特許第5747392号(P5747392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメントの特許一覧
<>
  • 特許5747392- 図000009
  • 特許5747392- 図000010
  • 特許5747392- 図000011
  • 特許5747392- 図000012
  • 特許5747392- 図000013
  • 特許5747392- 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747392
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】毛細血管拡張症の安全かつ有効な治療のための改善された方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/498 20060101AFI20150625BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20150625BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 31/194 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 31/203 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 31/327 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   A61K31/498
   A61P9/00
   A61P17/00
   A61K47/12
   A61K47/10
   A61K47/22
   A61K9/06
   A61K31/194
   A61K31/203
   A61K31/327
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-500521(P2013-500521)
(86)(22)【出願日】2011年3月25日
(65)【公表番号】特表2013-523612(P2013-523612A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011054597
(87)【国際公開番号】WO2011117378
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2012年11月26日
(31)【優先権主張番号】61/282,753
(32)【優先日】2010年3月26日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599045604
【氏名又は名称】ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント
【住所又は居所】フランス・06410・ビオ・2400・ルート・デ・コール・レ・タンプリエール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・グレイバー
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ニュジャージー・08648・ローレンスヴィル・パーム・コート・30103
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ローシュ
【住所又は居所】フランス・F−06560・ヴァルボンヌ・プラス・デ・シネ・1
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・フリーデンリッチ
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ペンシルベニア・19067・ヤードリー・マイケル・ロード・347
(72)【発明者】
【氏名】イン・リウ
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ニュージャージー・08550・ニュー・ジャージー・プリンストン・ジャンクション・リード・ドライヴ・ノース・19
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェームス・レオニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国・ニュージャージー・08827・ハンプトン・ロックヒル・ドライヴ・1
【審査官】 常見 優
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−500356(JP,A)
【文献】 特開2009−149692(JP,A)
【文献】 特表2007−535552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00−33/44
A61P 1/00−43/00
A61K 9/00− 9/72
A61K47/00−47/48
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療における使用のための、0.4重量%〜0.6重量%のブリモニジン、0.20重量%〜4.0重量%のゲル化剤、5.0重量%〜30.0重量%の少なくとも1種のポリオールおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物であって、前記毛細血管拡張症または前記それに関連する症状の影響を受けている皮膚領域への前記局所用組成物の局所投与が、54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する、局所用組成物。
【請求項2】
前記毛細血管拡張症が、酒さの毛細血管拡張症である、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記毛細血管拡張症に関連する症状が、血管腫脹、肥大した、拡張したおよび/または視認できるクモの巣状静脈、ならびに、毛細血管拡張症に関連する血管拡張の結果として生じる皮膚上の赤色、紫色または青色の斑点からなる群から選択される、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項4】
前記局所用組成物を、前記皮膚領域に1日に1回投与する、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項5】
毛細血管拡張症またはそれに関連する症状のための少なくとも1つの追加的な治療または活性薬剤を前記対象に施すステップをさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項6】
前記追加的な活性薬剤が、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、イソトレチノイン、抗生物質、薬学的に許容されるその塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の局所用組成物。
【請求項7】
前記局所用組成物が、酒石酸ブリモニジン0.4重量%〜0.6重量%を含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項8】
前記局所用組成物が、酒石酸ブリモニジン0.5重量%を含む、請求項7に記載の局所用組成物。
【請求項9】
前記局所用組成物が、0.50%(w/w)〜2.0%(w/w)のカルボマーを含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項10】
前記局所用組成物が、0.04%(w/w)〜0.08%(w/w)の水分散性形態の二酸化チタンをさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項11】
前記局所用組成物が、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、イミダゾリジニル尿素およびジアゾリジニル尿素からなる群から選択される保存剤をさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項12】
