(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チルト制御部が、前記地図上の位置が選択されている時間が第1の時間以上の場合、前記カメラをチルトダウンさせることを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
前記チルト制御部が、前記地図上の同じ位置が選択される毎に、前記カメラのチルトアップとチルトダウンを反転させて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
前記チルト制御部が、前記地図上の位置の選択が終了してから第2の時間が経過した後に、前記地図上の同じ位置が再度選択された場合、前記カメラをチルトダウンさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0016】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
[カメラ制御システムの構成]
本発明の実施の形態に係るカメラ制御システムの一例として、店舗の内部を監視する監視システムについて説明する。
【0018】
本発明の実施の形態に係るカメラ制御システムは、
図1及び
図2に示すように、店舗の内部を監視するためのカメラ(監視カメラ)20と、カメラ20のパンやチルトを制御したり、カメラ20で撮像した画像を閲覧したりするためのカメラ制御装置(カメラ制御端末)10と、カメラ制御装置10が出力する表示画像を表示するための画像表示装置40とを備える。本発明の実施の形態では、説明を簡略化するため、カメラ20が1台の例で説明するが、カメラ20が複数台あっても良いことはもちろんである。
【0019】
カメラ20は、店舗の内部を見渡せるよう、天井等の高所に取り付けられている。本発明の実施の形態において、カメラ20はネットワークカメラであり、撮像した画像をネットワーク30を介して送信したり、ネットワーク30を介して受信した制御信号にしたがって撮像方向を変更したりする。
【0020】
カメラ制御装置10は、カメラ20と同じ店舗の内部に設置したり、警備員室等に設置したりしても良い。カメラ制御装置10は、例えば汎用のパーソナルコンピューターに制御用のアプリケーションソフトウェアをインストールしたものである。
【0021】
画像表示装置40は、例えば液晶モニタやプロジェクタ等であり、画像表示装置40に表示された表示画像を見ながらカメラ制御装置10を操作できるよう、カメラ制御装置10とともに設置されている。
【0022】
カメラ制御装置10とカメラ20とは、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してネットワーク30と接続されており、ネットワーク30を介してカメラ制御装置10とカメラ20とが相互に通信を行う。ネットワーク30は、無線LANアクセスポイントや、ルーター、ハブ等のネットワーク機器から構成されている。なお、カメラ制御装置10とカメラ20との通信は、無線LANやLANケーブルを介した通信に限らず、携帯電話回線等他の通信であっても良い。
【0023】
[カメラの構成]
カメラ20は、
図1に示すように、ズームレンズ210を有する撮像部201、圧縮部202、通信部203、制御部204、雲台駆動部205及びズーム駆動部207を備える。
【0024】
撮像部201は、周囲の被写体を撮像し、撮像した画像を圧縮部202へ出力する。
【0025】
圧縮部202は、撮像部201から出力された撮像画像を、例えばJPEG(Joint Picture Expert Group)やMPEG(Moving Picture Expert Group)−4等の規格でディジタル画像圧縮し、圧縮した撮像画像を通信部203へ出力する。
【0026】
制御部204は、カメラ制御装置10から通信部203を介して受信したパン制御信号、ズーム制御信号及びチルト制御信号に基づいて、雲台駆動部205にパンを行わせるための制御信号、ズーム駆動部207にズームレンズ210を駆動させるための制御信号、雲台駆動部205にチルトを行わせるための制御信号をそれぞれ出力する。
【0027】
雲台駆動部205は、制御部204からの制御信号にしたがって、撮像部201をパン及びチルトさせて、撮像方向を変更する。雲台駆動部205にはパン角度センサー206及びチルト角度センサー209が取り付けられている。パン角度センサー206は、撮像部201の撮像方向のうち、水平方向の角度をパンデータとして出力する。チルト角度センサー209は、撮像部201の撮像方向のうち、垂直方向の角度をチルトデータとして出力する。
