(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748243
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】スリップコンタクト用のばねコンタクト、スリップリングトランスミッタ、電気モータ及びダイナモ
(51)【国際特許分類】
H01R 39/20 20060101AFI20150625BHJP
H02K 13/00 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
H01R39/20
H02K13/00 K
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-533120(P2013-533120)
(86)(22)【出願日】2011年10月10日
(65)【公表番号】特表2013-546123(P2013-546123A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】EP2011005049
(87)【国際公開番号】WO2012048839
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2013年5月14日
(31)【優先権主張番号】102010048189.0
(32)【優先日】2010年10月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】315003088
【氏名又は名称】ヘレーウス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Deutschland GmbH&Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ゲーラート
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ パウルゼン
(72)【発明者】
【氏名】インゴ プルンツェル
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルト ヴァイラント
(72)【発明者】
【氏名】パトリック バーケ
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−004938(JP,A)
【文献】
特開昭62−058582(JP,A)
【文献】
特開平04−167383(JP,A)
【文献】
特開2003−025019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 39/20
H02K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材により形成されたばねエレメントを有しかつ貴金属を含有する少なくとも1つの接触領域を備えるスリップコンタクト用のばねコンタクトであって、
前記ばねコンタクトは、前記ばねエレメントとしての導電性のばね支持体(1,11,21,31)と、少なくとも1つの接触部材(2,12,22,32)とを有し、
前記ばね支持体(1,11,21,31)は、該ばね支持体(1,11,21,31)の線状の延在部に対して垂直な横断面においてほぼ均一な剛性を有し、かつ、導電性で貴金属をほぼ含まない材料から構成されていて、
前記少なくとも1つの接触部材(2,12,22,32)は、前記ばね支持体(1,11,21,31)に導電接続されていて、かつ、前記スリップコンタクトを形成する少なくとも1つの表面を有し、前記接触部材(2,12,22,32)の前記表面の材料が、貴金属又は貴金属合金を含有しており、
少なくとも2つの接触部材(22,32)が、V字形のばね支持体(21,31)の2つの端部に設けられており、
前記ばね支持体(21)は、その中央に、ばね支持体(21)の取付けのために働く平坦な型打部(24)を有しており、
前記ばね支持体(21)は、平坦な型打部(24)のエッジにおいてV字形に屈曲されることを特徴とする、スリップコンタクト用のばねコンタクト。
【請求項2】
前記少なくとも1つの接触部材(2,12,22,32)は、円筒形であるか、球形であることを特徴とする、請求項1記載のばねコンタクト。
【請求項3】
前記少なくとも1つの接触部材(2,12,22,32)は、中実な貴金属若しくは貴金属合金から成っているか、又は貴金属を含有する被覆部を備えた被覆線材(2)若しくは被覆球体(12)であることを特徴とする、請求項1又は2記載のばねコンタクト。