前記局所用組成物が、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項13】
前記局所用組成物が、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項14】
対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供するための、包装されている製品を製造する方法であって、
(1)0.4重量%〜0.6重量%のブリモニジン、0.20重量%〜4.0重量%のゲル化剤、5.0重量%〜30.0重量%の少なくとも1種のポリオールおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物を得るステップと;
(2)安全かつ有効な治療を達成するために前記毛細血管拡張症または前記症状の影響を受けている皮膚領域に前記局所用組成物を局所投与するための指示を考案するステップと、
(3)前記対象のために一体化された包装中に前記局所用組成物および前記指示を提供するステップと
を含み、前記局所投与が、54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する、方法。
【請求項15】
前記局所用組成物が、酒石酸ブリモニジン0.4重量%〜0.6重量%を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記局所用組成物が、酒石酸ブリモニジン0.5重量%を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記局所用ゲル組成物が、0.50%(w/w)〜2.0%(w/w)のカルボマーと、グリセリンおよびプロピレングリコールのうち少なくとも1つとを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月26日出願の米国仮特許出願第61/282753号に対する35U.S.C§119(e)による優先権を有している。
【背景技術】
【0002】
毛細血管拡張症は、高頻度にみられる皮膚障害である。毛細血管拡張症は、視認できる小さな赤色、紫色または青色の表面血管であり、顔、上胸部、首、または体の別の部分に位置することがある。毛細血管拡張性の血管には、血管腫脹、クモの巣状静脈(spider vein)、赤色の皮膚斑、紫色の皮膚斑または青色の皮膚斑を含めることができるが、こうした血管は、異常であり、本質的な体の機能には必要ない。
【0003】
毛細血管拡張性の血管は、先行または併発する皮膚疾患または内部疾患の有無にかかわらず生じる可能性がある。毛細血管拡張症は、体内のあらゆる場所で発症する可能性があるが、皮膚において最も容易にみられる。毛細血管拡張症には、本態性または原発性の毛細血管拡張症が含まれ、そこには病因不明の血管拡張が含まれる。全身性本態性毛細血管拡張症(generalized essential telangiectasia、GET)は、体中に広範な分布パターンを呈する。別の原発性毛細血管拡張症には、蛇行性血管腫、毛細血管拡張性運動失調症、スターバースト静脈(starburst vein)など比較的細い静脈の静脈瘤、血管腫、およびクモの巣状母斑(spider naevi)が含まれる。毛細血管拡張症を含み得る状態、症候群、疾患および障害のいくつかの別の例は、CREST症候群(Calcinosis石灰沈着症、Raynaud's phenomenonレイノー現象、Esophageal dysfunction食道機能不全、Sclerodactyly強指症、Telangiectasis毛細血管拡張症の頭字語)、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー-ウェーバー-ランデュ症候群)、毛細血管拡張性運動失調症、酒さ(酒さ性ざ瘡としても知られる)、基底細胞癌、強皮症、毛細血管拡張性母斑(telangiectatic nevus)、片側性母斑性毛細血管拡張症、先天性毛細血管拡張性大理石様皮膚、遺伝性出血性毛細血管拡張症である。続発性毛細血管拡張症(secondary telangiectasia)は、化学線による傷害[頸部毛包間紅皮症(erythrosis interfollicularis colli)の場合など]、放射線療法、ならびに、慢性的なコルチコステロイド治療を含めたステロイド療法の後で発症することがある。慢性の肝障害および膠原血管障害(collagen-vascular disorder)も、毛細血管拡張症を引き起こすことがある。
【0004】
毛細血管拡張症は、酒さの症状であることがある。しかし、酒さは、紅斑も包含することから、毛細血管拡張症とは異なる現象である。
【0005】
毛細血管拡張症を改善する現在の治療には、レーザー療法、IPLインテンスパルスライトなどの光線療法、電気凝固法および電気光学シナジー(electro-optical synergy、ELOS)があり、ELOSは、強力なパルスの光学エネルギーと伝導性のバイポーラー高周波(radiofrequency、RF)エネルギーとを組み合わせて単一のパルスにするものである(Sadick, NSら、J. Drugs Dermatolog.、4、181〜186、2005)。
【0006】
選択的α2-アドレナリン作動薬であるブリモニジンは、1996年のその承認以来、緑内障および高眼圧症(OHT)の治療において眼圧(IOP)を低下させるために、単剤療法または補助療法のいずれかとして使用されてきた。ブリモニジン療法と関連する最もよく起こる副作用は、ドライマウス、疲労感/眠気、頭痛、軽度の充血、かすみ目および異物感である。高血圧、動悸および失神が、ブリモニジンによる眼の治療を伴う臨床試験において3%未満の患者によって報告されている。World Wide Web: pswi.org/professional/pharmaco/brimonidine.pdfのMcGhie、Journal of the Pharmacy Society of Wisconsin、2001年5月/6月、およびその中の参考文献を参照されたい。緑内障または高眼圧症を有する患者における用量範囲探索試験の結果は、0.5%(w/w)は、治療の初期段階においてより高い効力を有するが、0.5%(w/w)および0.2%(w/w)は、治療の2週間後に同様の効力を有し、0.5%(w/w)は、0.2%(w/w)よりも多くの全身および眼の副作用を有することを示した。例えば、Walters、Survey of Ophthalmology、1996、41: S19-S26)を参照されたい。0.2%(w/w)ブリモニジンを含有する眼科用製剤は、緑内障および高眼圧症を治療するための慢性の適用に使用されてきたが、0.5%(w/w)ブリモニジンを含有する眼科用製剤は、術後の眼圧急上昇を予防するための急性期療法のみに使用されてきた。0.2%(w/w)ブリモニジンの眼への適用と関連する様々な眼および全身の副作用を低減するために、より低濃度、例えば、0.15%(w/w)または0.1%(w/w)のブリモニジンを含有する眼科用製剤が、眼への慢性適用のために、その後開発され、使用されている。
【0007】
ブリモニジンは、毛細血管拡張症の治療において有用であることが報告されている。例えば、DeJovinらに付与された米国特許第7,838,563号を参照されたい。ブリモニジンは、酒さによって引き起こされる紅斑の治療において有用であることが報告されている。例えば、DeJovinらの米国特許出願公開第10/853,585号を参照されたい。安全性を保証し、許容できない副作用を回避するために、以前の臨床試験は、紅斑を治療するために「高い」投薬量として0.2%(w/w)酒石酸ブリモニジンを使用した。TheobaldらのUS2009/0061020を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,838,563号
【特許文献2】米国特許出願公開第10/853,585号
【特許文献3】US2009/0061020
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Sadick, NSら、J. Drugs Dermatolog.、4、181〜186、2005
