【実施例】
【0034】
まず、
図1において、本発明に関する運用の自動化支援環境の全体概要の機能について説明する。
【0035】
本システムは、サービス基盤として、例えばオペレーションズ・コーディネータOC(Operations Coordinator)3、アクション・ナビAN(Action
Navi)4、ツール群5を含み、これらは、以下の運用自動化支援機能を備えている。
【0036】
本環境では、運用にかかわる従来の「手順」をシナリオとアクション・シーケンスに落とし込み、予め定義したシナリオのストーリ上で各種ツールを標準的に組み合わせて、実作業の遂行を統一的に管理、展開するものである。
【0037】
これを実現するために、例えば、次の3層構造が採られる。すなわち、トップ画面である「ポータル」から下記の管理機構(構成モジュール)へ展開する。
(1)オペレーションズ・コーディネータOC:シナリオレベルの管理
(2)アクション・ナビAN:OCから展開されるアクション・シーケンスレベルの管理
(3)ツール:遠隔操作(OA)やアラートの発行等の各種収容と管理
【0038】
更に、
(4)オペレーションズ・コーディネータOCの機能拡張:複数の作業レーンの設置及び作業の展開
【0039】
ここで、オペレーションズ・コーディネータOCは、運用手順(業務フロー)を管理し、ナビゲーションする仕組みとなっている。また、後述する運用手順の進捗状況の表示や作業開始/完了期限等をOC関係者(管理者や作業者等)に通知する機能を有している。運用手順はテンプレート化された部品(オブジェクトや矢印)を組み合わせて作成される。
【0040】
オペレーションズ・コーディネータOCのオペレーションズ・コーディネーションは、運用現場における手順書とITIL(ISO/IEC20000)ベースのマネジメントプロセスとをモデル化して統合するIT運用環境である。また、作業やコマンド投入など実行手順の起動・確認・測定や制御等を自動化支援することにより、IT運用プロセスのオペレーション効率・オペレーション品質を大幅に改善させるソフトウェアプラットフォームである。
【0041】
アクション・ナビANはオペレーションズ・コーディネータOCと連携し、オペレーションズ・コーディネータOCでの詳細作業手順を管理/ナビゲーションする仕組みとなっている。そして、運用支援ツール群、共通部品群を使用し処理を実行する。処理の実行状況を記録、進捗管理にも利用される。
【0042】
ツール群はオペレーションズ・コーディネータOCと連携して利用されるオペレーションズ・アシスタントOA(Operation Assistant)とその他ツールを含んでいる。オペレーションズ・アシスタントOAは遠隔操作を支援するツールで、準備された処理を実行する。
【0043】
また、オペレーションズ・コーディネータOCは、SDC(Service Desk Controller)6や各ツール5と連携し、操作履歴情報をナリッジDB(SKMS:Service Knowledge Management System)7に蓄積するために利用される。また、コマンドラインI/Fを追加し、コマンド実行部品としても利用される。その他のツールには、メール送信ツールやアラーム通報を行う通信手段や各種のデータ分析ツール、音声読み出しツール等が含まれている。
【0044】
運用自動化支援システムには、シナリオ作成・編集機能1やサービス運用基盤ポータル2も実装されている。
【0045】
ここで、シナリオ作成・編集機能とは、運用手順(業務フロー)や詳細作業手順を、後述するオペレーションズ・コーディネータOCやアクション・ナビAN上で動作するシナリオとして作成・編集する機能である。
【0046】
サービス運用基盤ポータルは作業予定や作業状況を管理する機能を有している。また、作業予定をカレンダーイメージでポータル画面(トップ画面)に表示する機能や、作業予定の詳細情報をSDC等所謂サービスデスクツールと連携する機能を含んでいる。予定表には、例えば担当者、作業日時、シナリオ等の予定が登録される。
【0047】
SDC6、SKMS7、共通基盤8は運用自動化支援システムと連携している。SDCはオペレーションズ・コーディネータOC、各ツールのオペレーションズ・アシスタントOAと連携し、運用/操作履歴をインデント情報と紐付け、情報蓄積を図る。
【0048】
ナリッジDBを構成するSKMSは運用手順やノウハウを蓄積するものである。その運用手順やノウハウはOC関係者により共有される。
【0049】
共通基盤は,ユーザ権限により使用できる機能を制御する機能、また作業開始時間要素(時刻)等を管理し、設定時刻、各種通報機能を起動する機能を有している。これらの機能の詳細は省略する。
【0050】
しかし、後述する本発明の運用自動化支援システム/装置についての理解を補助するため、
図2〜
図4を参照して、前記各機能の構成要素について簡単に説明する。
【0051】
シナリオ作成・編集には、
図2に示す如く、シナリオ・オブジェクト群51が必要である。シナリオ・オブジェクト群は、例えば部品(開始、終了、分岐、繰り返し、コメント、承認、メール送信、ネストや,ANでの実施、参照、確認)等のシナリオ・オブジェクトから構成される。ここで、シナリオとは、フローで表現される運用作業手順であり、作業の実施や承認、分岐、繰り返しなどを矢印でつなぎ合わせたものを意味する(
図2、