【請求項4】
前記ばね支持体(11,21,31)は、1つの前記接触部材(12,22,32)に対する接続部(13,23,33)において平坦であるか、凹状であるか若しくは輪郭付けされている、又は前記ばね支持体(11,21,31)は、複数の前記接触部材(12,22,32)に対する少なくとも1つの接続部(13,23,33)において平坦である、凹状である及び/又は輪郭付けされていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のばねコンタクト。
【請求項5】
前記V字形のばね支持体(21)の、2つの前記接触部材(22)に対して真ん中の領域に、前記V字形への曲げ用の平坦な型打部(24)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のばねコンタクト。
【請求項6】
前記ばね支持体(1,11,21,31)は、横断平面においてほぼ均一な剛性を備えた、横断面において円形のばね線材であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のばねコンタクト。
【請求項7】
前記ばね支持体(1,11,21,31)はねじられた板ばねであり、該板ばねは、ねじり軸線に対して垂直な横断面において、ほぼ均一な剛性を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のばねコンタクト。
【請求項8】
前記ばね支持体(1,11,21,31)及び/又は1つ若しくは複数の接触部材(2,12,22,32)は、最大2mm、好ましくは0.1〜1mm、特に好ましくは0.5mmの直径を有する線材部材であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のばねコンタクト。
【請求項9】
1つ又は複数の前記接触部材(2,12,22,32)は、表面でもって少なくとも1つのスリップリングに導電接触していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のばねコンタクトを有するスリップリングトランスミッタ。
【請求項10】
請求項9記載のスリップリングトランスミッタを備えた電気モータ。
【請求項11】
請求項9記載のスリップリングトランスミッタを備えたダイナモ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナル領域と、細長いばねエレメントを有しかつ貴金属を含有する少なくとも1つの接触領域とを備えたスリップコンタクト用のばねコンタクトに関する。
【0002】
本発明は、スリップリングトランスミッタにも関し、このスリップリングトランスミッタは、上記ばねコンタクト並びにスリップリングトランスミッタを備えたモータ及びダイナモを包含する。
【0003】
スリップコンタクト用のばねコンタクトは、先行技術において既に公知になっている。スリップコンタクトは、機器の静止部材から、機器の第2の可動部材へと電流を送るために働く。スリップコンタクト又は摺動接触部材は、特にモータ及びダイナモにおいて使用される。モータ及びダイナモにおいて電流は回動部材に送られる。この構成においては、いわゆるスリップリングトランスミッタが形成され、このスリップリングトランスミッタにおいて、ばねコンタクトはスリップリング上を滑り、かつスリップリングに対するばねコンタクトの導電接続が形成される。
【0004】
接触領域は、モータを運転するか又はジェネレータによって形成された電流を送出する実際のスリップコンタクト又は摺動接触部材のための給電路又は導電路である。この構成において、接触領域は、ばねコンタクトの取付けのためにも、電気的なターミナルに対する導電接続の形成のためにも働くことができる。このような取付けは、例えばリベット、点溶接及び/又はろう接により達成することができる。
【0005】
ばねコンタクトはたいてい、板ばねがスリップリング又は他の対応コンタクトを押し、電気接触を形成するように構成されている。この構成において、板ばねのばね力は、対応コンタクトに対する電気接触の持続的な押圧を形成するために用いられる。この押圧により、ばねコンタクトの板ばねに対して対応コンタクトが動く場合であっても、持続的な導電接続が保証される。上位概念部に記載の上記ばねコンタクトは、例えば米国特許出願公開第20100096168号明細書から公知になっている。
【0006】