【非特許文献2】THE MERCK MANUAL、811〜830、(Keryn A. G. Laneら編、第17版、2001)
【非特許文献3】REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、1577〜1591、1672〜1673、866〜885(Alfonso R. Gennaro編、第19版、1995)
【非特許文献4】Ghosh, T. K.ら、TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS(1997)
【非特許文献5】Ofher IIIら、「Gels and Jellies」、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、1327〜1344ページ、第3巻(Swarbrickら編、Marcel Dekkerより出版、2002)
【非特許文献6】Pena、「Gel Dosage Forms: Theory, Formulation, and Processing」、Topical Drug Delivery Formulationsの381〜388ページ(Osborneら編、Marcel Dekker, Inc.より出版、1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明において、驚くべきことに、罹患している皮膚領域へのブリモニジンの局所投与は、ブリモニジンの眼への局所適用よりも顕著に少ないブリモニジンへの全身曝露をもたらすことが発見された。全身曝露はブリモニジンの適用される用量とともに増加するが、統計分析は、全身曝露の増加(Cmax)が用量に比例しない、例えば、平均Cmaxの増加が用量の増加よりもはるかに少ないことを示すことが見出された。ブリモニジンの眼への局所適用とは異なり、0.2%より高い(w/w)ブリモニジンの、毛細血管拡張症または関連する症状の影響を受けている皮膚領域への局所投与が、長時間にわたり観察できる有効性の低下なく効力の増加をもたらすこともまた発見された。許容できない薬物に関連する有害事象は、試験されたブリモニジンのより高濃度の治療で観察されなかった。
【0011】
したがって、これにより、約0.3%(w/w)〜約10%(w/w)などのより高濃度のブリモニジンを、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療のための改善された方法および組成物において使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一般的な一態様において、本発明の実施形態は、対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供する方法に関する。本方法は、毛細血管拡張症または症状の影響を受けている皮膚領域に、約0.3重量%〜約10重量%のブリモニジンおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物を局所投与するステップを含み、前記局所投与は、約54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび約568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する。
【0013】
別の一般的な態様において、本発明の実施形態は、対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供するための、包装されている製品を製造する方法であって、
(1)約0.3重量%〜約10重量%のブリモニジンおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物を得るステップと;
(2)安全かつ有効な治療を達成するために前記毛細血管拡張症または前記症状の影響を受けている皮膚領域に前記局所用組成物を局所投与するための指示を考案するステップと、
(3)一体化された包装中に前記局所用組成物および前記指示を提供するステップと
を含み、前記局所投与が、約54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび約568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する、方法に関する。
【0014】
好ましい一実施形態において、本発明の実施形態において使用されるまたは包含される局所用組成物は、約0.4%(w/w)〜約0.6%(w/w)の酒石酸ブリモニジンを含む。
【0015】
別の好ましい実施形態において、毛細血管拡張症は、酒さの毛細血管拡張症である。
【0016】
本発明の別の態様、特徴および利点は、発明の詳細な説明およびその好ましい実施形態および添付の特許請求の範囲を含む以下の開示から明らかとなるであろう。
【0017】
前述の概要、ならびに以下の発明の詳細な説明は、添付の図面とともに読まれればよりよく理解されるであろう。発明を例示する目的のために、現在のところ好ましい実施形態が図面において示されている。しかしながら、本発明は図面によって限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】治療前、ベースライン時にRBX Red(商標)を用いて撮影した被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコア(red score)は126.29であった。
図2】0.5%(w/w)酒石酸ブリモニジンでの治療の30分後にRBX Red(商標)を用いて撮影した図1の被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコアは88.15、ベースラインと比較して30.20%低減。
図3】0.5%(w/w)酒石酸ブリモニジンでの治療の3時間後にRBX Red(商標)を用いて撮影した図1の被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコアは78.03、ベースラインと比較して38.22%低減。
図4】0.5%(w/w)酒石酸ブリモニジンでの治療の6時間後にRBX Red(商標)を用いて撮影した図1の被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコアは84.90、ベースラインと比較して32.77%低減。
図5】0.5%(w/w)酒石酸ブリモニジンでの治療の9時間後にRBX Red(商標)を用いて撮影した図1の被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコアは97.93、ベースラインと比較して22.46%低減。
図6】0.5%(w/w)酒石酸ブリモニジンでの治療の12時間後にRBX Red(商標)を用いて撮影した図1の被験者の顔の写真であり、顔全体の赤色スコアは104.15、ベースラインと比較して17.53%低減。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な印刷物、記事及び特許が、背景技術及び本明細書全体において引用または記載されており、これらの参照のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などの論考は、本発明に関する状況を提供することを目的とする。そのような論考は、開示または特許請求されている任意の発明に関して、これらの事項のいずれかまたはすべてが従来技術の部分を形成するという承認ではない。
【0020】
別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。そうでなければ、本明細書において使用されている特定の用語は、本明細書に記載されている意味を有する。本明細書において引用されているすべての特許、特許出願公開および公開は、本明細書中に完全に記載されている場合と同様に参照により組み込まれる。本明細書及び添付した特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、別段文脈で明確に指示しない限り、複数の対象を含むことに留意しなければならない。
【0021】
