(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747369
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】クーポン配信サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20150625BHJP
【FI】
G06Q30/02 140
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-511822(P2015-511822)
(86)(22)【出願日】2014年6月10日
(86)【国際出願番号】JP2014065387
(87)【国際公開番号】WO2014199999
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】特願2013-135525(P2013-135525)
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513093922
【氏名又は名称】株式会社Leonis&Co.
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】上西 培智
(72)【発明者】
【氏名】樫田 光
【審査官】
山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−243041(JP,A)
【文献】
特開2002−7836(JP,A)
【文献】
特開2002−251555(JP,A)
【文献】
特開2002−298005(JP,A)
【文献】
特開2006−244392(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0054993(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに配信する電子チケットに関する情報と、当該電子チケットが利用された場合に設定されるべき次の電子チケットの送信予約に関する情報とを対応付けて格納する電子チケット情報記憶部と、
将来ユーザに配信する電子チケットに関する情報を配信時期および配信先に対応付けた予約情報を格納する配信電子チケット予約記憶部と、
前記配信電子チケット予約記憶部に格納された前記予約情報に基づきユーザ端末に電子チケットを送信し、利用された電子チケットの情報を受信する、通信部と、
前記通信部が受信した利用された電子チケットの情報、および当該利用された電子チケットに関して前記電子チケット情報記憶部に格納された次の電子チケットの送信予約に関する情報を参照して、新たな予約情報を前記配信電子チケット予約記憶部に格納する制御部と、
を備える電子チケット配信サーバ。
【請求項2】
電子チケット情報記憶部に格納される次の電子チケットの送信予約に関する情報は、当該電子チケットが利用されたタイミングから起算した次の電子チケットの配信までの期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子チケット配信サーバ。
【請求項3】
前記通信部は、ユーザ端末から前記利用された電子チケットの情報を受信することを特徴とする請求項1または2に記載の電子チケット配信サーバ。
【請求項4】
前記通信部が受信した利用された電子チケットの情報を蓄積する電子チケット利用情報記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子チケット配信サーバ。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子チケット配信サーバとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポンを利用して商品やサービスを購入した顧客に対して、次回の商品やサービス購入時期を新たなクーポンを配信して案内するクーポン配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店等の販売促進担当者は自社の優良顧客を特定し、当該顧客に対して自社へのロイヤリティを高める施策を効果的に実施することが困難であった。また、新規顧客を優良顧客へと育てるために顧客に対して小売店側が直接的なアクションを起こすことは困難であった。
【0003】
例えば、小売店等の販売促進担当者は自社の優良顧客に対して、個別のサービス(優待券、割引券等)を配布し優良顧客を維持したい、新規顧客を囲いたい、などと考える。従来であれば、自社の商品やサービスを購入している顧客の中から利用頻度が高い、利用金額が大きい等の観点から顧客を抽出する。そして、抽出した顧客に対して優待券や割引券の配布等を行っていた。
