特許第5747292号(P5747292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5747292無縫の衣類、無縫の衣類の製造装置及び無縫の衣類の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5747292
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】無縫の衣類、無縫の衣類の製造装置及び無縫の衣類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41H 43/04 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   A41H43/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-187358(P2014-187358)
(22)【出願日】2014年9月16日
【審査請求日】2014年10月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506151121
【氏名又は名称】有限会社中田久吉商店
(74)【代理人】
【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
(74)【代理人】
【識別番号】100155206
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 源一
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(72)【発明者】
【氏名】中田 久志
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−033807(JP,A)
【文献】 特開2008−266836(JP,A)
【文献】 特開平11−247010(JP,A)
【文献】 特開昭56−049211(JP,A)
【文献】 特開2007−039047(JP,A)
【文献】 特開昭57−084819(JP,A)
【文献】 実開昭51−147177(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41H 43/04
A41D 19/00 〜 19/04
B29C 65/00 〜 65/82
B65B 51/00 〜 51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の生地の周縁部と第2の生地の周縁部とが融着用フィルムを介して固着され、
前記第1の生地の周縁部及び前記第2の生地の周縁部が、前記衣類の内側に向かって折り返されており、
前記融着用フィルムは、前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、
折り返された前記第1の生地の周縁部と折り返された前記第2の生地の周縁部との間に前記帯状の融着用フィルムを介在させて形成された周縁突起部が、前記衣類の内側に向かって延びている無縫の衣類の製造装置であって、
前記衣類の輪郭形状に倣って形成された金型シール部及びカッター刃を備え、
前記カッター刃は、前記金型シール部の幅内に配されており、
前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における該カッター刃とは反対側の先端内側角部が直角に形成されており、
前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における前記カッター刃側の外側外壁の高さが、該内側の部分における内側内壁の高さよりも低くなっており、
第1の生地の原反と第2の生地の原反との間に融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記金型シール部を用いて前記衣類の輪郭形状の周縁固着部の前駆体を形成した後、前記カッター刃を用いて前記衣類の前駆体を形成する無縫の衣類の製造装置。
【請求項2】
前記融着用フィルムは、複数枚からなり、該複数枚の融着用フィルムが互いに重なり合って、前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、
第1の生地の原反と第2の生地の原反との間に複数枚の融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記金型シール部を用いて前記衣類の輪郭形状の周縁固着部の前駆体を形成した後、前記カッター刃を用いて前記衣類の前駆体を形成する請求項に記載の無縫の衣類の製造装置。
【請求項3】
第1の生地の周縁部と第2の生地の周縁部とが融着用フィルムを介して固着され、