ばねコンタクトは通常、ばねコンタクト、特に電気コンタクトの表面の不動態化を防ぎ、上記一貫した導電接続を保証するために、貴金属又は貴金属合金から製造されている。このために、ばねコンタクトが貴金属又は貴金属合金から成る被覆部を有すると十分である。使用可能な貴金属又は貴金属合金は、ばねコンタクトのばね力を低下させないように又は少なくとも維持するために、適切な機械的特性を有していなければならない、ということにより限定されている。材料の弾性係数及び弾性変形範囲を、ばねコンタクトの機械的な要求に合わせる必要がある。したがって、所定の貴金属及び貴金属合金だけが対象となる。
【0007】
さらに板ばねの組付け時に、十分に強力な接触を保証するために、板ばねを所定の位置に正確に挿入しなければならないという欠点がある。上記板ばねの組付け時の公差は、つまり厳格である。加えて貴金属を有するばねコンタクトは高価で、かつ部分的に構造において複雑である。
【0008】
つまり本発明の目的は、先行技術の欠点を克服した、ばねコンタクト、スリップリングトランスミッタ、モータ及びダイナモを提供することである。このようなばねコンタクトは、一方では簡単に組付け可能であることが望ましいか、若しくは組付け時に可能な限り大きな公差を有していることが望ましく、他方では可能な限り廉価に構成されていることが望ましい。
【0009】
上記本発明の目的は、ばねコンタクトが、伝導性或いは導電性のばね支持体と、少なくとも1つの接触部材とを有し、ばね支持体が、ばね支持体の引き延ばされた細長い延在部に対し垂直な平面において、所定の領域にほぼ対称的(均一)な剛性を有し、実質的に貴金属を含有しない導電性の材料から製造されており、少なくとも1つの接触部材が、ばね支持体に導電接続されていて、かつスリップコンタクトを形成するための少なくとも1つの表面を有し、接触部材の表面の材料が、貴金属又は貴金属合金を含有することにより達成される。
【0010】
実質的に貴金属を含有しない材料とは、本発明の思想においては、少量の貴金属又は微量の貴金属が依然として存在しても良い材料であると理解することができる。ばねコンタクトを可能な限り廉価に構成する、という目的を達成するためには、卑金属から成るばね線材を使用することで十分に足る。貴金属を除去するために材料を、手間をかけて洗浄することは、上記目的にまさに相反することである。貴金属とは、本発明の思想においては、特にプラチナ、金、銀、ロジウム、パラジウム及びイリジウムであると理解できる。
【0011】
この構成において、少なくとも1つの接触部材は、抵抗溶接、レーザ溶接、点溶接、接着、ろう接、リベット止め及び/又は焼結により、ばね支持体に接続されているようになっていてよい。
【0012】
さらに、少なくとも1つの接触部材は、円筒形であるか、球形であるか、U字形であるか、溶接突起によって輪郭付けられているか又は半球形であるようになっていてよい。
【0013】
本発明に係るばねコンタクトは、少なくとも1つの接触部材が中実な貴金属又は貴金属合金から成っているか、又は貴金属を含有する被覆部を備えた被覆線材又は被覆球体であることを特徴としていてもよい。
【0014】
ばね支持体は、1つの接触部材に対する接続部において平坦であるか、凹状であるか若しくは輪郭付けされており、又はばね支持体は、複数の接触部材に対する少なくとも1つの接続部において平坦であり、凹状であり及び/又は輪郭付けされていてもよい。
【0015】
接続部の上記形状は型打ちされていてよい。この型打部は、1つ又は複数の接触部材を締め付けるか又はクランプするために働くこともできる。型打ちにより形成される開口部は、接触接続のためだけでなく、接触部材の保持のためにも働く。
【0016】
この構成において、型打部は横断面で円形のばね支持体の両側で相対するようにして設けられているようになっていてよく、特にばね支持体は、好ましくはばね支持体の真ん中に配置されている2つの平行な平面型打部を有する。
【0017】
上記平面型打部は、1つには、ばね支持体のV字形への曲げ時に、接触部材を保持するばね支持体の腕部が、規定された位置において折り曲がりかつ所定の方向に折れ曲がるために働く。これにより2つの接触部材を備えたばね支持体においては、折れ曲がったばね支持体の2つの接触部材が、位置に関して正確に相対することを達成することもできる。もう1つには、平坦な型打部は、ばね支持体が平面状の構成部材において安定的に取付け可能であるために働く。上記ばね支持体が取り付けられる平坦な回路基板は、平坦な型打部に面接続することができる。さらに、ばね支持体は簡単に回動することはできない。上記ばね支持体の組付け時又は取付け時に、正しい位置決めに注意を払う必要がある。基板、回路基板、又は他の構成部材におけるばね支持体の面載置により、本発明によれば、接触部材を備えたばね支持体の腕部は、基板、回路基板又は他の構成部材から直角に延びているということも達成される。