更には、このような抽出や配布を自動化すべく、利用者の購買履歴に基づいて、利用者毎の個別クーポン券を発行するクーポン券発行方法が提案されていた(例えば特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−312856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の手法では、購買の履歴を積み重ねた利用者に対しては個別のサービスを配布できるものの、新規の顧客を優良顧客に育てるために、膨大な購買履歴のデータを分析し、分析結果に基づいて小売店側が適切なタイミングで直接的に新規顧客に対して働き掛けることは困難であった。また、同様の課題は、クーポン以外にも、スタンプカード、イベントチケット等のいわゆる電子チケットにおいても発生していた。なお、以下の説明では、電子的に発行されるクーポン、スタンプカード、イベントチケット等、インターネット等を介して電子的に発行されるクーポンやチケットを総称して「電子チケット」という。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は上記の課題を解決することのできる電子チケット配信システムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の形態に係る電子チケット配信サーバは、ユーザに配信する電子チケットに関する情報と、当該電子チケットが利用された場合に設定されるべき次の電子チケットの送信予約に関する情報とを対応付けて格納する電子チケット情報記憶部と、将来ユーザに配信する電子チケットに関する情報を配信時期および配信先に対応付けた予約情報を格納する配信電子チケット予約記憶部と、配信電子チケット予約記憶部に格納された予約情報に基づきユーザ端末に電子チケットを送信し、利用された電子チケットの情報を受信する、通信部と、通信部が受信した利用された電子チケットの情報、および当該利用された電子チケットに関して電子チケット情報記憶部に格納された次の電子チケットの送信予約に関する情報を参照して、新たな予約情報を配信電子チケット予約記憶部に格納する制御部と、を備える。このような構成により、利用履歴の蓄積がなくとも電子チケットが利用されると、販売促進担当者等の電子チケット企画者が予め設定していた次回配信電子チケットの配信予約をすることができる。なお、「電子チケット」とは、電子的に発行されるクーポン、スタンプカード、イベントチケット等を総称したものである。
【0008】
好ましくは、本発明の電子チケット配信サーバでは、電子チケット情報記憶部に格納される次の電子チケットの送信予約に関する情報は、当該電子チケットが利用されたタイミングから起算した次の電子チケットの配信までの期間を含む。このような構成により、利用される電子チケットの対象に応じた適切なタイミングで次回配信電子チケットの配信がなされるよう、販売促進担当者等の電子チケット企画者の企図した配信スケジュールを組むことができる。適切なタイミングとは、例えば電子チケットの対象商品の消費期限や標準的な消費量等に基づいて設定するとよい。
【0009】
好ましくは、本発明の電子チケット配信サーバでは、通信部は、ユーザ端末から利用された電子チケットの情報を受信する。このような構成により、電子チケットが利用される店舗等のPOS(point of sale;販売時点情報管理)システムを利用することなく、利用された電子チケットの情報を取得することができる。その結果、POSが配備されていない店舗での利用が可能となる。また、既存のPOSシステムに変更を加えることなく本発明の電子チケット配信サーバを導入することができる。
【0010】
好ましくは、本発明の電子チケット配信サーバでは、通信部が受信した利用された電子チケットの情報を蓄積する電子チケット利用情報記憶部をさらに備える。このような構成により、各ユーザの電子チケットの利用履歴を蓄積することができ、販売促進担当者等の電子チケット企画者は、電子チケットの利用履歴を商品販売履歴と近似して、販促活動に利用することができる。
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明の第2の形態に係るプログラムは、コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子チケット配信サーバとして機能させる。
【0012】
なお、上紀の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】クーポン配信システム10の構成を示す図である。
【
図4】クーポン情報を格納するデータ構造を示す図である。
【
図5】初回配信クーポンと次回配信クーポンを紐付けるデータ構造を示す図である。
【
図6】2回目以降に配信するクーポン情報、配信日時の情報を格納するデータ構造を示す図である。
【
図7】クーポン配信システム10を利用する手順を示すフローチャートである。
【
図8】クーポン配信システム10を利用してクーポンを配布する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるクーポン配信システムを説明する。
