(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の導線群の概略全部及び前記第2の導線群の主要部が第1の配線層に形成され、前記第2の導線群のうち、前記第1の導線群と交差する交差領域及び前記第3の導線群の概略全部が第2の配線層に形成され、前記第2の導線群の前記主要部と前記交差領域とがコンタクトで結ばれていることを特徴とする請求項1記載の非矩形状の画素アレイ。
前記複数の非矩形画素のそれぞれが、カラー表示を構成する所定の複数色のうち、何れかの色の色画素をなすと共に、前記複数色の前記色画素の組合せにより前記カラー表示用の単位画素が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の画素アレイ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、この発明
と関連する参考発明とを含む発明群の実施形態の
基本的概要について説明する。
この発明
群の最良の実施形態では、非矩形の画素からなると共に、少なくとも3種類の導線(配線)が、各画素を囲む部位で、互いに交差する構成からなっている。
このように、非矩形の画素を用いた非矩形状の表示装置において、画素に対応する少なくとも3種類の導線群が互いに交差するときに、互いに交差しない構成に較べて、画素内を横切る任意の1つの導線の長さを短くでき、必要に応じて、横切る長さを最小に設計できる(
図35(b))。
【0027】
この点について、
図35及び
図36を参照して説明する。
図35は、第1の導線71と第2の導線72とで囲まれた非矩形画素70の領域を通過する態様に第3の導線73a又は73bが配線される構成を示す図であり、同図(a)は、第3の導線73aを第1の導線71に対して平行に配線した例を示し、また、同図(b)は、第3の導線73bを第1及び第2の導線71、72に対して非平行に配線し、第3の導線73bが第1及び第2の導線71、72の双方と交わると共に、第2の導線82と直交する態様に配線した例を示す図である。
図36は、第1の導線81と第2の導線82とで囲まれた矩形画素80の領域を通過する態様に第3の導線83a又は83bが配線される構成を示す図であり、同図(a)は、第3の導線83aを第1の導線81に対して平行に配線した例を示し、また、同図(b)は、第3の導線83bを第1及び第2の導線81、82に対して非平行に配線し、第3の導線83bが第1及び第2の導線81、82の双方と交わると共に、第2の導線72と直交する態様に配線した例を示す図である。
図35に示す非矩形画素70の領域と
図36に示す矩形画素80の領域とは、底辺及び高さ同一で、したがって、互いに同一の面積に設定されている。
【0028】
上記配置例のうち、第3の導線が画素70、80を横切る距離が最も短くなる配置例は、
図35(b)の配置例である。それゆえ、非矩形画素に対応する第1、第2及び第3の導線群が互いに交差する構成(
図35(b))が、画素70内を横切る第3の導線の長さを短くでき、必要に応じて、横切る長さを最小に設計でき、それゆえ、画像の明るさに影響を及ぼす画素の開口率を高く設定することができる。また、直角に近い状態で交差する程、交差部分の面積を小さくできるので、付随する寄生容量を軽減でき、導線の長さ及び交差部の面積に依存する信号の遅延も減少できる。
【0029】
この発明
群の最良の実施形態では、画素が非矩形であるので、矩形画素に較べて、表示エリア外周において階段状の画素配置にはならず、実現したい外形に即した形状に画素を配置することができる。
この理由は、画素の形状が矩形でないため、画素の配列は直角に交わる2軸に制限されずに、例えば、直角でない角度で交わる2軸に沿って配置することができるし(例えば、平行四辺形画素)、互いに交わる3軸に沿って配置することもできる(例えば、三角形画素)ためである。換言すれば、直角でない角度で交わる2軸や、互いに交わる3軸に沿って配置される構成では、直角に交わる2軸に沿って配置される構成(例えば、矩形画素)に較べて、配置の方向自由度が高くなるためである。ここでいう方向自由度とは、並進性のみに基づいて全ての画素配置を考慮する場合、並進可能な方向を言う。
【0030】
直角に交わる2軸の構成では、独立な2軸方向での並進性が直角方向に限定されるが、直角でない角度で交わる2軸の構成(例えば、平行四辺形画素)では、独立な2軸方向での並進性は直角に限定されない。さらに、互いに交わる3軸の構成(例えば、三角形画素)では、独立な3軸方向での並進性が可能となる。3軸の並進性があり、かつ、回転対称でない2種類のサブ画素(例えば、頂点上向きの三角形のサブ画素と頂点下向きの逆三角形のサブ画素)を用いれば、一段と複雑な並進方向性を決定できるので、直角方向以外の方向の表示エリア外形も容易に実現できる上、表示したい外形をぎざぎざ感なく表示することもできる。
加えて、この発明
群の実施形態として、非矩形状の表示装置のうち、例えば、表示エリア内部に中空部分又は貫通孔部分を有する極めて異形の表示装置も容易に実現できるので、装置外観に対する意匠効果の発揚に寄与できる。
【0031】
以下、図面を参照し
て、この発明と関連する参考発明とを含む発明群の実施形態について詳細に説明する。
図1は、
参考発明の第1の実施形態である非矩形状の表示装置の構成を概略的に示す正面図、
図2は、同表示装置を構成する表示エリア内の画素及び各種配線パターンを概略的に示す正面図、
図3は、同表示エリアの一部を拡大して模式的に示す拡大図、また、
図4は、同表示エリアの外周部分を拡大して模式的に示す拡大図である。
この実施形態の表示装置1は、
図1及び
図2に示すように、装置外形が勾玉形状をなす非矩形状の表示装置に係り、勾玉形状の基板2と、この基板2の表面に、基板2と略同形(相似形)の、同じく勾玉形状に形成された表示エリア(画素アレイ)3と、表示エリア3の外周と基板2の外周との間の領域に分散配置された長尺状又は長尺曲線上の第1の周辺回路4、4、…、第2の周辺回路5、5、…、及び第3の周辺回路6とから概略構成されている。
【0032】
上記表示エリア(画素アレイ)3は、例えば、頂点が上向きの三角形、頂点が下向きの逆三角形、平行四辺形等の形状をなす複数の非矩形画素7、7、…からなると共に、これらの非矩形画素7、7、…は、互いに交差する態様で基板2上に多層に配線された、複数の第1の導線8、8、…からなる第1の導線群と、複数の第2の導線9、9、…からなる第2の導線群と、複数の第3の導線10、10、…からなる第3の導線群とによって画成されている。
複数の非矩形画素7、7、…は、2次元的に配列されて勾玉形状の広がりをなし、画素毎に設けられたアクティブ素子や画素電極等が、対応する第1の導線8、8、…、第2の導線9、9、…、第3の導線10、10、…に接続されている。なお、
図2では、簡単のため、第1、第2及び第3の導線8、9、10、…の配線数を実際の表示装置より少なく描いている。
【0033】
上記第1の周辺回路4は、第1の導線群に属する各第1の導線8、8、…を駆動する。この実施形態の勾玉形状の表示エリア構成では、例えば、基板2の外周部に設けられた3つの第1の周辺回路4、4、…により、表示エリア3に配線される全ての第1の導線8、8、…を駆動することができる。第2の周辺回路5は、第2の導線群に属する各第2の導線9、9、…を駆動する。この実施形態では、例えば、基板2の外周部に設けられた3つの第2の周辺回路5、5、…により、表示エリア3に配線される全ての第2の導線9、9、…を駆動することができる。第3の周辺回路6は、第3の導線群に属する各第3の導線10、10、…を駆動する。この実施形態では、例えば、基板2の外周部に設けられた1つの第3の周辺回路6により、表示エリア3に配線される全ての第3の導線10、10、…を駆動することができる。
【0034】
ここで、第1、第2及び第3の導線群のうち、任意の1の導線群に属する各導線が行導線の役割を果たし、任意の他の導線群に属する各導線が列導線又は第1の列導線の役割を果たし、また、残りの導線群に属する各導線が、第2の列導線、あるいは、例えば蓄積容量線、共通電極電位を供給する導線群、又は任意の固定電位又は周期的に変化する任意の電位を供給する電源線や信号線等の役割を果たすように構成することができる(
後述する各実施例参照)。
【0035】
この実施形態では、任意の第1、第2及び第3の導線8、9、10、…は、
図2及び
図3に示すように、1点にて互いに交差する態様で配列されていて、互いに隣接する3つの交差点は、第1、第2及び第3の導線8、9、10、…によって画成される三角形の領域(画素7又は画素の半分)の頂点をなしている。これら3種類の導線8、9、10、…で囲まれる三角形の領域が個々の非矩形の画素に相当し、非矩形の各画素は、
図2では、全ての辺の長さが異なる三角形の形状として描かれているが、これに限定するものではなく、正三角形の形状に形成されても良く、二等辺三角形に形成されても良いし、概略三角形の形状(異形の三角形)に形成されても良い。なお、
図3は、
