(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748725
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ゲームシステム又はゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20150625BHJP
A63F 13/33 20140101ALI20150625BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20150625BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/33
A63F13/822
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-234128(P2012-234128)
(22)【出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2014-83209(P2014-83209A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2012年10月25日
【審判番号】不服2014-16377(P2014-16377/J1)
【審判請求日】2014年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安次嶺 佑太
(72)【発明者】
【氏名】浅野 智也
(72)【発明者】
【氏名】山中 譲児
【合議体】
【審判長】
吉村 尚
【審判官】
山本 一
【審判官】
黒瀬 雅一
(56)【参考文献】
【文献】
”ファイナルファンタジー ブリゲイド”,”■ファイナルファンタジー ブリゲイドのはじめかた”の項,[online],2012年5月25日,株式会社スクウェア・エニックス,<URL:http://blog.jp.square−enix.com/ff_b/2012/05/>
【文献】
ブレイブリーデフォルト,WEEKLYファミ通 No.1244,株式会社エンターブレイン,2012年10月4日,第27巻第42号通巻1244号,第64−71頁
【文献】
ブレイブリーデフォルト,ファミ通DS+Wii,株式会社エンターブレイン,2012年10月20日,第14巻第12号通巻162号,第53頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/12
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムであって、
プレイヤのクライアント装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、
実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、所定のアクションを実行するアクション実行手段と、
ポイント減算手段により減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と、
アクションポイントの貯蓄要求を受け付けるポイント貯蓄要求受付手段と、
ポイント貯蓄要求受付手段によりアクションポイントの貯蓄要求を受け付けると、アクションポイントを貯蓄させるポイント貯蓄手段とを備え、
アクション実行手段は、ポイント貯蓄要求受付手段により貯蓄要求を受け付けてから所定の時間が経過するまでは、所定のアクションの実行を不可とする
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段とを備え、
アクション実行手段が、さらに、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するものであり、
ポイント回復手段が、さらに、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるものであることを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムであって、
プレイヤのクライアント装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、
実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合、または、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するアクション実行手段と、
ポイント減算手段により減算されたアクションポイント及び前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と
を有する
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
ポイント回復手段が、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを優先して回復させる
ことを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム進行方法であって、
クライアント装置にて、
プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付けるステップと、
所定のアクションの実行要求をサーバ装置に送信するステップと、
プレイヤの入力装置への操作指示によりアクションの実行を可能とするアクションポイントの貯蓄要求を受け付けるステップと、
アクションポイントの貯蓄要求をサーバ装置に送信するステップと
を備え、
サーバ装置にて、
所定のアクションの実行要求をクライアント装置から受信するステップと、
所定のアクションの実行要求を受信し、アクションポイントが残っている場合に、アクションポイントを減算し、所定のアクションを実行するステップと、