【0015】
[クーポン配信システム10の構成]
図1は、クーポン配信システム10の構成を示す図である。クーポン配信システム10は、携帯端末20、およびサーバ30を備える。携帯端末20およびサーバ30は、それぞれ本発明のクーポン配信システム10の構成要素として機能するためのアプリケーションを実行する。携帯端末20とサーバ30とは、インターネット等のネットワークを介して通信可能とされる。
【0016】
図2は、携帯端末20の構成を示す図である。携帯端末20は、アプリケーションの演算処理を実行するCPUなどの演算装置21と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置22と、ディスプレイ(画面)などの表示装置23と、演算装置21の処理結果や記憶装置22に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置24を備える。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行するための命令(群)が演算装置21に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置22に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置22から読み出し、読みだした情報を適宜、演算装置21における処理に用いる。
【0017】
図3は、サーバ30の構成を示す機能ブロック図である。サーバ30は、本発明の電子チケット配信サーバに対応し、通信部31、制御部32、クーポン利用情報記憶部33、クーポン情報記憶部34、配信クーポン予約記憶部35を有する。これらの機能ブロックは、その処理を実行するための命令(群)がCPU等の演算装置に読み込まれ実行されることにより、当該演算装置、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置、ネットワークインターフェース等の通信装置を利用して実現される。
【0018】
通信部31は、制御部32による制御の下、携帯端末20との通信を行う。
【0019】
また、制御部32は、プログラム命令に従い、サーバ30内の他の構成要素を制御して、各種の処理を実行する。通信部31および制御部32の処理・動作の詳細は、クーポン配信システム10の動作とともに後述する。
【0020】
クーポン利用情報記憶部33は、本発明の電子チケット利用情報記憶部に対応する。クーポン利用情報記憶部33は、通信部31が受信し、制御部32に渡されたユーザが利用したクーポンのクーポンIDおよびクーポン名、クーポンが利用された店舗の店舗IDおよび店舗名、クーポン利用日時、クーポンを利用したユーザの携帯端末20を識別する端末情報等の情報を格納する。ユーザが利用したクーポンに関する情報は、ユーザの携帯端末20から通信部31が受信して制御部32に転送し、制御部32がクーポン利用情報記憶部33に書き込む。クーポン利用情報記憶部33に蓄積されるユーザ毎のクーポン利用履歴情報は、販売促進のための分析データとして利用することができる。
【0021】
クーポン情報記憶部34は、本発明の電子チケット情報記憶部に対応する。クーポン情報記憶部34は、クーポンに関する情報(単に「クーポン情報」ともいう)と当該クーポンが利用された場合に設定されるべきクーポンの配信予約に関する情報を記憶する。
図5にクーポン情報記憶部34のクーポンに関する情報を格納するデータ構造の一例を模式的に示す。クーポン情報記憶部34は、クーポンを識別するクーポン識別情報(クーポンを識別するID、クーポン内容やクーポン名など)、当該クーポンが利用された場合にその利用時から起算した次回クーポンの配信タイミングを規定する次回クーポン配信タイミング、クーポンの利用可能場所(店舗名や店舗を識別するIDなど)、クーポンの配信方法(公開や非公開など)、当該クーポンが利用された場合に配信予約されるクーポンに関する次回配信クーポン識別情報(クーポンを識別するID、クーポン内容やクーポン名など)等を格納する。
【0022】
次回クーポン利用可能場所の情報は、特定の店舗ではなくてもよく、例えばクーポンが利用できる系列店の情報であっても構わない。系列店で利用可能なクーポンを配信することにより、たまたま出先で特定の店舗を利用したユーザに、そのユーザの拠点(例えば自宅や勤務先)の近隣の系列店を利用するよう次回配信するクーポンによって促すことができる。
【0023】
クーポンの配信方法には公開・非公開の2つの方法がある。クーポンの配信方法として「公開」が設定されているクーポン(以下、公開クーポンという)は、ユーザの携帯端末20でアプリが起動されると同時にクーポンがサーバ30から自動でダウンロードされ、表示されるので、誰でもいつでも利用することができる。一方、クーポンの配信方法として「非公開」が設定されているクーポン(以下、非公開クーポンという)は、アプリを起動してもサーバ30から自動でダウンロードされないため表示されず、当該非公開クーポンが次回配信クーポンとして紐づけられているクーポンを当該携帯端末20で利用した後に利用した携帯端末20のみに配信されるクーポンとなる。
