(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、車体が走行したことを検出したとき、前記縦軸及び前記横軸における前記フォークの動作の設定を取り消すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォークリフト。
前記制御部は、前記フォークが一定時間以上操作されなかったことを検出したとき、前記縦軸及び前記横軸における前記フォークの動作の設定を取り消すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフォークリフト。
前記第1動作はリフト動作であり、前記第2動作はティルト動作であり、前記第3動作はリーチ動作であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフォークリフト。
【背景技術】
【0002】
この種のタイプのフォークリフトは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1のフォークリフトは、
図6に示される通り、フォークを操作するためのタッチパネル式の表示装置2を備えている。この表示装置2は、オペレータがフォークリフトに搭乗して操縦を行うための運転席に設けられている。
【0003】
表示装置2のディスプレイ23には、フォークを操作するためのフォーク操作部4が表示され、フォーク操作部4内には縦軸Y及び横軸Xが表示されている。オペレータが指で縦軸Y及び横軸Xの交点Oからスライド操作すると、表示装置2が当該スライド操作を検出し、フォークが当該スライド操作に応じて動作するようになっている。
【0004】
図6において、オペレータが交点Oから縦方向にスライド操作すると、フォークがリフト動作する。オペレータが交点Oから横方向にスライド操作すると、フォークがリーチ動作する。また、オペレータが交点Oから縦軸Y及び横軸Xに対して斜め方向にスライド操作すると、フォークがリフト動作及びリーチ動作を同時にする。
【0005】
オペレータが、
図6のディスプレイ23のフォーク操作部4の周囲領域に対して左方向にフリック操作すると、表示画面が
図7Aに示されるように変わる。
図7Aでは、オペレータが交点Oから縦方向にスライド操作するとフォークがリフト動作し、交点Oから横方向にスライド操作するとフォークがティルト動作し、交点Oから斜め方向にスライド操作するとフォークがリフト動作及びティルト動作を同時にする。
【0006】
オペレータが、
図6のディスプレイ23のフォーク操作部4の周囲領域に対して右方向にフリック操作すると、表示画面が
図7Bに示されるように変わる。
図7Bでは、オペレータが交点Oから縦方向にスライド操作するとフォークがティルト動作し、交点Oから横方向にスライド操作するとフォークがリーチ動作し、交点Oから斜め方向にスライド操作するとフォークがティルト動作及びリーチ動作を同時にする。
【0007】
このように、オペレータは、リフト動作、リーチ動作、及びティルト動作から2つの動作を選択し、フォークに選択した2つの動作を同時にさせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記構成の表示装置2では、オペレータは、前方の荷物やフォークに気を取られることで、ディスプレイ23に手が接触し、意図せずフォーク操作部4の周囲領域に対してフリック操作をしてしまい、その結果、縦軸Yまたは横軸Xに設定されたフォークの動作が切り替わってしまうことがある。オペレータは、そのことに気付かずに、フォーク操作部4に対してスライド操作をすると、フォークが意図しない動作をする。
【0010】
例えば、意図せずディスプレイ23に手が接触してしまい、表示装置2の表示画面がいつの間にか、
図6から
図7Aに切り替わっていれば、オペレータは、フォークにリーチ動作をさせるつもりで横方向にスライド操作すると、フォークが意図しないティルト動作をしてしまう。
【0011】
