特許第5748794号(P5748794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748794
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】吸収式ヒートポンプの動作方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 15/00 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   F25B15/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-45567(P2013-45567)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2013-185815(P2013-185815A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2013年4月1日
(31)【優先権主張番号】12158550.9
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512266187
【氏名又は名称】エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Evonik Industries AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マーク−クリストフ シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ ツェーナッカー
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ザイラー
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102010027914(DE,A1)
【文献】 特表2007−538222(JP,A)
【文献】 特開2002−195682(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/093455(WO,A1)
【文献】 特表2008−513660(JP,A)
【文献】 特開2011−254727(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0269528(US,A1)
【文献】 Zongbao Hea,Zongchang Zhaoa,Xiaodong Zhanga,Hao Fengb,Thermodynamic properties of new heat pump working pairs: 1,3-Dimethylimidazolium dimethylphosphate and water, ethanol and methanol,Fluid Phase Equilibria,2010年11月15日,Volume 298, Issue 1,第83−91頁,ISSN:0378-3812
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 15/00−30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収式ヒートポンプの動作方法であって、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含む混合物を、該吸収式ヒートポンプの作動媒体として使用する前記方法。
【請求項2】
前記混合物が、4〜67質量%の水と、30〜95質量%の1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
吸収器と、脱着器と、凝縮器と、蒸発器と、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含む作動媒体とを含む吸収式ヒートポンプ。
【請求項4】
前記作動媒体が、4〜67質量%の水と、30〜95質量%の1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含むことを特徴とする、請求項に記載の吸収式ヒートポンプ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の吸収式ヒートポンプであって、それが吸収式冷却機であり、かつ冷却されるべき媒体から蒸発器内で熱が取り出されることを特徴とする前記吸収式ヒートポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収式ヒートポンプの動作方法であって、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む混合物を、該吸収式ヒートポンプの作動媒体として使用する前記方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古典的なヒートポンプは、蒸発器と凝縮器を介した冷媒の回路を基礎としている。蒸発器において、冷媒は気化され、冷媒により吸収された気化熱は、第一の媒体から抜き出されたものである。次いで、気化された冷媒は、圧縮器によってより高い圧力にもたらされ、そして気化に際しての温度よりも高い温度で凝縮器中で凝縮され、その際、気化熱が再び放出され、その熱は、第二の媒体により高い温度レベルで移行される。液化された冷媒は、その後に再び、蒸発器の圧力へと減圧される。
