(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記触媒側ケース本体は、触媒保持マットを介して前記酸化触媒を囲繞する触媒囲繞領域、前記触媒囲繞領域より上流側に位置して前記上流側空間を形成する上流側領域及び前記触媒囲繞領域より下流側に位置する下流側領域を含む触媒内側ケース体と、前記触媒内側ケース体を囲繞する触媒外側ケース体とを有し、
前記触媒側フランジは、前記触媒内側ケース体の下流側端部の外周面に固着された固着領域と前記固着領域から径方向外方へ延びて前記触媒外側ケース体の下流側端部が当接される当接領域と前記当接領域から径方向外方へ延びた接合領域とを含み、
前記フィルタ側ケース本体は、フィルタ保持マットを介して前記フィルタを囲繞するフィルタ囲繞領域及び前記フィルタ囲繞領域より下流側に位置して前記下流側空間を形成する下流側領域を含むフィルタ内側ケース体と、前記フィルタ内側ケース体を囲繞するフィルタ外側ケース体であって、前記流れ方向上流側端部が前記フィルタ囲繞領域の前記流れ方向略中央において終焉したフィルタ外側ケース体とを有し、
前記フィルタ側フランジは、前記フィルタ内側ケース体の前記流れ方向略中央の外周面に固着された固着領域と前記固着領域から径方向外方へ延びて前記フィルタ外側ケース体の上流側端部が当接される当接領域と前記当接領域から径方向外方へ延びた接合領域とを含み、
前記フィルタ内側ケース体の前記流れ方向上流側が前記触媒内側ケース体の前記下流側領域に突入された状態で前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジの前記接合領域が接合されることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、酸化触媒及びフィルタのメンテナンス性の向上を図り得る排気ガス浄化装置であって、吊り下げを可能とする吊り下げ部を備え且つ構成部品の変更を可及的に抑えつつ前記吊り下げ部の形状変更に対応可能な排気ガス浄化装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成する為に、ハウジングによって画される排気経路内にディーゼル酸化触媒及びスートフィルタが直列配置されている排気ガス浄化装置であって、前記ハウジングが、囲繞する前記酸化触媒より排気ガス流れ方向上流側に排気ガスの入口に連通された上流側空間を有し且つ前記流れ方向下流側端部が開口とされた触媒側ケース本体と前記触媒側ケース本体の外周面から径方向外方へ延びる触媒側フランジとを含む触媒側ケースと、前記流れ方向上流側端部が開口とされ且つ囲繞する前記スートフィルタより前記流れ方向下流側に排気ガスの出口に連通された下流側空間を有するフィルタ側ケース本体と前記フィルタ側ケース本体の外周面から径方向外方へ延びるフィルタ側フランジとを含むフィルタ側ケースとを有し、
前記ハウジングには前記排気ガス浄化装置を設置位置に固定する為の支持ブラケットが位置固定状態で設けられており、前記触媒側及びフィルタ側ケースは、前記両ケースとは別体とされた一対の
第1及び第2狭持フランジであって、接合された前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジを狭持した状態で
前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジに形成された複数の取付孔に挿通される締結部材によって締結される一対の
第1及び第2狭持フランジによって分離可能に連結され、
前記第1狭持フランジは周方向に分割された複数の第1分割体を有し、前記第2狭持フランジは周方向に分割された複数の第2分割体を有し、前記複数の第1分割体及び前記複数の第2分割体は前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジに対する周方向配置が変更可能とされており、前記
複数の第1分割体及び前記複数の第2分割体の少なくとも一
つには前記触媒側及びフィルタ側フランジのうちの対応するフランジに当接する当接領域から径方向外方へ延在された延在領域が設けられ、前記延在領域に
前記排気ガス浄化装置を吊り下げる際に利用可能な吊り下げ部が設けられている排気ガス浄化装置を提供する。
【0009】
