(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハブ(15)と、前記ハブ(15)から延びる中空管(16)と、前記ハブ(15)に取り付けられ、前記管(16)に被せるように配置されたキャップ(17)とを備えた、針アセンブリのための保護カバー・アセンブリ(11)であって、前記キャップ(17)が、前記管(16)を通すための孔(19)を有し、前記管(16)に対して、前記ハブ(15)に取り付けた第1の位置から、前記ハブ(15)及び前記管(16)から一定の間隔をあけた第2の位置まで移動可能である、保護カバー・アセンブリ(11)において、
前記キャップ(17)内に回転可能に取り付けられた1対のフィルム・ロール(20、21)を有し、前記フィルム・ロール(20、21)の各々が、自由端を前記ハブ(15)に固定されており、これにより、前記フィルム・ロール(20、21)の各々が、前記第1の位置から前記第2の位置までの前記キャップ(17)の移動に応じて巻き戻され、前記フィルム・ロール(20、21)の各々からの細長いフィルムが他方の細長いフィルムと向かい合うように位置付けられることを特徴とする保護カバー・アセンブリ(11)。
ハウジング(12)と、前記ハウジング(12)から延びている中空カニューレ(13)と、前記カニューレ(13)内で延びているスタイレット(14)とを有する生検針(10)であって、前記カニューレ(13)と前記スタイレット(14)が、前記スタイレット(14)を、組織と接触するための前記カニューレ(13)の外の伸張位置と、前記組織の標本を前記スタイレット(14)及び前記カニューレ(13)の間に保持するための前記カニューレ(13)の中の後退位置との間に位置付けるために、互いに対して移動可能である、生検針(10)と、
前記ハウジング(12)に取り付けられたハブ(15)と、前記ハブ(15)から延びていて、前記カニューレ(13)及び前記スタイレット(14)が中で長手方向へ延びている中空管(16)と、前記ハブ(15)に取り付けられていて、前記カニューレ(13)及び前記スタイレット(14)を中に通すための孔(19)を有するキャップ(17)であって、前記ハブ(15)上の第1の位置から、前記カニューレ(13)の先端部及び前記スタイレット(14)の先端部が、前記キャップ(17)の中に、前記孔(19)に対して一定の間隔をあけて配置される、前記ハブ(15)から一定の間隔をあけた第2の位置まで、前記ハブ(15)に対して移動可能であるキャップ(17)とを有する、前記生検針(10)のための保護カバー・アセンブリ(11)との組み合わせにおいて、
1対のフィルム・ロール(20、21)が、前記キャップ(17)の中に回転可能に取り付けられており、前記フィルム・ロール(20、21)の各々が、自由端を前記ハブ(15)に固定させており、これにより、前記フィルム・ロール(20、21)の各々が、前記第1の位置から前記第2の位置までの前記キャップ(17)の移動に応じて巻き戻され、前記フィルム・ロール(20、21)の各々からの細長いフィルムが前記カニューレ(13)の両側に位置付けられることを特徴とする組み合わせ。
前記フィルム・ロール(20、21)の各々が、前記フィルム・ロールの他方と向かい合っている密封可能な裏張りを有することを特徴とする請求項2に記載の組み合わせ。
前記カニューレの周りで、前記細長いフィルムの各々を前記細長いフィルムの他方に密封状態で押し付けるための手段(26、43)を有することをさらに特徴とする請求項3に記載の組み合わせ。
前記カニューレ(13)が前記孔(19)を通過しないように、前記孔(19)を選択的に封じるための手段(33)が前記キャップ(17)に配置されていることをさらに特徴とする請求項2に記載の組み合わせ。
【背景技術】
【0003】
公知のように、さまざまな形式の針アセンブリが医療分野においてさまざまな目的に採用されている。例えば、生検針アセンブリは、組織標本を採取することで知られている。このような生検針アセンブリの例は、米国特許第5,505,211号、第5,538,010号、及び、第5,578,030号に記載されている。
【0004】
一般に、生検針アセンブリは、スタイレットを、中空カニューレとともに、組織の標本を得るように患者の体内に位置付けることができるよう構成されており、中空カニューレは、患者から取り出す組織標本を準備するようにスタイレットをカニューレの内部に位置付けることができるように、スタイレットに対して移動可能である。
【0005】