図4等参照)。
【0052】
シナリオは、オペレーションズ・コーディネータOCにて前記シナリオ・オブジェクトを組み合わせて作成する。例えば
図3に示す如く、アイコン群51から必要なアイコン、つまりシナリオ・オブジェクトである部品をドラッグ&ドロップし、これらを組み合わせてシナリオ・フローを作成する。このドラッグ&ドロップはOC関係者(管理者や作業者あるいはシナリオオーサ)によりなされる。
【0053】
シナリオ・オブジェクトとは、シナリオの構成要素のことである。
図3において、このシナリオのシナリオ・オブジェクト51をクリックすると、アクション・ナビANが起動し、
図2に示すようなアクションを含むアクション・シーケンス53が画面表示される。
アクションとは、アクション・ナビANに記述されているそれぞれの行54を指し、主に詳細作業手順が記述されたものである。アクション・シーケンスとは、実施する作業手順に記述されたアクションの集合体である。
【0054】
上記実施例では、サービスシナリオは、一つの作業部署あるいは一人の作業者により実行することを前提とした説明となっているが、本発明では、複数の作業シナリオ・レーン(以下、作業レーンと称する)を設けて、当該サービスシナリオを実現する一連の作業項目あるいはタスクの繋がり(以下、サービスシナリオと称する)をそれぞれ作業レーン間の相互インタラクションにて構成する。詳細は後述する。
【0055】
また、シナリオ作成・編集の機能要件としては、例えば画面構成、GUI(Graphical User Interface)、設定項目、部品化、承認、印刷、検索等を可能とする機能要件が含まれる。前記画面構成には、例えば一連のオペレーションをシナリオとし、フローチャート風に表示する機能が含まれる。GUIには、シナリオ・オブジェクトをドラッグ&ドロップすることで簡単にシナリオを作成、変更する機能が含まれる。前記設定項目には、シナリオ・オブジェクトに作業開始予定時刻、作業完了期限を設定可能とする機能が含まれる。前記部品化には、作成済みアクション・シーケンスをシナリオ・オブジェクトとすることを可能とする機能が含まれる。これらについては本発明に直接関係しないので、これ以上の詳細説明は省略する。
I
【0056】
ポータルの機能要件としては、例えば作業状況管理、検索、緊急連絡・お知らせ、I/F等の機能要件が含まれている。前記作業状況管理には、案件とその予定(担当者、作業日時)一覧、リアルタイムで実行状況等を表示する機能要件が含まれる。トップ画面であるポータル画面では、主に作業予定の一覧表示と、各作業シナリオの呼び出し制御を行う。
【0057】
オペレーションズ・コーディネータOCの機能要件としては、画面構成、実行、フロー制御、GUI、I/F(アクション・ナビANやツール群等を呼び出す)等の機能要件が含まれている。前記実行には、前記シナリオに従った運用を支援(シナリオで設定された順序でシナリオ・オブジェクトを制御)する機能要件が含まれる。
【0058】
図4はオペレーションズ・コーディネータOCのイメージレイアウトを示す図である。同図において、シナリオ(アカウント登録)を前述したようにフローチャート風(シナリオ・フロー61)に表現し、そのシナリオ・オブジェクトの進捗状況(未実施、作業中、完了等)が分かるように表示(可視化)する。これにより、運用上の操作ミスを防止することが可能となる。表示の仕方としては、例えばシナリオ・オブジェクトの色を変えたり、運用状況を説明する文字を表記すると良い。また、3次元表記でも良い。要するに、OCクライアントの作業者が容易に気付くような表示する手段が望ましい。場合によっては、音声による報知を含めても良い。以下に説明する表示の仕方も同様である。
【0059】
ここで、シナリオ・オブジェクト(例えば、
図4のユーザID登録)をクリックすると、前述したアクション・ナビANが起動する。これにより、その進捗状況(アクション・シーケンス)の詳細を画面表示(
図2参照)する。
【0060】
アクション・ナビANの機能要件としては、画面構成、実行、フロー制御、GUI、I/F等の機能要件が含まれている。前記実行には、アクション・シーケンスに従った詳細作業手順の実行を支援する機能要件が含まれる。
【0061】
次に、
図5〜
図7を参照して、ポータル画面とシナリオ実行画面とアクション・シーケンス実行画面との関係について説明する。
【0062】
図5はOCクライアントのポータル画面の一例を示す図、
図6はシナリオ実行画面の一例を示す図、
図7はアクション・シーケンス実行画面の一例を示す図である。
【0063】
図5において、OCクライアントのポータル画面71には、作業一覧720とOC案件730等の項目が表示される。作業一覧720には、例えば作業ID711、作業内容712、作業責任者713、作業開始予定714、作業終了期限715、シナリオ717、実行画面718、ステータス719等の項目欄が表示され、これらの項目欄にそれぞれの情報が表示される。作業一覧730には、例えば作業ID731、作業内容732、作業予定割当733、作業開始予定734、作業終了期限735、作業実施担当736、作業開始実績737、作業終了実績738、予定739、実行画面718、ステータス719等の項目欄が表示され、これらの項目欄にはそれぞれの情報が表示される。
【0064】
なお、
