特許第5747342号(P5747342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747342
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】光学式エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/36 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   G01D5/36 X
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-254539(P2010-254539)
(22)【出願日】2010年11月15日
(65)【公開番号】特開2012-103230(P2012-103230A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2013年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390009667
【氏名又は名称】セイコーNPC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097629
【弁理士】
【氏名又は名称】竹村 壽
(72)【発明者】
【氏名】植草 武雄
(72)【発明者】
【氏名】大竹 伸明
(72)【発明者】
【氏名】早乙女 由紀
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−516187(JP,A)
【文献】 特表2009−515182(JP,A)
【文献】 特開昭52−029781(JP,A)
【文献】 実開昭61−155720(JP,U)
【文献】 特開平08−261795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、前記発光部から出射された光がスケールに投影され、その反射光の回折パターンから位置信号および原点検出用信号を生成する検出部と、前記位置信号および前記原点検出用信号をデジタル化し、前記原点検出用信号からパルス状の原点信号を生成する信号処理部とを具備し、前記位置信号は前記反射光の回折パターンに応じた信号であって、移動方向を示すために互いに90度位相のずれた信号であり、前記原点検出用信号は、前記反射光の回折パターンに応じた信号であって、原点位置を検出する信号であり、前記信号処理部は、前記位置信号および前記原点検出用信号を二値化することによりデジタル化し、デジタル化された前記位置信号および前記原点検出用信号の論理積演算を行うことにより原点信号を生成し、前記検出部で生成された原点検出用信号は、ロウレベルからハイレベルもしくはハイレベルからロウレベルまで所定の勾配で変化する信号であって、前記信号処理部において、第1及び第2の比較回路及び論理積回路から構成された二値化回路によりデジタル化され、前記検出部で生成された原点検出用信号は、前記第1の比較回路の正入力端及び前記第2の比較回路の負入力端に入力され、前記第1の比較回路負入力端には前記ロウレベルから前記ハイレベルまでの間の第1の基準電圧が入力され、前記第2の比較回路の正入力端には前記ロウレベルから前記ハイレベルまでの間の前記第1の基準電圧より高い第2の基準電圧が入力され前記第1及び第2の比較回路の出力が前記論理積回路に入力されて前記デジタル化された原点検出用信号が生成されることを特徴とする光学式エンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種装置の位置制御、速度制御に用いられ、特に対象物に光を照射し、当該対象物から得られる光情報を利用する光学式エンコーダ(以下、エンコーダという。)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンコーダは、LED等からなる発光部と、発光部から出射された光をスケールに投影し、その反射光の回折パターンを検出するフォトダイオードやフォトトランジスタ等からなる検出部と、回折パターンによって検出部が生成した位置信号や原点信号をエンコーダ信号として処理する信号処理部とから構成されており、エンコーダ/スケール間の相対移動量から対象物の変位検出を可能にするものである。位置信号としては、移動方向を示すために互いに90度位相のずれたA相信号、B相信号を用い、原点信号としては、例えば電源をオフ(OFF)後、再度電源をオン(ON)した時に正確な原点位置を検出するためにZ相信号を用いる。
従来技術として、特許文献1には、A相信号、B相信号、Z相信号を同期させる際、原点信号の出力の仕方に応じて位置信号との同期位置を選択できるようにした技術が開示されている。特許文献2には、変位検出に用いられるエンコーダにおいて、AB相に同期した原点検出が安定して行う技術が開示されている。エンコーダは移動体の位置変位を検出する。移動体の移動に応じて周期信号を発生する位置信号発生手段と、移動体が所定の位置にある場合に、原点検出用信号を発生する原点検出用信号発生手段と、原点検出用信号発生手段の発生する原点検出用信号に基づいて位置信号発生手段の発生する周期信号に同期して、移動体が原点位置にあることを検出する原点検出回路と、原点検出回路における同期において、周期信号上の複数の位相位置から同期する位相位置を選択可能な選択手段とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−83771号公報