生検針アセンブリを患者から組織標本が中に入った状態で取り出し、標本を分析のために取り出したら、生検針アセンブリは廃棄する。しかしながら、生検針アセンブリの露出したカニューレ及び/又はスタイレットは、万が一にも人が廃棄された針アセンブリのスタイレットの先端部に触れるようなことがあれば、「突き刺さる」という危険がある。
【0006】
保護カバーは、公開された米国特許出願第2003/0114797号に記載されているような針、例えば注射器、ワイヤガイド、生検針等の針とともに使用することが知られている。米国特許出願第2003/0114797号に記載されているように、キャップは、針にスライド可能に取り付けられ、プラスチック製の弾性のない筒状のシースで針のハウジングに繋ぎ止められており、シースは、縮められた状態で、針に、そして針の周りに、同心円状に配置されている。針の先端部を覆うときには、キャップをハウジングから引っ張って、縮められている状態から針の周りに伸ばされた状態へ、シースを長手方向に伸ばす。記載されているように、シースは、破れるまでの伸び率が低いことを特徴としており、これは、シースを、縮んでいる位置から若干引き伸ばされた状況まで引っ張り出すことを可能とし、キャップを針の先端部を超えて伸ばすことを可能とする。これにより、キャップ内部にあるバネ式のクリップが、針をスライドして外れ、針が通ったキャップ内の孔を通って、針が再び入ることをブロックすることが可能になる。キャップは、引き伸ばされたシースの力で後退することもできる。
【0007】
米国特許第5,685,860号に記載されているように、他の形式の針アセンブリがキャッピング・デバイスとともに知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、使用済みの針アセンブリのための保護カバー・アセンブリを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、操作が簡単であり、且つ、生検針アセンブリ等での使用が簡単である保護カバー・アセンブリを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、比較的長い針に対応できる保護カバー・アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
手短に言えば、本発明は、既存の針アセンブリに後から取り付けることができる、又は、針アセンブリと一体に製作することができる針アセンブリ用保護カバー・アセンブリを提供する。
【0013】
保護カバー・アセンブリは、スタイレットをカニューレの外の伸張位置と、カニューレの中の後退位置との間に位置付けるために、カニューレとスタイレットが互いに対して移動可能である針アセンブリで使用するように、特に構成されている。
【0014】
米国特許第5,538,010号に記載されているように、ツー・ピース生検針が組織コア標本を得るために一般に採用されており、このツー・ピース生検針は、筒状カニューレと、そのカニューレの中に設置され、カニューレに対して移動可能であるスタイレットとを備えている。スタイレットは、スタイレットの近位先端近くの周囲に、標本用切り欠き部が設けられている。使用時には、生検針が小さな切開部を通して挿入され、生検針の鋭利な先端がサンプルを取りたい所望の組織に入るまで、体内に押し込まれる。処置のこの挿入段階の間、スタイレットは、スタイレットの鋭い先端以外が露出しないように、カニューレの中に位置付け、標本用切り欠き部は、カニューレによって覆われる。器具を所望の組織のところに位置付けたら、スタイレットは、スタイレットの標本用切り欠き部が露出して、軟部組織がその標本用切り欠き部の中へと脱出するように、十分な深さまで組織に押し込まれる。次に、標本用切り欠き部を覆いつつ、脱出した組織の標本を切り取るために、カニューレをスタイレットに沿って前進させる。カニューレが標本用切り欠き部の中に標本をまだ隠している状態で、生検針アセンブリを対象部位から引き抜くことができる。その後、スタイレットの標本用切り欠き部を露出させ、標本用切り欠き部の中に入っている組織標本を入手するために、カニューレをもう一度後退させる。
【0015】
米国特許第5,538,010号にさらに記載されているように、生検針アセンブリの動作、特に、カニューレ及びスタイレットで必要な一連の動きを生むためのカニューレの前後運動を自動化するために、バネ式駆動機構が提供されている。
【0016】
一実施例において、保護カバー・アセンブリは、前述したように、針アセンブリに後から追加するように構成されており、ハブと、ハブから延びる中空管と、ハブに取り付けられ、管を覆うように配置されたキャップとを備えている。
