(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
皮膚上から薬剤などの送達物を浸透させ体内に送達物を投与する方法である経皮吸収法は、人体に痛みを与えることなく簡便に送達物を投与することが出来る方法として用いられている。そこで、経皮投与の分野において、μmオーダーの微細な針状体を用いて皮膚を穿孔し、皮膚内に薬剤を投与する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このときに用いる微細な針状体の形状は、皮膚を穿孔するための十分な細さと先端角、および皮下に薬液を浸透させるための十分な長さを有していることが好ましく、直径は数μmから数百μm(具体的には、例えば、1μm〜300μm程度)、長さは、具体的には数十μmから数百μm(具体的には、例えば、10μm〜1000μm程度)のものが望ましい。
【0004】
上述した針状体の材料として種々の材料を用いることが知られている。
【0005】
例えば、グリコーゲン、デキストリンなどの水溶性多糖類の水溶液を鋳型に充填させ、低温で乾燥させ、針状体を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
例えば、ゼラチン、アガロース、マルトースなどの水溶性多糖類の水溶液を鋳型に充填させ、加熱処理により、熱可逆性ゲルからなる針状体を製造する方法が提案されている(特許文献3)
また、針状体製造方法として、切削加工を用いて原版を作成し、該原版から転写版を形成し、該転写版を用いた転写加工成形を行なうことが提案されている(特許文献4参照)。
【0007】
また、針状体製造方法として、エッチング法を用いて原版を作成し、該原版から転写版を形成し、該転写版を用いた転写加工成形を行なうことが提案されている(特許文献5参照)。
【0008】
一方、ゲル化剤として、カードランを用いることが知られている(非特許文献1)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<針状体>
本発明の針状体は、基体と、前記基体から突出した突起部と、を備え、熱不可逆性ゲルからなる針状体である。
【0021】
本発明の針状体で用いる材料は、種々の処理により熱不可逆性ゲルとなる材料であれば良い。
【0022】
例えば、具体的には、カードラン、グルコマンナン、脱アセチル化ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、などを用いて良い。
【0023】
特に、本発明の針状体に用いる材料としては、カードランが好ましい。
【0024】
カードランは、天然多糖類の一種であり、加熱処理により、熱可逆性ゲルから熱不可逆性ゲルに変化する材料である。また、カードランは食品の増粘剤等に使用されており、安全性が極めて高く、仮に体内に残留されても長時間かけて生体内で徐々に分解される性質を有する。また、カードランは水に不溶であるが、水分散液を60℃程度で加熱すると熱可逆性の軟らかいゲル(ローセットゲル)を形成し、80℃以上で加熱すると熱不可逆性の強固なゲル(ハイセットゲル)を形成する。さらに、架橋剤等を添加して調整される熱不可逆性ゲルは、最も一般的に普及している滅菌装置オートクレーブまたは放射線による滅菌が可能である。このため、皮膚に穿刺する経皮投与用途の針状体の材料として極めて優れている。
【0025】
このようなカードランを主成分とする原料を用いて針状体を製造することにより、水難溶性送達物を徐放でき、且つ充分な機械的強度、耐熱性、生体適合性を有し、簡便に製造することができる生体高分子の熱不可逆性ゲルからなる針状体が提供される。
【0026】
また、本発明の針状体は、送達物を含んでいても良い。
【0027】
前記送達物としては、例えば、生理活性物質や化粧品組成物などが挙げられる。また、送達物として芳香を有する材料を用いた場合、使用に際して匂いを付与することが出来、美用品として用いるのに好ましい。なお、上記送達物は、生物製剤をも含むものとする。ここで、生物製剤とは、ヒトや動物の細胞や細胞組織等に由来する原料または材料を用いた薬物の分類をいう。
【0028】
送達物は、成形材料内に分散させ、針状体内部に内包させても良い。また、送達物を針状体表面に塗布し保持しても良い。また、成形材料内に送達物分散させる場合、本発明の針状体製造方法によれば、水難性の送達物であっても好適に針状体に分散させて成形することが出来ることから、特に、水難性送達物を内包させることが好ましい。
【0029】
また、送達物を針状体で投与するにあたり、針状体が皮膚に穿刺される前あるいは皮膚に穿刺される後に、送達物を対象となる皮膚上に塗布してもよい。このとき、針状体の表面または内部に送達物を配置し、かつ、対象となる皮膚表面にも送達物を塗布してもよい。
【0030】
本発明に従う針状体の形状について説明する。
【0031】
本発明に従う針状体の一例を
図1(a)および(b)に模式的に示す。
