【実施例1】
【0017】
本願発明の複連プラスチックアンプル切離装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、(a)が複連プラスチックアンプル切離装置20の全体外観斜視図、(b)が要部の展開斜視図である。なお、
図1(a)に示した前後左右の方向は、説明の便宜のために決めた仮のものにすぎないが、以下、その方向を参照しながら説明する。
【0018】
また、
図2は、(a),(b)が要部の平面図、(c)が要部の縦断正面図であり、そのうち(b),(c)は多数の複連プラスチックアンプル10,…,10を整列収納順次供給部30に収納した状態を示している。さらに、
図3(a)〜(d),
図4(a)〜(c),
図5(a),(b)が要部の縦断正面図であり、
図4(d),
図5(c)が要部の平面図である。なお、
図2〜
図5では、カッタ刃55との干渉を避けるためにアンプル押出側部分72や押出作用部82に切欠形成されている逃げ72a,82aに係る図示を割愛するとともに、明示したい部材には散点やハッチングを施して図示している。
【0019】
この複連プラスチックアンプル切離装置20は(
図1参照)、側板21と前板22と背板24とを底板23の三辺に立設した筐体と、それに装着された整列収納順次供給部30と傾倒制御機構40と切離部50と個別排出部60と横置載置部70と軸方向押出機構80と図示しないコントローラとを具えている。コントローラは、整列収納順次供給部30と個別排出部60と軸方向押出機構80とに組み込まれている図示しない各モータの回転動作等を制御できれば、プログラマブルな汎用マイクロプロセッサ等からなるものでも良く、カスタマイズIC等からなるものでも良く、装置に内蔵されていても外装されていても分散設置されていても良く、専用のものでも他の装置と共用されるものでも良い。
【0020】
筐体のうち側板21寄りの左側部分は、複連プラスチックアンプル10を縦置き状態で整列収納するために、上面が解放されている。そのアンプル収納空間の下部には整列収納順次供給部30と軸方向押出機構80とが設置されているが、軸方向押出機構80は整列収納順次供給部30の下方に格納されている(
図1(a),
図2(c)参照)。
軸方向押出機構80の右方には横置載置部70が配置され、横置載置部70の右方には個別排出部60が配置されている(
図1,
図2(c)参照)。また、横置載置部70の上方には、整列収納順次供給部30寄りの左方に傾倒制御機構40が配置され、個別排出部60寄りの右方には切離部50が配置されている(
図1,
図2(c)参照)。
【0021】
この複連プラスチックアンプル切離装置20は、複連プラスチックアンプル10を二列に整列させて収納するものなので(
図2(b),(c)参照)、整列収納順次供給部30の上のアンプル収納空間の中央には、左右に延びた中枠25が設けられている(
図1(a),
図2(a),(b)参照)。
この実施例では、複連プラスチックアンプル切離装置20の取り扱う複連プラスチックアンプル10が既述した5連連プラスチックアンプルであり(
図6参照)、その整列収納は上述したように二列とするが(
図2(b)参照)、他の複連プラスチックアンプルを取り扱うようにすることや、整列数を一列か三列以上にすることも、可能である。
【0022】
整列収納順次供給部30は(
図1,
図2参照)、上面を搬送路とする横置きのベルトコンベアからなる搬送部31と、その上面に突設された突上部32と、搬送部31の図示しない駆動系とからなり、突上部32を左方の側板21に寄せて初期状態になるものであり、その状態で、搬送部31の上方のアンプル収納空間に多数の複連プラスチックアンプル10を縦置き状態で整列収納することができるようになっている。整列収納に際し、複連プラスチックアンプル10が、中枠25で仕切られてその両脇の二列に分けられ、各列において表裏方向(
図6(a)参照)を左右にして密に並べられるようになっている(
図2(b),(c)参照)。
【0023】
そして、搬送部31が間欠駆動される度に(
