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特許5747358クレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747358
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】クレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/00 20060101AFI20150625BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20150625BHJP
   C08L 67/04 20060101ALI20150625BHJP
   C08J 3/22 20060101ALI20150625BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20150625BHJP
【FI】
   C08L23/00
   C08K3/34
   C08L67/04
   C08J3/22CFD
   !C08L101/16
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-535131(P2012-535131)
(86)(22)【出願日】2010年10月21日
(65)【公表番号】特表2013-508499(P2013-508499A)
(43)【公表日】2013年3月7日
(86)【国際出願番号】KR2010007250
(87)【国際公開番号】WO2011049390
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2013年10月17日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0100728
(32)【優先日】2009年10月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504111015
【氏名又は名称】エルジー ケム. エルティーディ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ヨン チュル
(72)【発明者】
【氏名】リー、シ−ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヤン スク
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−154553(JP,A)
【文献】 特開2007−332205(JP,A)
【文献】 特開2008−081585(JP,A)
【文献】 特開2008−088363(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/027358(WO,A1)
【文献】 特開2009−221349(JP,A)
【文献】 特開2009−227982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/00 − 23/36
C08L 67/00 − 67/08
C08J 3/00 − 3/28
C08L 101/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有機物含量が1〜45重量%含まれた有機化された層状粘土化合物であるナノクレイとポリ乳酸樹脂をコンパウンディングしてクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材を製造する段階と、
b)前記ステップa)の後、前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材、ポリオレフィン及び相溶化剤を乾燥混合(dry−blending)してクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材ブレンドを製造する段階と、
c)前記ステップb)の後、クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材ブレンドを押出機に入れて出する段階と、を含んで形成されることを特徴とする、
クレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項2】
前記ステップa)は、前記ポリ乳酸樹脂を2軸押出機の主ホッパーに投入し、前記ナノクレイをサイドフィーダーに分離投入して、出温度180〜200℃、スクリュー速度280〜320rpm及び吐出条件8〜12kg/時間であることを特徴とする、
請求項1に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項3】
前記ステップb)における乾燥混合の温度条件は70〜120℃であることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項4】
前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材ブレンドは、前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材5〜50重量%、前記ポリオレフィン40〜90重量%、及び前記相溶化剤5〜20重量%を含む、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項5】
前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材は、前記ポリ乳酸樹脂100重量部に対して前記ナノクレイ0.01〜10重量部で含むことを特徴とする、
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項6】
前記ポリ乳酸樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びL,D−乳酸で形成される群から選択される1種以上の乳酸を重合して製造されるものであることを特徴とする、
請求項1から請求項5までの何れか一項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項7】
