(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748443
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ゴルフクラブ用シャフト及びそれを備えたゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/10 20150101AFI20150625BHJP
【FI】
A63B53/10 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-224690(P2010-224690)
(22)【出願日】2010年10月4日
(65)【公開番号】特開2012-75732(P2012-75732A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100118407
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 尚美
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史明
【審査官】
中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−029810(JP,A)
【文献】
特開2008−148757(JP,A)
【文献】
特開2008−073067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブ用シャフトであって、
シャフトの長さが1050mm〜1170mmであり、
シャフト先端から150mm、200mm、および250mmの位置における曲げ剛性の和をA1、
シャフト先端から400mm、450mm、および500mmの位置における曲げ剛性の和をA2、
シャフト先端から650mm、700mm、および750mmの位置における曲げ剛性の和をA3、
としたときの曲げ剛性分布が、
1.70≦A3/A2≦2.00および0.60≦A1/A3≦0.70
であり、
前記シャフトの質量が45g以下であり、
台秤フレックス測定器を用いた3点支持測定法によるシャフト中央部の荷重値が4.3kg以下であり、
シャフト先端から800mmの位置における曲げ剛性EIが4.0×106〜4.5×106kgf・mm2であるゴルフクラブ用シャフト。
【請求項2】
シャフト先端から900mmの位置における曲げ剛性EIが5.3×106〜6.5×106kgf・mm2である請求項1記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項3】
シャフト先端から950mmの位置における曲げ剛性EIが6.0×106〜7.0×106kgf・mm2である請求項1または請求項2記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項4】
前記シャフトの先端から150mm〜900mmの区間における曲げ剛性EIにおいて、
曲げ剛性EIの最小値が1.5×106kgf・mm2以下であり、かつ、
曲げ剛性EIの最大値と最小値との差が3.5×106kgf・mm2以上である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用シャフトを備えたゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブ用シャフト及びそれを備えたゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールの飛距離が増大するように、ゴルフクラブ用シャフトの先端から手元までの全長にわたる曲げ剛性の分布を設計することが行われている。例えば、特許文献1には、シャフト先端から300mmの位置から、シャフト手元端から300mmの位置までのシャフトの中央部分において、曲げ剛性が高くなるような分布に設計することが記載されている。このような曲げ剛性分布にすることで、シャフトの軸線がスイングの間ほぼ直線状に保持されるため、フェース面をアドレス時の位置に正確に戻すこと容易となり、ボールの飛距離増大と方向性改善を図ることができることが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、シャフト手元端から400〜900mmの範囲内の長さ200〜500mmの領域Mにおける曲げ剛性の変化率に対して、シャフト手元端から0〜450mmの範囲内の長さ100〜450mmの領域Hにおける曲げ剛性の変化率が、1〜5倍となるように設計することが記載されている。領域Mでは、先端側から手元側に向かって曲げ剛性が緩やかに増加することで、十分な撓り感と変形したシャフトの復元力により、飛距離の増大をもたらすこと、および領域Hでは、領域Mよりも曲げ剛性の変化率を大きくして、曲げ剛性を増大して、手元のしっかり感と飛球方向の安定性をもたらすことが記載されている。
【0004】
更に、特許文献3では、シャフトの長さが1100mm以上のものにおいて、先端150mmの位置の曲げ剛性値と先端から950mmの位置の曲げ剛性値の差が5kg・m
2以上であり、先端150mmの位置の曲げ剛性値が2kg・m
2以下となるように設計することが記載されている。この設計は、ヘッドスピードの比較的遅い一般アマチュアゴルファーを対象としたものであり、ボールを上げ易くして飛距離の増大を図ることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−234256号公報
