特許第5748684号(P5748684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748684
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】無段変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 9/12 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   F16H9/12 B
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-25212(P2012-25212)
(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-160373(P2013-160373A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年2月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(72)【発明者】
【氏名】岡本 宗幸
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−536472(JP,A)
【文献】 特開平03−163248(JP,A)
【文献】 特開2010−220393(JP,A)
【文献】 特表2005−511987(JP,A)
【文献】 特開昭61−149664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のプーリにベルトを掛け渡し、前記プーリを構成する固定シーブと可動シーブのうち前記可動シーブにモータ推力発生機構を設けた無段変速機において、
前記モータ推力発生機構は、
変速機ケースに固定されるモータステータと、
前記モータステータにギャップを介して配置され、前記可動シーブをプーリ回転軸方向にスライド移動させるスライドモータロータと、
前記変速機ケースに固定され、前記スライドモータロータと螺合することで、前記スライドモータロータの回転動作を前記プーリ回転軸方向へのスライド移動動作に変換するねじ部材と、
を備え
前記スライドモータロータには、永久磁石が配置され、
前記永久磁石は、前記可動シーブの移動範囲内にて前記モータステータと径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅を設定した
ことを特徴とする無段変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のプーリにベルトを掛け渡し、プーリを構成する固定シーブと可動シーブのうち可動シーブにモータ推力発生機構を設けた無段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無段変速機の可動シーブをプーリ回転軸方向に移動させるモータ推力発生機構としては、変速機ケースに固定されるモータステータと、モータロータと、スライドねじ部材と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記モータロータは、モータステータにギャップを介して配置され、変速機ケースに対してプーリ回転軸方向への移動が阻止される。前記スライドねじ部材は、モータロータと螺合し、モータロータの回転動作をプーリ回転軸方向への移動動作に変換し、このスライドねじ部材を介して可動シーブをスライド移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−54815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の無段変速機にあっては、モータ推力発生機構が、可動シーブからの反力を、スライドねじ部材を介してモータロータにより受ける構造となっていた。このため、モータロータと変速機ケースの間に、プーリ回転軸方向の反力を受けるベアリングが必要であり、その分、フリクションが増加するし、また、部品点数の増加によるコスト増を招く、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、モータ推力発生機構のフリクション低減及び部品点数低減を達成することができる無段変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、一対のプーリにベルトを掛け渡し、前記プーリを構成する固定シーブと可動シーブのうち前記可動シーブにモータ推力発生機構を設けた無段変速機において、
前記モータ推力発生機構は、モータステータと、スライドモータロータと、ねじ部材と、を備える手段とした。
前記モータステータは、変速機ケースに固定される。
前記スライドモータロータは、前記モータステータにギャップを介して配置され、前記可動シーブをプーリ回転軸方向にスライド移動させる。
前記ねじ部材は、前記変速機ケースに固定され、前記スライドモータロータと螺合することで、前記スライドモータロータの回転動作を前記プーリ回転軸方向へのスライド移動動作に変換する。
また、前記スライドモータロータには、永久磁石が配置される。
そして、前記永久磁石は、前記可動シーブの移動範囲内にて前記モータステータと径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅を設定した。