【0018】
平面型打部及び非平面型打部が、目標曲げ個所として設けられていてよい。
【0019】
本発明によれば、少なくとも2つの接触部材が、V字形のばね支持体の2つの端部に設けられているようになっていてよい。
【0020】
この構成において、ターミナル領域が、ばね支持体の真ん中に配置されているようになっていてよく、V字形のばね支持体の1つ又は複数の折曲げ部の領域に、V字形に曲げるための平坦な型打部及び/又は少なくとも1つの切込み形の型打部が、好ましくは2つの接触部材の真ん中に設けられている。
【0021】
これにより、クランプコンタクトを形成することができる。このクランプコンタクトにおいて、スリップリングは、ばね支持体の2つの腕部の間に配置されている。これらの腕部は接触部材を保持する。これにより、安定的なコンタクトが形成される。つまり、スリップリングは両側から接触部材により擦過されるので、接触接続が遮断されることはほとんどない。
【0022】
特に有利なばねコンタクトは、ばね支持体が60〜250mm、好ましくは100〜200mm、特に好ましくは150mmの長さであることを特徴とする。
【0023】
さらに、1つ又は複数の接触部材は2〜15mm、好ましくは5〜10mm、特に好ましくは8mmの幅及び/又は長さである。
【0024】
1つ又は複数の接触部材の形状が球である場合、1つ又は複数の球形の接触部材は0.3〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mm、特に好ましくは1mmの直径を有しているようになっていてよい。
【0025】
本発明によれば、ばね支持体は、横断平面において少なくとも所定の領域に対称的な剛性を備えた、横断面で円形のばね線材であってもよい。
【0026】
ばね支持体に、例えば、ばね支持体の通常対称的な形状とは異なる型打部といった適切な成形部が設けられていることにより、ばね支持体のばね力の優先方向を形成することもできる。
【0027】
本発明の択一的な構成において、ばね支持体はねじられた板ばねであるようになっている。この板ばねは、ねじり軸線に対して垂直な平面において、ねじられた板ばねの少なくとも1つの領域に関して対称的な剛性を有する。
【0028】
ばね支持体が、ばね支持体の細長い延在部に対して垂直な平面において、所定の領域に対称的な剛性を有していてよい。
【0029】
対称的な剛性の領域は、ばね支持体の長さの大部分を含んでいてよいか、又はそれどころかばね支持体全体を含んでいてよい。
【0030】
さらに、ばね支持体及び/又は1つ若しくは複数の接触部材は、最高で2mm、好ましくは0.1〜1mm、特に好ましくは0.5mmの直径を備えた線材部材である。
【0031】
本発明に係るばねコンタクトは、ばね支持体が鋼及び/又は銅及び/又はベリリウムを含有し、特に貴金属又は銅及びベリリウムから成り、特に好ましくはCuBe2から成っている、ということを特徴とすることもできる。
【0032】
ばね支持体を成す材料は、つまりばね弾性的な卑金属材料である。
【0033】
この構成において、CuBe2とは、約98重量%の銅及び2重量%のベリリウムを有する、銅及びベリリウムから成るばね弾性的な混合物であると理解できる。この混合物は単相合金ではない。種々異なる相の混合物又は構造物は、ばね支持体の良好な弾性特性をもたらす。
【0034】
少なくとも1つの接触部材は、本発明によれば貴金属、特に金、銀、パラジウム及び/又はプラチナを含む金属間化合物合金を含む。
【0035】
本発明によれば、少なくとも1つの接触部材は、Au−Ag−Pd合金から成っているか、又はAu、Ag及び/若しくはCu、特にAu−Ag−Cu合金を含有する金属被覆部を備えた被覆線材であるようになっていてもよい。
【0036】
本発明は、上記ばねコンタクトを有するスリップリングトランスミッタにも関し、このスリップリングトランスミッタにおいては、1つ又は複数の接触部材が表面で、少なくとも1つのスリップリングに導電接触しているようになっている。
【0037】
さらに本発明は、上記スリップリングトランスミッタを備えた電気モータに関する。
【0038】
最後に、本発明は上記スリップリングトランスミッタを備えたダイナモにも関する。
【0039】