図5では、作業一覧720と作業一覧730とを同図上で表現しているが、これは、二層構成となっており、例えば作業一覧720の「OC案件:新規登録」の作業ID711や作業内容712等を、周知方法でクリックすることにより、作業一覧730の「OC案件:新規登録」に関する詳細情報の画面が表示されるようになっている。
【0065】
ここで、ポータル画面71の実行画面718の「起動」を操作、つまりポータルの起動ボタンを操作すると、ポータル画面71の下層レイヤのシナリオ実行画面(
図6参照)が表示される。
図6に示すシナリオ実行画面50には、前述した如く、複数のシナリオ・オブジェクトと矢印との組合せからなるシナリオ・フロー52が表示される。この画面により、運用状況を確認することが可能となる。
【0066】
図6のシナリオ実行画面50において、その所望のシナリオ・オブジェクト(実施可部分)を周知方法によりダブルクリックすると、シナリオ実行画面の下層レイヤのアクション・シーケンス実行画面(
図7参照)を表示する。
【0067】
アクション・シーケンス実行画面810には、例えば、図示する如く、作業名称811、作業内容詳細812、ステータス813、備考814、担当者815、実行時刻817、資料818等の項目欄が表示される。この表示画面によりアクション・シーケンス実行状況を確認することができる。
【0068】
図7のアクション・シーケンス実行画面810において、実作業実施に従って各アクションのステータス813を選択すると、
図6のシナリオ実行画面に戻る。ここで、アクション・ナビANでのステータスを取得し、
図6のシナリオ実行画面のフロー上に進捗を色と文言で表示することにより、より確実に運用状況を確認することが可能となる。
【0069】
例えば、シナリオ・オブジェクトが完了した部分は、該シナリオ・オブジェクトのアイコンを、黒色の枠で囲むとともに該アイコンに対応する位置に「完了」と表示する。実施中部分は緑色の枠で囲み、「実施中」と表示し、実施可能部分は黄色の枠で囲み、「実施可能」と表示し、遅延部分は赤色の枠で囲み、「遅延」と表示し、分岐により処理不要部分はグレーの枠で囲み、「分岐により処理不要」と表示し、未実施部分は枠無しとし、「未実施」と表示する。これらの表示により進捗状態を確認できる。
【0070】
次に、本発明の本質的な部分となる、オペレーションズ・コーディネーション(OC)−自動化支援環境を構成するシステムの構成、動作について説明する。
【0071】
図8は本発明の一適用例を示すシステム図であって、オペレーションズ・コーディネーション(OC)−自動化支援環境を構成するシステム図である。
【0072】
同図において、10はOCを活用して運用サービスを実現する、例えば作業者、作業管理者、作業手順書作成者(シナリオオーサ)、あるいはお客様等のOC関係者である。
【0073】
20はOC―自動化支援環境を構成する運用自動化支援装置を示し、該装置は作業手順書の作業を後述するシナリオに基づいて(シナリオ/フローにしたがって)実施するものである。また、該装置はOCクライアント21とOCサーバ22とSKMS(Service Knowledge Management System)/DB(Data Base)23とこれらを結合するネットワーク24、例えばLANやWAN等から構成されている。
【0074】
図9において、OCクライアント21はOC関係者により操作される情報処理装置であり、例えばキーボードなどの入力部211、処理部212、表示部(ビューアー)部213等を備えたパーソナルコンピュータから構成されている。
【0075】
OCサーバ22は
図10、
図11に示す如く、運用準備・運用を実行するプログラムを処理する処理部220と、該処理部で作成されたシナリオ等を登録する登録部223を備えている。
【0076】
処理部220は運用手順書(サービス手順書)の運用手順を準備するための運用準備部221と、該運用準備部で準備された運用を実行する運用実行部222を含んでいる。
【0077】
運用準備部221は運用手順書の情報からシナリオを作成する機能や編集機能を有している。シナリオとは、前述したようにフローで表現される運用作業手順を意味する。運用実行部222は運用状況をOCクライアント21の表示部213に表示させる機能を有している。この表示機能は汎用技術で実現可能である。SKMS/DB23には運用手順書、例えばサービス手順情報が登録されている。
【0078】
運用自動化支援装置20はOCサーバ22、OCクライアント21、SKMS/DB23と連携して、作業を実施するための後述するシナリオ(サービスシナリオ)を作成し、該シナリオとともに作業を実施するサービス提供者/OC関係者(例えば現場作業者)のマシン(OCクライアント21)に表示/登録する機能を有している。
【0079】
また、シナリオは作業項目と該作業項目の作業実施時期(タイミング)を決める時間要素、例えば時刻との組合せ情報を含む。この時刻情報は運用準備処理において運用準備者(シナリオオーサ)により決められる。
【0080】
シナリオは、OC関係者によって前記OCクライアント21を操作することにより作成されるものであるが、このシナリオ作成に際しては、従来ある紙ベースの作業手順書、あるいは先に登録されSKMS/DB23に格納されている手順を流用して作成される。このシナリオ作成は、例えば、シナリオ作成のためのシナリオ作成/編集機能を有した後述する運用準備部にて実行される。実施例では、この運用準備部をOCサーバに設けているが、この場合には、複数のOCクライアントで共用化できる特長がある。運用準備部はOCクライアントに設けても良いが、この場合には、OCクライアント側にそれぞれ設ける必要があり、経済的に不利となる。したがって、望ましくはOCサーバ側に設けると良い。
