特許第5748345号(P5748345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748345
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ダーツ
(51)【国際特許分類】
   A63B 65/02 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   A63B65/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-269816(P2011-269816)
(22)【出願日】2011年12月9日
(65)【公開番号】特開2013-121368(P2013-121368A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】711013483
【氏名又は名称】株式会社フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】福永 正和
(72)【発明者】
【氏名】荒井 佳和
(72)【発明者】
【氏名】福永 良子
【審査官】 鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−063582(JP,A)
【文献】 特開2011−110413(JP,A)
【文献】 特開2011−193990(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3160281(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側からチップと、バレルと、複数の溝を有するシャフトと、複数枚からなるフライトを備えたダーツにおいて、
前記シャフトと前記フライトが一体成形され、
前記溝は、前記シャフトの前記フライトどうしの間にそれぞれ設けられているとともに、前記フライト側からバレル側に向かって幅が徐々に狭くなる楔形状となっていることを特徴とするダーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁などに設置された的にダーツ(矢)を投擲し当てて得点を競うスポーツ遊具に使用されるダーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダーツは得点を競うスポーツ競技としてプロ競技も行なわれ広く発展している。的にダーツ(矢)を投擲し中心部に刺さることで中心部の高得点を競うものであり、いかに多くの矢を的の中心部に投げるかが競われる。そのため矢は的の中心にできるだけ集中して刺さることが要求される競技である。
このような従来のダーツとしては、例えば、下記特許文献1乃至3に開示されたダーツが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−193990号 公報
【特許文献2】特開2011−110413号 公報
【特許文献3】実用新案登録第3160281号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにダーツを投擲した場合に、先に投げたダーツが的にささったまま、続けて次のダーツを投げる場合、すでに的に刺さったダーツに後から投げたダーツが衝突して弾かれ同じ位置にダーツが刺さらないことが発生する。また先に的に刺さったダーツが弾かれて的より離脱することが発生する。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、ダーツが衝突したとき弾かれたり弾き飛ばされたりすることを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は衝突する部分にダーツが衝突したとき、ダーツが弾き飛んだり、弾き飛ばされたるすることのないように滑らかな直線状の溝を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のダーツでは、ダーツを続けて投げ、先に投げたダーツに衝突した場合でも大きく弾き飛ばされることなく先に刺さったダーツに近い位置の的に刺さることが可能で、また先に的に刺さったダーツが弾き飛ばされて離脱することがなく、競技などでは高得点を挙げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1はダーツに関する説明図である。
図2図2は従来のダーツ形状図面である。
図3図3は従来のダーツ形状の立体説明図である。
図4図4は本発明に至った課題を説明する図である。
図5図5は本発明のダーツ形状を説明する図である。
図6図6図5のY−Y断面形状を示す図である。
図7図7図5のX−X断面形状を示す図である。
図8図8は本発明のダーツ構造を説明する立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は一般的なダーツの構造で、先端にチップ3が取付けられて標的にこのチップ部先端30が刺さることになる。チップ3はバレル4に取付けられる。バレル4は主に金属で構成されており重量がありダーツを遠くに投げるための効果がある。またシャフト5とフライト6がバレル4に取付けられる。通常シャフト5とフライト6は主に樹脂で射出成形され、ダーツが真直ぐ飛ぶための効果を有する。そしてシャフト5とフライト6は別々に成形され組合されたり、一体構造で樹脂などによる射出成形で構成される。
【0010】
図2は従来のダーツシャフトとフライト部構造を表す図である。図3はこのダーツ構造を立体的に説明する図である。図2及び図3において、シャフト5はネジ部50によりバレル4にねじ込み取付けられる。シャフト5は一般的に細長い丸棒52構造でフライト6は通常0.3〜0.5mm程度の薄板フライト61〜64が通常4枚程度シャフト52にフライト61〜62の1/3〜1/4長さで一体的に樹脂の射出成形などにより構成される。
【0011】
図4は本発明に至った課題を説明する図である。図4において先に投げられたダーツ1は標的5に刺さった状態で、後から投げたダーツ2が標的に刺さったダーツ1に衝突する状態で投げられた図を示す。この時従来のダーツでは図3のようにフライト6が取り付く部分のシャフト52部は丸形状でかなり大きな径で製作されているのが一般的であることから、後から投げられたダーツ2先端のチップ20がシャフト52部に衝突し、横に弾き飛ばされることが発生したり、先に的に刺さったダーツ1が弾き飛ばされて的から離脱するような事態が発生する。
【0012】
本発明はこれに関してなされたもので、図5に本発明のダーツのシャフトとフライト構造を示す。又図8にこれの立体構成図を示す。図5及び図8においてフライト6と一体で構成されるシャフト52のフライト61〜64の間のシャフト52部に溝53を設けた構造である。溝はフライト61〜64の間でフライト部のシャフト52からシャフト51に渡ってシャフトの強度を損なうことのないように、又チップ先端20が衝突してもスムーズにすり抜けられるようなフライト部の幅が大きく、シャフト51のバレル4に至る軸方向に直線状の幅が小さくなるような楔形状の溝が設けられている。図6図5のY−Y部断面形状を表すもので、滑らかな溝がフライト61とフライト62の間のように他のフライト間の4ヶ所にも設けられている。又図7図5のX−X断面形状を表すもので、シャフト51でバレル4側に至って先が細くなる直線で楔形状の溝を表している。
【0013】
このように先に的7に刺さったダーツ1でシャフト5で軸方向に直線で楔形の溝があることから、後から投擲したダーツ2のチップ3のチップ先端30がシャフトフライト取付部52に衝突しても、後から投擲されたダーツ2は弾き飛ばされることなく先のダーツ1の近くの的に刺さることになる。また先に的に刺さったダーツ1が弾き飛ばされることが防止できる。
【0014】
シャフト5及びフライト6は本図に示すように樹脂などで射出成型により一体型に成形される場合とシャフト5にフライト6を取り付ける溝を設けシャフト5とフライト6を別々に成形などで製作し組み合わせて用いる構造もある。この場合でも本発明のシャフト51部に設けられた溝は全く同じように構成されることになる。
【符号の説明】
【0015】
1 ダーツ
2 ダーツ
3 チップ
30 チップ先端
4 バレル
5 シャフト
50 ネジ部
51 シャフト本体
52 フライト取付部シャフト
53 溝
6 フライト
61 フライト(1枚目羽根)
62 フライト(2枚目羽根)
63 フライト(3枚目羽根)
64 フライト(4枚目羽根)
7 的
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8