減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるステップと、
アクションポイントの貯蓄要求をクライアント装置から受信するステップと、
アクションポイントの貯蓄要求を受信すると、アクションポイントを貯蓄させるステップとを備え、
貯蓄要求の受信に応じて所定の時間の間、所定のアクションを実行するステップにおける所定のアクションの実行を不可とする
ことを特徴とするゲーム進行方法。
【請求項6】
サーバ装置にて、
アクションポイントが残っていない場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付けるステップと、
アクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するステップと、
前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるステップとを備える
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム進行方法。
【請求項7】
クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム進行方法であって、
クライアント装置にて、
プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付けるステップと、
所定のアクションの実行要求をサーバ装置に送信するステップと、
プレイヤの入力装置への操作指示によりアクションの実行を可能とするアクションポイントの前借り要求を受け付けるステップと、
アクションポイントの前借り要求をサーバ装置に送信するステップと
を備え、
サーバ装置にて、
所定のアクションの実行要求をクライアント装置から受信するステップと、
所定のアクションの実行要求を受信し、アクションポイントが残っている場合に、アクションポイントを減算するステップと、
所定のアクションの実行要求を受信し、記憶手段に記憶されたアクションポイントが残っていない場合に、アクションポイントの前借り要求を受信するステップと、
アクションポイントが残っている場合、または、アクションポイントの前借り要求を受信した場合に、アクションを実行するステップと、
減算されたアクションポイント及び前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるステップと
を有する
ことを特徴とするゲーム進行方法。
【請求項8】
アクションポイントの回復は、前借りをしたアクションポイントを優先して回復させる
ことを特徴とする請求項7に記載のゲーム進行方法。
【請求項9】
入力装置と表示装置を備えるゲーム装置であって、
プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、
実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、所定のアクションを実行するアクション実行手段と、
ポイント減算手段により減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と、
アクションポイントの貯蓄要求を受け付けるポイント貯蓄要求受付手段と、
ポイント貯蓄要求受付手段によりアクションポイントの貯蓄要求を受け付けると、アクションポイントを貯蓄させるポイント貯蓄手段とを備え、
アクション実行手段は、ポイント貯蓄要求受付手段により貯蓄要求を受け付けてから所定の時間が経過するまでは、所定のアクションの実行を不可とする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段とを備え、
アクション実行手段が、さらに、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するものであり、
ポイント回復手段が、さらに、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるものであることを特徴とする請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
入力装置と表示装置を備えるゲーム装置であって、
プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、
実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段と、
ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合、または、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合に、アクションを実行するアクション実行手段と、
ポイント減算手段により減算されたアクションポイント及び前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と
を有する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項12】
ポイント回復手段が、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを優先して回復させる
ことを特徴とする請求項11に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空き時間をより有効に活用しながらゲームを進めることができ、且つ、どのように時間を活用してゲームを進めると有利なゲーム運びができるかといった戦略性をプレイヤに要求することのできるゲームシステム又はゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム専用のソフトウェアを利用する必要がなく、インターネット上でウェブブラウザを利用してゲームをプレイできるブラウザゲームが楽しまれている(例えば、特許文献1参照)。ウェブブラウザを利用して気軽にゲームを行うことのできるという特性から、インターネット上で他のウェブサイトを閲覧している合間、又は、他のソフトウェアでゲームとは異なる作業をしている合間、或いは、家事や勉強などをしている合間の時間を利用して、ゲームが楽しめるようになっているものも数多く存在する。