図3(c)参照)、搬送部31の上面搬送路と突上部32とが複連プラスチックアンプル10の表裏方向の厚さ一つ分だけ左から右へ移動し、これによって複連プラスチックアンプル10の列が右方へアンプル一個分ずつ送られるが、搬送部31の搬送路は循環運動していて搬送路の端位置には変化がないので、複連プラスチックアンプル10の列の右端に位置している先頭の複連プラスチックアンプル10が、搬送部31の右端から外れて、こぼれ落ちるようにして横置載置部70のアンプル受入側部分71の上に送り込まれるようになっている。
【0024】
しかも、搬送面の移動速度すなわち複連プラスチックアンプル10の送り速度が適度に抑えられているので、先頭の複連プラスチックアンプル10が搬送部31の右端から外れる際、先頭の複連プラスチックアンプル10の底面の一部が搬送部31の上に残った状態で重心が搬送部31から外れたときから右方へ傾き始め(
図3(b)参照)、やがて先頭の複連プラスチックアンプル10が横置載置部70のアンプル受入側部分71の上に移って横倒しになる(
図3(c)参照)。このような整列収納順次供給部30は、多数の複連プラスチックアンプル10を縦置き状態で整列収納していて先頭から順に横置載置部70へ供給するとともに供給するときには傾倒させて横置き状態にするものとなっている。
【0025】
傾倒制御機構40は(
図1参照)、水平な横バー部材41と、横バー部材41の両端に一つずつ分かれて平行になっている一対の揺動アーム42,42と、揺動アーム42を揺動させる図示しない駆動系とを具備したものであり、揺動アーム42の揺動端部と横バー部材41の端部とが連結されて、横バー部材41とそれを揺動端部で支持する揺動アーム42,42とが一体化されて“冂”字状になっている。
また、揺動アーム42の揺動中心が整列収納順次供給部30から右方へ離れて横置載置部70に寄ったところ具体的にはアンプル受入側部分71の上方に位置しており(
図2(c)参照)、初期状態や定常状態では、揺動アーム42が左方へ傾いていて横バー部材41が整列収納順次供給部30の搬送部31の右端の上方に来るようになっている。
【0026】
さらに、整列収納順次供給部30から先頭の複連プラスチックアンプル10を横置載置部70へ供給するときには(
図3(a),(b)参照)、揺動アーム42が上向き揺動して横バー部材41が横置載置部70の上方で高い所へ移動するので、横バー部材41は、整列収納順次供給部30に整列収納されている多数の複連プラスチックアンプル10のうち先頭の複連プラスチックアンプル10が逐次供給時に傾倒するに際しその傾倒を下降時には阻止するが上昇時には阻止しないものとなっている。
【0027】
横置載置部70は(
図1参照)、整列収納順次供給部30から右方へ傾倒しながら送り出された複連プラスチックアンプル10を上面で受け止めて横置き状態で載置するために(
図3(b),(c)参照)、軸方向押出機構80の右方に設けられて(
図2(d)参照)、上面が整列収納順次供給部30の搬送部31の搬送路より低い所に位置している。また(
図1,
図2参照)、横置載置部70は、軸方向押出機構80寄りで上方が解放されている左側部分のアンプル受入側部分71と、切離部50のカッタ刃55の一部は逃げ72aに入り込んでいるが切離部50の大部分が上方に配置されている右側部分のアンプル押出側部分72とに大別されるが、この分け方は役割分担に基づくものであり、部材としては一体物でも一体的に配設された物でも良く、上面を水平にして固定されている。
【0028】
軸方向押出機構80は(
図1,
図2(c)参照)、平板状の押出作用部82と、押出作用部82を水平に保持していて右方へ進退させる運動変換部81と、図示しない駆動系とを具備したものであり、そのうち少なくとも運動変換部81と押出作用部82は、整列収納順次供給部30の下方に配置されている。押出作用部82の位置が横置載置部70の上面より少しだけ高くて、押出作用部82が進退時に横置載置部70の直ぐ上を横置載置部70の上面に沿って水平移動するようになっているが、初期状態や定常状態では押出作用部82が整列収納順次供給部30の下に退いている(
図2(c)参照)。
【0029】
これに対し、横置載置部70のアンプル受入側部分71に複連プラスチックアンプル10が載置されていて(
図3(c)参照)、その複連プラスチックアンプル10を、アンプル受入側部分71から切離部50の下方のアンプル押出側部分72へ移動させ(
図3(d),
