特許第5748145号(P5748145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748145
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】裁断海苔束の切り屑除去装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 1/337 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   A23L1/337 103F
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-275985(P2011-275985)
(22)【出願日】2011年12月16日
(65)【公開番号】特開2013-126376(P2013-126376A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2014年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】593146268
【氏名又は名称】ニシハツ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益
(74)【代理人】
【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人
(72)【発明者】
【氏名】三宅 進
【審査官】 田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−123096(JP,A)
【文献】 特開2003−260687(JP,A)
【文献】 特開2001−062781(JP,A)
【文献】 実開昭62−157389(JP,U)
【文献】 特開2007−312651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 1/337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平海苔束を裁断した裁断海苔束を起立させて水平方向に搬送しながら、起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付け、吹き付けた空気を裁断海苔束の間に送り込んで切り屑を除去することを特徴とする裁断海苔束の切り屑の除去方法。
【請求項2】
前記起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付けながら、前記裁断海苔束を前後に往復させることを特徴とする請求項1に記載の裁断海苔束の切り屑の除去方法。
【請求項3】
間隔をおいて平行に対向する一対の無端チェーンが裁断海苔束の水平搬送方向に沿って上下方向に周回可能に配置され、
両側の前記無端チェーンの間に前記裁断海苔束を支持する支持板が、前記無端チェーンの前記裁断海苔束の水平搬送方向に対して間隔をおいて且つ前記無端チェーンに対して垂直に固定され、
前記無端チェーンの上部の水平領域で且つ前記支持板の下辺より低いレベルに前記支持板により起立した前記裁断海苔束の下辺を支持する複数本の支持棒が間隔をおいて前記裁断海苔束の水平搬送方向に沿って配置され、
前記支持棒の下方には、前記支持棒の間から落下した切り屑を捕集する、底部に切り屑排出口が設けられた切り屑受けが配置され、
前記支持板の上方に前記支持板の間に起立している前記裁断海苔束の上方へ空気を吹き付けて前記切り屑を下方へ吹き飛ばす空気吹込装置が配置されていることを特徴とする裁断海苔束の切り屑除去装置。
【請求項4】
前記無端チェーン10の上部の水平領域において前記無端チェーンを支持する両側のスプロケットの中間点に無端チェーンを下方へ押し下げてレベルを下げる押し下げ用スプロケットが配置され、さらに前記押し下げ用スプロケットの両側に前記無端チェーンを上方へ押し上げてそのレベルを上げる押し上げ用スプロケットが配置されて前記無端チェーンが波形に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の裁断海苔束の切り屑除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平海苔束を裁断した裁断海苔束の間に介在する切り屑を除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
おにぎり用や手巻き用の海苔は、ご飯をくるむ大きさに裁断された短冊状の海苔が使用される。平海苔を重ねた平海苔束(通常100枚)の裁断は、丸鋸を1枚あるいは複数枚備えた平海苔束剪断装置の載せ台に平海苔を載せて水平移動させながら、載せ台から突出する高速で回転する丸鋸で裁断する(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
高速回転する丸鋸の鋸歯により平海苔束の裁断が行われるので、鋸歯の厚さ相当分だけ切り屑となり、発生した切り屑が重ね合わせた裁断海苔束の間に入り込んでいた。この切り屑は、にぎり飯などについて見映えを悪くするので裁断海苔束のユーザにとってはクレームのひとつであった。そのため、1人あるいは複数人の作業員が裁断後の裁断海苔束を手に持って叩いたりめくったりなどして切り屑を取り除いているが、この作業は手間が掛かるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−062781号公報
【特許文献2】特開2003−260687号公報