【0024】
その他、クーポン情報記憶部34は現在地からクーポンが配信されている他の系列店舗までの経路を示す地図情報、クーポンを利用できる期間などを格納してもよい。そうすることで、他の店舗へもユーザを誘導することができる。
【0025】
クーポン配信システム10は、クーポン情報記憶部34を利用することにより、クーポンを利用したユーザのみに特定のクーポンを特定の時期に自動で配信することを可能とする。クーポンを配信する毎にクーポン内容の優待度を上げていくのもよい。このサイクルを繰り返すことで、優良顧客にとっては特定の小売店を利用する程、優待サービスを享受できるというメリットがある。また小売店側にとっては、顧客に小売店をリピートする動機を積極的に与えることができ、優良顧客に対して適切なアプローチをとることができる。このように顧客と小売店双方に購入・販売活動においてメリットをもたらすことができる。また、次回に配信されるクーポンの対象商品は利用されたクーポンの態様商品と同一である必要はなく、関連商品や、よりランクの高い商品としてもよいし、複数個や複数種類の商品のセット販売クーポンであってもよい。1つのクーポンに紐づけられる次回配信クーポンは1つに限らず、複数設定されてもよい。
【0026】
配信クーポン予約記憶部35は、本発明の配信電子チケット予約記憶部に対応する。配信クーポン予約記憶部35は、次回配信クーポン情報の内容と日時と配信する端末情報、などを格納する。
【0027】
図6は配信クーポン予約記憶部35のデータ構造の一例を示す。クーポンの送信予約情報としては、クーポンを識別するクーポン識別情報(クーポンを識別するID、クーポン内容やクーポン名など)、次回クーポン配信日時、配信する端末情報などがある。
【0028】
以下、上述のように構成されるクーポン配信システム10の動作について説明する。
【0029】
[クーポン利用時の動作]
まず、
図7に示すフローチャートを参照して、クーポン配信システム10により配信されたクーポンを利用するときの動作を説明する。まず、ユーザが携帯端末20上でアプリケーションを起動させる(ステップS100)。このとき、携帯端末20は、サーバ30から未受信の公開クーポンをダウンロードする。携帯端末20は、受信済みの公開クーポンと、サーバ30から予め配信されている未公開クーポンのリストを画面に表示する。ユーザは、アプリケーションを操作し、利用しようとするクーポンを指定して画面に表示させる(ステップS102)。ユーザはクーポン画面を提示して当該クーポンを利用する(ステップS104)。クーポンを利用した際に、利用済みとする方法は、例えばユーザが携帯端末20に暗証番号を入力する方法がある。これは、店舗側でクーポン毎の暗証番号を設定しておき、クーポンを利用する際に店員がユーザに当該暗証番号を伝え、ユーザが携帯端末20に入力するというものである。これにより、どの端末がいつ、どこで、どのクーポンを利用したかの情報をサーバ30に送信することができる。また、ユーザがクーポンを誤って利用済みとしてしまう操作を防止することができる。クーポンを利用済みとするための操作は、ユーザを特定できかつユーザの誤作動を防止できる方法であれば、他の方法でも構わない。このとき携帯端末20は、サーバ30へ通信部31により携帯端末20に配信されたクーポンが利用された旨の通知を送信する(ステップS106)。
【0030】
サーバ30では、通信部31により携帯端末20から利用済みのクーポンの情報を受け取り、当該端末がクーポンを利用したことをクーポン利用情報記憶部33に書き込む(ステップS108)。また、制御部32は、利用済みのクーポンの情報をキーとしてクーポン情報記憶部34に記憶するクーポン情報から、利用されたクーポン情報を検索する(ステップS110)。クーポン情報の検索の条件としては、利用済みのクーポンのクーポンIDを用いるとよい。続いて、制御部32は、利用されたクーポンの情報に紐付けられた次回配信するクーポンに関する情報(クーポンID、クーポン名)と次回配信するクーポンの配信タイミングを取得する(ステップS112)。そして、制御部32は、取得した次回配信クーポン情報、および取得した配信タイミングと現在の日付・時刻とから求めた次回の配信日時を、配信クーポン予約記憶部35へ登録する(ステップS114)。以上でクーポン利用時の一連の動作を終了する(ステップS116)。
【0031】
[クーポン配信時の動作]
次に、
図8を参照して、サーバ30が各ユーザの携帯端末20にクーポンを配信するときの動作を説明する。サーバ30は、所定時間(例えば1時間)毎に、