【0003】
古典的なヒートポンプは、それが、気体状の冷媒の圧縮のために多大な力学的エネルギーを消費するという欠点を有する。それに対して、吸収式ヒートポンプでは、消費される力学的エネルギーが削減される。
【0004】
吸収式ヒートポンプは、古典的なヒートポンプの冷媒、蒸発器及び凝縮器に加えて、吸収媒体、吸収器及び脱着器を有する。気化された冷媒は、吸収器中で吸収媒体中に気化の圧力で吸収され、引き続き、脱着器中で吸収媒体から、熱を供給することによって凝縮の圧力より高い圧力で再び脱着される。冷媒と吸収媒体とからなる液体作動媒体の圧縮は、古典的なヒートポンプにおける冷媒蒸気の圧縮よりも低い力学的エネルギーしか必要としない。冷媒の脱着に使用される熱エネルギーが、その力学的エネルギーの消費に取って代わる。吸収式ヒートポンプの効率は、吸収式ヒートポンプの動作に関する、冷却又は加熱に利用される熱流量の、脱着器に供給される熱流量に対する比率として計算され、"成績係数"、略してCOPと呼ばれる。
【0005】
現在業界で使用される吸収式ヒートポンプは、冷媒として水を含み、かつ吸収媒体として臭化リチウムを含む作動媒体を使用している。この作動媒体では、水の濃度は35〜40質量%を下回ってはならない。それというのも、さもなくば臭化リチウムの結晶化が起こることがあり、結果として作動媒体の固化にまで及ぶ問題が生ずることがあるからである。冷媒として水を有し、かつ吸収媒体として臭化リチウムを有する作動媒体を使用する吸収式冷却機では、従って、暑い国々では湿式冷却塔を介した冷却を必要とする温度レベルである吸収器において熱を取り去る必要がある。
【0006】
特許文献1及び特許文献2は、吸収媒体の結晶化によって引き起こされる問題を回避するために、有機カチオンを有するイオン性液体を吸収媒体として含む作動媒体を使用することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2005/113702
【特許文献2】WO2006/134015
【特許文献3】EP2246651
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、吸収媒体としてイオン性液体を含む作動媒体は、一般に満足のいく効率を有さない。
【0009】
さらに、冷媒として水を含む作動媒体はまた、該媒体が吸収式冷却機において4℃未満の温度への冷却を可能にしないという欠点を有する。それというのも、さもなくば吸収式冷却機の蒸発器において氷の形成が生ずることがあるからである。低温で食品を冷却するための吸収式冷却機の使用のためには、従って、水の融点よりも低い融点を有する冷媒を使用して高い効率を達成する作動媒体が要求されている。
【0010】
特許文献3は、吸収式ヒートポンプ用の作動媒体であって、冷媒としてメタノールを含み、かつ吸収媒体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートを含む作動媒体を記載しており、それは高い効率を有すると述べられている。前記文献は、さらに、比較例において、冷媒としてメタノールを含み、かつ吸収媒体として1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含むかかる作動媒体が、同じメタノール含量で、より極めて高いメタノールの蒸気圧を有し、それが、吸収式ヒートポンプにおいてより低い効率をもたらすことを述べている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者は、ここで驚くべきことに、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む作動媒体を、吸収式ヒートポンプにおける作動媒体として使用することによって、異なるカチオン又はアニオンを有するイオン性液体を吸収媒体として含む作動媒体と比較して改善された効率がもたらされることを見出した。
【0012】
従って、本発明は、吸収式ヒートポンプの動作方法であって、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む混合物を、吸収式ヒートポンプの作動媒体として使用する前記方法を提供する。
【0013】
本発明は、さらに、吸収器と、脱着器と、凝縮器と、蒸発器と、作動媒体とを含む吸収式ヒートポンプであって、前記作動媒体が、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む前記吸収式ヒートポンプを提供する。
【0014】
本発明の目的のために、吸収式ヒートポンプという用語は、低い温度レベルで熱が吸収され、そしてより高い温度レベルで再び熱が放出されるあらゆる装置であって、脱着器への熱の供給によって駆動される装置を含む。このように、本発明の吸収式ヒートポンプは、吸収器と蒸発器が脱着器と凝縮器よりも低い作動圧で動作する、吸収式冷却機と狭義の吸収式ヒートポンプの両方と、吸収器と蒸発器が脱着器と凝縮器よりも高い作動圧で動作する、吸収式熱変換器をも含む。吸収式冷却機においては、蒸発器における気化熱の取り込みは、媒体の冷却に利用される。狭義の吸収式ヒートポンプにおいては、凝縮器及び/又は吸収器において放出された熱は、媒体の加熱のために利用される。吸収式熱変換器においては、吸収器において放出される吸収熱は媒体の加熱に利用され、その際、該吸収熱は、脱着器への熱の供給におけるより高い温度レベルで得られる。