図1(a)は、本発明に従う針状体の平面図であり、
図1(b)は
図1(a)を線I−Iに沿って切った断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本発明に従う針状体1は、基体2と、前記基体2の第一の面から突出する突起部3を具備する。
【0032】
本発明に従う針状体は、基体に1つの突起部を具備してもよく、また基体に複数の突起部を具備してもよい。複数の突起部を具備する場合には、アレイ状に突起部を具備してよい。
【0033】
特に、突起部は、基板上に林立し、アレイ状に配列していることが好ましい。ここで、「アレイ状」とは、各突起部が並んでいる状態を示すものであり、例えば、格子配列、最密充填配列、同心円状に配列、ランダムに配列などのパターンを含む。
【0034】
突起部が基板上に林立しアレイ状に配列している場合、特に、最密充填配列であることが好ましい。最密充填配列とすることで、面積あたりの突起部の集積率を向上することが出来る。ここで、「最密充填配列」とは、1つの突起部に対して、他の6つの突起部を等距離に配置するような配列をいう。
【0035】
突起部の形状は、
図1(a)および(b)に示された形態に限定されるものではなく、用途により形状および寸法などを自由に設計してよい。例えば成形した針状体を送達物の経皮吸収を促進する目的や、経皮的に生体内の物質を生体外へ取り出す目的に用いる場合、皮膚穿刺性能の観点からは、突起部の先端が先鋭な錐形状であって、根元幅は数μmから数100μm、長さは数10μmから数100μm程度である。
【0036】
また、突起部の側壁には括れや段差が形成されていても良い。
【0037】
また、特に、突起部による穿孔の深さを「角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない深さ」に留める場合、送達物や化粧品組成物を、角質層より深い位置に送達することが出来る。角質層に形成された穿孔は時間と共に塞がるため、角質層下に送達された送達物や化粧品組成物は外界から角質層にバリアされた状態で生体内に保持される。このため、送達物や化粧品組成物は、角質層の新陳代謝や、スキンケアなどの洗浄により剥落することを低減でき、長期間、化粧状態を維持することが出来る。
【0038】
長期間の化粧状態を維持することが出来ることから、特に、眉、目の周囲、口唇の周囲、など、長期間の色味の保持が求められる部位における化粧品組成物の送達に好適に用いることが出来る。
【0039】
また、特に、突起部による穿孔の深さを「角質層内」に留める場合、送達物や化粧品組成物を、角質層内に滞留させることが出来る。角質層はたえず新陳代謝により新規に生成されるため、角質層内の送達物や化粧品組成物は時間と共に体外へ排出される。このため、皮膚の洗浄や皮膚をピーリングすることなどにより、例えば、化粧状態および付与状態を容易に解除することが出来る。
【0040】
特に、「穿孔を角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さ」に留める場合、突起部の長さは、具体的には、200μm以上700μm以下、より好適には200μm以上500μm以下、更に好適には、200μm以上300μm以下程度の範囲内にあることが好ましい。
【0041】
また、特に、穿孔を角質層内に留める場合、突起部の長さは、具体的には、30μm以上300μm以下、より好適には30μm以上250μm以下、更に好適には、30μm以上40μm以下、程度の範囲内にあることが好ましい。
【0042】
また、本発明に従う突起部をアレイ状に配列する場合、各突起部の長さは全て同一でも、同一でなくてもよい。突起部の長さが異なる場合、例えば、(1)アレイ状の外周のみ長い突起部とすることで、曲面に対し、好適に接触することができる、(2)アレイ状の外周のみ短い突起部とすることで、破損しやすい外周部のマイクロニードルの機械的強度を補強することができる、などの利点が挙げられる。
【0043】
また突起部が、錐形状などの先端角を有する形状の場合、(1)角質層を貫通するときは、先端角は5°以上30°以下、より好ましくは10°以上20°以下の範囲程度が好ましく、(2)角質層内に穿孔を留める場合、先端角は30°以上、より好ましくは、45°以上が好ましい。
【0044】
また、当該針状体を構成する基体と突起部は、同組成の材料により形成しても、異なる組成の材料により形成してもよい。基体と突起部とを同組成の組成物で形成することにより、基体と突起部を一体成形にて好適に形成することができる。
【0045】
<鋳型>
本発明の針状体製造方法において、成形にあたり使用される鋳型の例を
図1(c)に示す。鋳型4は、基板5と、その第一の面に形成された突起部の凹凸反転パターンからなる凹部6を含む。
【0046】