本明細書において使用される場合、「毛細血管拡張症またはそれに関連する症状」は、細動脈および細静脈などの血管の、視認できる永続的で異常な拡張を指す。視認できる血管とは、拡大用の機器(観察者が通常使用している眼鏡を除く)の助けがなくても観察者が線として視覚的に識別可能な血管のことである。毛細血管拡張症は、多数の状態、症候群、疾患および障害に関連する可能性がある。例えば、顔面毛細血管拡張症は、年齢、日光曝露およびアルコール使用に関連する可能性がある。毛細血管拡張症に関連する別の疾患、障害、状態および症候群には、非限定的な例として、以下が含まれる:強皮症、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー-ランデュ症候群)、毛細血管拡張性運動失調症、クモの巣状血管腫、先天性毛細血管拡張症大理石様皮膚(cutis marmorata telangiectasia congenita)、ブルーム症候群、クリッペル-トレノネー-ウェーバー症候群、スタージ-ウェーバー病、色素性乾皮症、火炎状母斑、全身性本態性毛細血管拡張症(GET)、蛇行性血管腫、毛細血管拡張性運動失調症、クモの巣状母斑、CREST症候群、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー-ウェーバー-ランデュ症候群)、毛細血管拡張性運動失調症、基底細胞癌、強皮症、片側性母斑性毛細血管拡張症および先天性毛細血管拡張性大理石様皮膚。
【0022】
本発明の特定の一実施形態において、「毛細血管拡張症またはそれに関連する症状」という用語は、酒さに関連するまたは酒さの結果として生じる毛細血管拡張症、すなわち、酒さ患者における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状を含む。
【0023】
本発明の別の特定の実施形態において、「毛細血管拡張症またはそれに関連する症状」という用語は、日光により誘導される/光損傷による毛細血管拡張症を含む。
【0024】
「毛細血管拡張症またはそれに関連する症状」という用語は、軽度から重度の、異なる程度またはグレードの毛細血管拡張症またはそれに関連する症状を包含する。そのような程度またはグレードは、Telangiectasia Global Assessment(TGA)の尺度など、当技術分野において知られている方法を用いて測定できる。
【0025】
本開示を考慮して、毛細血管拡張症の影響を受けているまたは毛細血管拡張症の影響を受けやすい皮膚領域を、任意の診断徴候または当技術分野において既知の手段を使用して、特定することができ、本発明の実施形態に従う方法によって治療することができる。
【0026】
治療の効力は、当技術分野において知られている方法を用いて測定することができる。例えば、効力は、TGAおよび改善の継続期間により評価される改善のグレードによって測定することができる。
【0027】
本明細書において使用される場合、「ブリモニジン」という用語は、式(I)
【0028】
【化1】
【0029】
の構造を有する化合物(5-ブロモ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン、および酒石酸ブリモニジンを含むがこれらに限定されない前記化合物の任意の薬学的に許容される塩を指す。
【0030】
「薬学的に許容される塩」という句は、本明細書において使用される場合、哺乳動物における局所使用のために安全かつ有効であり、所望される生物活性を有する、対象とする化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩は、指定されている化合物において存在する酸性基または塩基性基の塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩))を含むがこれらに限定されない。本発明において使用される特定の化合物は、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。適した塩基塩は、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩を含むがこれらに限定されない。薬学的に許容される塩についての総説に関しては、参照により本明細書に組み込まれる、BERGEら、66 J. PHARM. SCI. 1〜19(1977)、を参照されたい。
【0031】
「局所投与可能な組成物」、「局所用組成物」、または「局所用製剤」という用語は本明細書において使用される場合、本発明の実施形態による特定の化合物の局所送達のための、薬学的におよび/または化粧品として許容される任意の製剤または組成物を意味する。本発明の実施形態における局所投与のために使用することができる製剤の例示的な形態は、スプレー、ミスト、エアゾール、液剤、ローション、ゲル、クリーム、軟膏(ointment)、パスタ、軟膏(unguent)、乳剤および懸濁剤を含むがこれらに限定されない。
【0032】
本明細書において使用される「局所投与可能な組成物」という用語はまた、インプラント、注入、またはパッチとともに使用するための製剤などの局所的に適用される製剤および局所的に作用する製剤も包含する。
【0033】
局所投与可能な組成物の選択は、治療または予防しようとする症状の性質、投与しようとする特定の化合物および存在する別の添加剤の生理化学的特性、製剤中でのそれらの安定性、任意の所与の製剤の美観、利用可能な製造設備、および費用の制約を含むがこれらに限定されない、いくつかの因子に応じて決定する。
【0034】
本明細書において使用される場合、「組成物」という用語は、特定の量で特定の成分を含む製品、ならびに特定の量での特定の成分の組み合わせの結果として直接または間接的に生じる任意の製品を包含することが意図される。
【0035】
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、本発明の実施形態による化合物または局所用製剤が投与されるまたは投与された任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。好ましくは、対象は、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の治療または予防を必要としている、またはその観察もしくは実験の目的である。
【0036】
本明細書において使用される場合、「指示」という用語は、包装されている製品との関連において使用される場合、印刷物、録音、図形またはその明示されている使用についての包装されている製品の有用性を伝達するために使用することができる任意の別の表現媒体を含む。指示は、例えば、包装されている製品のための容器に添付するか、または容器内に含めることができる。
【0037】
本明細書において使用される場合、「治療」または「治療すること」という用語は、例えば、毛細血管拡張症またはその症状の影響を受けている皮膚表面上の小さな赤色、紫色または青色の表面血管が視認できる状態を軽減することまたはその発症を遅らせることによる、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の改善、予防または後退を指す。
【0038】
本明細書において使用される場合、「安全かつ有効な量のブリモニジン」は、対象に投与された場合に、許容できない薬物に関連する有害事象を引き起こさずに毛細血管拡張症またはそれに関連する症状を治療するために有効なブリモニジンの量を意味する。
【0039】
本明細書において使用される場合、「許容できない薬物に関連する有害事象」、「許容できない薬物有害事象」、および「許容できない薬物有害反応」という句はすべて、提示されている薬物の使用と関連するまたはそれによって引き起こされる害または望ましくない結果を意味するものとし、この害または望ましくない結果は、非常な重大性に達するため、規制当局はその薬物を提示されている使用には許容できないとみなす。
【0040】