前記第1の生地の周縁部及び前記第2の生地の周縁部が、前記衣類の内側に向かって折り返されており、
前記融着用フィルムは、前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、
折り返された前記第1の生地の周縁部と折り返された前記第2の生地の周縁部との間に前記帯状の融着用フィルムを介在させて形成された周縁突起部が、前記衣類の内側に向かって延びている無縫の衣類の製造方法であって、
第1の生地の原反と第2の生地の原反との間に融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記衣類の輪郭形状に倣った形状の周縁固着部の前駆体を形成して固着するシール工程と、
形成された前記周縁固着部の前駆体の幅内で、該周縁固着部の前駆体の外周縁に沿って前記衣類の相似形状にカットして前記衣類の前駆体を形成するカット工程と、
形成された前記衣類の前駆体を裏返して、裏返された前記衣類の前駆体の外周縁に沿って前記周縁固着部以外の前記融着用フィルムを引き剥がして周縁固着部を形成する引き剥がし工程とを備え、
前記シール工程は、前記衣類の輪郭形状に倣って形成された金型シール部を用いて行い、
前記カット工程は、前記衣類の輪郭形状に倣って形成されており、前記金型シール部の幅内に配されるカッター刃を用いて行い、
前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における該カッター刃とは反対側の先端内側角部が直角に形成されており、
前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における前記カッター刃側の外側外壁の高さが、該内側の部分における内側内壁の高さよりも低くなっている無縫の衣類の製造方法。
【請求項4】
前記融着用フィルムは、複数枚であり、
前記シール工程は、前記第1の生地の原反と前記第2の生地の原反との間に複数枚の前記融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記衣類の輪郭形状に倣った形状の周縁固着部の前駆体を形成して固着し、
前記引き剥がし工程は、形成された前記衣類の前駆体を裏返して、裏返された前記衣類の前駆体の外周縁に沿って前記周縁固着部以外の前記複数枚の融着用フィルムを引き剥がして周縁固着部を形成する請求項に記載の無縫の衣類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸や針を用いて縫製されていない無縫の衣類に関する。また、本発明は、無縫の衣類の製造装置に関する。さらに、本発明は、無縫の衣類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生地の端部を糸や針を用いて縫製する替わりに、生地の端部を熱融着等により固着して製造された無縫の衣類が知られている(特許文献1,2)。
【0003】
例えば、特許文献1,2には、超音波による熱融着によって製造された無縫の衣類が記載されている。特許文献1,2に記載の無縫の衣類は、糸及び針を用いてミシンにより縫製して製造される衣類に比べて製造コストを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-2326号公報
【特許文献2】特開2011-47066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、融着により形成された融着部の強度を向上させることは難しく、使用状況によっては、融着部から破れてしまうことがあった。特許文献1,2には、融着により形成される融着部の強度を向上させることに関して、何ら記載されていない。
【0006】
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る無縫の衣類に関する。また、本発明は、無縫の衣類を効率的に製造する製造装置に関する。さらに、本発明は、無縫の衣類を効率的に製造する製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の生地の周縁部と第2の生地の周縁部とが融着用フィルムを介して固着された無縫の衣類であって、前記第1の生地の周縁部及び前記第2の生地の周縁部が、前記衣類の内側に向かって折り返されており、前記融着用フィルムは、複数枚からなり、該複数枚の融着用フィルムが互いに重なり合って前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、折り返された前記第1の生地の周縁部と折り返された前記第2の生地の周縁部との間に前記複数枚の帯状の融着用フィルムを介在させて形成された周縁突起部が、前記衣類の内側に向かって延びている無縫の衣類を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