【実施例1】
【0024】
本発明の薬品管理システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、(a)がトレー10と中敷部材11と仕切片20,50との展開斜視図、(b)が仕切済みトレー10と収容予定の薬品類8との斜視図、(c)が薬品類8を収容した収容済みトレー10の斜視図である。
【0025】
また、
図1(e)は、使用済みトレー10とそこから取り出された薬品類8を検知する
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)との斜視図であり、
図1(f)は検知装置40のブロック図である。さらに、
図2〜
図4は、何れも、本発明の縦断面形状凵字状・縦壁部分平面形状冂字状の仕切片20を示し、(a)が平面図、(b)が斜視図、(c)が正面図、(d)が右側面図である。そのうち、
図2は、横板張出部分23も縦壁張出部分25も右へ張り出している右方向張出の仕切片20に係り、
図3は、横板張出部分23も縦壁張出部分25も左へ張り出している左方向張出の仕切片20に係り、
図4は、横板張出部分23も縦壁張出部分25も左右へ張り出している左右両方向張出の仕切片20に係る図である。
【0026】
また、
図5は、縦断面形状L字状の仕切片50を示し、(a)が平面図、(b)が斜視図、(c)が正面図、(d)が右側面図である。
また、
図6は、機械読取用識別コード27及び目視読取用薬品名28の装着状態を示す平面図であり、(a)が右方向張出の仕切片20、(b)が左方向張出の仕切片20、(c)が左右両方向張出の仕切片20、(d)が縦断面形状L字状の仕切片50である。
図7は、トレー10の内底に仕切片20,50を並べて区画分けしたところの平面図であり、
図8は、それらの区画に薬品類8を収容したところの平面図である。
【0027】
この薬品管理システムは(
図1参照)、薬品類8を区分収容して手動や自動で運搬するためのトレー10と、トレー10の内底に敷かれる平板状の中敷部材11と、縦断面形状凵字状の部分を含む仕切片20と、縦断面形状L字状の仕切片50と、トレー10を上から撮る撮像手段としての撮像装置30と、その画像から機械読取用識別コード27を読み取って薬品類8の使用を検知する検知手段としての検知装置40とを備えている。
そのうち、トレー10と中敷部材11と仕切片20,50(
図1(a)参照)は適宜に組み合わせて一体的な仕切済みトレー10(
図1(b),
図7参照)にして使用されるものであり、撮像装置30と検知装置40は作業用机の上に取り付けられて一体的に纏まった検査ユニット30+40になっている(
図1(e)参照)。
【0028】
空のトレー10は(
図1(a)参照)、浅い角皿状の箱体を図示したが、薬品類8を並べて収容し手に持って運んだり机上に置いたり収納区画に出し入れできれば他の盆状容器であっても良い。
中敷部材11は(
図1(a)参照)、トレー10の内部空間にピッタリ収まって内底に固定されるようになっている又はトレー10の内部空間に入れても遊ばないよう適宜なフック等で内底に固定されるようになっている平板であり、上面には面ファスナ12が貼り付けられている。面ファスナ12は、図示の例では中敷部材11の上面の全域に配されているが、仕切片20,50を装着されない領域については省かれていても良い。
【0029】
面ファスナ12は、後述する面ファスナ26に対応していて、面ファスナ26と対になって当接面維持部材対として機能するものであれば、市販の汎用品で足り、例えば対応する面ファスナ12,26のうち何れか一方が輪状起毛からなり他方が鈎状起毛や茸状起毛からなるものが普及していて使い易い。そして、対をなす面ファスナ12と面ファスナ26とが両者のファスナ面を向かい合わせにして当接すると、両者の起毛同士が係合して面ファスナ12と面ファスナ26との間には引き剥がしにも横ずらしにも抗する当接状態維持力が作用するようになっている。
【0030】
仕切片20と仕切片50は(
図1(a)〜(c),
図2〜
図5参照)、何れもトレー10の内底に装着されてトレー10の内部空間を仕切って複数の区画に分割する仕切部材であるが、単独でトレー10の内底の全域をカバーするほど大きなものではなく、複数・多数の仕切片20,50の分担部分を合わせることによりトレー10の内底で必要な範囲をカバーするものである(
図7参照)。個々の仕切片20,50は(
図2〜