【0015】
本発明により吸収式ヒートポンプのために使用される作動媒体は、冷媒としてエタノールを含む。本願では、冷媒という用語は、吸収式ヒートポンプの動作の間に脱着器において冷媒リッチな作動媒体から気化される作動媒体の揮発性成分を指し、その成分は、凝縮器における凝縮と吸収式ヒートポンプの蒸発器における気化の後に、吸収器における低い冷媒含量を有する作動媒体に再び吸収される。前記作動媒体は、好ましくは、冷媒として本質的にエタノールのみを含む。すなわち、1バール及び150℃で気化しうる作動媒体の一部は、90質量%を上回る、好ましくは98質量%を上回るエタノールを含む。
【0016】
本発明により吸収式ヒートポンプのために使用される作動媒体は、吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む。前記作動媒体は、好ましくは、吸収媒体として、1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート及び/又は1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを、特に好ましくは1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを含む。本願では、吸収媒体という用語は、吸収式ヒートポンプの動作の間に脱着器において作動媒体から気化しない作動媒体の非揮発性の成分を指す。前記作動媒体は、好ましくは、吸収媒体として本質的に1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートのみを含む。すなわち、1バール及び200℃で気化しえない作動媒体の一部は、90質量%を上回る、好ましくは95質量%を上回るこれらの化合物を含む。
【0017】
本発明により使用される作動媒体は、好ましくは、4〜67質量%の水と、30〜95質量%の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む。
【0018】
本発明により使用される作動媒体はまた、水及び1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートに加えて、添加剤、好ましくは腐食防止剤を含んでよい。腐食防止剤の割合は、イオン性液体の質量に対して、好ましくは10〜50000ppm、特に好ましくは100〜10000ppmである。好ましい無機の腐食防止剤は、Li2CrO4、Li2MoO4、Li3VO、LiVO3、NiBr2、Li3PO4、CoBr2及びLiOHである。
【0019】
好適な有機の腐食防止剤は、アミン及びアルカノールアミン、好ましくは2−アミノエタノール、2−アミノプロパノール及び3−アミノプロパノールであり、また脂肪酸とアルカノールアミンとのアミド(脂肪酸アルキロールアミドと呼ばれる)及びそれらのアルコキシレートである。好適な腐食防止剤は、例えば2−アミノエタノール及びオレアミドエタノールポリエトキシレートの混合物であって、Evonik Industries AGから商品名REWOCOROS(登録商標)として入手できるものである。更なる好適な腐食防止剤は、有機のリン酸エステル、特にエトキシル化脂肪アルコールのリン酸エステルであり、また脂肪酸/アルカノールアミンの混合物である。好ましい有機の腐食防止剤は、ベンゾイミダゾール、特にベンゾトリアゾールである。
【0020】
本発明により使用される作動媒体は、さらに、6〜10個の炭素原子を有する一価の脂肪族アルコールを、効率の向上のための添加剤として、好ましくは0.001〜0.1質量%の量で含有してよい。該アルコールは、好ましくは、分岐したアルキル基を有する第一級アルコール、特に好ましくは2−エチル−1−ヘキサノールである。
【0021】
冷媒としてのエタノールと吸収媒体としての少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートとを作動媒体において組み合わせることによって、驚くべきことに、異なるカチオン又はアニオンを有する吸収式ヒートポンプ用の吸収媒体として知られるイオン性液体を1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートの代わりに含む作動媒体よりも高い効率が吸収式ヒートポンプにおいてもたらされる。
【0022】
さらに、冷媒を放出する吸収式ヒートポンプの漏洩から生ずる危険性は、特許文献3から公知の冷媒としてメタノールを含む作動媒体と比較して、本発明による使用によって低減されうる。それというのも、エタノールは、メタノールよりも毒性が低いからである。本発明による使用はまた、0℃より低い温度への経済的かつエネルギー削減的な冷却を提供する。
【0023】
本発明の吸収式ヒートポンプは、吸収器と、脱着器と、凝縮器と、蒸発器と、作動媒体とを含み、前記作動媒体は、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む。前記の吸収式ヒートポンプは、好ましくは、好ましい作動媒体として上記の作動媒体を含む。
【0024】