、第1の生地の周縁部と第2の生地の周縁部とが融着用フィルムを介して固着され、前記第1の生地の周縁部及び前記第2の生地の周縁部が、前記衣類の内側に向かって折り返されており、前記融着用フィルムは、前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、折り返された前記第1の生地の周縁部と折り返された前記第2の生地の周縁部との間に前記帯状の融着用フィルムを介在させて形成された周縁突起部が、前記衣類の内側に向かって延びている無縫の衣類の製造装置であって、前記衣類の輪郭形状に倣って形成された金型シール部及びカッター刃を備え、前記カッター刃は、前記金型シール部の幅内に配されており、前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における該カッター刃とは反対側の先端内側角部が直角に形成されており、第1の生地の原反と第2の生地の原反との間に融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記金型シール部を用いて前記衣類の輪郭形状の周縁固着部の前駆体を形成した後、前記カッター刃を用いて前記衣類の前駆体を形成する無縫の衣類の製造装置を提供するものである。
【0009】
さらに、本発明は、第1の生地の周縁部と第2の生地の周縁部とが融着用フィルムを介して固着され、前記第1の生地の周縁部及び前記第2の生地の周縁部が、前記衣類の内側に向かって折り返されており、前記融着用フィルムは、前記衣類の外周縁に沿って帯状に延びており、折り返された前記第1の生地の周縁部と折り返された前記第2の生地の周縁部との間に前記帯状の融着用フィルムを介在させて形成された周縁突起部が、前記衣類の内側に向かって延びている無縫の衣類の製造方法であって、第1の生地の原反と第2の生地の原反との間に融着用フィルムの原反を配した複合体に、前記衣類の輪郭形状に倣った形状の周縁固着部の前駆体を形成して固着するシール工程と、形成された前記周縁固着部の前駆体の幅内で、該周縁固着部の前駆体の外周縁に沿って前記衣類の相似形状にカットして前記衣類の前駆体を形成するカット工程と、形成された前記衣類の前駆体を裏返して、裏返された前記衣類の前駆体の外周縁に沿って前記周縁固着部以外の前記融着用フィルムを引き剥がして周縁固着部を形成する引き剥がし工程とを備え、前記シール工程は、前記衣類の輪郭形状に倣って形成された金型シール部を用いて行い、前記カット工程は、前記衣類の輪郭形状に倣って形成されており、前記金型シール部の幅内に配されるカッター刃を用いて行い、前記金型シール部は、その幅方向に沿って断面視して、前記カッター刃よりも内側の部分における該カッター刃とは反対側の先端内側角部が直角に形成されている無縫の衣類の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、融着により形成される融着部の強度が向上し、該融着部からの破れが起こり難い。また、本発明によれば、無縫の衣類を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の無縫の衣類の1実施形態である手袋の斜視図である。
図2図2は、図1に示すII−II線断面図である。
図3図3は、図2に示す断面図の要部拡大断面図である。
図4図4は、図1に示す手袋の製造装置の概略図である。
図5図5は、図4に示す手袋の製造装置の備える金型シール部及びカッター刃の斜視図である。
図6図6は、図5に示すVI−VI線断面図である。
図7図7は、図1に示す手袋の製造方法の工程(前半部分)を説明する図である。
図8図8は、図1に示す手袋の製造方法の工程(後半部分)を説明する図である。
図9図9は、他の製造装置の備える金型シール部及びカッター刃の断面図である(図6相当図)。
図10図10は、更に他の製造装置の備える金型シール部及びカッター刃の断面図である(図6相当図)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の無縫の衣類の一実施形態である無縫の手袋1の斜視図が示されている。ここで、無縫の衣類とは、例えばミシンにより糸及び針を用いて縫製する方法を一切採らずに、超音波融着、高周波融着、或いは熱融着により固着する方法により製造された衣類を意味する。図1に示すように、本実施形態の手袋1(以下、単に「手袋1」ともいう。)は、第1の生地2の周縁部2eと第2の生地3の周縁部3eとが融着用フィルム4を介して固着された無縫の手袋である。手袋1は、5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋であり、手袋1における第1の生地2とは、手の甲側の手形の生地であり、手袋1における第2の生地3とは、手の平側の手形の生地である。第1の生地2(手の甲側の手形の生地)と、第2の生地3(手の平側の手形の生地)とは、手袋1においては、互いに同形同大に形成されている。
