(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5747483
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】低圧ループEGR装置
(51)【国際特許分類】
F02M 25/07 20060101AFI20150625BHJP
F02B 37/00 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
F02M25/07 580B
F02M25/07 570P
F02B37/00 302F
F02B37/00 301F
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-255801(P2010-255801)
(22)【出願日】2010年11月16日
(65)【公開番号】特開2012-107551(P2012-107551A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2013年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐二
【審査官】
佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−525231(JP,A)
【文献】
特開2000−161147(JP,A)
【文献】
特開平01−187359(JP,A)
【文献】
特開昭61−155623(JP,A)
【文献】
特表2010−518298(JP,A)
【文献】
特開2011−106292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/07
F02B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気配管の途中に配設されたコンプレッサ、排気配管の途中に配設されたタービン、及び前記コンプレッサにおけるコンプレッサインペラと前記タービンにおけるタービンインペラを同軸状に一体的に連結するタービン軸を備えてなる過給機を装備した過給エンジンに用いられ、前記排気配管内における前記タービンの下流側から排気ガスの一部をEGRガスとして取り出し、前記給気配管内における前記コンプレッサの上流側に戻す低圧ループEGR装置において、
入口端が前記排気配管における前記タービンの下流側部分に連通するように接続され、出口端が前記給気配管における前記コンプレッサの上流側部分に連通するように接続され、EGRガスを流通可能なEGR配管と、
前記EGR配管の途中に配設され、前記EGR配管内を開閉するEGR弁と、
前記EGR配管の途中に配設され、EGRガスを冷却するEGRクーラと、を具備し、
前記給気配管内に前記コンプレッサインペラの回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成するように、前記EGR配管の出口端側の開口部の軸心が前記給気配管の軸心に対して立体交差し、
前記EGR配管の出口端側部分に前記給気配管側に向かって流路面積を漸次小さくしたEGR絞り部が形成され、
前記給気配管は、前記EGR配管と前記給気配管の接続部の直下流側において、該接続部と前記コンプレッサにおけるコンプレッサハウジングとの間に、前記コンプレッサハウジングに向かって流路面積を漸次小さくした下流絞り部を更に含むことを特徴とする低圧ループEGR装置。
【請求項2】
前記EGR配管の内径の寸法が前記給気配管における前記EGR配管との接続部の内半径の寸法よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の低圧ループEGR装置。
【請求項3】
タービンハウジングを含むタービン及びコンプレッサハウジングを含むコンプレッサとを有する過給機と、
前記タービンハウジングに接続する排気配管と、
前記コンプレッサハウジングに接続する給気配管と、
前記排気配管と前記給気配管とに接続するEGR配管と、
を有し、
前記給気配管内に前記コンプレッサにおけるコンプレッサインペラの回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成するように、前記EGR配管の出口端側の開口部の軸心が前記給気配管の軸心に対して立体交差し、
前記給気配管は、前記EGR配管と前記給気配管の接続部の直下流側において、該接続部と前記コンプレッサハウジングとの間に、前記コンプレッサハウジングに向かって流路面積を漸次小さくした下流絞り部を更に含むことを特徴とする低圧ループEGR装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機を装備した過給エンジンに用いられるものであって、排気配管(排気通路)内における過給機のタービンの下流側から排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)として取り出して、給気配管(給気通路)内における過給機のコンプレッサの上流側に戻す低圧ループEGR装置(排気再循環装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、過給エンジンの排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)を低減するために、EGR量を十分に確保する観点等から、排気配管内におけるタービンの上流側からEGRガスを取り出して給気配管内におけるコンプレッサの下流側に戻す高圧ループEGR装置に代わって、排気配管内におけるタービンの下流側からEGRガスを取り出して給気配管内におけるコンプレッサの上流側に戻す低圧ループEGR装置について種々の開発がなされている(特許文献1及び特許文献2等参照)。そして、低圧ループEGR装置の一般的な構成等について説明すると、次のようになる。