好ましくは、前記触媒側ケース本体は、触媒保持マットを介して前記酸化触媒を囲繞する触媒囲繞領域、前記触媒囲繞領域より上流側に位置して前記上流側空間を形成する上流側領域及び前記触媒囲繞領域より下流側に位置する下流側領域を含む触媒内側ケース体と、前記触媒内側ケース体を囲繞する触媒外側ケース体とを有し、前記触媒側フランジは、前記触媒内側ケース体の下流側端部の外周面に固着された固着領域と前記固着領域から径方向外方へ延びて前記触媒外側ケース体の下流側端部が当接される当接領域と前記当接領域から径方向外方へ延びた接合領域とを含むものとされる。
一方、前記フィルタ側ケース本体は、フィルタ保持マットを介して前記フィルタを囲繞するフィルタ囲繞領域及び前記フィルタ囲繞領域より下流側に位置して前記下流側空間を形成する下流側領域を含むフィルタ内側ケース体と、前記フィルタ内側ケース体を囲繞するフィルタ外側ケース体であって、前記流れ方向上流側端部が前記フィルタ囲繞領域の前記流れ方向略中央において終焉したフィルタ外側ケース体とを有し、前記フィルタ側フランジは、前記フィルタ内側ケース体の前記流れ方向略中央の外周面に固着された固着領域と前記固着領域から径方向外方へ延びて前記フィルタ外側ケース体の上流側端部が当接される当接領域と前記当接領域から径方向外方へ延びた接合領域とを含むものとされる。
この場合、前記フィルタ内側ケース体の前記流れ方向上流側が前記触媒内側ケース体の前記下流側領域に突入された状態で前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジの前記接合領域が接合される。
【0010】
好ましくは
、前記複数の第1分割体及び前記複数の第2分割体は前記吊り下げ部を除き同一構成とされる。
【0011】
前記種々の構成において、好ましくは、前記吊り下げ部は前記延在領域に形成された貫通孔とされる。
【0012】
前記種々の構成において、
前記支持ブラケットには前記設置位置に設けられたネジ孔に螺入するボルトが挿通可能なボルト孔と前記ボルト孔を外側エッジに開くスリットとを設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る排気ガス浄化装置によれば、酸化触媒を収容する触媒側ケースに設けられた触媒側フランジとフィルタを収容するフィルタ側ケースに設けられたフィルタ側フランジとが接合された状態で前記両ケースとは別体とされた一対の
第1及び第2狭持フランジが前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジを狭持するように締結されることで前記両ケースが分離可能に連結されているので、前記酸化触媒及びフィルタのメンテナンス性を向上させつつ、前記両ケースの連結部位の強度を確保することができる。さらに、
前記第1狭持フランジは周方向に分割された複数の第1分割体を有し、前記第2狭持フランジは周方向に分割された複数の第2分割体を有し、前記複数の第1分割体及び前記複数の第2分割体は前記触媒側フランジ及び前記フィルタ側フランジに対する周方向配置が変更可能とされており、前記触媒側ケース及び前記フィルタ側ケースを含むハウジングに前記排気ガス浄化装置を設置位置に固定する為の支持ブラケットが位置固定状態で設けられている一方で、周方向配置が変更可能とされている前記複数の第1分割体及び前記複数の第2分割体の少なくとも一
つに前記触媒側及びフィルタ側フランジのうちの対応するフランジに当接する当接領域から径方向外方へ延在された延在領域が設けられ、前記延在領域に吊り下げ部が設けられているので、前記排気ガス浄化装置を吊り下げ装置等によって容易に吊り下げることができ、さらに、前記吊り下げ部が形成された狭持フランジを交換するだけで前記吊り下げ部の形状変更を行うことができ、従って、構成部品の変更を可及的に抑えつつ前記吊り下げ部の形状変更に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る排気ガス浄化装置の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態に係る排気ガス浄化装置100が適用され得る作業車輌の一例の側面図を示す。
【0016】
図1に示すように、前記作業車輌1は、スキッドステアローダの形態をなしている。
詳しくは、前記作業車輌1は、