本発明の根底には、単一線材又はねじられたばねを使用することにより、ばね支持体の対称的な剛性が達成され、ばねコンタクトは、コンタクトを対応コンタクトに押し付けるばね力に対して垂直な方向に運動することもできるので、比較的大きな公差がばねコンタクトの組付け時に可能になる、という意外な認識がある。
【0040】
さらに、接触部材の電気コンタクトだけを、貴金属又は貴金属合金から製造するだけでよい。この構成は、少量の貴金属の使用により、コスト削減という利点を有する。他の利点は、ばねコンタクトの弾性特性を接触領域が決定するのではなく、ばね支持体が決定するので、貴金属又は貴金属合金が、特別な弾性特性を有する必要はもはやない、という点にある。つまり、不都合な弾性特性に基づきこれまで使用可能でなかった貴金属又は貴金属合金を使用することもできる。特に、とりわけ耐磨耗性の貴金属合金を使用することができるので、接触領域は、特に長く、良好に導電性を有したままである。
【0041】
つまり、接触部材は、実際のスリップコンタクト又は滑りコンタクトを形成するためだけに働く。ばねコンタクトの弾性特性は、完全に又は少なくともばね支持体により実質的に決定される。ばねコンタクトにとって重要な2つの特性、すなわち、弾性特性及びコンタクト形成特性は、要するに2つの構成部材、すなわちばね支持体及び接触部材により、互いに別々に決定され、本発明に係る構成により別々に調節することができる。
【0042】
複数の型打部により、横断面で円形の線材もV字形に簡単に曲げることが達成される。平面型打部が設けられていると、さらに位置に関して正確な組込み若しくは本発明に係るばね支持体の組付けが極めて容易になる。円形の横断面を持って構成されたばねに対して板ばねが有する利点は、つまり、平面型打部における面載置により補償される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】円筒形のばね支持体と接触部材とを備えた、本発明に係るばねコンタクトを示す図である。
【
図2】円筒形のばね支持体と球形の接触部材とを備えた、本発明に係る第2のばねコンタクトを示す図である。
【
図3】2つの接触部材を備えた、本発明に係る第3のばねコンタクトを示す図である。
【
図4】2つの接触部材を備えた、本発明に係る第4のばねコンタクトを示す図である。
【0044】
以下に、本発明の実施の形態を本発明を限定することなく、4つの概略図に基づいて説明する。
【0045】
図1は、例えば円形の横断面を有する線材により形成されている円筒形のばね支持体1を備えた、本発明に係るばねコンタクトを概略的に示す。ばね支持体1に、同様に線材部材であってよい円筒形の接触部材2が配置されている。ばね支持体1は、導電性で弾性的な材料、例えばCuBe2又は特殊鋼といった合金から成っている。接触部材2は、貴金属合金又は貴金属を含有する中実な金属線材から構成されている。同様に、被覆線材部材を接触部材2として使用することもできる。この実施の形態において、被覆部は貴金属又は貴金属合金を含有する。接触部材2の貴金属合金には、特に金合金が適している。
【0046】
ばね支持体1の両端部は、ばねコンタクトのための接触領域として適している。この接触領域は、ばねコンタクトにおいて電圧を印加可能にする導体にばねコンタクトを接続するために働く。これと同時に、ばねコンタクトは上記接触領域において取り付けられかつ位置固定することができる。
【0047】
接触部材2は、半田(図示せず)を介してばね支持体1に結合されている。半田は、接触部材2とばね支持体1との間に配置されていて、両者は互いに導電接続されている。
【0048】
図2は、円筒状のばね支持体11と球形の接触部材12とを備えるばねコンタクトを概略的に示す。球形の接触部材12の取付けを改良するために、接続面13が設けられている。この接続面13において、接触部材12が導電性の接着剤(図示せず)を介してばね支持体11に接続されている。この接続面13は、円筒形のばね支持体11をプレス加工において型打ちすることにより形成される。この型打ちの際に、接続面13の輪郭付与部を形成することもできる。この輪郭付けにより、接着剤との堅固な接続を得るために、例えば表面は接続面13において拡大することができる。同様に、輪郭付与部は、接続面13の輪郭付与部の尖端又はエッジが、接触部材12に食い込むことにより、ばね支持体11の接触部材12への直接的な接続が形成されることを提供することができる。非導電性の接着剤が使用される場合、ばね支持体11と接触部材12との導電接続を形成する必要がある。このことは、例えば導電性のコーティング又は接続面13と接触部材12との直接的な接続により達成することができる。