【0028】
ズーム駆動部207は、制御部204からの制御信号にしたがって、ズームレンズ210を駆動して焦点距離を変更させる。これにより、カメラ20はズームイン及びズームアウトを行う。ズーム駆動部207にはズームセンサー208が取り付けられている。ズームセンサー208は、現在のズームレンズ210の焦点距離を示すデータをズームデータとして出力する。
【0029】
通信部203は、圧縮部202で圧縮された撮像画像と、パン角度センサー206により出力されたパンデータと、チルト角度センサー209により出力されたチルトデータと、ズームセンサー208により出力されたズームデータとを、カメラ制御装置10へ送信する。通信部203はまた、カメラ制御装置10から送信されたパン制御信号、ズーム制御信号及びチルト制御信号を受信して、制御部204へ送る。
【0030】
[カメラ制御装置の構成]
カメラ制御装置10は、通信部101、復号部102、記憶部103、合成部104、出力部105、操作部106、パン制御部107、チルト制御部108及びズーム制御部109を備える。
【0031】
通信部101は、カメラ20から送信された撮像画像データ、パンデータ、チルトデータ及びズームデータを受信する。通信部101はまた、チルト制御部108から出力されたチルト制御信号、パン制御部107から出力されたパン制御信号、及びズーム制御部109から出力されたズーム制御信号を、カメラ20へ送信する。
【0032】
復号部102は、通信部101で受信したJPEGやMPEG−4等の規格の圧縮された撮像画像を復号する。
【0033】
記憶部103は、カメラ20が設置されている店舗等のカメラ20で撮像可能な領域を示す地図データと、地図上に表示するカメラアイコンの画像を示すカメラアイコンデータと、地図上のカメラ20の位置座標等を記憶する。
【0034】
合成部104は、復号部102で復号した撮像画像と、記憶部103から読み出した地図データ、カメラアイコンデータ及びカメラ20の位置座標とを用いて、表示画像データを合成する。
【0035】
合成部104は、例えば
図3に示すように、記憶部103から読み出した地図データに対応する地
図51を背景とし、記憶部103から読み出したカメラ20の位置座標に対応する地
図51上の位置に、カメラアイコンデータに対応するカメラアイコン52を合成する。なお、カメラアイコン52の向きは固定としても良く、カメラ20の撮像方向にあわせて回転させても良い。
図3においては、カメラアイコン52の向きAは、実際のカメラ20の撮像方向と一致するように回転するものとする。地
図51上の被写体53は、例えばカメラ20により撮像された画像から認識されることにより地
図51上に合成されても良く、地
図51上には表示されていなくても良い。更に、合成部104は、地
図51に隣接して、復号部102で復号した撮像画像60を合成し、表示画像を生成する。表示画像には更に、カメラ20を左右にパンさせるためのボタン65,66、カメラ20を上下にチルトさせるためのボタン63,64、カメラ20をズームイン及びズームアウトさせるためのボタン61,62等が適宜合成されても良い。
【0036】
出力部105には画像表示装置40が接続されており、合成部104で合成した表示画像データを出力し、画像表示装置40に表示させる。なお、出力部105は、
図3に示した表示画像データのように地
図51と撮像画像60のいずれも出力する場合を説明したが、複数の出力部及び複数の画像表示装置を用いて地図と撮像画像を分けて表示させても良い。
【0037】
操作部106としては、例えばマウスや画像表示装置40に設けられたタッチパネル等が使用可能であり、画像表示装置40に表示される表示画像における地図上の位置を選択可能なものであれば良い。操作者は、画像表示装置40に表示された表示画像データをみながら操作部106を操作することにより、種々の指示を行う。例えば、操作者が地図上の監視(閲覧)したい位置にカーソルを合わせてマウスのボタンを押したり、タッチパネルであれば直接タッチしたりすることにより、地図上の監視(閲覧)したい位置(方向)が選択される。
【0038】
パン制御部107は、操作部106が操作されて地図上の位置が選択されたことを検知すると、地図上の選択された位置の座標を検出し、検出した座標と、記憶部103から読み出したカメラ20の位置座標に基づいて、地図上のカメラ20の位置から選択された位置への方位を算出する。そして、パン制御部107が、算出した方位とカメラ20の撮像方向とが一致するように、カメラ20をパンさせるためのパン制御信号を出力する。パン制御信号は通信部101を介してカメラ20へ送信される。カメラ20は、パン制御信号にしたがって雲台駆動部205を駆動し、撮像部201のパンを行う。