図1に示すように、走行機体10と、ステアリングハンドル16及び運転席17等を含み、前記走行機体10に支持された操縦部15と、前記走行機体10に支持された前側走行部20(図示の形態においては車輪)及び後側走行部25(図示の形態においてはクローラ)と、前記走行機体10に支持されたディーゼルエンジン30と、前記エンジン30から回転動力を入力する油圧ポンプ35と、HSTを形成するように前記油圧ポンプ35に流体接続され且つ前記後側走行部25へ向けて回転動力を出力する油圧モータ(図示せず)と、前記走行機体10の前側に上下方向回動可能に支持されたローダ装置50と、本実施形態に係る前記排気ガス浄化装置100とを備えている。
【0017】
図2〜
図4に、それぞれ、前記排気ガス浄化装置100の斜視図、側面図及び平面図を示す。
また、
図5に、
図4におけるV-V線に沿った前記排気ガス浄化装置100の縦断側面図を示す。
【0018】
前記排気ガス浄化装置100は、前記ディーゼルエンジン30の排気ガスから粒子状物質並びに一酸化窒素及び炭化水素を除去又は低減する為に前記エンジン30の排気経路に介挿される。
【0019】
詳しくは、前記排気ガス浄化装置100は、
図2〜
図5に示すように、前記エンジン30から排気ガスを受け入れる入口200a及び前記排気ガス浄化装置100によって処理された後の排気ガスを排出する出口200bを有するハウジング200と、前記ハウジング200によって画される排気経路内に直列配置されたディーゼル酸化触媒110及びスートフィルタ120とを備えている。
【0020】
前記酸化触媒110は、前記フィルタ120より排気ガス流れ方向上流側において前記ハウジング内に収容されたセラミックス等によって形成された担持体111と、前記担持体111の表面に担持された白金等の酸化触媒本体(図示せず)とを有する。
【0021】
前記担持体111は、例えば、排気ガス流れ方向に沿った貫通孔を有する複数のセル体を含むものとされる。
前記酸化触媒は、前記排気ガス中のNO
Xを酸化させてNO
2を生成し、NO
2の酸化作用によって前記フィルタ120に捕捉された所謂煤等の粒状物質の再燃焼を促進する。
【0022】
前記スートフィルタ120は、セラミックス等によって前記排気ガス中の煤等の粒状物質を捕捉するように構成される。
例えば、前記スートフィルタ120は、排気ガス流れ方向下流側が閉塞された第1タイプのセル及び上流側が閉塞された第2タイプのセルが交互に隣接されてなるハニカム構造とされ、隣接するセルを分離する壁面に小孔が形成される。
【0023】
前記ハウジング200は、耐熱性金属によって形成される。
前記ハウジング200は、前記酸化触媒110を収容する触媒側ケース210と、前記フィルタ120を収容するフィルタ側ケース250であって、前記触媒側ケース210に分離可能に連結されるフィルタ側ケース250とを含んでいる。
【0024】
図6に前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250の連結部近傍の拡大断面図を示す。
また、
図7に前記排気ガス浄化装置100の分解断面図を示す。
さらに、
図8に前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250の連結部近傍の拡大分解断面図を示す。
【0025】
前記触媒側ケース210は、
図5〜
図8に示すように、前記酸化触媒110を囲繞する触媒側ケース本体220と前記触媒側ケース本体220に固着された触媒側フランジ230とを含んでいる。
【0026】
前記触媒側ケース本体220は、
図5等に示すように、囲繞する前記酸化触媒110より排気ガス流れ方向上流側に排気ガスの前記入口200aに連通された上流側空間201を有しており、且つ、前記流れ方向下流側端部が開口とされている。
前記触媒側フランジ230は、
図6等に示すように、前記触媒側ケース本体220の外周面から径方向外方へ延びている。
【0027】
前記フィルタ側ケース250は、
図5〜
図8に示すように、前記フィルタ120を囲繞するフィルタ側ケース本体260と前記フィルタ側ケース本体260に固着されたフィルタ側フランジ270とを含んでいる。
【0028】
前記フィルタ側ケース本体260は、
図5及び
図6に示すように、排気ガス流れ方向上流側端部が開口とされ、且つ、囲繞する前記スートフィルタ120より前記流れ方向下流側に排気ガスの前記出口200bに連通された下流側空間203を有している。
前記フィルタ側フランジ270は、