【0003】
即ち、排気配管におけるタービンの下流側部分には、EGRガスを流通可能(流入可能)なEGR配管(EGR通路)の入口端が連通するように接続されており、給気配管におけるコンプレッサの上流側部分には、EGR配管の出口端が連通するように接続されている。また、EGR配管の途中には、EGR配管内を開閉するEGR弁が配設されており、EGR配管の途中におけるEGR弁よりも排気配管側には、EGRガスを冷却するEGRクーラが配設されている。
【0004】
従って、過給エンジンの運転中に、EGR弁によってEGR配管内を開くことにより、排気配管内におけるタービンの下流側から排気ガスの一部がEGRガスとしてEGR配管内へ流入する。そして、EGR配管内に流入したEGRガスは、EGRクーラによって一旦冷却されて、EGR配管内から給気配管内におけるコンプレッサの上流側に流出する。これにより、過給エンジンの燃焼温度を下げて、NOx(窒素酸化物)の排出量を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−162552号公報
【特許文献2】特開2005−299615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、EGRガスは、前述のようにEGRクーラによって冷却されるものの、給気配管内に流入される空気に比べて非常に高温になっており、EGR配管内から給気配管内におけるコンプレッサの上流側に流出して給気配管内の空気と合流すると、給気配管内におけるEGR配管との接続部の直下流側(EGR配管の出口端の直下流側)において、温度勾配の大きい領域が発生する。そのため、給気配管内においてEGRガスの凝縮が起こり、凝縮水がコンプレッサ等に導入されて、コンプレッサ等の浸食を招くという問題がある。また、EGRガス中のNOx、SOx等により酸性になった凝縮水がコンプレッサ等の腐食を招くという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の低圧ループEGR装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、給気配管(給気通路)の途中に配設されたコンプレッサ、排気配管(排気通路)の途中に配設されたタービン、及び前記コンプレッサにおけるコンプレッサインペラと前記タービンにおけるタービンインペラを同軸状に一体的に連結するタービン軸を備えてなる過給機を装備した過給エンジンに用いられ、前記排気配管内における前記タービンの下流側から排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)として取り出し、前記給気配管内における前記コンプレッサの上流側に戻す低圧ループEGR装置(排気再循環装置)において、入口端(始端)が前記排気配管における前記タービンの下流側部分に連通するように接続され、出口端(終端)が前記給気配管における前記コンプレッサの上流側部分に連通するように接続され、EGRガスを流通可能(流入可能)なEGR配管(EGR通路)と、前記EGR配管の途中に配設され、前記EGR配管内を開閉するEGR弁と、前記EGR配管の途中に配設され、EGRガスを冷却するEGRクーラと、を具備し、前記給気配管内に前記コンプレッサインペラの回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成するように、前記EGR配管の出口端側の開口部の軸心(中心線)が前記給気配管の軸心(中心線)に対して立体交差し
、前記EGR配管の出口端側部分に前記給気配管側に向かって流路面積を漸次小さくしたEGR絞り部が形成され、
前記給気配管は、前記EGR配管と前記給気配管の接続部の直下流側において、該接続部と前記コンプレッサにおけるコンプレッサハウジングとの間に、前記コンプレッサハウジングに向かって流路面積を漸次小さくした下流絞り部を更に含むことを要旨とする。
【0009】
なお、「上流側」とは、排気ガス又は空気の流れ方向から見て上流側のことをいい、「下流側」とは、排気ガス又は空気の流れ方向から見て下流側のことをいう。
【0010】
本発明の特徴によると、前記過給エンジンの運転中に、前記EGR弁によって前記EGR配管内を開くことにより、前記排気配管内における前記タービンの下流側から排気ガスの一部がEGRガスとして前記EGR配管内へ流入する。そして、前記EGR配管内に流入したEGRガスは、前記EGRクーラによって一旦冷却されて、前記EGR配管内から前記給気配管内における前記コンプレッサの上流側に流出する。これにより、前記過給エンジンの燃焼温度を下げて、NOxの排出量を低減することができる。
【0011】
ここで、前記EGR配管の出口端側の軸心が前記給気配管の軸心に対して立体交差してあって、前記EGR配管の出口端側部分に前記給気配管側に向かって流路面積を漸次小さくした前記EGR絞り部が形成されているため、EGRガスが前記EGR配管内から前記給気配管内における前記コンプレッサの上流側に流出する際に、EGRガスの流速を高めつつ、前記給気配管内に前記コンプレッサインペラの回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成することができる。これにより、前記コンプレッサの吸込み性を損なうことなく、EGRガスと空気との混合作用の促進を図って、前記給気配管における前記EGR配管との接続部の直下流側において、温度分布状態を一様に近づけて、温度勾配の大きい領域をなくすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記コンプレッサの吸込み性を損なうことなく、前記給気配管における前記EGR配管との接続部の直下流側において、温度勾配の大きい領域をなくすことができるため、前記コンプレッサの性能の維持を図りつつ、前記給気配管内においてEGRガスの凝縮
