【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する第1の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
画像センサのマーカ検出機能を評価するために用いる評価試験画像を画像データとして自動作成して、当該画像データを映像信号として前記画像センサに入力し、前記画像センサの出力結果と前記画像データを比較することで、前記画像センサのマーカ検出機能を自動的に評価する
画像センサのマーカ検出機能試験方法であって、
予め撮影した評価試験背景用ビデオから前記評価試験画像の背景となる背景用静止画像を設定した時間間隔で抜き出す一方、実際に使用されるマーカを模した画像であるマーカ基準画像を設定し、前記背景用静止画像に前記マーカ基準画像を上書きすることで前記評価試験用画像を自動作成することを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第
2の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
上記第
1の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験方法において、
前記マーカ基準画像を前記背景用静止画像に上書きする位置であるマーカ位置を、時間に関する楕円軌道等の位置の関数を指定することにより決定し、当該マーカ位置に前記マーカ基準画像を上書きすることで前記評価試験画像を自動作成することを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第
3の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
上記第
1または第
2の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験方法において、
前記マーカ基準画像のサイズ、回転、縦横比、明るさの少なくとも1つを変化させたマーカ画像を、前記背景用静止画像上の指定位置へ上書きすることで、前記評価試験画像を作成することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第
4の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
上記第
1または第
2の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験方法において、
前記マーカ基準画像のサイズ、回転、縦横比、明るさの少なくとも1つの変化を時間に関する関数で指定し、マーカ画像を自動的に作成することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第
5の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
上記第
1乃至第
4のいずれか1項の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験方法において、
前記背景用静止画像を予め設定した時間間隔で抜き取り、当該画像を記憶、保管しておく記憶手段に当該画像を記憶、保管しておき、必要に応じて保管された当該画像を取り出し、前記マーカ画像または前記マーカ基準画像を前記背景用静止画像上に上書きすることで、前記評価試験画像を作成することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決する第
6の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験方法は、
上記第1乃至第
5のいずれか1項の発明に記載の方法を用いて、自動搬送車に搭載される画像センサのマーカ検出機能を試験することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決する第
7の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験
装置は、
画像センサのマーカ検出機能を評価するために用いる評価試験用画像を、画像データとして自動的に作成する画像自動作成手段と、
前記画像センサに前記評価試験用画像のデータを映像信号として出力し、前記画像センサのマーカ画像検出結果を通信により入力する画像センサ用入出力手段と、
前記評価試験用画像と前記画像センサ検出結果を比較する検出データ比較手段を備える
画像センサのマーカ検出機能試験装置であって、
前記画像自動作成手段が、
予め撮影した評価試験背景用ビデオから、設定した時間間隔で背景用静止画像を抜き出す評価試験背景用ビデオ制御手段と、
実際に使用されるマーカを模した画像であるマーカ基準画像を設定する処理設定手段と、
前記背景用静止画像と前記マーカ基準画像を組み合わせて前記評価試験画像を作成する評価試験画像作成手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決する第
8の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験装置は、
上記第
7の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験装置において、
前記評価試験画像作成手段が、
前記マーカ基準画像を前記背景用静止画像に上書きする位置であるマーカ位置を、時間に関する楕円軌道等の位置の関数を指定することにより決定し、当該マーカ位置にマーカ基準画像を上書きすることで前記評価試験画像を作成する機能を備えることを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決する第
9の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験装置は、