図5〜
図8に示すように、前記フィルタ側ケース本体260の外周面から径方向外方へ延びている。
【0029】
本実施形態に係る前記排気ガス浄化装置100においては、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250は、これらとは別体とされた一対の狭持フランジ300によって分離可能に連結されている。
【0030】
即ち、
図6〜
図8に示すように、前記排気ガス浄化装置100は、さらに、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250とは別体とされた前記一対の狭持フランジ300を有しており、前記一対の狭持フランジ300は、互いに対して接合された前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270を狭持した状態でボルト等の締結部材350によって締結されることで前記両ケース210,250を分離可能に連結している。
【0031】
詳しくは、
図8に示すように、前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270には互いに対して対向するように周方向に沿って配置された複数の取付孔235,275が形成されている。
【0032】
一方、前記一対の狭持フランジ300は、
図8に示すように、対応する前記触媒側フランジ230又は前記フィルタ側フランジ270に当接する当接領域301を有しており、前記当接領域301に前記複数の取付孔235,275と対向する複数の締結孔302が形成されている。
【0033】
斯かる構成により、互いに対して接合された前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270を前記一対の狭持フランジ300によって狭持した状態で前記取付孔235,275及び前記締結孔302を貫通されたボルト等の前記締結部材350によって前記一対の狭持フランジ30が締結されている。
【0034】
なお、本実施形態においては、
図6〜
図8に示すように、前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270の接合部分から排気ガスが漏れ出ることを防止する為に前記両フランジ230,270の間にはガスケット360が介挿されている。
図8に示すように、前記ガスケット360には、前記取付孔235,275に対応した貫通孔365が形成されている。
【0035】
このように、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250を当該両ケース210,250とは別体とされた前記一対の狭持フランジ300を介して分離可能に連結することにより、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250の構造簡略化を図りつつ、前記両ケース210,250に収容された前記酸化触媒110及び前記フィルタ120へのアクセス性を向上させることができる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る前記排気ガス浄化装置100においては、
図2及び
図8に示すように、前記一対の狭持フランジ300の少なくとも一方(本実施形態においては、前記触媒側フランジに当接する第1狭持フランジ310)には、前記当接領域301から径方向外方へ延在された延在領域305が設けられており、前記延在領域305に吊り下げ部340が形成されている。
【0037】
前記吊り下げ部340は、前記排気ガス浄化装置100を所定の設置部位に移動させる際に吊り下げ装置等によって前記排気ガス浄化装置を吊り下げる際に利用されるものである。
詳しくは、前記酸化触媒110の前記担持体111及び前記スートフィルタ120は、通常、セラミックスによって形成され、従って、前記排気ガス浄化装置100は全体として比較的に高重量となる(一般的には20kg〜25kg)。
従って、前記吊り下げ部340は、前記排気ガス浄化装置100の全重量に耐え得る強度を有する必要がある。
【0038】
この点に関し、本実施形態においては、前述の通り、前記吊り下げ部340を前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250とは別体とされた前記狭持フランジ300に設けている。
