特許第5748187号(P5748187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5748187-リストバンドとその印字装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748187
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】リストバンドとその印字装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 20/00 20060101AFI20150625BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20150625BHJP
   B41J 3/00 20060101ALI20150625BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   A41D20/00
   A61G12/00 Z
   B41J3/00
   B41J29/38 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2008-179885(P2008-179885)
(22)【出願日】2008年7月10日
(65)【公開番号】特開2010-18905(P2010-18905A)
(43)【公開日】2010年1月28日
【審査請求日】2011年6月10日
【審判番号】不服2014-10293(P2014-10293/J1)
【審判請求日】2014年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】NECエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 泰典
(72)【発明者】
【氏名】黒田 博之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敬一
【合議体】
【審判長】 千葉 成就
【審判官】 渡邊 豊英
【審判官】 栗林 敏彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−133265(JP,A)
【文献】 特開2005−134839(JP,A)
【文献】 特開2003−66849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 20/00,A61G 12/00,B41J 3/00,B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に形成されたバンド本体にハーフカット処理で幅広に形成された表示部と、その両側にそれぞれ延びるバンド部とを有する形状に型抜きされ、該バンド本体からハーフカット処理された型抜き部分に沿って切り離して使用されるリストバンドにおいて、
前記バンド本体のリストバンドの型抜き部分に隣接して、指先が挿入可能な型抜き開始穴が形成され、
前記リストバンドの前記型抜き部分が設けられた一端部に配置された一方のバンド部は、他端部から一端部側へ向かう所定範囲の領域に配置された他方のバンド部より幅寸法が大きく、
前記型抜き開始穴は、印字進行方向上、前記バンド本体が有するセンサ用穴の軌跡と重ならない位置に配置され、該センサ用穴は、前記ハーフカット処理が施された領域および前記型抜き開始穴が形成された領域よりもバンド部の幅方向外側に形成されている
ことを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
請求項1に記載のリストバンドであって、
前記バンド本体は、長手方向に沿って連続して形成されていることを特徴とするリストバンド。
【請求項3】
請求項1に記載のリストバンドの前記バンド本体に印刷を行う印字装置において、
前記バンド本体に形成され、前記型抜き開始穴に対して、印字進行方向上、軌跡が重ならない位置にあるセンサ用穴を検出し、該バンド本体に印刷を行う
ことを特徴とする印字装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リストバンドとその印字装置に係り、特に、病院で患者の手首や足首などに巻き付けて使用されるリストバンドとその印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、病院において、患者の名前、年齢、血液型といった患者固有の識別データを表示したリストバンドを患者の手首や足首に取り付け、患者を間違えないようにすることが行われている。
【0003】
このリストバンドは、プリンタによって連続的に発行することができるようにするため、連続的に形成されており、この連続体をロール状にして、プリンタにセットするようにしている。
【0004】
このように、プリンタを用いて、発行するリストバンドは、プリンタへの適合性を考慮して一定幅の帯状に形成されていることが多く、特殊形状のリストバンドの場合は、プリンタでの印字後に所定の形状に切り抜いて使用するようにしていた。
【0005】