図2の表示エリアを部分的に拡大して示すものであるが、
図3には、各画素は、便宜上、正三角形に近い二等辺三角形の形状として描かれている。また、3つの導線のうち、行導線の役割を果たす1の導線と列導線の役割を果たす他の導線とが交差する角度は、この実施形態では、
図3に示すように、65度で交差するように設定されているが、これに限定されるものではなく、交差角度は任意であり、必要に応じて決められる。
【0036】
この実施形態によれば、
図2に示すように、第1、第2及び第3の周辺回路4、5、6を、互いに干渉(取り合い)することなく容易に配置することができる。また、この実施形態では、三角形の繰り返し単位を基本としているので、従来の装置構成に較べれば、極めて容易に設計できる。
【0037】
図4には、この実施形態の表示エリアの外周部分が拡大して示されている。なお、
図4では、例えば、三角形の画素7と表示エリア3の外周を判り易くするために、一つの画素7を選び塗りつぶして示す一方、第1、第2及び第3の導線8、9、10、…からなる各種導線群は図示していない。
非矩形の画素7、7、…から構成される、この実施形態の表示エリア3の外形11aは、
図4から明らかなように、実現したい表示エリアの外径(外周曲線領域の形状)12を完全には再現できていないものの、矩形の画素47、47、…を用いる従来の非矩形の表示エリア3の外形11b(
図47)と較べれば明らかなように、実現したい表示エリアの外形12に一段と良好に追従できていることが判る。
すなわち、
図47の従来の矩形画素47を用いる表示エリアでは、実現したい外形への追従性が悪く、大幅にぎざぎざの外形となってしまっている。
このように、従来の矩形画素47、47、…を用いる非矩形状の表示装置では、表示エリアの外形がぎざぎざ感を与え、非矩形の形状からかもし出される外観美を損ねるのに対して、この実施形態による非矩形の表示エリア7では、外形のぎざぎざ感が緩和されるので、非矩形の形状からかもし出される外観美を保持できる。
【0038】
この実施形態によれば、非矩形の画素を用いるので、画素の配列は直角に交わる2軸に制限されずに、例えば、直角でない角度で交わる2軸に沿って配置することができるし(例えば、平行四辺形画素)、互いに交わる3軸に沿って配置することもできる(例えば、三角形画素)ので、
図2に示すように、第1、第2及び第3の周辺回路4、5、6を、互いに干渉(取り合い)することなく容易に配置することができる。また、この実施形態では、三角形の繰り返し単位を基本としているので、従来の装置構成に較べれば、極めて容易に設計できる。
【0039】
次に、
図5乃至
図7を参照して、この実施形態の表示装置の表示動作について説明する。実現したい表示エリアの外周形状と相関のある図形を表示するには、表示エリア3の外周の各点と、表示エリア3内の(複数の)任意の点とを結んだ線を一定の規則により略等距離に等分した点を互いに結んだ線で形成される等高線状の図形13を表示する。すなわち、まず、表示エリア3内に、地図での山頂に相当する点を2点P1、P2を選択する(
図5の白抜きの点)。次に、選んだ2点P1、P2に地図で言う標高に相当する数値を割り当てることにより、重みづけを与える。ここで、大きい数値が与えられた点は、より重みが高い。これらの2点P1、P2間を結ぶ線分は、地図での尾根(稜線)に相当する。例えば、この尾根に相当する線分Lとして、
図5に示すように、外形に応じた曲線の一部が選ばれる。この尾根に相当する線分Lを、これら2点P1、P2間の線分に沿った距離で等分し、同時に2点P1、P2間の数値の差を等分したものと対比することで、尾根上の各点に数値を割り当てる。こうして得られた尾根上の各点と、表示エリア3の外周の各点を結ぶ線分を線分に沿った距離で等分し、同時に2点間の数値の差を等分したものと対比することで、表示エリア3全体に数値を割り当てる。次に、表示エリア3に割り当てられた数値を基にして、等数値線を作成することにより、表示エリア3内に表示したい図形13(実現したい表示エリアの外周形状と相関のある等高線状の形状)が得られる。
【0040】
図6は、表示エリア3に実際に表示される等高線状の図形を例示する図である。また、比較例として、
図48に、従来の矩形画素47、47、…を用いる非矩形状の表示エリアの外周形状と相関のある等高線状の図形55を表示した例を示している。
図48の比較例では、表示したい等高線状の図形55に対し、実際に表示される等高線状の図形56はかなり異なったものとなっていることが判る。すなわち、表示される等高線状の図形56の外周が大きくぎざぎざになっていることが判る。これに対して、
図6に示すこの実施形態による等高線状の図形表示では、実際に表示される等高線状の図形14aの外周のぎざぎざ感が、はるかに緩和されていることが判る。
【0041】
図6の図形表示例では、画素7の面積に対する表示したい領域が占める面積の割合によって、表示する画素、表示しない画素を決定している。この結果、外周の平均的な勾配と逆向きになったような画素が存在しており、一部ぎざぎざ感が残る。このぎざぎざ感は、ソフト的な処理を施すことで、緩和できる。
図7に、ソフト的な処理を施すことで、ぎざぎざ感がさらに緩和できた例を示す。ここで言うソフト的な処理とは、表示したい図形13の外周の勾配に対し、実際に表示される画素がなす勾配が逆方向になる場合、その画素を表示にしない処理である。このようなソフト処理によれば、
図7に示すように、
図6の処理に較べて、さらに一層滑らかな疑似曲線図形14bを表示できる。なお、
図48に示す比較例では、上記したと同様のソフト的な処理を実施できないため、
図7に示す表示例は、従来技術による
図48のそれと較べれば、ぎざぎざ感が極めて少ない良好な画像表示を得ることができる。
【0042】
なお、変形例として、尾根の線分Lをさらに複雑にすると、それに応じた意匠効果を実現できる。例えば、尾根の線分L上に割り当てる点を増加させ、このとき、必要に応じて、尾根の線分上に山頂に相当する点より数値が小さい点を割り当てる。例えば、上記した2点P1,P2の間に二つの山頂に相当する点より数値が小さい点P3(
図5)を割り当てる。また、二つの山頂の値も異なる値とする。このとき、大きい山と小さい山を結ぶ尾根に相当する数値を尾根の線分上に割り当てることができる。このような手法を採用すれば、等高線状の図形を任意に調節することができるので、さらに、一層の意匠効果を実現することができる。
【0043】
この実施形態の表示装置は、多様な機器に組み込まれて用いることができる。好適な機器の例として、携帯電話、ゲーム端末、MP3プレーヤ(MPEG-1 Audio Layer-3)等のオーディオプレーヤやビデオプレーヤ、これらを融合した機器、ペンダントやアクセサリに内蔵された機器等を挙げることができる(後述する他の実施形態において同様である)。
なお、必要に応じて、周辺回路を廃し、駆動信号を外部回路から供給する態様に構成することもできる。このように、周辺回路が存在しない配線構造であっても、この実施形態によれば、外部引出し用の電極端子を、基板の非矩形状をなす外周部に、整合性良く配列することができる。
【0044】
次に、
参考発明の第1の実施形態である表示装置を構成する表示エリアの実施例について、詳細に説明する。
【0045】
図8は、参考発明の第1の実施例である表示エリアの電気的構成を模式的部分的に示す構成図である。
この例の表示エリアは、
図8に示すように、互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第1の方向に沿って平行に配線された複数の行導線8a、8a、…からなる第1の導線群と、同じく互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第2の方向に沿って平行に配線された複数の第1の列導線9a、9a、…からなる第2の導線群と、同じく互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第3の方向に沿って平行に配線された複数の第2の列導線10a、10a、…からなる第3の導線群とが基板上に多層に配列されていて、行導線8a、及び第1又は第2の列導線9a、10aのそれぞれが、対応する各画素7a、7b、…に配置されたTFT(薄膜トランジスタ)等のアクティブ素子15a、15bに接続する構成となっている。
【0046】
この例において、同一行の各画素では、アクティブ素子15aが配置された図中頂点上向きの三角形をなす画素(以下、上向き三角形画素ともいう)7aと、アクティブ素子15bが配置された図中頂点下向きの三角形をなす画素(以下、下向き三角形画素ともいう)7bとが、交互に配列され、アクティブ素子15aが配置された三角形画素7aは、行導線8aと第1の列導線9aとでアクセスされ、アクティブ素子15bが配置された逆三角形画素7bは、行導線8aと第2の列導線10aとでアクセスされる構成となっている。具体的には、アクティブ素子15a、15bには、第1の周辺回路4から行導線8aを介して走査信号が入力され、第2又は第3の周辺回路5、6から第1又は第2の列導線9a、10aを介して、画像データが入力される。