鋳型の材質は、鋳型としての耐熱性や熱伝導、機械的強度、形状追従性を有していれば、特に材質の制約はない。例えば、例えば、(1)シリコン、(2)ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、などの金属材料、(3)アルミナ、窒化アルミニウム、マシナブルセラミックス、などのセラミックス、(4)ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、などの合成樹脂などを用いてよい。
【0047】
また、鋳型に凹部6を形成するための手段は、それ自身公知の微細加工技術を適宜選択して用いてよく、そのような微細加工技術の例は、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、サンドブラスト法、レーザー加工法および精密機械加工法などを含む。
【0048】
<製造方法>
本発明の針状体製造方法は以下の工程を有する。
【0049】
・突起部の凹凸反転パターン、即ち、凹部21を形成した鋳型20を作製する工程(
図2(a))
・成形材料23を調整する工程(図示せず)
・鋳型20を用いて転写成形を行い、針状体28を形成する工程(
図2(b)〜(e))。
【0050】
(針状体形状を形成した鋳型を作製する工程)
まず、針状体の凹凸反転パターンからなる凹部21を基板の第一の面に形成し、鋳型20を作製する。鋳型20の材料は、上述した何れかの材質であればよく、凹部21の形成する手段は、上述した何れかの方法を使用すればよい。
【0051】
(成形材料を調整する工程)
次に、成形材料23の調整を行う。
【0052】
成形材料としては、種々の処理により熱不可逆性ゲルとなる材料であれば良い。例えば、具体的には、カードラン、グルコマンナン、脱アセチル化ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、などを用いて良い。
【0053】
上記成形材料を用いれば、生体適合性且つ耐熱性の優れた生体高分子由来の微細な針状体を製造できる。
【0054】
上記「カードラン、グルコマンナン、」などは、水酸化ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液と混合および加熱させることにより、熱不可逆性ゲルとして調整することが出来る。このとき、混合後、炭酸ガス等で混合溶液を中和させることが好ましい。また、調整する混合溶液のゲル材料濃度は1〜20wt%程度であることが好ましい。
【0055】
上記「脱アセチル化ジェランガム、アルギン酸ナトリウム」などは、カルシウムイオンなどのアルカリイオン存在下で熱不可逆性ゲルとして調整することが出来る。
【0056】
また、特に、カードランは、水分散液を60℃程度で加熱すると熱可逆性の軟らかいゲル(ローセットゲル)を形成し、80℃以上で加熱すると熱不可逆性の強固なゲル(ハイセットゲル)を形成することが知られており、熱可逆性ゲルとして調整し、加熱により熱不可逆性ゲルとすることが出来る。このとき、熱可逆性ゲルは種々の送達物を分散させて保持することが出来る。このため、熱可逆性ゲルの状態で鋳型に充填し、該鋳型内で加熱により熱不可逆性ゲルとすることが出来、本発明の針状体製造方法に用いる成形材料として、特に、好ましい。
【0057】
<カードラン水分散液の調整>
以下、一例として、カードランを熱可逆性ゲルとして調整し、加熱により熱不可逆性ゲルとする場合について、説明をおこなう。
【0058】
まず、温水(50〜65℃程度)にカードラン粉末を攪拌し、室温まで冷却し、カードラン水分散液を得る。
【0059】
成形材料内に送達物を内包させる場合は、調整したカードラン水分散液に送達物を混合させてもよい。
【0060】
また、カードラン水分散液に、強度を上げるため架橋剤または凝固剤を混合してもよい。
【0061】
例えば、前記架橋剤は、(1)ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム、アルミニウム、などのカチオンを含む金属塩、(2)多価グリシジルエーテル化合物、(3)多価アジリジン化合物などを用いても良い。
【0062】
例えば、前記凝固剤は、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アゾトバクタービネランジーガム、ペクチン、などを用いても良い。
【0063】
架橋剤または凝固剤の濃度は、適宜調整してよい。具体的には、0.001〜10.0wt%程度が好ましい。
【0064】
また、カードラン水分散液は、調整後、真空下で脱気を行ってもよい。
【0065】
以上より、カードラン水分散液を調整することが出来る。
【0066】
(鋳型を用いて転写成形を行い、針状体を形成する工程)
次に、
図2(c)に示すように、成形材料23を鋳型20に充填する。当該成形材料の充填方法についての制限は特にない。例えば、充填方法として、射出成形法、押し出し成形法、インプリント法、キャスティング法などを用いて良い。
【0067】
次に、