前記ポリオレフィンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、メタロセン−ポリエチレン、ポリプロピレン単独重合体、ポリプロピレン共重合体、メタロセン−ポリプロピレン、及び前記ポリプロピレン単独重合体又は共重合体の物性強化−複合樹脂で形成される群から選択されることを特徴とする、
請求項1から請求項までの何れか1項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項8】
前記相溶化剤は、極性基を含有する炭化水素系重合体であることを特徴とする、
請求項1から請求項までの何れか1項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【請求項9】
前記極性基を含有する炭化水素系重合体は、エポキシ変性ポリスチレン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、及び無水マレイン酸変性エチレン−ビニルアセテート共重合体で形成される群から1種以上選択された化合物、又はこれらの変性物であることを特徴とする、
請求項に記載のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物に関するものであり、更に詳しくは、ポリオレフィン樹脂にクレイ強化されたポリ乳酸を導入して水分及びガス遮断性が向上された環境にやさしいクレイ強化ポリ乳酸共重合体−ポリオレフィンアロイ組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは優れた物性と共に安価で軽い特性などから、現代人の生活には欠かせない包装材料として広く使用されている。
【0003】
しかし、世界的にありふれた無数のプラスチック製品による環境汚染問題がますます深刻化している。一般放送用プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)などが広く使用されているが、これらの材料は燃焼の際発熱量が高く、最近地球温暖化の一つの原因となっている。また、プラスチック製品は埋立処理をしても科学的、生物学的安定性のためほとんど分解されずに残留し、埋立地の寿命を短縮させるなどの問題を起こす。これによって最近地球温暖化及び石油資源の枯渇、廃棄物問題が全世界的に浮上しており、従来の石油化学原料を代替し得る植物又は天然系物質を利用したプラスチックに対する関心が急増している。
【0004】
特に、京都議定書の温室効果ガス削減協定によって、石油化学原料から製造されたプラスチックの代わりに植物又は天然系物質から製造されたプラスチックを使用するバイオマスプラスチックへの関心及び開発が加速化している。バイオマスプラスチックとしては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステールなどが知られている。このうちポリ乳酸は、植物系原料であって乳酸から重合によって得られ、この際、乳酸の光学異性質体の含量によって結晶性或いは非結晶性のポリ乳酸が製造される。ポリ乳酸は、従来の他の生分解性プラスチックに比べ安価で優秀な物性のため全体のバイオプラスチックの20%を占めるほど多く使用されている。
【0005】
これまでのポリ乳酸樹脂の主な用途は、ポリ乳酸の生分解性特性を利用して使い捨て製品、例えば、フィルム、ラップ、食品容器などであった。ポリ乳酸は、現在米国のNaturworks社、日本のToyota社などの会社で開発及び生産中である。しかし、ポリ乳酸樹脂は熱又は水分による分解が伴うため、耐久性及び遮断性能が要求される分野への適用が難しい。
【0006】
また、温度に対する抵抗性が低く、外部温度が摂氏60℃以上上昇すると成形製品の形に変形が起こす問題がある。従って、単独に使用されず、一般プラスチックとブレンドして適用すること多く試みられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決し、優秀な成形性及び遮断性能を有するクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィン複合樹脂組成物を提供しようとする。
【0008】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は上記で言及した技術的課題に限られず、更に他の技術的課題は他の記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、ポリ乳酸自体をそのまま使用せず、クレイで強化させたクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材をポリオレフィン樹脂と混合使用することで、クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材が単層中空成形によって前記ポリオレフィンマトリックス樹脂内にマイクロレイヤー(Micro−layer)状に分散されることでポリオレフィンの水分及びガス遮断特性を向上させることができ、熱や水分による変形が発生しないため、従来技術における問題を解決することができるようになった。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材をポリオレフィン樹脂と混合使用することで、前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材がポリオレフィン樹脂内に微細構造で用意に分散されてガス及び水分に対する遮断特性が優秀なため、食品包装用シート(sheet)及びフィルム(film)、燃料タンク及び携帯用燃料タンク(portable fuel container)のように遮断性能が要求される成形製品に適合している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるクレイ補強ポリ乳酸ナノ複合材の製造過程と、それを含む組成物からフィルムを得る過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記のような目的を達成するためのクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物は、クレイ強化ポリ乳酸樹脂5〜50重量%、ポリオレフィン40〜90重量%、及び相溶化剤5〜20重量%を含むことをその特徴とする。
【0013】
以下、本発明の一実施例によるクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物を構成する各成分について詳しく説明する。