図4(a)参照)、更にアンプル押出側部分72から右方の個別排出部60へ移動させるときには(
図4(b)参照)、押出作用部82が、整列収納順次供給部30の下から右方へ出てきて横置載置部70の上を覆い尽くすところまで進み、それから戻る(
図4(c)参照)。このような軸方向押出機構80は、横置載置部70に載置されている複連プラスチックアンプル10を押してアンプル軸方向へ移動させることにより、その複連プラスチックアンプル10を横置載置部70から右方へ押し出すものとなっている。
【0030】
切離部50は(
図1,
図2参照)、浮上防止ローラ51と変形防止ローラ52とカッタ54とそれらの上方を覆うカバーとからなり、大部分が横置載置部70のアンプル押出側部分72の上方に設けられているが、この切離部50ではカッタ刃55の下側部分が横置載置部70のアンプル押出側部分72の逃げ72aに収まっている。浮上防止ローラ51は単純な円筒や円柱体からなる軸物であり、変形防止ローラ52は軸部に8個の円板状の転動接触作用部53を装着したものであり、カッタ54は軸部に8個の円形カッタ刃55を装着したものであり、何れ51,52,54も、軸部を両端二ヶ所で又は中央も含めた三ヶ所で軸受にて支持されていて、位置固定状態で移動はしないが、固定位置において軸回転は自在に行えるものとなっている。
【0031】
転動接触作用部53とカッタ刃55は、それぞれ変形防止ローラ52の軸部とカッタ54の軸部に対して、円中心を垂直に貫かれた形で連結されているので、やはり位置固定状態で軸回転自在なものとなっている。切離部50には駆動系が無く、浮上防止ローラ51と横置載置部70との間隙が複連プラスチックアンプル10の表裏方向の厚みに対応しているので、浮上防止ローラ51は、横置載置部70に載置されている複連プラスチックアンプル10が軸方向押出機構80によってアンプル軸方向へ押されてアンプル受入側部分71の上からアンプル押出側部分72の上へ更には個別排出部60へと押し出されているときに、その複連プラスチックアンプル10の各アンプル11の外周面に対して転動接触することにより、複連プラスチックアンプル10の円滑な移動を妨げることなく、各アンプル11の浮き上がりを防止するようなものとなっている。
【0032】
また、変形防止ローラ52における転動接触作用部53も、カッタ54におけるカッタ刃55も、複連プラスチックアンプル10のアンプル11,11間の薄肉連結部12に対応したピッチで列設されていて、転動接触作用部53とカッタ刃55とが、一対一で、少しだけ左右にずれた上下の位置から対向しあっている。そのような変形防止ローラ52の各転動接触作用部53と横置載置部70との間隙が複連プラスチックアンプル10の表裏方向の厚みの半分強に設定されているので、浮上防止ローラ51は、横置載置部70の上でアンプル軸方向へ押し出されている複連プラスチックアンプル10のアンプル11,11間の薄肉連結部12に対して上から転動接触作用部53を転動接触させることにより各薄肉連結部12の浮き上がりや横ずれ等の変動を防止するものとなっている。
【0033】
さらに、カッタ54の各カッタ刃55の頂部位置が横置載置部70よりも複連プラスチックアンプル10の表裏方向の厚みの半分強ほど高く設定されているので、カッタ54は、横置載置部70の上でアンプル軸方向へ押し出されている複連プラスチックアンプル10のアンプル11,11間の薄肉連結部12に対してカッタ刃55を下から切り込ませることにより各薄肉連結部12を同時に切断するものとなっている。なお、転動接触作用部53やカッタ刃55と軸部との連結は、周方向回転可能であっても良いが、剛性を高める観点からは固定的な方が好ましく、そのようにしても必要な軸回転自在性は確保される。
このような切離部50は、横置載置部70に載置された複連プラスチックアンプル10を個々のアンプル11,…,11に切り分けるものとなっている。
【0034】
個別排出部60は(
図1,
図2参照)、例えばベルトコンベアからなり装置内で最も右側に位置している搬送部61と、搬送部61の搬送路の終端に設けられた出口シューター62とを具備したものであり、複連プラスチックアンプル10が切離部50で切断されて個々に分離された10個のアンプル11,…,11が、軸方向押出機構80の押出作用部82によって横置載置部70から押し出されて搬送部61の上に移って来ると(