上記第
7または第
8の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験装置において、
前記評価試験画像作成手段が、
前記マーカ基準画像のサイズ、回転、縦横比、明るさの少なくとも1つを変化させたマーカ画像を作成するマーカ画像作成手段を備えることを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決する第
10の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験装置は、
上記第
7または第
8の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験装置において、
前記評価試験画像作成手段が、
前記マーカ基準画像のサイズ、回転、縦横比、明るさの少なくとも1つの変化を時間に関する関数で指定してマーカ画像を自動的に作成する時間依存型自動マーカ画像作成手段を備えることを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決する第
11の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験装置は、
上記第
7乃至第
10のいずれか1項の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験装置において、
前記評価試験背景用ビデオ制御手段から、設定した時間間隔で抜き出した前記背景用静止画像を、記憶、保管する記憶手段を備え、必要に応じて当該記憶手段に保管された前記背景用静止画像を取り出し、前記マーカ画像または前記マーカ基準画像を前記背景用静止画像上に上書きすることで、前記評価試験画像を作成することを特徴とする。
【0024】
上記課題を解決する第
12の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験装置は、
上記第
7乃至第
11のいずれか1項の発明に記載の画像センサのマーカ検出機能試験装置において、
各処理パラメータとマーカ基準画像を設定する処理設定手段と、
設定した前記マーカ位置とマーカ画像のサイズ、回転、縦横比、明るさとのデータであるマーカ状態データと、画像センサが検出した前記マーカ状態データと、前記検出データ比較手段によるデータの比較結果とを整理して、マーカ検出機能試験帳票データを作成する検出データ整理手段と、
各処理パラメータと、各画像データと、前記マーカ状態データと、前記マーカ検出試験帳票データの記憶、保管を行う記憶手段と、
前記マーカ検出機能試験帳票データを表示する表示手段と、
前記マーカ検出機能試験帳票データを外部へ出力するデータ出力手段と、
前記評価試験背景用ビデオ制御手段と、前記評価試験画像作成手段と、前記検出データ比較手段と、前記検出データ整理手段と、前記処理設定手段と、前記表示手段と、前記データ出力手段と、前記画像センサ用入出力手段のそれぞれの動作を行うための動作指令を出力し、マーカ検出機能試験装置全体の動作制御を行う動作制御手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決する第
13の発明に係る画像センサのマーカ検出機能試験
装置は、
上記第
7乃至第
12のいずれか1項の発明に記載の装置を用いて、自動搬送車に搭載される画像センサのマーカ検出機能を試験することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
上記第1
、第7の発明によれば、評価試験画像の作成を自動的に実施することができ、当該画像内のマーカ画像の位置やサイズ等もマーカ状態データにより既知であるために改めて計測する必要がなく、人手による労力を軽減できる。
【0027】
上記第
2及び第
8の発明によれば、さらに、マーカ画像の位置をそれぞれの背景用画像毎に動かすことにより実際にマーカが所定の場所に取り付けられているような評価試験画像を作り出すことができるので、より正確な試験が可能となる。
【0028】
上記第
3及び第
9の発明によれば、さらに、実際のマーカが画像センサとの位置関係により様々な映り方をする様子が再現できるため、より正確な試験が可能となる。また、前述の再現とは別に、異なる複数種類のマーカを想定してマーカ画像を作成することで、画像センサが検出しやすい形状のマーカを調べることも可能である。
【0029】
上記第
4及び第
10の発明によれば、さらに、複数のマーカ画像の評価試験を自動的に実施することができ、実際のマーカが画像センサとの位置関係により様々な映り方をする様子を再現することがより簡易的にできる。また、前述の再現とは別に、異なる複数種類のマーカを想定してマーカ画像を作成し、画像センサが検出しやすい形状のマーカを調べることも容易となるため、人手による労力をより軽減できる。
【0030】
上記第
5及び第
11の発明によれば、さらに、画像センサの機能評価を再試験する際に背景用静止画像を作り直す必要がないために繰り返し試験の処理時間を短縮することができる。また、再試験したい時刻を指定して、その時刻のみの再試験を実施することが容易であることから、より作業の効率化を図ることができる。
【0031】
上記第
12の発明によれば、さらに、処理設定部に必要な情報を入力すれば、その情報が記憶部を介し、動作制御部に伝わり、各手段を行う機構の動作を自動的に制御することが可能になる。また、マーカ検出機能試験結果を、マーカ検出機能試験帳票データとしてまとめ、当該データを表示部により可視化することや、データ出力部から外部へ当該データを出力することが可能となるため、装置としての利便性が向上する。
【0032】
上記第
6及び第
13の発明のように、自動搬送車に搭載される画像センサに適用した場合のように、画像センサに映し出されるマーカの状態及び背景が次々と変化していくときに、従来技術と比べ、労力や作業効率の違いが顕著に表れる。