図5参照)、下面に面ファスナ26が貼り付けられていて、トレー10の内底の中敷部材11の面ファスナ12に対して面ファスナ26を当接させることにより、中敷部材11に装着され、中敷部材11を介してトレー10の内底に固定保持され、トレー10の内底に固定されてトレー10の内部空間を仕切ることで、担当する区画の一辺以上を画するものである。
【0031】
仕切片20は(
図1〜
図4参照)、右方向張出タイプ(
図2参照)と左方向張出タイプ(
図3参照)と左右両方向張出タイプ(
図4参照)との3タイプを図示したが、何れも、仕切機能を担う仕切本来の要部である縦置き平板状の並立縦壁部分21,21と、それらの下端部を連結している横置き平板状の連結横板部分22とを具備している。並立縦壁部分21,21は、並立する二個の縦壁部分21が平行状態で(図では左右から)対向して一方向(図では前後)に延びているものであり、それらと横板部分22とが一体化して縦断面形状が凵字状の部分になっている。すなわち、仕切片20は、どのタイプも、縦断面形状が凵字状になっている部分21,21,22を具備しており(
図2〜
図4の(c)の散点部分を参照)、その縦断面形状凵字状部分21,21,22は、下部に横たわる連結横板部分22と、その両脇に直立する並立縦壁部分21,21とを具備している。
【0032】
また、どのタイプの仕切片20も(
図2〜
図4参照)、二個の並立縦壁部分21,21の一方の端部(図では後端)を連結している縦置き平板状の連結縦壁部分24を具備していて、それらを連ねた縦壁部分21,21,24に係る平面形状が冂字状になっている。すなわち、仕切片20は、どのタイプも、縦壁部分平面形状冂字状部分21,21,24を具備している(
図2〜
図4の(a)の散点部分を参照)。そして、このような仕切片20は、担当する区画の各辺のうち、対向二辺(図では前後に延びた左右の二辺)を二個の並立縦壁部分21,21が仕切り、その対向二辺の一端部を繋ぐ三番目の一辺(図では左右に延びた後方の一辺)を連結縦壁部分24が仕切るものとなっている。
【0033】
さらに、仕切片20は(
図2〜
図4参照)、二つの張出部分23,25も具備している。そのうち横板張出部分23は、横置き平板状の連結横板部分22を厚さ一定のまま面積を広げる形で拡張した横置き平板状の横板部分であり、縦壁張出部分25は、縦置き平板状の連結縦壁部分24をやはり厚さ一定のまま面積を広げる形で拡張した縦置き平板状の縦壁部分である。横板張出部分23と縦壁張出部分25の張出方向は、各タイプ内では同じであり、右方向張出タイプの仕切片20では(
図2参照)、横板張出部分23も縦壁張出部分25も右へ同じ長さだけ張り出している。
【0034】
これに対し、左方向張出タイプの仕切片20では(
図3参照)、横板張出部分23も縦壁張出部分25も左へ同じ長さだけ張り出しており、左右両方向張出タイプの仕切片20では(
図4参照)、横板張出部分23も縦壁張出部分25も左右へ同じ長さだけ張り出している。それらの張出長が連結横板部分22の幅と同じになっている仕切片20を図示したが、仕切片20がトレー10の内底に安定支持されれば、張出長は、連結横板部分22の幅より短くても長くても良い。左右両方向張出タイプの仕切片20では、左右両側の張出部分23,25の張出長が左右では異なっていても良く、その左右の張出長の合計長が連結横板部分22の幅より短くなっていても良く長くなっていても良い。
【0035】
また、仕切片50は(
図5参照)、縦断面形状L字状のものであり、上述した左方向張出タイプの仕切片20から中央の縦壁部分21を省いたものと同じになっている。すなわち、仕切片50は、仕切機能を担う仕切本来の要部である縦置き平板状の縦壁部分(先願の特許文献4では縦長部分とされた部分)と、その下端部から横方向に拡張された横置き平板状の横板部分(先願の特許文献4では横長部分とされた部分)とを具えている。縦壁部分には、並立縦壁部分21,21のうち残された端(図では左端)の縦壁部分21に相当するものと、それに直交する連結縦壁部分24及び縦壁張出部分25に相当する端(図では後端)のものとで、二個が含まれている。それらの各部は一体化していて、縦壁部分と横板部分との縦断面形状がL字状になっている。
【0036】
さらに(