図8に示した一連の処理を実行する。処理が開始されると、制御部32は、配信クーポン予約記憶部35にストックされている配信クーポン情報の配信日時と現在日時とを突合させる(ステップS200)。突合結果がなかった場合は、配信に関する動作を終了する(ステップS206)。一方、現在日時に該当するクーポン情報がある場合、制御部32は該当するクーポン情報を取得する(ステップS202)。そして制御部32は、取得したクーポン情報に対応するクーポンを取得したクーポン情報に紐づけられた配信日時と端末情報とに基づいて、通信部31を介して対応するユーザの携帯端末20に配信する(ステップS204)。各ユーザの携帯端末20は、サーバ30から配信されたクーポンを配信日時に受け取る。このとき配信の方法は、プッシュ通知で配信するのがよい。プッシュ通知であれば、ユーザに対して適切なタイミングで販売促進のアラートをあげることができるからである。アラートがあがると、携帯端末20上に非公開クーポンを受信したことを知らせる表示がなされるなどの方法で、ユーザは非公開クーポンを受け取る。以上で、配信に関する一連の動作を終了する(ステップS206)。
【0032】
次に、本実施形態のクーポン配信システム10の具体的な利用例として、化粧水の販売促進にクーポン配信システム10を適用した例を説明する。
【0033】
2013年6月10日、ユーザがA化粧品店にてB化粧水をクーポンを利用して購入する場合を例にクーポン使用手順について説明する。A化粧品店ではB化粧水の10%オフのクーポンを公開クーポンとしてアプリ上で配布している。ユーザがA化粧品店に到着するとフローチャートの
図7に示された手順が開始される。ます、携帯端末20上でアプリケーションを起動させる(ステップS100)。そして、アプリケーションを操作し、携帯端末20上にクーポンの画面を表示させる(ステップS102)。ユーザが、化粧水を購入する際に当該クーポンを利用すると(ステップS104)、ユーザが携帯端末20を
用いて2013年6月10日、A化粧品店でB化粧水を購入したという情報がサーバ30へと送信される(ステップS106)。制御部32が、サーバ30に当該情報を格納し(ステップS108)、利用したクーポンに紐付いている次回配信クーポン情報を検索する(ステップS110)。制御部32は、次回配信クーポン情報を取得すると(S112)、当該情報を配信クーポン予約記憶部35へと登録する(ステップS114)。制御部32は、所定時間ごとに配信クーポン予約記憶部35に設定されている次回クーポン配信日時を確認し(ステップS200)、現在日時に該当するクーポンがある場合には(ステップS202)、当該クーポンを配信対象となるユーザの携帯端末20へ配信する(ステップS204)。現在日時に該当するクーポンがなかった場合には、配信に関する一連の動作を終了する(ステップS206)。本例において、B化粧水が1ヶ月分の容量で販売されている場合、B化粧水の公開クーポンに紐づけられる次回配信クーポンは、公開クーポンの利用から1ヶ月後に配信されるようクーポン情報記憶部34に設定され、制御部32は、これに従って2013年7月10日に次回のクーポンを配信するよう配信クーポン予約記憶部35に設定する。これにより、B化粧品がなくなりかけるタイミングに合わせて次回
のクーポンを配信することができ、リピート購入を促進することができる。
【0034】
クーポン配信システム10は、上述の化粧水の販売促進に限らず、様々な商品やサービスの販売促進に利用可能である。例えば、複数のブランドで飲食店や居酒屋を展開している飲食店グループにおいて、居酒屋Xにおいて顧客が来店時にクーポン配信システム10により配信された公開クーポンを利用したときに来店から2時間後に同グループの他の居酒屋店Yからの当日限定の非公開クーポンが配信されるようにクーポン情報を設定して、二次会を居酒屋Yにて行うよう促すことができる。更に、居酒屋店Yからの当日限定の非公開クーポンを利用したときに来店から1時間後に同グループのラーメン店Zからの当日限定の非公開クーポンが配信されるように設定して、飲酒後のしめのラーメンをラーメン店Zで食べるよう促すことができる。このように、同グループ全体としての売上を向上させるよう、連鎖的に、適切なタイミングでクーポンを配信することができる。
【0035】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0036】
例えば、クーポン配信システム10と同様のシステムをスタンプカードやチケットの発行・配信に利用してもよい。スタンプカードの発行に利用する場合には、所定の条件(例えばスタンプが3つ押されること)を満たしたことを条件に、次のスタンプカードの発行・配信を予約するようにするとよい。また、チケットの発行に利用する場合には、あるチケットが利用されたことを条件に、次のチケットの発行・配信を予約するようにするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述の通り、本発明のクーポン配信システムおよびこれに用いられるサーバ30は、クーポン配信を伴う販売促進活動に利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 クーポン配信システム
20 携帯端末
30 サーバ