【0003】
例えば、ゲーム進行時に、時間の経過とともに所定のアクションを実行するために必要とされるポイントが貯まっていき、アクションの実行によりポイントが消費されるようなゲームが存在する。このようなゲームの場合、アクションを実行してポイントを消費してしまうと、次にアクションを実行できるようになるまで、数分から数十分、或いは、数時間も待たなければならない場合がある。そのため、ゲームの進行上、アクションを実行したいタイミングであるにもかかわらずポイントが足りずに断念せざるを得ない場合が発生することがある。
【0004】
或いは、現時点ではポイントが上限値まで回復していて、今ポイントを消費してアクションを実行しても、その後にポイントを回復させる時間が十分にあるにもかかわらず、しばらくの間、席を外すため、ゲームをプレイすることができない、又は、現時点でアクションを実行する予定がないといった状況で、ポイントを有効に活用できない場合がある。
【0005】
このように、プレイヤがゲームをプレイできる時間と、アクションを実行したいと考えるタイミングが合致しておらず、空き時間を有効に活用しながらゲームを進めることができない場合、ゲームのプレイ時間に比べ、待ち時間だけが必要以上に長くなってしまうため、ゲームの面白みを欠く原因にもなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−86293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、空き時間をより有効に活用しながらゲームを進めることができ、且つ、どのように時間を活用してゲームを進めると有利なゲーム運びができるかといった戦略性をプレイヤに要求することのできる、趣向性が向上したゲームシステム又はゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムであって、プレイヤのクライアント装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、所定のアクションを実行するアクション実行手段と、ポイント減算手段により減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と、アクションポイントの貯蓄要求を受け付けるポイント貯蓄要求受付手段と、ポイント貯蓄要求受付手段によりアクションポイントの貯蓄要求を受け付けると、アクションポイントを貯蓄させるポイント貯蓄手段とを備え、アクション実行手段は、ポイント貯蓄要求受付手段により貯蓄要求を受け付けてから所定の時間が経過するまでは、所定のアクションの実行を不可とすることを特徴とするゲームシステムに関する。
【0009】
本発明では、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段とを備え、アクション実行手段は、さらに、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するものであり、ポイント回復手段は、さらに、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるものであることが好ましい。
【0010】
本発明は、クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムであって、プレイヤのクライアント装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合、または、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するアクション実行手段と、ポイント減算手段により減算されたアクションポイント及び前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段とを有することを特徴とするゲームシステムに関する。
【0011】
本発明では、ポイント回復手段は、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを優先して回復させることが好ましい。
【0012】
本発明は、クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム進行方法であって、クライアント装置にて、プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付けるステップと、所定のアクションの実行要求をサーバ装置に送信するステップと、プレイヤの入力装置への操作指示によりアクションの実行を可能とするアクションポイントの貯蓄要求を受け付けるステップと、アクションポイントの貯蓄要求をサーバ装置に送信するステップとを備え、サーバ装置にて、所定のアクションの実行要求をクライアント装置から受信するステップと、所定のアクションの実行要求を受信し、アクションポイントが残っている場合に、アクションポイントを減算し、所定のアクションを実行するステップと、減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるステップと、アクションポイントの貯蓄要求をクライアント装置から受信するステップと、アクションポイントの貯蓄要求を受信すると、アクションポイントを貯蓄させるステップとを備え、貯蓄要求の受信に応じて所定の時間の間、所定のアクションの実行を不可とすることを特徴とするゲーム進行方法に関する。
【0013】
