【実施例1】
【0017】
図1及び
図2は、本発明の軟弱地盤の覆土用ロープネットを示し、1は、例えば、200m×400mの広さの浚渫土が埋められた埋立地などの軟弱地盤、2は、上記軟弱地盤1上に敷設された、後述する複数の棒組ロープネット、3は、隣接した上記棒組ロープネット2間を互いに連結する、例えば、ポリプロピレン製のロープなどの連結具である。
【0018】
また、
図3は、隣接する棒組ロープネットに連結されていない、単体の上記棒組ロープネット2を示し、4は、軟弱地盤の覆土用の四辺形状の、例えば、幅10m、長さ10mのポリプロピレン製のシート、5は、例えば、ポリプロピレン製のロープを格子状に組んで四辺形状に形成した、例えば、幅10m、長さ10mの格子状ロープ、6は、上記四辺形状の格子状ロープ4の四辺にそれぞれ連結されると共に、上記シート4に例えば、ポリプロピレン製の連結ロープ7を介して連結される竹や合成樹脂製などの剛性のある棒状部材である。
【0019】
また、
図2に示すように、上記連結具3により、上記棒組ロープネット2に連結された棒状部材6と、これに隣接する他の棒組ロープネット2に連結された棒状部材6とが連結されている。
【0020】
なお、上記シート4は、幅10m、長さ10mではなく、例えば、幅10m、長さ50mであってもよく、この場合には、上記シート4の各シート部分上に、それぞれ幅10m、長さ10mの格子状ロープ5が並列して重ねられ、各棒状ロープネット2が形成される。
【0021】
次に、本発明の軟弱地盤上のシートの敷設方法を説明する。
【0022】
図4及び
図5に示すように、軟弱地盤1の周囲の一方の陸部8aにおいて、長さ方向において折り畳まれた、例えば、幅10m、長さ50mの四辺形状のシート4を配置し、上記シート4を長さ方向において10mだけ展開する。なお、4aは、上記シート4の折り畳まれたシート部分を示し、4bは、上記シート4の展開されたシート部分を示す。
【0023】
次に、予め、ロープ製造工場などで作成した、例えば、0.5m〜1.0mの間の一定間隔で格子状に組んだ、幅10m、長さ10mの四辺形状の格子状ロープ5の複数を、上記一方の陸部8aに搬入し、上記展開したシート4b上に第1の格子状ロープ5を広げて、重ね合わせる。
【0024】
次に、上記四辺形状の第1の格子状ロープ5の四辺にそれぞれ棒状部材6を連結すると共に、上記棒状部材6と上記シート部分4bとを連結ロープ7により連結し、上記シート部分4bと上記第1の格子状ロープ5と上記棒状部材6とよりなる第1の棒組ロープネット2を作成する。
【0025】
次に、上記第1の棒組ロープネット2の先端部の棒状部材6に牽引ロープ9を連結し、この牽引ロープ9を、上記一方の陸部8aに対向する、上記軟弱地盤1周囲の他方の陸部8bに設けたバックホウなどの重機10で引っ張り、
図6に示すように、上記第1の棒組ロープネット2を上記軟弱地盤1上に例えば、5m程度引き出す。
【0026】
なお、上記第1の棒組ロープネット2を引っ張る際、上記折り畳まれたシート部分4aを、長さ方向において更に10mだけ展開し、上記一方の陸部8a上に第2のシート部分4bを展開する。
【0027】
次に、
図7に示すように、上記新たに展開した第2のシート部分4b上に四辺形状の第2の格子状ロープ5を広げて、重ね合わせ、上記と同様に、上記第2の格子状ロープ5の四辺に第2の棒状部材6を連結すると共に、上記第2の棒状部材6と上記第2のシート部分4bとを連結ロープ7により連結し、これにより第2の棒組ロープネット2を作成する。
【0028】
次に、上記第1の棒組ロープネット2の後端部に連結された棒状部材6と、上記第2の棒組ロープネット2の先端部に連結された棒状部材6とを連結具3により連結し、上記他方の陸部8bから、上記第1の棒組ロープネット2を重機10により更に引っ張り、
図8に示すように、上記第2の棒組ロープネット2を上記軟弱地盤1上に例えば、5m程度まで引き出す。
【0029】
次に、更に展開した第3のシート部分4b上に、四辺形状の第3の格子状ロープ5を広げて、上記同様に、第3の棒組ロープネット2を作成して、上記第2の棒組ロープネット2の後端部に連結された棒状部材6と、上記第3の棒組ロープネット2の先端部に連結された棒状部材6とを連結具3により連結し、上記他方の陸部8bから、上記第1の棒組ロープネット2を重機10により更に引っ張り、上記第3の棒組ロープネット2を上記軟弱地盤1上に例えば、5m程度まで引き出す。
【0030】
これを、上記第1の棒組ロープネット2の先端部が上記他方の陸部8bにまで引き出されるまで繰り返し、上記第1の棒組ロープネット2と、最後に連結された棒組ロープネット2の各端部をそれぞれ陸部8a、8bに固定して、
図9に示すように、第1の帯状ロープネット11を作成させる。
【0031】
なお、棒組ロープネット2の端部を陸部に固定する方法は、例えば、陸部に固定した木杭に上記第1の棒組ロープネット2の先端部及び、最後に連結された棒組ロープネット2の後端部を固定するようにする。
【0032】
又は、予め、第1の棒組ロープネット2の先端部及び、最後に連結された棒組ロープネット2の後端部に、
図10に示すように、例えば、長さ5m程度の棒組ロープネットを作成しない陸部固定用のシート部分12を設けておき、その陸部固定用のシート部分12を、陸部に設けた凹部13に埋め、更に、シート部分12の端部を木杭14に固定するようにする。
【0033】
なお、上記シート4は、その全てのシート部分で棒組ロープネット2が作成された後は、新たな他のシート4を用いて棒組ロープネット2を作成し、各棒組ロープネット2を連結していく。
【0034】
次に、
図11及び
図12に示すように、上記第1の帯状ロープネット11に隣接する上記一方の陸部8a上で、上記同様に、棒組ロープネット2を軟弱地盤1上に引き出し、上記一方の陸部8aと上記他方の陸部8b間において、第2の帯状のロープネットを作成する。
【0035】
次に、上記第1の帯状ロープネット11上に人が乗り、上記第1の帯状ロープネット11と第2帯状のロープネット11の互いに隣接する部分を連結具3により連結する。
【0036】
同様にして、第3、第4・・・の帯状ロープネット11も同様に作成し、以下これを繰り返して、
図1に示すように、軟弱地盤1上にロープネットを敷設する。
【0037】
本発明の軟弱地盤の覆土用ロープネット
、ロープネット作成用の棒組ロープネットによれば、各棒組ロープネットはそれぞれ人が乗れる強度の足場を確保できるので、既に敷設された棒組ロープネットに人が乗って、隣接する棒組ロープネット間を互いに連結することができる。これにより、施工の効率化を図る事ができるという大きな利益がある。
【0038】
また、本発明の軟弱地盤の覆土用ロープネットの敷設方法によれば、例えば、200m〜300mの広い埋立地であっても、中仕切堤を作成せずに、軟弱地盤上にロープネットを敷設できるので、経済性が良いという利益がある。
【0039】
なお、
図13に示すように、一方の陸部8aの複数個所から棒組ロープネット2を上記軟弱地盤1上に敷設していくようにしてもよい。
【0040】
また、幅10m、長さ10mの格子状ロープを用いる代わりに、幅30m、長さ10mの格子状ロープを用いてもよい。なお、この格子状ロープを用いる場合には、幅30mのシート4を用いるようにする。