こうして、フォークがオペレータの意図しない動作をする結果、フォークから荷物が落下したり、フォークがラックに激突したりするなどの事故が発生していた。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スライド操作によってフォークに2つの動作を同時にさせることができるフォークリフトにおいて、フォークの誤動作を防止できるフォークリフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係るフォークリフトは、荷役用のフォークと、互いに交わる縦軸及び横軸を含むフォーク操作部が表示されるディスプレイを有し、前記ディスプレイに対するタッチ操作を検出可能な表示部と、前記表示部が前記縦軸及び前記横軸の交点から縦方向へのスライド操作を検出すると、前記縦軸に設定された動作を前記フォークにさせ、前記表示部が前記交点から横方向へのスライド操作を検出すると、前記横軸に設定された動作を前記フォークにさせ、前記交点から前記縦軸及び前記横軸に対する斜め方向へのスライド操作を検出すると、前記縦軸及び前記横軸に設定された動作を同時に前記フォークにさせるように、前記フォークの動作を制御する制御部と、を備えるフォークリフトであって、
前記ディスプレイに、前記フォークの動作に対応するアイコンとして、第1動作に対応する第1アイコンと、第2動作に対応する第2アイコンと、第3動作に対応する第3アイコンと、が少なくとも表示され、
前記制御部は、前記表示部が前記アイコンのうちいずれか2つのアイコンが同時に前記フォーク操作部にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出したときのみ、前記フォークの動作の切替えを行い、前記縦軸に設定されている動作を、ドラッグアンドドロップ操作された2つのアイコンの一方のアイコンに対応する動作に切り替えるとともに、前記横軸に設定されている動作を、他方のアイコンに対応する動作に切り替えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るフォークリフトは、荷役用のフォークと、互いに交わる縦軸及び横軸を含むフォーク操作部が表示されるディスプレイを有し、前記ディスプレイに対するタッチ操作を検出可能な表示部と、前記表示部が前記縦軸及び前記横軸の交点から縦方向へのスライド操作を検出すると、前記縦軸に設定された動作を前記フォークにさせ、前記表示部が前記交点から横方向へのスライド操作を検出すると、前記横軸に設定された動作を前記フォークにさせ、前記交点から前記縦軸及び前記横軸に対する斜め方向へのスライド操作を検出すると、前記縦軸及び前記横軸に設定された動作を同時に前記フォークにさせるように、前記フォークの動作を制御する制御部と、を備えるフォークリフトであって、
前記ディスプレイに、前記フォークの動作に対応するアイコンとして、第1動作に対応する第1アイコンと、第2動作に対応する第2アイコンと、第3動作に対応する第3アイコンとが、少なくとも表示され、
起動時には、前記縦軸及び前記横軸に前記フォークの動作が設定されておらず、
前記制御部は、前記縦軸及び前記横軸に前記フォークの動作が設定されていない状態では前記フォークにいかなる動作もさせず、
前記制御部は、前記表示部が前記アイコンのうちいずれか2つのアイコンが同時に前記フォーク操作部にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出したときのみ、前記フォークの動作の設定を行い、ドラッグアンドドロップ操作された2つのアイコンの一方のアイコンに対応する動作を前記縦軸に設定するとともに、他方のアイコンに対応する動作を前記横軸に設定することを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記制御部は、車体が走行したことを検出したとき、前記縦軸及び前記横軸における前記フォークの動作の設定を取り消す。
【0016】
好ましくは、前記制御部は、前記フォークが一定時間以上操作されなかったことを検出したとき、前記縦軸及び前記横軸における前記フォークの動作の設定を取り消す。
【0017】
好ましくは、前記第1動作はリフト動作であり、前記第2動作はティルト動作であり、前記第3動作はリーチ動作である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記構成を備えることにより、スライド操作によってフォークに2つの動作を同時にさせることが可能なフォークリフトにおいて、フォークの誤動作を防止できるフォークリフトを提供することができる。そして、フォークの誤動作が防止される結果、荷物の落下、フォークのラックへの衝突などの事故が防止される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係るフォークリフト(以下、単にフォークリフトという)について説明する。
図1に示されるように、フォークリフトはリーチ式のフォークリフトである。フォークリフトは、車体1と、車体1の前方に設けられ、車体1の左右両側から前方にのびる一対のストラドルレッグ10とを備える。キャリッジ11が、一対のストラドルレッグ10間に設けられ、ストラドルレッグ10に沿って移動可能である。フォークリフトは、キャリッジ11に立設されたマスト12と、マスト12の立設方向に昇降可能にマスト12に支持されたリフトブラケット13と、リフトブラケット13に支持された荷役用の一対のフォーク14とを備える。