ブリモニジン約0.3重量%〜約10重量%を含む局所用組成物などの安全かつ有効な量のブリモニジンの、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の影響を受けている皮膚領域への局所投与は、許容できない薬物に関連する有害事象を引き起こすことなく、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の有効な治療を提供することが、本発明において発見された。例えば、漸増する濃度のブリモニジンを含む局所用組成物の、紅斑またはそれに関連する症状の影響を受けている皮膚領域への局所投与は、明らかな投薬量に応答する効力の増加および全身曝露の増加をもたらすことが発見された。しかしながら、統計分析は、全身曝露の増加(Cmax)は用量に比例せず、例えば、平均Cmaxの増加は用量の増加よりはるかに少ないことを示した。試験されたより高濃度のブリモニジンの治療で、許容できない有害事象は観察されなかった。試験されたすべての濃度およびレジメンによる局所皮膚治療は、眼科用製品のラベルにおいて推奨されている通り適用される目薬による治療よりも顕著に低いブリモニジンへの全身曝露をもたらした。
【0041】
より高濃度、例えば、約0.3重量%〜約10重量%のブリモニジンのそのような優れた臨床活性は、以前に報告されていない。ブリモニジン0.5%(w/w)製剤で経時的な有効性の顕著な低下が見られ、より低濃度は、IOPを低下させる効力を維持しながら改善された忍容性をもたらすことから、はるかに低濃度、例えば、0.1重量%または0.15重量%のブリモニジンの慢性的使用が好ましいという、眼への適用において以前に報告されたブリモニジンの効力および安全性プロファイルを考慮すると特に、本発明の発見は、驚くべきかつ予想外のものである。
【0042】
したがって、一般的な一態様において、本発明の実施形態は、対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供する方法であって、毛細血管拡張症または症状の影響を受けている皮膚領域に、約0.3重量%〜約10重量%のブリモニジンおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物を局所投与するステップを含み、前記局所投与が、約54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび約568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する、方法に関する。平均Cmaxおよび平均AUC0-24hrは、眼科用製品のラベルにおいて推奨されているように0.2%(w/w)酒石酸ブリモニジン目薬を用いる眼科治療後のブリモニジンの血清または血漿プロファイルに相当する。
【0043】
本発明の一実施形態において、局所投与可能な組成物は、酒石酸ブリモニジンなどのブリモニジン約0.3重量%、0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、7.5重量%、8.0重量%、8.5重量%、9.0重量%、9.5重量%または10.0重量%を含む。
【0044】
本発明の別の実施形態において、局所投与可能な組成物は、酒石酸ブリモニジンなどのブリモニジン約0.4重量%、約0.45重量%、約0.5重量%、約0.55重量%または約0.6重量%を含む。
【0045】
好ましい一実施形態において、局所用組成物は、酒石酸ブリモニジン約0.5重量%などの、ブリモニジン約0.5重量%を含む。
【0046】
毛細血管拡張症またはそれに関連する症状を治療または予防するために、本開示を考慮して、本発明の局所投与可能な組成物は、当技術分野において知られている任意の従来の方法において、例えば、スポイト、アプリケータースティック、もしくはコットンスワブによって、エアゾールアプリケーターを介してミストとして、皮内もしくは経皮パッチを介して、または本発明の製剤を影響を受けている領域に指、スポンジ、パッド、もしくはワイプで単に塗ることによって、影響を受けている領域に直接局所適用することができる。一般に、患部皮膚領域に適用される本発明の局所用製剤の量は、皮膚表面積の約0.0001 g/cm2から約0.05 g/cm2の範囲であり、好ましくは、皮膚表面積の0.002 g/cm2から約0.005 g/cm2の範囲である。
【0047】
多様な態様において、局所用組成物の適用は、適用してから約2分以内、適用してから約5分以内、または適用してから約10分以内に毛細血管拡張症を著しく改善できる。いくつかの態様において、組成物は、適用後約30分時点で最大に有効となり得、改善効果は、最長約2時間、最長約4時間、最長約8時間、最長約12時間、最長約18時間、または最長約24時間、またはそれを超えて持続できる。したがって、いくつかの態様において、組成物は、毛細血管拡張症の症状がみられる部位の皮膚に1日1回、1日2回、または1日3回以上、局所適用できる。
【0048】
本発明の方法は、1つまたは複数の別の治療および/または薬物治療と併用して、毛細血管拡張症をより有効に治療することができる。いくつかの態様において、局所用製剤は、THE MERCK MANUAL、811〜830、(Keryn A. G. Laneら編、第17版、2001)において開示されているものなど皮膚障害の治療のための治療レジメンおよび薬物治療と組み合わせて使用でき、同文献は参照により本明細書中に組み込まれる。
【0049】
一態様において、本局所用製剤は、抗生物質またはレチノイドの全身投与と組み合わせて使用でき、そのような抗生物質またはレチノイドには、テトラサイクリン、ミノシン、ミノサイクリン、エリトロマイシンおよびドキシサイクリンなどの経口投与される抗生物質、ならびに、イソトレチノインなどの経口投与されるレチノイド[例えば、アキュテインまたはロアキュテイン(Roaccutane)]が含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
別の態様において、本明細書中で開示する局所用製剤は、別の局所用治療薬と組み合わせて使用でき、そのような局所用治療薬には、メトロニダゾール、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、リポ酸、およびアゼライン酸、およびイオウ調製物からなる局所用製剤;メトロニダゾール、クリンダマイシンおよびエリトロマイシンなどの局所投与される抗生物質;ペルメトリンおよびイベルメクチンなどの抗寄生虫薬;トレチノイン、アダパレン、タザロテンなどの局所用レチノイド;または局所用ステロイドが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
別の態様において、本明細書中に記載する局所用製剤は、別の療法、例えば、パルス色素レーザー治療などのレーザー療法;混合光パルス療法[フォトデルム(photoderm)]、IPLインテンスパルスライトなどの光線療法;光線力学的療法;電気凝固法および電気光学シナジー(ELOS);または電気外科手術などと組み合わせて使用できる。
【0052】
別の医薬または治療薬は、活性成分または活性薬剤が、一緒に作用して毛細血管拡張症およびそれに関連する症状を治療または予防することができるように、ブリモニジンの投与と同時に、または連続してある時間間隔以内に、対象に投与することができる。例えば、別の医薬または治療薬およびブリモニジンを、同じまたは別個の製剤において、同じ時間または異なる時間に、すなわち、前または後に、投与することができる。任意の適した投与経路を用いて、さらなる治療薬または医薬品を送達することができる。
【0053】
本発明の別の態様は、対象における毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供するための、包装されている製品を製造する方法に関する。本方法は、
(1)約0.3重量%〜約10重量%のブリモニジンおよび薬学的に許容される担体を含む局所用組成物を得るステップと;
(2)安全かつ有効な治療を達成するために前記毛細血管拡張症または前記症状の影響を受けている皮膚領域に前記局所用組成物を局所投与するための指示を考案するステップと、
(3)一体化された包装中に前記局所用組成物および前記指示を提供するステップと
を含み、前記局所投与は、約54±28pg/mL以下の平均Cmaxおよび約568±277pg.hr/mL以下の平均AUC0-24hrを有するブリモニジンの血清または血漿プロファイルを実現する。
【0054】
