出の動きが1つでデータ列1しかないとすれば、
図28及び
図29のデータ量は6+24=30バイトであるのに対し、
図25及び
図26のデータ量は24バイト(データ列1のみ)とこのほうが少なくなる。しかし、データ列1と2の2種類になると、
図28及び
図29のデータ量は6+4+24=34バイトであるのに対し、
図25及び
図26のデータ量は24+16=40バイトと
図28及び
図29のほうが少なくなる。演出に係る回胴の基本動作は、例えば
図29(c)に示すように複数あり(ひとつでは演出としての意味がなくなる)、また、当選役の報知を行うことからデータ列がひとつということはあり得ないから、
図28及び
図29は、常に、従来のやり方よりもデータ量が少なくなるといってよい。
【0223】
図28及び
図29によれば、回胴演出のためのデータ量を削減することができる。
【0224】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。