【特許文献3】特開2006−123096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、裁断海苔束の人手を介することなく裁断海苔束の間に介在する切り屑を自動的に除去することによって省力化可能な裁断海苔束の切り屑の除去方法及び裁断海苔束の切り屑除去装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1の発明は、平海苔束を裁断した裁断海苔束を起立させて水平方向に搬送しながら、起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付け、吹き付けた空気を裁断海苔束の間に送り込んで切り屑を除去することを特徴とする裁断海苔束の切り屑の除去方法である。
【0007】
本願請求項2の発明は、前記起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付けながら、前記裁断海苔束を前後に往復させることを特徴とする請求項1に記載の裁断海苔束の切り屑の除去方法である。
【0008】
本願請求項3の発明は、間隔をおいて平行に対向する一対の無端チェーンが裁断海苔束の水平搬送方向に沿って上下方向に周回可能に配置され、両側の前記無端チェーンの間に前記裁断海苔束を支持する支持板が、前記無端チェーンの前記裁断海苔束の水平搬送方向に対して間隔をおいて且つ前記無端チェーンに対して垂直に固定され、前記無端チェーンの上部の水平領域で且つ前記支持板の下辺より低いレベルに前記支持板により起立した前記裁断海苔束の下辺を支持する複数本の支持棒が間隔をおいて平行に前記裁断海苔束の水平搬送方向沿って配置され、前記支持棒の下方には、前記支持棒の間から落下した切り屑を捕集する、底部に切り屑排出口が設けられた切り屑受けが配置され、前記支持板の上方に前記支持板の間に起立している前記裁断海苔束の上方へ空気を吹き付けて前記切り屑を下方へ吹き飛ばす空気吹込装置が配置されていることを特徴とする裁断海苔束の切り屑除去装置である。
【0009】
本願請求項4の発明は、前記無端チェーン10の上部の水平領域において前記無端チェーンを支持する両側のスプロケットの中間点に無端チェーンを下方へ押し下げてレベルを下げる押し下げ用スプロケットが配置され、さらに前記押し下げ用スプロケットの両側に前記無端チェーンを上方へ押し上げてそのレベルを上げる押し上げ用スプロケットが配置されて前記無端チェーンが波形に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の裁断海苔束の切り屑除去装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の裁断海苔束の切り屑の除去方法は、水平方向に搬送されている起立した裁断海苔束の上方から空気を吹き付けることにより裁断海苔束の間に吹き付けた空気を送り込んで通過させることにより、介在している切り屑を吹き飛ばして確実に除去することが可能となる。
【0011】
また、本発明の裁断海苔束の切り屑除去装置は、裁断海苔束を起立させる支持板の上方に空気吹込装置が配置されているので、支持板の間で起立させた裁断海苔束の上方へ空気吹込装置により空気を吹き付けることにより切り屑を自動的に除去することができるので、人力による切り屑除去作業の必要がなくなって省力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の切り屑除去装置の実施例1の正面図である。
図2】本発明の切り屑除去装置の実施例1の平面図である。
図3】本発明の切り屑除去装置の実施例1の側面図である。
図4】本発明の切り屑除去装置に使用する支持板の一例を示めし、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。
図5】本発明の切り屑除去装置の実施例2の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
平海苔束(通常100枚で厚さ約6cm)が用途に応じた幅で丸鋸により裁断されて裁断海苔束が得られるが、裁断海苔束の間に切り屑(粉じんを含む)が介在するので、本発明は、人力に頼らずに自動的に切り屑を除去するものである。
【0014】
本発明の切り屑の除去方法は、まず裁断海苔束を起立させて水平方向に搬送する。次いで搬送中に起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束の上部に向かって空気を吹き付ける。吹き付けた空気は裁断海苔束の間に送り込まれて切り屑が風圧により除去される。 本発明の切り屑の除去方法では、裁断海苔束を起立させることにより吹き付けた空気が裁断海苔束の間に送り込まれて通過するので、切り屑を吹き飛ばして除去することが可能となる。
【0015】
なお、搬送は、一方向の送りだけでなく、起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付けながら、前記裁断海苔束を前後に往復させることにより切り屑を確実に除去することが可能となる。
【0016】
本発明の切り屑の除去方法を実施するための切り屑除去装置は次のとおりである。
【0017】
<実施例1>
図1〜4において、切り屑除去装置は、架台1の下部に、切り屑除去装置を移動させるキャスタ2と、キャスタ2に隣接して切り屑除去装置を所定位置に固定するジャッキボルト3が設けられている。
【0018】
架台1の上部にハウジング4が形成され、ハウジング4の上部の開口を覆うように空気吹込装置5が載置されている。空気吹込装置5は、例えば、周知の空気吹込口のように円周方向から空気を吹き込む。空気吹込装置5には、架台1の下部に配置されているファン7に接続されているフレキシブルパイプ8を通して空気が供給される。吹き付ける空気は圧縮空気であってもよい。
【0019】
