(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747412
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ブロー成形装置及び容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 49/58 20060101AFI20150625BHJP
B29C 49/42 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
B29C49/58
B29C49/42
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-285564(P2011-285564)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-132856(P2013-132856A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 澄人
(72)【発明者】
【氏名】田村 信之
(72)【発明者】
【氏名】永嶋 猛
【審査官】
長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−166482(JP,A)
【文献】
特開2011−105019(JP,A)
【文献】
特開平04−173131(JP,A)
【文献】
特開2003−201129(JP,A)
【文献】
特開平11−070567(JP,A)
【文献】
特表2010−528900(JP,A)
【文献】
特開平11−048316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00−49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に口筒部(32)を起立設した有底筒状のプリフォーム(31)のブロー成形装置であって、前記プリフォーム(31)が口筒部(32)を外部に突出させた状態で型内に装着するブロー成形用の金型(1)と、前記プリフォーム(31)を金型(1)に装着した状態で前記口筒部(32)に密に連通して該プリフォーム(31)内に第1の加圧流体(Fp1)を供給するブローノズル(4)と、前記ブローノズル(4)に第1の加圧流体(Fp1)を供給する加圧装置(21)と、前記ブローノズル(4)と共に金型(1)から突出したプリフォーム(31)の口筒部(32)の外周面を、空間(S)を介して密に囲繞する隔壁部材(11)を有し、ブロー成形時に前記空間(S)に第2の加圧流体(Fp2)を供給する加圧流体供給部(22)を配設し、前記加圧装置(21)からブローノズル(4)への第1の加圧流体(Fp1)の配管(P1)を分岐し、該第1の加圧流体(Fp1)の一部を前記加圧流体供給部(22)の加圧手段として使用する構成としたことを特徴とするブロー成形装置。
【請求項2】
第1の加圧流体(Fp1)は液体、第2の加圧流体(Fp2)は気体とした請求項1記載のブロー成形装置。
【請求項3】
ブローノズル(4)の先端に配設した嵌入筒片(5)をプリフォーム(31)の口筒部(32)に嵌入し、該ブローノズル(4)の外周壁に先端に向かって縮径する周段部(6)を周設し、該周段部(6)と口筒部(32)の上端面のシール部材(7a)を介した当接により、前記空間(S)と前記プリフォーム(31)の内部を相互にシールする構成とした請求項1または2記載のブロー成形装置。
【請求項4】
プリフォーム(31)は口筒部(32)の下端にネックリング(33)を有し、該ネックリング(33)に隔壁部材(11)の下端部が密に当接する構成とした請求項1、2または3記載のブロー成形装置。
【請求項5】
ブローノズル(4)に延伸ロッド(8)を挿通、配設した請求項1、2、3または4記載のブロー成形装置。
【請求項6】