【0081】
運用自動化支援装置20のOCサーバ22には、例えばSKMS/DB23に登録された運用手順書(サービス手順書)に基づき作成された作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)と該作業項目の作業を実施する実施時間要素(例えば時刻t1,t2,・・・tn)とを組み合わせたシナリオ(サービスシナリオ)が登録される。すなわち、SKMS/DB23に登録された運用手順書(作業手順書)に基づき作成された作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)と該作業項目の作業を実施する実施時期を示す時間要素(時刻t1、t2・・・tn)とを組み合わせたシナリオ(サービスシナリオ)がOCサーバ22の登録部223に登録される。このシナリオは複数のシナリオによりシナリオ群211(
図12〜
図14参照)となる。
【0082】
OC―自動化支援環境を構成する運用自動化支援装置20のOCサーバ22は前記シナリオに基づく作業項目の作業を実行する。これは、例えば前述したアクション・ナビANと連携して行うと良い。アクション・ナビANは各作業のステータス管理、作業終了期限をアラート通知、繰返し操作・コマンド実行等の機能を備えている。また、前述したアクション・ナビANと連携することにより、運用状況の詳細を管理、表示(
図5〜
図7参照)することも可能である。
【0083】
作業を実行すると、その運用状況(進捗状況)をサービス提供者OCのOCクライアント21に、例えば前述したツール群5のメール送信ツールや通報機能等と連携して通知する。ここで、進捗情報(未実施、作業中、完了等)はOCクライアント21の表示部213のシナリオ画面に多彩に色表現すると良い。また、これにより、手順の可視化が容易となり、一目で状況を把握することが可能である。
【0084】
また、前述した遠隔操作を支援するオペレーション・アシスタントOA(ツール)と連携し、前述した処理や実行を処理すると良い。この場合、前述したSDCやツールとの連携により、操作履歴情報等をSKMSに保存することが可能である。
【0085】
また、前述した共通基盤との連携により、使用できる機能を制御したり、作業開始時刻等を管理し、設定時刻、各種通報機能を起動させることが可能である。
【0086】
この通知を受けたサービス提供者はOC環境にあるサービス対象(IT環境/非IT環境)に対してオペレーションを実行する。その結果として、サービス提供者(サービス提供現場)からサービス対象側への適切なオペレーションが可能となる。
【0087】
次に、
図10〜
図12を参照して前述した運用自動化支援装置の動作、及び該支援装置とサービス提供者とサービス対象間のシーケンスについて説明する。
図10は運用自動化支援装置の運用準備処理フロー、
図11は運用実行処理フロー、
図12は各装置間のシーケンスを示す図である。
【0088】
運用準備部221は
図10に示す運用準備処理フローを含むプログラムを備えており、該プログラムに基づいて運用準備を実行する。なお、本実施例では、運用準備部をOCサーバ側に設け、該運用準備部で運用状況をOCクライアントの表示部に表示する機能まで実行させているが、この部分は別途運用状況表示実行部を設け、該実行部にて運用表示機能を制御するようにしても良い。
【0089】
すなわち、
図10において、OC活用者により運用準備をスタートすると(ステップS2211)、まず登録部23の運用手順書を準備する(ステップS2212)。
【0090】
次に運用手順書の作業ステップに分解する(ステップS2213)。ここで、作業ステップ(作業項目)に分解するとは、
図13、
図14に示す如く、作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)毎に分け、各作業項目を時間軸に沿って作業が順次できるようにすることを意味する。
【0091】
次いで分解した作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)毎に作業を開始する時間要素(時刻t1、t2、・・・tn)を対応付けし、作業と時間要素(時刻)の組合せからなるシナリオ(サービスシナリオ)を作成する(ステップS2214)。ここで、作業ステップへの分解やサービスシナリオの作成は、サービス手順登録データベースであるSKMS/DB32と連携し、例えば作業単位に定義したアイコンベースにて行う。
【0092】
つまり、前述したように作業単位に予め定義したアイコン(シナリオオブジェクト群)をドラッグ&ドロップすることにより、プログラミングレスで一連の作業シナリオを作成する。このとき、作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)毎に作業を開始する時間要素、例えば時刻(t1、t2、・・・tn)を対応付けする(作業と時刻とを組み合わせる)ことで適切な時刻に当該作業の実施を運用自動化支援装置20に促すことが可能となる。この時刻は絶対時刻あるいは相対時刻でも良い。前記実施例の時刻は絶対時刻であるが、該絶対時刻の代わりに前のステップ(例えば作業ステップ分解)からの経過時間等相対的な時刻、つまり相対時刻としても良い。要するに、前記時刻をトリガーに前記作業ステップの運用が実行されるように構成してあれば良い。