【0049】
接触面13の他の輪郭付与部も可能である。したがって、接触面13の形状は、例えば接触部材12の形状に適合させることができる。このことは、接触部材12とばね支持体11との接続が、溶接法により形成されることが望ましい場合、又は単に少量の半田又は接着剤しか使用したくない場合に特に有利である。
【0050】
図3は、ばね支持体21を備えたコンタクトばねを示す。ばね支持体21の両端部において、円筒形の接触部材22はばね支持体21に接続されている。接触部材22の位置決めを改良するために、ばね支持体21において接続面23を備えた2つの型打部が設けられている。接続面23は、
図2に示した接続面13のように、プレス加工により型打ちされていてよい。ばね支持体21の真ん中には、接触領域及び取付け領域として使用可能な他の型打部24が設けられている。
【0051】
V字形の接触ばねを形成するために、型打部24のエッジにおいて、接触ばねを屈曲させることができる。型打部24の2つのエッジ25において、ばね支持体21は型打部24に対して45°だけ屈曲可能であるので、ばね支持体21の2つの腕部は、約90°の角度を形成する。他の角度を持ったV字形の接触ばねを形成するために、当然に他の屈曲角を形成することもできる。屈曲されたばね支持体21の腕部の間で、2つの接触部材22に接続されているスリップリング(Schleifring:図示せず)が配置されていてよい。さらにスリップリングは、接触部材22の間においてクランプされ、その結果、ばね支持体21の2つの腕部は、そのばね力でもって、接触部材22をスリップリングに押し付けるので、ばね支持体21の型打部24から接触部材22を介してスリップリングへの導電接続が形成される。永続的に導電性を有する表面を獲得するために、接触部材22は、少なくとも接触部材22の表面において貴金属又は貴金属合金から製造されている。
【0052】
ばね支持体21の組付け時に、平面状の型打部24は、組付け状態において所定の面に当て付けられるので、ばね支持体21の回動に抗して安定的な取付けが達成される。接触部材22は、ばね支持体21の線材の所定の面にしか配置されていないので、回動を防ぐ必要がある。さらにV形状の形成のために、型打部24によりばね支持体21に目標曲げ個所が予め付与されているということが達成される。これによりV形状において接触部材22は、位置に関して正確に向かい合うことが達成される。
【0053】
図4は、ばね支持体31の両端部に配置されている2つの接触部材32と縦長の円筒形のばね支持体31とを備えたばねコンタクトの、択一的な実施の形態を概略的に示す。円筒形の接触部材32は、ばね支持体31に設けられた接続面33を備えた2つの型打部に位置決めされている。2つの接触部材32の間には、2つの切込み部35が設けられている。これらの切込み部35は、ばね支持体31を曲げることができる弱化個所である。これにより、ばねコンタクトは、予め規定された所望の方向でのみV字形に成形することができる。
【0054】
図示した全てのばねコンタクトは、円形の横断面を有する線材から構成する代わりに、ばね支持体(1,11,21,31)としてねじられた板ばねから構成することもできる。ねじられた板ばねは、縦長で平らな形状を有する金属薄板部材から形成することができる。さらに、金属薄板部材は、方形の縦長の辺の対称軸線に沿って少なくとも180°だけ回動させられる、つまりねじられるので、板ばねは螺旋部を形成する。このように形成された螺旋部は全方向に曲げることができ、ねじり軸線に対して垂直な平面に関し概して対称的な剛性を有する。
【0055】
ねじられた板ばね又は円筒形の線材によるばね支持体(1,11,21,31)の対称的な構成は、ばね支持体(1,11,21,31)の対称的で部分的な剛性をもたらす。これにより、一方ではスリップ接触を形成するために必要なばね力が形成され、他方では上記ばね力に対して垂直な運動性により、ばねコンタクトの組付け時の公差が得られる。本発明に係るばねコンタクトは、つまり簡単に構成することができる。
【0056】
上記明細書、請求項、図面及び実施の形態において開示する本発明の特徴は、単独でも、また各任意の組合せにおいても、種々異なる実施の形態で本発明を実現するために重要であり得る。
【符号の説明】
【0057】
1,11,21,31 ばね支持体
2,12,22,32 接触部材
13,23,33 接触面
24 型打部
25 屈曲部/エッジ
35 切込み部