しかしながら、リストバンドをひとつ一つ発行するために、プリンタ側に、帯状のリストバンドから使用時のリストバンド形状を切り抜くカッターを備えなければならず、コスト高になるという欠点があった。そこで、特許文献1では、以下の解決策が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載された発明は、帯状に形成されたバンド本体にミシン目で型抜きされ、バンド本体からミシン目に沿って切り離して使用されるリストバンドにおいて、リストバンドの両端部の少なくとも一方がバンド本体に貫通して型抜きされていることが特徴である。したがって、リストバンドをバンド本体から切り離す際は、この貫通して型抜きされたリストバンドの端部を引っ張り上げるだけで、簡単にリストバンドをミシン目に沿ってバンド本体から切り離すことができる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−363808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載された発明では、リストバンドの両端部の少なくとも一方に設けられたバンド本体を貫通した型抜き部分がわかりずらいため、医療現場において緊急性を要する場面で、リストバンドをバンド本体から切り離す際に時間がかかってしまい、迅速な医療処理を施すことができないという課題があった。
【0009】
そこで、本願発明は、リストバンドをバンド本体から切り離す際に、素早くリストバンドをバンド本体から切り離すことができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明のリストバンドは、帯状に形成されたバンド本体にハーフカット処理で型抜きされ、バンド本体からハーフカット処理された型抜き部分に沿って切り離して使用されるリストバンドであって、バンド本体のリストバンド端部の型抜き部分付近に、型抜き開始穴が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、リストバンドをバンド本体から切り離す際に、型抜き開始穴がひと目でわかるので、素早くリストバンドをバンド本体から切り離すことができるという効果を奏する。
また、従来リストバンドの両端部の少なくとも一方がバンド本体に貫通して型抜きされている部分が、印字搬送時に引っ掛かる場合があったが、本願発明では、バンド本体に引っ掛かる部分がほとんどないため、搬送時の不具合を低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1に、本発明の一実施形態であるリストバンドの平面図を示す。同図に示すように、リストバンド10は、帯状に形成されたバンド本体12に、ハーフカット処理された型抜き部14で形成されており、プリンタで所望の情報を表面に印字した後、バンド本体12から抜き取って使用する。
【0013】
バンド本体12は、長手方向に沿って連続的に形成されており、隣り合うバンド本体同士の境界部分にミシン目16が形成されている。バンド本体12は連続的に形成されているが、このミシン目16を利用することにより、カッター等を用いなくても、手で簡単に切り離すことができる。
【0014】
上述したようにリストバンド10は、バンド本体12に型抜き部14で形成されている。図1のリストバンド10では、幅広に形成された表示部10Aと、その両側に延びるバンド部10B、10Cとで構成されている。また、図2では、その他の実施形態として、表示部10Aとその両側に延びるバンド部10B、10Cとの幅が同じものを示してある。
【0015】
バンド部10B、10Cには、リストバンドを手首等に、不図示のクリップ(止め具)で、係止するためのセット穴18およびバンド穴20が形成されている。
【0016】
セット穴18A、18Bは、図1において左側のバンド部10Bに2つ形成されている。このセット穴18A、18Bは、円形に形成されており、バンド部10Bを貫通している貫通穴である。なお、図では、セット穴の中心位置のみを示してある。
一方、バンド穴20は、図1において右側のバンド部10Cに18つ一定の間隔をもって形成されている。このバンド穴20は、前述のセット穴18と同様に貫通穴である。なお、図では、バンド穴の中心位置のみを示してある。
また、リストバンド10は、バンド本体12に、ハーフカット処理された型抜き部14で形成されているが、その一端14Bに、型抜き開始穴22が形成されている。これにより、リストバンド10をバンド本体12から抜き取る際、この型抜き開始穴22に指などを入れ、ハーフカット処理された型抜き部14が切り裂かれていくことで、簡単にリストバンド10をバンド本体12から抜き取ることができる。なお、図1の型抜き開始穴22の形状は、矩形であるが、必ず矩形である必要はなく、三角形や半楕円であっても良い。
また、図3に示すように、型抜き開始穴22は、バンド本体12を検出するためのセンサ用穴24の位置に対して、印字進行方向上、ずれた位置になるように形成されている。これは、プリンタ側に装備されたバンド本体を検出するセンサが、センサ用穴24のみを検出するようにするためである。センサ用穴を検出する方式は、他の方式、例えば、バンド本体の裏面にある印を印刷し、それを検出する方式に比べて、確実に、バンド本体を検出できる方式である。
また、隣り合うバンド本体12同士の境界部分に、ミシン目16が形成されているので、プリンタで別途切断することなく、容易にバンド本体12を後続するバンド本体12の連続体から切り離すことができる。
【0017】
また、本実施の形態では、リストバンド10を病院で使用する例を説明したが、本発明に係るリストバンドの適用は、これに限定されるものではなく、アミューズメント施設やフィットネスクラブ等の分野においても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るリストバンドの実施形態の構成を示す平面図。
図2】本発明に係るリストバンドのその他の実施形態の構成を示す平面図。
図3】型抜き開始穴とセンサ用穴との位置関係を示す平面図。
【符号の説明】
【0019】
10 リストバンド
10A 表示部
10B バンド部
10C バンド部
12 バンド本体
14 型抜き部
16 ミシン目
18A セット穴
18B セット穴
20 バンド穴
22 型抜き開始穴
24 センサ用穴
図1
図2
図3