特許第5748681号(P5748681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748681
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】透明液状洗浄料
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20150625BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 3/18 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20150625BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20150625BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20150625BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/34 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20150625BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   C11D17/08
   C11D3/26
   C11D3/18
   A61K8/39
   A61K8/36
   A61K8/44
   A61K8/37
   A61Q5/02
   A61Q19/10
   A61K8/34
   C11D3/20
   C11D1/90
   C11D1/74
   C11D1/68
   C11D1/04
   C11D1/12
   C11D1/34
   C11D1/29
   C11D1/88
【請求項の数】4
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-18139(P2012-18139)
(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-155332(P2013-155332A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】圓藤 勝義
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−137904(JP,A)
【文献】 特開2004−091522(JP,A)
【文献】 特表2004−503570(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0090422(US,A1)
【文献】 特開2005−220112(JP,A)
【文献】 特開2006−028096(JP,A)
【文献】 特開平01−151510(JP,A)
【文献】 特開平07−061912(JP,A)
【文献】 米国特許第05180584(US,A)
【文献】 特開2006−052319(JP,A)
【文献】 特開2013−155161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/08
A61K 8/34
A61K 8/36
A61K 8/37
A61K 8/39
A61K 8/44
A61Q 5/02
A61Q 19/10
C11D 1/04
C11D 1/12
C11D 1/29
C11D 1/34
C11D 1/68
C11D 1/74
C11D 1/88
C11D 1/90
C11D 3/18
C11D 3/20
C11D 3/26
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種と、25℃で液状である油性成分と、ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種と、グリシンベタインとを含有し、
前記25℃で液状である油性成分の含有量が5〜40質量%である、透明液状洗浄料。
【請求項2】
前記ノニオン界面活性剤が、アルキルグリセリルエーテル、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の透明液状洗浄料。
【請求項3】
前記アニオン界面活性剤が、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩の群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記両性界面活性剤が、アミノ酸型両性界面活性剤およびベタイン型両性界面活性剤の内の少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の透明液状洗浄料。
【請求項4】
前記アニオン界面活性剤が、脂肪酸石けんおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル型アニオン界面活性剤の内の少なくとも1種であり、
前記両性界面活性剤が、ベタイン型両性界面活性剤である、請求項1〜の何れか1項に記載の透明液状洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明かつ液状である透明液状洗浄料に関する。更に詳しくは、皮膚または毛髪の洗浄に好適に用いられる透明液状洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄料は、洗浄メカニズムの違いから、界面活性剤型洗浄料と溶剤型洗浄料との2つに大きく分類される。
【0003】
界面活性剤型洗浄料とは、界面活性剤の乳化、分散、可溶化作用を利用することにより洗浄効果が得られる洗浄料である。界面活性剤型洗浄料の例としては、石けんやシャンプーが挙げられる。石けんやシャンプーには、洗浄成分としてアニオン界面活性剤や両性界面活性剤が配合されている。また、石けんやシャンプーには、増泡剤、コンディショニング成分及び保湿成分などの添加剤を配合可能であることが知られている。増泡剤として、ノニオン界面活性剤である脂肪酸モノエタノールアミドなどが用いられている。コンディショニング成分として、カチオン界面活性剤やカチオン性高分子などが用いられている。保湿成分としてグリシンベタインなどが用いられている。
【0004】
近年、起泡効果の増強やしっとり感の付与を目的として、石けんやシャンプーに高級アルコールやペースト状油剤などの油性成分を配合する方法が提案されている(特許文献1〜3)。しかしながら、皮脂や油汚れにより石けんやシャンプーの洗浄力が低下するのと同様に、油性成分を石けんやシャンプーに配合すると洗浄力が低下する。また、油性成分は消泡成分であるので、油性成分を石けんやシャンプーに配合すると起泡力が低下する。加えて、石けんやシャンプーに油性成分を配合する場合、油性成分の配合量が製剤の可溶化量の範囲内であれば問題はないが、可溶化量を超えると製剤が乳化する。この結果、透明性の喪失および安定性の悪化という課題が生じる。特に、乳化物が液状である場合、その性状から安定性を確保することは困難である。以上のことから、液状である界面活性剤型洗浄料への油性成分の配合は、少量にとどまっている。
【0005】
また、洗浄力の向上に関しては、界面活性剤の配合量を増やすことによって容易に達成できる。しかしながら、界面活性剤を多く配合した場合、増粘やゲル化が生じ、使用感が低下することが知られている。このことから、単なる界面活性剤の増量ではなく、種々の方法により、使用感の低下を抑制しながら洗浄力を向上する試みがなされている。例えば、シリコーン界面活性剤を配合する方法(特許文献4)、コハク酸ジエステルなどの水溶性油分を配合する方法(特許文献5)、界面活性剤の配合により生じる界面活性剤相を利用する方法(特許文献6)が提案されている。これらの方法では、優れた使用感をある程度維持可能である。しかしながら、これらの方法を採用した場合には、例えば、マスカラやヘアワックスに代表される、落ちにくい油汚れに対する洗浄性は十分ではない。従って、上記方法を採用した場合には、皮膚洗浄料によりマスカラなどを十分に洗い流すことは困難であり、毛髪洗浄料によりヘアワックスなどを十分に洗い流すことは困難である。