有底筒状のプリフォームをブロー成形する容器の成形方法であって、有底筒状のプリフォーム(31)の口筒部(32)を外部に突出させた状態でブロー成形用の金型(1)に装着し、加圧装置(21)により第1の加圧流体(Fp1)を、ブローノズル(4)を介して前記口筒部(32)からプリフォーム(31)内に供給すると共に、前記第1の加圧流体(Fp1)の一部を加圧手段とした加圧流体供給部(22)により、前記口筒部(32)の外周面に第2の加圧流体(Fp2)を供給して該外周面側からも加圧した状態でブロー成形することを特徴とする容器の成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のプリフォームをブロー成形するための装置及びこの装置を使用した容器の成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製ブロー成形壜体、特にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体(所謂、ペットボトル)が、数多くの優れた特性を発揮することから、壜体容器として多方面で多量に使用されている。
この種の容器は、有底筒状に射出成形されたプリフォームを、延伸効果を発現させることのできる温度に加熱した状態で、軸方向および径方向に延伸変形させて成形されるのが一般的である。
【0003】
すなわち、
図2(特許文献1の
図12に相当する。)に示すように、ガイド筒部110にゆるく嵌合した状態で保持治具105に保持され、延伸効果が発現する温度に加熱されたプリフォーム31を、保持治具105と一緒にブロー金型101に、プリフォーム31の口筒部32の外周面下端に一体周設したネックリング33を、ブロー金型101のネック支持鍔部103に係止させた状態で組付け、保持治具105の中央に貫通形成された挿通孔111を通して挿通される延伸ロッド116により軸方向に延伸成形すると共に、挿通孔111もしくは延伸ロッド16を通して、加圧流体であるブローエアにより径方向に延伸成形して、壜体41への成形を達成する。
【0004】
このプリフォーム31の壜体41へのブロー成形に際して、プリフォーム31内に圧入されるブローエアのシール、すなわちブロー圧力のシールは、プリフォーム31の口筒部32の上端面とガイド筒部110の基端部を、シール部材115を介して密に当接させることにより達成される。
【0005】
また、特許文献2には加圧流体としてブローエアの替わりに液体を使用してプリフォームをブロー成形する、プラスチック容器の成形方法に係る発明が記載されており、製品として充填する水、お茶、清涼飲料水を使用すれば、充填工程を省略することができ、生産ラインを簡略化できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−251685号公報
【特許文献2】特開2000−43129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記のようにプリフォームを壜体にブロー成形する際には、大きなブロー圧力がプリフォームに作用するのであるが、従来技術にあっては、
図2も示したようにブロー圧力のシールをプリフォーム31の口筒部32の上端面で達成しているので、大きなブロー圧力がプリフォーム31の延伸される胴部だけではなく口筒部32にも作用し、一方、口筒部32の外周面を囲繞する空間Sは大気圧であるため、プリフォーム31の口筒部32の拡径変形が発生すると云う恐れがあった。
【0008】
特に、口筒部外周面に螺条を刻設したものにあっては、この螺条の存在により局部的に肉薄部分を生じることになって変形し易い状態となるため、口筒部の拡径変形が発生し易く、たとえば内径が22mmの口筒部32で、
図3の右半部で示したように、壜体41への成形後、口筒部32に半径で変形量d=0.2mm程度の拡径変形が発生し、この変形程度は、口筒部32のねじ部の許容寸法範囲を離脱しているため、不良品扱いとなった。
【0009】
そこで、本発明は装置の構成を大きく変更することなく、プリフォームを容器にブロー成形する際におけるブロー圧力に起因する口筒部の拡径変形を効果的に防止することができるブロー成形装置を創出することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明のブロー成形装置に係る主たる構成は、
上端に口筒部を起立設した有底筒状のプリフォームのブロー成形装置であって、
プリフォームが口筒部を外部に突出させた状態で型内に装着するブロー成形用の金型と、プリフォームを金型に装着した状態で口筒部に密に連通してプリフォーム内に第1の加圧流体を供給するブローノズルと、ブローノズルに第1の加圧流体を供給する加圧装置と、ブローノズルと共に金型から突出したプリフォームの口筒部の外周面を、空間を介して密に囲繞する隔壁部材を有し、