【発明の効果】
【0008】
よって、ねじ部材を変速機ケースに固定し、ねじ部材と螺合するモータロータが、可動シーブをプーリ回転軸方向にスライド移動させるスライドモータロータとされる。
このため、可動シーブからの反力は、スライドモータロータ→螺合部→ねじ部材を介して変速機ケースで受けられる。すなわち、モータロータと螺合するねじ部材を、可動シーブを移動させるスライドねじ部材とする場合のように、可動シーブからの反力を、スライドねじ部材を介してモータロータにより受ける必要がない。
したがって、スライドねじ部材とする場合のように、モータロータと変速機ケースの間に、プーリ回転軸方向の反力を受けるためのベアリングが不要となり、その分、フリクションが減少するし、また、部品点数も減少する。
この結果、モータ推力発生機構のフリクション低減及び部品点数低減を達成することができる。
加えて、スライドモータロータに配置される永久磁石を、可動シーブの移動範囲内(最ロー変速比〜最ハイ変速比)にてモータステータと径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅を設定した。
すなわち、最ロー変速比のときは、モータステータと永久磁石が径方向に重なり合う関係が保たれている。また、最ハイ変速比のときは、最ロー変速比のときと同様に、モータステータと永久磁石が径方向に重なり合う関係が保たれている。このため、最ロー変速比〜最ハイ変速比の可動シーブの移動範囲内にてモータステータと永久磁石が常に径方向に重なり合う関係を保つことになる。
したがって、スライドモータロータが、可動シーブの移動範囲内(最ロー変速比〜最ハイ変速比)にてスライド移動しても、モータトルクが減少することなく、安定した高いトルクによるスライドモータロータの回転が保証される。
この結果、スライドモータロータが、可動シーブの移動範囲内にてスライド移動しても、モータトルクが減少することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の無段変速機が搭載された電気自動車の駆動系を示す全体図である。
図2】実施例1の無段変速機に適用されたモータ推力発生機構を示す図である。
図3】比較例の無段変速機のモータ推力発生機構での可動シーブからの反力受け作用を示す作用説明図である。
図4】実施例1の無段変速機のモータ推力発生機構での可動シーブからの反力受け作用を示す作用説明図である。
図5】実施例1の無段変速機の最ロー変速比位置でのモータ推力発生機構を示す作用説明図である。
図6】実施例1の無段変速機の最ハイ変速比位置でのモータ推力発生機構を示す作用説明を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の無段変速機を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
まず、構成を説明する。
【0012】
実施例1の無段変速機の構成を、「全体構成」、「モータ推力発生機構の構成」に分けて説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、実施例1の無段変速機が搭載された電気自動車の駆動系を示す全体図である。以下、図1に基づき、全体構成を説明する。
【0014】
前記電気自動車の駆動系は、図1に示すように、原動機としての走行用モータ1と、無段変速機2と、終減速ギア機構3と、デファレンシャルギア機構4と、駆動輪5,5と、を備えている。
【0015】
前記無段変速機2は、プライマリプーリ6と、セカンダリプーリ7と、Vベルト8と、モータ推力発生機構9と、を有する。
【0016】
前記プライマリプーリ6は、固定シーブ61と可動シーブ62により構成される。固定シーブ61は、走行用モータ1に連結される。可動シーブ62は、変速時、モータ推力発生機構9によりプライマリプーリ回転軸PCLの方向(以下、単に「プーリ回転軸方向」という。)にスライド移動する。
【0017】
前記セカンダリプーリ7は、固定シーブ71と可動シーブ72により構成される。固定シーブ71は、終減速ギア機構3に連結される。可動シーブ72は、変速時、モータ推力発生機構9によりセカンダリプーリ回転軸SCLの方向(以下、単に「プーリ回転軸方向」という。)にスライド移動する。
【0018】
前記Vベルト8は、一対のプライマリプーリ6とセカンダリプーリ7のそれぞれに形成されるV字状シーブ面に掛け渡される。このVベルト8としては、多数のエレメントを積層したものを2組のリングにより挟み込んで保持したベルトやチェーンベルト等が用いられる。
【0019】
前記終減速ギア機構3は、第1減速ギア対31,32と、第2減速ギア対33,34を有し、減速された変速機出力は、デファレンシャルギア機構4を経過し、左右の駆動輪5,5に伝達される。
【0020】
[モータ推力発生機構の構成]
図2は、実施例1の無段変速機に適用されたモータ推力発生機構を示す図である。以下、図2に基づき、モータ推力発生機構9の構成を説明する。
【0021】
前記モータ推力発生機構9は、図2に示すように、モータステータ91と、スライドモータロータ92と、ねじ部材93と、第1ニードルベアリング94と、第2ニードルベアリング95と、を備えている。
【0022】
前記モータステータ91は、変速機ケース10に固定され、ステータティースにステータコイルが巻き付けられている。