本発明では、アクションポイントが残っていない場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付けるステップと、アクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するステップと、前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるステップとを備えることが好ましい。
【0014】
本発明は、クライアント装置と、通信回線を介してクライアント装置と接続が可能なサーバ装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム進行方法であって、プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付けるステップと、所定のアクションの実行要求をサーバ装置に送信するステップと、プレイヤの入力装置への操作指示によりアクションの実行を可能とするアクションポイントの前借り要求を受け付けるステップと、アクションポイントの前借り要求をサーバ装置に送信するステップとを備え、サーバ装置にて、所定のアクションの実行要求をクライアント装置から受信するステップと、所定のアクションの実行要求を受信し、アクションポイントが残っている場合に、アクションポイントを減算するステップと、所定のアクションの実行要求を受信し、記憶手段に記憶されたアクションポイントが残っていない場合に、アクションポイントの前借り要求を受信するステップと、アクションポイントが残っている場合、または、アクションポイントの前借り要求を受信した場合に、アクションを実行するステップと、減算されたアクションポイント及び前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるステップとを有することを特徴とするゲーム進行方法に関する。
【0015】
本発明では、アクションポイントの回復は、前借りをしたアクションポイントを優先して回復させることが好ましい。
【0016】
本発明は、入力装置と表示装置を備えるゲーム装置であって、プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、所定のアクションを実行するアクション実行手段と、ポイント減算手段により減算されたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段と、アクションポイントの貯蓄要求を受け付けるポイント貯蓄要求受付手段と、ポイント貯蓄要求受付手段によりポイント貯蓄要求を受け付けると、アクションポイントを貯蓄させるポイント貯蓄手段とを備え、アクション実行手段は、ポイント貯蓄要求受付手段により貯蓄要求を受け付けてから所定の時間が経過するまでは、所定のアクションの実行を不可とすることを特徴とするゲーム装置に関する。
【0017】
本発明では、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段とを備え、アクション実行手段は、さらに、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合にアクションを実行するものであり、ポイント回復手段は、さらに、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを時間の経過に応じて回復させるものであることが好ましい。
【0018】
本発明は、入力装置と表示装置を備えるゲーム装置であって、プレイヤの入力装置への操作指示により所定のアクションの実行要求を受け付ける実行要求受付手段と、実行要求受付手段により所定のアクションの実行要求を受け付けると、アクションの実行を可能とするアクションポイントが残っているか否かを判定するポイント判定手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合に、アクションポイントを減算するポイント減算手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていないと判定された場合に、アクションポイントの前借り要求を受け付ける前借要求受付手段と、ポイント判定手段によりアクションポイントが残っていると判定された場合、または、前借要求受付手段によりアクションポイントの前借り要求を受け付けた場合に、アクションを実行するアクション実行手段と、ポイント減算手段により減算されたアクションポイント及び前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを、時間の経過に応じて回復させるポイント回復手段とを有することを特徴とするゲーム装置に関する。
【0019】
本発明では、ポイント回復手段は、前借要求受付手段により前借りをしたアクションポイントを優先して回復させることが好ましい。
【0020】
本発明はブラウザゲームのようなオンラインゲームのみに適用されるわけではなく、スタンドアローン型のゲーム装置においても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかるデフォルト処理のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる攻撃の実行処理のフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる攻撃ポイントの回復処理のフローチャートである。
【
図9】本発明の実施の形態にかかるプレイヤ管理テーブルの一例である。
【
図10】本発明の実施の形態にかかるポイント管理テーブルの一例である。
【
図11】本発明の実施の形態にかかるポイント表示ウィンドウの例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるゲームシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、ゲームシステムは、複数のプレイヤ(プレイヤA、B・・・Z)によって操作される複数のクライアント装置1(クライアント装置1a、1b・・・1z)と、サーバ装置3と、通信ネットワーク2とから構成される。クライアント装置1は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続されている。なお、クライアント装置1はサーバ装置3と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0023】