【0093】
本発明では、上記運用準備処理フローにおいて、
図15及び
図16に示す如く、ステップS2114の後5との間に、複数の関係部署あるいは複数の作業者で実行することを前提として、各関係部署あるいは各作業者との対応を明確化し、シナリオを作り込む(ステップS2217)。このステップはステップS2214のとき、ともに実行しても良い。詳細は後述する。
【0094】
最後に前記シナリオを登録部223に登録して運用を開始する準備に入る(ステップS2215)。
【0095】
運用実行部222は
図11に示す運用実行処理フローを含むプログラムを備えており、該プログラムに基づいて運用開始を実行する。
【0096】
すなわち、
図11において、運用がスタート(ステップS2221)し、作業の開始時刻が到来すると、例えば作業項目AAAAAの作業に対応付けされた時刻t1が到来すると、アラームを上げる(ステップS2222)。このとき、例えば、前述したルールのアラーム通報を行う通信手段によりアラームがOCクライアント側に通知され、OCクライアントの表示部の画面に表記される。このアラームに基づいて運用自動化支援装置20は現場のサービス提供者と連携して当該作業項目AAAAAの作業を実施する(ステップS2223)。ここで、各作業ステップの実行に応じて、サービス提供者OC(OCクライアント21)の表示部213のOCシナリオ画面の背景色やステータス表示を前述したように反映させる。これによって、サービス提供者(作業者)による進捗状況の把握を容易にすることが可能である。
【0097】
これによって、サービス提供者(作業者)による作業ステップの忘れや一部作業ステップのバイパス、あるいはチェック漏れ等を無くすことが可能である。
【0098】
この作業ステップが完了すると、作業完了ステップを表記する。この表記はOC関係者(OCクライアント21)に対して行い(ステップS2224)、一つの作業を終了させる(ステップS2225)。ここで、作業ステップ完了表記は色を変えるなどしてサービス提供者OCに見やすく可視化すると良い。
【0099】
次に作業項目BBBBBの作業があれば、その開始時刻t2が到来するまで待機する(ステップS2226)。以下、同様な処理ステップを繰り返す。
【0100】
図14はOC関係者であるサービス提供現場の作業者(OCクライアント)とOC−運用自動化支援装置(OCサーバ)のオペレーションコーディネータとの連携によるシナリオ例(新規アカウント登録)とシナリオパターンの一具体例を示す図である。
【0101】
同図において、プログラミングレスでシナリオを作成し、該シナリオに基づくシナリオ・フローでもってアカウント登録作業、アカウント登録作業完了報告メール送信(作業遅延のアラーム通知)、アカウント登録承認を行う。このシナリオを作成する方法として前述した作業単位に定義したアイコンベースにて行うと良い。これにより、プログラミングレスで一連の作業シナリオを作成することが可能である。
【0102】
シナリオパターン211は以下の情報を有している。すなわち、順序を示す情報211a、作業内容を示す情報211b、担当者情報211c、実施時期を示す情報211dである。担当者情報とは当該作業を実施する作業担当者を示し、実施時期情報とは
図3で示した作業項目(AAAAA,BBBBB,・・・KKKKK)に対応した時刻情報(t1、t2、・・・tn)である。作業内容は、例えば申請受付、○○より承認取得、○○部署に承認依頼、○○部署より承認受領、受付に連絡、申請書に連絡等々であって、これらに限られるものではない。
【0103】
以上述べた実施例によれば、複数案件に対応中の場合であっても、誤操作、お客様への連絡漏れ、次の作業への開始遅れ等が解消可能となる。また、当日のみの連絡先変更など、イレギュラーな運用を間違いなく実施する手順が複雑になっても対応可能である。更に詳述すれば、以下のようなことが期待できる。
【0104】
(1)誤操作・連絡漏れ・確認漏れ・誤送信・誤添付などの作業ミスの防止
(2)操作実績・成功事例等の参照・有効ツールの標準的活用による作業品質の向上
(3)グルーピングやスケジュール設定による、繰り返し作業や単純作業の負担軽減
(4)事前定義アクションの展開をベースにした、属人的対応の極力排除
(5)作業手順書のペーバーレス化・テンプレート化による作業手順の自動的カスタマイズ
(6)標準テンプレート・アイコンのドラッグ&ドロップによりシナリオ作成の容易化
(7)アクション起動アラートの自動化による、関係者間の調整、作業矛盾発生の防止
(8)オペレーション進捗の可視化による状況把握の容易化
(9)ナリッジDBと検索エンジンとの組合せSKMSによる成功事例・履歴の有効活用
(10)従来サービス基盤「IT運用監視MS/ES(Enterprise
Support):SDC等」連携による既存サービスの品質向上・作業工数削減
【0105】