【特許文献2】特開2002−177423号公報
【特許文献3】特開2008−212340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いわゆるアベレージ層ゴルファーといわれる、ハンディキャップが20前後の、大多数で平均的とされる中級層ゴルファーにおいては、ゴルフボールの飛距離の伸び悩みやスイングが安定しないといった問題を潜在的に抱えている。こういった問題は、自分の実力やプレースタイルに適したゴルフクラブを使用していないことが原因である場合が多く、特にゴルフクラブ用シャフトの曲げ剛性等の特性が、問題の大きな要因であると考えられる。このような問題を背景として、近年、アベレージ層ゴルファーにとって好適な、ゴルフクラブ用シャフトのニーズが高まっている。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、シャフトのしなりとスイングのブレを抑制する剛性分布を有し、ヘッドスピードの向上によるゴルフボールの飛距離の上昇とスイングの安定性を兼ね備えた、アベレージ層ゴルファーを対象としたゴルフクラブ用シャフト、およびそれを備えたゴルフクラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係るゴルフクラブ用シャフトは、シャフトの長さが1050mm〜1170mmであり、シャフト先端から150mm、200mm、および250mmの位置における曲げ剛性の和をA1、シャフト先端から400mm、450mm、および500mmの位置における曲げ剛性の和をA2、シャフト先端から650mm、700mm、および750mmの位置における曲げ剛性の和をA3、としたときの曲げ剛性分布が、1.70≦A3/A2および0.60≦A1/A3であることを特徴とする。
【0009】
前記シャフトの質量が45g以下であり、かつ、フレックスが3点支持測定法による荷重値として4.3kg以下であることが好ましい。前記曲げ剛性分布が、1.70≦A3/A2≦2.00および0.60≦A1/A3≦0.70であることが好ましい。前記シャフトの先端から0mm〜900mmの区間における曲げ剛性において、曲げ剛性の最小値が1.5×10
6kgf
・mm
2以下であり、かつ、曲げ剛性の最大値と最小値との差が3.5×10
6kgf
・mm
2以上であることが好ましい。
【0010】
本発明に係るゴルフクラブは、上記ゴルフクラブ用シャフトを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
1050mm〜1170mmの長さのゴルフクラブ用シャフトについて、シャフト先端から150mm、200mm、および250mmの位置における曲げ剛性の和をA1、シャフト先端から400mm、450mm、および500mmの位置における曲げ剛性の和をA2、シャフト先端から650mm、700mm、および750mmの位置における曲げ剛性の和をA3、としたときの曲げ剛性分布を、1.70≦A3/A2および0.60≦A1/A3とした。このような所定の関係まで、シャフトの中央部を軟らかくすると共に、先端と手元を硬くすることで、アンコック時に力がかかるシャフトの手元部分が硬いことによりしっかり感があり、かつ、シャフトの先端部分が硬いことでインパクト時のブレが少なくなる。これと共に、上記の関係までシャフトの中央部を軟らかくすることで、シャフトを十分に撓らせることができる。これらの効果が結果として、アベレージ層ゴルファーにおいて、スイングが安定化すると共に、ゴルフクラブのヘッドスピードが上昇することにより、ゴルフボールの飛距離が伸びることとなった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】シャフトのEI値を測定する方法を説明するための模式図。
【
図3】台秤フレックス測定機を用いた3点支持測定法による荷重値の測定方法を示す図。
【
図4】実施例1〜4および比較例1〜3の各シャフトにおいて測定した曲げ剛性値を示すグラフ。
【
図5】実施例1〜4および比較例1〜3の各シャフトにおける曲げ剛性分布を示す散布図。
【
図6】実施例1〜4および比較例1〜3の各シャフトにおける質量と台秤フレックスを示す散布図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るゴルフクラブ用シャフト及びゴルフクラブの一実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、いわゆるドライバーと呼ばれるゴルフクラブを示すものである。このドライバーのシャフト1の先端はヘッド2に挿入され固着されており、シャフト1の基端にはグリップ3が装着されている。シャフト1の長さの下限は約1050mmが好ましく、約1100mmがより好ましい。また、シャフト10の長さの上限は約1170mmが好ましく、約1150mmがより好ましい。このようにシャフトの長さをやや長めに設定したのは、ゴルフボールの飛距離の上昇が本発明の目的の一つであることから、本発明のシャフトはウッド用、特にドライバーを想定したものであるからである。また、ドライバーについても男性用と女性用とがあり、それぞれシャフトの長さが異なるからである。
【0015】