このモータ構成は、永久磁石同期モータであり、ステータコイルに三相交流を印加することで、スライドモータロータ92を正転方向または逆転方向に回転駆動する。
【0023】
前記スライドモータロータ92は、モータステータ91の外周位置にギャップを介して配置され、可動シーブ62,72をプーリ回転軸方向にスライド移動させる。
このスライドモータロータ92には、外周部に永久磁石96が埋め込み配置され、この永久磁石96は、可動シーブ62,72の移動範囲内にてモータステータ91と径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅Lを設定している。
【0024】
前記ねじ部材93は、変速機ケース10に固定され、スライドモータロータ92と螺合することで、スライドモータロータ92の回転動作をプーリ回転軸方向へのスライド移動動作に変換する。
このねじ部材93は、図2に示すように、可動シーブ62,72の軸部外周と、スライドモータロータ92の内周との間に挿入配置される。そして、スライドモータロータ92の内周に形成したロータ側ねじ部92aに螺合するケース側ねじ部93aが、ねじ部材93の外周に形成されている。
【0025】
前記第1ニードルベアリング94は、可動シーブ62,72とスライドモータロータ92の間に介装され、可動シーブ62,72とスライドモータロータ92の相対回転を許容する。そして、第1ニードルベアリング94は、可動シーブ62,72やスライドモータロータ92からのスラスト荷重を受ける。
【0026】
前記第2ニードルベアリング95は、可動シーブ62,72の軸部外周面とねじ部材93の内周面との間に介装され、ケース固定部材であるねじ部材93に対し可動シーブ62,72の軸部を回転可能に支持する。そして、第2ニードルベアリング95は、可動シーブ62,72の軸部からのラジアル荷重を受ける。
【0027】
次に、作用を説明する。
実施例1の無段変速機における作用を、「プーリ推力の反力受け作用」、「モータ推力による変速作用」に分けて説明する。
【0028】
[プーリ推力の反力受け作用]
図3は、比較例の無段変速機のモータ推力発生機構での可動シーブからの反力受け作用を示す作用説明図である。以下、図3に基づいて比較例のプーリ推力の反力受け作用を説明する。
【0029】
無段変速機の可動シーブ(CVT Pulley)をプーリ回転軸方向に移動させるモータ推力発生機構として、図3に示すように、変速機ケース(CVT Case)に固定されるモータステータ(Motor Stator)と、モータロータ(Motor Rotor)と、スライドねじ部材(Slide Screw)と、を備えたものを比較例とする。
【0030】
モータロータは、モータステータにギャップを介して配置され、変速機ケースに対してプーリ回転軸方向への移動が阻止される。スライドねじ部材は、モータロータと螺合し、モータロータの回転動作をプーリ回転軸方向への移動動作に変換し、このスライドねじ部材を介して可動シーブをスライド移動させる。
【0031】
しかしながら、比較例の無段変速機にあっては、モータ推力発生機構が、可動シーブからの反力を、スライドねじ部材→螺合部→モータロータを介して変速機ケースにより受ける構造となっている。このため、モータロータと変速機ケースの間に、プーリ回転軸方向の反力を受けるベアリング(Needle Bearing)が必要である。このとき、可動シーブからの反力は、プーリ推力の反力(=Vベルト反力)であり、伝達トルクが高い走行時には、かなり高い反力荷重を受けることになる。したがって、モータロータと変速機ケースの間に介装されたベアリングによりフリクションが増加する。
【0032】
また、ベアリング部品としては、可動シーブとスライドねじ部材との間に1つ、可動シーブ軸部とスライドねじ部材との間に1つ、そして、モータロータと変速機ケースの間に1つというように、合計3点が必要である。このため、ベアリング部品点数の増加によるコスト増を招く。
【0033】
図4は、実施例1の無段変速機のモータ推力発生機構での可動シーブからの反力受け作用を示す作用説明図である。以下、図4に基づいて実施例1のプーリ推力の反力受け作用を説明する。
【0034】
実施例1では、図4に示すように、ねじ部材93を変速機ケース10に固定し、ねじ部材93と螺合するモータロータを、可動シーブ62,72をプーリ回転軸方向にスライド移動させるスライドモータロータ92とする構成を採用している。
【0035】
このため、可動シーブ62,72からの反力は、スライドモータロータ92→螺合部(92a,93a)→ねじ部材93を介して変速機ケース10で受けられる。すなわち、モータロータと螺合するねじ部材を、可動シーブを移動させるスライドねじ部材とする比較例のように、可動シーブからの反力を、スライドねじ部材を介してモータロータにより受ける必要がない。
【0036】
したがって、スライドねじ部材とする比較例のように、モータロータと変速機ケースの間に、プーリ回転軸方向の反力を受けるためのベアリングが不要となり、その分、フリクションが減少するし、また、部品点数も減少する。
【0037】
[モータ推力による変速作用]
上記のように、ねじ部材93と螺合するモータロータとして、スライドモータロータ92を採用したことに伴い、スライドモータロータ92がスライド移動してもプーリ推力源であるモータトルクが減少することがないように工夫することが必要である。以下、図5及び図6に基づき、これを反映するモータ推力による変速作用を説明する。