【特許文献2】特開平2−281104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンコーダの高分解能・高精度化が進むにつれて、原点信号に対してもその精度の向上が必要になり、AB相信号と同等の分解能・精度やタイミングもAB相信号と同期して出すことが要求されてきている。即ち、検出幅が狭く、再現性の良い原点信号が求められている。したがって、システムとしての不安定要素による原点検出精度の劣化や検出タイミングのずれを抑えることがエンコーダには求められている。
AB相信号とZ相信号を別個の光学系などで検出しながら原点検出をAB相に同期させる場合、A相またはB相信号とZ相信号の位相を正確に同期させたり、適切な位相差を持たせなければ、検出タイミングのずれによりAB相信号の1周期分ずれた位置を原点とすることが生じる可能性がある。
【0005】
従来、エンコーダの原点信号を生成するためのZ相信号は、例えば、特許文献2に記載されている様に、図10(a)に示すZ相スケールを用い、Z相スケールからの反射光を受光してZ相出力信号(アナログ)を得ていた(図10(b))。そして、このZ相出力信号(アナログ)を二値化してステップ状のZ相出力信号(デジタル)を得る(図10(c))。図11に示すように、このZ相出力信号(デジタル)(図11(a))を原点検出用信号として、位置信号であるA相出力信号(デジタル)(図11(b))もしくはB相出力信号(デジタル)に同期させて原点信号を形成した場合、Z相信号のハイローの切替わりとA相(もしくはB相)の立ち下がり(立ち上がり)のタイミングでパルスを作成すると、エンコーダ/スケール間の走査方向により、図11(c)に示すように、生成される原点信号は、1周期ずれて正確な位置情報や速度情報が1周期ずれてしまう。
また、Z相スケールが中央にパターンを有する場合において、パターンは、パターン幅が光源から発せられる光の照射領域と比較して十分幅広である場合、Z相アナログ出力は、パルス状に形成されるが(図12(a))、パターン幅が光照射領域と比較して狭い場合、安定したZ相パルスを作成することが難しい(図12(b))。
【0006】
本発明は、このような事情によりなされたもので、走査方向の依存性が小さく、A相信号もしくはB相信号に同期した原点検出を安定して行うことができるエンコーダを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学式エンコーダは、発光部と、前記発光部から出射された光がスケールに投影され、その反射光の回折パターンから位置信号および原点検出用信号を生成する検出部と、前記位置信号および前記原点検出用信号をデジタル化し、前記原点検出用信号からパルス状の原点信号を生成する信号処理部とを具備し、前記位置信号は前記反射光の回折パターンに応じた信号であって、移動方向を示すために互いに90度位相のずれた信号であり、前記原点検出用信号は、前記反射光の回折パターンに応じた信号であって、原点位置を検出する信号であり、前記信号処理部は、前記位置信号および前記原点検出用信号を二値化することによりデジタル化し、デジタル化された前記位置信号および前記原点検出用信号の論理積演算を行うことにより原点信号を生成し、前記検出部で生成された原点検出用信号は、ロウレベルからハイレベルもしくはハイレベルからロウレベルまで所定の勾配で変化する信号であって、前記信号処理部において、第1及び第2の比較回路及び論理積回路から構成された二値化回路によりデジタル化され、前記検出部で生成された原点検出用信号は、前記第1の比較回路の正入力端及び前記第2の比較回路の負入力端に入力され、前記第1の比較回路負入力端には前記ロウレベルから前記ハイレベルまでの間の第1の基準電圧が入力され、前記第2の比較回路の正入力端には前記ロウレベルから前記ハイレベルまでの間の前記第1の基準電圧より高い第2の基準電圧が入力され前記第1及び第2の比較回路の出力が前記論理積回路に入力されて前記デジタル化された原点検出用信号が生成されることを特徴としている。前記発光部及び前記検出部は、対象物の可動部及び固定部のどちらか一方に取付けられ、この光学式エンコーダを操作する際に使用されるスケールは、前記可動部及び前記固定部のどちらか他方に取付けられるようにしても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、走査方向の依存性が小さく、A相信号もしくはB相信号に同期した原点検出を安定して行うことができる変位検出に用いて好適なエンコーダが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のエンコーダを構成する信号処理回路を示すブロック図。
図2図1の信号処理回路に入出力する信号の時間変化を示す波形図。
図3図1に示す信号処理回路を構成する原点信号を形成する同期回路の回路図。