【0006】
一方、溶剤型洗浄料とは、溶剤として油性成分を主成分として含み、配合された油性成分に油汚れなどを溶解して基剤から脱離することにより洗浄効果が得られる洗浄料である。溶剤型洗浄料の例としては、皮膚用の洗浄料であるクレンジング剤が挙げられる。クレンジング剤としては、オイル一相(極少量の水を可溶化させる場合もある)である透明液状のクレンジングオイルや、W/OまたはO/Wの乳化型であるクレンジングクリーム(ミルク)や、ノニオン界面活性剤、ポリオール、水および多量の油分を含む特殊な透明一相状態の構造体(相)を基剤とするクレンジングゲル(ジェル)及びクレンジングリキッドが存在する。これら溶剤型洗浄料は、油性成分を多量に含むため、前述したマスカラやヘアワックスに代表される、落ちにくい油汚れに対して高い洗浄性を示す。
【0007】
これら4種のクレンジング剤では、洗浄機構(相状態)の違いから、発揮される効果が大きく異なる。具体的には、乳化型であるクレンジングクリームでは、洗い流し性に優れる反面、洗浄力が最も低い。オイル一相であるクレンジングオイルでは、洗浄力に最も優れる反面、洗い流し性に優れない。クレンジングゲルおよびクレンジングリキッドは、特殊な構造体を基剤としているため、乳化型であるクレンジングクリームよりも高い洗浄力を有する。さらに、クレンジングゲルおよびクレンジングリキッドでは、洗い流す場面において、複数工程の洗顔が不要であることなどから、クレンジングオイルよりもはるかに優れた使用感や機能性が得られる。また、液状であるクレンジングリキッドは、構造体が異なる固形状のクレンジングゲルよりも、延展性やメイクなじみなどの使用感に優れた性質を示す。しかしながら、使用感に最も優れているクレンジングリキッドにおいても、製剤特有の粘性があり、更に優れた洗浄力があるものの、使用感は満足のいくものではない。
【0008】
また、クレンジングリキッドは特殊な構造体を基剤としているため、構成成分の種類および配合量によって安定性、機能性、使用感が制限及び決定される。例えば、特殊な構造体が崩れると、透明性の低下および安定性の悪化が生じて二相分離が起こる。このため、機能性および使用感の向上を目的として、任意成分の配合、構成および配合量の変更を行うことは困難である。また、液状であるクレンジングリキッドは、固形状であるクレンジングゲルと比較して、構造体形成による安定性の影響をより受け易く、機能性および使用感を調整することは困難である。例えば、安定性や洗浄力を向上させるために界面活性剤の増量を行うと、製剤が増粘して使用感が低下する。使用感を向上させたり、製剤の粘性を低くしたりするために、水の増量を行うと安定性が失われる。また、油性成分以外の成分で洗浄特性を付与するために、アニオン界面活性剤や両性界面活性剤を用いると、透明性の喪失、安定性の悪化、製剤の増粘による使用感の低下が生じる。
【0009】
以上のことから、洗浄料において、石けんやシャンプーなどの界面活性剤型洗浄料は使用感に優れているものの、マスカラやヘアワックスに代表される落ち難い油汚れに対する洗浄性は十分に満足のいくものではない。また、溶剤型洗浄料は、マスカラやヘアワックスに代表される落ち難い油汚れに対して優れた洗浄性を示すものの、溶剤型洗浄料の中では使用感に比較的優れているクレンジングリキッドであっても、使用感は十分に満足のいくものではない。加えて、クレンジングリキッドにおいて、機能性および使用感の向上を目的として、任意成分の配合、構成および配合量の変更を行うことも困難である。具体的には、油性成分以外の成分で洗浄特性を付与するために、クレンジングリキッドにアニオン界面活性剤や両性界面活性剤を配合すると、透明性の喪失、安定性の悪化、増粘による使用感の低下が生じやすい。このため、クレンジングリキッドに各種の機能を付与することが困難である。また、油性成分が多量に配合されているため、クレンジングリキッドに起泡性を付与することも困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−017342号公報
【特許文献2】特開平06−287595号公報
【特許文献3】特開2006−335673号公報
【特許文献4】特開平05−179293号公報
【特許文献5】特開2001−226234号公報
【特許文献6】特開2002−020791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性を良好にし、かつ落ちにくい油汚れに対する洗浄性を高めることができる透明液状洗浄料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の広い局面によれば、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種と、25℃で液状である油性成分と、ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種と、ベタイン化合物とを含有し、上記25℃で液状である油性成分の含有量が5〜40質量%である、透明液状洗浄料が提供される。
【0013】
本発明に係る透明液状洗浄料のある特定の局面では、上記ノニオン界面活性剤が、アルキルグリセリルエーテル、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる少なくとも1種である。
【0014】
本発明に係る透明液状洗浄料の他の特定の局面では、上記ベタイン化合物がグリシンベタインである。
【0015】
本発明に係る透明液状洗浄料のさらに他の特定の局面では、上記アニオン界面活性剤が、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩の群から選ばれる少なくとも1種であり、上記両性界面活性剤が、アミノ酸型両性界面活性剤およびベタイン型両性界面活性剤の内の少なくとも1種である。
【0016】
本発明に係る透明液状洗浄料の別の特定の局面では、上記アニオン界面活性剤が、脂肪酸石けんおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル型アニオン界面活性剤の内の少なくとも1種であり、上記両性界面活性剤が、ベタイン型両性界面活性剤である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の透明液状洗浄料は、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種と、25℃で液状である油性成分と、ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種と、ベタイン化合物とを含有し、更に上記25℃で液状である油性成分の含有量が5〜40質量%であるので、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性を良好にし、かつ落ちにくい油汚れに対する洗浄性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の透明液状洗浄料は、透明かつ液状である。本発明の透明液状洗浄料は、(A)ノニオン界面活性剤と、(B)アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種と、(C)25℃で液状である油性成分と、(D)ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種と、(E)ベタイン化合物とを含有する。本発明の透明液状洗浄料では、上記25℃で液状である油性成分の含有量は、5〜40質量%である。本発明では、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性を良好にし、かつ落ちにくい油汚れに対する洗浄性を高めることができる。上記製剤の悪化としては、具体的には、製剤の延展性の悪化、製剤と皮膚や毛髪とのなじみの悪化、製剤と汚れとのなじみの悪化などが挙げられる。