ブロー成形時に前記空間に第2の加圧流体を供給する加圧流体供給部を配設し、加圧装置からブローノズルへの第1の加圧流体の配管を分岐し、この第1の加圧流体の一部を加圧流体供給部の加圧手段として使用する構成とする、と云うものである。
【0011】
上記構成の装置によれば、プリフォーム内に第1の加圧流体を供給して実施するブロー成形時に口筒部の外周面とこの外周面を密に囲繞する隔壁部材で形成される空間に第2の加圧流体を供給することにより、口筒部の内外の圧力をバランスさせることができ、ブロー成形する際における、第1の加圧流体によるブロー圧力に起因する口筒部の拡径変形を効果的に防止することができる。
【0012】
そして、第1の加圧流体を供給する加圧装置からブローノズルへの第1の加圧流体の配管を分岐し、この第1の加圧流体の一部を加圧流体供給部(以下、単に供給部と記載する場合がある。)の加圧手段として使用する構成とすることにより、第2の加圧流体の供給部については、コンプレッサーやポンプ等の大型の動力源を必要とする第2の加圧装置を別途設置する必要がなく、
また第1の加圧流体を供給する加圧装置はブロー成形機について常設される設備でもあるので、従来の装置の構成を大きく変更することなく、第2の加圧流体の供給を実施することができる。
【0013】
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、第1の加圧流体は液体、第2の加圧流体は気体とする、と云うものである。
上記構成によれば、第1の加圧流体に製品として充填する飲料や、化粧品や薬品等の液体を使用すれば、充填工程を省略することができ、生産ラインを簡略化できる。
勿論、第1の加圧流体と第2の加圧流体は上記組合せに限定されるものではない。
【0014】
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、ブローノズルの先端に配設した嵌入筒片をプリフォームの口筒部に嵌入し、ブローノズルの外周壁に先端に向かって縮径する周段部を周設し、この周段部と口筒部の上端面のシール部材を介した当接により、口筒部に外周面を囲繞する空間とプリフォームの内部を相互にシールする構成とする、と云うものである。
【0015】
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、プリフォームは口筒部の下端にネックリングを有し、このネックリングに隔壁部材の下端部が密に当接する構成とすると云うものである。
上記2つの構成は、口筒部の外周面を空間を介して隔壁部材で密に囲繞するための具体的な構成に係るものである。
【0016】
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、ブローノズルに延伸ロッドを挿通、配設する、と云うものであり、
この延伸ロッドによりプリフォームを縦方向に延伸する。
【0017】
上記課題を解決するための本発明の容器の製造方法は、
有底筒状のプリフォームをブロー成形する容器の成形方法において、
有底筒状のプリフォームの口筒部を外部に突出させた状態でブロー成形用の金型に装着し、
加圧装置により第1の加圧流体を、ブローノズルを介して口筒部からプリフォーム内に供給すると共に、
第1の加圧流体の一部を加圧手段とした加圧流体供給部により、口筒部の外周面に第2の加圧流体を供給して該外周面側からも加圧した状態でブロー成形することを特徴とする容器の製造方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明のブロー成形装置は、上記した構成となっており、
プリフォーム内に第1の加圧流体を供給して実施するブロー成形時に口筒部の外周面とこの外周面を密に囲繞する隔壁部材で形成される空間に第2の加圧流体を供給することにより、口筒部の内外の圧力をバランスさせることができ、ブロー成形する際における、第1の加圧流体によるブロー圧力に起因する口筒部の拡径変形を効果的に防止することができる。
【0019】
そして、第1の加圧流体を供給する加圧装置からブローノズルへの第1の加圧流体の配管を分岐し、この第1の加圧流体の一部を加圧流体供給部の加圧手段として使用する構成とすることにより、
第2の加圧流体の供給部については、コンプレッサーやポンプ等の大型の動力源を必要とする加圧装置を別途設置する必要がなく、
