(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748423
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】電子的にモニタされた空気バルブ及びピストンを有する往復ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 9/133 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
F04B9/133
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2010-150847(P2010-150847)
(22)【出願日】2010年7月1日
(65)【公開番号】特開2011-12683(P2011-12683A)
(43)【公開日】2011年1月20日
【審査請求日】2013年1月21日
(31)【優先権主張番号】12/498074
(32)【優先日】2009年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308025451
【氏名又は名称】グラコ ミネソタ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーク,マーク,エル
(72)【発明者】
【氏名】ワインバーガー,マーク,ティー
(72)【発明者】
【氏名】ベーレンス,デイヴィッド,エム
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ヴュ,ケー
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,クリストファー,エム
(72)【発明者】
【氏名】パラシェウスキ,ウェイド,ディー
【審査官】
尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−503338(JP,A)
【文献】
特開2004−225620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 9/12 〜 9/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブとバルブカバーとを備える空気モータを有する空気作動ポンプであって、
空気モータのバルブに設けられた磁石と、
バルブの速度及び位置をモニタして空気モータの速度を算出するためにバルブカバーに設けられた第1及び第2のリードセンサと、
コントローラと、
前記空気モータのピストンの位置をモニタする線形変換器とを有し、
前記コントローラは、前記ポンプへ入力される空気圧へフィードバックするために線形変換器からの情報を使用するものであり、前記ピストンの変位及び速度を制御することによって、前記ポンプの流量及び流速を制御する空気作動ポンプ。
【請求項2】
請求項1の空気作動ポンプであって、
前記線形変換器からの情報は、加圧された空気の供給を調節する空気圧調整器にフィードバックされる空気作動ポンプ。
【請求項3】
請求項1もしくは2の空気作動ポンプであって、
前記線形変換器は空気モータに設けられた磁気抵抗センサである空気作動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2005年7月28日に出願された米国出願第60/703306号及び2005年8月1日に出願された米国出願第60/704290号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
空気作動往復ピストンポンプは様々な分野のポンプにおいて周知である。一般にそのようなポンプは機械又は空気圧で稼動される空気バルブを有する事で、ピストンの両側への空気の流れを制御する。従来、そのようなポンプの制御はポンプ自体よりももたらされる流体の流れを監視及び制御する事によってなされてきた。グラコのEXTREME-MIX(商標)分配器のような従来の装置は制御のためにピストンの位置を監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,174,731号公報
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、改良された監視と往復空気モータの制御とを可能にする事で、ピストンの位置と、回転及び流れの速さと、合計回転と、暴走の制御と、空気モータ及びポンプの下部部品の故障を診断する性能とをモニタすることを可能にする。
【0005】
制御には空気モータのバル
ブ(空気バルブ)に設置された磁石と、バルブカバーに設置された二つのリードセンサを用いる事で、バルブの速度及び位置を監視する。ソレノイドはバルブカバーに取付けられており、プランジャをバル