【0019】
以下、本発明の透明液状洗浄料に含まれている各成分の詳細を説明する。
【0020】
((A)ノニオン界面活性剤)
上記ノニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン界面活性剤、アミノ酸系ノニオン界面活性剤などが挙げられる。上記ノニオン界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】
上記アルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、モノセチルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノイソステアリルジグリセリルエーテル、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテルなどが挙げられる。
【0022】
上記アルキルグリセリルエーテルとして、市販品を用いてもよい。上記アルキルグリセリルエーテルの市販品としては、例えば、モノセチルグリセリルエーテル:NIKKOL キミルアルコール 100(商品名、日光ケミカルズ社製)、モノオレイルグリセリルエーテル:NIKKOL セラキルアルコール(商品名、日光ケミカルズ社製)、モノイソステアリルグリセリルエーテル:ペネトール GE−IS(商品名、花王社製)、モノラウリルテトラグリセリルエーテル:PGLAL ML04(商品名、ダイセル化学工業社製)、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:Sensiva SC 50(商品名、Schulke&Mayr社製)などが挙げられる。
【0023】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテルなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0024】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル:EMALEX 510(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル:EMALEX 1810(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル:EMALEX OD−10(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル:EMALX 2410(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル:EMALEX DAPE−0205(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0025】
上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油としては、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0026】
上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油として、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:EMALEX HC−60(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0027】
上記グリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(12)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール(8)などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、エチレングリコールの付加モル数を表す。
【0028】
上記グリコール脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。上記グリコール脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、ステアリン酸グリコール:EMALEX EGS−A(商品名、日本エマルジョン社製)、モノイソステアリン酸プロピレングリコール:プリソリン 2034(商品名、クローダ社製)、ジイソステアリン酸プロピレングリコール:EMALX PG−di−lS(商品名、日本エマルジョン社製)、モノラウリン酸ポリエチレングリコール:EMALX PEL−12(商品名、日本エマルジョン社製)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール:EMALX PEIS−12EX(商品名、日本エマルジョン社製)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール:EMALEX 600 di−lSEX(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0029】
上記グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリルなどが挙げられる。
【0030】
上記グリセリン脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。上記グリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸グリセリル:EMALEX GWIS−100EX(商品名、日本エマルジョン社製)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:EMALEX KTG(商品名、日本エマルジョン社製)、モノラウリン酸デカグリセリル:サンソフトQ−12Y、サンソフトA−12E、サンソフトQ−12S(何れも商品名、太陽化学社製)、モノイソステアリン酸ジグリセリル:NIKKOL DGMIS(商品名、日光ケミカル社製)、ジイソステアリン酸デカグリセリル:(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0031】
上記ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとしては、例えば、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(8)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン(8)(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0032】
上記ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:EMALEX GWIS−120(商品名、日本エマルジョン社製)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:EMALEX GWIS−320(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル:Mファインオイル COG−7M(商品名、ミヨシ油脂社製)、ポリオキシエチレン(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:Mファインオイル MCG−8M(商品名、ミヨシ油脂社製)などが挙げられる。