【0047】
この例の構成によれば、3方向の並進性に基づく画素配列を自由に駆動することができるので、第1又は第2の列導線9a、10aから画像データを入力することで、画面(表示エリア)全体に画像を表示することができる。
この実施
例によれば、
図2に示すように、第1、第2及び第3の周辺回路4、5、6を、互いに干渉することなく容易に配置することができる。また、この実施
例では、三角形の繰り返し単位を基本としているので、従来の装置構成に較べれば、極めて容易に設計できる。さらにまた、
図8に示すように、アクティブ素子15a、15bが、2画素単位に対して規則的に配置されているので、繰り返しの最小単位(この例では、正向き及び逆向きの三角形で対を成す2画素7a、7bを合わせた平行四辺形)に基づいて、各種形状の表示エリアを容易に設計できる。加えて、単一の繰り返し単位からなる配置構成は、モアレの軽減にも有効である。
【0048】
なお、この例では、第1の導線群を行導線8、8、…の集まりとし、第2の導線群を第1の列導線9、9、…の集まりとし、第3の導線群を第2の列導線3、3、…の集まりとしたが、これに限るものではなく、第1の導線群を第1の列導線又は第2の列導線の集まりとし、第2の導線群を第2の列導線又は行導線の集まりとし、第3の導線群を行導線又は第1の列導線の集まりとするようにしても良い。
【0049】
図9は、参考発明の第2の実施例である表示エリアの電気的構成を模式的部分的に示す構成図である。
この例の表示エリアは、
図9に示すように、互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第1の方向に沿って平行に配線された複数のゲート線(行導線)16、16、…からなる第1の導線群と、同じく互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第2の方向に沿って平行に配線された複数のデータ線(列導線)17、17、…からなる第2の導線群と、同じく互いに所定の間隔を隔てて、かつ、第3の方向に沿って平行に配線された複数の蓄積容量線18、18、…からなる第3の導線群とが基板上に多層に配列されていて、ゲート線16、データ線17及び蓄積容量線18のそれぞれが、対応する各画素(平行四辺変形の画素)7cに配置されたTFT等のアクティブ素子15cに接続する構成となっている。この例では、画素単位が平行四辺形となり、画素面積は、画素単位が三角形(
図8)の場合の約2倍の面積となっている。各画素7cは、対応する蓄積容量線18によって分断されている。
【0050】
この例において、平行四辺形の画素7c毎に設けられたアクティブ素子15cのゲート電極には、第1の周辺回路4からゲート線を介して走査信号(アドレス信号)が入力され、アクティブ素子15cのデータ電極には、第2の周辺回路5からデータ線を介して、画像データ信号が入力される。また、蓄積容量線18、18、…の一端は、画素電極に接続され、その他端は、第3の周辺回路6に接続されている。
この例の構成によれば、2方向の並進性に基づく画素配列を自由に駆動することができるので、データ線から画像データを入力することで、画面(表示エリア)全体に画像を表示することができる。
【0051】
この実施
例によれば、
図2に示すように、第1、第2及び第3の周辺回路4、5、6を、互いに干渉することなく容易に配置することができる。また、この実施
例では、平行四辺形の繰り返し単位を基本としているので、従来の装置構成に較べれば、極めて容易に設計できる。つまり、この例の画素は2方向への並進性しか持たないが、従来の直角方向と異なる角度での並進性を有するため、実現したい外径に追従した画素配列が可能となるので、非矩形形状の表示装置としては、従来装置に比べると、高い意匠効果を得ることができる。
さらにまた、
図9に示すように、アクティブ素子15cが、画素単位に対して規則的に配置されているので、繰り返しの最小単位(この例では、平行四辺形)に基づいて、各種形状の表示エリアを容易に設計できる。加えて、単一の繰り返し単位からなる配置構成は、モアレの軽減にも有効である。
【0052】
なお、この例では、第1の導線群をゲート線(行導線)16、16、…の集まりとし、第2の導線群をデータ線(列導線)17、17、…の集まりとし、第3の導線群を蓄積容量線18、18、…の集まりとしたが、これに限るものではなく、第1の導線群をデータ線(列導線)又は蓄積容量線の集まりとし、第2の導線群を蓄積容量線又はゲート線(行導線)の集まりとし、第3の導線群をゲート線(行導線)又はデータ線(列導線)の集まりとするようにしても良い。また、この例では、各画素が、対応する蓄積容量線18によって分断される場合について述べたが、これに限定されず、対応するゲート線(行導線)16又はデータ線(列導線)17によって分断されるようにしても良い。
【0053】
また、第3の導線群を、蓄積容量線に代えて、各画素に共通電極電位を供給する導線の集まりとすることができる。さらに、第3の導線群を、蓄積容量線に代えて、各画素に任意の固定電位又は周期的に変化する任意の電位を供給する電源線や信号線等の集まりとするとすることもできる。
【0054】
図10は、
参考発明の第3の実施例である表示エリア(画素アレイ)でのアクティブ素子の配置を概略示す図、
図11は、同表示エリアの回路構成を部分的に示す回路構成図、
図12は、同実施例の第1の駆動方法を説明するために用いられるタイミングチャート、また、
図13は、同実施例の第2の駆動方法を説明するために用いられるタイミングチャートである。
この例の表示エリアでは、
図10(
図3)中、第1の導線がゲート線の役割を担い、また、第3の導線群がデータ線の役割を担うように構成されている。具体的には、
図10(
図3)中、第1の導線の配線部分に2本のゲート線GA、GBが並列に割当てられて配線され、第3の導線の配線部分にデータ線DLが配線され、第2の導線の配線部分に蓄積容量線SCが配線されている。つまり、2本のゲート線GA、GBは、
図10(
図3)では、便宜上、1本の第1の導線として示されている。この例では、各々n本(nは2以上の自然数)のゲート線GA、GBが設けられている。
【0055】
図10に示される上向き三角形画素7dと下向き三角形画素7eは、共に、
図11に示すように、TFT等のアクティブ素子15dと、蓄積容量19と、実質的な画素として機能する電気光学物質20とから概略構成されている。アクティブ素子15dは、そのゲート電極がゲート線GA(又はGB)に接続され、そのソース電極(又はドレイン電極)が、データ線DLに接続され、さらに、そのドレイン電極(又はソース電極)が、蓄積容量19の一端と電気光学物質20の一端とに接続されている。蓄積容量19の他端は蓄積容量線SCに接続され、電気光学物質20の他端は共通電極線COMに接続されている。
【0056】
なお、好適な電気光学物質20としては、例えば、液晶や電気泳動物質等を挙げることができるのが、これに限定されない。
この実施
例では、ゲート線GA、GB、データ線DL、蓄積容量線SC、TFT等のアクティブ素子15d、及び蓄積容量19等が設けられたアクティブ素子側基板と、共通電極が設けられた対向基板との間に電界を生じさせることによって、液晶や電気泳動物質等の電気光学物質を動作させる方式が該当する。この種の好適な方式としては、例えば液晶を用いたツイステッド・ネマチック(TN)モード、マルチドメインヴァーティカルアライン(MVA)モード、及びポリマーネットワーク液晶(PNLC)モード等を挙げることができ、さらには、電気泳動やコレステリック液晶を利用する電子ペーパにも適用できる。
【0057】
上記構成において、
図11中の右上の画素(上向き三角形の画素)7dは、ゲート線GAを流れるゲート信号で制御され、同図中の左下の画素(下向き三角形の画素)7eはゲート線GBを流れるゲート信号で制御される。上向き三角形の画素7dと下向き三角形の画素7eとは、並列に設けられた2種類のゲート線GA、GBを介して、フィールド毎に又は行毎に、時分割で駆動される。
【0058】
次に、
図12及び
図13を参照して、この例の動作について説明する。
まず、
図12を参照して、この実施例の第1の駆動方法による動作について説明する。
図12において、A1は、1本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示し、A2は、2本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示し、…、Anは、n本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示している。同様に、