【0039】
従って、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250の構造簡略化を図りつつ、効率的に前記吊り下げ部340の強度を確保することができる。
また、前記排気ガス浄化装置100を吊り下げる際に利用する吊り下げ装置の種類や前記排気ガス浄化装置100の設置位置の変更等に伴って前記吊り下げ部340の構造を変更する必要が生じた場合であっても、前記吊り下げ部340が設けられた前記狭持フランジ300のみを変更することで容易に対応することができる。
本実施の形態においては、前記吊り下げ部340はフックが係入可能な貫通孔とされている。
【0040】
本実施形態においては、前記触媒側ケース本体220及び前記フィルタ側ケース本体260は共に二重構造を有しており、これにより、断熱性向上を図っている。
【0041】
詳しくは、
図5〜
図8に示すように、前記触媒側ケース本体220は、触媒内側ケース体221及び触媒外側ケース体222を有している。
【0042】
前記触媒内側ケース体221は、
図5等に示すように、触媒保持マット115を介して前記酸化触媒110を囲繞する触媒囲繞領域221bと、前記触媒囲繞領域221bより排気ガス流れ方向上流側に位置し且つ前記上流側空間201を形成する上流側領域221aと、前記触媒囲繞領域221bより排気ガス流れ方向下流側に位置し且つ下流側端部が開口とされた下流側領域221cとを有している。
【0043】
前記触媒外側ケース体222は、支持板225を介して前記触媒内側ケース体221を囲繞している。
本実施形態においては、前記触媒外側ケース体222は、前記触媒内側ケース体221と排気ガス流れ方向に関し略同一長さを有している。
【0044】
前記触媒側フランジ230は、
図6及び
図8に示すように、前記触媒内側ケース体221の下流側端部の外周面に固着された固着領域231と、前記固着領域231から径方向外方へ延びて前記触媒外側ケース体222の下流側端部が当接される当接領域232と、前記当接領域232から径方向外方へ延びた接合領域233とを含んでいる。
【0045】
前記フィルタ側ケース本体260は、フィルタ内側ケース体261及びフィルタ外側ケース体262を有している。
【0046】
前記フィルタ内側ケース体261は、
図5等に示すように、排気ガス上流側端部が開口とされ且つフィルタ保持マット125を介して前記フィルタ120を囲繞するフィルタ囲繞領域261aと、前記フィルタ囲繞領域261aより下流側に位置し且つ前記下流側空間203を形成する下流側領域261bとを有している。
【0047】
前記フィルタ外側ケース体262は、
図5〜
図8に示すように、排気ガス流れ方向下流側端部が前記フィルタ内側ケース体261の排気ガス流れ方向下流側端部と略同一位置に位置し且つ排気ガス流れ方向上流側端部が前記フィルタ囲繞領域261aの前記流れ方向略中央において終焉した状態で前記フィルタ内側ケース体261を囲繞している。
【0048】
前記フィルタ側フランジ270は、
図6及び
図8に示すように、前記フィルタ内側ケース体261の排気ガス流れ方向略中央の外周面に固着された固着領域271と、前記固着領域271から径方向外方へ延びて前記フィルタ外側ケース体262の上流側端部が当接される当接領域272と、前記当接領域272から径方向外方へ延びた接合領域273とを含んでいる。
【0049】
前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250は、
図5に示すように、前記フィルタ内側ケース体261の排気ガス流れ方向上流側が前記触媒内側ケース体221の前記下流側領域221cに突入された状態で前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270の前記接合領域233,273が接合されるように構成されている。
【0050】
なお、前記排気ガス浄化装置100は、
図5等に示すように、前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250を連結させた状態において前記酸化触媒110と前記フィルタ120との間に中間空間202が形成されるように構成されている。
前記排気ガス浄化装置100は、前記中間空間202の圧力と前記下流側空間203の圧力との差圧を検出する差圧センサ411,412(