【0021】
フォークリフトは、リフトブラケット13を昇降させるリフトシリンダ15を備える。リフトシリンダ15は、油圧シリンダである。リフトシリンダ15は、伸縮方向が上下方向となるようにマスト12に取り付けられている。リフトシリンダ15が伸長すると、リフトブラケット13はマスト12に案内されて上昇し、リフトブラケット13とともにフォーク14も上昇する。一方、リフトシリンダ15が短縮すると、リフトブラケット13はマスト12に案内されて下降し、リフトブラケット13とともにフォーク14も下降する。このように、リフトシリンダ15の伸縮によって、フォーク14のリフト動作が行われる。
【0022】
リフトブラケット13には、左右方向にのびるシャフト16が回転可能に支持されており、このシャフト16にティルトブラケット17が支持されている。一対のフォーク14は、その後面にティルトブラケット17が当接した状態でシャフト16に支持されている。
【0023】
さらに、フォークリフトは、ティルトブラケット17を前後に揺動するティルトシリンダ18を備える。ティルトシリンダ18は、油圧シリンダである。ティルトシリンダ18は、リフトブラケット13に支持されており、そのピストンロッドの先端がティルトブラケット17の後面に接触している。ティルトシリンダ18が伸長すると、ティルトブラケット17及びフォーク14がシャフト16を中心として前方に回動し、フォーク14は後傾する。一方、ティルトシリンダ18が短縮すると、ティルトブラケット17及びフォーク14がシャフト16を中心として後方に回動し、フォーク14は前傾する。このように、ティルトシリンダ18の伸縮によって、フォーク14のティルト動作が行われる。
【0024】
フォークリフトは、キャリッジ11を車体1の前後方向に移動させるリーチシリンダ19を備える。リーチシリンダ19は、油圧シリンダである。リーチシリンダ19は、伸縮方向が車体1の前後方向となるように、車体1とキャリッジ11との間に設けられる。リーチシリンダ19が伸長すると、キャリッジ11はストラドルレッグ10に案内されて前進し、マスト12とともにフォーク14も前進(リーチアウト)する。一方、リーチシリンダ19が短縮すると、キャリッジ11はストラドルレッグ10に案内されて後進し、マスト12とともにフォーク14も後進(リーチイン)する。このように、リーチシリンダ19の伸縮によって、フォーク14のリーチ動作が行われる。
【0025】
車体1の後部には、オペレータが搭乗するための運転室20が設けられている。運転室20の前方には、フォークリフトを操縦するための操作台21が設けられている。フォークリフトの前部及び後部には、走行用の車輪22が設けられている。
【0026】
フォークリフトは、フォーク14を操作するためのタッチパネル式の表示装置2(表示部)と、MPUなどからなりフォーク14の動作を制御するための制御装置3(制御部)とを備える。表示装置2は操作台21上に配置され、制御装置3は車体1の内部に配置される。
【0027】
図2に示されるように、表示装置2は、情報を表示するためのディスプレイ23と、オペレータのディスプレイ23に対するタッチ操作を検出するためのタッチセンサ24とを備える。タッチセンサ24は、ディスプレイ23へのタップ操作、ダブルタップ操作、スライド操作、フリック操作(ディスプレイ23をタッチして軽くはじく操作)、ドラッグアンドドロップ操作などといった様々なタッチ操作を検出し、またタッチ操作の操作位置、操作方向、操作速度なども検出する。タッチセンサ24の検出信号はデコーダ25を介して制御装置3へ出力される。
【0028】
表示装置2と制御装置3との間の通信方式は、RS232C、CAN、USBなどの有線通信、またはWi-Fiのような無線LANなどによる無線通信である。通信方式が無線通信の場合、表示装置2及び制御装置3のそれぞれに通信機器26が設けられる。無線通信の場合、表示装置2を操作台21の所定の位置に設置する必要はなく、車体1の任意の位置に配置することができ、また表示装置2を携帯しながらフォーク14を操作できる。
【0029】
フォークリフトは、フォーク14の揚高を連続的に検出するリフト揚高検出センサ27と、フォーク14のティルト角度を連続的に検出するティルト検出センサ28と、フォーク14のリーチ距離を連続的に検出するリーチ検出センサ29とを備える。
【0030】