図12において、B1は、1本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示し、B2は、2本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示し、…、Bnは、n本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示している。はじめに、ゲート線GAに対応するデータ信号Dがデータ線DL(ここでは、簡略化のため、全てのデータ線を総称している)に印加され、n本のゲート線GAにゲート信号A1、A2、…、Anが順次印加されることによって、ゲート線GAに対応する上向き三角形の画素7dが(行単位で)順次走査される。続いて、ゲート線GBに対応するデータ信号Dがデータ線DLに印加され、n本のゲート線GBにゲート信号B1、B2、…、Bnが印加されることによって、ゲート線GBに対応する下向き三角形の画素7eとが(行単位で)順次走査される。このような手順を繰り返すことによって、全画面を順次走査によって時々刻々と変化させ動画を表示することができる。当然ながら、同じデータ信号Dを書き続ければ、画像表示を維持でき、静止画を表示することもできる。
【0059】
次に、
図13を参照して、この実施例の第2の駆動方法による動作について説明する。この第2の駆動方法では、同図に示すように、1本目のゲート線GAにゲート信号A1を与え、次に、1本目のゲート線GBにゲート信号B1を与える。次いで、2本目のゲート線GAにゲート信号A2を与え、次に、2本目のゲート線GBにゲート信号B2を与え、…、次いで、n本目のゲート線GAにゲート信号Anを与え、次に、n本目のゲート線GBにゲート信号Bnを与える、ことを繰り返す。このとき、データ線DLの信号は、ゲート信号A1に対応したデータ信号D、ゲート信号B1に対応したデータ信号D、ゲート信号A2に対応したデータ信号D、ゲート信号B2に対応したデータ信号D、…、ゲート信号Anに対応したデータ信号D、ゲート信号Bnに対応したデータ信号Dが、順次印加されて、ゲート線GAに対応する信号とゲート線GBに対応する信号とを入れ替えながら走査する。このような手順を繰り返すことによって、全画面の表示を行う。
【0060】
このように、この実施例の構成によれば、非矩形状の表示エリアを三角形の画素単位で構成するようにしたので、3方向の並進性を実現でき、このため、(2方向の並進性しか実現できない平行四辺形の画素単位から構成される第2の実施例に較べて)一段と意匠効果の高い非矩形状の表示装置を具現できる。
【0061】
図14は、
参考発明の第4の実施例である表示エリア(画素アレイ)の回路構成を部分的に示す回路構成図、また、
図15は、同実施例の駆動方法の説明に供されるタイミングチャートである。なお、この例の表示エリア(画素アレイ)でのアクティブ素子の配置構成は、
図10に示す配置構成(第3の実施例)と概略同様である。
この例の表示エリアでは、
図3中、第1の導線がゲート線の役割を担い、また、第3の導線群がデータ線の役割を担うように構成されている。具体的には、
図3中、第1の導線の配線部分に3本のゲート線GA、GG、GBが並列に割当てられて配線され、第3の導線の配線部分にデータ線DLが配線され、また、第2の導線の配線部分にメモリ容量線MCが配線されている。つまり、3本のゲート線GA、GG、GBは、
図3では、1本の第1の導線として示されている。この例では、各々n本(nは3以上の自然数)のゲート線GA、GG、GBが設けられている。
【0062】
図14に示すように、上向き三角形画素7f及び下向き三角形画素7gは、いずれも、TFT等のアクティブ素子15eと、メモリ容量21と、TFT等のアクティブ素子15fと、実質的な画素として機能する電気光学物質20とから概略構成されている。この実施例では、画素毎にメモリ用素子(メモリ容量21及びアクティブ素子15f等)を備えている点で、上述の第3の実施例とは、構成を異にしている。
アクティブ素子15eは、
図14に示すように、そのゲート電極がゲート線GA(又はGB)に接続され、そのソース電極(又はドレイン電極)が、データ線DLに接続され、さらに、そのドレイン電極(又はソース電極)が、メモリ容量21の一端とアクティブ素子15fのソース電極(又はドレイン電極)とに接続されている。アクティブ素子15fは、そのゲート電極がゲート線GGに接続され、そのソース電極(又はドレイン電極)がアクティブ素子15eに接続され、さらに、そのドレイン電極(又はソース電極)が電気光学物質20の一端とにも接続されている。メモリ容量21の他端はメモリ容量線MCに接続され、電気光学物質20の他端は(対向電極側の)共通電極線COMに接続されている。なお、電気光学物質20の部位に電気光学物質20に加えて(他端が蓄積容量線SCに接続される)蓄積容量19を接続するようにしても良い。この場合、メモリ容量線MCと蓄積容量線SCとは、一部又は全部を共通線としても良い。
【0063】
上記構成において、
図14中、右上の画素(上向き三角形画素)7fのメモリ容量21はゲート線GAを流れるゲート信号で制御され、左下の画素(下向き三角形画素)7gのメモリ容量21はゲート線GBを流れるゲート信号で制御される。また、各メモリ容量21と電気光学物質20との接続は、ゲート線GGを流れるゲート信号で制御される。
【0064】
次に、
図15を参照して、この例の動作について説明する。
図15において、A1は、1本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示し、A2は、2本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示し、…、Anは、n本目のゲート線GAに印加されるゲート信号を示している。同様に、
図15において、B1は、1本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示し、B2は、2本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示し、…、Bnは、n本目のゲート線GBに印加されるゲート信号を示している。
【0065】
また、ゲート線GGに関しては、簡略化のために全てのゲート線GGを総称している。はじめに、ゲート線GAに対応するデータ信号Dがデータ線DL(ここでは、簡略化のため、全てのデータ線を総称している)に印加され、n本のゲート線GAにゲート信号A1、A2、…、Anが順次印加されることによって、ゲート線GAに対応する画素(上向き三角形画素)7fが(行単位で)順次走査される。続いて、ゲート線GBに対応するデータ信号Dがデータ線DLに印加され、n本のゲート線GBにゲート信号B1、B2、…、Bnが印加されることによって、ゲート線GBに対応する画素(下向き三角形画素)7gが(行単位で)順次走査される。このような手順により、各メモリ容量21にデータ信号Dに相当する電圧が記憶される。次いで、全てのゲート線GGに信号Gを一斉に印加すると、アクティブ素子15fがオンとされて、各メモリ容量21に記憶されたデータ信号Dが、電気光学物質20に印加される。
【0066】
このように、この例では、画面全体の表示の切り替えは一斉に行われるため、第3の実施例の駆動方法(
図12及び
図13)を線順次走査と呼ぶ場合、
図15の駆動方法は面順次駆動方法と呼ぶことができる。なお、
図15に示す駆動方法で採用されるゲート線GAとゲート線GB及びデータ線DLへの信号の印加方法は、第3の実施例における第1の駆動方法(
図12)と同様であるが、これに代えて、第3の実施例における第2の駆動方法(
図13)を採用することもできる。
また、
図16に示すように、ゲート線GAに対応する画像データDを書き込んだ後に、ゲート線GGに信号Gを入力し、ゲート線GBに対応する画像データDを書き込んだ後に、ゲート線GGに信号Gを入力するようにしても良い。このように駆動すれば、メモリ容量21に記憶されたデータが各画素7f、7gに2回書き込まれるようになるため、電気光学物質20の動作が一段と安定すると共に、表示周波数が倍となるため、表示が一段と鮮明となる。
【0067】
このように、この実施例の構成によっても、非矩形状の表示エリアを三角形の画素単位で構成するようにしたので、3方向の並進性を実現でき、第3の実施例で述べたと略同様の効果を得ることができる。加えて、この例の構成によれば、鮮明な画像表示を得ることができる。例えば、コントラストが向上し、動画表示が一段と良好となる。
【0068】
図17は、
参考発明の第5の実施例である表示エリア(画素アレイ)の回路構成を部分的に示す回路構成図、また、
図18は、同実施例の駆動方法の説明に供されるタイミングチャートである。
この例の表示エリアでは、
図3中、第1の導線の配線部分に2本のゲート線GA、GBが並列に配線され、第3の導線の配線部分にデータ線DLが配線され、また、第2の導線の配線部分にメモリ容量線MCが配線されている。この実施例では、
図17に示すように、上向き三角形画素7hと下向き三角形画素7iは、いずれも、TFT等のアクティブ素子15eと、メモリ容量21と、TFT等のアクティブ素子15fと電気光学物質20とから概略構成されている。このように、この実施例では、画素毎にメモリ用素子を備えている点で、上述の第4の実施例と構成を共通するが、3本のゲート線GA、GG、GBのうち、ゲート線GGを廃している点で、第4の実施例とは、接続構成を異にしている。