【0017】
保護カバー・アセンブリのハブは、針アセンブリに取り付けるためのアダプターとしての役割を果たす。例えば、ハブは、針アセンブリのハウジングにスナップ式に嵌めることが可能であり、又は、他の方法で取り外し可能に取り付けることも可能である。或いは、保護カバー・アセンブリは、針アセンブリに一体に製造されることも可能である。
【0018】
いずれにしても、ハブは、針アセンブリのカニューレとスタイレットが、滑り嵌め状態で中空管を通って延び、また、ハブに取り付けてあるキャップを通るように、針アセンブリに取り付けられる。保護カバー・アセンブリが所定位置にあると、針アセンブリは、通常の方法で予定の目的に、例えば組織標本を得るために操作することができ、或いは、生検針アセンブリとして使用することもでき、保護カバー・アセンブリが邪魔になることはない。
【0019】
キャップは、針アセンブリのカニューレとスタイレットが通過する孔を備えており、ハブに取り付けられた第1の位置から、ハブから一定の間隔をあけたところにあり、カニューレとスタイレットの先端部に、密封状態で覆うように配置される第2の位置まで、ハブに対して移動可能である。針アセンブリを用いて、分析のための組織標本が得られ、針アセンブリを廃棄する準備ができたら、保護カバー・アセンブリのキャップをハブから手で引っ張って、針アセンブリから延びているカニューレとスタイレットの組み合わせの全長に沿って、カニューレとスタイレットの先端部を覆うまで移動させる。
【0020】
保護カバー・アセンブリは、さらに、キャップの内部に回転可能に取り付けられた1対のフィルム・ロールを有する。これらのフィルム・ロールの各々は、自由端がハブに固定されており、これにより、カニューレとスタイレットの組み合わせの上でキャップをハブから移動させると、細長いフィルムを、針アセンブリから延びるカニューレとスタイレットの組み合わせの両側に位置付けるように、各フィルム・ロールが巻き戻される。本発明によれば、細長いフィルムは、自動的に互いに張り付くように作られている。
【0021】
一実施例では、各フィルム・ロールがポリエステル・フィルム素材から作られており、医療品質の接着剤が一方の側に、他方のフィルム・ロールと向き合う、密封可能な裏張りを形成するように塗られている。
【0022】
2つの細長いフィルムは、互いに固定されると、カニューレ及びスタイレットをしっかりと包装することができる。つまり、カニューレ及びスタイレットは、ハブと、キャップと、互いに固定された細長いフィルムとによって、完全に囲まれる。
【0023】
さらに、2つの細長いフィルムを互いに固定したことが、キャップをカバー・アセンブリのハブに、キャップがハブの方に向かって後退できないように、堅く繋ぎ止めることに役立っている。この点で、2つの細長いフィルムを互いに固定すると、2つの、正反対に配置されていて、外側に向けて延びる2つのフランジを有する管であって、このフランジが、形成された管が曲がることを阻止するような管と同様の断面形状になる。
【0024】
保護カバー・アセンブリには、さらに、カニューレとスタイレットの組み合わせの周りに、2つの細長いフィルムを密封状態で押し合わせる手段が設けられている。一実施例において、この加圧手段は、1対のローラーを含み、この1対のローラーは、キャップの中に、1対のフィルム・ロールよりも下流において、各細長いフィルムを他方の細長いフィルムに押し付けるように、回転可能に取り付けられている。
【0025】
別の実施例では、加圧手段が、キャップの中に取り付けられた少なくとも1つのバネを含み、このバネは、少なくとも1つの細長いフィルムの長手方向に延びる端部を他方の細長いフィルムに押し付けるための1対の枝部分を有する。
【0026】
各フィルム・ロールは、キャップ内で固定軸に回転可能に取り付けられる。或いは、各フィルム・ロールは、キャップ内に、自由に回転できるように取り付けられ、キャップは、キャップが保護カバー・アセンブリのハブから遠ざかるにつれて、フィルムが巻き戻されることが可能な形状に形成されてもよい。
【0027】
保護カバー・アセンブリには、さらに、いったんキャップがカニューレの先端部を越えて所定位置に移動したら、キャップを通るのをカニューレがブロックするための適当な手段が設けられていてもよい。このような手段は、キャップの中に、カニューレが通過する孔の近傍に取り付けられたバネであってもよく、このバネは、カニューレの先端部を越えた所定位置へキャップが移動する間、カニューレと係合し、カニューレに沿ってスライドする1対の弾性足部を有し、1対の弾性足部は、キャップの伸張位置では、カニューレをブロックする配置へ移動可能となっている。