【0033】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノイソステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0034】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。上記ソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸ソルビタン:EMALEX SPIS−100(商品名、日本エマルジョン社製)、セスキイソステアリン酸ソルビタン:EMALEX SPIS−150(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0035】
上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30)ソルビット、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0036】
上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン:EMALEX ET−8020(商品名、日本エマルジョン社製)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン:EMALEX ET−8040(商品名、日本エマルジョン社製)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット:NIKKOL GO−430NV(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン:EMLAX ET−2020(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0037】
上記脂肪酸アミドとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0038】
上記脂肪酸アミドとして、市販品を用いてもよい。上記脂肪酸アミドの市販品としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:アミゾール CDE(商品名、川研ファインケミカル社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド:アミゼット2C(商品名、川研ファインケミカル社製)などが挙げられる。
【0039】
上記シリコーン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(12)・メチルポリシロキサン共重合体などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0040】
上記シリコーン界面活性剤として、市販品を用いてもよい。上記シリコーン界面活性剤の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体:DOW CORNING TORAY SH 3771 M(商品名、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0041】
上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤としては、例えば、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレン(2)オクチルドデシルエーテルジエステル、ピログルタミン酸オレイン酸グリセリルなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0042】
上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤として、市販品を用いてもよい。上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルジエステル:AMITER LGOD−2(H)(商品名、日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0043】
上記ノニオン界面活性剤は、より一層安定な透明液状洗浄料を得る観点から、脂肪酸型ノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。加えて、上記ノニオン界面活性剤は、アルキルグリセリルエーテル、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる1種を含むことがより好ましく、グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
【0044】
上記ノニオン界面活性剤の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することが可能である。上記ノニオン界面活性剤の含有量は、通常、上記ノニオン界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化をより一層抑制する観点、塗布時のきしみ感を低減する観点、洗い流し後のつっぱり感やごわつき感を低減する観点、透明感の喪失を防ぐ観点、並びに安定性の悪化を防ぐ観点から、透明液状洗浄料100質量%中、好ましくは8〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
【0045】
((B)アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種)
上記アニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、カルボン酸およびその塩、硫酸エステルおよびその塩、スルホン酸およびその塩、リン酸エステルおよびその塩などが挙げられる。
【0046】
上記カルボン酸およびその塩としては、例えば、ラウリン酸カウリム、ミリスチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(4)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0047】
上記硫酸エステルおよびその塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0048】
上記スルホン酸およびその塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(5)ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0049】
上記リン酸エステルおよびその塩としては、例えば、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテルリン酸などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0050】
上記アニオン界面活性剤として、市販品を用いてもよい。
【0051】
上記カルボン酸およびその塩の市販品としては、例えば、ラウリン酸カウリム:NIKKOL ラウリン酸カリウム:K−120(商品名、日光ケミカルズ社製)、ミリスチン酸カリウム:コスメチックソープ MF−K(商品名、ミヨシ油脂社製)、ヤシ油脂肪酸カリウム:アルホーム K−100(商品名、新日本理化社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸:NIKKOL AKYPO RLM 45 NV(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム:NIKKOL ECT−3NEX(商品名、日光ケミカルズ社製)、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム:NIKKOL アラニネート LN−30(商品名、日光ケミカルズ社製)、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム:アミソフト HS−11P(商品名、味の素社製)、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム:アミソフト CS−11(商品名、味の素社製)などが挙げられる。