【0013】
本実施形態の手袋1は、図2に示すように、第1の生地2の周縁部2e及び第2の生地3の周縁部3eが、手袋1の内側に向かって折り返されている。具体的に、手袋1においては、第1の生地2(手の甲側の手形の生地)の周縁部2e及び第2の生地3(手の平側の手形の生地)の周縁部3eが、手袋1における手の挿入口9となる部分を除いて、手袋1の外周縁1eに沿って、手袋1の内側に向かって折り返されている。第1の生地2の折り返された周縁部2eの幅と第2の生地3の折り返された周縁部3eの幅とは、同じ幅である。
【0014】
また、本実施形態の手袋1は、図3に示すように、融着用フィルム4が、複数枚(本実施形態においては2枚)からなり、複数枚の融着用フィルム4,4・・・が互いに重なり合って手袋1の外周縁1eに沿って帯状に延びている。各帯状の融着用フィルム4の幅は、第1の生地2の折り返された周縁部2eの幅及び第2の生地3の折り返された周縁部3eの幅と、同じ幅となっている。このように、本実施形態の手袋1においては、第1の生地2と第2の生地3とを固着する融着用フィルム4が、第1の生地2又は第2の生地3の表面又は裏面の全面に配されておらず、第1の生地2の折り返された周縁部2eの幅又は第2の生地3の折り返された周縁部3eの幅にのみ配されている。その為、第1の生地2又は第2の生地3の生地本来の肌触り感、伸縮性能、或いは通気性能を十分に引き出すことができる。
【0015】
第1の生地2と第2の生地3との間に配される融着用フィルム4の枚数は、融着により形成される融着部である周縁突起部5の強度の向上とコストダウンとの両立の観点から、2枚以上5枚以下であることが好ましく、2枚以上3枚以下であることが更に好ましい。
【0016】
本実施形態の手袋1は、図2に示すように、折り返された第1の生地2の周縁部2eと折り返された第2の生地3の周縁部3eとの間に複数枚(本実施形態においては2枚)の帯状の融着用フィルム4,4・・・を介在させて形成された周縁突起部5が、手袋1の内側に向かって延びている。具体的に、手袋1においては、手袋1の内側に向かって延びる周縁突起部5が、手の挿入口9となる部分を除いて、手袋1の外周縁1eに沿って形成されている。周縁突起部5は、生地2の周縁部2e、2枚の融着用フィルム4,4及び生地3の周縁部3eの順に積層されており、周縁部2e及び周縁部3eの間に2枚の融着用フィルム4,4を介在させて配した部分を融着させて形成される。周縁突起部5の幅(w1)は、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることが更に好ましい。
【0017】
本実施形態の手袋1の形成材料について説明する。
第1の生地2(手の甲側の手形の生地)及び第2の生地3(手の平側の手形の生地)としては、織物、不織布、編み物、革等が挙げられ、これらを組み合わせたものを用いることもできる。織物、不織布、編み物の素材としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロプレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維などの合成樹脂繊維;綿、羊毛、絹、麻などの天然繊維;等が挙げられる。革としては、牛革や豚革などの天然皮革;ウレタン樹脂製、塩化ビニル樹脂製などの合成皮革、人工皮革;またはこれらを組合せたもの等が挙げられる。尚、周縁突起部5の強度向上の観点からは、融着性のある素材が好ましく、具体的にはポリウレタン繊維が好ましく用いられ、ポリウレタン繊維の混繊された混紡繊維が特に好ましく用いられる。
【0018】
また、手袋1に防水性を付与する場合には、第1の生地2(手の甲側の手形の生地)及び第2の生地3(手の平側の手形の生地)として、防水処理を施した上述した織物、不織布、編み物、革等を用いることもできる。防水処理は、例えば、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂等の疎水性樹脂で、上述した織物、不織布、編み物、革等をコーテイングしたり、あるいは前記疎水性樹脂からなるシートを上述した織物、不織布、編み物、革等にラミネートしたりして行なう。
【0019】