【0028】
キャップは、さまざまな長さの針に張り付けるためのさまざまなサイズのフィルム・ロールを収容することができる。例えば、キャップは、6cmから40cmの長さの針に被せる保護カバーを形成するロールにも対応しうる。
【0029】
別の実施例では、保護カバー・アセンブリが、ハブと、ハブから延びる針とを有する針アセンブリと一体に製作される。この実施例では、保護カバー・アセンブリが、ハブに取り外し可能に取り付けられ、且つ、ハブの上をスライドするように配置されたキャップを有する。キャップは、他の点では、第1の実施例と同じように、1対のフィルム・ロールと、加圧手段とを収容している。加えて、フィルム・ロールの自由端は、キャップを針の上で移動させ、ハブから遠ざけるときに、フィルム・ロールが巻き戻されることができるように、針アセンブリのハブに固定される。
【0030】
本発明のこれら及び他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面とともに考慮することによって、より明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による保護カバー・アセンブリを有する生検針アセンブリの図である。
【
図2】
図1と同様の図であって、本発明による、保護カバー・アセンブリのキャップが伸張位置へ向かって移動している最中の図である。
【
図3】本発明による保護カバー・アセンブリの断面図であって、針アセンブリのカニューレが保護カバー・アセンブリを通過している図である。
【
図4】保護カバー・アセンブリの図であって、アセンブリのキャップが移動している最中の図である。
【
図5】針アセンブリのスタイレットに対する最終的な伸張位置にある保護カバー・アセンブリのキャップの断面図である。
【
図6】本発明による、ハブと、そのハブから延びる針とを有する針アセンブリと一体の保護カバー・アセンブリの図である。
【
図7】針の先端部を覆う保護状態にある
図6の保護カバー・アセンブリの図である。
【
図8】
図6の保護カバー・アセンブリの断面図である。
【
図9】
図7の保護状態にある保護カバー・アセンブリの断面図である。
【
図10】
図6の保護カバー・アセンブリの拡大断面図である。
【
図11】本発明による、2つの細長いフィルムを互いに固定するための加圧手段の部分図である。
【
図12】本発明による、採用されたフィルム・ロールの斜視図である。
【
図13】本発明による、採用された、一部を変更したフィルム・ロールである。
【
図14】一部を変更した加圧手段がある、本発明による保護カバー・アセンブリの断面図である。
【
図15】さらに一部を変更した加圧手段がある、本発明による保護カバー・アセンブリの断面図である。
【
図16】本発明による、各細長いフィルムを他方の細長いフィルムに固定するための加圧手段の別の実施例を示す図である。
【
図18】本発明による、細長いフィルムを押し合わせるための一部を変更したバネを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1及び2を参照すると、従来構造の針アセンブリ10に、本発明による、後から取り付ける保護カバー・アセンブリ11が設けられている。
【0033】
針アセンブリ10は、ハウジング12と、公知の方法でハウジング12から延びている中空カニューレ13と、カニューレ13内を延びているスタイレット14とから構成されている。
【0034】
針アセンブリ10は、カニューレ13とスタイレット14が、カニューレの外の伸張位置と、スタイレットの先端がカニューレ13からわずかに突出する後退位置との間にスタイレット14を位置付けるために、互いに対して移動可能であるように構成されている。この点では、スタイレット14は、米国特許第5,578,030号に記載の方法のように、カニューレ13の中でスライドするように保持してもよいし、或いは、米国特許第5,505,211号に記載の生検針と同様の方法で、標本を得るために、カニューレを不動のスタイレット14上でスライドさせてもよい。さらにまた、針アセンブリ10は、米国特許第5,538,010号に記載のバネ式駆動機構を用いて構成されることも可能である。
【0035】
図1を参照すると、保護カバー・アセンブリ11は、針アセンブリ10のハウジング12に取り付けられたハブ15を有する。この点では、ハブ15は、針アセンブリ10に後から取り付けられるように、ハウジング12にスナップ式に嵌めることが可能であり、他の方法でハウジング12に取り外し可能に取り付けることも可能である。或いは、保護カバー・アセンブリ11が針アセンブリ10のハウジング12と一体に製作されることも可能である。