【0039】
例えば
図3に示した地
図51上において、被写体53の位置が選択された場合、選択された位置に対応する実際の位置を向くようにカメラ20がパンを行い、被写体53を撮像する。この結果、
図4に示すように、撮像画像60には被写体が表示され、カメラアイコン52の向きBも選択された位置の方向を向く。
【0040】
図3に示すようにx軸、y軸をとり、地図上のカメラ20の位置座標を(x0、y0)、地図上の選択された位置の座標を(x、y)、地図上の選択された位置をカメラ20から見た方位をθとすると、θは以下の式で求められる。ただし、角度の規準を地図上のy軸とし、右回りを正とする。
【0041】
θ=tan−1((x−x0)/(y−y0)) 式1
式1で求めたθ、すなわち撮像方向を示す絶対角度をパン制御信号としてもよいし、通信部101で受信したパンデータとの差分をとって、現在の角度との相対角度をパン制御信号としてもよい。
【0042】
更に、パン制御部107は、例えば
図3に示したボタン65,66が押されたことを検知すると、カメラ20をパンさせるためのパン制御信号を出力しても良い。操作者がボタン65,66を押すことによっても、カメラ20をパンさせることができ、パンを微調整することができる。
【0043】
チルト制御部108は、操作部106が受け付けた地図上の位置の選択の継続時間に応じて、カメラ20のチルト量を変化させる。チルト制御部108は、操作部106が操作されて地図上の位置が選択されたことを検知すると、地図上の位置の選択の継続時間に応じて、通信部101で受信したチルトデータに基づいて、カメラ20をチルトダウンさせるためのチルト制御信号を出力する。チルト制御信号は通信部101を介してカメラ20へ送信される。カメラ20は、
図5(a)に示すようにチルト制御信号にしたがってチルトダウンする。この結果、
図5(b)に示すように撮像画像60において被写体53の位置が変化する。
【0044】
更に、チルト制御部108は、地図上の位置が選択された後、同じ位置が再度選択されたことを検知すると、地図上の位置の選択の継続時間に応じて、通信部101で受信したチルトデータに基づいて、カメラ20をチルトアップさせるためのチルト制御信号を出力する。チルト制御信号は通信部101を介してカメラ20へ送信される。カメラ20は、
図6(a)に示すようにチルト制御信号にしたがってチルトアップする。この結果、
図6(b)に示すように撮像画像60において被写体53の位置が変化する。このように、チルト制御部108は、前回と同じ位置が再度選択される度に、通信部101で受信したチルトデータに基づいて、カメラ20をチルトダウンさせるためのチルト制御信号、及びチルトアップさせるためのチルト制御信号を交互に出力する。なお、チルト制御部108は、地図上の選択された位置が、前回選択された位置を中心とした所定の範囲内であれば、前回選択された位置と同じ位置であると判断する。また、所定の範囲は適宜設定可能である。
【0045】
更に、チルト制御部108は、地図上の位置が選択された後、異なる位置が選択された場合、一旦チルトアップさせるためのチルト制御信号や、所定のチルト角度とするためのチルト制御信号を出力してもよい。これにより、カメラ20がパンするときに周囲を見渡せるようなチルト角度にチルトアップした画像が出力されるので、パンしているとき画像が見づらくなく、また撮像方向や被写体を確認しやすい。
【0046】
更に、チルト制御部108は、例えば
図3に示したボタン63,64が押されたことを検知すると、カメラ20をチルトアップ及びチルトダウンさせるためのチルト制御信号を出力しても良い。操作者がボタン63,64を押すことによっても、カメラ20をチルトすることができ、チルトを微調整することができる。
【0047】
ズーム制御部109は、例えば
図3に示したボタン61,62が押されたことを検知すると、ズカメラ20をズームイン及びズームアウトさせるためのズーム制御信号を出力する。操作者がボタン61,62を押すことにより、カメラ20のズームイン、ズームアウトを制御することができ、撮像画像60における被写体の大きさを微調整することができる。
【0048】
[カメラ制御方法]
次に、本発明の実施の形態に係るカメラ制御装置10を用いたカメラ制御方法の一例を、