図2(d)に示すように、鋳型20に接続された熱源27によって加熱処理および乾燥を行い、熱不可逆性ゲル26を作製する。加熱温度および時間は用いた成形材料23の特性に応じ適宜決定してよい。熱源27は、所望の加熱ができるものであれば、それ自身公知の何れの加熱手段であってもよい。例えば、そのような熱源としてホットプレートが用いられてもよい。
【0068】
次に、
図2(e)に示すように、基体24と突起部25からなる針状体28が成形される。次に、鋳型20を離型することにより、熱不可逆性ゲルからなる針状体28が得られる。
【0069】
以上より、本発明の針状体製造方法を実施することができる。
【0070】
本発明の針状体製造方法により、充分な機械的強度を有し、水難溶性送達物を徐放できる微細な針状体を簡便に製造することができる。
【0071】
なお、本発明の針状体製造方法は上記実施の形態に限定されず、各工程において当業者が類推することのできる他の工程、修飾および変更を含む方法も本発明の範囲に含まれる。
【0072】
また、本発明に従う方法により、従来技術での問題点、即ち、
・多糖類水溶液を型に流し込み、低温乾燥で水分を蒸発させて微細な針状体を製造する従来の方法では、時間と手間が多くかかり、生産性に乏しく、高コストになってしまうという点、
・従来の低温乾燥方法では、針状体中の水分を全て蒸発させることは難しく、残留した水分によって機械的強度が不足する点、
・従来では、水溶性多糖類を主成分とするため、吸湿し軟化してしまい、押圧したとき、皮膚に穿刺する前に針状体が曲折または破損しやすく、さらに皮膚内部に穿刺することが困難である点、
・水溶液中に送達物を溶解させて針状体を製造するため、溶解できない難溶性送達物を微細な針状体に内包することは不可能であり、水溶性送達物に限定されるという点、
・ペクチンやカラギナンなどのゲルは熱可逆性であり、加熱するとゾル化または溶解してしまうため、滅菌性に劣る(即ち、簡便な滅菌法であるオートクレーブによる121℃以上の加熱で完全に溶解し、原形をとどめ得ない)という点
をも解消することが可能である。
【実施例】
【0073】
<実施例1>
以下、本発明の針状体製造方法の実施の一例として、説明を行う。当然のことながら、本発明の針状体製造方法は下記実施例に限定されず、当業者が類推できる更なる工程を含んでもよく、一部変更しても、省略してもよい。そのような製造方法も、本発明の範囲内である。
【0074】
1.鋳型の作製
まず、精密機械加工を用いて、シリコン基板に正四角錐(高さ:150μm、底面:60μm×60μm)が、1mm間隔で、10列10行の格子状に100本配列した突起部を形成した。100本の突起部は、一辺が約9mmの正方形領域内に配置された。
【0075】
次に、前記シリコン基板で形成された針状体に、スパッタ法によりニッケル導電層を100nmの厚さに形成した。この導電層は、続いて行う電解メッキにおけるシード層となる。次に、前記シード層上に電解メッキ法によってニッケル膜を500μmの厚さに形成した。さらに、90℃に加熱した重量パーセント濃度30%の水酸化カリウム水溶液によって前記シリコン基板をウェットエッチングして完全に除去した。これにより、ニッケルから成る、突起部の凹凸反転パターンである凹部を具備する凹型の鋳型を作製した。
【0076】
2.成形材料の調整
次に、成形材料の調整を行った。
【0077】
55℃の温水に10%となるようにカードラン粉末を加え、充分に攪拌した後、室温まで冷却した。この10%カードラン水分散液に5%の塩化ナトリウムを添加し、攪拌後、真空下で脱気を行った。
【0078】
次に、上記で調整した10%カードラン水分散液を60℃、10分間加熱し、その後室温まで冷却することにより、熱可逆性ゲルを作製した。
【0079】
3.針状体の転写成形
次に、当該鋳型上にカードラン熱可逆性ゲルを供給し、スピンコート法によって、凹部にカードラン熱可逆性ゲルを充填した。これを、ホットプレートを用いて120℃、10分間加熱し、熱不可逆性ゲルを作製した。次に、鋳型上から熱不可逆性ゲルを剥離し、基板と突起部からなる針状体を得た。突起部は、一辺が約18mmの正方形の基板上に高さが約150μm、底面が60μm×60μmの正四角錐であった。
【0080】
<実施例2>
次に、実施例1で製造された針状体の耐熱性および強度を確認した。
【0081】
実施例1で製造された針状体を、加熱滅菌器を用いて121℃、20分間加熱滅菌を行った。その後、
図3に示す荷重試験機を用いて強度を確認した。即ち、試料台31の上に前記の加熱滅菌済みの針状体34を設置し、荷重試験機の圧子32により、針状体34の上から所定の荷重33を加えた。荷重33は0.05MPaを用いた。複数の針状体34についてそれぞれ荷重試験を実施した。その後、光学顕微鏡と走査電子顕微鏡によって観察し、針状体34の破損状況を調べた。
【0082】
その結果、加熱滅菌による針状体34のゾル化及び溶解は見られなかった。また、全ての荷重試験において、針状体34の突起部には全く破損が見られなかった。