また第1の加圧流体を供給する加圧装置はブロー成形機について常設される加圧装置でもあるので、従来の装置の構成を大きく変更することなく、第2の加圧流体の供給を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の装置の実施形態の例を示す要部の断面図である。
【
図2】従来の装置の一例の要部を示す断面図である。
【
図3】口筒部の拡径変形の態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のブロー成形装置の一実施形態である2軸延伸ブロー成形装置の例の要部を示す断面図であり、ブロー成形用の金型1にプリフォーム31を装着した状態を示している。
このプリフォーム31の形状は全体として有底円筒の試験管状で、上端部に口筒部32を起立設し、この口筒部32の下端部にはネックリング33が配設されており、口筒部32を外部に(
図1中では上方に)突出させた状態で金型1内に装着されている。
【0022】
この装置の主要部は金型1、隔壁部材11、ブローノズル4、延伸ロッド8、固定ブロック15を有し、付属設備として加圧装置21と加圧流体供給部22が配置している。
主要部についてみると、隔壁部材11は、金型1の上方に突出したプリフォーム31の口筒部32の外周面を、空間Sを介して囲繞するように金型1の上方に配設されている。また、隔壁部材11の下端部に周設した支持鍔片12をプリフォーム31のネックリング33に上方から密に当接させて、プリフォーム31の装着姿勢を保持するようにしている。また、後述する第2の加圧流体Fp2の導入路がF2配設されている。
【0023】
ブローノズル4は後述する第1の加圧流体Fp1をプリフォーム31の内部に供給するための導入路F1を構成する部材で、上部はテーパー筒状で、先端には円筒状の嵌入筒片5が配設され、また外周壁には先端に向かって縮径する周段部6が周設されており、嵌入筒片6がプリフォーム31の口筒部32に緩く嵌入し、周段部6と口筒部32の上端面からなるシール部材(Oリング)7aを介した当接により、空間Sとプリフォーム32の内部を相互にシールするようにしている。
【0024】
固定ブロック15はブローノズル4を隔壁部材11に組付け固定するための部材であり、この固定ブロック15とブローノズル4の間にはシール部材7bが配設されている。
【0025】
延伸ロッド8はブローノズル4の導入路F1中に同軸心状に挿通、配設される。この延伸ロッド8を、その先端部をプリフォーム31の底部の内周面に当接させた状態で、アクチュエーター(図示省略)で下方に移動させることにより、プリフォームを縦延伸することができる。
なお、ブロー成形の条件によっては、延伸ロッド8を使用しない場合もある。
【0026】
そして、上記した各部材を組付けた状態では、隔壁部材11の支持鍔片12とネックリング33の密な当接と、周段部6と口筒部32の上端面のシール部材7aを介した当接により、口筒部32の外周面は隔壁部材11により空間Sを介して密に囲繞された状態、すなわち空間Sが密閉された状態となる。
勿論、空間Sを密閉状にする手段は上記シール手段に限定されるものではなく、各部材の構成やその配置、生産性を考慮して適宜、設定できるものである。
【0027】
次に、付属設備についてみると、
配管P1を通してプリフォーム31をブロー成形するための第1の加圧流体Fp1を供給する加圧装置21は、従来からブロー成形では必須の設備であり、加圧ポンプやコンプレッサー等の大型の設備である。
【0028】
一方、空間Sに第2の加圧流体Fp2を供給する供給部22は、上記配管P1を分岐した配管P12により導入した第1の加圧流体Fp1の一部を加圧手段として使用するものである。
図示した供給部22はプランジャーポンプ状であり、配管12から上の室に導入した第1の加圧流体Fp1の圧力により、下の部屋の流体を加圧し、適宜の圧力に加圧された加圧流体Fp2を配管P2により隔壁部材11に配設された導入路F2に供給する。
そして、このように供給部22は加圧源、すなわち動力源として第1の加圧流体Fp1を利用するものであり、別途、加圧装置を設置する必要もなく既存の成形装置の構成を大きく変更することなく、第2の加圧流体Fp2を供給することができる。
なお、加圧流体供給部22としては、図示したプランジャーポンプ状のものの他にも、二部屋を有するピストン内蔵のシリンダー等を使用することができる。
【0029】