【0038】
実施例1では、スライドモータロータ92に埋め込み配置される永久磁石96を、可動シーブ62,72の移動範囲内(最ロー変速比〜最ハイ変速比)にてモータステータ91と径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅Lを設定する構成を採用した。
【0039】
すなわち、最ロー変速比のときは、図5に示すように、モータステータ91と永久磁石96が径方向に重なり合う関係が保たれている。また、最ハイ変速比のときは、図6に示すように、最ロー変速比のときと同様に、モータステータ91と永久磁石96が径方向に重なり合う関係が保たれている。このため、最ロー変速比〜最ハイ変速比の可動シーブ62,72の移動範囲内にてモータステータ91と永久磁石96が常に径方向に重なり合う関係を保つことになる。
【0040】
したがって、スライドモータロータ92が、可動シーブ62,72の移動範囲内(最ロー変速比〜最ハイ変速比)にてスライド移動しても、モータトルクが減少することなく、安定した高いトルクによるスライドモータロータ92の回転が保証される。
【0041】
次に、効果を説明する。
実施例1の無段変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0042】
(1) 一対のプーリ(プライマリプーリ6とセカンダリプーリ7)にベルト(Vベルト8)を掛け渡し、前記プーリを構成する固定シーブ61,71と可動シーブ62,72のうち前記可動シーブ62,72にモータ推力発生機構9を設けた無段変速機2において、
前記モータ推力発生機構9は、
変速機ケース10に固定されるモータステータ91と、
前記モータステータ91にギャップを介して配置され、前記可動シーブ62,72をプーリ回転軸方向にスライド移動させるスライドモータロータ92と、
前記変速機ケース10に固定され、前記スライドモータロータ92と螺合し、前記スライドモータロータ92の回転動作を前記プーリ回転軸方向への移動動作に変換するねじ部材93と、
を備える。
このため、モータ推力発生機構9のフリクション低減及び部品点数低減を達成することができる。
【0043】
(2) 前記モータロータ92には、永久磁石96が配置され、
前記永久磁石96は、前記可動シーブ62,72の移動範囲内にて前記モータステータ91と径方向に重なり合う関係を保つように磁石軸方向幅Lを設定した。
このため、(1)の効果に加え、スライドモータロータ92が、可動シーブ62,72の移動範囲内にてスライド移動しても、モータトルクが減少することを防止することができる。
【0044】
以上、本発明の無段変速機を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0045】
実施例1では、モータステータ91の内周側にスライドモータロータ92を配置し、さらにスライドモータロータ92の内周側にねじ部材93を配置する例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、モータステータの外周側にスライドモータロータを配置し、さらに、スライドモータロータの外周側にねじ部材を配置する例であっても良い。
【0046】
実施例1では、スライドモータロータ92とねじ部材93を、傾斜面と垂直面による山形のロータ側ねじ部92aとケース側ねじ部93aにより螺合する例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、スライドモータロータ92とねじ部材93は、ボールねじ等を用いて螺合するような例であっても良い。
【0047】
実施例1では、プライマリプーリ6およびセカンダリプーリ7の可動シーブがモータ推力発生機構9により軸方向にスライドする例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、プライマリプーリ6の可動シーブ62のみ、または、セカンダリプーリ7の可動シーブ72のみをモータ推力発生機構9によって軸方向にスライドさせる例であっても良い。
【0048】
実施例1では、スライドモータ92について、永久磁石96がロータ外周に配置される永久磁石同期モータを例に示した。しかし、これに限定されるものではなく、永久磁石がロータ内部に配置される永久磁石同期モータ、永久磁石を有さない誘導モータ、リラクタンスモータ、直流電源によって動作する直流モータ、等であっても良く、モータの種類に限定されない。
【0049】
実施例1では、本発明の無段変速機を電気自動車の駆動系に適用する例を示した。しかし、本発明の無段変速機は、ハイブリッド車の駆動系やエンジン車の駆動系に対しても勿論適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
2 無段変速機
6 プライマリプーリ(プーリ)
61 固定シーブ
62 可動シーブ
7 セカンダリプーリ(プーリ)
71 固定シーブ
72 可動シーブ
8 Vベルト(ベルト)
9 モータ推力発生機構
91 モータステータ
92 スライドモータロータ
93 ねじ部材
94 第1ニードルベアリング
95 第2ニードルベアリング
96 永久磁石
10 変速機ケース
L 磁石軸方向幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6