図7のフローチャートにしたがって説明する。ここで、カメラ20の撮像方向の初期状態は、カメラ20毎に適宜設定可能である。例えば、カメラ20の撮像方向のうち垂直方向が水平に設定されていても良く、水平に対して30度又は45度下がるよう設定されていても良い。
【0049】
(イ)ステップS1において、
図1に示した出力部105が、カメラ20で撮像された画像及びカメラ20で撮像可能な領域を示す地図を合成した表示画像を出力する。出力部105から出力された表示画像は、画像表示装置40に表示される。操作者は、操作部106を操作して、表示画像における地図上の所定の位置(方向)を選択する。パン制御部107が、操作者により操作部106が操作されて地図上の位置が選択されたか判断する。地図上の位置が選択されたことを検知した場合、ステップS2に進む。
【0050】
(ロ)ステップS2において、パン制御部107が、地図上の選択された位置の座標を検出し、検出した座標と、記憶部103から読み出したカメラ20の位置座標と、通信部101で受信したパンデータとに基づいて、地図上の選択された位置に対応する実際の位置に撮像方向が向くようにカメラ20をパンさせるためのパン制御信号を出力する。パン制御信号は通信部101を介してカメラ20に送信される。カメラ20は、パン制御信号に応じて、地図上の選択された位置に対応する実際の位置が撮像されるようにパンを行う。なお、地図上の選択された位置の方位を地図上のカメラ20の位置から見た方位がカメラ20の撮像方向と一致している場合には、パン制御部107はパン制御信号を出力しない。
【0051】
(ハ)ステップS3において、チルト制御部108が、地図上の位置が選択されている時間をカウントするとともに、記憶部103から第1の時間(例えば0.1秒間)を読み出し、地図上の位置が選択されている時間が第1の時間以上継続したか判断する。そして、地図上の位置の選択が第1の時間よりも短い時間で終了した場合、チルトダウンを行わせず後述のステップS7へ進む。このステップS3の処理により、例えば操作者がチルトをさせずにパンだけを行わせたいとき、地図上の位置を第1の時間よりも短い時間でクリックすれば、チルトを行わせずにパンだけを行わせることができ、操作性を更に向上することができる。なお、このステップS3の処理は省略することも可能である。
【0052】
(ニ)ステップS4において、チルト制御部108が、カメラ20をチルトダウンさせるためのチルト制御信号を出力する。チルト制御信号は、通信部101を介してカメラ20へ送信され、チルト制御信号に応じてカメラ20がチルトダウンする。ステップS5において、チルト制御部108が、位置の選択が継続しているか判断し、地図上の位置の選択が終了したことを検知した場合、ステップS6に進み、チルト制御部108がチルト制御信号の送信を停止する。このステップS4〜S6の一連の処理により、地図上の位置の選択が終了するまで、チルト制御信号がカメラ20へ送信され、カメラ20のチルトダウンが継続する。
【0053】
(ホ)ステップS7において、チルト制御部108が、地図上の位置の選択が終了してからの時間をカウントするとともに、記憶部103から第2の時間(例えば10秒間)を読み出して、地図上の位置の選択が終了してから第2の時間以内に、ステップS1において選択された位置と同じ位置が選択されたか判断する。第2の時間以内に同じ位置が選択されない場合、又は第2の時間の経過の有無に関わらず異なる位置が選択された場合にはステップS1の手順に戻る。このため、第2の時間経過後にたとえ同じ位置が選択されたとしても、ステップS4において再度チルトダウンすることとなるので、チルトアップすることなく連続してチルトダウンを行うことができ、操作性を向上させることができる。なお、ステップS7において、第2の時間の経過の有無に関わらず、再度同じ位置が選択された場合にステップS8に進むようにしても良い。
【0054】
(ヘ)ステップS7において第2の時間以内に同じ位置が選択されたことを検出すると、ステップS8において、チルト制御部108が、カメラ20をチルトアップさせるためのチルト制御信号を出力する。チルト制御信号は、通信部101を介してカメラ20へ送信される。ステップS9において、チルト制御部108が、地図上の位置の選択が継続しているか判断し、地図上の位置の選択が終了したことを検知した場合、ステップS10に進み、チルト制御部108がチルト制御信号の送信を停止する。このステップS8〜S10の一連の処理により、地図上の位置の選択が終了するまで、チルト制御信号がカメラ20へ送信され、カメラ20のチルトアップが継続される。
【0055】