そして、この供給部22により適宜の圧力に加圧された第2の加圧流体Fp2が配管P2、隔壁部材11に配設された導入路F2を経て空間Sを所定の圧力に加圧する。
加圧の程度は、基本的には空間Sの圧力を第1の加圧流体Fp1によるプリフォーム31内部の圧力と同程度にするが、もちろん口筒部32の変形がない程度の範囲で許容範囲があり、必ずしも正確に一致させる必要はない。
【0030】
ここで、第1の加圧流体Fp1としては空気等の気体の他にも液体も使用することができ、製品として充填する飲料や、化粧品や薬品等の液体を使用すれば、充填工程を省略することもでき、生産ラインを簡略化できる。
また、第2の加圧流体Fp2については、流体の回収等の工程を考慮すると主として空気等の気体を使用するが、液体を使用することも可能であり、
第1の加圧流体Fp1と第2の加圧流体Fp2は、目的に応じて、気体/気体、気体/液体、液体/気体、液体/液体と、任意に組み合せることができる。
【0031】
次に、
図1に示す装置を使用した、有底筒状のプリフォームをブロー成形、特に2軸延伸ブロー成形する、容器の成形方法について説明する。
成形工程は次の(1)〜(7)のようである。
(1)2軸延伸ブロー成形に適した温度に加熱したプリフォーム31を、口筒部32を上方に突出させた状態でブロー成形用の金型1に装着し、型締めする。
(2)組付け固定した隔壁部材11とブローノズル4と固定ブロック15を口筒部32の上方から下降させて、ブローノズル4の嵌入筒片5を口筒部32に嵌入する。この際、隔壁部材11の支持鍔片12がプリフォーム31のネックリング33に当接し、またブローノズル4の周段部6がシール部材7aを介して口筒部32の上端面に当接し、プリフォーム31の装着姿勢が固定される共に、空間Sが密閉状態となる。
また、延伸ロッド8をブローノズル4に挿通して、同軸心状に配設する。
(3)延伸ロッド8によりプリフォーム31を縦延伸する。
(4)上記縦延伸後、あるいは縦延伸と略同時に加圧装置21から第1の加圧流体Fp1を、ブローノズル4を介してプリフォーム31の内部に供給し、プリフォーム31を膨張変形させる。
(5)上記、第1の加圧流体Fp1のプリフォーム31の内部への供給と略同時に、第1の加圧流体Fp1の一部を加圧手段とした供給部22から第2の加圧流体Fp2を配管P2、導入路F2を介して空間Sに供給する。
(6)第1の加圧流体Fp1によるブロー成形により、
図1中、二点鎖線で示したように、金型1のキャビティ2に沿って壜体41を賦形する。
(7)壜体41の賦形の終了後、第1の加圧流体Fp1と第2の加圧流体Fp2の供給を停止し、組付け固定した隔壁部材11とブローノズル4と固定ブロック15を口筒部32の上方に移動させ、型開きして壜体41を離型する。
【0032】
以上、本発明のブロー成形装置の実施形態の例について説明したが、本発明は、上記説明の中でも随所に記載したように、上記した実施形態に限定されるものではない。
上記の本発明の装置の例は、PET樹脂製やポリプロピレン樹脂製等の合成樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体の成形に適したものであるが、本発明の装置は2軸延伸ブロー成形に限定されるものではなく、一般的にプリフォームを膨張状に変形させて容器に賦形するブロー成形に使用することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上説明したように、本発明のブロー成形装置は、ブロー成形のための加圧流体の一部を利用してプリフォームの口筒部の外周面側からも加圧できるようにしたもので、既存の装置の構成を大きく変更することなくブロー圧力による口筒部の拡径変形を効果的に防止することを可能としたものであり、ブロー成形の分野での幅広い利用展開が期待される。
【符号の説明】
【0034】
1 ;金型
2 ;キャビティ
4 ;ブローノズル
5 ;嵌入筒片
6 ;周段部
7a、7b;シール部材
8 ;延伸ロッド
11;隔壁部材
12;支持鍔片
15;固定ブロック
21;加圧装置
22;(加圧流体)供給部
F1;導入路
F2;導入路
Fp1;(第1の)加圧流体
Fp2;(第2の)加圧流体
P1、P12、P2;配管
S ;空間
31;プリフォーム
32;口筒部
33;ネックリング
41;壜体
101;金型
103;ネック支持鍔部
104;組付け凹部
105;保持治具
110;ガイド筒部
111;挿通孔
115;シール部材
116;延伸ロッド