【0052】
上記硫酸エステルおよびその塩の市販品としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム:NIKKOL SLS(商品名、日光ケミカルズ社製)、ミリスチル硫酸ナトリウム:NIKKOL SMS(商品名、日光ケミカルズ社製)、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム:NIKKOL SGC−80N(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム:シノリン SPE−1300(商品名、新日本理化社製)などが挙げられる。
【0053】
上記スルホン酸およびその塩の市販品としては、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム液:NIKKOL OTP−75(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム:ビューライト LSS(商品名、三洋化成工業社製)、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム:ビューライト A−5000(商品名、三洋化成工業社製)、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム:NIKKOL MMT(商品名、日光ケミカルズ社製)、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム:NIKKOL SMT(商品名、日光ケミカルズ社製)、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム:NIKKOL CMT−30(商品名、日光ケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0054】
上記リン酸エステルおよびその塩の市販品としては、ラウリルリン酸ナトリウム:NIKKOL SLP−N(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸:NIKKOL ホステン HLP−1(商品名、日光ケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0055】
上記両性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、アミンオキサイド型両性界面活性剤、リン酸エステル型両面活性剤、アミノ酸系両性界面活性剤などが挙げられる。
【0056】
上記アミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、β−ラウロイルアミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。
【0057】
上記ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。
【0058】
上記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
【0059】
上記アミンオキサイド型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。
【0060】
上記リン酸エステル型両面活性剤としては、例えば、レシチン、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。
【0061】
上記アミノ酸系両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウロイル−L−アルギニン、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩などが挙げられる。
【0062】
上記両性界面活性剤として、市販品を用いてもよい。
【0063】
上記アミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、β−ラウロイルアミノプロピオン酸ナトリウム:レポン APL(商品名、三洋化成工業社製)、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム:レポン 101−H(商品名、三洋化成工業社製)などが挙げられる。
【0064】
上記ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン:アンヒトール 20AB(商品名、花王社製)、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:NIKKOL AM−301(商品名、日光ケミカルズ社製)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:NIKKOL AM−3130N(商品名、日光ケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0065】
上記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン:アンヒトール 20Y−B(商品名、花王社製)などが挙げられる。
【0066】
上記アミンオキサイド型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド:アンヒトール 20N(商品名、花王社製)などが挙げられる。
【0067】
上記リン酸エステル型両面活性剤としては、例えば、レシチン:ベイシス LS−60(商品名、日清オイリオ社製)、水素添加大豆リン脂質:NIKKOL レシノール S−10(商品名、日光ケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0068】
上記アミノ酸系両性界面活性剤としては、N−ラウロイル−L−アルギニン:アミセーフ LA−01 (商品名、味の素社製)、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩:アミセーフ LMA−60(商品名、味の素社製)などが挙げられる。
【0069】
上記アニオン界面活性剤および両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。上記アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種として、アニオン界面活性剤のみを用いてもよく、両性界面活性剤のみを用いてもよく、アニオン界面活性剤と両性界面活性剤との双方を用いてもよい。上記アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種は、アニオン界面活性剤であることが好ましく、両性界面活性剤であることも好ましい。上記両性界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記アニオン界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0070】
上記アニオン界面活性剤は、安定な透明液状洗浄料を得る観点から、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、脂肪酸石けんおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル型アニオン界面活性剤の内の少なくとも1種であることがより好ましい。上記両性界面活性剤は、安定な透明液状洗浄料を得る観点から、アミノ酸型両性界面活性剤およびベタイン型両性界面活性剤の内の少なくとも1種であることが好ましく、ベタイン型両性界面活性剤であることがより好ましい。