図6参照)、これらの仕切片20,50では、仕切片20の連結横板部分22も、仕切片20の横板張出部分23も、仕切片50の横板部分も、上面に、それぞれが担当するトレー10の区画に収容すべき薬品類8に係る機械読取用識別コード27と目視読取用薬品名28とが直接印刷あるいは印刷シール貼付などで付されており、機械読取用識別コード27を区画の内底に保持するコード保持手段となっている。機械読取用識別コード27は、薬品類8を特定するための符号であり、通常は他の調剤機等でも用いられている共通の薬品コードが使用される。具体的な印刷表示は、1Dや1.5Dのカラービットコードで行われ、カラープリンタを用いて例えば直線状や渦巻状の表示が使用できるようになっている。目視読取用薬品名28は、薬品類8を特定するための名称であり、明朝体やゴシック体といった目視読取可能な文字で印刷表示されている。
【0037】
後者の目視読取用薬品名28は、仕切片20の連結横板部分22や横板張出部分23さらには仕切片50の横板部分の上面のうち並立縦壁部分21,21の何れか一方に近い部分に付されているのに対し、前者の機械読取用識別コード27は、横板部分22,23等の上面のうち並立縦壁部分21,21から遠い部分に付されている。特に、連結横板部分22についてはその横幅が担当区画の横幅Wに完全一致するので、機械読取用識別コード27の横位置Pが該当区画の横幅Wのほぼ半分の所にされている(
図6(a)〜(c)参照)。
【0038】
また、横板張出部分23についても、その横幅が単独で担当区画の横幅Wに完全一致または略一致する場合や(
図6(a)〜(b)参照)、その横幅が左右から合わさって担当区画の横幅Wに完全一致または略一致する場合も(
図6(c)参照)、機械読取用識別コード27の横位置Pが該当区画の横幅Wのほぼ半分の所にされている。
このような機械読取用識別コード27の横位置Pは、該当区画に薬品類8が収容されると、機械読取用識別コード27の全部または一部が薬品類8によって隠されて、該当区画から機械読取用識別コード27を機械読取できなくなる部位である。
【0039】
撮像装置30は(
図1(e),(f)参照)、例えばCCDカメラが採用され、撮像方向を下にして机上面の上方に設置されており、机上の撮影範囲にトレー10が置かれると作動してそのトレー10を上から撮るものであるが、トレー10の内底に装着された仕切片20の連結横板部分22や横板張出部分23さらには仕切片50の横板部分の上面に付された機械読取用識別コード27がカラーで印刷されているので、その画像も的確に得られるよう、カラー撮影の可能なものが採用されている。
【0040】
検知装置40は(
図1(e),(f)参照)、いわゆるノートパソコン等のプログラマブルな情報処理装置からなり、撮像装置30から画像データを入力して出力装置46に薬品類8の使用状況の集計結果等を出力するものであり、そのために、画像データ41とコードデータ42のデータ領域がメモリに割り付けられるとともに、読取プログラム43と判定プログラム44と集計プログラム45がインストールされている。
【0041】
画像データ41は、機械読取用識別コード27の付された仕切片20を内底に装着されたトレー10の薬品類セット面を撮像装置30で撮ったカラー画像であるが、この装置では特に使用済みトレー10を対象として撮った画像が使用されるようになっている。
コードデータ42は、機械読取用識別コード27を読み取るのに必要なパターン情報であり、1Dや1.5Dのカラービットコードを規定するデータが予め登録されている。
【0042】
読取プログラム43は、画像データ41が得られる度に、その画像データに対しコード切出やコード認識を試行して、その画像からコードデータ42を利用して機械読取用識別コード27を読み取るようになっている(例えば特許文献1,2参照)。
判定プログラム44は、読取プログラム43の識別コード読取結果に基づいて薬品類8の使用を検知するが、機械読取用識別コード27を読み取れたときには使用済みトレー10から該当の薬品類8が取り出されて使用されたと判定するようになっている。
【0043】
集計プログラム45は、判定プログラム44の判定結果から薬品類使用数量を剤種毎に計数するとともに、トレー単位や日時単位など適宜な基準で集計し、その計数結果や集計結果を出力装置46に出力するようになっている。
出力装置46は、薬品類の使用結果を視認可能な状態やデータ管理等の可能な状態で出力できるものであれば足り、検知装置40に付属のディスプレイでも良く、プリンタなどの印刷装置でも良く、電子データを在庫管理システムやピッキングシステム等へ送信する通信ユニットでも良い。