また、フォークリフトは、上記の各油圧シリンダ15、18、19を伸縮させるための油圧モータ30と、油圧モータ30の出力を制御するためのモータドライバ31と、油圧モータ30の回転を検出するための回転検出エンコーダ32とを備える。オペレータがディスプレイ23にタッチ操作すると、タッチセンサ24がこれを検出する。そして、制御装置3は、タッチセンサ24からの検出信号を受けると、モータドライバ31を介して油圧モータ30を駆動させ、油圧シリンダ15、18、19を伸縮させる。制御装置3は、各検出センサ27〜29からのフォーク14の位置(揚高、ティルト角度、リーチ距離)情報を含む検出信号に基づいて、タッチ操作に対応するようにフォーク14の動作を制御する。
【0031】
また、フォークリフトの電源をOFF状態とON状態とに切替え操作するためのキースイッチ33が設けられており、制御装置3に接続されている。オペレータは、キースイッチ33を操作することで、フォークリフトを起動させることができる。
【0032】
フォークリフトを起動させると、表示装置2のディスプレイ23には、
図3Aに示される表示画面が表示される。ディスプレイ23には、フォーク14を操作するための矩形状(正方形状)のフォーク操作部4が表示されている。フォーク操作部4内には、互いに直角に交わる縦軸Y及び横軸Xが表示されている。
【0033】
オペレータは、後述の通り、指で縦軸Y及び横軸Xの交点Oからスライド操作することで、リフト動作、ティルト動作、リーチ動作のうち、縦軸Yに設定された動作及び横軸Xに設定された動作の一方の動作をフォーク14にさせることができ、また双方の動作を同時にフォーク14にさせることができる。
具体的には、表示装置2が交点Oから縦方向へのスライド操作を検出すると、制御装置3は縦軸Yに設定された動作をフォーク14にさせる。表示装置2が交点Oから横方向へのスライド操作を検出すると、制御装置3は横軸Xに設定された動作をフォーク14にさせる。表示装置2が交点Oから縦軸Y及び横軸Xに対する斜め方向へのスライド操作を検出すると、制御装置3は縦軸Yに設定された動作と、横軸Xに設定された動作とを同時にフォーク14にさせる。なお、表示装置2が、スライド操作した指がフォーク操作部4から離れたことを検出するまで、制御装置3は、フォーク14を動作させ続ける。
【0034】
また、交点Oからのスライド操作によりフォーク14を動作させる際、制御装置3は、スライド操作のベクトルの縦方向成分の大きさを、縦軸Yに設定されたフォーク14の動作の動作速度(即ち、リフト速度、ティルト速度、またはリーチ速度)に比例させる。また、制御装置3は、スライド操作のベクトルの横方向成分の大きさを横軸Xに設定されたフォーク14の動作の動作速度に比例させる。
【0035】
次に、縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作を設定する方法について説明する。
ディスプレイ23には、フォーク14の動作に対応するアイコンとして、リフト動作に対応するリフトアイコンA1(第1アイコン)と、ティルト動作に対応するティルトアイコンA2(第2アイコン)と、リーチ動作に対応するリーチアイコンA3(第3アイコン)とが表示されている。
表示装置2は、オペレータが指でアイコンA1〜A3をタッチし、その指を離すことなくスライドしていることを検出すると、当該アイコンA1〜A3の表示位置を、スライドさせている指がディスプレイ23をタッチしている位置に移動させる。即ち、各アイコンA1〜A3は、スライドさせている指の移動に合わせて移動するように表示される。
【0036】
フォークリフトを起動した時に表示される
図3Aの表示画面は、縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作が設定されていない状態の動作未設定の表示画面である。この表示画面では、表示装置2がフォーク操作部4に対するタッチ操作を検出しても、制御装置3はいかなる動作もフォーク14にさせない。即ち、この状態では、オペレータがフォーク14を操作できないようになっている。フォーク14を操作できるようにするためには、以下の操作が必要となる。
【0037】
オペレータは、フォーク操作部4によってリフト操作及びティルト操作を同時にできるようにしたいとき、リフトアイコンA1及びティルトアイコンA2を使用する。まず、オペレータは、一本の指でリフトアイコンA1を、別の指でティルトアイコンA2をタッチする。次に、オペレータは、
図3Bの通り、アイコンA1、A2をタッチしている2本の指をフォーク操作部4にまでスライドさせて、これらのアイコンA1、A2をフォーク操作部4内にまで移動させる。それから、オペレータは、この2本の指をフォーク操作部4から離す。