【0071】
上記アニオン界面活性剤は、より一層安定な透明液状洗浄料を得る観点から、好ましくはカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩の群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは脂肪酸石けんおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル型アニオン界面活性剤の内の少なくとも1種である。上記両性界面活性剤は、より一層安定な透明液状洗浄料を得る観点から、好ましくはアミノ酸型両性界面活性剤およびベタイン型両性界面活性剤の内の少なくとも1種であり、より好ましくはベタイン型両性界面活性剤である
【0072】
アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種の全体の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することが可能である。上記アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種の全体の含有量は、通常、洗浄力を向上させる観点、上記アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化をより一層抑制する観点、塗布時のきしみ感を低減する観点、洗い流し後のつっぱり感やごわつき感を低減する観点、透明感の喪失を防ぐ観点、並びに安定性の悪化を防ぐ観点から、透明液状洗浄料100質量%中、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%である。
【0073】
((C)25℃で液状である油性成分)
上記25℃で液状である油性成分としては特に限定されないが、例えば、油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸エステル、シリコーン化合物などが挙げられる。上記25℃で液状である油性成分は、油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸エステル及びシリコーン化合物の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。上記25℃で液状である油性成分は、脂肪酸エステル及びシリコーン化合物の内の少なくとも1種を含むことが好ましい。上記油性成分は、油脂を含むことが好ましく、炭化水素油を含むことが好ましく、高級アルコールを含むことが好ましく、脂肪酸エステルを含むことが好ましく、シリコーン化合物を含むことが好ましい。
【0074】
上記油脂としては、例えば、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、ヤシ油、ヒマシ油、菜種油、椿油などが挙げられる。
【0075】
上記炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、スクワランなどが挙げられる。
【0076】
上記高級アルコールとしては、例えば、オレイルアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。
【0077】
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、オクタン酸イソセチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチルなどが挙げられる。
【0078】
上記シリコーン化合物としては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどのシリコーン類などが挙げられる。
【0079】
上記25℃で液状である油性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。上記25℃で液状である油性成分は、使用感に優れ、より高い洗浄力を有する透明液状洗浄料を得る観点から、分岐型脂肪酸エステル、分岐型炭化水素油、フェニル変性シリコーン又は環状シリコーンを含むことが好ましい。
【0080】
上記分岐型脂肪酸エステルの好ましい例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルへキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
【0081】
上記分岐型炭化水素油の好ましい例としては、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィンなどが挙げられる。
【0082】
上記フェニル変性シリコーン又は環状シリコーンの好ましい例としては、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどが挙げられる。
【0083】
上記25℃で液状である油性成分の含有量は、優れた洗浄力を有する透明液状洗浄料を得る観点から、透明液状洗浄料100質量%中、5〜40質量%であり、好ましくは5〜35質量%である。その理由は、上記油性成分の含有量が5質量%未満であると、洗浄力に優れる透明液状洗浄料を得ることができないためである。上記油性成分の含有量が上記上限を超えると、上記油性成分により透明性が失われ、安定性が悪化するためである。
【0084】
((D)ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種)
上記ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種としては特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エタノールなどが挙げられる。上記ポリオールおよびエタノールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。上記ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種として、ポリオールのみを用いてもよく、エタノールのみを用いてもよく、ポリオールとエタノールとの双方を用いてもよい。上記ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種は、ポリオールであることが好ましく、エタノールであることも好ましい。上記ポリオールは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0085】
上記ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することが可能である。上記ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種の全体の含有量は、通常、安定な透明液状洗浄料を得る観点から、透明液状洗浄料100質量%中、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%である。
【0086】
((E)ベタイン化合物)
上記ベタイン化合物は、ベタイン骨格を有する。上記ベタイン化合物には、ベタイン及びベタインの誘導体が含まれる。ベタイン及びベタインの誘導体は、ベタイン類とも呼ばれる。また、ベタイン化合物は、単にベタインと呼ばれることもある。上記ベタイン化合物には、上述した界面活性剤は含まれない。
【0087】
上記ベタイン化合物としては、例えば、グリシンベタイン、アラニンベタイン、γ−ブチロベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、グルタミン酸ベタイン、ホマリン、トリゴネリン、カルニチン、アトリニン、アントプレウリンなどが挙げられる。上記ベタイン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合せて用いてもよい。上記ベタイン化合物は、グリシンベタインであることがより好ましい。