各融着用フィルム4としては、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、ポリイミドフィルム等の融着性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。特に、各融着用フィルム4としては、融着強度の安定化の観点、及び弾力性の観点から、ポリウレタンフィルムを用いることが好ましく、コストダウンの観点及び引き千切り易さの観点から、ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。複数枚の融着用フィルム4を使用する際、融着強度の安定化とコストダウンとの両立の観点からは、複数枚の融着用フィルム4が全て同一の素材からなるフィルムを用いることが好ましい。各融着用フィルム4は、その厚みが、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることが更に好ましく、25μm以上30μm以下であることが特に好ましい。尚、厚みに関しては、複数枚の融着用フィルム4が全て同じ厚みのフィルムを用いてもよく、複数枚の融着用フィルム4の中の少なくとも1枚は、異なる厚みのフィルムを用いてもよい。コストダウンと融着強度の安定化との両立の観点から、同一の厚みのフィルムを用いることが好ましく、融着強度の安定化の観点からは、後述する金型シール11側に相対的に薄めのフィルムを用いることが好ましい。
【0020】
上述した本発明の実施形態の手袋1を使用した際の作用効果について説明する。
手袋1は、図3に示すように、手袋1の内側に向かって延びている周縁突起部5が、それを断面視して、折り返された第1の生地2と折り返された第2の生地3とが複数枚の帯状の融着用フィルム4を介して融着して形成されている。ここで、一般的に、融着して形成されて形成された融着部分の強度を向上させるためには、融着用フィルムの厚みを厚くすることが考えられる。しかし、融着用フィルムの厚みが厚くなると、形成される融着部分に弾性を与え難く、融着部分の弾性が損なわれると生地本来の伸縮性が発揮できず、商品価値が下がってしまう。また、融着用フィルムの厚みが厚くなると、特注品となりコストが向上してしまう。また、融着させる時間も長くなり、結果としてコストの向上を招いてしまう。それに対し、本実施態様の手袋1は、周縁突起部5が、複数枚の帯状の融着用フィルム4を互いに重ねて形成されているので、厚めの1枚の融着用フィルムを用いるのに比べて、各融着用フィルム4に熱が瞬時に伝わり易く、溶融したフィルムが生地2,3に食い込み易く、融着により形成される融着部である周縁突起部5の強度が向上し、周縁突起部5からの破れが起こり難くなる。尚、周縁突起部5からの破れが起こり難くなると、手袋1の耐久性が向上し、手袋1の商品価値が向上する。また、各融着用フィルム4に熱が瞬時に伝わり溶融したフィルムが生地2,3に食い込み易いので、融着により形成される融着部の弾性が向上し易く、生地本来の伸縮性が発揮でき、商品価値が向上する。さらに、複数枚の帯状の融着用フィルム4として、互いに同じ素材で同じ厚みからなる汎用の同じLot品を用いれば、管理がし易く、コストの向上を抑えることができる。
【0021】
次に、本実施形態の手袋1の製造装置を図4図6を参照しながら説明する。
手袋1の製造装置10は、図5に示すような、手袋1の輪郭形状に倣って形成された金型シール部11及びカッター刃12を備えている。カッター刃12は、金型シール部11の幅内に配されている。具体的には、金型シール部11は、手首を含む5本指を有する手の形状に倣って形成された金属製の金型である。カッター刃12も同様に、手首を含む5本指を有する手の形状に倣って形成されている。金型シール部11及びカッター刃12は、図4に示すように、公知の融着機14の有するプレスシリンダー13の下端に取り付けられて、金型シール部11及びカッター刃12と間隔を空けて対向配置されるフラットな金属製のプレート15と共に使用されるものである。金型シール部11及びカッター刃12は、プレスシリンダー13によって、上下方向に昇降可能になっている。融着機14に取り付けられた金型シール部11は、本実施形態の製造装置10においては、加熱可能となっている。また、カッター刃12は、図5に示すように、金型シール部11の幅内の幅方向中央部分に配され、金型シール部11の外周縁に沿って配されている。従って、金型シール部11は、図6に示すように、その幅方向に沿って断面視して、カッター刃12よりも内側の部分111と、カッター刃12よりも外側の部分112とに区分されている。
【0022】
金型シール部11は、図6に示すように、その幅方向に沿って断面視して、カッター刃12よりも内側の部分111におけるカッター刃12とは反対側(金型シール部11内方側)の先端内側角部11c1が、直角に形成されている。言い換えれば、金型シール部11のシール面11fと、内側の部分111における内側内壁11iとのなす角αが直角に形成されている。ここで「直角」とは、角度が90°の角部のみならず、90°と同視可能な88°〜92°の範囲の角度も含まれる意味である。金型シール部11は、製造装置10においては、その幅方向に沿って断面視して、金型シール部11内方側の内側内壁11iの高さと、内側の部分111におけるカッター刃12側の外側外壁11oの高さとが同じになっている。従って、金型シール部11のシール面11fと外側外壁11oとのなす角βも直角であり、内側の部分111におけるカッター刃12側の先端外側角部11c2も直角に形成されている。