図2〜
図4参照)が備えられている。
前記差圧センサ411,412の検出値に基づき前記スートフィルタ120によって捕捉された粒子状物質に起因する前記フィルタの目詰まりの程度を知ることができる。
【0051】
また、前記排気ガス浄化装置100には温度センサ421〜423(
図2〜
図4参照)も備えられている。
本実施形態においては、前記排気ガス浄化装置100は、前記上流側空間201、前記中間空間202及び前記下流側空間203の温度をそれぞれ検出する上流側温度センサ421、中間温度センサ422及び下流側温度センサ423を有している。
なお、
図5〜7においては、前記中間温度センサ422及び前記下流側温度センサ423の図示を省略して、前記中間温度センサ422及び前記下流側温度センサ423をそれぞれ設置する為の設置孔422a,423aを図示している。
【0052】
図9に、
図3におけるIX-IX線に沿った前記排気ガス浄化装置100の分解断面図を示す。
図9に示すように、本実施形態においては、前記一対の狭持フランジ300の各々は周方向に分割された複数の分割体311,312を有している。
【0053】
詳しくは、前記一対の狭持フランジ300の一方である第1狭持フランジ310(例えば前記触媒側フランジ230に当接する狭持フランジ)は周方向に分割された複数の第1分割体311a,311bを有し、且つ、前記一対の狭持フランジ300の他方である第2狭持フランジ320(例えば前記フィルタ側フランジ270に当接する狭持フランジ)は周方向に分割された複数の第2分割体321a,321bを有している。
【0054】
前記複数の第1分割体311a,311bには、前記触媒側フランジ230及び前記フィルタ側フランジ270に形成された前記複数の取付孔235,275に対応した複数の締結孔302が形成されている。
即ち、前記複数の第1分割体311a,311bの前記複数の締結孔302は、当該複数の第1分割体311a,311bを合体させた状態において前記複数の締結孔235,275と対向するように形成されている。
【0055】
同様に、前記複数の第2分割体321a,321bには、前記複数の取付孔235,275に対応した複数の締結孔302が形成されている。
即ち、前記複数の第2分割体321a,321bの前記複数の締結孔302は、当該複数の第2分割体321a,321bを合体させた状態において前記複数の締結孔235,275と対向するように形成されている。
【0056】
そして、
図9に示すように、前記複数の第1分割体311a,311bの周方向配置と前記複数の第2分割体321a,321bの周方向配置とを異ならせ得るように構成されている。
斯かる構成によれば、前記一対の狭持フランジ310による前記触媒側ケース210及び前記フィルタ側ケース250の連結作業の容易化を図りつつ、前記両ケース210,250の連結強度を向上させることができる。
【0057】
本実施形態におけるように、前記第1狭持フランジ310が前記複数の第1分割体311a,311bによって形成され且つ前記第2狭持フランジ320が前記複数の第2分割体321a,321bによって形成される構成においては、前記吊り下げ部340は前記複数の第1分割体311a,311b及び前記複数の第2分割体321a,321bのうちの少なくとも1つの分割体に設けられる。
【0058】
この場合において、好ましくは、前記複数の第1分割体311a,311b及び前記複数の第2分割体321a,321bは前記吊り下げ部340を除き同一構成を有するものとされる。
即ち、前記吊り下げ部340が形成された分割体(図示の形態においては第1分割体311a)を除く他の全ての分割体(図示の形態においては第1分割体311b及び第2分割体321a,321b)は同一構成を有し、且つ、前記吊り下げ部340が形成された分割体も前記吊り下げ部340を有する点を除き他の分割体と同一構成を有するものとされる。
斯かる構成によれば、部品の種類が増加することを防止しつつ前記効果を得ることができる。
【0059】
図10に、前記排気ガス浄化装置100の設置位置への取付構造の一例を示す斜視図を示す。
図10に示す取付例においては、前記エンジン30はクランク軸が第1水平方向に沿うように配置されており、前記排気ガス浄化装置100は、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に沿った状態で前記エンジン30(より詳しくはフライホイールハウジング31)の上面に取り付けられている。