【0036】
図3を参照すると、保護カバー・アセンブリ11は、中空管16をさらに有し、中空管16は、動かないようにハブ15内に取り付けられており、カニューレ13とスタイレット14(図示せず)が、ハブ15の中を長手方向に延びる状態でハブ15から延びている。この点で、中空管16は、使用時、例えば、米国特許第5,538,010号に記載のように組織標本を得るときに、カニューレ13が保護カバー・アセンブリ11に対して、長手方向に相対移動できるようにする。
【0037】
保護カバー・アセンブリ11はまた、ハブ15に滑り嵌めで取り付けられたキャップ17を有する。図示のように、キャップ17は、拡張部18を有し、拡張部18には、カニューレ13が通過する孔19がある。図示のように、管16は、ハブ15からキャップ17の拡張部18の中へと延びる。
【0038】
図1及び2に示すように、キャップ17は、ハブ15に対して、
図1に示すハブ上の第1の位置から、ハブ15から一定の間隔をあけたところにあり、スタイレット14の先端部が、
図5に図示するように、キャップ内に配置される第2の位置(図示せず)まで、移動可能である。
【0039】
保護カバー・アセンブリ11はまた、キャップ17内に回転可能に取り付けられた1対のフィルム・ロール20、21を有する。各フィルム・ロール20、21は、一方の端部が、フィルムが巻き付けられたスプールに固定されており、また、自由端22、23が、例えばUV接合のような適当な方法でハブ15に固定されていて、各フィルム・ロール20、21が、
図4及び5に示すように、ハブ15上の位置から、ハブ15から一定の間隔をあけた伸張位置までのキャップ17の移動に応じて、巻き戻されるようにしてある。巻き戻されている間、各細長いフィルムは、管16の両側に、そしてそれ故にカニューレ13の両側に位置する。完全に巻き戻されたら、細長いフィルム20、21は、キャップ17がさらに移動するのを止める。この時点で、スタイレット14は、
図5に図示するように、キャップ17の中に置かれている。
【0040】
図3を参照すると、各フィルム・ロール20、21は、ポリエステル・フィルム素材から作られており、密封可能な裏張りが、他方のフィルム・ロール20、21と向き合うように配置されている。フィルム・ロール20、21が巻き戻されるにつれ、向かい合った細長いフィルムは、すぐ近くで向き合うように位置が調整される。
【0041】
各フィルム・ロール20、21は、キャップ17内に自由に動けるように取り付けられている。或いは、各フィルム・ロール20、21は、キャップ17内で固定軸に回転可能に取り付けられた回転軸24、25に取り付けられてもよい。
【0042】
キャップ17はまた、各細長いフィルムをカニューレ13のみならず、他方の細長いフィルムの方へ押し付ける加圧手段を収容している。図示のように、2つの加圧手段は、2つのバネ26によって構成されている。
図18に図示するように、各バネ26は、平坦な取り付け部分27と、曲線部分28とを有し、曲線部分28は、指状に分かれていて、3つの湾曲した枝部分29を形成している。
【0043】
図4に図示されているように、各バネ26の平坦な取り付け部分27は、キャップ17内部の長穴に取り付けられている。さらに、2つの最も外側の枝部分29は、ロール20、21からの細長いフィルムの長手方向に延びる端部を互いに押し付けるために、対向するバネ26に向けてバイアスが掛けられている。最も中央にある枝部分29は、ハブ15から延びている管16に当てるように曲げられている。キャップ17がハブ15から離れると、各バネ26の最も中央にある枝部分29が、細長いフィルムをカニューレ13に押し付ける。
【0044】
図3を参照すると、キャップ17は、ハブ15に、例えば滑り嵌めで取り付けられた第1部分30を含む。さらに、キャップ17は、第1部分30から一定の間隔をあけたとこにあり、2つのロール20、21を収容する部屋を規定する第2部分31を有する。さらに、キャップ17は、第1部分30と第2部分31の間で、第1部分30と第2部分31まで延び、外側の指で摘む面を規定する、内側に湾曲した部分32を有する。
【0045】
図3を参照すると、キャップ17はまた、孔19近傍の凹部に取り付けられたバネ33を有する。このバネ33は、1対の弾性足部34を有し、この1対の弾性足部34は、キャップ17がハブ15に取り付けられたときに、管16と係合する。キャップ17をハブ15から引っ張ると、足部34は、