図4図1に示す信号処理回路を構成する原点検出用信号を形成する二値回路の回路図及びこの二値回路を流れる信号の波形図。
図5図1に示す信号処理回路を流れる信号の波形図。
図6】実施例1のエンコーダが形成された半導体基板の断面図及びこの半導体基板に間隔をおいて配置されたスケールの平面図。
図7図6に示す半導体基板の平面図。
図8図6に示すスケールの平面図。
図9】実施例1で用いられるZ相スケールの平面図及び図1の信号処理回路を流れるZ相信号の波形図。
図10】(a)従来のエンコーダZ相出力信号を形成するためのZ相スケールの平面図、(b)従来の原点信号を形成するためのZ相出力信号(アナログ)の波形図、(c)従来の原点信号を形成するためのZ相出力信号(デジタル)の波形図。
図11】(a)従来のZ相出力信号(デジタル)の波形図、(b)従来のZ相出力信号(デジタル)と同期させるA相出力信号(デジタル)の波形図、(c)従来の走査方向の違いによって生ずる2つの原点信号の波形図。
図12】(a)従来のパターン幅が光照射領域より十分広いZ相スケール平面図及びこのZ相スケールにより形成されたZ相出力信号(アナログ)の波形図、(b)従来のパターン幅が光照射領域より狭いZ相スケールの平面図及びこのZ相スケールにより形成されたZ相出力信号(アナログ)の波形図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例を参照して発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1乃至図9を参照して実施例1を説明する。図7は、実施例1のエンコーダが形成された半導体基板の平面図であり、図6は、図7中の破線a−bの断面を示す図及び平面図で示されたスケールを表す。
図6に示すように、エンコーダ100は、半導体基板1に形成されている。半導体基板1には、発光部と、発光部から出射された光をスケールに投影し、その反射光の回折パターンを検出する検出部と、当該検出部の信号をエンコーダ信号として処理する信号処理回路とを具備している。発光部は、例えば、LED等の発光素子が形成され、第1の発光部22及び第2の発光部32を有している。検出部は、例えば、フォトダイオード(PD)が形成され、第1の検出部21及び第2の検出部31を有している。信号処理回路は、図示はしないが、半導体基板1に形成されて、エンコーダ信号としての位置信号や原点信号を形成する。
【0012】
エンコーダ信号は、移動方向を示すために互いに90度位相のずれた位置信号になるA相信号及びB相信号と、例えば、電源をオフ(OFF)後、再度電源をオン(ON)した時に原点位置を検出する原点信号になるZ相信号から形成される。また、前記スケールの内、前記Z相信号を形成するためのZ相スケールには光反射領域及び光透過領域の2領域からなるベタパターンを用い、原点信号は、前記Z相スケールから形成されたZ相出力信号(アナログ)をデジタル化して得られるパルス状信号をA相信号またはB相信号と同期させることにより得られる。
【0013】
第1の発光部22から放射された光は、Z相スケール41で反射され、反射光は、第1の検出部21のフォトダイオードに入力し、Z相出力信号(アナログ)を出力する。Z相出力信号(アナログ)は、信号処理回路内の2値化回路でパルス状のZ相出力信号に変換される。また、第2の発光部32から放射された光は、AB相スケール42で反射され、反射光は、第2の検出部31のフォトダイオードに入力し、A相又はB相出力信号(アナログ)を出力する。A相またはB相出力信号(アナログ)は、信号処理回路内の2値化回路で位置信号に変換される。発光部22、32のLEDから放射される光は、方向性が無いので、Z相スケール41あるいはAB相スケール42で反射あるいは透過させる前に、Z相スケール41あるいはAB相スケール42と発光部22、32との間に配置されたスケール(図示しない)を通して、方向性を持たせることができる。半導体基板1のZ相出力信号形成部2及びAB相出力信号形成部3は、半導体基板1に作り込まれるが、発光部22、32のLEDは、これらとは別のチップとしてこの半導体基板1に取り付けられる。
【0014】
図7は、図6に示すエンコーダが形成された半導体基板1の平面図である。半導体基板1は、Z相出力信号形成部2及びAB相出力信号形成部3を有し、Z相出力信号形成部2は、第1の発光部22及び第1の検出部21を有し、AB相出力信号形成部3は、第2の発光部32及び第1の検出部31を有している。半導体基板1に離れてスケール4が配置されている。ここで用いるスケール4は、Z相スケール41及びAB相スケール42から構成されている(図8)。ただし、Z相スケール及びAB相スケールをそれぞれ別体で形成することも可能である。
【0015】
次に、図1乃至図5及び図9を参照してエンコーダを構成する信号処理回路を説明する。
信号処理回路5は、A相出力信号(a)(アナログ)及びB相出力信号(b)(アナログ)をそれぞれ位置信号(c)(デジタル)及び位置信号(d)(デジタル)に変換する二値化回路51、Z相出力信号(e)(アナログ)を原点検出用信号(f)(デジタル)に変換する二値化回路52、原点検出用信号(f)(デジタル)を位置信号(c)もしくは位置信号(d)に同期させて原点信号(g)を生成させる同期回路53を備えている。A相出力信号(a)又はB相出力信号(b)は、エンコーダ100が形成された半導体基板1の第2の発光部32から放射された光をAB相スケール42で反射し、第2の検出部31に入力して得られる。同様に、Z相出力信号(e)は、半導体基板1の第1の発光部22から放射された光をZ相スケール41で反射し、第1の検出部21に入力して得られる。