図4(c)参照)、搬送部61が、間欠的に又は連続的に駆動されて、その上に並んでいるアンプル11,…,11を後方から前方へ順送りすることにより、アンプル11を一つずつ出口シューター62から外部へ送り出すようになっている(
図4(d),
図5(c)参照)。
【0035】
この実施例1の複連プラスチックアンプル切離装置20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。
図1(a)と
図2(a)は、空の複連プラスチックアンプル切離装置20を示しており、
図1(a)が装置全体の外観斜視図、
図2(a)が要部の平面図である。また、
図2(b)〜
図5(c)は、複連プラスチックアンプル10を収納した状態を示しており、
図2(b)が要部の平面図、
図2(c)が要部の縦断正面図、
図3(a)〜(d),
図4(a)〜(c)が要部の縦断正面図、
図4(d)が要部の平面図、
図5(a),(b)が要部の縦断正面図、
図5(c)が要部の平面図である。
【0036】
空の複連プラスチックアンプル切離装置20を初期化すると、搬送部31が搬送路を逆送させて突上部32が左方の側板21に寄せられ、揺動アーム42が左方へ揺動して横バー部材41が搬送部31の右端の上方へ下降するので(
図1(a),
図2(a)参照)、人手で、搬送部31の上のアンプル収納空間に多数の複連プラスチックアンプル10を収納するが(
図2(b),(c)参照)、その際、何れの複連プラスチックアンプル10も縦置き状態で表裏方向を左右に向けて密に並べ、中枠25の両側に一列ずつ計二列の並びを搬送部31の上に作り上げると、最後尾の複連プラスチックアンプル10の左方には突上部32が位置し、先頭の複連プラスチックアンプル10の右方には横バー部材41が位置するので、それらに挟まれて複連プラスチックアンプル10の並びが安定維持される。
【0037】
人手による複連プラスチックアンプル10の整列収納が済んだら、後は複連プラスチックアンプル切離装置20に電源投入やスイッチ操作などで自動動作を開始させるが、そうすると、複連プラスチックアンプル切離装置20では、コントローラの制御下で複連プラスチックアンプル10の供給および切り分けと、個々のアンプル11の逐次排出とが行われる。その際、先頭の複連プラスチックアンプル10の供給はアンプル受入側部分71の上が空いていれば行われ、複連プラスチックアンプル10の切り分けは搬送部61の上が空いていれば行われ、アンプル11の逐次排出は、動作モードにも依るが、連続して次々に行われたり、外部から信号や操作でトリガーされる度に間欠的に行われたりする。
【0038】
詳述すると、先ず横バー部材41が上昇し(
図3(a)参照)、これによって複連プラスチックアンプル10の右方進行を妨げるものが無くなったところで、搬送部31が作動してその上面の搬送路と共に突上部32が右方へ移動し始めるので、搬送部31の上に整列収納されている多数の複連プラスチックアンプル10,…,10が一斉に右方へ進行する(
図3(b)参照)。そして、先頭の複連プラスチックアンプル10は、その重心が搬送部31の終端から外れると、右方へ傾動し(
図3(b)参照)、それから横置載置部70のアンプル受入側部分71の上に倒れて横置き状態になる(
図3(c)参照)。
【0039】
また、先頭の複連プラスチックアンプル10が傾倒している間に、横バー部材41が下降して搬送部31の終端部の上方に戻るとともに、搬送部31と突上部32が複連プラスチックアンプル10の表裏方向の厚み一つ分だけ移動したところで停止するので、後続の複連プラスチックアンプル10,…,10は右方へ順送りされた整列収納状態で搬送部31の上にとどまる(
図3(c)参照)。さらに、複連プラスチックアンプル10がアンプル受入側部分71に載置されると、軸方向押出機構80の運動変換部81が作動して押出作用部82が右方へ進出する(
図3(d)参照)。
【0040】