図1において、シャフト1の先端から150mm、200mm、250mm、400mm、450mm、500mm、650mm、700mm、750mmの各位置を図面に表示する。そして、これらのシャフト1の各位置での曲げ剛性値(EI値)を測定し、シャフト先端から150mm、200mm、および250mmの位置における曲げ剛性の和をA1、シャフト先端から400mm、450mm、および500mmの位置における曲げ剛性の和をA2、シャフト先端から650mm、700mm、および750mmの位置における曲げ剛性の和をA3、とした場合、曲げ剛性分布が、1.70≦A3/A2および0.60≦A1/A3となるようにした。
かかる曲げ剛性分布は、1.70≦A3/A2≦2.00および0.60≦A1/A3≦0.70であることが好ましい。スイングがより安定化すると共に、ゴルフクラブのヘッドスピードの上昇も安定化することにより、ゴルフボールの飛距離の伸びも安定化するからである。
【0016】
ここで、EIとは、ヤング率Eと断面2次モーメントIとの積であり、上記シャフト1の先端から所定距離ある位置における曲げ剛性の指標となるものである。EI値は、3点曲げ試験を行って、以下の式により算出することができる。3点曲げ試験について、
図2を参考に説明すると、先ず、一定間隔L離れた一対の支持具20a、20bによってシャフト10を水平に支持する。そして、この一対の支持具20aと20bの間の真ん中の位置、すなわち、EIの測定点において、シャフト10に垂直に荷重Pを加える。この測定点でのシャフト10の歪み量σを測定し、EI(kgf・mm
2)の値を求める。通常、支持具20aと20bの間の距離Lは300mmとし、荷重Pは20kgとする。
【0017】
EI=(L3/48)・(P/σ)
L:一対の支持具間の距離(mm)
P:シャフトに加えた荷重(kg)
σ:荷重を加えたときのシャフトの歪み量(mm)
【0018】
前記シャフトの先端から150mm〜900mmの区間における曲げ剛性において、曲げ剛性の最小値が1.5×10
6kgf
・mm
2以下であり、かつ、曲げ剛性の最大値と最小値との差が3.5×10
6kgf
・mm
2以上であることが好ましい。シャフトを容易に撓らせることができる一方、剛性があることで手元部分の剛性を確保し、シャフトのしなりを利用したヘッドスピードの向上と、シャフト挙動の安定性を両立させることができるからである。
上記観点からすると、曲げ剛性の最小値が1.2
×106〜1.5
×106kgf
・mm
2であり、曲げ剛性の最大値と最小値との差が3.7
×106〜4.5
×106kgf
・mm
2であることが、より好ましい。
【0019】
前記シャフト1は、繊維強化樹脂製とし、繊維強化プリプレグの積層体により形成されているものが好適に用いられる。このようなシャフト1であれば、部分的に補強することが容易に行え、剛性変化を行い易くなる上に、シャフトの質量を軽量化できる。シャフト1の剛性変化を行うには、プリプレグの長さや形状、配置位置等、補強繊維の弾性率等を変化させればよい。
ここで、シャフトの質量の下限は、約35gが好ましく、約38gであることがより好ましい。シャフトが軽すぎると、シャフトの形成に使用されている一般の炭素強化繊維樹脂等では、シャフトのトルクが大きくなってしまうため、ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを外してゴルフボールを打った場合に、打感が非常に悪くなるからである。
また、シャフトの質量の上限は、約45gであることが好ましく、約44gであることがより好ましい。このようにシャフトの質量が重すぎないことで、ヘッドを重くすることができ、シャフトを長くしてもゴルフクラブを安定した軌道で触れるスイングバランスをとることができるからである。
【0020】
図3は、台秤フレックス測定機を用いた3点支持測定法による荷重値の測定方法を示す図である。まず、フレックスとは、クラブのシャフトの硬さ(軟らかさ)を表すもので、R、S、XSなどで示す。このフレックスは、硬さの基準が統一されておらず、測定方法も、片持ち式(順式や逆式)、振動数測定法、3点支持測定法等、代表的な方法だけでも何種類か存在する。本発明では、台秤フレックス測定機を用いた3点支持測定法により荷重値を測定し、この値をフレックスの目安としている。3点支持測定法は、シャフトをその両側を固定して中央部に一定の曲げ幅を持たせるように設定し、中央部には固定された秤が、シャフトが真っ直ぐになろうとする力を荷重値として測定する方法である。
図3の台秤フレックス測定機では、台秤の端部4aから25mm、445mm、955mmの位置にある3か所の支持部材5a〜5cでシャフト1を支持する。なお、各支持部材の直径は15mmであり、支持部材5aよりも5bの方が10mm高く、また、支持部材5bよりも5cの方が5mm高く設定されている。測定対象となるシャフト1は、まず、シャフト1の先端1aを台座4の端部4aに接し、シャフト1の先端側上部6aを支持部材5aで、中央下部6bを支持部材5bで支持した後、シャフト1を撓らせ、後端側上部6cを支持部材5cで支持する。シャフト1をこの状態に撓らせると、シャフト1からロードセル7に向かって荷重が生じるため、ロードセル7に備えられた荷重測定手段(図示せず)により荷重値を測定し、フレックスの目安とする。
このように測定したフレックスは、荷重値として4.3kg以下であることが好ましい。4.3kgを越えると、スイング時においてシャフトの撓りが悪くなるため、ヘッドスピードが向上せず、ゴルフボールの飛距離が伸びなくなるからである。また、荷重値が小さすぎると、シャフトが撓りすぎてゴルフボールの打撃が困難となる。ゴルフボールの打撃と飛距離とのバランスを考慮すると、フレックスは、荷重値の上限として約4.2kgが好ましく、約4.0kgであることがより好ましい。そして、下限としては約3.5kgが好ましく、約3.7kgであることがより好ましい。