【0088】
上記ベタイン化合物として、市販品を用いてもよい。グリシンベタインの市販品としては、例えば、アミノコート(商品名、旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。また、グリシンベタインを含む混合原料の市販品としては、例えば、プロデュウ400(商品名、味の素社製)などが挙げられる。
【0089】
上記ベタイン化合物の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することが可能である。上記ベタイン化合物の含有量は、通常、上記ノニオン界面活性剤と上記アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤の内の少なくとも1種との配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化をより一層抑制する観点、透明性を維持する観点、並びに上記ベタイン化合物の配合よる透明液状洗浄料の安定性の悪化を防ぐ観点から、透明液状洗浄料100質量%中、好ましくは0.5〜35質量%、より好ましくは0.5〜30質量%である。
【0090】
(他の成分)
本発明の透明液状洗浄料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に、通常化粧品に用いられる成分を目的に応じて適宜配合することができる。上記成分としては、カチオン界面活性剤、水溶性増粘剤、ビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤などが挙げられる。
【0091】
上記カチオン界面活性剤としては、例えば、ジメチルステアリルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ポリオキシプロピレン(40)メチルジエチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジヤシ油アルキルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0092】
上記水溶性増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエーテル)クロスポリマー、(アクリル酸/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエーテル)コポリマー、(ジメチルアクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドメタクリレート)コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヘクトライト、ベントナイト、無水ケイ酸などが挙げられる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
【0093】
上記ビタミン類としては、例えば、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、アスコルビン酸、レチナール、レチノール、トコフェロールなどが挙げられる。これらの塩および誘導体を用いてもよい。
【0094】
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩などが挙げられる。
【0095】
上記防腐剤及び上記抗菌剤としては、例えば、フェノキエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸塩、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、ソルビン酸、感光素、抗菌性ゼオライト、銀イオンなどが挙げられる。
【0096】
上記金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸塩、ペンテト酸塩、エチドロン酸塩などが挙げられる。
【0097】
上記pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0098】
(透明液状洗浄料の他の詳細)
本発明の透明液状洗浄料では、特殊な構造体が透明一相状態の構造体であることが好ましい。この場合には、構造体形成および安定性の判断の目安として、製剤の透明性を利用することができる。例えば、不透明である液状組成物は、特殊な構造体を形成しておらず乳化型であり、構造体を形成している場合と比較して低い洗浄力を示す。液状組成物が不透明であれば、安定性に優れないことが簡易に判断できる。
【0099】
本発明における「透明」とは、直径5cmの円環状の透明なガラス容器内に液状組成物を入れたときに、ガラス容器を介してガラス容器の奥側の背景を目視できることをいう。「透明」には、半透明が含まれる。本発明の透明液状洗浄料は、僅かに濁っていてもよい。また、本発明における「液状」とは、25℃で液状であることを示し、25℃で洗浄料が流動性を有することを示す。
【0100】
本発明の透明液状洗浄料は種々の方法で製造することが可能である。本発明の構成成分を任意の順番で混合及び撹拌することにより、本発明の透明液状洗浄料を容易に得ることができる。例えば、(A)成分〜(D)成分を混合及び撹拌して透明な液状物を得る。次いで、得られた透明液状物に精製水を加えて混合及び撹拌した後、(E)成分を加えて溶解させ、本発明の透明液状洗浄料を得ることができる。
【0101】
本発明の透明液状洗浄料では、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性を良好にし、かつ落ちにくい油汚れに対する洗浄性を高めることができる。落ちにくい油汚れとしては、マスカラやヘアワックスに代表される油汚れが挙げられる。本発明の透明液状洗浄料では、マスカラやヘアワックスでも、容易に洗い流すことができる。
【0102】
このような効果を奏することから、本発明の透明液状洗浄料は、皮膚用または毛髪用の洗浄料として好適に用いることができる。
【0103】
本発明の透明液状洗浄料は、毛髪または皮膚の洗浄に用いられることが好ましい。本発明の透明液状洗浄料は、毛髪の洗浄に用いられることが好ましく、皮膚の洗浄に用いられることも好ましい。本発明の透明液状洗浄料は、毛髪または皮膚用透明液状洗浄料であることが好ましい。本発明の透明液状洗浄料は、毛髪用透明液状洗浄料であることが好ましく、皮膚用透明液状洗浄料であることも好ましい。また、本発明の透明液状洗浄料は、不織布やコットンなどの担体に含浸させて用いてもよい。
【0104】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例にのみ限定されない。尚、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。また、表中、「POE」はポリオキシエチレンの略であり、括弧内の数値は、ポリオキシエチレンの付加モル数を表す。
【0105】
(試料の調製1)
表2,3に示す組成に従い各成分を配合して、実施例1〜15および比較例1〜14の各液状洗浄料を調製した。得られた各液状洗浄料を用いて、下記の評価項目について、評価を行った。
【0106】
(試験例1:粘度の測定)
調製直後の各液状洗浄料を、25℃条件下で24時間保存した。24時間保存した後の各液状洗浄料の粘度を測定した。粘度計として、音叉式粘度計(SV−10A:A&D社製)を用いた。
【0107】
(試験例2:ワックスに対する洗浄力の評価)
専門評価パネル10名により、得られた各液状洗浄料のワックスに対する洗浄力について下記試験方法により評価した。
【0108】
<試験方法>
下記の表1に示す組成に従い各成分を配合して、試験用整髪料(ワックス)を得た。
【0109】
【表1】
【0110】