次に、上記実施例に上述したシナリオ作り込み処理を追加した実施例について説明する。すなわち、本実施例は運用手順をシステム上にて支援するためのソフトウェアを備えたオペレーションズ・コーディネータOCを使用し、オペレーションプロセスの効率、品質を向上させるものであるが、更に以下の機能、つまりシナリオ作成に際して、複数の部署あるいは複数の作業者に割り振る機能を設けることにより、より効率化が図れる。
【0106】
まず、オペレーションズ・コーディネータOC利用の流れについて、繰り返し概略説明すれば、シナリオオーサは、OCクライアントにより運用手順をもとにシナリオ(業務フロー)を作成し、OCサーバに登録し、運用管理者の承認を得る。
【0107】
運用管理者は、OCクライアントによりOCサーバに登録されたシナリオの承認(使用許可)を得るとともに、作業登録(作業予定を登録)、使用するシナリオの選択及び作業担当者の割当てを行う。また、担当者への作業開始指示をする。
【0108】
OCサーバは作業担当者に対して作業予定の通知を行い、作業者はOCクライアントにより、シナリオの作業予定、つまり自分の作業予定の内容を確認し、該シナリオに沿って作業を開始、実行し、また終了時にはその旨をOCサーバに登録する。
【0109】
これにより、運用管理者は作業者の作業進捗を管理することにより、作業実行進捗を管理することができる。また一般ユーザはOCクライアントにより作業状況の確認が可能となる。
【0110】
ここで、作業担当者あるいは作業部署への作業割当てを行うに際して、複数の作業者や部署からなるチームにて提供できれば、よりよいサービス向上を図ることができる。本発明は、係る課題に鑑みなされたものである。以下、その詳細について説明する。
【0111】
まず、そのための環境設定について説明する。申請者(ユーザ)からの新規登録依頼を受付窓口(申請受付け業務担当者A)−情報技術部(ID登録サービス作業シナリオ運用担当者B)−特定の作業チーム(AD登録作業担当者C)の手順により、一つのサービスシナリオを実行する例を想定する。この場合、各担当者の上位には、運用管理者(OCクライアント)が位置する。
【0112】
運用管理者はOCクライアントにより、例えば複数の担当者A(受付窓口),担当者B(情報技術部),担当者C(作業チーム)毎にシナリオ(業務フロー)を割り当てる。
【0113】
図17は、運用体制と作業内容(環境設定)を模式的に示し、運用管理者と複数の担当者A,B,Cとの関係及び各担当者への作業の割り当て状況を示す図である。例えば、担当者AのOCクライアント1712には、申請者となるユーザのOCクライアント1711からの新規登録依頼を受け付け、担当者BのOCクライアント1712へ申請及び新規登録完了をユーザのOCクライアント1711に通知する業務(受付窓口、登録完了連絡など)の業務を割り当てる。担当者BのOCクライアント1713には、担当者AのOCクライアント1711からの申請を受け、登録先セキュリティグループ名称決定し、担当者CのOCクライアント1714へ作業実施依頼及び担当者AのOCクライアント1711に対して接続確認の業務を割り当てる。担当者CのOCクライアント1714には、担当者BのOCクライアント1713からの作業実施依頼を受けてユーザIDの新規登録、作業実施及び作業完了通知を担当者BのOCクライアント1713に通知する業務を割り当てる。これらの割当業務は、ユーザ、管理者及び利用者A,B,Cの各OCクライアント1712〜1714を介して実施される。
【0114】
次に、
図18を参照してシナリオオーサによるシナリオ作成について説明する。シナリオ作成は、基本的には、上述した方法(
図3〜
図5参照)により、OCオブジェクト・アイコンのドラッグ及びドロップでサービスシナリオを組み立てて作成されるが、本発明では複数の作業部署あるいは複数の作業者毎の作業シナリオ・レーン(作業レーン)を設け、各作業レーンに各作業項目の作業を割り当てる。それらの作業割り当てに際しては、当該サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクション(interaction)にて構成する。サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクションにて構成することは、周知技術により実現可能であるので、その詳細説明は省略する。
【0115】
また、サービスシナリオを構成する各作業項目のステップ毎に時間要素を組み込み、その進捗状態がステップ毎に判るようにするとともに、その進捗状態に応じて予め定義したパターンに従って表示・動作させる。
【0116】
進捗状態とは、例えば次に実施すべき作業であることや、現在実施中、実施完了、遅延、バイパス等の作業進捗度合いを示すものである。各ステップの進捗状態については、チーム員の気付きをより効果的に実現するため、進捗状態の表示に際しては、それぞれに赤や緑等の色を割り当てる。あるいはブリンク等にて視覚的に判りやすくする。またメールや電話、テキスト読出しなど各種音声発生装置等と連携すると良い。
【0117】
以下、その一具体例について説明する。
図17は、シナリオの複数の部署あるいは複数の担当者への割当ての一形態例を示す図である。同図において、本例では、シナリオ・オブジェクト1812のライン18122をもって3つの部署(オンサイト肥後橋14F部署、A社(情技部)、A社(運用部))に区別し、これらの部署には、目的に合わせてシナリオ・オブジェクトを割当てたものである。各部署に割当てたシナリオの繋ぎはシナリオ・オブジェクトの矢印18121をもって行う。