【0021】
本発明に係るゴルフクラブは、上記ゴルフクラブ用シャフトを備えたことを特徴とし、ゴルフクラブの全長が約43インチ〜約48インチ(約1092.2mm〜約1219.2mmに相当する)であることが好ましい。また、ゴルフクラブの総重量は、約260g〜約300gであることが好ましい。
【実施例】
【0022】
長さ1120mmのシャフトを7種類(実施例1〜4、比較例1〜3)作製し、シャフト先端から50mm毎の位置におけるEI値について測定した。測定結果を表1および
図4に示す。なお、表1において、EI値の単位(kgf
・mm
2)は、省略している。
【0023】
【表1】
【0024】
上記EI値の測定結果を基に、シャフト先端から150mm、200mm、および250mmの位置における曲げ剛性の和をA1、シャフト先端から400mm、450mm、および500mmの位置における曲げ剛性の和をA2、シャフト先端から650mm、700mm、および750mmの位置における曲げ剛性の和をA3とし、曲げ剛性分布A3/A2およびA1/A3を算出した。また、
図3に示す台秤フレックス測定機を用いて、3点支持測定法によりシャフトの荷重値を測定し、フレックスの目安とした。
表2は、この曲げ剛性分布およびフレックスを示すと共に、EI値の測定結果から得た曲げ剛性の最小値、曲げ剛性の最大値と最小値との差(剛性差)、およびシャフトの質量を示すものである。
【0025】
【表2】
【0026】
そして、
図5は、実施例1〜4および比較例1〜3の各シャフトにおける曲げ剛性分布を示す散布図である。この図には、従来品として市販品のシャフトにおけるデータも示している。この図において、実施例1〜4の各シャフトは、A3/A2が1.70以上であり、さらにA1/A3が0.60以上である領域内に収まっている。
【0027】
また、
図6は、実施例1〜4および比較例1〜3の各シャフトにおける質量と台秤フレックスを示す散布図である。
図5と同様に、
図6には、従来品として市販品のシャフトにおけるデータも示している。
【0028】
これら実施例1〜4、および比較例1〜3の各シャフトに対し、体積460cc、質量191gおよび突込み量(シャフト先端を挿入するホゼル孔の深さ)32mmのヘッドと、長さ270mm、質量47gおよび62口径のグリップを取り付けて、長さ45.5インチ(1155.7mmに相当)、バランスD2のゴルフクラブを組み立てた。なお、組み立てたゴルフクラブにおけるシャフト長さは約1120mmであった。
【0029】
上記のように作製した各ゴルフクラブについて、アベレージ層ゴルファーに実際に試打を行ってもらった。試打評価結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
表3の結果から、実施例1〜4のシャフトを用いたゴルフクラブは、飛距離やスイングの安定性、および振りやすさのいずれの評価においても良好な結果を示し、バランスのとれたゴルフクラブであることがわかった。
より詳しくは、
図5において、A3/A2が1.70以上およびA1/A3が0.60以上の領域であれば、シャフトの中央部は比較的軟らかいために、シャフトの撓りが大きくなり、ヘッドスピードが速くなった。また、シャフトの手元は比較的硬いために、切りかえしやアンコックでしっかり感があり、スイングが安定した。更には、シャフトの先端部分の硬さが確保され、これにより、インパクト近傍でのシャフトの挙動が一定となりやすくなった。すなわち、実施例1〜4は、
図5における前記領域内に含まれるものであるため、ヘッドスピードやスイングの安定性、およびシャフトの挙動が一定となるといった、上記の性能を満足した。
一方、比較例1〜3のシャフトを用いたゴルフクラブは、飛距離やスイングの安定性、および振りやすさの評価において、いずれかの性能に劣る結果となり、バランスの悪いゴルフクラブであることがわかった(表3)。すなわち、比較例1〜3は、
図5における前記領域内に含まれるものではないことから、ヘッドスピードやシャフトの挙動等の性能について、実施例と比較して劣るものであった。
【0032】
また、
図6において、シャフトの質量が45g以下と軽く、フレックスが4.3kg以下となる領域において、ヘッドスピードが上昇する傾向がみとめられた。かかる領域に含まれる実施例2および実施例3は、シャフト質量とフレックスとの関係に優れており、シャフトの撓りやすさとシャフトの軽さに起因してヘッドスピードが向上し、最大飛距離が上昇する点において、特に優れていた。
尚、前記領域内には、実施例1にかかるシャフトは含まれておらず、シャフトがやや重いためにヘッドスピードの向上がやや劣るものではあるものの、飛距離やスイングの安定性、振りやすさといった性能のバランスが良好であり、全体的には優れたシャフトであった(表3、
図6)。
また、前記領域内には、比較例1にかかるシャフトが含まれており、シャフトが軽量でヘッドスピードに優れるものの、シャフト先端の硬さが不足しているため、スイングの安定性に劣る結果となった(表3、
図6)。
【符号の説明】
【0033】
1 シャフト
1a シャフトの先端
2 ヘッド
3 グリップ
4 台座
4a 台座の端部
5a 支持部材
5b 支持部材
5c 支持部材
6a 先端側上部
6b 中央下部
6c 後端側上部
7 ロードセル
10 シャフト
20a 支持具
20b 支持具