本発明の一実施形態において、局所用組成物は、スポイト、広口瓶、または任意の薬学的に適した材料で作られたエクステンデッドチップチューブなどの適した小さいオリフィス径を有するチューブなどの、1つの適した容器内に収容される。本発明の実施形態による局所用製剤は、プラスチックのスクイーズボトルまたはチューブ中に詰められ、包装されてもよい。本発明の局所用製剤を包装するために適した容器施栓系は、例えば、Wheaton Plastic Products(1101 Wheaton Avenue、ミルビル、N.J. 08332)から市販されている。任意選択により、アプリケーターを、容器中にもしくは容器に取り付けて、または容器とは別々に提供することができる。
【0055】
本発明の一実施形態において、指示は、例えば、パンフレットまたは包装ラベルである。指示は、毛細血管拡張症またはそれに関連する症状の安全かつ有効な治療を提供するために十分な量および期間で本発明の局所用製剤を投与する方法を説明する。好ましくは、指示は、例えば、投薬量および投与指示、局所用製剤の組成、臨床薬理、薬物耐性、薬物動態、吸収、バイオアベイラビリティ、ならびに禁忌を含む。
【0056】
本発明の一実施形態において、局所用組成物は、
約0.3%(w/w)〜約10.0%(w/w)のブリモニジン;
約0.20%(w/w)〜約4.0%(w/w)のゲル化剤;および
約5.0%(w/w)〜約30.0%(w/w)の少なくとも1種のポリオール
を含む局所用ゲル組成物である。
【0057】
局所投与可能な組成物は、当技術分野において知られている方法、例えば、その両方が参照により本明細書に組み込まれる、REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、1577〜1591、1672〜1673、866〜885(Alfonso R. Gennaro編、第19版、1995);Ghosh, T. K.ら、TRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS(1997)などの標準的な参考テキストに記載されている方法に従って、薬学的に許容される担体を、安全かつ有効な量のブリモニジンと混合することによって調製される。
【0058】
好ましい一実施形態において、局所用ゲル組成物は、ブリモニジン約0.4重量%〜約0.6重量%、より好ましくは、酒石酸ブリモニジン0.5重量%を含む。
【0059】
2相または単相ゲル系において使用されるものを含む当技術分野において知られている適したゲル化剤を、本発明において使用することができる。適したゲル化剤のいくつかの例は、これによって参照により本明細書に組み込まれる、REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY 1517〜1518(Alfonso R. Gennaro編、第19版、1995)において開示されている。本発明の実施形態において使用されるゲル化剤は、化粧品業界および製薬業界において使用される1種または複数の親水性ゲル化剤および水性アルコールゲル化剤を含むがこれらに限定されない。好ましくは、親水性ゲル化剤または水性アルコールゲル化剤は、「CARBOPOL(登録商標)」(B.F. Goodrich、クリーブランド、オハイオ)、「HYPAN(登録商標)」(Kingston Technologies、デイトン、N.J.)、「NATROSOL(登録商標)」(Aqualon、ウィルミントン、Del.)、「KLUCEL(登録商標)」(Aqualon、ウィルミントン、Del.)、または「STABILEZE(登録商標)」(ISP Technologies、ウェイン、N.J.)を含む。「CARBOPOL(登録商標)」について好ましい組成物の重量パーセント範囲は、約0.5%から約2%の間であり、一方、「NATROLSOL(登録商標)」および「KLUCEL(登録商標)」について好ましい重量パーセント範囲は、約0.5%から約4%の間である。「HYPAN(登録商標)」および「STABILEZE(登録商標)」の両方について好ましい組成物の重量パーセント範囲は、0.5%から約4%の間である。別の好ましいゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースガム、MVE/MAデカジエンクロスポリマー、PVM/MAコポリマー、ポリアクリル酸グリセリン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0060】
本発明において使用することができるカルボマーの例は、カルボマー910、934P、940、941、980および1342、ならびにCarbopol(登録商標)974PならびにCarbopol(登録商標)980を含むがこれらに限定されない。好ましくは、カルボマーは、カルボマー934PまたはCarbopol(登録商標)974P、およびCarbopol(登録商標)980である。
【0061】
本発明の実施形態によれば、組成物中のカルボマーの量は、約0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.85%(w/w)、0.95%(w/w)、1.05%(w/w)、1.15%(w/w)、1.25%(w/w)、1.35%(w/w)、1.45%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)または2.0%(w/w)である。
【0062】
様々な成分がその中に可溶化されているポリオールゲル製剤は、製剤中の活性薬剤のバイオアベイラビリティを保証しながら、対象の皮膚に適用されたときの刺激を最小化するために使用されてきた。Ofher IIIら、「Gels and Jellies」、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、1327〜1344ページ、第3巻(Swarbrickら編、Marcel Dekkerより出版、2002);またはPena、「Gel Dosage Forms: Theory, Formulation, and Processing」、Topical Drug Delivery Formulationsの381〜388ページ(Osborneら編、Marcel Dekker, Inc.より出版、1990)を参照されたい。ゲル製剤中のポリオールは、可溶化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、皮膚湿潤剤、皮膚浸透剤などの1つまたは複数の機能を果たすことができる。本発明の実施形態において使用することができる適したポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、および、ポリエチレングリコール200〜600などの液体ポリエチレングリコールを含むがこれらに限定されない。
【0063】
本発明の実施形態によれば、組成物中の総ポリオール量は、約5.0%(w/w)〜30.0%(w/w)、例えば、約5.0%(w/w)、5.5%(w/w)、6.0%(w/w)、6.5%(w/w)、7.0%(w/w)、7.5%(w/w)、8.0%(w/w)、8.5%(w/w)、9.0%(w/w)、9.5%(w/w)、10.0%(w/w)、10.5%(w/w)、11.0%(w/w)、11.5%(w/w)、12.0%(w/w)、12.5%(w/w)、13.0%(w/w)、13.5%(w/w)、14.0%(w/w)、14.5%(w/w)、15.0%(w/w)、17%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)または30%(w/w)である。
【0064】
好ましくは、局所用ゲル組成物は、それぞれ、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの、第1のポリオールおよび第2のポリオールを含む。
【0065】
本発明の実施形態によれば、組成物中の第1および第2のポリオールのそれぞれの量は、独立して、4.5%(w/w)〜6.5%(w/w)などの約4〜15%(w/w)、例えば、4.5%(w/w)、5.0%(w/w)、5.5%(w/w)、6.0%または6.5%(w/w)である。
【0066】
本発明の局所用製剤のpHは、好ましくは、生理学的に許容されるpHの範囲内、例えば、約4〜約8の、好ましくは、約6〜約7.5、より好ましくは、約4.5〜6.5の範囲内である。pHを安定化させるために、好ましくは、有効量の緩衝剤が含まれる。一実施形態において、緩衝化剤は、製剤の約0.05重量パーセント〜約1重量パーセントの量で水性局所用製剤中に存在する。