【0044】
この実施例1の薬品管理システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。
図1(a)〜(c)はトレー10の内部空間を仕切片20,50で仕切ってそこに薬品類8を収容し終えるまでのトレー10及び仕切片20や薬品類8の斜視図であり、
図7は仕切済みトレー10の内底の平面図、
図8は収容済みトレー10の内底の平面図である。また、
図1(d)は、収容済みトレー10や使用済みトレー10をカート9で搬送しているところの斜視図であり、
図1(e)は、使用済みトレー10から取り出された薬品類8を検査ユニット30+40で調べているところの斜視図である。
【0045】
この薬品管理システムは、基本的に院内薬局やナースセンター等の調剤場所に置かれ、トレー10に薬品類8を収容する作業や,トレー10から取り出された薬品類8を
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)で検知する処理も,調剤場所で行われるが、トレー10から薬品類8を取り出して使用するのは、通常、手術室など別の場所である。
その詳細を作業手順に従い、空のトレー10の内部空間の区画分け、仕切済みトレー10への薬品類8の収容、収容済みトレー10の搬出および使用済みトレー10の搬入、使用済み薬品類8の検知の順で、以下に述べる。
【0046】
先ず(
図1(a)参照)、空のトレー10の内部空間を区画分けするために、空のトレー10の内底に中敷部材11を敷き、それに仕切片20や仕切片50を装着する作業を適宜繰り返して仕切済みトレー10を作り上げる(
図1(b),
図7参照)。そうすると、仕切済みトレー10の内部空間は、仕切片20の並立縦壁部分21,21と連結縦壁部分24と縦壁張出部分25と仕切片50の縦壁部分とで仕切られて、多数の区画室に分割される。各区画室は、平面視の形が矩形に近く、サイズの同じものを幾つか作るのも、サイズの異なるものを作るのも、配置の決定も、配置の変更も、仕切片20,50の着脱で簡単かつ迅速に行うことができる。
【0047】
例えば(
図7参照)、横幅が並立縦壁部分21,21に挟まれた連結横板部分22で規定された細めの区画13や、左右両方向張出の仕切片20の片方の横板張出部分23で規定された最小幅の区画14、それと左両方向張出の仕切片20の横板張出部分23とを併せて規定された細めより少し広い区画15、仕切片50で規定された広めの区画16,17等を容易に作ることができるが、どのサイズの区画室についても、区画室の内底に含まれる機械読取用識別コード27と目視読取用薬品名28の組が各区画室に一組ずつになるよう、また機械読取用識別コード27がなるべく区画室の内底の中央に位置するよう、仕切片20,50の選択と向きに注意しながら、手術セット薬品といった収容予定の薬品類8に一対一で対応する区画室を作っておく。
【0048】
次に(
図1(b)参照)、薬剤師や看護士などの調剤作業者が仕切済みトレー10の各区画室に一つずつ薬品類8を収容するが、調剤作業者は区画室内の機械読取用識別コード27及び目視読取用薬品名28の何れか一方または双方と薬品類8の識別コード及び薬品名の何れか一方または双方とが一致しているのを目視等で確認しながら収納すれば良いため、収納作業も容易かつ迅速に行うことができるので、手術セット薬品などの必要な薬品類8を区分収容した収容済みトレー10が素早く完成する(
図1(c),
図8参照)。
【0049】
そして(
図1(d)参照)、完成した収容済みトレー10は一旦はカート9に積み込んでおき、次の仕切済みトレー10の作成とそれに対する薬品類8の収容とを繰り返して、次々に収容済みトレー10を完成させ、それらも次々にカート9に積み込む。それから、使用場所が同じか近い等のため纏めて一緒に搬送すると良い収容済みトレー10が総て揃うかタイムアウトしたようなときには、カート9を手術室などの使用場所へ移動させて薬品類8を使用させる。そして、収容していた多数の薬品類8のうち総てが又は一部が使用場所で取り出されて不使用の薬品類8だけが残っている使用済みトレー10は、搬出時のカート9か他のカート9に積み込んで搬送し、調剤場所に搬入する。
【0050】
それから(
図1(e)参照)、調剤場所に戻って来た使用済みトレー10は、手術等で使用された薬品類8が取り出されて無くなっているので、直ちにでも後ほどでも良いが、薬品類使用状況確認のため人手で