即ち、オペレータは、リフトアイコンA1及びティルトアイコンA2をフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作する。
【0038】
表示装置2が、上記のようにリフトアイコンA1及びティルトアイコンA2が同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出すると、制御装置3は、縦軸Yにリフト動作を設定するとともに、横軸Xにティルト動作を設定する。そして、
図4Aの通り、リフト動作に関する表示「リフト」、「上昇」、「下降」が縦軸Yに沿って表示され、ティルト動作に関する表示「ティルト」、「前傾」、「後傾」が横軸Xに沿って表示される。
なお、ドラッグアンドドロップ操作されたリフトアイコンA1とティルトアイコンA2は、元の表示位置に表示される。
【0039】
このように、縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作が設定されることで、オペレータはフォーク14を操作できるようになる。
図4Aでは、具体的には、オペレータが交点Oから上方向にスライド操作するとフォーク14が上昇し、オペレータが交点Oから下方向にスライド操作するとフォーク14が下降する。オペレータが交点Oから右方向にスライド操作するとフォーク14が前傾し、オペレータが交点Oから左方向にスライド操作するとフォーク14が後傾する。
オペレータが交点Oから右上方向にスライド操作するとフォーク14は上昇するとともに前傾し、オペレータが交点Oから左上方向にスライド操作するとフォーク14は上昇するとともに後傾する。オペレータが交点Oから右下方向にスライド操作するとフォーク14は下降するとともに前傾し、オペレータが交点Oから左下方向にスライド操作するとフォーク14は下降するとともに後傾する。
【0040】
なお、オペレータは、フォーク操作部4にティルト動作及びリーチ動作を設定したいときには、ティルトアイコンA2及びリーチアイコンA3を同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作する。表示装置2が、ティルトアイコンA2及びリーチアイコンA3が同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出すると、制御装置3は、縦軸Yにティルト動作を、横軸Xにリーチ動作を設定する。
【0041】
また、オペレータは、フォーク操作部4にリフト動作及びリーチ動作を設定したいときには、リフトアイコンA1及びリーチアイコンA3を同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作する。表示装置2が、リフトアイコンA1及びリーチアイコンA3が同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出すると、制御装置3は、縦軸Yにリフト動作を、横軸Xにリーチ動作を設定する。
【0042】
なお、制御装置3が、ドラッグアンドドロップ操作された2つのアイコンのうち、どちらのアイコンに対応する動作を縦軸Yに設定し、どちらのアイコンに対応する動作を横軸Xに設定するかは、ドラッグアンドドロップ操作される2つのアイコンの組合せ毎に予め決まっている。
即ち、前述の通り、リフト動作及びティルト動作が設定されるときには、リフト動作が縦軸Yに設定されるように、ティルト動作及びリーチ動作が設定されるときには、ティルト動作が縦軸Yに設定されるように、リフト動作及びリーチ動作が設定されるときには、リフト動作が縦軸Yに設定されるように予め決まっている。
【0043】
制御装置3は、上記のように2つのアイコンが同時にドラッグアンドドロップ操作されたときのみ、フォーク14の動作の設定を行い、それ以外の操作がされたとしてもフォーク14の動作の設定を行わない。例えば、オペレータが、1つのアイコンだけをフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作したり、1つのアイコンをドラッグアンドドロップ操作した後、別の1つのアイコンをドラッグアンドドロップ操作したりしても、制御装置3は、縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作を設定しない。
【0044】