【0023】
尚、プレスシリンダー13の下端に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12は、昇降前の静止状態において、カッター刃の高さが、金型シール部11の高さよりも低くなっている。
【0024】
次に、本実施形態の手袋1の製造装置10を用いて、手袋1を製造する製造方法について、図7図8を参照しながら説明する。図7に示す(i)〜(iii)及び図8に示す(iv)〜(v)は、手袋1を製造する製造方法の製造工程を説明する図であり、各工程における(a)は各工程での断面図を示し、各工程における(b)は各工程で得られたものの平面図を示している。
本実施形態の製造装置10は、第1の生地2(手の甲側の手形の生地)の原反20と第2の生地3(手の平側の手形の生地)の原反30との間に複数枚の融着用フィルム4の原反40,40・・・(本実施態様においては2枚の原反40,40)を配した複合体7に、金型シール部11を用いて手袋1の輪郭形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成した後、カッター刃12を用いて手袋1の前駆体1aを形成する無縫の手袋1の製造装置である。
【0025】
手袋1を製造する製造装置10を用いた本実施態様の製造方法は、先ず、融着機14に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12と、融着機14のフラットなプレート15との間に、図7(i)(a)及び図7(i)(b)に示すように、第1の生地2の原反20と第2の生地3の原反30との間に複数枚の融着用フィルム4の原反40,40・・・(本実施態様においては2枚)を配した複合体7を配置する。
【0026】
次いで、製造装置10を用いた手袋1の製造方法においては、図7(ii)(a)及び図7(ii)(b)に示すように、複合体7に、手袋1の輪郭形状に倣った形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成して固着する(シール工程)。シール工程は、手袋1の輪郭形状に倣って形成された金型シール部11を用いて行う。具体的に本実施態様の製造方法においては、金型シール部11を、各融着用フィルム4を構成する合成樹脂の融点以上の温度に加熱して、加熱された金型シール部11をプレスシリンダー13によって下方に降下させ、複合体7を金型シール部11とフラットなプレート15とで加圧し、手首を含む5本指を有する手の形状に倣った形状の周縁固着部5の前駆体5aを形成する。ここで、上述したように、金型シール部11は、図6に示すように、その幅方向に沿って断面視して、内方側の先端内側角部11c1が直角に形成されているので、前駆体51aを、図7(ii)(a)に示すように、その幅方向に沿って断面視して、先端内側角部11c1に対応する位置に、金型シール部11により加圧された部分と非加圧な部分との境界Bが、手袋1の輪郭形状に倣って形成される。
【0027】
次いで、製造装置10を用いた手袋1の製造方法においては、図7(iii)(a)及び図7(iii)(b)に示すように、形成された周縁固着部5の前駆体5aの幅内で、前駆体5aの外周縁に沿って手袋1の相似形状にカットして手袋1の前駆体1aを形成する(カット工程)。カット工程は、手袋1の輪郭形状に倣って形成されており、金型シール部11の幅内に配されたカッター刃12を用いて行う。具体的に本実施態様の製造方法においては、カッター刃12をプレスシリンダー13によって更に下方に降下させ、周縁固着部5の前駆体5aの形成された複合体7をカッター刃12とフラットなプレート15とで加圧し、周縁固着部5の前駆体5aの幅内の幅方向中央部分にて前駆体5aの外周縁に沿ってカットして、手袋1の前駆体1aを形成する。従って、周縁固着部5の前駆体5aは、カッター刃12により、その幅が略半分に切断される。このように、周縁固着部5の前駆体5aの幅内でカッター刃12によってカットするので、切断面からの生地の発塵を防止することができる。
【0028】
次いで、手袋1の製造方法においては、金型シール部11及びカッター刃12を、プレスシリンダー13によって、上方に上昇させ、融着機14に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12と、融着機14のフラットなプレート15との間から、形成された手袋1の前駆体1aを取り出す。
【0029】