【0069】
すなわち、
図17において、図中の右上の画素(上向き三角形画素7h)では、アクティブ素子15eのゲート電極がゲート線GBに接続され、アクティブ素子15fのゲート電極がゲート線GAに接続されている。一方、図中の左下の画素(下向き三角形画素7i)では、アクティブ素子15eのゲート電極がゲート線GAに接続され、アクティブ素子15fのゲート電極がゲート線GBに接続されている。
【0070】
上記構成において、
図17中、右上の画素(上向き三角形画素7h)のメモリ容量21はゲート線GBを流れるゲート信号で制御され、また、メモリ容量21と電気光学物質20との接続は、ゲート線GAを流れるゲート信号で制御される。また、左下の画素(下向き三角形画素7i)のメモリ容量21はゲート線GAを流れるゲート信号で制御され、また、メモリ容量21と電気光学物質20との接続は、ゲート線GBを流れるゲート信号で制御される。
【0071】
次に、
図18を参照して、この例の動作について説明する。
まず、右上の画素(上向き三角形画素7h)に着目すると、
図18に示すように、ゲート線GAにゲート信号AG1、AG2、…AGnが順次印加されると、アクティブ素子15fのゲート電極がオンとなり、メモリ容量21に記憶されたデータ信号Dが電気光学物質20に印加される。次に、ゲート線GBにゲート信号BG1、BG2、…BGnが順次印加されると、アクティブ素子15eがオンとなり、メモリ容量21にデータ信号Dが記憶される。次に、左下の画素(下向き三角形画素7i)に着目すると、ゲート線GAにゲート信号AG1、AG2、…AGnが順次印加されると、アクティブ素子15eのゲート電極がオンとなり、メモリ容量21にデータ信号Dが記憶される。また、ゲート線GBにゲート信号BG1、BG2、…BGnが順次印加されると、アクティブ素子15fのゲート電極がオンとなり、メモリ容量21に記憶されたデータ信号Dが電気光学物質20に印加される。すなわち、どちらの画素も、一方のゲート信号Dでメモリ容量21にデータ信号Dを記憶し、他方のゲート信号Dで電気光学物質20にデータ信号Dが印加される。
【0072】
このように、この例の構成によっても、非矩形状の表示エリアを三角形の画素単位で構成するようにしたので、3方向の並進性を実現でき、第3の実施例で述べたと略同様の効果を得ることができる。加えて、この例の構成によれば、第4の実施例の構成(
図14)に較べて、ゲート線を削減できる。
【0073】
図19は、
参考発明の第6の実施例である表示エリア(画素アレイ)の回路構成を部分的に示す回路構成図、また、
図20は、同実施例の駆動方法の説明に供されるタイミングチャートである。
この例の表示エリアでは、
図3中、第1の導線がゲート線Gの役割を担い、第3の導線がデータ線DLの役割を担い、第2の導線が、蓄積容量線SC及び共通電極線COMの役割を担っている。蓄積容量線SC及び共通電極線COMは、異なる2本の線として配線されても良く、単一の共通線として配線されても良いことは、上記した各実施例で述べたと同様である。
【0074】
この実施例では、
図19中の右上の画素(上向き三角形画素7j)は、第1の極性(この例では、Pチャネル型)のアクティブ素子15gと、蓄積容量19と、電気光学物質20とから概略構成されている。また、
図19中の左下の画素(下向き三角形画素7k)は、第2の極性(この例では、Nチャネル型)のアクティブ素子15hと、蓄積容量19と、電気光学物質20とから概略構成されている。なお、上記構成に代えて、右上の画素(上向き三角形画素7j)が、第2の極性のアクティブ素子から構成され、左下の画素(下向き三角形画素7k)が、第1の極性のアクティブ素子から構成されるようにしても良いことは勿論である。
図19において、右上の画素(上向き三角形画素7j)では、第1の極性のアクティブ素子15gが、ゲート線Gと、データ線DLと、蓄積容量19と、電気光学物質20とに接続されている。左下の画素(下向き三角形画素7k)では、第2の極性のアクティブ素子15hが、ゲート線Gと、データ線DLと、蓄積容量19と、電気光学物質20とに接続されている。
【0075】
次に、
図20を参照して、この例の動作について説明する。
図20において、G1は、1本目のゲート線Gに印加されるゲート信号を示し、G2は、2本目のゲート線Gに印加されるゲート信号を示し、…、Gnは、n本目のゲート線Gに印加されるゲート信号を示している。
この例では、各ゲート線G上には、ゲート線Gの基準電位よりも高い「正」のパルス信号(ゲート信号)と、ゲート線Gの基準電位よりも低い「負」のパルス信号(ゲート信号)とが基準電位を挟んで交互に(フィールド周期で)印加される構成となっている。また、データ線DL上のデータ信号Dも、パルス信号(ゲート信号)の極性に応じて、信号の極性が変化するように設定されている。
上記構成において、あるフィールド周期で、ゲート線Gに「正」のパルス信号が印加されると、第2の極性のアクティブ素子15hがオンとなり、データ線DLのデータ信号Dが左下の画素(下向き三角形画素7k)の電気光学物質20に印加される。次のフィールド周期で、ゲート線に「負」のパルス信号が印加されると、第1の極性のアクティブ素子15gがオンとなり、データ線DLのデータ信号Dが右上の画素(上向き三角形画素7j)の電気光学物質20に印加される。
【0076】
このように、この例の構成によれば、一つのゲート線Gに極性の異なるゲート信号を印加することで、表示エリア全体を駆動できるので、ゲート線の配線数を削減することができる。
【0077】
図21は、
参考発明の第7の実施例である非矩形状の表示装置の構成を概略的に示す正面図である。
この例の表示装置1は、
図1の表示装置と同一構成であり、外部装置に接続するための接続配線22が
図21中の右下に設けられている。
ここで、各種導線群を駆動するための周辺回路に必要な機能を具備させるようにすれば、接続配線22に必要な端子数を削減できる。端子数を削減できれば、
図21に示すように、表示装置1の外形と表示エリア3の輪郭との相似性が損なわれないので、装置の美観を維持できる。
【0078】
図22は、
参考発明の第2の実施形態である表示エリア(画素アレイ)の一部を拡大して模式的に示す拡大図である。
この例の表示エリアが、
図3に示す表示エリアと相違するところは、
図3の表示エリアでは、任意の第1、第2及び第3の導線8、9、10、…が1点で交差するのに対し、この例では、1点で交差しない点である。
すなわち、この例では、
図22に示すように、第1の導線8bと第2の導線9bとの交差点、第2の導線9bと第3の導線10bとの交差点、第3の導線10bと第1の導線8bとの交差点が、互いに重ならないように構成されている。
この例に構成によれば、各画素の開口エリアは若干小さくなるものの、3つの導線が1点で交わる構成に較べて、交差点領域での多層配線膜の段差を緩和できる。このため、段差部に生じ易い配線不良(断線やショート)を軽減できる。
【0079】
次に、この発明の第1の実施形態について説明する。
図23は、この発明の
第1の実施形態である非矩形状の表示装置を構成する表示エリア内の各種配線パターンの一部を拡大して模式的に示す拡大図である。
この実施形態の表示エリアが、上記した
参考発明の第1の実施形態のそれと大きく異なるところは、三角形状の画素に代えて、六角形状の画素を用いて構成するようにした点である。
【0080】
この例の表示エリア(画素アレイ)は、
図23に示すように、図中、左右方向に複数配線されたジグザグ状の第1の導線8c、8c、…からなる第1の導線群と、上下方向に複数配線されたジグザグ状の第2の導線9c、9c、…からなる第2の導線群と、図中斜め方向(左上から右下の方向)に略直線状に配線された複数の第3の導線10c、10c、…からなる第3の導線群とが、基板上に多層に配列されていて、第1、第2及び第3の導線8c、9c、10c、…のそれぞれが、対応する各画素(アクティブ素子や画素電極等)に接続する構成となっている。
【0081】
ここで、上記第1の導線8c、8c、…は、六角形を構成する6辺のうちの3辺に対応する態様で、屈曲ジグザグ状に配線され、第2の導線9c、9c、…は、六角形を構成する6辺のうちの2辺に対応する態様で、屈曲ジグザグ状に配線されている。このように配線することで、隣接する2本の第1の導線8c、8cと、隣接する2本の第2の導線9c、9cとで、六角形の画素が画成されている。この実施形態では、第1の導線8cと、第2の導線9cと、第3の導線10cとが、画素毎に、換言すれば、画素を画成する六角形の外周に相当する部位で交差する構成となっている。
【0082】
なお、
図23では、第3の導線10c、10c、…が、図中、
左上がりの方向に略直線状に延びる配線構造が示されているが、これに代えて、
図24に示すように、第3の導線10d、10d、…が