空気吹込装置5は、後述するとおり、裁断海苔束BPの上部へ空気吹込口6から空気を吹き付けて裁断海苔束間に空気を送り込んで通過させて風圧により、切り屑を下方へ吹き飛ばして除去するものである。
【0020】
ファン7に吸引される空気は、食物である裁断海苔束BPに吹き付けられるので、衛生面からフィルタ9を通して清浄化する。
【0021】
ハウジング4内には、間隔をおいて対向する一対の無端チェーン10が裁断海苔束BPの搬送方向に沿って平行に配置されている。無端チェーン10は、四隅のスプロケット11,12を介して上下に周回可能に配置されている。下方のスプロケットは軸を長孔(図示せず)に沿って水平移動可能に設けて無端チェーン10の張力を調整可能にしてもよい。無端チェーン10はモータ13に連結されて回転する駆動スプロケット12に噛み合って駆動されて周回する。無端チェーン10は横ぶれしないようにガイド部材14により案内される。
【0022】
なお、無端チェーン10は、起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付けながら、裁断海苔束を前後に往復させるため、搬送を順方向、逆方向に周回可能に構成してもよい。
【0023】
無端チェーン10には裁断海苔束BPを支持する支持板15が、間隔をおいて且つ無端チェーン10に対して垂直に固定されている。支持板15の間隔は、隣り合う支持板15の間に裁断海苔束BPが起立し、上部の空気吹込装置5からの空気の吹き付けにより隣り合う裁断海苔の間に隙間が形成されて切り屑が落下する。
【0024】
図4に示すように、支持板15には裁断海苔束BPの搬出側の紐コンベヤ16が入り込むスリット17が形成され、これにより裁断海苔束BPが搬出側の紐コンベヤ16へスムーズに乗り移る。紐コンベヤ16はモータ18により駆動される。
【0025】
無端チェーン10の上部の水平領域には、両側の無端チェーン10の間に支持板15の下辺より低いレベルに支持板15により起立した裁断海苔束BPの下辺を支持する複数本の支持棒19が間隔をおいて平行に無端チェーンBPの進行方向に沿って配置され、支持棒19間から切り屑が落下する。支持棒19は、前後のスプロケット11,12の回転軸20に形成された溝21の中に摺動可能に支持されている。なお、支持棒は平行でなく、ハの字形に配置してもよい。
【0026】
支持棒19の下方には、支持棒19間から落下した切り屑を捕集する漏斗状の切り屑受け22が配置されている。切り屑受け22の底部には、切り屑排出口23が設けられ、切り屑排出口23はフレキシブルパイプで装置外に配置された吸引装置に接続され、捕集された切り屑が吸引装置に吸引されて切り屑排出口22から排出される。
【0027】
搬入側にはモータ24により回転する搬入用ローラ25が配置され、搬入された裁断海苔束が支持板15にスムーズに乗り移る。
【0028】
次に、本実施例の切り屑除去装置の動作について説明する。
【0029】
裁断装置により所定幅に裁断された裁断海苔束が搬入用ローラ25に供給されると、回転する搬入用ローラ25により裁断海苔束が送られて支持板15の上へ乗り移る。こうして搬入用ローラ25に供給される裁断海苔束は、無端チェーン10により回転して搬入用ローラ25の位置に達した支持板15の上へ順次乗り移る。
【0030】
支持板15に乗り移った裁断海苔束BPは無端チェーン10の回転により支持板15が徐々に起立して行き、裁断海苔束BPが隣り合う支持板15の間で支持棒19の上で起立する。裁断海苔束BPの上部には空気吹込装置5から空気が吹き込まれて、起立した裁断海苔束BPの間を空気が吹き抜けて切り屑が風圧により支持棒19の間から飛ばされて切り屑受け22に落下し、捕集される。切り屑受け22に捕集された切り屑は吸引装置に吸引されて切り屑排出口23から排出される。
【0031】
なお、無端チェーン10を起立した裁断海苔束の上方から裁断海苔束に向かって空気を吹き付けながら、裁断海苔束を前後に往復させることにより切り屑を確実に除去することができる。
【0032】
<実施例2>
本実施例と前記実施例1とは、無端チェーンを波形に形成する構成を除いたその他の構成は同一なので、その他の構成についての説明は省略する。
【0033】
図5に示すように、本実施例は、実施例1において無端チェーン10の上部の水平領域において支持板15を波状に送って起立した裁断海苔束BPの上部を狭めたり拡げたりして捌くことにより切り屑が落下し易いようにするものである。
【0034】
無端チェーン10の上部の水平領域には、両側のスプロケット11,12の中間点に無端チェーン10を下方へ押し下げてそのレベルを下げる押し下げ用スプロケット26が配置される。さらに押し下げ用スプロケット26の両側に無端チェーン10を上方へ押し上げてそのレベルを上げる押し上げ用スプロケット27が配置されている。押し下げ用スプロケット26と押し上げ用スプロケット27により無端チェーン10が波形に形成される。
【0035】
無端チェーン10が波形に形成されることにより、無端チェーン10が進むに従って支持板15の頂部の間隔が狭まり次いで拡がるので、起立した裁断海苔束BPの上部を狭めたり拡げたりすることにより平海苔が捌かれて切り屑が落下し易くなる。
【符号の説明】
【0036】
1:架台
2:キャスタ
3:ジャッキボルト
4:ハウジング
5:空気吹込装置
6:の空気吹込口
7:ファン
8:フレキシブルパイプ
9:フィルタ
10:無端チェーン
11:スプロケット
12:駆動スプロケット
13:モータ
14:ガイド部材
15:支持板
16:ヒモコンベヤ
17:スリット
18:モータ
19:支持棒
20:回転軸
21:溝
22:切り屑受け
23:切り屑排出口
24:モータ
25:搬入用ローラ
26:押し下げ用スプロケット
27:押し上げ用スプロケット
BP:裁断海苔束
図1
図2
図3
図4
図5