次いで、製造装置10を用いた手袋1の製造方法においては、図8(iv)及び図8(v)に示すように、形成された手袋1の前駆体1aを裏返して、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁に沿って、周縁突起部5の前駆体5a以外の複数枚の融着用フィルム4,4・・・(本実施態様においては2枚)を引き剥がして周縁突起部5を形成する(引き剥がし工程)。引き剥がし工程においては、図8(iv)(a)及び図8(iv)(b)に示すように、形成された手袋1の前駆体1aを裏返して、周縁突起部5の前駆体5aが裏返された手袋1の前駆体1aの内側(内部)に突出するようにする。上述した図7(iii)(b)に示すように、周縁突起部5の前駆体5aには、加圧された部分と非加圧な部分との境界Bが、手袋1の輪郭形状に倣って、手袋1の前駆体1aの内側に形成されている。このように形成された手袋1の前駆体1aを裏返せば、図8(iv)(a)に示すように、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁側(外側)に、手袋1の輪郭形状に倣った境界Bが配されるようになる。その為、図8(v)(a)及び図8(v)(b)に示すように、周縁突起部5以外の融着用フィルム4を引き剥がす際、本実施態様の手袋1の製造方法によれば、裏返された手袋1の前駆体1aの外周縁に沿って、境界Bを支点に、例えば手の挿入口9となる部分から周縁突起部5以外の融着用フィルム4を引き剥がし易く、図1に示す手袋1を効率的に製造し易い。
【0030】
特に、製造装置10を用いた手袋1の製造方法においては、周縁突起部5の前駆体5a以外の余分な部分の複数枚の融着用フィルム4,4・・・(本実施態様においては2枚)を、境界Bを支点に引き剥がすことになる。ここで、融着部分の強度を向上させるために厚めの1枚の融着用フィルムを使用した際には、余分な部分の厚めの融着用フィルムを引き剥がすときに、引き裂き部分が一度脱線してしまうと、余分な部分が残ってしまう。それに対し、余分な部分の複数枚の融着用フィルム4,4・・・(本実施態様においては2枚)を、境界Bを支点に引き剥がす際には、一枚の融着用フィルム4で引き裂き部分が脱線したとしても、残りの他の融着用フィルム4により脱線した引き裂き部分の軌跡を修正でき、余分な部分を残さないように引き剥がすことができ、手間がかかり難い。従って、融着により形成された周縁突起部5の強度が向上し、周縁突起部5からの破れが起こり難い手袋1を、手間を掛けず、コストの向上を抑えながら、効率的に製造し易い。
【0031】
尚、引き剥がし工程にて、引き剥がされた余分な融着用フィルムは、収集してフィルムメーカーにて再加工することにより、リサイクルすることができる。
【0032】
以上、本発明の無縫の衣類をその好ましい実施形態の手袋1に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。また、本発明の衣類の製造装置をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。また、本発明の衣類の製造方法をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されない。
【0033】
例えば上述した無縫の衣類は、手袋であるが、手袋以外の例えば、アンダーシャツ、トランクス、ブリーフ等のインナーウェア、ポロシャツ、ブラウス、ドレスシャツ等のアウターウェア、その他ズボン類、ニット、靴下、セーター、或いは、それらを防水加工したもの、例えば、防水インナー等であってもよい。このような衣類の場合、該衣類における第1の生地2とは、例えば着用者の肌対向面側の生地であり、該衣類における第2の生地3とは、例えば着用者の非肌対向面側の生地である。
【0034】
また、上述した実施形態の手袋1は、5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋であるが、親指を収容する指袋と残りの4本の指を収容する指袋とに分けられたミトン形状の手袋であってもよい。また、指切り形状の手袋、立体形状の手袋、半立体形状の手袋であってもよい。
【0035】
また、上述した手袋1を製造する製造装置10において、図6に示すように、金型シール部11は、その幅方向に沿って断面視して、カッター刃12よりも内側の部分111における先端内側角部11c1及び先端外側角部11c2が直角に形成されており、内側内壁11iの高さと外側外壁11oの高さとが同じになっているが、図9に示すように、金型シール部11を幅方向に沿って断面視して、内側の部分111における外側外壁11oの高さが、内側の部分111における内側内壁11iの高さよりも低くなっていてもよい。具体的には、金型シール部11の内側の部分111において、シール面11fと内側内壁11iとのなす角αが直角に形成され、先端内側角部11c1が直角に形成されているが、先端外側角部11c2は面取りされて、カッター刃12側の先端が切り欠かれている。図9に示す金型シール部11を用いて手袋1を製造する製造方法によれば、図6に示す金型シール部11の内側の部分111に比べて、内側の部分111におけるシール面11fの面積が少なくなり、熱が伝わる部分が小さくなり、カッター刃12でカットする、面取りされた外側角部11c2に対応する部分が柔らかくなる。このように形成されたカット部分は、製品形態の手袋1において、周縁突起部5の先端側に配されるようになる。従って、周縁突起部5の先端側が柔らかくなるので、周縁突起部5が肌に触れたとしても、肌触りが良好となり易い。図9に示す金型シール部11を用いた手袋1の製造方法によれば、肌触りが良好となり易く、周縁突起部5の強度の高い手袋1を効率的に製造し易い。