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)の机上の撮影範囲に置く。
すると(
図1(f)参照)、撮像装置30によって使用済みトレー10が上から撮られ、その画像データ41が検知装置40に取り込まれる。画像データ41には、仕切片20,50による区画割り状態と、各区画での薬品類収容状態とが、写っており、薬品類8の取り出された区画では機械読取用識別コード27が現われるが、薬品類8の残っている区画では機械読取用識別コード27が隠されている。
【0051】
画像データ41が入力されると、読取プログラム43によってコードデータ42に基づく機械読取用識別コード27の読取が行われ、判定プログラム44によって読取プログラム43の識別コード読取結果に基づいて薬品類8の使用が検知される。具体的には、画像データ41から識別候補領域が切り出されて、各切出領域で識別コード読取が試行され、機械読取用識別コード27が読み取れたときには、該当する薬品類8が使用されたと判定される。それから、集計プログラム45によって、判定プログラム44の判定結果に基づいて薬品類使用数量が剤種やトレー単位などで集計され、その集計結果が出力装置46から出力される。こうして、使用済みトレー10を人手で撮影範囲に置けば、後は自動で、使用済みトレー10が撮られ、そのトレー10から取り出して使用された薬品類8がトレー毎に把握されて、在庫や発注の管理にも利用される。使用状況の確認が済んだトレー10は、机上から他の保管棚などに移されて、再使用や変更に備えることとなる。
【0052】
[その他]
なお、上記実施例では、安価で手軽な当接面維持部材対の具体例として面ファスナが採用され、面ファスナ12が中敷部材11の上面に装着されていたが、面ファスナ12はトレー10の内底面に直に装着しても良く、そうすることにより中敷部材11を省くことができる。安価で手軽な当接面維持部材対の他の具体例としては永久磁石も挙げられる。トレー10の底板や中敷部材11を永久磁石にするとともに、仕切片20それぞれに永久磁石を嵌め込んだり仕切片20それぞれを永久磁石にするのも良いが、トレー10の底板側を永久磁石にすれば仕切片20は全部または下部に軟鉄を採用しても良い。仕切状態の安定化の観点からは磁気引力が強い方が望ましいのに対し、仕切り直しの容易化の観点からは磁気引力が弱い方が好ましいので、仕切り直し時には電磁石の上にトレー10を載置して一時的に磁気引力を弱めると仕切片の並べ直しが遣り易くなる。
【0053】
また、上記実施例では、使用済みトレー10を一つずつ撮影していたが、トレー10が小さくて撮像装置30の撮影範囲に複数並べて置ける場合は、複数のトレー10を纏めて一度に撮影するようにしても良い。
さらに、上記実施例では、
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)が机上に纏めて装備されていたが、
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)は、分散システムで具体化しても良く、既述したトレー内部一括撮像方式の薬品管理システム(特許文献3参照)のようにトレー搬送用カートなどに搭載しても良く、その既述システムと合体させても良い。
【0054】
また、上記実施例で、検知装置40は、画像データ41から機械読取用識別コード27を読み取れたときには直ちに該当する薬品類8の使用があったものと判定するようになっていたが、既述したトレー内部一括撮像方式の薬品管理システムの判定プログラムのように(特許文献3参照)、セットデータを参照した一致確認まで行うようにしても良い。例えば、登録モードでは判定プログラム44の結果をセットデータに登録する登録プログラムを検知装置40に追加インストールしておいて、仕切済みトレー10に薬品類8を収容する前に仕切済みトレー10を
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)で処理して機械読取用識別コード27の配置状態をセットデータに登録させることや、収容済みトレー10から薬品類8を取り出して使用する前に収容済みトレー10を
検査ユニット(撮像装置30及び検知装置40)で処理して機械読取用識別コード27の配置状態をセットデータに登録させることで、使用済みトレー10の検査結果をセットデータに照らし合わせてチェックすることができる。