【0014】
(A)クレイ強化ポリ乳酸(Polylacic acid,PLA)樹脂
一般的にポリ乳酸樹脂は、トウモロコシ澱粉を分解して得た乳酸(Lactic acid)をモノマーとしてエステル反応によって得られるポリエステル樹脂である。前記ポリ乳酸樹脂はL−乳酸、D−乳酸又はL,D−乳酸で構成されるが、これらのポリ乳酸樹脂は単独又は混合して使用されてもよい。好ましくは、耐加水分解性を考慮するとL−乳酸95〜100重量%及びD−乳酸0〜5重量%で形成されたポリ乳酸樹脂を使用することがよい。また、前記ポリ乳酸樹脂は、成形加工が可能な範囲内で分子量や分子量分布は特に制限されないが、好ましくは重量平均分子量が80,000以上であることが更に好ましい。
【0015】
また、本発明に使用されるクレイとしては、有機物が層状粘土化合物の層間に介在されている有機化された層状粘土化合物であることが好ましい。前記層状粘土化合物内の有機物の含量は1〜45重量%であることが好ましい。有機物の含量が1重量%未満であると層状粘土化合物とポリ乳酸との相溶性が落ち、45重量%を超過するとポリ乳酸鎖の層間挿入が容易でないため好ましくない。
【0016】
前記層状粘土化合物は、モントモリロナイト(montmorllonite)、ベントナイト(bentonite)、カオリナイト(Kalinite)、マイカ(mica)、ヘクトライト(hectorite)、フッ化ヘクトライト(fluorohectorite)、サポナイト(saponite)、ベイデライト(beidelite)、ノントロナイト(nontronite)、スチーブンサイト(stevensite)、バーミキュライト(vermiculite)、ハロサイト(hallosite)、ボルコンスコイト(volkonskoite)、スコナイト(suconite)、マガダイト(magadite)及びケニアライト(Kenyalite)で形成される群から1種以上選択されることが好ましく、
有機物は、1から4アンモニウム(quaternary ammonium)、ホスホニウム(phosphonium)、マレート(maleate)、スクシネート(succinate)、アクリレート(acrylate)、ベンジリックヒドロゲン(benzyic hydrogens)、ジメチルジステアリルアンモニウム(dimethyl disteaylammonium)及びオキサゾリン(oxazoline)で形成される群から選択される作用基を含む有機物であることが好ましい。
【0017】
本発明では前記ポリ乳酸樹脂を前記クレイで補強させてクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材を製造して使用されるため、前記クレイ強化ポリ乳酸樹脂はポリ乳酸樹脂100重量部に対してクレイ0.01〜10重量部で含ませることがクレイの均一な分散のために好ましい。
【0018】
図1に示したように、層状構造を有するナノクレイ(粘土化合物)と前記ポリ乳酸をコンパウンディングさせると、前記ポリ乳酸の鎖の間に前記粘土化合物を構成する各層が挿入されてクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材構造を形成するようになる。
【0019】
このような構造的な特徴は、その後ポリオレフィン系樹脂と混合される場合、前記ポリオレフィン系樹脂のマトリックス内に前記クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材がマイクロ・レイヤー(micro−lyaer)状に分散されることで前記ポリオレフィン系樹脂に不足な遮断特性を向上させる役割を果たすようになる。
【0020】
本発明によるアロイ組成物内で前記クレイ強化ポリ乳酸樹脂は5〜50重量%で含まれることが好ましい。
【0021】
(B)ポリオレフィン系樹脂
本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン(HDPE,high density polyethylene)、低密度ポリエチレン(LDPE,low density polyethylene)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE,line low density polyethylene)、エチレン−プロピレン共重合体(EPDM)、メタロセンポリエチレン及びポリプロピレンで形成される群から選択された1種以上を使用してもよい。前記ポリプロピレンはプロピレンのホモポリマー、コポリマー、メタロセンポリプロピレン、及びホモポリマー又はコポリマーにタルク、難燃剤などを添加して一般ポリプロピレンの物性を強化した複合樹脂で形成される群から1種以上が選択されて使用されてもよい。
【0022】
前記ポリオレフィン系樹脂は、全体組成物のうち40〜90重量%で含まれることが加工性の側面で好ましい。
【0023】
前記ポリオレフィン系樹脂は、前記製造されたクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材が均一に分散され得るようにするマトリックスの役割を果たす。
【0024】
(C)相溶化剤
本発明による相溶化剤は、極性基を含有する炭化水素系重合体をしようすることが好ましい。極性基を含有する炭化水素系重合体を使用する場合、重合体のベースで形成される炭化水素重合体部分によって相溶化剤とポリオレフィン樹脂、及び相溶化剤とクレイ強化ポリ乳酸樹脂との親化性が良好になり、結果的に得られる樹脂組成物が安定な構造を形成させる。
【0025】
前記炭化水素系重合体は、エポキシ変性ポリスチレン共重合体、エチレン−エチルアクリレー共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体及び無水マレイン酸変性エチレン−ビニルアセテート共重合体で形成される群から1種以上選択された化合物、又はこれらの変性物である混合物を使用してもよい。
【0026】
このうちでも、前記エポキシ変性ポリスチレン共重合体を相溶化剤として使用する場合、前記エポキシ変性ポリスチレン共重合体はスチレン70〜99重量部と化学式1で表示されるアクリル系単量体1〜30重量部で形成される主鎖と、化学式2のエポキシ化合物1〜80重量部で形成される分枝(branch)と、を含む共重合体が好ましい。
【化1】
【化2】
【0027】