、図中、右上がりの方向に略直線状に延びる態様の配線構造でも良い。また、第3の導線10c(10d)、10c(10d)、…の傾斜角度は任意である。さらにまた、
図25に示すように、第3の導線10e、10e、…六角形の画素の外周形状に追従する態様で、屈曲ジグザグ状に斜め方向に延びる配線構造でも良い。
【0083】
2種類の導線(第1及び第2の導線)のみからなる六角形画素では、繰り返し単位を伸縮自在に設計できる、自由な方向が(大局的に見て、上下方向と左右方向との)2方向しかないので、非矩形の表示エリアの外形の美観向上が制限されると共に、周辺回路を良好に配置できない、という問題がある。しかしながら、
この実施形態によれば、上下方向と、左右方向の繰り返しに加えて、斜め方向の繰り返しが加えられるので(その分、自由な方向が増えるため)、繰り返し単位と非矩形の表示エリアの外形との整合性の改善を図ることができる。それゆえ、第3の配線を付設しても、周辺回路を良好に配置できる。この結果、表示エリア及び表示装置の外観美の向上を図ることができる。
【0084】
次に、参考発明の第3の実施形態について説明する。
図26は、
参考発明の第3の実施形態である非矩形状の表示装置を構成する表示エリア内の各種配線パターンの一部を拡大して模式的に示す拡大図である。
この実施形態の表示エリアは、三角形状の画素から構成される点では、上記した
参考発明の第1の実施形態のそれと略同様であるが、配線層間をコンタクトで結ぶ立体迂回交差構造が採用されている点で、
参考発明の第1の実施形態と相違している。
【0085】
この実施形態では、表示エリア(画素アレイ)は、図示せぬ中間絶縁膜と、この中間絶縁膜を介して積層された、図示せぬ第1及び第2の配線層とからなる多層配線構造体として構成され、第1の配線層には、第1の導線8fの全部と、第2の導線9fの主要部(非交差領域)とが形成されていて、第2の配線層には、第3の導線10fの全部と、第2の導線9fの非主要部(交差領域T)とが形成されている。また、層間絶縁膜には、第1の配線層に形成された第2の導線群の主要部(非交差領域)と、第2の配線層に形成された第2の導線群の非主要部(交差領域T)とを接続するためのコンタクトH1、H2が設けられている。コンタクトH1、H2は、第1の導線8fと第3の導線10fとの交差点の近傍に設ければ充分である。なお、この例では、第2の導線9fを迂回交差させるようにしたが、これに限らず、第1又は第3の導線8f、10fを迂回交差させるようにしても良いことは勿論である。
【0086】
第1の導線群に属する第1の導線8fは、図中、左右方向に沿って配線されていて、第2の導線群に属する第2の導線9fは、主要部(非交差領域)が、図中、左上がりの方向に沿って配線されている。第3の導線群に属する第3の導線10fは、図中、右上がりの方向に沿って配線されている。なお、第2の導線9fの非主要部(交差領域T)は、第2の配線層内に、第1の導線8fを跨ぐのに充分な短い寸法分だけ、同一層内の第3の導線10fに接触しない方向に設けられている。第2の導線9fの非主要部(交差領域T)の配線の寸法、形状及び向き等は、製造プロセスや設計の条件等に鑑みて、任意に決定される。
このように、この実施形態では、第1の導線8fと第2の導線9fとが、同一配線層内で交差する領域では、衝突を回避するために、第2の導線9fが、コンタクトH1を経由して、第2の配線層に打ち返られ、交差領域を迂回して通過した後は、再び、コンタクトH2を経由して、本来の第1の配線層に打ち返られる構成となっている。
【0087】
第1の実施形態の構成では、互いに交差する各種導線を配線するためには、少なくとも、3層構造の多層配線膜が必要であるが、この実施形態の構成によれば、2層構造で済むので、例えば、配線層数や配線材料の数を削減できる。
【0088】
次に、
参考発明の第4の実施形態について説明する。
この実施形態の表示装置では、非矩形の画素を用いる点で、上記した各実施形態のそれと共通するが、共通電極(したがって、共通電極線)を対向基板上ではなく、アクティブ素子側基板上に形成するようにした点で、上記した各実施形態と相違している。この形態の表示装置としては、例えば、基板表面と平行な方向の電界で動作させるイン・プレーン・スイッチングモード(横型電界駆動)の液晶表示装置(IPS液晶表示装置)等を挙げることができる。
【0089】
図27は、
参考発明の第4の実施形態であるIPS液晶表示装置の表示エリアを構成する画素まわりの配線を示す配線図である。この形態の表示エリアでは、上向き三角形画素7mと下向き三角形画素7nとの2種類の画素が配置されていて、同図に示すように、上向き三角形画素7mと下向き三角形画素7nとは、互いに極性の異なるアクティブ素子15i、15jによって駆動される構成となっている。ここで、アクティブ素子15i、15jは、
図19に準じた配置構成となっている。
すなわち、上向き三角形画素7mは、第1の極性(この形態では、Pチャネル型)のアクティブ素子15iによって駆動され、また、下向き三角形画素7nは、第2の極性(この形態では、Nチャネル型)のアクティブ素子15jによって駆動される構成となっている。
【0090】
この例の表示エリアでは、上向き三角形画素7mと下向き三角形画素7nは、共に、ゲート線GE(第1の導線)と共通電極線C(第2の導線)とデータ線DL(第3の導線)とで、三角形の形状に囲まれている。画素内では、共通電極線Cが枝状に分岐されてくし型の共通電極CBが形成されて、同様にくし型の画素電極PBと噛合対向配置されている。このような構成において、データ線DL上のデータ信号は、ゲート線GE上の(
図20のタイムチャートに準ずる)信号に応じてアクティブ素子15i、15jを介して画素内の画素電極に印加される。各共通電極線Cには、同電位が与えられる。画素電極PBと共通電極DBとの間に電界が生じ、液晶分子(電気光学物質)を横方向電界により動作させることで、画像表示を実現させる。
このように、この実施形態によっても、
参考発明の第1の実施形態において上記したと略同様の効果を得ることができる。
【0091】
図27は、各共通電極線Cに同電位が与えられる場合を示しているが、これに代えて、
図28及び
図29に示すように、互いに異なる電位が与えられる第1の共通電極線C1と第2の共通電極線C2とを交互に配線するように構成することもできる。このような共通電極線の配置構成では、例えば、アクティブ素子15k、15mの極性に応じて、異なる共通電極電位を印加することができる。すなわち、
図29に示すように、共通電極線C1が関与する画素のアクティブ素子15kは第1の極性P、共通電極線C2が関与する画素のアクティブ素子15mは第2の極性Nとなる。それゆえ、アクティブ素子の極性に対応した共通電極電位を各画素7p、7qに供給することができる。
【0092】
この実施形態の表示装置は、第1、第2及び第3の導線群の全てが、アクティブ素子側基板上に形成されるので、対向基板を本質的に必要としない表示装置に適用でき、例えば、非矩形の有機EL表示装置に適用して好適である。
上述の説明では、IPS液晶表示装置を例としたが、同様に、第1、第2及び第3の導線群の全てが、アクティブ素子側基板上に形成される他の液晶表示装置に適用することもできる。例えば、フリンジ・フィールド・スイッチング(FFS)モードを用いた液晶表示装置にも好適に適用できる。IPSモードでは、通常、共通電極CBと画素電極PBが断面構造で略同じ高さとなる層に形成されるため、例えば、共通電極線Cを共通電極CBの間にコンタクトを設け、高さを調整することが必要となる。多くの場合は、このコンタクト構造をデータ線DLと画素電極PBとの間にアクティブ素子15i等を介して設け、コンタクト構造を増加させないようにしている。一方、FFSモードでは、共通電極CBと画素電極PBとが異なる層に形成される。このため、例えば、共通電極PBが断面方向で下方に存在し、コンタクト構造を意識することなく、当該モードの表示装置を具現できる。
【0093】
図30は、
参考発明の第5の実施形態である非矩形状の表示装置の構成を概略的に示す正面図である。この実施形態の表示装置1a及び表示エリア3aの外形は、勾玉の形状に形成されている点で、上記した
参考発明の第1の実施形態(
図2)のそれらと同様であるが、勾玉状の表示エリア3a内に中空孔部23が設けられている点で、
参考発明の第1の実施形態とは構成が異なっている。
【0094】
この実施形態では、中空孔部23の存在によって途切れる導線が存在する。そこで、各種導線群の駆動を完全なものとするために、この実施形態では、基板2a上の外周領域のみならず、内周領域(中空孔部23の周辺領域)にも、周辺回路が設けられている。すなわち、外周領域の第1の周辺回路(第1の外周回路4a)と内周領域の第1の周辺回路(第1の内周回路4b)とで、表示エリア3a内の全ての第1の導線が接続され、外周領域の第2の周辺回路(第2の外周回路5a)と内周領域の第2の周辺回路(第2の内周回路5b)とで、表示エリア3a内の全ての第2の導線が接続され、さらに、外周領域の第3の周辺回路(第3の外周回路6a)と内周領域の第3の周辺回路(第3の内周回路6b)とで、表示エリア3a内の全ての第3の導線が接続される構成となっている。外周回路4a、5a、6aと内周回路4b、5b、6bとは、これらを接続する図示せぬ接続用配線を介して、信号の連続性が保たれるようになっている。