【0118】
図18及び
図19は、本発明におけるシナリオオーサによるシナリオ作成、複数の担当者への作業登録の例を示す図である。シナリオオーサのOCクライアントのシナリオマスタ新規作成の画面1811には、シナリオを作成するための各種のシナリオ・オブジェクト1812が用意されている。例えば、図示の如く、選択、矢印、ライン、テキスト、開始、終了、条件分岐、AN展開(実施)、繰り返し(開始)、繰り返し(終了)、平行作業(開始)、平行作業(終了)、承認、AN展開(確認)、AN展開(連絡)、AN展開(連絡)などである。矢印は、相互インタラクション構成に基づき各作業者における作業項目の繋がり及び処理手順を示している。
【0119】
そして、これらのシナリオ・オブジェクト1812は、OCクライアント21上でシナリオオーサにより選択される。この選択は、
図3〜
図5で説明したようにシナリオ・オブジェクトのアイコンを目的に合わせてドラッグ及びドロップにより実行される。これら選択されたシナリオ・オブジェクトの繋がりにより一つのシナリオが作成される。本例では、まず3つのテキストエリア(テキストエリア1、テキストエリア2、テキストエリア3)に分け、テキストエリア1は、例えば担当者A、テキストエリア2は、担当者B、テキストエリア3は、担当者Cに割り振る。シナリオオーサは、OCクライアント21上でナリオ・オブジェクト1812の中から所望のアイコンを選択し、該選択アイコンを、登録すべき各テキストエリアにドラッグ及びドロップし、一連のサービスシナリオを作成し、また各エリアのアイコンで示す作業を担当する各作業者への作業登録を行う。この作業登録は、コミュニケーションズ・コーディネータOCのOCサーバ22側に登録される。
【0120】
このとき、シナリオ・オブジェクト(シナリオデータ)担当者割当時にスケジュール登録する。例えば
図20に示す如く、開始を示すアイコン(データ)18121の中に担当者割り当て情報2011として、シナリオ・オブジェクト名開始情報の「担当者:マネージャ」20111、作業概要情報「開始予定日時、終了期限日時」20112や担当割当時コメント情報20113などを設定しておくことによりなされる。
【0121】
このスケジュール登録は、
図21に示す運用管理者のOCクライアントのディスプレイ(表示画面)により確認する。すなわち、この表示画面により、当日の作業確認が可能な作業スケジュールの確認(作業一覧)を行うことができる。
【0122】
作業スケジュールの作業一覧としては、図示の如く、例えば作業ID2111、作業名2112、作業責任者2113、作業開始予定2114、作業終了期限2115、ステータス2116などがあり、これらに関する情報を図示の如く表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、作業名(OCV1への適用)、作業責任者(マネージャ)作業開始予定(2010/10/22 13:00)、作業終了期限(2010/10/22 13:30)、ステータス(未実行)などの各内容を確認することができる。
【0123】
また、
図22に示す運用管理者及び作業担当者のOCクライアントの表示部(表示画面)で、当日の担当者の作業確認が可能な作業スケジュールの確認(作業詳細一覧)を行うことができる。
【0124】
作業スケジュールの作業詳細一覧としては、図示の如く、例えば作業ID、シナリオ・オブジェクト名2212、担当者、開始予定、終了期限、開始実績2217、開始終了2218、ステータスなどがある。これらに関する情報を図示の如く表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、シナリオ・オブジェクト名(ID登録サービス作業シナリオ−新規登録他)、担当者(マネージャ、担当者A他)、開始日時(2010/10/22 13:00他)、開始実績、終了実績、ステータス(未実行)などの各内容を確認することができる。
【0125】
図26は、作業スケジュール(作業一覧)を運用管理者のOCクライアントのディスプレイに示す表示画面の一例であり、運用管理者のOCクライアントにより作業の実行結果(作業一覧)を確認する画面である。
図27は作業スケジュール(作業詳細一覧)を運用管理者及び作業者のOCクライアントの表示部に示す表示画面の一例であり、作業の実行結果(作業詳細一覧)を確認する画面である。
【0126】
図26において、作業一覧として、作業ID、作業名、作業責任者、ユーザグループ、作業責任者未設定、作業開始予定日付、作業終了期限日付、ステータスがあり、これらに関する情報を図示の如く、表示することにより、作業ID(OCWI0000000271)、作業名(OCV1への適用例)、作業責任者(マネージャ)、作業開始予定(2010/10/22 13:00)、作業終了予定(2010/10/22 13:30)、ステータス(完了)の内容を確認することができる。
【0127】