【0067】
本発明の局所用ゲル組成物は、保護剤、美容剤、吸着剤、保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、皮膚浸透剤、局所麻酔薬、鎮痛薬などの1種または複数の別の成分を含むことができる。
【0068】
好ましい一実施形態において、本発明の実施形態による局所用ゲル組成物は、水分散性形態の二酸化チタン(TiO2)を、好ましくは、製剤中のブリモニジンまたは別の着色成分の色をマスクするために十分であるが、皮膚に刺激を引き起こさない量で、さらに含む。TiO2は、目に軽度の刺激および発赤を引き起こすことがあるため、TiO2を含有する局所投与可能な組成物との目の接触は回避されるべきである。二酸化チタンは、局所投与可能な組成物に白色を付与し、組成物の不透明度を増加させ、透明度を低減するのに役立つ。二酸化チタンは、光(光の中の紫外線照射を含む)を吸収し、反射し、または散乱させ、これは、製品を劣化から保護するのに役立つ。二酸化チタンはまた、日焼け止め剤として使用して、使用者を日光の一部である紫外線照射の有害な作用から保護することもできる。
【0069】
本発明の実施形態によれば、組成物中の水分散性形態の二酸化チタンの量は、0.04%(w/w)、0.0425%(w/w)、0.0525%(w/w)、0.0625%(w/w)、0.0725%(w/w)、0.0825%(w/w)、0.09%(w/w)、0.10%(w/w)、0.15%(w/w)、または0.20%(w/w)などの、約0.04〜0.2%(w/w)である。
【0070】
適した保存剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化デカリニウム、および塩化セチルピリジニウムなどの第四級アンモニウム化合物;アルコール性の薬剤、例えば、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、およびベンジルアルコール;メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、およびブチルパラベンなどのパラベン;抗菌エステル、例えば、パラヒドロキシ安息香酸のエステル;ならびにクロルヘキシジン、クロロクレソール、安息香酸、ポリミキシン、およびフェノキシエタノールなどの別の抗菌剤を含むがこれらに限定されない。好ましくは、保存剤は、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、イミダゾリジニル尿素およびジアゾリジニル尿素からなる群から選択される。
【0071】
ブリモニジンに加えて、本発明の実施形態による局所投与可能な組成物は、毛細血管拡張症を引き起こす基礎疾患を治療するために使用される医薬品、かゆみを制御するための抗ヒスタミン薬、抗生物質、コルチコステロイド、静脈内免疫グロブリン、アセトアミノフェンなどを含むがこれらに限定されない、1種または複数の別の薬学的に活性な成分を任意選択により含むことができる。
【0072】
本発明は、続く非限定的な実施例を参照することにより、よりよく理解されるが、当業者は、実施例が、その後に続く特許請求の範囲においてより完全に記載されている本発明の例示にすぎないことを容易に認識するであろう。
【実施例】
【0073】
実施例1
局所用ゲル製剤
この実施例は、本発明において使用することができる局所用ゲル製剤を例示する。
【0074】
第1の群のゲル製剤を、下記の表1において記載する。
【0075】
【表1】
【0076】
製剤のpHを、約4.5〜7.0に調節する。
【0077】
第2の群のゲル製剤を、下記の表2において記載する。
【0078】
【表2】
【0079】
成分を一緒に混合し、約4.5〜6.5のpHに達し、ゲルが形成されるまで、水酸化ナトリウム水溶液を混合物にゆっくりと添加する。
【0080】
第3の群のゲル製剤を、下記の表3において記載する。
【0081】
【表3】
【0082】
成分を一緒に混合し、約4.5〜6.5のpHに達し、ゲルが形成されるまで、水酸化ナトリウム水溶液を混合物にゆっくりと添加する。
【0083】
第4の群のゲル製剤を、下記の表4において記載する。
【0084】
【表4】
【0085】
成分を一緒に混合し、撹拌する。約5.5〜7.0のpHに到達するまで、トリエタノールアミンを添加する。
【0086】
実施例2
ブリモニジン組成物の比較バイオアベイラビリティおよび薬物動態試験
この試験は、酒さと関連する中等度から重度の紅斑を有する被験者において最大の使用条件下で29日間適用された酒石酸ブリモニジン、点眼液(0.2%)および局所用ゲル(0.07%、0.18%および0.50%)の、無作為化された、評価者盲検の、個体内比較による薬物動態試験であった。主な組み入れ基準は、酒さと関連する中等度から重度の顔面紅斑、CEAスコア≧3、およびIOPレベル11〜21mmHgの臨床診断を含んでいた。酒石酸ブリモニジン点眼液0.2%による1日の治療に続いて、眼への曝露に対する局所曝露の被験者内比較を実施した。
【0087】
合計102人の被験者を、無作為化した(0.5%Gel QD、0.18%Gel BID、0.18%Gel QD、および0.07%Gel BIDにそれぞれ24、26、25および27人の被験者)。1日目の来診時に、酒石酸ブリモニジン点眼液0.2%を1滴、それぞれの目に8時間ごとに24時間にわたって投与した。2日のウォッシュアウト期間の後、局所用ゲル(酒石酸ブリモニジン0.07%、0.18%、または0.50%)1グラムを、1日1回(QD)または2回(BID)、被験者の顔面に4週間適用した。
【0088】
完全なPKプロファイリングのための血液試料を、24時間の眼の治療の間(試験1日目)および局所適用の最初の日(試験4日目)、局所適用15日間(試験18日目)および最後の局所適用後の投与後72時間まで(試験32日目)の間に採取した。さらなる血液試料を、適用前(10日目、24日目)に採取した。ブリモニジン血漿濃度は、10pg/mLの定量下限値(LOQ)を有する、有効性の確認されたLC-MS/MS方法を使用することによって決定した。
【0089】
ブリモニジンについてのPKパラメータを、標準的なノンコンパートメント法を使用して計算し、Cmax、AUC0-24hrを、対数変換したデータを使用して統計学的に分析した。時点間、投与経路間の差異および治療群間の差異の両方について、区間の限界を指数に逆変換して、もとの尺度に対する幾何平均比の90%信頼区間(90%CI)を得た。すべてのCmax(BLQ値をLOQにより置き換える)を使用して、および定量可能なAUC0-24hrのみを使用して、統計分析を実施した。
【0090】
PK結果は、以下のことを実証した。
(1)眼の治療 - 眼の経路による酒石酸ブリモニジン0.2%の投与は、TID治療を受けているすべての患者において、定量可能な(>10pg/mL)曝露をもたらした。点眼液の薬物動態(PK)パラメータは、54±28pg/mLの平均Cmax(範囲16〜134pg/mL)および568±277pg.hr/mLの平均AUC0-24hr(範囲124〜1490pg.hr/mL)を有する。これらは、酒石酸ブリモニジン0.2%(w/w)点眼液の既知のデータ、例えば、NDA 21-262、0.2%Brimonidine Purite反復投与TID、Cmax 65±38pg/mLと一致していた。
(2)局所治療 - 29日間のブリモニジンゲルの毎日の局所適用は、それぞれ、ブリモニジンゲル0.07%BID、0.18%QD、0.18%BIDまたは0.5%QDを投与されている被験者の24%、48%、68%および75%において、定量可能な(>10pg/mL)全身曝露をもたらした。治療期間の終了時に、平均(±SD)Cmaxは、それぞれブリモニジンゲル0.07%BID、0.18%QD、0.18%BIDまたは0.5%QDについて、13±9pg/mL、17±20pg/mL、17±10pg/mL、25±24pg/mLであった。定量可能なAUC0-24hrは、それぞれブリモニジンゲル0.07%BID、0.18%QD、0.18%BIDまたは0.5%QDについて、172±87pg.hr/mL、183±113pg.hr/mL、267±119pg.hr/mL、364±216pg.hr/mLであった。
【0091】