【0095】
この実施形態によれば、表示エリア3a内に中空孔部23を設けることで、意外性や突飛性や審美性のある意匠性表示装置を得ることができる。また、技術的にも多様な用途に適用できる。加えて、
図31に示すように、勾玉形状の表示装置1aの中空孔部23に、紐24を通して使用することもできる。
なお、中空孔部23の形状は、真円、楕円、三角形、矩形、多角形は勿論のこと、その他の様々の形状(ジョルダン形状)、例えば、地図模様等でも良い。中空部の個数は、単数に限らず、複数個、すなわち、n重連結ジョルダン領域(nは自然数)を設けるようにしても良い。表示エリアに対して、中空孔部の方が大きくて、全体として、環状の表示装置を得ることもできる。また、中空孔部に代えて、単に、非表示エリアを設けるようしても、上述したと略同様の効果を得ることができる。
【0096】
なお、非矩形の非表示領域を内部に有する、この種の表示装置にあっては、表示エリアの外周形状は、矩形であっても良い。
【0097】
図32は、
参考発明の第6の実施形態である非矩形状の表示装置の構成を概略的に示す正面図である。この実施形態の表示装置1bでは、
参考発明の第5の実施形態(
図30)の表示装置の中空孔部23の近傍(非表示領域)に外部装置と配線を接続するための接続部25が付加されている。
このように、この実施形態によれば、中空孔部23に紐24(
図31)を通し、紐24内に信号線を通し、中空孔部23の近傍に設けられた接続部25で表示装置1bと接続することができ、このような構成では、接続部25や信号線が目立たない、あるいは、外見上、接続部25の存在を認識できないので、意匠効果の高い、非矩形の表示装置1bを実現できる。
【0098】
参考発明の第7の実施形態である表示装置(不図示)は、
参考発明の第6の実施形態の表示装置に付設される外部装置と有線接続するための接続部25(
図32)に代えて、無線によって信号を伝達する構成となっている。
この実施形態では、例えば、
図32に示す接続部25の部位に、接続部25に代えて、外部装置と無線により信号伝達を行う信号伝達部や電力を無線で給電するための給電部を設けることができる。このようにすれば、紐24(
図31)との接続配線を考慮する必要がなく、一段と設計自由度が向上するので、装置外形と表示エリア外形との相似性が一段と高い表示装置を得ることができる。例えば、ペンダントトップが移動可能なペンダント状の表示装置等、意匠性の高い表示装置を具現できる。
なお、この形態の表示装置では、必要に応じて、アンテナ部を表示装置の裏面に設置することで、装置の小型化を達成できる。
【0099】
図33は、この発明の
第2の実施形態である、非矩形状の表示装置が組み込まれた装飾型の機器の外観を示す斜視図であり、機器の蓋部が開いて、内部の表示装置を見得る状態が示されている。この機器26は、
図33に示すように、容器本体27も蓋部28も、ハート型に模されており、容器本体27の底面には、ハート型の表示装置29が組み付けられていて、蓋部28を開けると、表示装置29が現われる構成となっている。
このように、この発明の表示装置29を、装飾置物や、女性向きの装飾容器(例えば、化粧用のコンパクトやアクセサリボックス等)、装身具(例えば、ペンダントの先につけるペンダントトップ等)等の装飾型の機器に適用すれば、これらの機器の機能及び美観の向上を図ることができる。
なお、機器本体側に代えて、機器の蓋部側に、ハート型の表示装置を備えるようにしても良く、機器本体側と蓋部側との両方にハート型の表示装置を備えるようにし、映像を表示していないときが、化粧鏡として機能する表示装置を組み込むようにすれば、例えば、化粧用コンパクトの機能及び美観の向上を図ることができる。さらに、この種の機器を無線信号伝達、無線給電方式(
参考発明の第7の実施形態)によって、駆動するようにすれば、機能設計及び意匠の自由度を一段と向上させることができる。
【0100】
図34は、この発明の
第3の実施形態である、非矩形状の表示装置が組み込まれた装飾型の機器の外観を示す斜視図であり、同図(a)は、機器を広げた状態を示し、また、同図(b)は、機器を立体的に折り曲げる状態が示されている。
この機器30には、例えば、同図に示すように、ハート型の表示装置31a、31b、31c、32dが4つ組み込まれている。この装飾型の機器を広げると、同図(a)に示すように、「四つ葉のクローバ」が見える状態になる。4つのハート型の表示装置31a、31b、31c、32dのそれぞれが、あたかも、「四つ葉のクローバ」の個々の葉を構成する。4つのハート型の表示装置31a、31b、31c、32dに別々の画像を表示しても良いし、一つの画像を4つに分割して各表示装置31a、31b、31c、32dで表示しても良い。
この機器において、同図(a)の中心から点線又は破線で示された3つの箇所は、左右又は上下に隣接するハート型の表示装置(31dと31a、31aと31b、31bと31c)を連結する連結領域であり、フレキシブル基板等を用いて折り曲げ自在に構成されている。なお、図中下部の実線で示された箇所は、切れ目であり、左右のハート型の表示装置(31cと31d)は互いに接続されていない。
【0101】
上記構成において、同図(a)の点線部分を中心に、図中上側の表示装置を後ろ向きに、山折り状に折ることができる。また、同図(a)の破線部分を中心に、図中左右の表示装置の表面同士が重なる方向に、谷折り状に折ることができる。全てを折り曲げると、この機器はクローバ状からハート型に変化する。ハート型になると、表と裏の2面に4つの表示装置31a、31b、31c、32dのうち2つの表示装置が見える状態となる。このハート型の状態でペンダントトップ等を形成すると、必要に応じて、表示装置をクローバ状や、立体的な中間状態に変化させることができるので、極めて高い意匠効果を奏することができる。
さらに、この種の機器を無線信号伝達、無線給電方式(
参考発明の第7の実施形態)によって、駆動するようにすれば、有線接続に配慮する必要がなくなるので、機能設計及び意匠の自由度を一段と向上させることができる。
【0102】
次に、
参考発明の第8の実施形態について説明する。
図37は、
参考発明の第8の実施形態である非矩形状のカラー表示装置を構成する表示エリア内の色画素の配列構成を概略的に示す配列図、また、
図38乃至
図42は、幾通りかの色画素の配列構成を簡略化して示す部分配列図である。
この実施形態のカラー画素アレイでは、
上述の各実施形態で述べた複数の非矩形画素のそれぞれが、カラー表示を構成する所定の複数色(例えば、赤、緑、青)のうち、何れかの色の色画素をなすと共に、複数色の色画素の組合せによりカラー表示用の非矩形の単位画素が形成されている。この実施形態では、非矩形画素を色画素で置き換えることで、色画素を任意に配置することができるが、一段と高い表示品質を求めるなら、各色画素に線状に隣接する同一色の色画素の数を1又は0に設定する配置構成が好ましい。以下、
図37乃至
図42を参照して、代表的な配置方法を説明する。なお、各種配線は、上述の
各実施形態で述べたと略同様であるので、その説明を省略する。
図37には、
参考発明の第1の実施形態(
図6)と同じ画素配列構成を用いて、三角形状の各画素(非矩形画素)7、7、…を赤色画素58r、緑色画素58g、又は青色画素58b、…とし、これらの一組から、カラー表示用の単位画素(ピクセル)58、59を構成するようにした画素アレイ3bが示されている。画素アレイ3bの配置構成では、
図37に示すように、三角形状の各色画素に線状に隣接する同一色の色画素の数が1に設定され、三角形状の各色画素58r、58g、58bは、同色の色画素と一辺を共有して隣接する態様で配置されている。すなわち、一辺を共有する同色の画素58rと58r、58gと58g、58bと58bが二つ一組を構成している。
ここで、画素アレイ3bは、色情報まで含めると互いに相似形ではない2種類の単位画素(ピクセル)58、59から構成されて全体が埋め尽くされている。すなわち、このような構成の単位画素58、59では、隣接する同じ色の画素が、併進対称で重なり合わない。このため、表示形状外周が特定の方向の傾きを持っている場合にも同じ色が連続する状態とならない。例えば、図中の3つの配線方向のうち、ある一つの配線方向を見た場合、同じ色で相似な画素は、必ず、2色おき3色毎に出現している。このため、ここで想定している3色が必ず混色されるため、特定の色が目立つことがない。すなわち、色のにじみを軽減できる。
【0103】
次に、
図38には、3色からなる色画素配置の例で、