【0036】
更に、図10に示す金型シール部11は、金型シール部11の内側の部分111において、先端内側角部11c1が直角に形成され、先端外側角部11c2が面取りされて、カッター刃12側の先端が切り欠かれている。それと共に、金型シール部11の外側の部分112において、内側の部分111と対抗する側の先端角部11c3が面取りされて、カッター刃12側の先端が切り欠かれている。図10に示す金型シール部11を用いて手袋1を製造する製造方法によれば、図6に示す金型シール部11及び図9に示す金型シール部11に比べて、内側の部分111及び外側の部分112におけるシール面11fの面積がさらに少なくなり、熱が伝わる部分がさらに小さくなり、カッター刃12でカットする、面取りされた外側角部11c2及び先端角部11c3に対応する部分が更に柔らかくなる。このように形成されたカット部分は、最終形態の手袋1において、周縁突起部5の先端側に配されるようになる。従って、周縁突起部5の先端側が更に柔らかくなるので、周縁突起部5が肌に触れたとしても、肌触りが更に良好となり易い。図10に示す金型シール部11を用いた手袋1の製造方法によれば、肌触りが更に良好となり易く、周縁突起部5の強度の高い手袋1を効率的に製造し易い。
【0037】
また、上述した手袋1を製造する製造装置10及び上述した手袋1を製造する製造方法においては、図4図7(i)(a)及び図7(i)(b)に示すように、融着機14に取り付けられた金型シール部11及びカッター刃12と、融着機14のフラットなプレート15との間に配置される複合体7を構成する融着用フィルム4の原反40が、複数枚であったが、1枚であってもよい。融着用フィルム4の原反40が1枚である場合、本発明の製造装置及び製造方法によれば、折り返された第1の生地2の周縁部2eと折り返された第2の生地3の周縁部3eとの間に1枚の帯状の融着用フィルム4を介在させて形成された周縁突起部5が備えられた手袋を、効率的に製造することができる。
【0038】
また、上述した手袋1を製造する製造装置10においては、図4図5に示すように、既にカッター刃12が金型シール部11の幅内に配されたものを使用しているが、金型シール部11を取り付けるプレスシリンダーを有する装置とカッター刃12を取り付けるプレスシリンダーを有する装置を別々に用意して、金型シール部11で形成された周縁固着部5の前駆体5aの幅内をカッター刃12でカットするようにしてもよい。
【0039】
また、金型シール部11は、製造装置10においては、加熱可能となっているが、加熱以外に、高周波、或いは超音波を施すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 無縫の手袋
9 手の挿入口
1e 外周縁
1a 手袋の前駆体
2 第1の生地(手の甲側の手形の生地)
2e 周縁部
3 第2の生地(手の平側の手形の生地)
3e 周縁部
4 融着用フィルム
5 周縁突起部
5a 周縁突起部の前駆体
7 複合体
10 製造装置
11 金型シール部
111 カッター刃よりも内側の部分
11o 外側外壁
11i 内側内壁
11f シール面
11c1 先端内側角部
11c2 先端外側角部
112 カッター刃よりも外側の部分
11c3 先端角部
12 カッター刃
13 プレスシリンダー
14 融着機
15 プレート
20 第1の生地2(手の甲側の手形の生地)の原反
30 第2の生地3(手の平側の手形の生地)の原反
40 融着用フィルム4の原反
【要約】
【課題】融着により形成される融着部の強度が向上し、該融着部からの破れが起こり難い無縫の衣類を提供すること。
【解決手段】本発明の無縫の衣類の一実施形態である手袋1は、第1の生地2と第2の生地3とが融着用フィルム4を介して固着された無縫のものである。第1の生地2の周縁部2e及び第2の生地3の周縁部3eは、手袋1の内側に向かって折り返されている。融着用フィルム4は、複数枚からなり、互いに重なり合って手袋1の外周縁1eに沿って帯状に延びている。手袋1は、折り返された第1の生地2の周縁部2eと折り返された第2の生地3の周縁部3eとが帯状の融着用フィルム4を介在させて形成された周縁突起部5が、手袋1の内側に向かって延びている。
【選択図】図1
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