クライアント装置1a〜1zはサーバ装置3に接続し、プレイヤは、クライアント装置1毎に割り当てられたプレイヤキャラクタを操作することで、同じゲームをプレイすることが可能である。多くのゲームでは、クライアント装置1毎に、少なくとも1つのプレイヤキャラクタが割り当てられており、プレイヤは各クライアント装置1を操作することで、プレイヤキャラクタの移動や攻撃などの行動を制御する。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態にかかるクライアント装置の構成を示すブロック図である。クライアント装置1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、ハードディスク・ドライブ(HDD)13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、DVD/CD−ROMドライブ16、通信インターフェイス17、及びインターフェイス部18からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0025】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。制御部11は、HDD13や記録媒体25に格納されたプログラムを実行し、クライアント装置1の制御を行なう。また、制御部11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアである。HDD13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0026】
DVD/CD−ROMドライブ16は、DVD−ROMやCD−ROMなどのゲームプログラムが格納された記録媒体25を装着することが可能である。記録媒体25には、ゲームを行なうためのプログラム及びデータが記憶されている。DVD/CD−ROMドライブ16により、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータが記録媒体25から読み出され、RAM12にロードされる。
【0027】
制御部11は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力し、描画命令をグラフィック処理部15に出力する。
【0028】
サウンド処理部14は、スピーカーであるサウンド出力装置22に接続されている。制御部11がサウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力すると、サウンド処理部14はサウンド出力装置22にサウンド信号を出力する。
【0029】
グラフィック処理部15は表示装置23に接続されている。表示装置23は表示画面24を有している。制御部11が描画命令をグラフィック処理部15に出力すると、グラフィック処理部15は、フレームメモリ(フレームバッファ)19に画像を展開し、表示画面24上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィック処理部15は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。
【0030】
インターフェイス部18には入力部21(例えば、マウスやキーボード等)が接続されている。また、インターフェイス部18にはメモリーカードスロット20が接続されていてもよい。プレイヤによる入力部21からの入力情報はRAM12に格納され、制御部11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。また、インターフェイス部18は、制御部11からの指示にしたがって、RAM12に記憶されているゲームの進行状況に関するデータをメモリーカード27に記憶させる処理や、メモリーカード27に記憶されているデータを読み出してRAM12に転送する処理を行う。
【0031】
通信インターフェイス17は無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、ウェブブラウザを介して、サーバ装置3との間で情報の送受信を行う。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部31、RAM32、HDD33及び通信インターフェイス34を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0033】
制御部31は、CPUやROMから構成され、HDD33に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置3の制御を行なう。また、制御部31は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM32は、制御部31のワークエリアである。HDD33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM32から読み出し、クライアント装置1から受信した操作指示情報をもとに、ゲームの進行処理を行う。
【0034】
次に、本発明の概要について、説明をする。例えば、多数のプレイヤが参加し、協力又敵対しながら進めるゲームであって、敵領地を攻撃して、敵キャラクタとの戦闘に勝利することで、その敵領地を自分の領地として、より多くの領地を獲得することを目的とするゲームについて、本発明を適用する場合について説明する。この場合において、敵領地を攻撃するためには、プレイヤに付与されたアクションポイント(ここでは、攻撃ポイント)を消費することが必要となる。敵領地を攻撃するたびに、攻撃ポイントは消費され、攻撃ポイントがなくなると、敵領地に攻撃をすることができなくなる。ただし、消費された攻撃ポイントは時間の経過とともに回復するため、攻撃ポイントが回復した後は、再度、敵領地へ攻撃することが可能となる。