前記化学式2において、R及びR'はそれぞれ独立的に分子構造の末端に二重結合基を有する炭素数1〜20の脂肪族化合物の残基、又は炭素数5〜20の芳香族化合物の残基である。
【0028】
また、前記無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、又は無水マレイン酸変性エチレン−ビニルアセテート共重合体を使用する場合、それぞれ主鎖100重量部に対して無水マレイン酸0.1〜10重量部で形成される分枝で攻勢されることが好ましい。
【0029】
本発明では、前記相溶化剤が全体像生物のうち5〜10重量%で含まれることが容易な加工性の側面で好ましい。
【0030】
本発明のクレイ強化ポリ乳酸−ポリオレフィンアロイ組成物の製造方法は、a)ナノクレイとポリ乳酸をコンパウンディングしてクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材を製造する段階、b)前記ステップa)の後クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材、ポリオレフィン及び相溶化剤を乾燥混合(dry−blending)してクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材ブレンドを製造する段階、及びc)前記ステップb)の後クレイ−ポリ乳酸ナノ複合材ブレンドを押出機に入れて圧出する段階を含む。
【0031】
前記ステップa)は、具体的にポリ乳酸を2軸押出機の主ホッパーに投入して、ナノクレイをサイドフィーダーに分離投入し、圧出温度180〜200、スクリュー速度280〜320rpm及び吐出条件8〜12kg/時間であるが、前記圧出温度、スクリュー速度及び吐出条件内では圧出が円滑である。
【0032】
前記ステップb)における乾燥混合は溶融混合(melt blending)とは反対の概念であり、組成物内でクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材、相溶化剤、ポリオレフィンがペレット状を維持したまま混合されることを意味する。本発明のように前記組成物を乾燥混合した組成物でフィルムを製造する場合、組成物の内でポリ乳酸がディスク(disk)状に分散されて遮断膜の役割を果たし、ガスやソルベントの透過経路を長くして遮断性を向上させる効果を有するようになる。しかし、前記組成物を溶融混合させる場合、組成物内でポリ乳酸が滴(droplet)状で分散されて遮断膜の役割を果たせなくなるため、遮断性向上効果を有しないため好ましくない。前記乾燥混合の温度条件は70〜120℃であり、この範囲内では組成物の混合が用意である。
【0033】
前記ステップc)は当分野の通常的な方法であり、条件などの細部事項は特に限定されない。
【0034】
このような本発明による組成物から最終フィルムが製造される過程を、図1に示した。
【0035】
前記乾燥混交させて製造された組成物はペレット状に成形し、これをまた圧出してシート又はフィルム状に製造する。このような過程を経て製造された本発明のシート又はフィルムは、ポリオレフィン系樹脂が有する固有のガス及び水分遮断特性を格段に改善し得るため、遮断特性が要求される様々な成形品への応用可能性が高く、本発明では前記成形品の形をシート又はフィルムとして記載しているが、遮断特性が必要な分野であればその形がこれに限られることはない。
【0036】
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明する。下記に記載された実施例は本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限する意図で提供されるものではない。
【0037】
表1は、本発明で使用されたポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸、クレイ及び相溶化剤を要約したものである。
【表1】
【0038】
実施例1〜3
表2のような組成を利用し、投入速度40kg/hr、スクリュー(screw)rpmが200rpmであるSMプラテック同方向回転2軸押出機f40を利用し、PLA97%、ナノクレイ(nanoclay)3%、IR 1010(熱安定剤)を乾燥混合した後、主ホッパー(main hopper)に投入させた。
【表2】
【0039】
前記乾燥混合させた組成物を、加工温度バレル(160℃−170℃−180℃‐180℃)、アダプタ(adptor,180℃)、ダイ(Die、190‐190℃‐190℃)の成形機(Kyongwon 90mm 3head blow machine,10rpm)に投入させた後、ペレット状に製造し、それを圧出してフィルム状に製造した。
【0040】
比較例1〜6
比較例では、実施例で使用されたクレイ強化ポリ乳酸ナノ複合材の代わりにポリ乳酸自体を使用し、表3のような組成を利用して、投入速度40kg/hr、スクリューrpm 200rpmであるSMプラテック同方向2軸押出機f40を利用して溶融混合させた後、主ホッパーに投入させた。
【表3】
【0041】
前記組成物を、加工温度バレル(160℃−170℃−180℃‐180℃)、アダプタ(adptor,180℃)、ダイ(Die、190‐190℃‐190℃)の成形機(Kyongwon 90mm 3head blow machine,10rpm)に投入させた後、ペレット状に製造し、それを圧出してフィルム状に製造した。
【0042】
実験例
前記実施例1〜3及び比較例1〜6で製造された500μm厚さのフィルムを24時間、23℃の温度及び50%の相対湿度条件で放置させた後、ガス透過率測定器(Mocon OX−TRAN 2/20,U.S.A)を利用して酸素遮断性を測定し、同じフィルムを1日間38℃の温度及び100%の相対湿度条件ど水分透過度測定器(Mocon PERMATRAN 3/33,U.S.A)を利用して水分遮断性を測定して、その結果を表4に示した。
【表4】
【0043】
前記表4の結果のように、本発明のようにクレイで補強されてクレイ−ポリ乳酸ナノ複合材を含む組成物から得られたフィルムの酸素遮断特性と水分遮断特性が、ポリ乳酸自体をそのまま使用した比較例に比べ大きく向上されていることを確認することができた。
【0044】
従って、本発明の組成物から得られたフィルムはガス及び水分に対する遮断特性が優秀なため、食品包装用シート及びフィルム、燃料タンク及び携帯用燃料タンクのような遮断性能が要求される成形製品に適合している。
図1