を起こり難くして、前記コンプレッサ等の浸食及び腐食を十分に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置を備えた過給エンジンの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるII-II線に沿った図であって、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置の要部を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるIII-III線に沿った図であって、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1から
図3を参照して、本発明の実施形態に係る過給エンジンの全体的な構成(給気系及び排気系を含む)、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置の構成等について順次説明する。なお、図中において、排気ガス及びEGRガスの流れは、ハッチングを施した矢印、空気(圧縮空気)及びEGRガスを含む空気の流れは、白抜き矢印で示している。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る過給エンジン1は、例えば直列4気筒ディーゼルエンジンであって、各気筒3に空気(圧縮空気)を分配する吸気マニホールド5、及び各気筒3からの排気ガスを集める排気マニホールド7を有している。また、過給エンジン1は、排気マニホールド7からの排気ガスの圧力エネルギーを利用して、吸気マニホールド5に供給される空気を過給する過給機9を装備している。そして、過給機9の構成について簡単に説明すると、次のようになる。
【0016】
過給機9は、ベースハウジング(ベアリングハウジング)11を備えており、このベースハウジング11の一側(
図1において左側)には、空気を圧縮するコンプレッサ13が配設されており、このコンプレッサ13は、ベースハウジング11の一側に固定されたコンプレッサハウジング15、及びコンプレッサハウジング15内に回転可能に設けられたコンプレッサインペラ17を有している。また、ベースハウジング11の他側(
図1において右側)には、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力を発生させるタービン19が配設されており、このタービン19は、ベースハウジング11の他側に固定されたタービンハウジング21、及びタービンハウジング21内に回転可能に設けられたタービンインペラ23を有している。そして、ベースハウジング11には、コンプレッサインペラ17とタービンインペラ23を同軸状に一体的に連結するタービン軸(ロータ軸)25がベアリング27を介して回転可能に設けられている。
【0017】
続いて、過給エンジン1の給気系及び排気系の構成について簡単に説明する。
【0018】
図1に示すように、吸気マニホールド5には、空気を吸気マニホールド5に給気するための給気配管(給気通路)29の一端が連通するように接続されている。また、給気配管29の他端側には、給気配管29内に導入される空気を浄化するエアクリーナ31が配設されている。そして、給気配管29を含む給気系から見て、給気配管29の途中におけるエアクリーナ31の下流側には、前述のコンプレッサ13が配設されるようになっている。更に、給気配管29の途中におけるコンプレッサ13の下流側には、圧縮された空気(圧縮空気)を冷却するインタークーラ35が配設されている。
【0019】
排気マニホールド7には、排気ガスを排気するための排気配管(排気通路)37の一端が連通するように接続されている。また、排気配管37の他端側には、排気ガス中の粒子状物質を捕捉するパティキュレートフィルタ41が配設されている。そして、排気配管37を含む排気系から見て、排気配管37の途中におけるパティキュレートフィルタ41の上流側には、前述のタービン19が配設されるようになっている。
【0020】
続いて、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置(排気再循環装置)43の構成について説明する。
【0021】
図1から
図3に示すように、本発明の実施形態に係る低圧ループEGR装置43は、前述の過給エンジン1に用いられるものであって、排気配管37内におけるタービン19の下流側から排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)として取り出し、給気配管29内におけるコンプレッサ13の上流側に戻すものである。
【0022】
具体的には、排気配管37におけるタービン19の下流側部分には、EGRガスを流通可能(流入可能)なEGR配管(EGR通路)45の入口端(始端)が連通するように接続されており、給気配管29におけるコンプレッサ13の上流側部分には、EGR配管45の出口端(終端)が連通するように接続されている。換言すれば、排気配管37におけるタービン19の下流側部分と給気配管29におけるコンプレッサ13の上流側部分との間には、EGR配管45が連通するように接続されている。ここで、EGR配管45の内径の寸法は、給気配管29におけるEGR配管45との接続部の内半径の寸法よりも小さくなっている。