図27において、作業詳細一覧としては、選択、作業ID、シナリオ・オブジェクト名、担当者、開始予定、終了期限、開始実績、終了実績、ステータスなどである。これらに関する情報を図示の如く、表示することにより、同様に作業ID(OCWI0000000271)、シナリオ・オブジェクト名(開始)、担当者(マネージャ)、開始予定(2010/10/22 13:00)、終了期限(2010/10/22 13:30)、開始実績、終了実績、ステータス(完了)の内容を確認することができる。本例では、シナリオ・オブジェクト名として、「開始」、「ID登録サービス作業シナリオ−新規登録依頼」、「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」、「ID登録サービス作業シナリオ−変更申請」、「ID登録サービス作業シナリオ−グループ名称決定」、「ID登録サービス作業シナリオ−作業実施依頼」とし、それらの担当者として「マネージャ」、「マネージャ」、「担当者A」、「担当者A」、「担当者B」、「担当者C」としている。
【0128】
これらの画面により、作業ID,作業名、作業責任者、作業開始予定、作業終了期限、ステータスや作業ID,シナリオ・オブジェクト名、担当者、開始予定、終了期限、開始実績、終了実績、ステータスの確認ができ、とりわけステータスにて「完了」なっていることを確認できる。
【0129】
図23は、上述した作成シナリオを運用管理者のOCクライアントにより実行する画面であり、シナリオ・オブジェクト名が「開始」、担当者が「マネージャ」、「実行可」にあり、開始予定が「2010/10/22 13:00」、終了期限が「2010/10/22 13:30」である例を示している。
【0130】
同図において、オブジェクト18121の「開始」を選択し、「反映」をクリックし、「設定」をクリックすることにより、開始する。このとき、開始を示すアイコンの枠やアイコンの色を、色分けすることにより、その状況を確認することが可能である。例えば、黒枠の場合には、完了又はスキップを示し、橙枠の場合には、実行可能を示し、赤色は遅延、緑色は実行中、青色は中止などのように視覚的に表示する。
【0131】
図24は、担当者のOCクライアントによりシナリオデータを実行する画面であり、シナリオ・オブジェクト名が「開始」、担当者が「マネージャ」のシナリオが「完了」した後の次のステップ、つまりシナリオ・オブジェクト名が「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」、担当者が「担当者A」、「未実行」、開始予定が「2010/10/22 14:00」、終了期限が「2010/10/22 14:30」に移った状態を示すアクション・シーケンスデータ実行画面例を示している。同図において、「ステータス」の「実行中」をセットし、「開始終了日時」を設定し、「設定」釦をクリックし、シナリオ・オブジェクト名を実行する。
【0132】
シナリオを完了した場合には、例えば
図25に示すアクション・シーケンスデータ実行画面において、「ステータス」を「完了」とし、「開始終了日時」をセットし、「設定」釦をクリックし、アクション・シーケンス名「ID登録サービス作業シナリオ−申請受付」のシナリオを完了とする。
作業の実行結果(作業一覧及び作業詳細一覧)は、運用管理者のOCクライアントにより、
図26及び
図27に示す画面において、ステータスの内容をもって確認することができる。のための画面である。
【0133】
以上述べたように、本発明は運用自動化支援装置20を基本とし、該装置の処理(
図15、
図16のステップS2117)にて、関係部署の対応を明確化し、シナリオを作り込んだものである。
【0134】
すなわち、本発明では、該ステップS2117において、上述したように複数の作業部署あるいは複数の作業者毎の作業シナリオ・レーン(作業レーン)を設け、各作業レーンに各作業項目の作業を割り当てる。それらの作業割り当てに際しては、上述したように当該サービスを実現する一連の作業項目(あるいはタスク)の繋がり(サービスシナリオ)を作業レーン間の相互インタラクションにて構成する。
【0135】
また、サービスシナリオを構成する各作業項目のステップ毎に時間要素を組み込み、その進捗状態がステップ毎に判るようにするとともに、その進捗状態に応じて予め定義したパターンに従って表示・動作させる。進捗状態とは、例えば次に実施すべき作業であることや、現在実施中、実施完了、遅延、バイパス等の作業進捗度合いを示すものである。
【0136】
各ステップの進捗状態については、チーム員の気付きをより効果的に実現するため、進捗状態の表示に際しては、それぞれに赤や緑等の色を割り当てる。あるいはブリンク等にて視覚的に判りやすくする。またメールや電話、テキスト読出しなど各種音声発生装置等と連携すると良い。
【0137】
以上述べた本実施例では、前記作業手順書の作業項目を含むシナリオに、作業項目の作業を実施するための時間要素を組み合わせた例を前提にしているが、実行エビデンスの登録、表示する技術については、時間要素を含まないシナリオの実行にあっても対応可能である。すなわち、一連の作業を構成する各作業項目または作業ステップと作業開始時間要素とを組み合わせ、該時間要素に従って、各作業にかかるタイミングが生じた際に、システム側から作業員に働きかける運用自動化支援システムに限るものではなく、複数の作業項目を自動的に支援するシステムであれば、その作業開始タイミングのための時間要素を含まないシステムにも適用可能である。また、OCクライアントの表示部への表示方法としては、作業者が容易に認識できる方法であれば、如何なる方法でも良く、また表示方法と併せて報知する方法を併用するにしても良い。