図4に示すように、カニューレ13の上をスライドする。キャップ17がスタイレット14を越えたところまで引っ張られた後、弾性足部34は、互いに閉じて、スタイレット14をブロックする配置へ移動し、これにより、
図5に示すように、スタイレット14がキャップ17から出ていくことを防止する。
【0046】
図1及び2を参照すると、生検針アセンブリ10を操作して組織標本を取得し、廃棄する準備ができた後、キャップ17は、ハブ15から手で引っ張って、
図2に示すように、露出しているカニューレ13に沿ってスライドさせる。
【0047】
図3、4及び5を参照すると、キャップ17をハブ15から引っ張ると、2つのフィルム・ロール20、21が巻き戻され、2つの細長いフィルムがカニューレ13の全体にわたって使われ、その間、加圧手段26が細長いフィルムの長手方向に延びた端部を押し合わせ、外側を向いたフランジが形成された管を形成する。
【0048】
図5を参照すると、各フィルム20、21は、キャップ17がスタイレット14の尖った先端を通り過ぎることを防止するために、予め定められた長さからなる。したがって、キャップ17がスタイレット14の露出した先端部に達すると、キャップ17の動きが止まり、バネ33の足部34が内側に曲がって、スタイレット14が拡張部18の孔19を通って再び入るのをブロックする。このとき、カニューレ13とスタイレット14は、ハブ15と、キャップ17と、サンドイッチ状に重ね合わせた細長いフィルムとにすっぽりと包まれる。さらに、細長いフィルムがカニューレ13の表面に張り付くようになり、これにより、キャップ17がカニューレ13の上を戻る動きが防止される。
【0049】
同様の参照符号が前述と同様の部分を示す
図6から10を参照すると、別の実施例では、保護カバー・アセンブリ35が、ハブ37を有し、このハブ37からは針又はカニューレ13が延びている針アセンブリ36と一体になっている。
【0050】
図6及び10を参照すると、保護カバー・アセンブリ35は、細長い形状のキャップ38を有し、このキャップ38は、針アセンブリのハブ37にスライド可能に取り付けられている。
【0051】
図10を参照すると、ハブ37は、キャップ38をスライドさせて受けるために、一方の端部の両側に、1対の平坦な外壁部39を有し、また、以下に説明する目的のために、1対の内部凹部40を有する。
【0052】
キャップ38は、1対の平坦な外壁部41(
図7)がある矩形断面部と、矩形断面の一方の端部にある開口端区画42とを有し、開口端区画42は、1対の圧縮ロール43という形態の加圧手段の他に、1対のフィルム・ロール20、21を収容している。キャップ38の反対側端部は拡張部18を有し、拡張部18には、保護カバー・アセンブリ35を取り付ける針アセンブリの形式によるが、カニューレ13又はスタイレット(図示せず)を通過させるための孔19がある。
【0053】
さらに、キャップ38は、前述したようにバネ33(図示せず)を受けるために、小さな区画44を拡張部18の近傍に有し、また、指で摘む面を形成するために、2つの、両側の側面に複数のリブ45を有する。
【0054】
それぞれのロール20、21から延びる各細長いフィルムの自由端は、取り付け具46に留めてあり、取り付け具46は、次に、ハブ37のそれぞれの長穴40に据え付けてある。例えば、各取り付け具46は、細長いフィルムの一端を中に締め付ける折り重ねられた要素という形態をしている。さらに、各取り付け具46は、それぞれの長穴40にプレス嵌めされている。各取り付け具46はまた、任意の適当な方法で長穴40に据え付けることも可能である。
【0055】
各フィルム・ロール20、21は、チャンバー42内の固定軸に、キャップ38の側壁41に回転可能に取り付けられた回転軸によって、又は、各端部で、キャップ38の側壁に回転可能に取り付けられた短軸によって、取り付けられている。
【0056】
各圧縮性ロール43は、キャップ38内の固定軸に、フィルム・ロール20、21と同様の方法で取り付けられている。
【0057】
図10に示すように、各ロール20、21からの細長いフィルムは、それぞれの圧縮性ロール43を廻って反っていて、2つの、向かい合う細長いフィルムは、2つの圧縮性ロール43の間を通るときに、押し合わせられる。通過の際、2つの細長いフィルムの長手方向に延びる端部は、押し合わせられて、互いに固定された細長いフィルムの正反対の側の各々にフランジ47を形成する(
図7参照)。
【0058】