以上のように、制御装置3は、3つのアイコンA1〜A3のうち2つのアイコンが同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたときに、一方のアイコンに対応するフォーク14の動作を縦軸Yに、他方のアイコンに対応するフォーク14の動作を横軸Xに設定する。しかも、制御装置3は、このように2つのアイコンが同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたときだけ、フォーク14の動作の設定を行う。
【0045】
上記の構成によれば、オペレータは、フォークリフトを起動させても、いきなりフォーク14を操作することはできず、フォーク14を操作できるようにするためには、設定したい動作に対応する2つのアイコンをフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作する必要がある。それによって、フォーク14を操作する前に、フォーク操作部4に設定された2つの動作が何であるかをオペレータにしっかりと意識付けることができる。従って、オペレータがフォーク操作部4に設定された動作を勘違いすることにより起こりうるフォーク14の誤動作を防止することができる。またこの構成により、オペレータが前方にあるフォーク14や荷物に気を取られることでタッチパネル23に手が触れてしまい、オペレータの意思に反して縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作が設定されることを回避できる。
【0046】
次に、縦軸Y及び横軸Xに設定されたフォーク14の動作を切り替える方法について説明する。
図4Aでは、縦軸Yにリフト動作が設定され、横軸Xにティルト動作が設定されているが、荷役作業において、リフト動作が不要になりティルト動作及びリーチ動作が必要になったとする。オペレータは、フォーク操作部4に設定されたフォーク14の動作の組合せを、リフト動作及びティルト動作から、ティルト動作及びリーチ動作に切り替える必要がある。
【0047】
このような切替えのために、オペレータは、
図4Aのようにリフト動作及びティルト動作が設定されているフォーク操作部4に、
図4Bに示されるようにティルトアイコンA2及びリーチアイコンA3を同時にドラッグアンドドロップ操作する。
表示装置2が、ティルトアイコンA2及びリーチアイコンA3がフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出すると、制御装置3は、縦軸Yに設定された動作をリフト動作からティルト動作に切り替えるとともに、横軸Xに設定された動作をティルト動作からリーチ動作に切り替える。そして、フォーク操作部4上の縦軸Yのリフト動作に関する表示がティルト動作に関する表示になるとともに、横軸Xのティルト動作に関する表示がリーチ動作に関する表示になる。
【0048】
図4Bのようにフォーク14の動作が設定されると、オペレータは、交点Oから縦方向にスライド操作することでティルト操作でき、交点Oから横方向にスライド操作することでリーチ操作でき、交点Oから縦方向及び横方向に対して斜め方向にスライド操作することで同時にティルト操作及びリーチ操作できる。
【0049】
また、
図5A、
図5Bに、フォーク操作部4に設定されたフォーク14の動作の組合せを、リフト動作及びティルト動作から、リフト動作及びリーチ動作に切り替える様子が示されている。先と同じ要領で、オペレータは、
図5Aに示されるようにリフト動作及びティルト動作が設定されているフォーク操作部4に、
図5Bに示されるようにリフトアイコンA1とリーチアイコンA3を同時にドラッグアンドドロップ操作する。表示装置2が、これらのアイコンA1、A3が同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出すると、制御装置3は、縦軸Yに設定された動作をリフト動作に切り替えるとともに、横軸Xに設定された動作をリーチ動作に切り替える。なお、この場合、
図5Aの通り、縦軸Yにはもともとリフト動作が設定されているので、縦軸Yに設定された動作は実質的には変わらない。
【0050】
図5Bのようにフォーク14の動作が設定されると、オペレータは、交点Oから縦方向にスライド操作することでリフト操作でき、交点Oから横方向にスライド操作することでリーチ操作でき、交点Oから縦方向及び横方向に対して斜め方向にスライド操作することで同時にリフト操作及びリーチ操作できる。
【0051】