【0016】
図2に示すように、A相出力信号(a)、B相出力信号(b)及びZ相出力信号(e)は、アナログ信号であり、位置信号(c)及び(d)、原点検出用信号(f)及び原点信号(g)は、デジタル信号である。図2は、信号処理回路5において、第1の検出器21及び第2の検出器31からの入力信号が処理されている状態を示すタイミングチャートであり、横軸は、時間を表し、対象物の一定速度の変位が生じているときの各信号の変化(波形)を示している。
図9によりZ相出力信号(デジタル)(原点検出用信号(f))の形成を説明する。原点信号を形成するZ相出力信号(アナログ)は、Z相スケールを用い、当該スケールからの反射光を受光して形成される。Z相スケールは、入射する光を透過する白い領域と、入射する光を反射して反射光が第1の検出器21に入射する光反射領域である黒い領域から構成され、移動する光照射領域に対応したZ相出力信号(アナログ)が形成される。その後、Z相出力信号(アナログ)を二値化回路52(図1参照)により二値化して原点検出用信号(f)となるZ相出力信号(デジタル)が形成される。Z相出力信号(アナログ)は、Z相スケールの形状に対応して、例えば、0Vのレベルから10Vのレベルに変化する波形を有している。Z相出力(アナログ)信号から形成されたZ相出力(デジタル)信号は、閾値の異なる2つの比較器を介して生成され、例えば、3Vと7Vに閾値を有する比較器を介して得られた2つの信号からパルス幅が形成される。
【0017】
図4(a)は、図1に記載された信号処理回路5における原点検出用信号(f)(Z相出力信号(デジタル))を形成するための二値化回路52を表している。二値化回路52は、第1の比較回路521、第2の比較回路522及びAND回路523を備えている。入力端には第1の検出器21により検出されたZ相出力信号(e)が入力される。出力端(AND回路523の出力端)からは原点検出用信号(f)が出力される。Z相出力信号(e)は、その波形図が図4(d)に示される。原点検出用信号(f)のパルス幅は、Z相出力信号(e)のロウレベル(この実施例では0V)からハイレベル(この実施例では10V)の間の任意の2点の電圧から決められる。この実施例では、2点は、例えば、3Vと7Vとする。
Z相出力信号(e)は、第1の比較回路521の正(+)入力端及び第2の比較回路522の負(−)入力端に入力される。第1の比較回路521の負(−)入力端には第1の基準電圧(Ref1)(この実施例では3V)が入力され、第2の比較回路522の正(+)入力端には第2の基準電圧(Ref2)(この実施例では7V)が入力される。
【0018】
対象物の相対移動に伴ってZ相出力信号(e)は、ロウレベルの0Vからハイレベルの10Vに変化する。第1の比較回路521は、基準電圧(Ref1)が3Vであるから、Z相出力信号(e)が3Vまでロウレベル(0V)を出力し、3Vを越えるとハイレベルに変化して信号(h)を出力する。第2の比較回路522は、基準電圧(Ref2)が7Vであり、Z相出力信号(e)が負(−)入力端に入力されるから、Z相出力信号(e)が7Vまではハイレベルを出力し、7Vを越えるとロウレベルに変化して信号(i)を出力する。
次に、信号(h)は、論理回路(AND(論理積))523の第1の入力端に入力され、信号(i)は、第2の入力端に入力される。論理回路523は、信号(h)、(i)が入力されて原点検出用信号(f)を出力する(図4(b)及び(c)参照)。
【0019】
次に、同期回路53により、原点信号(g)を形成する(図3)。同期回路53は、論理回路(AND)である。A相出力信号(a)から形成された位置信号(c)は、論理回路(AND)53の第1の入力端に入力され、原点検出用信号(f)は、第2の入力端に入力されて、原点信号(g)が出力される。
また、同期回路53は、B相出力信号(b)から形成された位置信号(d)を原点検出用信号(f)に同期させて、原点信号(g)を出力する。
図5に示すように、光反射領域及び光透過領域の2領域からなるベタパターンを有するスケールを用いてアナログZ相出力信号からパルス状のデジタルZ相出力信号を得て、パルス状のZ相信号とA相信号又はB相信号のANDを取ってパルスを作成することにより、走査方向に関わらず、同一の位置に原点信号が得られる。このように走査方向の依存性が小さくA相信号もしくはB相信号に同期した原点検出を安定して行うことができるエンコーダが得られる。
【符号の説明】
【0020】
1・・・半導体基板
2・・・Z相出力信号形成部
3・・・AB相出力信号形成部
4・・・スケール
5・・・信号処理回路
21・・・第1の検出部
22・・・第1の発光部
31・・・第2の検出部
32・・・第2の発光部
41・・・Z相スケール
42・・・AB相スケール
51、52・・・二値化回路
53・・・同期回路
100・・・エンコーダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12