【0023】
EGR配管45の途中には、EGR配管45内を開閉する(EGR配管45内のEGRガスの流量を調節する)EGR弁47が配設されている。また、EGR配管45の途中におけるEGR弁47よりも排気配管37側には、EGRガスを冷却するEGRクーラ49が配設されている。
【0024】
給気配管29内にコンプレッサインペラ17の回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成するように、EGR配管45の出口端側の軸心(中心線)45c及びEGR配管45の出口端側の矩形の開口部(連通孔)51の軸心(中心線)51cは、給気配管29の軸心(中心線)29cに対して立体交差してある。また、EGR配管45の出口端側の開口部51の軸心51cは、EGR配管45の出口端側の軸心45cに対して偏心してあって、EGR配管45の出口端側の開口部51における最も偏心した縁部51eは、給気配管29の内周面に滑らかに繋がっている。更に、EGR配管45の出口端側部分には、給気配管29側に向かって流路面積(流路断面積)を漸次小さくしたEGR絞り部53が形成されている。そして、給気配管29におけるEGR配管45との接続部の直下流側(給気配管29におけるEGR配管45の開口部51の直下流側)には、コンプレッサ13側に向かって流路面積を漸次小さくした下流絞り部55が形成されている。なお、EGR配管45の出口端側の開口部51の軸心51cが給気配管29の軸心29cに対して立体交差してあれば、EGR配管45の出口端側の軸心45cが給気配管29の軸心29cに対して立体交差していなくても構わない。
【0025】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0026】
過給エンジン1の運転中に、排気配管37を経由して排気マニホールド7からの排気ガスをタービンハウジング21内に流通させることにより、排気ガスの圧力エネルギーを利用して回転力(回転トルク)を発生させて、タービンインペラ23を回転させると共に、コンプレッサインペラ17をタービン軸25を介してタービンインペラ23と一体的に回転させる。これにより、給気配管29を経由してコンプレッサハウジング15内に取入れた空気を圧縮して、吸気マニホールド5に供給される圧縮空気(空気)を過給(圧縮)することができる。なお、吸気マニホールド5に供給される前に、圧縮空気はインタークーラ35によって冷却される。
【0027】
また、過給エンジン1の運転中に、EGR弁47によってEGR配管45内を開く(EGR配管45内のEGRガスの流量を調節する)ことにより、排気配管37内におけるタービン19の下流側(換言すれば、排気配管37内におけるパティキュレートフィルタ41の下流側)から排気ガスの一部がEGRガスとしてEGR配管45内へ流入する。そして、EGR配管45内に流入したEGRガスは、EGRクーラ49によって一旦冷却されて、EGR配管45内から給気配管29内におけるコンプレッサ13の上流側(換言すれば、給気配管29内におけるコンプレッサ13とエアクリーナ31の中間側)に流出する。つまり、過給エンジン1の運転中に、排気配管37内におけるタービン19の下流側からEGRガスを取り出し、給気配管29内におけるコンプレッサ13の上流側に戻すことができる。これにより、過給エンジン1の燃焼温度を下げて、NOxの排出量を低減することができる。
【0028】
ここで、
EGR配管45の出口端側の開口部51の軸心51cが給気配管29の軸心29cに対して立体交差し
、EGR配管45の出口端側部分に給気配管29側に向かって流路面積を漸次小さくしたEGR絞り部53が形成されているため、EGRガスがEGR配管45内から給気配管29内におけるコンプレッサ13の上流側に流出する際に、EGRガスの流速を高めつつ、給気配管29内にコンプレッサインペラ17の回転方向と同方向の旋回成分を持ったEGRガスの旋回流を生成することができる。また、給気配管29におけるEGR配管45との接続部の直下流側にコンプレッサ13側に向かって流路面積を漸次小さくした下流絞り部55が形成されているため、EGRガスの旋回速度(EGRガスの旋回流の旋回速度)を十分に確保することができる。これにより、コンプレッサ13の吸込み性を損なうことなく、EGRガスと空気との混合作用の促進を図って、給気配管29におけるEGR配管45との接続部の直下流側において、温度分布状態を一様に近づけて、温度勾配の大きい領域をなくすことができる。
【0029】
従って、本発明の実施形態によれば、コンプレッサ13の性能の維持を図りつつ、給気配管29内においてEGRガスの凝縮
を起こり難くして、コンプレッサ13及びインタークーラ35等の浸食及び腐食を十分に防止することができる。
【0030】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0031】
1 過給エンジン
3 気筒
5 吸気マニホールド
7 排気マニホールド
9 過給機
11 ベースハウジング
13 コンプレッサ
15 コンプレッサハウジング
17 コンプレッサインペラ
19 タービン
21 タービンハウジング
23 タービンインペラ
25 タービン軸
27 ベアリング
29 給気配管
29c 給気配管の軸心
31 エアクリーナ
35 インタークーラ
37 排気配管
41 パティキュレートフィルタ
43 低圧ループEGR装置
45 EGR配管
45c EGR配管の出口端側の軸心
47 EGR弁
49 EGRクーラ
51 開口部
51c 開口部の軸心
51e 開口部の縁部
53 EGR絞り部
55 直下流絞り部