すると、アンプル受入側部分71の上の複連プラスチックアンプル10は、押出作用部82によってアンプル軸方向へ押されて、アンプル押出側部分72の上へ移動し、アンプル押出側部分72の上面と浮上防止ローラ51の周面の最下部とに挟まれて全体的な上下変動が抑制されるとともに、薄肉連結部12が転動接触作用部53の最下部に押さえられてその部分の変動も抑制され、それによって安定した姿勢を維持しながら、さらに押されて搬送部61の上に差し掛かる頃には(
図4(a)参照)、薄肉連結部12がそれぞれ対応するカッタ刃55によって切り込まれる。
【0041】
そして、複連プラスチックアンプル10の全体を個別排出部60の搬送部61の上に押し出すと(
図4(b)参照)、押出作用部82が整列収納順次供給部30の下に退く(
図4(c)参照)。こうして、先頭だった複連プラスチックアンプル10は、アンプル軸方向に移動しながら切離部50を通過して個別排出部60に移るが、軸方向押出機構80に押されて切離部50を通過する際に、各薄肉連結部12が各カッタ刃55によって同時に切断されるので、搬送部61の上では、もはや複連プラスチックアンプル10でなく、10個のアンプル11に分かれて、即ち個々のプラスチックアンプルになって、アンプル連なり方向だった前後方向へ一列に並ぶ(
図4(d)参照)。
【0042】
複連プラスチックアンプル10を押し出した押出作用部82が退いて横置載置部70が空になると、そこへ新たな先頭の複連プラスチックアンプル10を送り込むために、再び横バー部材41が上昇し(
図5(a)参照)、次いで搬送部31と突上部32が作動して、搬送部31の上に整列収納されている複連プラスチックアンプル10,…,10が右方へ順送りされ、先頭の複連プラスチックアンプル10が傾倒して搬送部31の上で横置き状態になるとともに、横バー部材41が下降して戻る(
図5(b)参照)。
また、それと並行して、搬送部61の上のアンプル11,…,11が順に出口シューター62から外部へ送り出される(
図5(c)参照)。
そして、個別排出部60が空になると、軸方向押出機構80による横置載置部70上の複連プラスチックアンプル10のアンプル軸方向への押し出し等が再び行われる。
【0043】
こうして、整列収納順次供給部30に整列収納された多数の複連プラスチックアンプル10が、列の先頭になった二個ずつ、横置載置部70に傾倒しながら移り、それからアンプル軸方向に押し出され、その際に切離部50で各薄肉連結部12を同時に切断されて個々のアンプル11,…,11に分かれるとともに、個別排出部60に移ってからはアンプル11単位でアンプル連なり方向へ逐次排出されるが、切離部50では、浮上防止ローラ51だけでなく変形防止ローラ52によっても複連プラスチックアンプル10の位置変動や変形が規制されるうえ、回転自在な丸刃からなるカッタ刃55が受動的な軸回転によってアンプル軸方向の力を受け流すので、複連プラスチックアンプル10の切断動作が安定し、個々のアンプル11,…,11が綺麗に切り離される。
【0044】
また、整列収納順次供給部30と軸方向押出機構80とが上下に配置されるとともに、傾倒制御機構40及び切離部50と横置載置部70とがやはり上下に配置されて、機構部がコンパクトに纏まっている。
さらに、傾倒制御機構40の主要部を横バー部材41と揺動アーム42とで構成したことにより、横バー部材41を下降させると、横置載置部70のアンプル受入側部分71の上方が解放されるようになっているため、仮に複連プラスチックアンプル10が切離部50に詰まってしまうといった異常事態を想定した場合すら、複連プラスチックアンプル10を手で摘んで引き抜くことができる。
【0045】
[その他]
上記実施例では、傾倒制御機構40として“冂”字状のものを示したが、これは一例であり、横バー部材と揺動アームとを具備していて、横置載置部70上の複連プラスチックアンプル10の摘出を妨げないものであれば、傾倒制御機構40の形状は他のものでも良い。横置載置部70上で前後に並ぶ複連プラスチックアンプル10の個数にも依るが、例えば、“T”字状や、“Γ”字状、“Π”字状、“巾”字状、櫛状であっても良い。
また、切離部50と横置載置部70とをユニット化することにより、纏めて交換することが可能となるので、アンプル連結ピッチの異なる各種の複連プラスチックアンプル10に適合させるのが容易になる。アンプル長の異なる各種の複連プラスチックアンプル10に対しても傾倒制御機構40等の交換にて比較的容易に適合させることができる。