本発明の吸収式ヒートポンプの動作において、気体状の冷媒が、冷媒の少ない作動媒体に吸収器において吸収されることで、冷媒リッチな作動媒体が、吸収熱の放出を伴って得られる。冷媒は、蒸気形で、得られた冷媒リッチな作動媒体から脱着器において熱の供給により脱着され、こうして冷媒の少ない作動媒体が得られ、その作動媒体は吸収器へと再循環される。脱着器で得られた気体状の冷媒は、凝縮熱を放出しつつ凝縮器内で凝縮され、得られた液状の冷媒は、気化熱を吸収しつつ蒸発器中で気化され、そして得られた気体状の冷媒は、吸収器へと再循環される。
【0025】
本発明の吸収式ヒートポンプは、1つのステージか、又は複数の作動媒体回路が組み合わさった複数のステージを有してよい。
【0026】
好ましい一実施形態においては、前記吸収式ヒートポンプは、吸収式冷却機であり、かつ蒸発器内で冷却されるべき媒体から熱が取り出される。前記の冷却されるべき媒体は、例えば冷蔵庫又は空調装置の空気又は熱媒液であってよい。
【0027】
吸収媒体として単独のイオン性液体を使用する特許文献1及び特許文献2から公知の吸収式ヒートポンプと比較して、本発明の吸収式ヒートポンプはより効率が高い。特許文献3から公知の吸収式ヒートポンプと比較して、本発明の吸収式ヒートポンプは、冷媒が不燃性かつ非毒性であるという利点を有する。
【実施例】
【0028】
YAZAKI社製の吸収式冷却機CH−MG150型を、80質量%のイオン性液体と20質量%のエタノールからなる作動媒体を用いて85℃の入力温度及び30℃の冷却水温度で約527kWの冷却出力で動作させ、そして効率COPを、冷却力の加熱力に対する比率として測定した。前記の冷却力は、冷却された水の測定された入口温度と出口温度との間の温度差と、冷却された水の測定された体積流量と、冷却された水の平均温度での水の密度と、水の熱容量とから計算した。前記の加熱力は、同様に、加熱のために使用した熱水の測定された入口温度と出口温度との間の温度差と、熱水の測定された体積流量と、熱水の平均温度での水の密度と、水の熱容量とから計算した。前記作動媒体は、それぞれの場合に、添加剤を添加せずに、そして0.01質量%の2−エチル−1−ヘキサノール(2EHL)を添加して試験した。第1表では略記は、以下のイオン性液体を示している:
EMIM DMP 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート
EMIM DEP 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート
MMIM DMP 1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート
MMIM DEP 1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェート
MMIM OAc 1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート
MMIM OPr 1,3−ジメチルイミダゾリウムプロピオネート
【0029】
【表1】
【0030】
[本発明の態様]
1. 吸収式ヒートポンプの動作方法であって、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む混合物を、該吸収式ヒートポンプの作動媒体として使用する前記方法。
2. 前記混合物が、1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート及び/又は1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを吸収媒体として含むことを特徴とする、1に記載の方法。
3. 前記混合物が、1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを吸収媒体として含むことを特徴とする、2に記載の方法。
4. 前記混合物が、4〜67質量%の水と、30〜95質量%の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含むことを特徴とする、1から3までのいずれかに記載の方法。
5. 吸収器と、脱着器と、凝縮器と、蒸発器と、冷媒としてエタノールを含み、かつ吸収媒体として少なくとも1種の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含む作動媒体とを含む吸収式ヒートポンプ。
6. 前記作動媒体が、4〜67質量%の水と、30〜95質量%の1,3−ジメチルイミダゾリウムジアルキルホスフェートを含むことを特徴とする、5に記載の吸収式ヒートポンプ。
7. 前記作動媒体が、1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート及び/又は1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを吸収媒体として含むことを特徴とする、5又は6に記載の吸収式ヒートポンプ。
8. 前記作動媒体が、1,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを吸収媒体として含むことを特徴とする、7に記載の吸収式ヒートポンプ。
9. 5から8までのいずれかに記載の吸収式ヒートポンプであって、それが吸収式冷却機であり、かつ冷却されるべき媒体から蒸発器内で熱が取り出されることを特徴とする前記吸収式ヒートポンプ。