そして、制御装置3は、上記のように2つのアイコンがフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作されたときのみ、フォーク操作部4に設定されたフォーク14の動作の切替えを行い、それ以外の操作がされたとしてもフォーク14に設定された動作の切替えを行わない。例えば、オペレータが、1つのアイコンだけをフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作したときや、1つのアイコンをドラッグアンドドロップ操作した後、別の1つのアイコンをドラッグアンドドロップ操作しても、制御装置3は、縦軸Y及び横軸Xに設定された動作の切替えを行わない。
【0052】
以上のように、表示装置2が、3つのアイコンA1〜A3のうち2つのアイコンがフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出したときに、制御装置3は、フォーク操作部4の縦軸Y及び横軸Xに設定された動作の切替えを行う。しかも、制御装置3は、このように2つのアイコンがフォーク操作部4に同時にドラッグアンドドロップ操作されたときだけ、フォーク14の動作の切替えを行う。
【0053】
この構成により、オペレータの手がディスプレイ23に接触して、縦軸Y及び横軸Xに設定された動作がいつの間にか切り替わってしまうようなことを回避できる。従って、縦軸Y及び横軸Xに設定された動作が意図せず切り替わることで起こりうるフォーク14の誤動作を防止できる。
【0054】
ところで、オペレータは、フォーク14を操作した後、フォークリフトを走行させたり、フォークリフトを起動させたまま運転席20から離れたりするなど、暫くフォーク14を操作しないことがある。このようなとき、オペレータは、フォーク操作部4に(縦軸Y及び横軸Xに)、リフト動作、ティルト動作、リーチ動作の3つの動作のうちどの2つの動作を設定したかを忘れてしまったり、誤って覚えていたりすることがある。それによって、オペレータは、再びフォーク14を操作するとき、フォーク14を誤動作させる虞がある。そこで、フォークリフトは、以下の構成を備えている。
【0055】
フォークリフトは、車体1が走行したことを検出する走行検出手段を備えている。本実施例では、
図2の通り、走行検出手段は、車輪22の回転を検出することで車体1の走行を検出する走行検出エンコーダ34である。走行検出エンコーダ34は、制御装置3に接続されている。なお、走行検出手段は、不図示の走行レバーが操作されたことを検出することで車体1の走行を検出するリミットスイッチなどでもよい。
【0056】
制御装置3は、走行検出エンコーダ34からの検出信号により車体1が走行したことを検出すると、フォーク操作部4の縦軸Y及び横軸Xの双方におけるフォーク14の動作の設定を取り消す。即ち、表示装置2の表示画面が、
図3Aの動作未設定の表示画面に戻り、表示装置2がフォーク操作部4に対するスライド操作を検出しても、制御装置3はフォーク14にいかなる動作もさせない。
【0057】
さらに、制御装置3は、表示装置2が一定時間以上フォーク操作部4に対するタッチ操作を検出しなかったときも、縦軸Y及び横軸Xにおけるフォーク14の動作の設定を取り消す。
【0058】
このように、制御装置3は、オペレータがフォークリフトを走行させた、またはフォーク14を一定時間以上操作しなかった場合には、縦軸Y及び横軸Xにおけるフォーク14の動作の設定を取り消し、フォーク14を操作できないようにする。フォーク14を操作できるようにするためには、オペレータは、先の通りアイコンA1〜A3のうち2つのアイコンを同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作して、縦軸Y及び横軸Xにフォーク14の動作を再設定しなければならない。それによって、暫くフォーク14を操作しなかった状況でフォーク14を再操作する際に起こりうるフォーク14の誤動作を防止することができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【解決手段】表示装置2が縦軸Y及び横軸Xの交点Oからのスライド操作を検出すると、制御装置はスライド操作に応じてフォークに縦軸Y及び横軸Xに設定された動作をさせる。ディスプレイ23に、第1動作に対応する第1アイコンA1と、第2動作に対応する第2アイコンA2と、第3動作に対応する第3アイコンA3とが表示される。表示装置2がいずれか2つのアイコンが同時にフォーク操作部4にドラッグアンドドロップ操作されたことを検出したときのみ、制御装置はフォークの動作の切替えを行う。制御装置は、縦軸Yに設定されている動作を、ドラッグアンドドロップ操作された2つのアイコンの一方のアイコンに対応する動作に切り替え、横軸Xに設定されている動作を、他方のアイコンに対応する動作に切り替える。