PKプロファイルに対するブリモニジンゲルの反復投与の影響(時間効果4日目/18日目/32日目)を、各局所治療群について評価した。局所適用の最初の日の全身曝露は、すべての治療群において29日間の局所適用の後に観察されたものに匹敵しており、したがって、いかなる用量および投与レジメンであっても、治療継続期間(すなわち4週)全体にわたって薬物蓄積がないことを示唆した。いかなる試験された用量および投与レジメンであっても、局所治療期間全体(4日目、18日目および32日目)にわたって計算された眼/局所の比は、1よりも顕著に低かった。
【0092】
ブリモニジンゲルの局所適用後、全身曝露は、適用される用量とともに増加する。しかしながら、統計分析は、全身曝露(Cmax)が用量に比例しないことを示した。平均Cmaxの増加は、用量比例性よりも低かった。
【0093】
皮膚治療の局所全身曝露(CmaxまたはAUC0-24hrと表される)を、眼の治療後に得られたものと比較した。表5を参照されたい。
【0094】
【表5】
【0095】
試験されたすべての投薬量および投与レジメンにおいて、局所治療期間の継続期間全体(4日目、18日目および32日目)にわたって計算された眼/局所の比は、1よりも顕著に低かった。Cmax平均比は、0.07%BID群について0.2であり、0.18%QD群および0.18%BID群について0.2〜0.3の範囲であり、0.5%QD群について0.3〜0.6の範囲であった。Cmaxについて、90%信頼区間の上限は、いかなる試験された用量および投与レジメンであっても0.8を含まなかった。最も高い比は、15日間の適用後、0.5%QD群において観察された(平均比0.6、90%CI[0.5-0.7])が、29日の局所治療の終了時に確認されなかった(平均比0.4、90%CI[0.3-0.4])。定量可能なAUC0-24hrで、同じ傾向が観察された。臨床試験結果は、試験において試験されたすべての濃度およびレジメンによる局所治療後に得られた全身曝露が、眼科用製品のラベルにおいて推奨されているように適用された目薬を用いて得られた全身曝露と比較して顕著に低いことを実証した。
【0096】
結論として、定量可能なPKプロファイル(少なくともCmax)が、すべての治療群において観察された。全身曝露はブリモニジンの適用される用量とともに増加するが、統計分析は、全身曝露の増加(Cmax)が用量に比例しない、例えば、平均Cmaxの増加が用量の増加よりもはるかに少ないことを示すことが見出された。全身の蓄積についての証拠は観察されなかった。
【0097】
すべての評価された濃度およびレジメンは、忍容性が良好であり、安全であった。平均IOP、生命徴候または日常臨床検査パラメータの臨床的に重要な低減は、局所用ゲル治療群のいずれでも観察されなかった。漸増する薬物濃度またはレジメンは、関連する心臓/血管AEの発生率に対して影響を有さなかった。PKパラメータと局所用ゲルに関連するAEの発生率または重症度との間の関係は特定できなかった。皮膚適用のための局所用ゲルを用いた治療期間(4日目から試験完了まで)の間、SAEは報告されなかった。2例のSAEが、点眼液治療期間(1〜3日目)の間に2人の被験者において報告され、1例のSAE(急性低血圧事象)は点眼液に関連すると考えられた。SAEを有した両被験者は、局所用ゲルへの曝露の前に試験を中止した。
【0098】
試験結果は、試験されたブリモニジンのすべての濃度およびレジメンを用いた影響を受けている皮膚領域の局所治療後に得られた全身曝露は、眼科用製品のラベルにおいて推奨されているように適用された目薬(0.2重量%の酒石酸ブリモニジン)を用いて得られた全身曝露と比較して顕著に低いことを実証した。
【0099】
この比較バイオアベイラビリティおよび薬物動態試験の結果に基づくと、0.2%(w/w)より高いブリモニジン濃度を、皮膚障害の安全かつ有効な治療のために、影響を受けている皮膚領域への局所投与に使用することができる。
【0100】
実施例3
酒石酸ブリモニジンゲル組成物の臨床試験
臨床試験
単回投与、無作為化、二重盲検、並行群間、ビヒクル対照、用量探索試験を実施して、中等度から重度の安定な紅斑毛細血管拡張性酒さ(erythematotelangiectatic rosacea)を有する被験者における、3通りの濃度の酒石酸ブリモニジン、すなわち、0.07重量%、0.18重量%および0.50重量%を含有する3種のゲル製剤の薬力学および安全性を評価した。
【0101】
合計122人の被験者を無作為化して、3種の局所用ゲル製剤のうち1種(0.5%、0.18%、0.07%についてそれぞれN=31、N=31、N=28)、またはビヒクルゲル(N=32)を1回適用した。朝、顔面に単回適用した。被験者は、必須である投与後12時間の観察期間にわたり治験実施施設に滞在した。122人の被験者全員が試験を完了し、包括解析(ITT)集団および安全性集団に含まれた。合計117人の被験者(96%)が、ポピュレーションポイント(PP)集団に含まれた。
【0102】
各患者の毛細血管拡張症は、Telangiectasia Global Assessment (TGA)により0〜4の尺度でグレード付けされ、0は、毛細血管拡張症の徴候なしの評点、4は、明瞭に視認できる毛細血管拡張が多く存在する重度の毛細血管拡張症の評点であった。TGAスコアは、治療前または投与前、および、治療後の多様な時点で記録した。
【0103】
TGAスコアの変化は、分析施設、治療を要因とし、対応するベースライン値を共変量とした、共分散モデル分析(ANCOVA)を用いて分析した。
【0104】
治療の効力
表6に、投与前ベースラインから12時間の間隔をおいた時点までのTGAの平均変化量(average mean change)、ならびに平均変化量の最小値(min)および最大値(max)の要約を示す。0.5%(w/w)ブリモニジンで治療した結果、ビヒクルまたはより低濃度のブリモニジン、例えば0.18%(w/w)または0.07%(w/w)で治療した場合の値と比較してTGAは大きく低下した。
【0105】
【表6】
【0106】
また、図1〜6に示すように、0.5%(w/w)ブリモニジンで治療した場合、毛細血管拡張症の顕著な低減が、例えば治療の30分後に観察され、治療後、実に12時間持続した。
【0107】
ブリモニジンの濃度が増加してもその効力は大幅に高まらないようであり、ブリモニジンの濃度が、例えば0.1%(w/w)に低下してもそのIOPを低下させる効力は維持されるというブリモニジンの眼への適用を考慮すると、臨床試験で観察された、0.5%(w/w)ブリモニジンによる毛細血管拡張症のより有効かつ長時間持続する治療は予想外である。
【0108】
治療の安全性
投与前時点(T0)および治療当日12時間時点で、眼内圧(IOP)を測定した。すべての治療群において、わずかな低減が観察された。しかし、ブリモニジンの投与量レベルに関連がある明らかなパターンは同定できなかった。結果は、毛細血管拡張症の影響を受けている皮膚領域に、ブリモニジンを0.5%(w/w)まで濃度を漸増させて局所適用しても、IOPに対する効果は向上しなかったことを示している。
【0109】
重篤な有害事象(SAE)および試験の中止に至る有害事象(AE)は報告されなかった。AE数は、群間で匹敵している。用量レベルの増加に伴うAE数の増加は認められない。許容できない薬物関連有害事象は観察されなかった。
【0110】
より低濃度のブリモニジン、例えば、0.1%(w/w)の慢性的使用が、IOPを低下させる効力を維持しながら改善された忍容性を提供するブリモニジンの眼への適用とは異なり、この臨床試験により、より高濃度のブリモニジンが、より低濃度のブリモニジンと比較して、患者の安全性および忍容性に観察できる変化を引き起こさずに、毛細血管拡張症または関連する症状の治療において顕著に改善された臨床効力を提供することが予想外に発見された。
【0111】
その広範な発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に対して変更を行うことができることが、当業者によって認識されるはずである。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内の変更形態を包含することが意図されることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6