【0035】
このような場合に、ゲームの進行状況などから、プレイヤにとって、今すぐに敵領地へ攻撃するつもりはないが、数時間後にできるだけ多くの敵領地を攻撃したいといったような状況が発生する場合がある。例えば、多人数参加型のブラウザゲームでは、自らと同盟を結ぶ仲間のプレイヤが揃った段階で、多数回の攻撃を協力して実行したいといった場合がある。また、ゲームを一旦中断するような場合に、次に再開するまでに、十分に攻撃ポイントを貯めておきたい場合もある、このような場合に、所定の時間が経過するまで、敵領地を攻撃することができなくなるという条件と引き換えに、攻撃ポイントを貯めておくことができる。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。より具体的には、攻撃ポイントを貯蓄する「デフォルト」機能を利用する際の表示画面の一例である。プレイヤが入力部21を操作して、クライアント装置1の表示画面24上の「デフォルト」ボタン41を選択すると、デフォルト指定ウィンドウ40が表示される。デフォルト指定ウィンドウ40には、攻撃ポイントを貯蓄した際のポイントの変化と、貯蓄できる残り回数などが表示される。
【0037】
デフォルトは、攻撃ポイントを上限値以上に貯めることが出来るものである。デフォルトを1回行う度に30分間は攻撃ポイントを消費する行動を実行することができなくなり、その結果として、攻撃ポイントを1ポイント貯めることができる。1日のうちに指定できるデフォルト回数は上限が設けられており、例えば1日4回が上限の場合は、合計2時間、攻撃の実行ができなくなるが、4ポイントの攻撃ポイントを貯めることが可能である。
【0038】
プレイヤは入力部21により、プルダウンメニュー42で選択することのできる「1〜4」のいずれかの数字を選択することで、デフォルト回数を指定し、そして、デフォルト決定ボタン43を選択することで、デフォルト要求をクライアント装置1からサーバ装置3へ送信することができる。デフォルト要求が送信されると、指定したデフォルト回数に応じた所定の時間が経過するまでは、攻撃の実行ができなくなるが、所定の時間の経過後、指定した回数に応じた攻撃ポイントが、通常の攻撃ポイントの上限値を超えて加算される。なお、デフォルト指定ウィンドウ40にて、閉じるボタン44を選択した場合は、もとのゲーム画面へ戻ることができる。
【0039】
ゲーム進行時に、時間の経過とともに所定のアクションを実行するために必要とされるアクションポイントが貯まっていき、アクションの実行によりアクションポイントが消費されるようなゲームの場合、通常は、所定の上限値よりもアクションポイントを貯めることができない。このため、現時点ではポイントが上限値まで回復していて、しばらくの間、席を外すため、ゲームをプレイすることができない、又は、現時点でアクションを実行する予定がないといった状況で、ポイントを有効に活用できない場合がある。しかし、本発明では、所定の時間アクションを実行しないことを条件にして、アクションポイントを別途、貯めることができる。これにより、プレイヤはゲームを中断している時間や、アクションを実行するためのタイミングを待っている時間などを活用して、アクションポイントを貯めて、必要なタイミングで、アクションポイントを使用することが可能となる。
【0040】
また、本発明では、敵領地への攻撃の実行により攻撃ポイントが消費され、全ての攻撃ポイントを消費してしまったときにでも、攻撃ポイントが回復して使用できるようになるまでの時間が長くなることを前提に、攻撃ポイントを前借りすることができる。そのため、攻撃を実行するのに最適なタイミングを逃すことなく、ゲームを進めることができる。
【0041】
図5は、本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。より具体的には、攻撃ポイントを前借りする「ブレイブ」機能を利用する際の表示画面の一例である。攻撃ポイントを全て消費して「0ポイント」となった状態で、敵領地への攻撃をするように、プレイヤが入力部21へ操作指示すると、ブレイブ決定ウィンドウ50が表示される。ブレイブは、攻撃ポイントを全て消費していても、攻撃を追加で実行することができるもので、ブレイブを1回行う度に、1回だけ攻撃を実行することができるが、攻撃ポイントの回復が30分間遅れることになる。1日のうちに利用できるブレイブ回数は上限が設けられており、例えば1日4回が上限の場合は、合計2時間、攻撃ポイントの回復が遅くなる。
【0042】
プレイヤが入力部21を操作してブレイブ決定ボタン51を選択すると、クライアント装置1からサーバ装置3へブレイブ要求が送信され、敵領地への攻撃が実行される。ブレイブにより攻撃が実行されると、通常は、0以上の値であるはずの攻撃ポイントが、前借りのためにマイナスの状態となっている。まずは、時間の経過とともに、ブレイブにより前借りをした攻撃ポイントが回復し、つまり、マイナスの状態からゼロとなるまで回復し、その後、さらに、時間の経過に応じて、プラスの攻撃ポイントが回復することで、通常通りの攻撃の実行が可能となる。なお、ブレイブ決定ウィンドウ50において、閉じるボタン52を選択した場合は、攻撃が実行されずに、もとのゲーム画面へ戻ることができる。
【0043】
ゲーム進行時に、アクションの実行によりアクションポイントが消費されるようなゲームの場合、アクションポイントを全て消費してしまったときに、それ以上のアクションの実行ができない。このためアクションを実行すればゲームをより優位に進めることができるという状況であっても、通常は、断念せざるを得なかった。一方で、アクションの実行可能な回数を増加させるべく、アクションポイントを増加させることはゲームの趣向性を低下させることになる。本発明では、このような状況のときに、次に、アクションポイントが回復して使用できるようになるまでの時間が長くなることを前提に、アクションポイントを前借りすることができる。したがって、アクションポイントを増加させることなく、且つアクションを実行するのに最適なタイミングを逃すことなく、ゲームを進めることが可能となる。