【0060】
図11に、
図10の分解平面図を示す。
又、
図12に、
図11におけるXII-XII線に沿った分解端面図を示す。
【0061】
図11及び
図12に示すように、前記ハウジング200にはボルト孔372が形成された支持ブラケット370が一体的に設けられており、前記ハウジング200は前記支持ブラケット370が設置位置に設けられる載置面380に載置された状態で前記ボルト孔372に挿通されるボルト385によって前記設置位置に着脱可能に固定されるようになっている。
【0062】
前述の通り、
図10に示す取付例においては、前記排気ガス浄化装置100は前記エンジン30、より詳しくは、前記フライホイールハウジング31に設置される。即ち、前記載置面380は前記フライホイールハウジング31に設けられている。
【0063】
詳しくは、
図11及び
図12に示すように、前記フライホイールハウジング31には略水平な前記載置面380が設けられており、前記載置面380には上方に開くネジ孔382が形成されている。
【0064】
一方、前記支持ブラケット370は、前記排気ガス浄化装置100の前記設置位置への設置状態を基準にして略水平に延びる取付面371を有しており、前記ボルト孔372は前記取付面371を上下方向に貫通するように形成されている。
【0065】
ここで、
図11及び
図12に示すように、前記取付面371には、前記ボルト孔372のうち所定のボルト孔372aを前記取付面371の外側エッジに開くスリット373が形成されている。
斯かる構成によれば、前記排気ガス浄化装置100の設置位置に対する位置決めを容易に行うことができる。
【0066】
即ち、前記載置面380に形成された前記ネジ孔382に螺入されるボルト385のうち前記所定ボルト孔372aに対応したネジ孔382に螺入されるボルト385aのみを対応する前記ネジ孔382に予め螺入させ、その状態で、前記ボルト385aが前記スリット373に挿通されるように前記吊り下げ装置等によって吊り下げられた前記排気ガス浄化装置100を前記設置位置(本実施の形態においては前記エンジン30)に対して相対的に水平移動させることにより、前記排気ガス浄化装置100を所定の設置位置に位置させることが可能となる。
なお、
図12中の符号500は貫通孔の形態をなす前記吊り下げ部340に係入されるフックである。
【0067】
つまり、仮止め状態の前記ボルト385aを、前記排気ガス浄化装置100を前記設置位置へ移動させる際のガイド部材として作用させることができ、これにより、前記排気ガス浄化装置100の位置決めを容易に行うことが可能とする。
【0068】
なお、本実施の形態においては、
図11に示すように、前記支持ブラケット370は第1及び第2支持ブラケット370a、370bを含んでいる。
【0069】
そして、前記第1及び第2支持ブラケット370a、370bの各々の取付面371に前記排気ガス浄化装置100の幅方向に沿って配置された複数のボルト孔372が形成されている。
この複数のボルト孔372のうち前記入口200aに近接する側の前記第1支持ブラケット370aにおける前記取付面371の外側エッジ近傍に形成されたボルト孔372aが前記スリット373によって外側エッジに開かれている。
【0070】
又、本実施の形態においては、
図11及び
図12に示すように、前記ハウジング200には前記入口200aを囲繞するボス部390が設けられており、前記ボス部390の外端部には取付フランジ391が一体形成されている。
前記取付フランジ391には、前記排気ガス浄化装置100の幅方向に貫通するボルト孔392が形成されている。
【0071】
一方、前記エンジン30には、前記入口200aに流体接続される排気マニホールド395に前記取付フランジ391と対向する装着フランジ396が設けられており、前記装着フランジ396にはボルト397が固着されている。
【0072】
前記ボルト397は、前記排気ガス浄化装置100を前記エンジン30に対して水平方向へ相対移動させて前記エンジン30に取り付ける際に、前記取付フランジ391の前記ボルト孔392に挿通される。
なお、
図11及び
図12における符号398は、前記ボルト孔392に挿通された状態の前記ボルト397に螺合するナットである。