20g、20cm毛束に、得られた試験用整髪料2gを塗布し、40℃で6時間乾燥させた。次いで、得られた各液状洗浄料5gを毛髪に塗布し、馴染ませた。その後、水洗を行うことにより、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。
【0111】
「ワックスに対する洗浄力」については、整髪料の残存感およびべたつき感が低い場合を「良好」として評価した。パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、ワックスに対する洗浄力を判定した。
【0112】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0113】
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0114】
(試験例3:「皮膚上での延展性の良さ」、「マスカラに対するメイクなじみの良さ」、「マスカラに対する洗浄力」、「洗浄時における洗い流しの良さ」の評価)
専門評価パネル10名が、得られた各液状洗浄料を下記試験方法で用いた。「皮膚上での延展性の良さ」、「マスカラに対するメイクなじみの良さ」、「マスカラに対する洗浄力」、「洗浄時における洗い流しの良さ」について評価を行った。
【0115】
<試験方法>
市販のウォータープルーフマスカラを手の甲に3×3cmの正方形に塗布し、25℃条件下にて10分間乾燥した。次いで、マスカラの塗布面に、得られた各液状洗浄料1.5gを塗布し、馴染ませた。その後、水洗を行うことにより、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。
【0116】
「皮膚上での延展性の良さ」については、皮膚上で抵抗感およびきしみ感が低く、水のように延ばし易い場合を「良好」とし、「マスカラに対するメイクなじみの良さ」については、マスカラ汚れ上ですべり感が低く、すばやくマスカラと製剤がなじむ場合を「良好」とし、「マスカラに対する洗浄力」については、マスカラの除去効果が高い場合を「良好」とし、「洗浄時における洗い流しの良さ」については、水洗時のヌルつきや上滑り感、乾燥後のオイリー感が低い場合を「良好」として評価した。パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定した。
【0117】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0118】
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0119】
(試験例4:安定性の評価)
得られた各液状洗浄料を、5℃および40℃の各条件下で1.5ヶ月間保管した。保管後の液状洗浄料を目視で観察して、安定性を下記の基準で判定した。
【0120】
<安定性の判定基準>
○:全体が均一
×:一部または全体が分離
【0121】
組成及び結果を下記の表2,3に示す。
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
表2および表3に示された結果から、各実施例の透明液状洗浄料は、アニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種を配合した場合でも透明性を維持し、優れた安定性を有していることが分かる。また、各実施例の透明液状洗浄料は、落ちにくい油汚れであるマスカラやヘアワックスに対して高い洗浄性を示すことが分かる。これに対し、比較例1〜14の各液状洗浄料では、洗浄性や安定性に関して十分に満足な結果が得られていないことが分かる。加えて、実施例と比較例とを対比すると、ベタイン化合物の配合によって、安定性の向上効果が得られるだけでなく、界面活性剤を配合することによって生じる粘度上昇が抑制されており、かつ延展性やメイクなじみの低下が軽減されていることが分かる。
【0125】
(試料の調製2)
表4に示す組成に従い各成分を配合して、実施例16〜21および比較例15〜19の各液状洗浄料を調製した。得られた各液状洗浄料を用いて、下記の評価項目について、評価を行った。
【0126】
実施例16〜21および比較例15〜19について、実施例1〜15及び比較例1〜14で評価した試験例1〜3の評価項目について、評価を行った。但し、試験例3については、「マスカラに対する洗浄力」についてのみ評価した。さらに、実施例16〜21および比較例15〜19について、下記の評価項目についても評価を行った。
【0127】
(試験例5:吐出時の起泡性の評価)
ホンプフォーマーの容器内に得られた各液状洗浄料を充填した。専門評価パネル10名が、吐出時の起泡性を下記試験方法により評価した。
【0128】
<試験方法>
各液状洗浄料を10回吐出し、その後11回目の吐出時における各液状洗浄料の起泡性について、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。
【0129】
吐出時の起泡性」については、各液状洗浄料の泡立ち具合の良い場合を「良好」として評価した。パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定した。
【0130】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0131】
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0132】
(試験例6:泡のキメの評価)
試験例5の吐出時の起泡性の評価に続き、同じ専門評価パネル10名が、泡のキメについて下記試験方法により評価を行った。
【0133】
<試験方法>
吐出時の起泡性を評価した後、その吐出直後の泡のキメをについて、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。
【0134】
尚、「泡のキメ」については、泡のキメが細かい場合を「良好」として評価した。パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定した。
【0135】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0136】
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0137】
(試験例7:泡沫安定性の評価)
試験例5,6の評価に続き、同じ専門評価パネル10名が、泡の安定性について下記試験方法により評価した。
【0138】
<試験方法>
吐出によって生じた泡の、25℃条件下での2分後の性状から、泡沫安定性について、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。
【0139】
「泡沫安定性」については、泡の体積が変化しない場合、および泡のキメが細かい場合を「良好」として評価した。パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定した。
【0140】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0141】
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0142】
組成及び結果を下記の表4に示す。
【0143】
【表4】
【0144】
表4に示す結果から、各実施例の透明液状洗浄料では、ポンプフォーマーを用いて起泡することができ、泡質に関しても優れていることが分かる。また、各実施例の透明液状洗浄料は、落ちにくい油汚れであるマスカラやヘアワックスに対して高い洗浄性を示すことが分かる。これに対し、比較例15〜19の各液状洗浄料では、本発明の効果の全てを十分に満足させる結果が得られていないことが分かる。
【0145】
また、下記の表5〜9に、透明液状洗浄料の処方例を示す。尚、含有量は質量%である。
【0146】
【表5】
【0147】
【表6】
【0148】
【表7】
【0149】
【表8】
【0150】
【表9】