【0044】
次に、本発明におけるデフォルト処理(ポイントの貯蓄処理)について説明する。
図6は、本発明の実施の形態にかかるポイントのデフォルト処理のフローチャートである。まず、ゲームの進行中において、
図4に示す表示画面にてデフォルトの利用を決定することで、デフォルト要求がクライアント装置1にて受け付けられる(ステップS101)。受け付けられたデフォルト要求は、クライアント装置1からサーバ装置3へ送信される(ステップS102)。
【0045】
次に、サーバ装置3にてクライアント装置1からのデフォルト要求を受信する(ステップS103)と、
図9に示すプレイヤ管理テーブル60が参照され、デフォルトの利用制限を超えているか否かの判定が行われる(ステップS104)。プレイヤ管理テーブル60は、サーバ装置3のRAM32に設定されるもので、その日に実行されたデフォルト回数61が記憶されている。例えば、デフォルト要求は1日4回までと定められており、その制限を超えている場合は、日付が変わるまで、デフォルトをすることができない。
【0046】
デフォルト要求の利用制限を超えていると判定された場合は(ステップS104にてYES)、攻撃ポイントのデフォルトができないことがクライアント装置1にて表示され、処理は終了する。一方、デフォルト要求の利用制限を超えていないと判定された場合は(ステップS104にてNO)、プレイヤ管理テーブル60において、アクション不可フラグ63が設定され(ステップS105)、デフォルト要求を受信してからの経過時間の計時が開始される(ステップS106)。プレイヤ管理テーブル60にて、経過時間64が管理される。
【0047】
次に、時間が経過して、サーバ装置3にてデフォルト要求を受信してからの経過時間64が所定の時間に到達する(ステップS107)と、プレイヤ管理テーブル60のアクション不可フラグ63の設定が解除され(ステップS108)、計時が終了される(ステップS109)。そして、
図10に示すポイント管理テーブル70において、デフォルトによる攻撃ポイント72(デフォルトポイントともいう)が加算されて(ステップS110)、攻撃ポイントのデフォルト処理は終了する。ポイント管理テーブル70は、サーバ装置3のRAM32に設定されるもので、通常の時間に応じて回復する攻撃ポイント71と、デフォルトポイント72が記憶されている。加算されたデフォルトポイント72については、プレイヤが希望する任意のタイミングで使用することができる。
【0048】
次に、本発明における攻撃処理およびブレイブ処理(ポイントの前借り処理)について説明する。
図7は、本発明の実施の形態にかかる攻撃の実行処理のフローチャートである。まず、ゲームの進行中において、プレイヤの入力部21への操作指示による攻撃の実行要求がクライアント装置1にて受け付けられる(ステップS201)。受け付けられた攻撃の実行要求は、クライアント装置1からサーバ装置3へ送信される(ステップS202)。
【0049】
サーバ装置3にてクライアント装置1からの攻撃の実行要求を受信する(ステップS203)と、プレイヤ管理テーブル60のアクション不可フラグ63が設定されているか否かの判定が行われる(ステップS204)。アクション不可フラグ63が設定されている場合は(ステップS204にてYES)、デフォルトポイント72を貯めている最中であり、攻撃を実施することができないため、クライアント装置1の表示画面24にて攻撃を実施することができない旨の表示がされ、処理は終了する。
【0050】
アクション不可フラグ63が設定されていない場合は(ステップS204にてNO)、ポイント管理テーブル70を参照し、通常の攻撃ポイント71又はデフォルトポイント72が残っているか否かの判定が行われる(ステップS205)。通常の攻撃ポイント71又はデフォルトポイント72が残っていると判定された場合(ステップS205にてYES)は、ポイント管理テーブル70にて攻撃ポイントが減算され(ステップS213)、敵領地への攻撃が実行される(ステップS214)ことで、攻撃の実行処理が終了する。なお、ステップS213において、攻撃ポイントを減算する場合は、通常の攻撃ポイントに優先して、デフォルトポイント72が減算される。
【0051】
一方、攻撃の実行に必要な攻撃ポイントが残っていないと判定された場合(ステップS205にてNO)は、プレイヤ管理テーブル60が参照され、ブレイブの利用制限を超えているか否かの判定が行われる(ステップS206)。プレイヤ管理テーブル60には、ブレイブ回数62が記憶されている。例えば、ブレイブ要求は1日4回までと定められており、その制限を超えている場合は、日付が変わるまで、攻撃ポイントの前借りをすることができない。
【0052】
ブレイブの利用制限を超えていると判定された場合は(ステップS206にてYES)、ブレイブができないことがクライアント装置1にて表示され、処理は終了する。一方、ブレイブの利用制限を超えていないと判定された場合(ステップS206にてNO)は、ブレイブの利用が可能である旨の通知がサーバ装置3からクライアント装置1へ送信される(ステップS207)。
【0053】
クライアント装置1でブレイブの利用が可能である旨の通知を受信すると(ステップS208)、クライアント装置1にて、
図5に示すように、表示画面24にブレイブの利用をするか否かの選択画面が表示される(ステップS209)。プレイヤが入力部21への操作指示によりブレイブの利用を選択して、ブレイブ要求が受付けられると(ステップS210)、サーバ装置3へブレイブ要求が送信される(ステップS211)。
【0054】