ブへと延ばすことで、バルブの動き、結果的に(一般に流体供給器が空になることによって生じる)ポンプの暴走を阻止するよう設定される。使用者のインターフェースは、ポンプを設定及び制御するためのLCD及びボタンを有する。ディスプレイは回転率、(様々な単位の)流速、合計回転、及び診断されたエラーを表示するためにトグルで留められている。設定パラメータは流体の単位(クォーツ、リッターなど)と暴走設定ポイントとを有する。
【0006】
リード
センサ及び磁石は、いつ空気バルブがそれぞれのストロークの限界点、移行点又はその両方に存在するかを検出するために設置されている。コントローラは、空気バルブの位置を変化させる事によって稼動されるリード
センサの開閉を数える事で、モータが動く速度を算出する。そして、コントローラはその速度を事前にプログラムされた値と比較する事で、空気モータが暴走状態にあるかどうかを決定する。その状態にあるときには、コントローラは切り替えを阻止するソレノイドを稼動させ、それによってモータを停止させる。
【0007】
磁気抵抗センサ
などの線形変換器がピストンの位置を正確に監視するために空気モータの中心に配置される。このセンサからのデータは空気バルブセンサからのデータと共に正確な制御及びポンプの診断に必要な入力を提供し、測定及び複数の部品装置にそれを適合させる。
【0008】
本発明のコントローラは、空気圧(油圧式であれば流圧)へのフィードバックのために線形変換器からの情報を使用できるため、
空気モータのピストンの変位及び速度を制御することによって流量及び流速を制御することができる。フィードバックが流量、圧力及び比率を維持するために使用される場合、このフィードバックは1流体の単一計器分配システム、又は2(又はそれ以上の)成分システムにおいて使用可能である。
【0009】
これら及び他の目的と発明の利点とは添付図面と共になされる以下の説明によってより十分に明らかになるであろう。添付図面において、類似の参照番号はいくつかの図面を通して同一又は類似の部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一部としての磁石及びリード
センサを示す空気バルブの断面図
【
図2】本発明の一部としての空気バルブの断面である
図1の詳細図
【
図3】本発明の一部としてのソレノイドを示す空気バルブの(
図1と対向する)断面図
【
図6】空気バルブを検出する事によって得られる診断コード
【発明を実施するための形態】
【0011】
空気作動往復ビストンポンプ10において、コントローラ12は空気モータ18のバル
ブ(空気バルブ)16に取付けられた磁石14と、バルブカバー22に取付けられた二つのリードセンサ20とを用いて、バルブ16の速度と位置とをモニタする。ソレノイド24はバルブカバー22に取付けられており、バル
ブ16にプランジャ26を突き出す事でバルブの動き、結果的に(一般に流体供給器が空になる、又は別の供給管のホースが漏れ/破損を有する事によって起こる)ポンプ10の暴走を止めるよう設定されている。使用者のインターフェース28は、ポンプ10を設定及び制御するためのLCDディスプレイ30とボタン32とを有する。ディスプレイ30は回転率、(様々な単位の)流速、合計回転及び診断したエラーを表示するためにトグルで留められている。設定パラメータは流体の単位(クォーツ、リッターなど)及び暴走設定点を含むことができる。
【0012】
リード
センサ20及び磁石14は、いつ空気バルブ16がそれぞれのストロークの限界位置、移行位置又はその両方にあるかを検出するために配置されている。コントローラ12は、空気バルブ16の位置を変更する事によって稼動されるリード
センサ20の開閉を数える事によって、モータ18が動いている速度を算出する。そして、コントローラ12はその値を予め記録された値と比較することによって、空気モータ18が暴走状態にあるかどうかを決定する。その状態にある場合、コントローラ12は、切り替えを阻止するソレノイド24を稼動させる事で、モータ18を停止させる。これは流体の流出及び/又はポンプの損傷を阻止するために行われる。
【0013】
磁気抵抗センサ34
などの線形変換器は空気モータ18の中心に配置される事によって、ピストン36の位置を正確にモニタする。このセンサ34からのデータは空気バルブセンサ20からのデータと共にポンプ10の正確な制御及び診断に必要な入力を提供し、それを測定及び複数の部品適用に適合させる。
【0014】
図8に示される本発明のコントローラ12は、空気圧(油圧式であれば流圧)へのフィードバックのために線形変換器からの情報を使用できるため、
空気モータ18のピストン36の変位及び速度を制御することによって流量及び流速を制御することができる。それらは加圧された空気(又は油圧油)の供給42を調節する空気圧調整器40を介して行うことが可能である。フィードバックが流量、圧力及び比率を維持するために使用される場合、このフィードバックは1流体の単一計器分配システム、又は2(又はそれ以上の)成分システムにおいて使用可能である。
【0015】
様々な変更及び改良が以下の請求項によって規定される発明の精神及び範囲から逸脱することなくポンプの制御にもたらされることが想定される。