図37に対応する色画素配列が簡略化して示されている。この配置構成では、赤色画素60r、緑色画素60g、青色画素60bが、互いに相似形ではない単位画素60、61を構成する。各色画素は、一辺を共有して隣接する同じ色の画素を一つ有している。図中の破線(配線)74の上側に辺を接する色画素に注目すると、左側のaと記載した青色画素60bと相似でかつ破線(配線)74に接する青色画素60bは3色画素毎に現われる。この構成では、相似な形状の同じ色の画素の繰り返しピッチが大きいため、表示形状や外周形状に沿って、単位画素60、61中の色画素を一部使用しない場合でも、特定の色が目立って表示されることがない。
【0104】
図39には、この実施形態による色画素62r、62g、62bの別の配置構成例が示されている。この配置構成では、単位画素のパターンが4種類存在する。単位画素62と単位画素64は色を含めて相似であり、180度の回転で重ねることができる。また、単位画素65と単位画素63は色を含めて相似であり、180度の回転で重ねることができる。一方、単位画素62と単位画素65は色を含めると互いに相似でない。この配置構成では、
図38の配置に比べ、1辺を共有し隣接する同じ色の画素は、特定の1色のみ、すなわち、この例では、緑色画素62g、62gのみとなっている。一方、図中の破線(配線)75に注目すると、破線(配線)75と一辺を共有し、その下側に接する色画素は、図中にbと示した青色画素62bから1画素ピッチシフトした画素はbと同じ色の青色画素62bとなっている。次に出現するのは図中bから6画素シフトした位置である。すなわち、
図38のように繰り返しピッチが一つだけでなく二つのピッチを有する。
図39の配置構成では、一辺を共有して隣接する同じ色の画素が特定の1色(この例では、緑色画素62g、62g)に限られる一方、辺を共有しないで並進方向に並んだ画素間のシフトピッチがさまざまな値となっている。この配置構成では、
図38に比べると、相似でない辺を共有する隣接する同じ色の画素による色ムラが低減される一方、シフトピッチが近い同じ色の画素による色ムラは増大する。しかし、従来技術に比べると、格段に表示特性は向上する。
【0105】
図40には、この実施形態による色画素のさらに別の配置構成例が示されている。この配置構成では、
図38と同様、色を含めると形状の異なる2種類の単位画素66、67が存在する。しかし、
図38の配置構成では、2種類の単位画素61、62が、互いに台形の辺を完全に重ねるように配置されているのに対して、
図40の配置構成では、2種類の単位画素66、67の台形の辺は重ならず、色画素の画素ピッチ一つ分ずれている。この結果、各色画素66r、66g、66bに線状に隣接する同一色の色画素の数が0に設定されて、隣接する同じ色の画素は辺を共有しない。一方、破線(配線)76に注目すると、この破線(配線)76に辺を共有する色画素(例えば、bとc)は、この破線(配線)76の方向に1画素毎に繰り返し配置されている。このため、
図38や
図39に比べると、相似でない辺を共有する隣接する同じ色の画素による色ムラは解消する一方、シフトピッチが近い同じ色の画素による色ムラは増大する。しかし、従来技術と比べると、格段に表示特性は向上する。
【0106】
次に、
図41には、辺を共有し隣接する同じ色の画素、95r、95g、95bが二つ以上存在する例が示されている。この例では、色画素が斜めストライプ状に配置される。このため、特定の方向で色ムラが顕著に発生する。しかし、従来技術と比べると、ぎざぎざ感は軽減される。
【0107】
ここまで、色画素の色の数が3つの場合を中心に説明してきたが、色の数は3つに限らず、複数であれば良い。
図42には、4つの色の色画素を用いる配置例が示されている。この例では、赤色画素68r、緑色画素68g、青色画素68bに加えて白色画素68wが追加されている。ここでも、2パターンの単位画素68、69が存在する。この例では、単位画素68、69は回転操作により重なり相似である。この配置構成では、同じ色の色画素が辺を共有して隣接しない。さらに、ある配線の一方の側に辺を接して存在する色画素は同じ色の画素が2画素毎に出現する。この結果、特定の色に起因する色ムラが生じにくい。この実施形態では、非矩形画素が三角形の場合について述べたが、これに限らず、六角形や平行四辺形等の他の形状でも、色画素を構成することができる。
【0108】
次に、
参考発明の第9の実施形態について説明する。
図43は、
参考発明の第9の実施形態である画素アレイの配置構成を部分的に示す構成図、また、
図44は、同画素アレイの別の配置構成を部分的に示す構成図である。
この実施形態の画素アレイは、同図に示すように、4種類の非矩形のサブ画素85a、85b、85c、85dを有している。なお、サブ画素85aと85c、サブ画素85bと85dは、それぞれ回転により重なるので、相似である。各サブ画素85a、85b、85c、85dには、例えば、アクティブ素子86が設けられている。表示内容に応じて、アクティブ素子86を駆動して、サブ画素の組み合わせ方を変えることで、所望の画素構成、すなわち、矩形又は非矩形の画素構成を択一的に選択できる。例えば、文字表示のときは、矩形の画素構成が選択され、一方、非矩形の図形表示のときは、非矩形の画素構成が選択される構成となっている。
【0109】
図43を参照して、具体的に説明すると、台形のサブ画素85aと該サブ画素85aの図中右側の三角形のサブ画素85bとの組み合わせから、非矩形の画素87(この例では、平行四辺形の画素)が構成される。同様に、台形のサブ画素85cと該サブ画素85cの図中左側の三角形のサブ画素85dとの組み合わせから、非矩形の画素(この例では、平行四辺形の画素)88が構成される。これらの画素87、88により、非矩形の画素表示を好適に実現できる。一方、台形のサブ画素85aと該サブ画素85aの図中左側の三角形のサブ画素85bとの組み合わせから、矩形の画素89が構成される。同様に、サブ画素85bと85cを組み合わせることにより矩形の画素85として機能させることが出来る。台形のサブ画素85cと該サブ画素85cの図中右側の三角形のサブ画素85dとの組み合わせから、非矩形の画素(この例では、平行四辺形の画素)90が構成される。これらの画素89、90を組み合わせることで、文字表示の際には、矩形の画素表示を好適に実現できる。このような画素の組替えは、アクティブ素子86と配線に印加する信号を電気的に変化させることで実現でき、画素の配列自体を変える必要はない。それゆえ、コンテンツに応じて好適な表示方法を選択できる。
【0110】
図44には、同画素アレイの別の配置構成が示されている。この図の構成では、図の中心を中心として象限間で画素配置のパターンが異なっている。アクティブ素子86と各種配線の配置を除くと、サブ画素91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、93a、93b、93c、93d、94a、94b、94c、94dの配置は、ちょうど、図の中心を中心として縦横に折り返した形となっている。このような構成にすると、非矩形の表示において、4象限のそれぞれが好適な傾きを有するため、六角形等、比較的対称な形状の非矩形の表示の際に、表示外形のギザギザ感をなくすことができる。また、
図43と同様に、文字表示に際しては、矩形の画素表示が可能である。
【0111】
以上、この発明の
実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの
実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述の参考発明とこの発明との間で共有可能な技術的特徴については、主として、参考発明の実施形態又は実施例として記載し、この発明の実施形態又は実施例としては明記しなかったのは、このような共有可能な技術的特徴を、この発明の実施形態又は実施例から排除する意図ではないことはもちろんである(本願特許請求の範囲に記載の従属請求項参照)。
共有可能な技術的特徴を、この発明の実施形態又は実施例として明記せずに、代表として、参考発明の実施形態又は実施例として記載した理由は、本願が他の特許出願から分かれる際、他の特許出願に係る発明を参考発明として明細書中に残したことによる、重複記載の冗長性の発生を回避するためである。それゆえ、上述の参考発明の実施形態又は実施例の中で、この発明の構成に適用可能な技術的特徴は、この発明の実施形態又は実施例に含まれる。
それゆえ、上述の参考発明の実施形態又は実施例の中で、例えば、三角形状の画素、または、平行四辺形状の画素に特定して記載した事項であっても、「ジグザグ状の第1及び第2の導線群が、互いに交差する態様で配設され、かつ、例えば、六角形状の非矩形画素が上記第1及び第2の導線とに囲まれて画成される」とのこの発明の構成に適用可能な技術的特徴は、この発明の実施形態又は実施例に含まれる。
また、上述の各実施形態及び各実施例では、同一の基板上に、第1、第2及び第3の導線を設けるようにしたが、表示装置の種類に応じて、第1及び第2の導線を第1の基板上に設ける一方、第3の導線を第2の基板(対向基板)上に設けるようにしても良い。また、上述の各実施形態及び各実施例では、同一の基板上に、第1、第2及び第3の導線を設ける場合について
述べたが、第3の導線を予備の導線又は休止状態の導線としても
良い。