サーバ装置3にて、クライアント装置1からのブレイブ要求を受信すると(ステップS212)、ポイント管理テーブル70にて攻撃ポイント71が減算され(ステップS213)、敵領地への攻撃が実行される(ステップS214)ことで、攻撃処理が終了する。ステップS213におけるブレイブ要求による攻撃ポイントの減算は、通常の攻撃ポイント71が負の値をとるように減算される。
【0055】
次に、サーバ装置3にて実行される攻撃ポイントの回復処理について、説明する。
図8は、本発明の実施の形態にかかる攻撃ポイントの回復処理のフローチャートである。ステップS214により、敵領地への攻撃が実行され、攻撃ポイントが消費されると、計時が開始される(ステップS301)。攻撃ポイントが消費されてからの経過時間64は、プレイヤ管理テーブル60にて管理される。攻撃ポイントを回復させるのに必要な予め定められた所定の時間が経過すると(ステップS302)、ポイント管理テーブル70の通常の攻撃ポイント71が回復する(ステップS303)。例えば、30分ごとに通常の攻撃ポイント71が1ポイントずつ回復する。ブレイブの利用により、通常の攻撃ポイント71がマイナスの値となっている場合は、ゼロに近づくよう回復する。
【0056】
続いて、ポイント管理テーブル70の通常の攻撃ポイント71が、予め定められた上限値まで回復したか否かが判定され(ステップS304)、上限値まで攻撃ポイント71が回復している場合は(ステップS304にてYES)、攻撃ポイントの回復処理は終了する。一方、上限値まで攻撃ポイント71が回復していない場合は(ステップS304にてNO)、ステップS301に戻り、攻撃ポイント71が上限値となるまで回復処理は継続される。
【0057】
ところで、
図4及び
図5に示すように、本発明の実施の形態にかかる表示画面24では、その左上側にポイントの状況を示すポイント表示ウィンドウ80が設けられている。
図11は、本発明の実施の形態にかかるポイント表示ウィンドウの例である。BP81は通常の攻撃ポイント71に対応するもので、DF82はデフォルトポイント72に対応するものである。BP81、DF82と表示された右側に表示された1桁の整数83は、それぞれのポイントの値であり、さらにその右側に表示されている長方形のポイントブロック84は、1つのブロックで1ポイントと対応する。さらに、ポイントブロック84の右側に表示されている時間85は、攻撃ポイントが回復するまでの時間であるり、デフォルトポイントの場合は、攻撃ポイントの貯蓄が完了して、攻撃の実行が可能となるまでの時間である。
【0058】
図11(a)では、通常の攻撃ポイント71がプラスであり、デフォルトポイント72を貯蓄している状態を表す図である。ポイントブロック84aは通常の攻撃ポイント71の上限値と同じ数のブロックが設けられており、通常の攻撃ポイント71が上限値まで貯まると、全てが緑色で表示される。攻撃ポイント71が消費されることで、ポイントブロック84aが右から順に1つずつ灰色で表示されることになる。ポイントブロック84bは、デフォルトポイント72が増加するごとに、そのブロックの数が1つずつ増加するものである。
【0059】
図11(b)では、ブレイブの利用により、通常の攻撃ポイント71がマイナスの状態を表す図である。ポイントブロック84aは全て灰色で表示されている。デフォルトポイント72が「0」である場合は、対応するポイントブロックは表示されない。また、BP81の右側に表示される整数83も負の値で表示されている。時間の経過とともに、攻撃ポイントの前借り分がなくなることで、整数83は「0」となり、さらに、時間が経過して正の値となった場合に、攻撃の実行が可能となる。
【0060】
上の実施の形態では、通常の攻撃ポイントの回復も、ブレイブによる前借りをした攻撃ポイントの回復も、同じ時間の長さで回復することとしたが、例えば、ブレイブによる前借りをした攻撃ポイントの回復の方が、通常の攻撃ポイントの回復よりも遅くなるなどのペナルティを設けることも可能である。
【0061】
上の実施の形態では、所定のアクション(攻撃)を実行するごとに、1ポイントのアクションポイントが消費される場合を例にあげて説明したが、複数ポイントのアクションポイントが消費されるような構成とすることもできる。また、アクションの種類によって、消費されるポイントの値を変えるような構成とすることもできる。
【0062】
上の実施の形態では、アクションポイントを消費するアクションとして「攻撃」を例にあげて説明したが、これに特に限定されるわけではなく、ゲームの内容に応じて、適宜、選択することが可能である。例えば、プレイヤキャラクタがマス目上を移動して、ゲームを進行するようなゲームであれば、プレイヤキャラクタの隣接するマス目への「移動」や離れたマス目への「ワープ」を行うごとにアクションポイントを消費するような構成とすることもできる。或いは、プレイヤキャラクタの体力(ヒットポイント)や魔力(マジックポイント)を回復させる「回復」を行うごとにアクションポイントを消費するような構成とすることもできる。
【0063】
上の実施の形態では、主に、ブラウザゲームに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はブラウザゲームのみに適用されるわけではなく、スタンドアローン型のゲーム装置においても適用することが可能である。スタンドアローン型のゲーム装置に適用する場合は、デフォルト処理、攻撃の実行処理及びブレイブ処理、攻撃ポイントの回復処理等の全ての処理は、ゲーム装置の制御部にて実行される。
【0064】
1 クライアント装置
11 制御部
12 RAM
13 HDD
14 サウンド処理
15 グラフィック処理部
16 DVD/CD−ROMドライブ
17 通信インターフェイス
18 インターフェイス部
19 フレームメモリ
20 メモリーカードスロット
21 入力部
22 スピーカー
23 表示装置
24 表示画面
25 記録媒体
26 アンテナ
27 メモリーカード
2 通信ネットワーク
3 サーバ装置
31 制御部
32 RAM
33 HDD
34 通信インターフェイス
40 デフォルト指定ウィンドウ
50 ブレイブ決定ウィンドウ
60 プレイヤ管理テーブル
70 ポイント管理テーブル