(ト)ステップS11において、チルト制御部108が、地図上の位置の選択が終了してからの時間をカウントするとともに、記憶部103から第2の時間(例えば10秒間)を読み出して、地図上の位置の選択が終了してから第2の時間以内に、ステップS7において選択された位置と同じ位置が選択されたか判断する。第2の時間以内に同じ位置が選択されない場合、又は第2の時間の経過の有無に関わらず異なる位置が選択された場合にはステップS1の手順に戻る。
【0056】
(チ)ステップS11において第2の時間以内に同じ位置が選択されたことを検出すると、ステップS4に戻り、チルト制御部108が、カメラ20をチルトダウンさせるためのチルト制御信号を出力し、チルトダウンが行われる。したがって、地図上の同じ位置が選択される度に、ステップS4のチルトダウン及びステップS8のチルトアップが反転されて行われることになる。一方、ステップS1に戻ったときに、前回のステップS7において選択された位置と異なる位置が選択された場合、パン制御部107はパン制御信号を出力する。このとき、チルト制御部108は、カメラ20がパンするとき(例えばパンと同時)に、カメラをチルトアップさせるためのチルト制御信号を出力しても良い。
【0057】
また、前述のステップS3からステップS7へ進む処理により、操作者がカメラ20のパンとともに、チルトダウンではなくチルトアップを行わせることができ、操作性を更に向上することができる。例えば、操作者が初回のクリックを0.1秒以内に解除し、その後10秒以内に地図上の同じ位置で2回目のクリックを行えば、初回のクリックでカメラ20にパンのみを行わせ、2回目のクリックでチルトアップのみを行わせることができる。
【0058】
[カメラ制御プログラム]
カメラ制御装置10の構成は、例えば、ハードウェアとして、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現される。同様に、カメラ制御装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラム等によって実現され得る。上記実施の形態では、これらのハードウェア又はソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0059】
このプログラムは例えば記憶部103に記憶されていてコンピュータに読み出されても良く、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれても良い。また、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を記憶部103に読み込ませてもよい。
【0060】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るカメラ制御システムにおけるカメラ制御装置10、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラムによれば、出力部105により出力された表示画像の地図上の位置を選択したときに、カメラ20のパンと連続(連動)してチルトを行わせることが可能となるので、操作者は容易にかつ直感的にカメラ20のパン及びチルトを制御することができる。
【0061】
更に、出力部105が出力する表示画像の地図上の同じ位置が選択される毎に、カメラ20のチルトダウン及びチルトアップが反転して行われることにより、適正な撮像方向になるように微調整を容易にかつ直感的に行うことができる。
【0062】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0063】
例えば、ステップS2においてパン制御部107がカメラ20をパンさせるとともに、ステップ4においてチルト制御部108がカメラ20をチルトダウンさせる場合を説明したが、ステップ2においてパン制御部107がカメラ20をパンさせ、パンが終了した後に、ステップS4においてチルト制御部108がカメラ20をチルトダウンさせても良い。
【0064】
また、ステップS4においてチルト制御部108がカメラ20をチルトダウンさせ、ステップS8においてチルト制御部108がカメラ20をチルトアップさせる場合を説明したが、チルト方向を反転させて、ステップS4においてチルト制御部108がカメラ20をチルトアップさせ、ステップS8においてチルト制御部108がカメラ20をチルトダウンさせても良い。この場合、チルト制御部108が前回と異なる位置にパンする度に一旦チルトダウンしても良い。
【0065】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。