図6及び8を参照すると、使用時には、保護カバー・アセンブリ35が、キャップ38によって、針アセンブリ36のハブ37に、動かないように取り付けられ、針アセンブリ36のカニューレ13(又は針)が保護カバー・アセンブリ35を通って延びる。
【0059】
針アセンブリが予定の目的に使用され、廃棄する、又は、取って置く準備ができたら、キャップ38は、ハブ37から、
図6及び8の位置から
図7及び9の位置まで引っ張られる。この際、フィルム・ロール20、21は巻き戻され、同時に圧縮性ロール43が細長いフィルムを押し合わせて、間にカニューレ13(又はスタイレット)を挟むように、カニューレ13(又はスタイレット)の周りに密着させる。
【0060】
前述のように、各フィルム20、21は、予め定められた長さからなり、キャップ38がカニューレ13の先端部を通り過ぎないようにしている。したがって、
図9に示す位置に達すると、キャップ38の動きが止まり、カニューレ13の先端部がキャップ38の区画42内に位置し、バネ33(図示せず)の弾性足部34に、
図5に示すように、内側に向かってバイアスが掛かり、カニューレ13がキャップ38の拡張部18を通過するのをブロックする。
【0061】
同様の参照符号が前述したのと同様の部分を示す
図11を参照すると、加圧手段は、1対の非圧縮性ロール43’という形態のこともある。
【0062】
フィルムの各ロール20、21は、
図12に示すように、細長いフィルム48を巻き付けた取り付けスリーブ49よりも幅が狭い細長いフィルム48で形成されていてもよいし、又は、
図13に示すように、細長いフィルム50を巻き付けた取り付け回転軸51と同じ幅からなる細長いフィルム50で形成されていてもよい。
【0063】
同様の参照符号が前述したのと同様の部分を示す
図14を参照すると、単一のバネ26を使用して、細長いフィルムの長手方向に延びる端部を押し合わせることもできる。この点で、キャップ38’は、区画42の内部に、開口部53を有する内壁部52を含み、この開口部53を管16が通り、また、2つの細長いフィルムが、ロール20、21から、この開口部に通されている。
【0064】
図示のように、単一のバネ26は、壁部52に、枝部分29が壁部52の開口部53の中へと突出した状態で取り付けられている。
【0065】
示されているように、ロール20、21からの細長いフィルムの自由端は、ハブ37の長穴40に据え付けた取り付け具46に固定されている。取り付け具46とロール20、21との間の各細長いフィルムの全長は、壁部52の開口部53を通るために反っており、且つ、カニューレ13と壁部52の間に位置している。最も下の細長いフィルムは、バネ26の弾性のある枝部分29が、最も下の細長いフィルムを最も上の細長いフィルムに押し付ける状態で、バネ26に支えられている。
【0066】
組み立ての際は、各フィルム・ロールをカニューレ13に予め装着してから、キャップ38に落とし入れる。そして、キャップの一部を形成するカバーが、内部のローラー及びバネを覆うために溶接される。
【0067】
キャップ38’をハブ36からスライドさせて外すと、フィルムのロール20、21が巻き戻される。この際に、キャップ38’の壁部52がカニューレ13に沿って移動するにつれ、バネ26が最も下の細長いフィルムを最も上の細長いフィルムに押し付け、フィルムの長手方向に延びた端部を互いに固定する。
【0068】
同様の参照符号が前述したのと同様の部分を示す
図15を参照すると、キャップ38’’は、拡大開口部53’’がある内壁部52’’を有し、1対のバネ26が、対向するフィルムの長手方向に延びる端部を、
図3の実施例のような方法で、押し合わせるのに使用されている。
【0069】
図16を参照すると、
図11に示した場合のように、バネ26の最も外側の枝部分29が、2つの細長いフィルムの長手方向側部を押し合わせ、フランジ47を形成するために、弾性的に反っている。
【0070】
同様な参照符号が前述したのと同様な部分を示す
図17を参照すると、加圧バネ26’’を、中央枝部分29’’が最も外側の枝部分29に対して短くなるように修正して、カニューレ(図示せず)の上を通過できるようにしてもよい。
【0071】
このように、本発明は、生検針のような針アセンブリを使用してから廃棄するときに、針アセンブリの先端部を閉じこめるために、針アセンブリに後から付けることができる、或いは、ハブを有し、そのハブから針が延びている針アセンブリと一体化してもよい、保護カバー・アセンブリを提供する。
【0072】
この保護カバー・アセンブリは、突出している針(又はカニューレ)の直径がさまざまである他に、突出している針の長さがさまざまである針アセンブリで使用できるように、万能に構成されている。